
総合評価
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powered by ブクログ読みやすいです! サルスベリが可愛くて可愛くて〜。 草木や花、狸に狐、天女に河童・・・・・命あるものすべてが語りかけてくる。 主人公綿貫と高堂の関係が静かに、ほのかに、やわらかく、時にユーモアたっぷりに紡がれていて『ん〜〜vv』ってなります。
0投稿日: 2008.06.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この本に書かれた色々の不思議は、今にも倒れそうな大きなうろをもつサルスベリのようなもので、これから滅びていく美しいものたちだ。翻訳詩とか電燈とか出てきているから、何となく明治中〜末期頃の話だろうと思うが、征四郎の予感どおり、いまや筆はペンを越えてパソコンのキーボードに変わり、小鬼も長虫屋も居なくなった。たかだか百年ちょっとしか経っていないというのに、だ。もちろん作者は現代の人だから、それを知っていて書いているわけだ。 そう考えると、作者は問いを投げかけているように思えてくる。征四郎の百年後に生きる私たちに対して、あの湖底に誘われてもなお「私の精神を養わない」と固辞することができますか、と。 個人的にはほんのり漱石っぽい雰囲気が漂っているように感じた。漱石とかホンモノの明治〜大正頃の作品を読んだことのない人は、この本の文章が気に入ったなら、読んでみるのもいいと思う。
0投稿日: 2008.05.24
powered by ブクログ村田エフェンディが本棚にあったので、こちらが本編です。 "それは ついこのあいだ ほんの百年すこし まえの物語。 池・庭・電燈付二階屋。 汽車駅・銭湯近接。 四季折々、仔竜・小鬼・河童・人魚 竹精・桜鬼・・・出没数他―" こんなコピーのついたお話なんですが、ちょっと不思議で温かくて少し怖い。 とてもお勧めです
0投稿日: 2008.05.20
powered by ブクログめちゃめちゃ好き!! 草花、妖し、その他もろもろ、 日本の四季おりおりの情景と、 綿貫と高堂。 心洗われる、荒んだときに読むと落ち着く本。 マジでツボにはまった。
0投稿日: 2008.05.05
powered by ブクログ衒いのない素直な文章の羅列なのに、さらっと読むと不思議なくらい頭にはいらない。情景もあらすじも登場人物すらよくわからない。一文にひと呼吸、味わうように読んでいくと、文字であらわされていない背景や空気感まで仔細に感じとれてしまう。狐にでも化かされたかな。
0投稿日: 2008.04.25
powered by ブクログいつまでもこの本の世界を漂っていたい!と思わせる作品でした。読んでいて愛する作家久世光彦さんがエッセイで語ってらした言葉を思い出しました。 正確ではありませんが・・『蛍光灯の普及により部屋の隅々まで明るくてらされ日本の家からは暗闇がなくなってしまった。その暗闇と一緒に日本人はなにか大切なものもなくしてしまったような気がする・・』こんなニュアンスの事を語ってらっしゃいました。この作品はまさにこの暗闇と生活をともにしてきた旧き良き日本の姿があり、そんな世界に私たちは懐かしさや望郷を感じるのではないでしょうか。
0投稿日: 2008.04.15
powered by ブクログ酷苦して自力で掴む理想を求め 己の精神を養うものを見極める …もうすぐハタチになるけど いつかそんなことに気づける日が来るのだろか
0投稿日: 2008.04.09
powered by ブクログ庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多…百年まえ、天地自然の「気」たちと、新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録***初トライの作家さんでした亡くなった友人が掛け軸から現れたり、河童や小鬼や幻想的な登場人物達をすんなり受け入れる主人公が最高!文中にもあったけど、どれくらいの不思議まで人は「まぁいいだろう」といって許せるものなのか・・・人目に晒すだけがいつの場合にも最良とは決して限らない。その一番大事な純粋の部分が危うくなるだけではないのか・・・と。不思議なことをそのまんま受け入れられるか否かはその人の心の持ち様なのではないでしょうか。楽しい時間を過ごしました。
