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イン・ザ・メガチャーチ
イン・ザ・メガチャーチ
朝井リョウ/日経BP
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総合評価

514件)
4.5
281
150
41
2
2
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    帯の「中毒症状があるほうが苦しくないのだ、人生は」という言葉に惹かれて購入。 めっちゃ現代の解像度高い。 何かに熱中するのは幸せなことだけど、視野狭窄に陥るのは怖いよね。依存先は複数あった方がいい。 自分を使い切るって怖いなぁ。 でも、燃え尽きて気づくこともあるよねぇ。 そうやって少しずつ生きるのが上手くなったりするのかも。 操る側って楽しいのかな? 熱中してる自分を俯瞰で見れる状態になるのが理想かも。心に国見を置いておこう。

    0
    投稿日: 2025.11.17
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    相変わらず、世の中みんな受け入れてるけどちょっと違和感あるよね ってことを切り出して、これでもかと言語化してグサグサ刺してくる。 今回のテーマは推し活ですが、何かに熱中したい、我を忘れて夢中になることがある人を羨ましいと思う人はご注意を。

    0
    投稿日: 2025.11.17
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    「宗教」をモチーフにした今作を読むと 「桐島、部活やめるってよ」のほとんど登場しないクラスの人気者、「桐島」はやはりキリストなのかもしれない。 登場しないのは神は存在しないからで、「象徴」だからか。 宇佐見りん「推し燃ゆ」では学校も家族関係もうまくいっていない主人公が芸能界を辞めてしまった推しに会いに行き、燃え尽きる話だった。

    0
    投稿日: 2025.11.17
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    帯にもあるとおりファンダム経済を仕掛ける側とそこに熱狂する側のお話。 自分は興味のない世界なので信じられないと冷めた目で見てしまうのだが、実際あるのだから(身の回りにもいる・聞く)巧妙に作られる世界観はハマってしまうのだろう。 盲目になりお金や時間が吸い取られるのは怖かった。 ストーリーとしてはとても面白く、動画の視聴回数のシステムやネットの話題上位への引き上げ方などなど、興味がないながら『そうなってるんだ!』との知識が得られて勉強になった。 朝井リョウ氏の小説はそんなに触れてきていませんが本作で視点のすごさを感じました。

    9
    投稿日: 2025.11.17
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    推し活の経験ない私は、序盤は、読み進めるのに少し苦労した。 でも、どんどん面白くなって夢中であっという間に読み終えた。 推し活恐ろしい!  そして、朝井リョウ、ほんとに人を惹きつける作家さんだなあ!

    0
    投稿日: 2025.11.17
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    面白かった…!!ページをめくる手を止めさせない、濃密な読書体験でした。 朝井さんの作品では勢いの良すぎるエッセイの数々とチア男子しか読んでなかったのですが、私の推しの俳優がサイン会の時に今この作品を読んでいると教えてくれたので何かこれもご縁だなと思い、珍しく単行本買って読んだ。 タイトルだけじゃまさか推し活が軸の物語と思わず…え?推しにこの作品を勧められ…メタ?? 朝井さんはとにかく人の心理を的確に「そうそう、そうだ!」と思わせるように書く。 しかも一文一文やたら昨今の推し活の孕む歪な構造や一方でそれを美化する風潮、その背景にある人間の心理、社会…の解像度が高くて、自分もオーディション番組=サバ番出身のグループを応援している身としては当事者感が強くもうやめてくれ…と思いながら読んだ。 でも「顔ない」「悪編」「スミン」が注釈なく書かれていて笑った。この界隈知らない人には分かんないワードすぎる。 ランダム商法は悪。それはそう。 でも私は朝井さんがオーディション番組=サバ番のオタクなのを知っているので (エッセイでも書かれているし、数年前の日プの際はLeap high(※テーマソング)を超笑顔で踊っているのを私は見ている) 彼は一体どんな視点でサバ番を見て、デビューした彼ら彼女たちを見つめているのかそっちが気になって仕方がなかった。 型にはめられることを厭い情報社会の濁流に戸惑っていた菜々が1人のために盲信に走る姿、 そして推し1人を軸にそれだけの生活をしてきた絢子(りんファミ)がだんだん大きな対象へと牙を剥いていく対比が見事。 "すみちゃん"の章、3ページしかないのに上手くできすぎていて鳥肌立ちました。 この作品は一見キャッチーな推し活をテーマにしながらも人間の欲と社会構造を描いていると思うので、どんな人が読んでも刺さりそう。 作中の出来事、あの事件がベースなのかなって既視感ありましたよね。 推し活が悪いとか陰謀論がどうとかそういうことではなく、多くのモノと情報に溢れすぎたこの世の中では「たとえ社会や会社から後ろ指をさされても、正解よりも本物の気持ちのほうを抱きしめ」ることが必要なんだろうな。 自分の気持ちや感情、性格すら全て手に取るようには分からないのに、人や社会のことなんてなおさら、あくまでも自分の受け取り方次第なわけで… 読み終わっても色々考えてしまう作品。 これを読んでいる私の推し、つまり推されてる側の人が今作を読んでどう感じたんだろう。 しかし特典のQRコード読み込んだらまさかの動画でひっくり返った。いくらサバ番オタクとはいえ、あのさ… 読後の興奮を返してください。笑

    0
    投稿日: 2025.11.17
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    朝井リョウさんの本は毎回何が正しいのか考えさせられる。 ちょうど孤独を感じていた時に読んだのもあって、物語に没頭することが幸福への道だと思った。 拡がってしまった視野をあえて狭めていくことで得られる幸福があることにひどく共感しました。 実際、コミュニティの中にいる人は充実そうに見える。 いや、狭めすぎてしまった視野の先に待っているのは破滅ということなのか。 どれだけ考えても答えのないところもこの本の魅力です。 1年後またこの本を読んでどう思うか楽しみにしてます。

    0
    投稿日: 2025.11.17
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    めっっっちゃくちゃ面白かったーーー!!!!!面白すぎてページを捲る手が止まらず半日で一気読みしてしまった。 この1年で自分の中で推し活とファンダム文化の解像度が爆上がりしたこともあり、面白いし滑稽だし可笑しいしでゾワゾワした。 Xで見たなぁこういうオタク、がいっぱい出てきたが、もし私が推し活を知らないまま読んでいたら、登場人物たちを嘲笑の対象として、もっと引きながら読んでいたと思う。 多少強引に感じる展開もあったけど、孤独、自他境界線が曖昧、生活基盤が脆い、のどれかに当てはまる人は、推し活が危ない方向にいきがちなのは、この1年弱界隈を観察していて実感しているので説得力があったな。 推し活において知性と教養と客観性はとても大事。それらが欠如した人間では在りたくないと日々思っている。

    5
    投稿日: 2025.11.16
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    とても興味深く面白かったので、あっという間にに読了。 当たり前だが、ゆとりシリーズを書いている人と同じとは思えない、現代、各世代への洞察、参りました。 特に久保田慶彦と同年代の小生には、刺さりまくる部分があり、、「やってこなかったことが還ってくる」、、しっかり家庭にも愛情を向けつつ、仕事以外の友達を大事にしていこうと思いました。

    0
    投稿日: 2025.11.16
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    推し活を仕掛ける側、ハマる側、推し活をやめる側、それぞれの視点で描かれた現代小説。 脳の仕組みを利用したマーケティングが多用されている現代で、はまる側心理、はめる側の戦略について作品という形で見事に描かれていた。 3人とも、共感する部分があったが、中でも、ファンダムを利用することに対して語られた「何かに対して自分を余すところなく使い切っているという本人以外が覆しようのない幸福感を得たい」という部分を言語化できたことが凄い。 「正欲」を読んだ時も思ったけれど、朝井リョウさんは人間の欲の本質的な部分を言語化することにとても秀でた作家さんなのだろう。 視野が広くて考えすぎると行動できなくなり、視野が狭いと過ちやズレに気付けない。 意思決定にミクロとマクロ両方の視点をもつことが大切だと思った。

    0
    投稿日: 2025.11.16
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    昔、学校でよく聞いた言葉を思い出した。 「主役は生徒の皆さんです」 実際に皆が主役になれる訳もないが、主役だと言われると悪い気がしないのだろう。(この歳になると主役になるほどの気力は無いんですよね。あの時の先生方も気力なくて生徒に丸投げしてたんじゃ…笑) 物語に入るとはつまり、自分になんらかの存在意義があるだとか価値があるとそう思うことだと感じた。人は人との関わりや人からの価値を気にして生きているんだなと、自分も気にしているなと思う。 特にinfpのくだりは自分がinfpなのもあってか(これも思い込みかも!)共感とともにいたたまれなくなった。 (事実を突きつけられると、かなり痛いんですよ?笑) 何にせよ、この「推し活」という観点を三者三様の視点から、信仰する幸せとそれにより起こる不幸せを描いた物語は面白かった。 というか、私はこの本の表紙がとても好きです。いえ、ね。別にパケ買いという訳ではないんですけれど、綺麗だな…と思いながら手に取ってそのまま購入させていただきました。

    0
    投稿日: 2025.11.16
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    推し活する人々と,それを仕掛ける人.寂しさという弱みに付け入る戦略.怖いようです.何を信じればいいのかと思いました. また推し活動がよくわかっていなかったので,非常に勉強になりました.