3投稿日: 2008.04.07
powered by ブクログ梨木さんの本は、目に見えないものの表現が柔らかく、枠にはまらないような優しさの漂うところが好きです。 一軒家を、留守を守ることを条件に借りられることになった主人公の日々の生活の中で、植物や動物などとのやりとりが面白い一冊。
0投稿日: 2008.04.04
powered by ブクログ庭の草花たちとの交流、亡くなった友人とのやりとり… ちょっと幻想的な和の暮らしぶりや、 ひっそりと息づく気配感が心地いいのです。 読み終えて 草花(樹木)図鑑を買おうとしちゃいました。 こんなお庭に囲まれて過ごしたい・・
0投稿日: 2008.03.23
powered by ブクログ梨木さんの作品の中で僕が一番好きな本。 亡き友人の実家の家守を任された綿貫が経験する数々の奇怪な出来事。 亡き友人の壁掛からの出現、数多くの植物や動物たちとのふれあい等々。 奇怪だけどのんびりで、やさしくて、安心する話。 この本を読む度に、こんな家にぜひとも住んでみたい!!と思います。
0投稿日: 2008.02.25
powered by ブクログこれはなかなか素晴らしく良かった。世界観とか。文章とか。 ベタだけど世界はこのように静かに美しく不思議で当たり前なものだと思った。 5ページずつくらいの掌編詰め合わせみたいな構成なんですが、するりと次に繋がっていく物語。さりげなくタイトルもいい。 なんだかんだでするりと不思議なことに好かれ受け入れている綿貫はいいなあ。 最後の最後にこの本のタイトルを思い出させてくれるエピソードも格好いい。 話はずれるかもしれないがゴローはかわいい。なんだかんだでサルスベリもかわいいと思う。 四季折々の表現も美しいし、これはふとしたときにその季節のあたりを開いて浸るのも良いかもしれない。
0投稿日: 2008.02.17
powered by ブクログ当たり前のように不思議がいっぱいの生活に、季節の植物が織りなす物語。作者は児童文学家だそうだけど、この作品は大人が読んで楽しめると思う。
0投稿日: 2008.02.11
powered by ブクログ不思議なお話。でもイヤじゃない不思議さ。川上弘美の蛇を踏むとか、ちょっと違うかな。この作家は初めて読んで、どんな方なのか全然知らないのですが、いつもこういう世界を書くんですか?言葉の選び方も独特で、よほど吟味して自分のものにしてからじゃないといやらしくなってしまいそうな、美しい言葉の連なりでした。たなぞうではゴロー人気が高いみたいだったけど、私は隣の小母さんに一票。
0投稿日: 2008.02.01
powered by ブクログ主人公が「家守」を任された自然溢れる家での日々を一人称で淡々と綴った連作短編(掌編)集。 人に薦められて読んでみたら面白く、一気に読んでしまった。と言ってもはらはらどきどきする物語ではまったくない。 作中では色々不思議なことが起きるが、それらは何らこの物語の静かなトーンを乱すことなく、ごく普通の日常と同様に描かれている。それが面白かった。語り手である綿貫征四郎がまた魅力的で、彼の目を通して見る世界が楽しかった。 梨木香歩の作品を手元に置きたいと思ったのは初めて。これまで読んだ彼女の作品は、いい作品でお薦めだとは思ったが、何度も再読するかと言われると、そこまでではなかった。「面白い」や「楽しい」と、単純に「好み」なのは似ているようで違うっていうことだなあ。早速購入しよう。
0投稿日: 2008.01.27
powered by ブクログこれはたまらない。たまらなく面白い! です。 何がたまらないって、日本人ならたまらない! 大分前の時代のこと(いつとははっきり書いてないが、大分前ってことは私でもわかる)が書いてあるのに、すごいものです。自分の中の血というか、日本という地から受け継がれるなにかがあるのか、妙に懐かしい。妙にそのころに行きたくなる。そんな不思議さまでも入っている本でした。
0投稿日: 2008.01.25
powered by ブクログサルスベリ可愛かった!← 文章の雰囲気が凄く好きだった。女流作家あんまり好きじゃないんだけど、梨木さんはさらっと読めていい。昔の既刊も読み直そう。
0投稿日: 2008.01.18
powered by ブクログ静かな話。 四季折々の自然に絡めて淡々と書かれている文章を読んでいると、自然と密接に生きていた昔の日本なら不思議な事なんて当たり前に起こっていたのではないかという気持ちになります。
0投稿日: 2008.01.08
powered by ブクログ素敵な一冊! お友達のおうちの留守を預かる事になった。そのお宅にある庭にある植物達、生き物達は実は…。
0投稿日: 2007.12.17
powered by ブクログ「それはついこのあいだ、ほんの百年すこしまえの物語」 概ね、明治三十年代後半のお話しになるのでしょう。 本書は、春夏秋冬、四季折々、花鳥風月…を、 絵に描いたような雰囲気を持つ。 小説というよりも…「随筆」って感じかな。「御伽噺」とも言えるかな。 28の章から成るタイトル全て、植物名というのも、趣きがあります。 主人公が発するの日記のような口語体から、 日本語の素晴らしさに酔いしれ、時を忘れました。 物書きを生業に、早世した学友の実家に「家守」として暮している 主人公の綿貫征四郎。 彼が連ねる日常は、繊細かつ美しく丁寧な言葉の数々。 例えば・・・ 「吹きくる風に一筋の冷たい線が混じっている。 初秋と呼ばれる季節になったのだ。 空が高い。雲が薄い。」 「外の明るさに、和紙を濾過したような清澄さが感じられる。 いいか、この明るさを、秋というのだ、と共に散歩をしながらゴローに教える。」 思わずうっとりしてしまう。 親友の高堂、隣のおかみさん、犬のゴロー、 和尚、ダァリヤの君、後輩の山内、土耳古の村田、などなど 登場人物が皆良い。 良いのです。 信じられない異空間の出来事が、違和感なく、自然に受け入れられる。 河童が出たり、子鬼が出たり、人魚がいたり…不思議なんです。 摩訶不思議。 でも、彼らには、なんて言うか、普通。 当たり前の日常なんです(苦笑)。 文庫で200ページ弱という短い作品だが、サラッとは読んではいけません。 まぁ、流し読みはできないと思いますが(笑)。 すぐに周囲の雑踏が、静寂へと変わります。 知らぬ間に、綿貫の時代の中に… 意識することなく、すんなりと入り込んでしまう作品なのです。 ゆっくりと時間をかけ、一言一句丁寧に読み進みたくなる作品ですよ。 心と体が疲れたとき、ふと読みたくなる一冊でもあるでしょう。 癒し効果絶大です! 今後は、本書の普及活動に務めようと思います(本気です)。 私も征四郎さんのように、 ゴローとその他諸々とともに、その時代で暮したい(笑)。 本書、2005年本屋大賞の第3位です。 因みに、第1位は『夜のピクニック』、 第2位は『明日の記憶』。 続く作品は、『村田エフェンディ滞土録』(角川文庫刊)。 本書に登場する「土耳古の村田」さんの トルコ留学の青春物語だそうです。 面白そう〜! 今度買いに行こう!
0投稿日: 2007.11.22
powered by ブクログ綿貫征四郎が家守として亡き友人高堂の家へと越してくる。サルスベリには読み聞かせをしてやり、忙しい飼い犬ゴローは河童と仲良しらしい。そこには多少の小さな怪異(人魚だったり小鬼だったり)がありそれはとても自然でしっくりと古い家になじんでいる。庭に咲く花や木々、家を取り巻く異のものを異とせずありのままに受け入れる征四郎と亡き高堂との交流は暖かくもあまりにも自然である。日本人なら持っている懐かしい原風景がそっと心に染みるようだ。
0投稿日: 2007.11.12
powered by ブクログ世界観が好き。理外の者がごく自然にそこにいる感じがいい。 自分が知らなかったものに出会っても、なんだかんだで受け入れる征四郎にあこがれる。
0投稿日: 2007.10.13
powered by ブクログこの不思議な世界観が大好きだった。日本って、季節って美しいね。漫画「蟲師」が好きな人はきっとこの本も好きになれるはず。
0投稿日: 2007.10.10
powered by ブクログゆるやかで穏やかでほのぼのとして淡々としていてなんか懐かしいような。色鮮やかで繊細で四季折々。古きよき日本を思わせる。うっとり。ほっとする。癒された。 こういう生活あこがれるなぁ。 綿貫と高堂のやりとりがまた好き。後半高堂がなかなか出てきてくれなくて寂しかったです(笑)