    0
    投稿日: 2025.11.16
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    〜感想〜 ファンダム経済について、推す側と運営側 3人の視点で物語が進んでいく。推す側と運営側の感情に共感する部分と近代的なファンダム経済について学ぶところがあり面白かった。 〜特に心に残った部分〜 人生の後半に顔を出すのは、これまでやっ てきたことよりもこれまでやってこなかったことのほうだということは、ここ最近、身にしみて感じている。

    0
    投稿日: 2025.11.16
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    日常に問題を抱える3人が、味噌汁という名の日常からかけ離れていってしまう物語なんだ。小説がうますぎる…。

    0
    投稿日: 2025.11.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    推しの死をきっかけに陰謀論へと傾いていく派遣社員女性。 将来の道と自分の性格がかみ合わず、推し活にのめり込んでいく女子大生。 離婚と仕事の孤立から立ち直れずにいたのに、ある日突然、推し活の信徒をあおる側の仕事に戻ることになる男性。 それぞれが別々の場所で迷いながら、いつの間にか自分の“物語”のなかへ深く入り込んでいってしまい、それぞれが「極端な行動」をとるようになっていきます。  いわゆる環境問題や貧困問題から世界平和まで、視野を広げれば広げるほど正解に近づく気がするのに、あまりに広げると、今度は何も決められなくなってしまう。  どこかであえて視野を狭めることで行動ができるようになる。  物語の登場人物たちは、視野が狭まるほど、ひとつの対象へ深く入り込み、その世界の中だけの“必然”に従って行動します。その自然な流れが描かれていて、読みながらその言語化に感嘆させていただくとともに、「自分は大丈夫」が揺らぎます。  そして、最後の場面でそれぞれの物語が交わってしまうカオス・・・。 ☆以下、メモした言葉です。   人生とは、これまで自分がやってきたことが還ってくるものだと思っていた。・・・ただ、これからは違うのかもしれない。今後還ってくるのは、これまでやってきたことよりも、これまでやってこなかったことの方なのかもしれない。 できていないくせに、心の健康が一番大事だとか、生きてるだけで偉いだとか、自分を甘やかすおまじないばかり手に入れ続けている。 狭く、小さくしていくからこそ見えるものがある。私は手元のミニチュアを見つめる。好きの気持ちを起点に、一点を細やかに突き詰めていくからこそ広がる知見がきっとある。割り箸と環境問題のことも、ヴィーガンと食料問題のことも、間違いなく国際社会を生きる一人の人間として知っておくべきことだ。だけど、そうやって視野を広げるほど、自分がすべきことがわからなくなる。視野を広げれば広げるほど、この世界が平和や平等からはほど遠くて、理想を叶えるための道のりがあまりに長すぎて、現在も未来も絶望に満ちているような気持ちになってしまう。世界を知るほど、何をしても誰かにとっては本質的な行為ではないこと、誰にとっても正しいことなんてこの世に存在しないことも同時に知ってしまって、身動きが取れなくなってしまう。 自分のことや世界のことを視野を広げて見つめてみれば見つめてみるほど、最適解は移り変わり、身動きが取れなくなっていく。それがしんどい。 今の日本の構造と同じか、俺はこっそり思う。死者の数が新生児の数を上回っている現状をどうにかしない限り、一人当たりの負担は増え続ける一方だ。 つくづく感じたのは、決して少なくない人が、自ら何かの中毒に陥りたがっているということです。それは多分、我を忘れて何かに夢中になっている方が楽だからです。ずっと我に返ったまま生きるには、この世界は殺伐としすぎていますし、人間の寿命は長すぎますから。 同じ対象を強く押す仲間との結束は視野をさらに狭めてくれますからね。物語に没入するというのは視野が狭まるということでもあります。 このゲームを知らないお二方からすると、この画像を手に入れるために何万円もの対価を支払うなんて考えられないと思います。それはお二方の視野が、当然ながらゲームの物語の外側に及んでいるからです。 ほとんどの人は仕事や勉強、家事の息抜きにプレイしているだけで、のめり込む人の方が圧倒的に少数です。だから、物語に没入して視野を狭められるというのは、ある種の才能なんです。 神がいないこの国で人を操るには、物語を使うのが一番いいんですよ。 英語を話しましょう。このフィクションで泣きましょう。これはあなたの物語。この本で人生変えましょう。色とりどりのデザインを組んでまで、広告枠を安くない料金で買ってまで、乗客にそう呼びかけているのは、それが自然発生的に湧き上がる欲求ではないかのだ。 発信している内容は、「そんなバカな!」と言いたくなるようなものばかりだけど、そもそもこの結論ありきで身の回りの事象を解釈する回路が、りんファミの脳内に完全に搭載されてしまったようだ。それはつまり、反対意見をすべて"反日勢力による攻撃"と変換する回路でもあるわけで、そうなったらもう、どうぞ気の済むまでおやりなさいと温かく見守るしかなくなる。 情報は、それが不穏な内容であるほど、強烈な物語にばけて集団を連帯させます。 我々の発信に気づかない世の中が間違っている。我々を批判する人たちはまだ真実に気づいていない。開拓者はこちらだ。我々の思想こそ世の中に広がるべきである――どのジャンルでも信徒機質の主張は似通った構造に行き着きます。強く、狭く一つの事象を信じ込むと大抵このような出口が待っているんです。でも、だからこそ他の機質に比べて強烈な連帯を手にします。情報の拡散と布教の呼びかけを共に実践するうち、そしてその言動を周囲から否定されたり嗤われたりするほど同志との絆は強固になっていきます。そうなると熱量も没頭度も雪だるま式に高まり続けます。 その人も、そうでない人々も、同じ世界を生き、同じ情報に囲まれている。そこから受け取る感情と、その感情から生まれる物語がそれぞれ違うだけだ。 昨今よく聞く、性別で物事を語ってはいけないというルールが無法になる時がある。それは、男を悪く言う時だ。 人生の後半に顔を出すのは、これまでやってきたことよりも、これまでやってこなかったことのほうだ。 でも、さらに視野を広げて考えてみると、この作業は永遠に繰り返すことができる。何が本当の対象のためになるのとか、何が今最も本質的な行為なのかという問いは、視野を広げて考えてみると、という呪文を唱えさえすれば、その答えを永遠に反転させられる。つまり、どの角度から見ても間違いなく本質的に正しい答えなんてどこにもない。どこかで、"この視野で、ある程度の確率で間違う"と覚悟を決めるしかないのだ。その事実を受け入れず可能な限り本質でありたいあまり、そして誰からも攻撃されたくないあまり、さらに視野を広げるべく視点をどんどん後ろへ引いていくと、いつの間にか誰の姿も見えないくらいに、自分だけが全てから遠ざかっている。そうなるともう何の行動にも出られなくなる。全ての角度からの審判を俯瞰できるまで視野を広げることは、誰とも何とも連帯できないほどこの世界から遠く離れることと同義だからだ。本質であろうとすればするほど何の行動にも出なければ、どこからも裁かれないという考えに飲み込まれる。そんなことに何の意味があるんだとか、それが最適解じゃないのにとか、そんな冷笑だけが両手にあふれ、人生の砂時計をただ眺めているだけになる。 この気持ちは本物だ。そう、本物なのだ。正解かどうか、本質的かどうか、そんなことはわからない。わかった気になったところで視野を広げれば、すぐに答えはひっくり返る。だけどこの気持ちが本物だということはわかる。 間違っているかもしれない、笑われるかもしれない、恥をかくかもしれない。だけど今は視野をわざと狭めて動いてみたい。 人を動かすのは、広い視野をもって立証された完全無欠の正しさではない。狭い視野を隙間なく埋め尽くす、あらゆる制御を撥ね除ける強度の思い込みだ。

    0
    投稿日: 2025.11.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    SNSの世界、推し活の世界をこれほど深く掘り下げるとは。。。朝井リョウ氏の才能には感心させられる ・トレンド入り:ハッシュタグを含んだ下書きを大量に保存しておき、時間を決めて仲間で一斉に投稿する事で生まれるもの ・推し活経済を築く者、のめり込む者、過去のめり込んだ者 3様の物語が最後集結するという構成 ・大学生の娘を持つ父親。中年男性の悲哀と孤独を見事に表現している ・クライマックスシーンも秀逸 これからどうなる?との興味が深まる

    1
    投稿日: 2025.11.16
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    推し活、中年男性の孤独についての解像度がとても高いと思いました。 ラストは朝井リョウらしいなと思いました。 推し活など何かに熱中して、視野を狭めることは幸せだと思います(狂わない程度に)、、。 少なからず、みんな何かに縋っていないと、今の世の中は生きづらいのではないかと思います。 自分の人生について考えさせられるいい本だと思いました。

    0
    投稿日: 2025.11.16
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    推し活をしていない自分にとっては、知らない世界を俯瞰して見ているような感じでした。 特に久保田と道哉のシーン「社会人になると理由なく会える友達がいない」という台詞や、女性同士の雑談=情報共有による連帯という描写が印象に残りました。 推し活・承認欲求・人間関係の構造を、高い解像度で描いた作品だと思いました。

    10
    投稿日: 2025.11.16
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    神=推し 宗教幹部=運営 お布施=課金 イベント・ツアーコンプ=巡礼 そして推し活は、布教。 求めるものは、孤独からの救い、繋がり。 朝井リョウさん、ファンダム経済をここまで掘り下げるとは。 もう、一気読みでした。凄かった…

    12
    投稿日: 2025.11.16
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    生きるって何かしらの物語に呑み込まれることだと思うので、正直羨ましいなとさえ思った。 面白かったな。

    0
    投稿日: 2025.11.16
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    さすがでした、、、 推し活がテーマって聞いてたけどだいぶ深くてもやもやして一気に読み終えた。けど最後のページからの続きを読みたい。 ずっと我に返ったまま生きるにはこの世界は殺伐としていて ってところに大共感でした。

    0
    投稿日: 2025.11.15
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    しんど。 テーマが 推しについてっぽかってので、ライトに読めるかなと思ったけど。 全然ライトに読めず。 結局、どの主人公にも共感できず。 ただただしんどい。

    0
    投稿日: 2025.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本当に朝井リョウの作品は、見たいものを見させられるというか不快な気持ちになる。この作品を読んだ人にはこれは褒め言葉だとわかってもらえると思う。 自分を消費しきりたい、物語に呑み込まれたいと思う気持ちは、誰もが少なからず持っている感情だと思う。それは推し活や偏った思想のみならず、何かに熱中していれば同じことだと思う。アイドルに入れ込んでいるわけではないが、自分を見ているようで終始胸がざわついてならなかった。

    0
    投稿日: 2025.11.15
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    人を惹きつける文章を書くことや、流行の最先端を追いかけること、流行を文字通りになぞるのではなく深く掘り下げて見つめること等、朝井リョウさんはとっても上手で話題になるのも分かるなと思った。 読みやすいし、面白い。 何故、推し活がこんなにも今流行っているのかを掘り下げて考えると、生きにくく明るい未来を想像することが難しい、今の私たちの生活の苦しさが背景にきっとある。 下の言葉が心に残った。 「わざと信じ込む。わざと強く思い込む。 没入する。視野を狭める。我に返らないように。」 「人生を使い切る」という言葉が正しいかは分からないが、私たちは自分を消費して夢中になって、疲れ切って消耗して得られる満足感や開放感をどこか求めている。 ただ、出てくる3人の登場人物にも、この物語で描かれる推し活のあり方にも、視野を狭めた先に見える景色にも特段入り込めず、共感できず、自分の中の新しい扉は開かれなかったので、少し残念に思ってしまった。

    10
    投稿日: 2025.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初めての朝井リョウさんの作品でした。444ページですが、サクサク読めます。物語に出てくる様々な人たちを通し、誰かの熱量に巻き込まれてしまう怖さや情報がたくさんある今の時代だからこその心の揺れやすさを感じました。 作中で触れられていた「自分ごとに引き寄せて視野が狭くなること」や「拡大解釈してしまうこと」も印象に残っています。SNSでふと自分の不安に重なるような投稿を見つけてしまうと、つい悪い方に考えてしまうところがあるので、どこか自分にも重なる部分がありました。 隅川のすみちゃん... 澄香のすみちゃん(ちゃみする)の 未来の姿を想像してしまいます。 推し活の経験はないけれど注意喚起にもなり、 読んでよかったなと思える作品でした。

    0
    投稿日: 2025.11.15
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    自分は推し活もSNSもしないので専門用語がわからないこともあったが、ファンダム経済の提供側も授受側も大変そうだな、と感じた。 視野狭窄をし、いわば現実逃避したくなる気持ちもわからなくはないが、視野を広げ素直に楽しむことが大事と感じた。 アイドルなどにかかわらず、スマホという機器さえも視野狭窄の面では大いに関係があると思う(少し大沢な感じはするが)。

    0
    投稿日: 2025.11.15
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    1年以上に渡り、日経新聞夕刊で毎日連載されていたという本作は、まさに渾身という言葉に相応しい作品だったと思う。 綿密な取材、そこから得た知見をさらに深掘りしそれを構成・言語化していく手腕、推敲していく時間もほとんどないだろう中で書き上げる完成度の高い表現力。一文一文が、並の小説家ではないと感じさせるには十分すぎるほど、研ぎ澄まされていて、ただただ感心させられた。 世代も立場も異なる3つの視点に不自然さはまるでなく、朝井さんがカメレオンのように姿を変え、キャラクターを憑依させ書いているのではと疑うほどだった。物語そのものも、どのような展開に収束していくのか引き込む力が強く、この膨大なページの世界観をこうもうまくまとめるのかと… 印象的だった一節は枚挙にいとまがないほどあったが、中でも 「何かに対して熱量を高めていたい、なにかに時間や労力や資金を注いでいたいという人はとても多い。我を忘れて夢中になっているほうが楽だからです。ずっと我に返ったまま生きるにはこの世界は殺伐としすぎていますし、人間の寿命は長過ぎますから」 という台詞は胸に来るものがあった。 こんな風に、物語のふとした文面に織り込まれている朝井リョウさんの世界の解釈に触れるたび、さらにその思考を見たくなるような思いに駆られ、他の作品を楽しみにさせてくれる稀有な存在だと改めて思いました。 ほんとうに素晴らしかったです!

    6
    投稿日: 2025.11.15
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    プロデューサーの言ってた、「他者との優しくて健やかな繋がり」という言葉にみんな否定はしてたものの、それぞれ別の立場の全員が根本では求めているという皮肉を感じられる 数字的には世間で大人気であるはずのアイドルの知名度がそこまで高くなく、認知度が伴ってないのは狭い範囲のファンがとてつもなく貢献しているからと現実世界とリンクしていた ただ朝井リョウの中ではいまいちハマれず 物語の力をものすごく感じた、スラムダンクをみてバスケをするやつの気持ちが今ではわかる

    1
    投稿日: 2025.11.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    正欲も読んで改めて思いましたが、朝井さんは特に中年男性の描写がリアルですよね。蓄積された古い価値観を変えられず、若者との関わりを通して期待しちゃって、自分を変えたいと奮起して今までに無い行動を起こしたら破滅に向かってしまうという… 結末を思い返すと悲しくなります。結局彼に救いは訪れなかったんだなって。 「中年男性×推し活」というテーマからまず一番最初に想像されやすいのは'推し活に勤しむ中年男性オタク'、つまり今作で言う澄香などの搾取される側だと思うのですが、朝井さんはそういった安直な考えで作品を書かなかったのも何となくわかる気がします。 本作を通して私は、自分のお金、時間、感情を惜しみなく注げる対象を人生をかけてずっと探しているのだと思いました。ある時点でその対象に飽きたとしても、また次の対象はどこかに無いかと頭が勝手に探し出そうとする。空っぽの状態は耐え難いのです。 そして対象というのは、人によっては推し活であったり、仕事だったり、恋愛だったり、もしくはまだ想像できないようなことだったりします。 締めの言葉がなかなか見つかりませんが、自分が今まで避けてきたことを見つめ直すきっかけになった作品の一つです。

    1
    投稿日: 2025.11.14
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    うわお…。推し活…ダーク、めっちゃダーク。なんか、いい感じのシーンでも全体が重いから、暗くなる。すごい。 物事の明暗の暗の方をに焦点を当ててる。そりゃ暗くなるわけだ。 ダーク、でもとても面白い。

    11
    投稿日: 2025.11.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み終わってしまった。 推し活を巡る3人の物語。正直あの後どうなったのかすごく気になるし、グイグイ読ませる筆力にうなるしかなかった…。 内容があの事件のことを刺しているのかな、とか、推し活のアルゴリズムについてそういうロジックなのか、とか、ああ、と声を出しそうになった。 孤独な、自分が確立されていない人ほど何かにすがりたくなる。それが推しだろうが、宗教だろうが。 しばらくこの余韻にひたりたい。

    4
    投稿日: 2025.11.14
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     本作は、アイドルを売り出す運営側の者、生きづらさから推し活にハマる者、推し活から陰謀論に傾倒する者の3人の視点で展開し、それぞれが何を信じ、何に突き動かされていくかを描く物語です。  今の時代をこれだけの純度で凝縮・活写し、小説に落とし込んだ手腕に脱帽です。アイドルの「推し活」の話とあって、高見の見物で静観する積もりが、思わぬところ(中年のオッさんの孤独)で「これってオレだ!」と、ハッとさせられました。他人事ではありませんでした。  静かで敬虔な祈りを捧げる小さな教会ではなく、巨大なライブ会場のようなメガチャーチに信徒を取り込むかのように、ファンダムを動かし利用する側の視点が興味深かったです。  徐々に熱中する対象に取り憑かれ、仲間と共有する没入からの高揚感…。それに呑み込まれていく様子が、空恐ろしくさえ感じました。何かに踊らされている感覚と、日常の経済生活と切り離せない我が身を重ねてしまいます。  何かに没入することは、生活に活力を与えてくれますが、過度にハマってしまうと失うものも多い気がします。"依存"ではなくマイペースな"癒し"でいいですよね。誰にだってお気に入りの作家さんやミュージシャンくらいいるでしょうから…。  右往左往する人の心理を、朝井さんは実に巧みに描きます。現代社会の閉塞感を打破する希望と闇を見せつけられ、この小説世界に呑み込まれてしまいました。喜んで本作を「推し」ます!