0投稿日: 2007.10.08
powered by ブクログフシギな世界なのに、嫌いでない。ファンタズィー苦手だけど、ここまで知的に書かれちゃうと、嫌いって言えない。
0投稿日: 2007.09.27
powered by ブクログこういう話、大好きなんだなあ。日常不思議系の短編集。なんのためらいもなく河童とか人魚とかが登場してしまう。文章全体に流れる穏やかな空気が好きです。
0投稿日: 2007.09.10
powered by ブクログこれは面白い。 この本のお陰で、最近きれいな植物を見ると以前より増して心が癒されるようになりました。 明治初期、死んだ友人の家を守ることに(住むだけだけど)なった売れない作家の主人公。守ってると庭のサルスベリに恋されたり、掛け軸から死んだ友人が出て来たり、河童が現れたり狸に化かされたりで、実際にはありえないような話なんだけど、あー明治の始め頃はこんな感じだったんだなきっととか思わずにはいられないです。 癒し系。
0投稿日: 2007.09.08
powered by ブクログ読み込まないと難しい部分もあったけど全体的には好きな本。yomyom創刊号に続きというか続編と言うか・・・すこしだけ載ってる。2006年頃に読んだ本。
0投稿日: 2007.08.26
powered by ブクログひさびさに面白いファンタジーのある小説。河童や坊主、たぬきにキツネなど、日本のむかしばなしに出てくるようなものがでてきて、主人公に遭遇する。詳しい内容は記載しませんが、読んでみると凄く面白いです。ぜひ、おすすめです。
0投稿日: 2007.08.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この不思議な世界にひきつけられた。最後の森の中の話が一番印象的で…自分も異世界に行ってみたくなった。高堂のことも最後にわかって、納得した。全体的にしっとりした雰囲気。
6投稿日: 2007.08.04
powered by ブクログ夢か現か定かでないような出来事が淡々と起こり語られるという不思議な物語。梨木香歩さんの物語の語り口が淡白で、そこが好きです。
0投稿日: 2007.06.27
powered by ブクログこの世界観は好きだわ〜「百鬼夜行抄」みたいな・・ 明治〜昭和初期くらいのこういう不思議ものってはまります。 古い日本家屋の記述もグー。
0投稿日: 2007.06.24
powered by ブクログ亡友の実家の「家守」をすることになった主人公綿貫征四郎と庭、池、電燈つき二階屋とののびやかな日々の記録。四季の移り変わりが大変に美しく、時折現れる河童や小鬼、狸に亡友・高堂の存在が物語りになんとも不思議な情感を与えます。「百年少し前の物語」だそうだが・・・懐かしい日本の原風景があり、四季折々の自然事象や日本語の美しさが感じられる一冊です。最近、忙しいなと感じているあなたに。
0投稿日: 2007.06.24
powered by ブクログいつからこの物語が「ありえないもの」になってしまったのでしょうか。あまりにも当たり前に存在する非日常の感覚が心地いいです。そして触れた日本語の美しさにもうっとりします。
0投稿日: 2007.06.24
powered by ブクログ時は100年ほど前、ひょんな事から今は亡き友人・高堂の家守をすることになった綿貫。その家には死んだはずの友人が出てきたり、庭の木から惚れられたりと不可思議な事が次々と起こるが、優しく穏やかな性格の綿貫は戸惑いながらも異世界との交歓を受け入れる。 古き良き時代の四季折々の風景が豊かな筆致で書かれており、なんだか郷愁をかきたてられる。
0投稿日: 2007.06.19
powered by ブクログ古い友人・高堂の家の留守を預かることになった売れない小説家・綿貫。何でも知ってるお隣のおかみさん、名うての仲裁屋である不思議犬ゴロー、そして掛け軸からふらりと現れる高飛車な高堂。庭の草木に四季の移り変わり感じながら、不思議なもの達と送る家守生活。ほんわかした和風ファンタジー。 綿貫くんと高堂の関係に、関口くんと京極堂を感じたのは私だけじゃあるめえ。
0投稿日: 2007.06.13