    105
    投稿日: 2025.11.14
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    推し活にのめり込む人々の熱狂と、それを巧妙に操る側の闇を鋭い筆致で描き出した物語。 「好き」がいつしか心を呑み込み、抜けられない構造へと変わっていく様は宗教そのもの。 推し活の裏に潜む怖さを静かに突きつける、背筋の冷える一冊でした。

    10
    投稿日: 2025.11.14
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    現代社会における自分の現在地を、最も詳しく教えてくれる作家、朝井リョウ。ただその教え方はかなりスパルタで、陰気臭く、容赦が無い。自分の言葉で上手く説明できない思索や感情を、彼の手腕に任せたが最期、的確すぎる言語化に抱きしめられ、そのまま背骨ごと折られてしまう。朝井リョウはこの世の全てを知っている。逃げ場はどこにもない。

    15
    投稿日: 2025.11.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    推し活、陰謀論、中年の危機。 遠い存在のように見えて、そんな虚しさの裏には、実は通じるものがある。。。 推し活など、令和の今を描いた水々しさがありつつ、普遍的な人間の生きづらさを描く、朝井リョウらしさを体現した小説で、今年一年で読んだ小説の中で一番面白かったです。 「推し活」「ファンダム」という言葉は、広まって久しいですが、世間で言われている推し活の理解のなさを痛感しました。 仕事でも、「推し活分脈で、PRを、、」とよく耳のするが、世の中で言われている推し活って、「表層」をなぞっているだけで、下手したらファンからの反感を買うリスクが大きいと感じた。 視野を狭める上で、重要なファクターは、「連帯できるコミュニティ」と「物語」。 歳を経るにつれ、男性は特に、連帯できなくなり、孤立していく(中年の危機) 年収が低い、交友関係が狭い、結婚をしていない、 そんな社会的弱者は、自分の弱さややるせなさから逃げるために、視野を狭める。 自分にとって、都合のいい物語を生きるようになる。 地球平面説を信じている人は、社会的弱者が多く、コミュニティに属する安心感から、のめり込んでいく〜みたいな話を以前聞いたので、この本で繋がった。 ここからは小説の感想ではなく、個人の感想ですが、 自分は学生時代、「推し」がいないことが悩みだった。 他の人より、熱中する力がないのか?そんな人間は、老後どんな生活をするのか?と不安に思っていた。 しかし、社会人になって、自分の可能性がどんどん狭まるにつれて、アイドルや芸人など、輝いている人を見ている時間が昔よりかけがえのない時間になった感覚があった。 これは、自分が熱中できるようになったのではなく、視野を狭めることで、単調な毎日や、成長や可能性が失われつつある自分自身から目を逸らしているのではないか? 就活も、転職も、結婚も、子育ても。 自分の都合のいい物語を作ることで、気を紛らわしていないか? 否定はできない。

    3
    投稿日: 2025.11.14
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    これだけ長いんだからラスト読者に丸投げしないで描き切って欲しかった。メインキャストの2人もガッツリ交わってくれるものと期待してしまった。

    14
    投稿日: 2025.11.13
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    誰かに対しての心からの応援は美しい事であり、応援している本人達も幸せだが、全てが最高ではない。本の帯にある【「物語」の功罪】とは的を得ていると思った。おもしろい本だった。

    8
    投稿日: 2025.11.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    令和のホラー小説だと思った 推し活しているときの高揚感、喪失感、視野狭窄 周りとの不和や孤独感 これ読んでる2日間悪夢を見たのは私自身が私は違うと、私もそうかもを行き来してたからなのかな

    2
    投稿日: 2025.11.13
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    読みやすくて良かったけど、内容グサグサ刺さる!痛い!怖いー!!! それぞれの主人公に共感できることが多くて、キツめの性格の菜々とのやりとりも容易く想像できてうわあああってなる。 てっきり作者さん女性だと思ってたらまさかの男性なのね!MBTIとか出てきて女性の会話の解像度高すぎワロタ。 面白かった。

    2
    投稿日: 2025.11.12
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    朝井リョウさんの本は初めて読みました 帯の言葉に惹かれて購入しました 表紙がギラギラして眼を惹くのですが、外すとパステルカラーにスピンも白でオシャレだなと思いました 序盤から表現豊かな文章で読みやすく惹き込まれました!

    3
    投稿日: 2025.11.12
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    大好きな作家さんのお一人、朝井リョウさんの最新作。 「桐島〜」の感じから始まってキタキタと思ったけど、444ページの大作は尻つぼみな感じ…。 オイラは勝手に好きな作家さんには、こんな小説を変わらず書き続けてほしいっていう、無理矢理な願望があるんだよねー。 でもそれはけっこう難しいことで。 作家さんには違う分野へのトライを求める層もあるだろうし、ご自身もそう思っていらっしゃるかもしれないよね。 そして時代は無情に流れてしまう。 その時代が求めるものもあると思う。 じゃあオイラだけが止まって待っているかといえば、オイラ自身もきっと少しずつでも動いてる(ハズ)。 でもでももうちょっとだけ、「ゆとり」方向に行かないで「桐島」よりであってほしかったかなぁ。 コアなファンになってしまうとムズイね。 (自分でいうなってね)

    20
    投稿日: 2025.11.12
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    価値観が多様になった社会では、本質的なことや絶対的な正しさがはっきりしなくなっている。本質的なことを追い求めると何が何だかわからなくなり、結局、思うように行動できない。だから、視野を狭めることで、それを正しいと信じこむことで、自分の体や心をなんとか動かし生きている。 いや、これは価値観が多様になったからなのだろうか。そもそも、人は何かに対して問いを立てたり、客観的にみようとしたりすればするほど、生きにくくなってしまうのかもしれない。だから、物語にすがるのか、と思う。

    2
    投稿日: 2025.11.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰する――。 あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側――世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。 「神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ」

    1
    投稿日: 2025.11.12
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    騙される方が幸せって言うけど、なんとも言い切れない。なんだか苦しそう。仕掛ける側もエンドレスだし、身内に仕掛けられてる人がいたら、不幸。改めて自分の幸せについて考えさせられる。美味しい物食べて、少なくてよいので共有出来る人がいて、好きな事が出来ることかな。その為にお金を稼ぐ仕事を努力して頑張るぞ。

    1
    投稿日: 2025.11.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    感想が難しい。久保田のコンシーラーとリングのライト、暴走して押しかけるところが面白いかな。推しとか黒幕とか霊感商法とか貧困とか内容盛りだくさん。

    1
    投稿日: 2025.11.11
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    良かった 推し活の連鎖反応 SNSで多様な価値観とか思想に触れられるようになった時代で、中途半端に広がった視野と思考で頭を悩ませる現代人。視野を狭めて、目的を明確にして小さなわかりやすい達成感とコミュニティを与えてくれる推し。 なんていうか、みんな疲れてるんだな。SNSとか人と繋がることに。共通項がないと空い繋がりとか、SNSの虚構とか、誰が何を思ってるのかとか、話題の幅が広がりすぎて、逆に流行りについていけないとか、話題のジャンルが散らばりすぎて追いつけないから、ジャンルを絞って深くすることでコミュニティ形成って感じか。 現代の老若男女の行動を客観視させられて怖い。宗教。でも、怖いの、魅力的で。 今、今この時代に読むのが良かった。過去でも未来でもなく今読めて良かったです。

    9
    投稿日: 2025.11.11
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    推活で熱中している方が幸せなのか。 視野を広く持った方が幸せなのか。 どちらが正解とは言わないけれど、孤独になったら一つの【推し】を見つけてみるのもいいかしれないと思えた作品でした。 その世界で行き過ぎたら止めてくれるような、友達も見つかるといいよね。 何事もほどほどに… 世界情勢も理解できるとてもいい作品。 どの年代の方が読んでも、自分と照らし合わせながら楽しめるのではないかと思います。

    9
    投稿日: 2025.11.11
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    どう生きるのが正解なのか、正解などなくなった現在の日本。ともすれば情報の波にのまれ、自分が立っている場所を見失ってしまう。視野を広くすれば動きづらくなるし、視野を狭くすればよくわからない方向に突っ込んでしまう。 オタク活動、楽しいんだよな。生活がぐんと充実するように感じるし、仲間も増えるし、行動範囲が広がるし。金銭、時間を費やしても、そこまで夢中になれるものに出会えるのは幸せだし、また何かに没入したいなと思う今日この頃。

    19
    投稿日: 2025.11.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「それがどれだけ間違いだと言われる時代でも、そっちは正解の部屋じゃないと背を向けられても、最初から目の前の大切な人に対して自分を使い切るべきだった。」 刺さりました。 視野を広げないといけないと、色んなことに手を出していましたが、自分が大切なものと思うものに視野狭窄になるのも、幸せの1つの形だと思いました。

    1
    投稿日: 2025.11.11
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    「教会」にいることも、救いの面があるという終わり方は印象的。救いのない話かと思って読んでたが,それ自身が救いだった。

    1
    投稿日: 2025.11.11
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    I NFTの女の子の4人より多い飲みの場、特に勝手に友達の友達みたいな人を誘ってくるのも苦手な感じが共感。 休みの日に特に目的もなく会う友達はいるか?っていうおじさんへの問いかけは確かに自分へも危機を感じる。 やばそうな登場人物がいるが、一定こういう人はいるんだろうなと思う。 陰謀論に堕ちていくあたりは『ようこそ!FACT』と似た嫌な感覚を感じた。 推し活ってあんなにSNSのアルゴリズムとかハックされてるんですね。 色んな熱レベルの人がいて、今回のターゲットは最も熱を注ぐ人たち。 その解説的キャラのゲーム界隈の人が淡々としすぎて怖いがそれが飲み込まれない性格でもあると。 物語やコミュニティの持つ力。ゲームとも似たものがあるのか。 視野が広がっていくのと、視野が狭まっていく、このどちらともが過激派になっていく見せ方と終盤のまとめ方がすごい。 正解がない時代に、何かを信仰してでも本気で生きる眩しさ、そんないまの時代の生き方。

    5
    投稿日: 2025.11.10
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    一気に読んでしまった。少しだけゾクゾクするような感じもあり、なんとも面白かった。 朝井リョウはいつも、その時代を上手く書く。出てすぐ読みたい。できれば新聞の連載で読みたかった。

    1
    投稿日: 2025.11.10
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    面白くてスルスル読めた。 ・推しがいなくなり、視野を広げた(?)人 ・推しができ、視野を狭めた人 ・物語に自らも引き摺り込まれた人 3人の視点から語られます。 どこまでがフィクション?どこからが本当?と、推しがいる身としてちょっと怖くもなりました。 日本が弱体化してる、とか、不必要なことに目を向けさせられているんだ!とか、ちょっと「確かにそうかも?」と思ってしまうような発言もあったりして。バカ真面目に気になってしまった。

    10
    投稿日: 2025.11.10
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    SNSの運用やマーケティングにも役立ちそうなお話で、そこに心の動きがまざまざと描かれていて自分がその登場人物になっているかのように錯覚してしまった。 章ごとに違う苦しみがくる感じ。 自分にとって何が良いのか考えてみる。

    9
    投稿日: 2025.11.10
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    自分もいわゆる「推し活」をしているため、興味を持って読んでみた。本作は推し活を徹底して再領土化するものとして描いている。毎日Twitterで見ている光景が散りばめられているばかりで目新しいものは何もなく、特に読む必要はなかった。 脱領土化する推し活というものは現に存在し、自分はそれを実践しているため、そちらに接続する希望の物語であれば評価できただろう。

    2
    投稿日: 2025.11.09
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    私が経験したあの熱量や過去の戸惑い、思いを巡らせた過程がそのまま文字になっていて驚いた。あまりにも核心をつくような、思い当たる節がありすぎる文章が次々に出てきて「おいおいマジかよ」と何度か顔を上げてしまった。言語化の鬼。 誰かのファンであったことがある人間としては「視野を狭く」することをあんなに俯瞰的に見せないでくれよと思ったりした。過去、推しの炎上に対して擁護しきることも批判しきることもできなかった時、「すべての物事は立体のようで切り口の形は様々だけど、自分から見える切り口さえ愛せるなら好きに自信を持っていいんじゃないか」と心にケリをつけていた私、あまりにも分かりやすく視野を狭くしにいっていて、小説のそのままで朝井リョウが恐ろしくなった。そして、これは視野を狭くしたことがある人間が書ける物語。オーディション番組は物語の麻薬なので。 本、流行りものが登場することがめったにないので鮮度が高いワードやアイテムが登場していてアガった。INFPという絶妙なチョイスとか、オプチャ・タグイベとか閉ざされた世界の言葉をガンガン使うの攻めてるなぁと思うし、おかげで相当刺さりました。

    11
    投稿日: 2025.11.09
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    なんでも良いから賞をとってほしい!! と中盤くらいで強く思った。今年1衝撃的作品。 図書館で借りて読んでいる最中に 買いたい!と思ったのは初めてかもしれない。 世界情勢や社会問題をよく理解していて あらゆることに疑問を抱いて生きているのが 痛いほどよく分かる。 朝井リョウさんの本を読めば 今の日本が分かると言っても過言じゃない。 もはや作家として生きるには勿体無いくらい 人間と社会の結びつきを熟知している。 後半は主に推し活について書かれているけれど 生まれてこの方【推し】がいないので 『元気の源』がある人に憧れる部分があったけれど 推す側と、推される側と、推させる側と 様々な事情を知った今 何にも縛られずこのままの自分でいようと思った。 朝井リョウはその意に反して 推した分だけ視野が広くなるので これからも推して(読んで)いきたいと思う。 とにかく 日本人、これを読んで目を覚ました方がいい!!

    41
    投稿日: 2025.11.09
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    一言で言うと面白いけど怖い。面白いからのめり込んでどんどん読める。しかし、この日本社会全体のあり方に恐怖を覚える物語。特に推してる人はいないけど、推し活やめた方がいいねと思った。同時進行で進む世の中を巧みに表現する構成力は素晴らしい。朝井先生の作品は初めて読んだが、面白いのにモヤモヤする、恐怖を覚える小説に初めて出会って驚いている。

    10
    投稿日: 2025.11.09
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    確かに、推し活を見ていると、宗教みたいだなあと思うことはあったけれど、ここまで極端だともはや現代のホラー。推し活に限らず、宗教もマルチビジネスも、そして政治活動も、ちょっとした心の隙間に入り込んでお金を巻き上げてゆく仕組みが出来上がっていて、連帯した仲間たちの中にいたいがために徐々に認知が歪んでゆく。ガチャやギャンブルが脳の報酬系を刺激して狂わせてゆくのは有名だが、仲間の中にいるために生活をも崩してゆくのも人間の習性なのか。(いやでも、楽しく常識的な範囲で推し活してる人が大半なので、推し活全部が狂ってると思わないで欲しい。) あと、最後の、サラリーマンがお守りのようにもっていたビタミン剤が、個人的には怖かった。あれはあれで、違法薬物っていう別の地獄の入り口では?なんて想像してドキドキした。

    6
    投稿日: 2025.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    推し活をテーマにインターネットの魔境を描いている。そして最後には、現代人の「自分を消費し切りたい」という欲望にたどりつく。なかなかエグい。朝井リョウの、複数視点で少しずつ話を繋げる書き方があまり好みではないんだけど、この話にはすごく合ってる。うわ、つながった!みたいな気持ちよさがあった。ミステリーっぽさがあるからかも? 政党とか俳優とか、アイドルグループとか、固有名詞は出てないもののモチーフが透けて見えるものも多くて攻めてるなーと感じた。いい大学出て、陰謀論にハマった人のきもちをここまで書けるのはシンプルにすごい。それから「人生の後半に顔を出すのは、これまでやってきたことよりもやってこなかったことのほう」という40過ぎの離婚して孤独なおじさんのセリフが書けるのもすごい。人生一週目とは思えない。 視点の鋭さ自体は変わっていないのかもしれないけど、桐島とか正欲のときより、今この人たちを観察する意味が大きい、と感じる作品だった。誰もが思っていながらはっきり言語化してこなかったことをフィクション(それもエンタメ寄りの)に落とし込める技量を見せつけられた。作家として力をつけているのが素人目にもわかるのがすごいし、朝井リョウの冷笑寄りの人間観察に時代が追いついた(ある意味で時代が後退した)のかもしれない。 印象的な表現、要約メモ ・きれいな言い訳ばかり持っている ・彼氏彼女ではなく人生の共闘者になりたかった ・ジャージでウーバーを食べながらウチら生きてるだけでえらいと毎日のように言っているインフルエンサー ・ファンの分類(ex 学級委員型)と、何かのファンに対してファンがつくこと ・人生の後半に顔を出すのは、これまでやってきたことよりもやってこなかったことのほう ・皆、自分を余らせたくない

    2
    投稿日: 2025.11.09
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    推し活経済の表裏をテーマにした小説。 朝井リョウさんといえば、時代のトレンドを切り取ったリアル感のある小説ですが、今作もまさにそれ。19歳女性、35歳女性、47歳男性がメインの登場人物なのですが、なぜこうもバラバラの年代、性別の感情をリアルに描写できるのかと驚きを禁じ得ない。 推し活経済を切り口に令和の人の生き方の考察へ。色々考えさせられるけど、この人の小説はいつも凄まじい説得力があって思考が引っ張られる感覚。誰よりも俯瞰して世界を見ているのかも知れません‥。

    48
    投稿日: 2025.11.09
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    人間の幸福について考えさせられた。人間関係の良好さが別の本では幸福として話していてそういう理解をしていたけど、自分のリソースを余すことなく使い切ることという表現が面白いしリアルだし向く方向によっては異常と言われるものになると思ったし、視野を狭めることによる力強さだと理解。視野を広げた時の開放感や新しい視点も面白いけど、たしかに指針がなくなって、本質的なことがわからなくなるのかも。ある程度の視野である程度の間違いやリスクも許容して踏み出さないと、人生の砂時計を眺めて終わるのは本当にそう。やらなかったことが返ってくるのは、やったことによるリターンと時間差でくるからダメージも大きいし、時間が限られる意味では最後までやったこととやらなかったことはトレードオフと理解しておくことも大事なんだろうな。

    1
    投稿日: 2025.11.09
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    朝井リョウ初めまして。久々に読後衝撃を受けて1週間くらい引き摺りました。登場人物全員の心情がが怖くなるくらいリアルだった。故に全員の気持ちが分かるしさあ…。とにかく止まらない面白さだった。自分の心に馴染ませようと思って、自分ゴトとして捉えようと思って、解決策を考えたけど、他の人と議論しても、結論出ず。言語化がすごいなあ

    2
    投稿日: 2025.11.09
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    めちゃくちゃ面白かったけどうわぁ~ってなる 「推し」ってよくわからないけど なるほど宗教が無い国の宗教なのね 主人公の一人久保田さんが最後に裏切られ(つーか上手に利用されてただけ)るとこ 辛くて読んでられなかった あと久保田さんの娘がバイト仲間に引かれるとこ まあ泥棒にそんな事言われてもねーって感じのノリ キツいわぁ

    16
    投稿日: 2025.11.09
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    久しぶりにページを捲る手が止まらなかった。 朝井リョウさんの時代を切り取る小説は、読み終わった後の読後感がすごい。

    8
    投稿日: 2025.11.09
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    『メガチャーチ』×『ファンダム経済』 なるほど!! そう繋げたか!! さすが!!朝井リョウ!! 『投票型オーディション』 そこで生まれるのが『投票型アイドル』 驚いた!!最近の音楽マーケティングは こんなふうになってるのか。。。 いわゆる 『推す側のメンタルの弱い部分に入り込んで アイドルを推しあげる』 そう感じたな。 その推す側の女子たちの会話の違和感。 アイドルを推したことのない私には 異様な会話のやりとりだった。 ただ、その会話の中になぜか自分も入っている 感覚に陥るのは、不思議な感覚ではあった。 朝井リョウさんの作品を読んで毎回思うのは、 『その場所に自分もいる感覚』になって 『その場所の雑音や景色が立体化』してくる すごい文章構成の持ち主だなと思う。 女子トークの苦手な私が、無理矢理その場に 居合わせられた心地悪さが、まさにそれだった。 そして相変わらず朝井さん、 ハイセンスな言葉たちが惜しげも無く ツラツラと綴られてたのには ニヤケがとまらなかった。。。 『たった今流れ込んできた言葉たちが、 コーヒーに溶けきらなかった角砂糖みたいに、 脳の底に沈殿する。』

    26
    投稿日: 2025.11.09
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    面白かった!けど、こ、怖かった!! 推し活を仕掛ける者、沼る者、かつて沼っていた者。3人の思考の流れが共感できたりギョッとしたり。 みんな孤独なんだな。信じるものがあるって、視野を狭めるって、幸せなのかも。って思った矢先で突き落とされたり。なんなん。怖いんですけど。突き刺さりました。 MBTI診断って、どれくらいの精度があるんかな。長いし、質問の意味がよくわからないから、大概適当に答えてしまうんだけど。しかもアルファベット4文字の診断結果が絶対に覚えられない。老化…?