powered by ブクログ短編集です。 京極夏彦さんの世界観が好きな人にもいいのではないでしょうか? 文章がやわらかいので、とても読みやすいです。 各章のタイトルがそれぞれ、植物の名前なとこが個人的にツボでした。
0投稿日: 2007.06.11
powered by ブクログ近所が舞台になっていた。こんなに美しい言葉で切り取られると近所という感じがしないなあ。自然や人との距離のとり方を考えさせられる。『村田エフェンディー滞土録』を読んでからこの本を読むと、更に感慨深い気がした。特にラストとか。
0投稿日: 2007.06.10
powered by ブクログ日記を読んでいるかのようにゆったりと本の中での時間が流れていくのがとてもいい。 奇譚、というからには伝奇ものかと思いきや草木や狸などいろいろなものが出てくるのだが人を貶めるとかそういうことはない。ちょっと不思議な世界に入り込んだような気分になれる一冊です
0投稿日: 2007.05.29
powered by ブクログ両親にすすめる為に買ってしまった文庫版。巻末に主人公・綿貫の随筆『烏〓苺記(やぶがらしのき)』が収録されています。日当たりの良い縁側でのんびりと読みたい本。
0投稿日: 2007.04.17
powered by ブクログ久し振りに、「声に出したい」文体の小説を読むことが出来ました。ことばの使い方と、全体の静謐で優しい雰囲気と日本の原風景という題材が見事に噛み合っていると思います。因みに漫画「蟲師」がお好きな方には特にお奨め。良いです。
0投稿日: 2007.04.01
powered by ブクログ優しく心地よく流れる連作小説。舞台は少し前の日本。ある家に住む男と、それにまつわるいろんな出来事。不思議もそうじゃないものも、自然にそこに感じられるお話。犬が、賢くて可愛い。
0投稿日: 2007.03.26
powered by ブクログ雰囲気がたまらなく好きな作品。 学校で借りて読んだけど、自分の手元に欲しくなって、ちょうど文庫で発売されたのでそれを買った本。
0投稿日: 2007.03.12
powered by ブクログどうしてこんなに優しい人ばかりなんだろう。きっと昔の日本では、人と人じゃないモノが隣人として当たり前のお付き合いをしていたんじゃないか、と思わせてくれる。遠のいてしまった隣人が恋しいです。
0投稿日: 2007.02.24
powered by ブクログ南草津駅にあったフリーペーパーの地元ネタ本紹介を読み購入.舞台は山科しかも疎水べりなので自分にとってはまさに足元だ.それゆえ情景などもイメージが容易であり親近感を覚えた.話の内容はファンタジー.とてもいい話.そして落ち着く感じ.著者は有名らしい.浅学が身にしみる.今となっては当時(たった100年前)の風景はあまりのこっていないがそれでも疎水べりで繰り広げられる四季の移ろいを通しての人間,風景描写は,自分をどこか懐かしい気持ちにさせてくれる.自分が気ずいていない自然や人々の息吹を再確認させてくれた気がする.疎水の散歩が楽しくなりそうだ. 2月【自室本棚】旭屋書店プラッツ近鉄店
0投稿日: 2007.02.23
powered by ブクログ疏水べり。雨の音。湖。いつも水の匂いが立ち込めていて、人間とそうでないものたちのあいだをゆるやかに行き来する。隣家のおかみさんはどんな不思議なことでも、ここで起こることはすべて承知しているらしい。犬のゴローは一介の犬ではなく、「私」よりもよほど世間知に長けている(向こうの世界も含めての「世間」でもある)。境界上を行き来するものたちは時に「私」を騙しおびやかしもするけれど、ユーモアに満ちた文体で描かれる世界は優しい。
0投稿日: 2007.02.12
powered by ブクログ綿貫征四郎氏と、庭の木々、花々等の自然との交歓を見事に描いている。 特にサルスベリが可愛らしい。
0投稿日: 2007.02.12
powered by ブクログレビューはブログにて。 http://tempo.seesaa.net/article/33248618.html
0投稿日: 2007.02.09
powered by ブクログ草花と作家の少し不思議な世界。 独特な雰囲気はいろいろなものに似ている気がするが、特異な気にもさせる。 高度な趣を持っていてその総てを楽しむには同じく高度な感性が必要な気がした。 まぁ妖しいものに人は惹かれるんだけど。