    3
    投稿日: 2025.11.08
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    同じ世界を生きているのに三者三様、みている世界が異なるが行き着くところは同じ。現代社会の言語化、解析度がエグい。

    1
    投稿日: 2025.11.08
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    視点の切替と会話の並列が特徴的かな。ネタとしては現代的で面白い。MBTIはいつの間にこんなにメジャーになったんだ?ビジネス的知識が小説のアイデアになりうるんだなぁと感心した。しかし、物語は終わらせ方が難しい。 主人公が同い年なのが痛々しい。自分もそんな歳か。ひとりになったら誰かに繋がりたいと思うだろうか。コミュニティを渇望するか。INTJなのでまた違うような気もする。

    1
    投稿日: 2025.11.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    絶対好きなやつだ!と思って文庫待たずに読了。めっっちゃ好きでした︎^_^ 主に宗教(陰謀論)と推し活に焦点を当てていた。このふたつは一見全然関係ないように見えるけど、物語を通して朝井リョウ視点で考えてみると色々当てはまる箇所があるなと。私は、宗教も推し活も視野狭窄に陥る点は一緒だけど、それに自覚的なのが推し活で、自分は視野が広い!と思い込んでいるのが宗教なのかなと解釈しました。私も推し活をしてるもんだと思ってたけど、CD何枚も買うほどハマった事ないし、そもそも私は推しに喜んでもらいたい訳じゃなくて自分が欲しいからという純粋な理由でグッズとか買ってたので、これは推し活というよりただの趣味だなと気付かされました(ง ˙˘˙ )ว さらに、孤独についても焦点を当てていました。推し活も宗教もコミュニティを形成できて、なんでもない事で語り合える友達がつくれる。その一方で、一般的に正しいとされる自己研鑽に身を包み、広い視野で物事を捉えて仕事に励む久保田は、最終的に友達1人もいなくなってしまって、かなりキツかったな〜^_^ ここは『生殖記』に似てるなーって思いながら読んでた。加えて、今までしてこなかった事のしっぺ返しが来るっていうのも刺さった。一見生産性のない会話に見えていてもその些細な会話がコミュニティを保つのには大事だし、自分が弱いことを認めて情報共有をしているんだ、っていう朝井リョウの解釈ほんとに……朝井リョウって女性なんですか!?ってぐらい解像度高くてびっくりです。 また、どのコミュニティにも属してない、所謂孤独状態の人達がみる大海原も怖いな〜と思った。この大海原を見ないようにするためには、何かに没頭して自分を消費することが大事で、それが皆推し活とか宗教とかにハマるきっかけになるんだろうなと解釈しました。私はそれが趣味なんだろうな。この部分は『死にがいを求めて生きているの』に似てた。 本文で、正しいとされる道が増えてしまった。見方を変えるとどの道にも穴はある。っていう国見の言葉も響いた。結局どれ選んでも間違いが生じるなら、自分の本心に従って、したいように生きていくのが一番後悔がないんだろうなって思った。でも、自分のしたいように物語に溺れた久保田は相手から怖がられてるし仕事でもやらかしてるし、現実のやるせなさを見せられました。勘違いおじさんってこうやって生まれてるのかな;; 他にも本文では、進次郎構文とかギャザー顔とか、Twitter見てないと知らないような単語が羅列してあって、朝井リョウはツイッタラーなのかと思った笑笑 INFPの女の子の心情苦しかったな。講義室で軽く喧嘩みたいになった時のやり取りも、存在しない記憶が呼び起こされる感じがした。私はENFPで外向的な部分があるから当てはまらないこともあったけど、心理描写がリアルすぎて怖かった。 視野が広がるって一見いいことのように聞こえるけど、この作品を読むと本当にいいのかどうか分からなくなってきた。この本が現代社会の色んなことに言及しすぎてて、正直まだまだ考えが纏まっていないところは多いです^_^ もっと自分で考えて考えて、言語化できるようになりたい。これ絶対本屋大賞とりそう。買ってよかったです!!

    4
    投稿日: 2025.11.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    レコード会社勤務の久保田慶彦。とある能力を買われ、アイドルグループの運営をする。 武藤澄香。留学を志す大学生。周りとのコミュニケーションの取り方が上手くいかず悩んでいた時に、とあるアイドルのデビューを応援したくなり… 隈川絢子。推しの舞台俳優が突然亡くなり、その事実を受け入れられない。 全く接点がなさそうな3人だけど、いかに優位に情報操作をするかで優位に立とうとする点が根本的に同じなんだと。 全ての人物に言えるのは『孤独故の共感』な気がしました。 特に、久保田の運営してるアイドルグループの搾取される側が、娘の澄香だったのが皮肉でした。 久保田が一番切なかったです。孤独が一番強く、アイドルの道哉との距離感が掴めてなくてのめり込んで… 何とも言えない物悲しさが残りました。

    6
    投稿日: 2025.11.07
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    人がある物事にハマっていく様子をここまで繊細にリアルに描けることがすごい。『そうそう』と頷くところもあり、推し活を通して人間関係を築く登場人物を羨ましく思った。 こんな分厚い本を読めるか不安だったけれど、読み始めるとあっという間だった。それぞれの未来はどうなるのか、、明るい未来を感じさせないところが不気味だった。

    1
    投稿日: 2025.11.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    朝井さんの小説はいつもひりひりしながら読むのだけど、今回ももれなく、ひりひりした。 私自身は本書で書かれているようなアイドルや俳優の推し活は経験がないけれど、久保田を見ていると他人事とは思えない。 久保田の言動には、推し活への共感はないけれど、自分の子どもに対しては惜しみなくお金を投入していく。 「留学を目指して頑張っている娘」の物語を信じて、それ以外の可能性を見ないようにしている。 いわば娘が「推し」の対象になっている。 これは自分の将来の姿にも当てはまりそうで、気が引き締まった。 視野を拡げれば拡げるほど、人は孤独になっていく。 視野を狭めれば狭めるほど、他人から「異様」だと思われる。 どちらに進むにしても、完璧な正解はない。 この文章に、私は勇気をもらった。 "本物"は、自分で見つけるしかないんだ。自分で選ぶしかないんだ。 そう言い切ってくれる本書が、またいろんな人の心の中で、その人が信じたい物語を芽吹かせる種になるんだろうなと思うと、ぞくぞくする。

    8
    投稿日: 2025.11.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    朝井リョウさん大好きです。 「感じてるし気になるし引っかかりもあって追究したいけど、日々の忙しさでなぁなぁで過ぎてゆく感情」を全て言語化し、物語化してくれる。ほんとにありがたい存在。 私にも「推し」がいるから共感する部分も多くて、「世の理」を考えさせてくれるのも朝井リョウさん味があってめちゃ楽しかったです。 花冠さんって国見さんなんじゃないの?って思ってたの私だけですか? エピローグがあるとすれば父娘がすごく仲良くなれるハッピーエンドかしら?

    2
    投稿日: 2025.11.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ファンダムの解像度が高すぎて笑ってしまった。 女性は「どうでもいい」ような話をして支え合って生きているけど、男性は猿山のボスになることに心血を注いでいるので孤独ななりやすい、というような視点が面白かった。

    5
    投稿日: 2025.11.07
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    面白そうだったので文庫になるのを待てずに購入。推しを応援する側、推しをプロデュースする側の話がメインテーマだが、その中にもいろいろな要素が盛り込まれていて興味深かった。自分の好みは親譲りなのか?とか、なぜか友人間でまわりに合わせてしまいつかれてしまう人の話。あと、おじさんにはなぜ友達がいないのか、という部分はいろいろ考えさせられた。果ては日本の黒幕の話にまで発展して興味深かった。おすすめ。

    3
    投稿日: 2025.11.06
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    推しかつ恐るべしでした。政治をも動かす影響力がありますね。私のいまの推し活は好きな音楽を聴き好きな本を読むたっぷり読むこと。捨てるためのCDの大量買いやグッズの購入後イベントへの参加が保証されるシステムは企業に踊らされているとしか考えられません。でも、何かを一生懸命にやった時何か前に進むヒントに出会えるかもしれません

    2
    投稿日: 2025.11.06
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    朝井リョウっぽい? それぞれの話が少しずつ交わっていく感じがよかった が誰も報われないのか報われたのか… 視野を広げるのも狭めるのも自由だが どっちが幸せなのだろう 隅川回は読むのがきつかったな 遠巻きにあざ笑っていても当事者になると感じ方が180度変わるんだな 人生はこれまでやってこなかったことが還ってくる ことを意識して繋がりを大事にしたい お茶ができる友達を繋ぐ意味でも 寂しい、会いたいと恥ずかしいけど伝えていきたい

    2
    投稿日: 2025.11.06
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    人がFacebookで進めているのを見て。 すごい本だったーーーいろんなものが交錯する本。 孤独/コミュニティやつながり。 人生でやってこなかったこと/そこから抜け出してやっみてること。 本質/本物。 しかし二児の母として、子どもたちが青年期に入るむずかしさや複雑さを感じて、早くもとてもしんぱいになっているよ、、、