0投稿日: 2007.02.01
powered by ブクログ時代背景が私の祖父が生まれたころ。木が主人公に恋をするとか、信心深い狸が彷徨う霊魂をなぐさめるために自分の体を呈するとか、亡くなった友人が掛け軸から出てきて主人公と普通に語らうとか、不思議な出来事なのにこの物語の中では日常の当たり前のことのように受け止め暮らしています。もしかしたらほんの少し前の日本って、こんなだったのかもしれない。だったらいいな。そう思えるきれいな素敵な大人の絵本のような本。
0投稿日: 2007.01.10
powered by ブクログ買って損はない本。静謐な日本家屋をモチーフにした本かと勝手に思い込んでいたら四季折々の花を題材にしたファンタジー短編集でした。河童が庭に現れてもああそうなの、という雰囲気がたまりません。こんな町があったら住みたい。
0投稿日: 2007.01.06
powered by ブクログ学士・綿貫征四郎は学生時代の友人高堂の家の守を頼まれた。高堂は湖でボートを漕いでいる最中に行方不明になっていたのだが、その後も交流がつづき、高堂の父親が隠居することになった家の守を頼まれたのである。 庭にはたくさんの植物が咲き乱れる。執筆活動をしながら、庭の植物に囲まれ、生活する綿貫。 高堂はボートにのって度々遊びにくるようになった。それ以来、珍客が訪れる。 四季にそって咲きめぐる花と共に綿貫の奇妙な家守生活がはじまった。
0投稿日: 2007.01.05
powered by ブクログ綿貫さんが、好き。 キャラが素敵。木に惚れられるとか狸とか犬とか人間以外に好かれまくる主人公がイイ。 家を守る。 本来はこうあるべきなんだな、と思いました。 昔の話をこんな形で描ける梨木さんに乾杯☆
0投稿日: 2007.01.01
powered by ブクログ自然で暖かい。 一章を読んだあと、よく眠れます(@電車の中,つまらないわけではないのだよ) 最後の随筆に感動できる大人になりたい。 (06/12/20)
0投稿日: 2006.12.27
powered by ブクログ内容(「BOOK」データベースより) 庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多…本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。―綿貫征四郎の随筆「烏?苺記(やぶがらしのき)」を巻末に収録。
0投稿日: 2006.12.25
powered by ブクログ独特の空気がすごく好き。「奇異」と「普通」の差って何?という感じ。作中の地名は特に明記されてませんが、わかる人にはわかるはず。
0投稿日: 2006.12.16
powered by ブクログ文体が綺麗だな、と思いました。いや、場面の描き方かな? 私が読んできた本の中には、緑があまり出てこないので新鮮でした。
0投稿日: 2006.12.16
powered by ブクログ100年位前の世界観なのに どこか非現実的。 なのに登場人物たちが あまりにもあっさりとその怪異を受けているから 「ああ、100年前はこれが普通だったのかも?」 と読み手も信じてしまう。そんな話。 小編がいくつもあって読みやすい。 で、某ミステリの読者には別の楽しみもあるかも。なーんてね
0投稿日: 2006.12.15
powered by ブクログ『西の魔女が死んだ』もなかなか面白かったのですが、梨木さんの中でもこの話が特にスキ! 人魚が出たり河童が出たりと『妖怪もの』が好きな人には楽しめると思います。
0投稿日: 2006.12.13
powered by ブクログ村田エフェンディ滞土録にも繋がりのある話。亡き友人の家を預かる身となった私が体験する少し不思議な現象と、亡き友人との交流。犬がいい。
0投稿日: 2006.11.19
powered by ブクログ植物だって恋をするし ヒトじゃないものが想いを馳せたからって何がわるいんだろう 私もこんな家に住んで百日紅と語り合いたいよ・・
0投稿日: 2006.11.15