    2
    投稿日: 2025.11.05
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    初めての朝井リョウ先生の作品でした。 こんなに読み進めるのが怖いと思ったのも、 読んでよかったって思えるのも初めてでした。 「これからの人生に還ってくるのは、 やってきたことよりもやって来なかったことのほう」 って言葉がすごく刺さりました。

    12
    投稿日: 2025.11.05
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    とても凄いものを見てしまったという感覚 アイドルから陰謀論、中年の危機まで多面的に描かれている 限りなくノンフィクションにも近いフィクションだと怖さを感じる

    3
    投稿日: 2025.11.05
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    チャーチ・マーケティング 推し活とか陰謀論とか参政党とか なんでこんなのにはまるんだろう?と思ってたけど、こういうことなんですね。

    2
    投稿日: 2025.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「結局皆、信じるものが欲しいんだと思います。特に、この社会は生きづらい、自分はこの世界に不当に扱われていると感じている人ほど」 「そういう状況で信じられそうなものに出会ったとき、人は、その対象に強い共感や感情移入を試みます。時間や労力、資金の注ぎ込み先に値するという確固たる根拠を手にするべく、対象を自分に引き寄せ、重ねようとします。重ねることはなくても、この人が健やかに生きられる世界であってほしい、とその対象に大いなるものを託そうとします」 令和の一大ムーブメントともいえるような“推し活”という行為を、仕掛ける側/仕掛けられる側の両面からつぶさに分析して、マーケティングと信仰の切っても切れない関係を白日の下に晒した大傑作。 劇薬をくらったようだった。444ページもの長編だが、まだまだ読んでいたいのでこれを上巻として下巻も刊行してもらいたい。 とはいえあまりにも完成度えぐい、まだまだ波瀾万丈な続きを予感させるラストが秀逸なので、ある意味ではここで終わってくれた方が助かる気もする。 私も現在、とあるオーディション番組を通して応援したいアイドルと出会ってしまい、推し活という名の沼に半身ほど浸かっている状態ではある。 今まで知る由もなかった未知の世界に、いちファンとしても追っていくのが必死な9か月間を過ごしたところだが、そこで私が見てきた光景がほとんどそっくりそのまま書かれていて心底びっくりした。とくにSNSの解像度が高すぎる。 「この界隈が題材になってるの?」と本気で疑ってしまったぐらいなのだけれど、連載されていたのは2023年4月〜2024年6月までだったので、かすめもしていなくて驚愕した。 まさか、古今東西どこのグループにおいても同じような運営&メンバー&オタクの三つ巴が展開されているというのか。なんて恐ろしい世界なんだ。 作中では、そんな人種の代表として古参の隅川絢子、新規の武藤澄香がそれぞれ我を見失い、まんまと脳みそを溶かしていく様が見事だった。下手なホラーやサスペンスより緊張したし、これは決してフィクションだと言い切れない。 わずかな供給(新しい情報や出演やSNSの投稿のこと)を神の恵みのごとくありがたがり全身全霊で沸き、そこから物語を見いだし虚妄(←あたらしく覚えた好きな言葉)をたくわえ、SNSでのタグイベや動画の再生回数、CDの売り上げに貢献することで悦に入る。 視野狭窄に陥っていると言わざるを得ないこうした言動は、傍からみたら滑稽でいいカモとしか言えないだろう。 でも今の私にはその気持ちよさがわかる。供給があれば脊髄で反応して購入して応募して再生して、つぎの供給まで何度も同じものをくりかえし摂取して彼らの健やかな笑顔と明るい未来、キラキラした都合の良い物語をひたすら盲信することの甘やかさを知っている。 脳みそを溶かして夢中で応援することは、ものすごく楽しいのだ。そして、救いなのだ。 読了後、私はかろうじてその事実を俯瞰することができた。どんどん高まる界隈の熱量のなかにいたところ、冷水を浴びたかのようにいったん冷静になった。 でもそれでも別に、丸一日TVerを回すことに徹したり、発売されたCDを積んだり、表紙に起用された雑誌を枯らしたり、そういうことにお金と時間と情熱を費やすことが無駄だと、馬鹿みたいだと、そんなふうにはもう思わない。 推しのためでもあるけれど、大切なのは、何よりそれをしている自分のことを好きと思えているかどうかだと思う。 究極には自分のためでしかなくて、アイドルとファンというお互いは与り知らない間柄だということを肝に銘じ、後悔するような、虚しくなるような、驕るような推し方はしない。 美学をもって推す。自分への戒めも込めて。 個人的に、本作を推し活文学の金字塔に据えたいと思う。 何年後かに確実に映画化されると思うけど、誰が演じるのか、どんな感想が飛び交うのか、今からとても楽しみにしている。

    17
    投稿日: 2025.11.05
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    あとちょっとなんだから最後まで読んでから挙げなよって感じだけど、なんでこんなもの書けるんだろうって感じ。褒めてます。まだ 俯瞰して読める立場だと思えてるから楽なだけ。 最後どうなるのか。

    7
    投稿日: 2025.11.05
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    ファンダムカルチャーと友だち(孤独との付き合い)について。 神がいないこの国においては、物語を外にも内にも共有することが連帯を産む。 でもその物語は、物語である以上いつか終わる。 その終わらせ方は様々。 推し活、陰謀論、…視野狭窄に陥ることができれば、その対象はなんだっていい。 この世界は情報に溢れすぎていて、ずっと我に返ったまま生きるにはこの世界は殺伐としすぎていて、人間の寿命は長すぎる。 私服でなんでもない話ができる、友だちはいますか?

    3
    投稿日: 2025.11.05
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    朝井リョウのイン・ザ・メガチャーチを読んだ。 ここ何ヶ月間自転車の朝練を始めてからすっかり本を読む時間を削られてしまって、今まで週に2冊ぐらいだったけど、全く読めなくなってしまった。 ただ、寒くなってきて朝練も難しくなったのでまた本が読めそうだ。 内容としては、オムニバス形式で、洋楽が好きで仕事人間だった40代の久保田、その娘の大学生澄香。なくなったアイドルを推しの絢子 アイドルをいかに作っていくか? タイトルのメガチャーチの意味は。 どこかの県知事がSNSの操作でアイドルのようになり再当選したのが少し被った。 それにしても知らない言葉が、たくさん出てきてグーグルを辞書代わりに検索してしまった。 ファンダムとは、熱烈なファンの集団や、そのようなファンが形成する文化や交流の場を指します。これは、アーティスト、アニメ、ゲーム、スポーツ、ブランドなど、様々なジャンルで形成されます。ファンダムの特徴は、SNSなどを通じてファン同士が強く結びつき、独自の文化や価値観を持つことです。  オプチャ(オープンチャット)とは、LINEの機能で、LINEの友だちになっていない人とも、共通の趣味や話題で自由にトークできる公開チャットルームのことです。トークルームごとにニックネームやアイコンを個別に設定でき、匿名で気軽に参加・交流が楽しめます。 

    22
    投稿日: 2025.11.05
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    1自分と対話しながら読み進めるような読書体験。物語を紡ぎ出す側の論理や、物語に没入していく人の心理に共感したり、時に嫌悪感を抱く時間になりました。ファンダムはビジネスと捉えれば強力なマーケティング、幸福学的と捉えれば究極の没入体験。物語は人をあらゆる場所へ連れていく。物語の魅力と怖さを存分に味わえる名著でした。

    17
    投稿日: 2025.11.05
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    相手の言葉がどんどんと進んでいるのと同時に、全く違う事を考えている自分の気持ちが交互に表現されている。そのテンポの速さに最初は戸惑ったが、確かに現実こんな感じだろう。 誰かが何かを滔々と語っている。それを聞く自分は必ずしもそれを熱心に聞いているとは限らない。口には出せない反論を心で思っていたり、全く別のことを考えていることすらある。 とてもリアルな現実。文面もその内容もリアル過ぎてとても怖い。 正直、少しも興味の持てない内容だったにも関わらず、途中から止まらずに読み終えてしまった。どうしてだかわからないけれど、多分、自分の中にもある共通の弱さを感じたからかもしれない。 面白く読めたわけではない。でも印象に強く残る作品だ。

    28
    投稿日: 2025.11.05
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    自分ごとのように読んでしまった。 登場人物の、自分には何もないということに対する焦燥感がひしひし伝わって来て辛かったし、3人の登場人物全員に感情移入してしまった。 特に、久保田を自分の父と重ねてしまいそうでそれも辛いし、、、 誰を推すかがアイデンティティになる時代、死ぬほど生きづらいな。流行に乗って、のらりくらりと生きていける人が結局生き残るんだなと感じた。 久保田の、友達が欲しいという願いが切なすぎてしんどかった。総じて心を動かされてしまった。 朝井リョウさんの書く文章が大好きです。

    8
    投稿日: 2025.11.04
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    自由や平等の権利範囲が広がった結果、視野狭窄になる以外幸せを感じれない世をよく現してる。どの界隈で視野狭窄になるかが問われる時代ということを風刺していたのが居心地悪くも爽快だった。 結局1人の人間の中に視野を広げたい自分と狭めたい自分が共存している。この物語は今自分がどちらに意識が向いているのかを捉えて、踏み込みすぎてると気づいたら逆のスタンスを意識する、その繰り返しだねと語りかけてくれてる気がする。

    2
    投稿日: 2025.11.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    図書館本。朝井リョウさんの本は初読み。 今作のテーマが推し活との事だったので、興味もあり読んでみました。 読み始めてすぐ思ったのは、言葉の選び方と表現力のセンスの良さ。こんな表現の仕方があるのかと、色々な箇所で何度も感心しました。印象的なページには付箋を貼って後から読み返すのですが、付箋の数が今年ナンバー1。ダントツで。 最近読んだ本は、付箋貼った所はメモとして引用していたのですが、今作はそれやってたら時間が物凄く掛かってしまうので、ページ数だけメモするようにします。 3人の主人公の中で、一番感情移入できたのは武藤澄香。自分と似たような気質だからか?ただファンダムにのめり込んでからは移入できなくなり、入れ替わるように終盤は久保田慶彦に一番感情移入できました。終盤の久保田さん、切なすぎ。孤独である事を寂しいと過敏に感じる人はキツいでしょうね。 推し活というものに、憧れのような感情を抱く事があります。どういう感覚、どういう感情になるのか。私は他者にあまり執着出来ないので、一度でもいいからこういう強烈な他者への執着を味わってみたい。そういう意味では、終盤の澄香が少し羨ましく感じてしまいました。 話の展開で一番意外だったのが、隅川絢子。てっきり推しの死をきっかけに辞めると思いきや、そっちの物語にのめり込むんかい!とツッコミを入れてしまいました。 生活費の事とかが物凄く生々しくて、その点は一番感情移入できたかも。私も日々の生活費に四苦八苦しているのでw 話の展開の描写で、特に強く印象に残った所が2つ。本当はもっとあるけどキリないから。 一つ目。11 武藤澄香のP323〜のシーン。菜々のメガチャーチの解説を背景に、澄香がBloomeの物語にのめり込んでいく所。 もう一つ。14 すみちゃんP397。このシーン凄え!ってなりました。ここで重なって入れ替わるという演出。痺れました! 私、本を読んでいてあまり映像までは浮かばないタイプなのですが、この2つのシーンは物凄い解像度で映像が浮かびました。こんな感覚になる読書体験は始めてでした。朝井さん凄え! 一気に読み進めてきましたが、終盤に入るとこの先を読むのが惜しいような怖いような、不思議な感覚になりました。これどうやってこの物語終わらすんだろう?って思いながら読んでました。 終わらせ方も凄い!めちゃくちゃ好きな終わり方。ここも映像浮かんだなあ。その後どうなったのだろうか?こういう、その後を想像させる余白を残して終わるパターンって、物によってはモヤモヤする事もあるのですが、今作では秀逸なラストだったと思います。 私の中では今年ナンバー1の作品(今のところ)。読んでない方はぜひ読んでほしい。まだ読んでない人にオススメしたいから、ネタバレなしで感想書きたかったけど無理でした。他の方の感想が気になりますが、特に推し活を実際されている方の感想を見てみたいですね。 朝井さんの他の作品絶対全部読みます。なんで今まで読んでなかったんだ!でもまだ読んでない作品だらけ。楽しみ。 以下付箋貼ったページ(個人用メモ) P6 9 11 19 20 27 29 32 33 38 41 44 49 50 61 67 73 80 84 120 124 128 130 135 152 169 174 181 182 184 185 192 226 231 242 259 263 282 291 292 329 336 349 358 364 370 389 392 421 426 433 440 443

    41
    投稿日: 2025.11.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主な登場人物は3人。 久保田慶彦47歳はレコード会社に勤務。洋楽全盛期を経験しましたが、今では閑職のような状況です。離婚後、月に一度30分、画面越しに娘とのコミュニケーションを取るものの、寂しさを感じています。 武藤澄香19歳は慶彦の一人娘で、現在は母親と2人暮らし。留学を志し、自宅から通える大学に進学しましたが、内向的な性格でありながら留学のためと無理をして友人たちと付き合い、辟易しています。 隅川絢子35歳は、舞台俳優の藤見倫太郎をSNSのトレンド入りという形で熱烈に応援していましたが、彼の自殺報道で、生活を含め状況が一変してしまう契約社員の女性です。 慶彦と澄香は親子ですが、それまで繋がりは希薄でした。 しかし、慶彦が脚本家を目指していたことからアイドルグループ運営に参画し、偶然にも澄香がそのアイドルグループの一人を「推し」、どんどんとのめり込んでいきます。 この作品は「推し」に関する戦略が非常に興味深いです。 著者が最近のオーディション番組から生まれたアイドルグループの商業戦略に関して、かなり突っ込んだ取材をされたであろう痕跡が随所に見られます。 特に運営に参加したスマホゲームクリエーターの国見が、今まさに活躍中のアイドルを彷彿とさせるほど、具体的に話す場面は読み応えがあります。(この辺りは是非作品を読んでいただきたいです) 本作のタイトルにもなっている「メガチャーチ」ですが、これは澄香の大学の奈々が留学の目標の一つにしている内容に関わっています。 1度の礼拝で2千人以上が集まる規模の教会をメガチャーチといい、結局無意味なものに価値をつけ、対価を払わせる、つまり信者から集金することが目的になっているようです。 「今日本でチャーチマーケティングが一番機能しているのって、多分推し活界隈なのね。(中略)一言で言えば、この時代にどうすれば人を動かすことができるのかっていう研究だね。」本文抜粋 主人公3人が、それぞれの「推し」への行動を進めた結果、ラストに思わぬ形を生んでしまったのは衝撃的であり、まさに社会で進んでいる現実なのかもしれません。

    3
    投稿日: 2025.11.04
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    読んでる途中で「まって!もうやめて!」と恐れてしまうような内容だった…登場人物のリアルすぎる描写と、現実社会との向き合い方について、そして"推し活"への情熱の注ぎ方の行方などを有り得ないほどに現実的に描かれていてグサグサと心に刺さった。

    36
    投稿日: 2025.11.04
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    好きとは言えない内容です。 推しというもので身を滅ぼすような生き方をしてしまう人に対しては、申し訳ないけど嫌悪感の方が勝ってしまう。 それを煽るようなレコード会社(それに類するようなビジネス)もいい加減にしろよと思っている。 ただ、共感出来る点もあるし、一気読みしてしまうくらい面白い点もあった。 視野を広く持つみたいなことが今の社会では評価されがちで、多様性とかグローバルとかも同じかな。 一方、視野を狭めて突き進もう=決めたからにはやり切れってことも時に良しとされることもあるけれど、それこそ、周りに迷惑をかけたりする。 結局正解はなくて、どちらかを適切に選びながら生きていくしかないよね。 視野を狭めて、集中することで得られる対価と、俯瞰で見て、冷静に判断すべき時の判断基準を明確に持ちたいと思った。 確かにファンダム経済の話ではありますが、本書の 魅力はそこではないかと。

    2
    投稿日: 2025.11.04
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    「イン・ザ・メガチャーチ」(朝井リョウ先生) 推し活をしかける中年サラリーマン、 推し活に沼っていく大学生、推し活を卒業したOL。ネタバレしたくないのでこれ以上何も言えませんが! 帯の通り『衝撃作』でした! めちゃくちゃ面白かった〜‪( ◜

    7
    投稿日: 2025.11.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    朝井リョウさんって何人もいる?何回か転生して実体験を描いてるんじゃない?ってくらいリアルを描くのがうますぎる、、、私とほぼ年齢変わらないのに、どのように生きてきたらこんな話が描けるのか、、、 ちなみに自分自身がまさにオーディション出身のボーイズグループのファンでもあるので、ファンダムの活動内容については大きく頷きながら、よくもまぁこんなにリアル描けること!と感心しながら読むことができました。自分はどれかと言われたら信徒気質かな?沢山CD積んだりはしてないけど、、まぁまんまと物語に引き込まれたうちの1人ですね。笑 人によっては内容リアルすぎてダメージ受けそうだなとも思いました。 あと、購買者特典も面白くて最高でした!

    6
    投稿日: 2025.11.03
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    わかるなーーーと思い始めていたところで、だんだん自分から外れ始めた なんかこの本を薦めてもらえたということはある程度の信頼を感じる

    0
    投稿日: 2025.11.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    現代の乾きの解像度が高すぎる故にグロくて読み進めたくない部分もあった。 久保田が久しぶりに希望を見出したプロジェクトの犠牲者(でもないというのが一見方だけれど)がまさに澄香だとか久保田が澄香の状況にまったく気づかず理想の娘を投影しつづけてるところとかしかもちゃんと親子揃って信者気質なところとか 自分はおそらく国見側の気質で何にも没頭できない寂しさはまさに指摘のとおりなのかなと 朝井リョウが指摘する人間味がこぞっていわゆる「INFP」らしいところやなとは読んで思った

    5
    投稿日: 2025.11.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「これもう真理だし種明かしじゃん」が書いてある。 人間の生態が詳らかにされていて、「怖い…でも人間てそんなもんか」と安易な結論に飛びつこうとする自分を突きつけられる。 『正欲』の時も思ったけれど、これさえすればいいという答えなんてなくて、愚直に生きるしかないんだよなあ… P292 「雑談って多分、ケアなんですよ。内容がどうっていうよりも、相手とかその場自体をケアするものなんですよね。」

    2
    投稿日: 2025.11.03
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    推し活とよく聞くけど、このお話を読んで、運営側から活動中の人、これから入り込んでいく人まで、世代を超えてそれぞれの抱える問題や社会的なしくみを教えてもらった気がする。 これまでは推しがいる人のほうが人生楽しんでいるような気持ちでいた。でもみんな奥底には同じ幸せを求めている。何かに忙しくしている人を羨ましがったり、孤独を覚えると途端に誰かと繋がりたくなる。人はみんな最後は一人なのに不思議なものだ。大海原に放り込まれて幸せの形は人それぞれと言われる幸せが人を苦しめているのではと感じた。

    8
    投稿日: 2025.11.03