powered by ブクログ梨木香歩作品で一番好みにあった本だったかな、と。目に見えない「自身」と「世界」の繋がりが穏やかですぐに本に引き込まれてしまった感が…。いや、嬉しいんだけれども。こうも易々と引っ張り込まれるとなんだか悔しいかもとか。主人公と諸々の会話が瑞々しくて、思わず笑いが零れるのが何ともいえない。流石、梨木香歩さん。
0投稿日: 2006.11.12
powered by ブクログあっという間に読み終わってしまうかな、というボリュームだけど、書き込みすぎていない分、イメージはどこまでもふくらんでいき、しっかり味わわせてもらったなあという感じ。「あー、いい話を読んだ」という満足感、幸福感を本当にたっぷり与えてもらった。樹や花の名前を全然知らない自分をちょっとさびしい奴だと思った。 職場で雑談中に「カワウソが好き」という人がいて、ふと、この本を思い出し再読。 しっとりと美しい日本の風景と、何やら不可思議なものが融合した素晴らしい世界にまたもうっとり。カワウソについて長虫屋と話すくだりが大好き。
0投稿日: 2006.11.10
powered by ブクログ2006/11/8読了。 「ほんの百年すこし前の物語」として語られている。昔は、自然〜生きものー花や動物ーや、河童、小鬼をそのまま受け入れ、身近に感じていたんだなー。不思議な物語集なんだけど、柔らかい日本語で引き込まれる。
0投稿日: 2006.11.08
powered by ブクログ不思議をあるがままに受け入れてるところが好き。ふしぎーでもまあ別にいっかーっていう。静かで優しい感じがするのはそのせいだと思います。
0投稿日: 2006.11.05
powered by ブクログ2006/10/12購入。10月読了。 すさまじい空気感だと思った。「おまえは人の世を放擲したのだ」とか「私の精神を養わない」とか、鮮烈な台詞。かと思うと、ひたすら狸の(化けているのだけれど)おなかをさすっていたり。「何をそんなことを気にせずにもいいのだ。何度でもさすってやる。何度でも称えてやる」という台詞で泣きそうになった。自然とあの世と繋がっている、というお話は、じんとくるものがある。いやー、梨木香歩はすごい日本語使いだ。
0投稿日: 2006.11.04
powered by ブクログ梨木香歩の家守綺譚を読みました。亡くなった親友の実家を借りて家守(いえもり)をさせてもらった若い文筆家の物語でした。植物の精や、狐狸・妖怪の類、そしてその親友の霊が登場して不思議な物語が紡がれていくのでした。梨木香歩らしい静かな物語でおすすめです。
0投稿日: 2006.11.03
powered by ブクログ周りの評判もよくて気になる1冊でした。こういう本を読むと、庭のある日本家屋に住みたくなりますね。隣の奥さんが好きです。綿貫さんのように暮らすのは無理でも、彼のような人を「どんくさい奴」と捕らえるのでなく、彼の優しさをわかってあげられるようなそんな人間になりたいです。
0投稿日: 2006.10.31
powered by ブクログこの作品の中に流れるゆっくりした時間、移ろう四季、ちょっと不思議な出来事の数々… この作品の雰囲気まるごと大好きです。 この本に出逢えてよかった、そう思える1冊。
0投稿日: 2006.10.24
powered by ブクログ出たときから読みたいと思っていたので、文庫化されてやっと購入。ずっと読みたいと思っていたので、期待しすぎちゃったのかな。なんだか、わかつきめぐみ作品を文章で読んでいるような感じだな、と思ってしまった。
0投稿日: 2006.10.19
powered by ブクログ舞台は100年前の滋賀県のどこか。しがないモノ書きである主人公・綿貫征四郎は、学生時代に亡くなった親友・高堂の実家に、「家守」として住むことになる。ある日、床の間の掛け軸の中から、死んだはずの高堂がボートに乗ってやってくる。それをきっかけに、不可思議で幻想的な出来事が次々と起こるが、筋立てらしい筋立てはない。なぜ、そんなことが起こるのか、登場人物たちも大して気にしないし、作者も説明しない。ストーリーはどこにも行かないし、教訓もメッセージもない。誤解を恐れずにいえば“感動”もない。それでいて、モノ静かで、のびやかで、なんとなく心楽しい物語である。ちなみに、この作品は征四郎が書いた文章という体裁を取っている。もちろん、実際の作者は梨木香歩氏だが、読んでいるうちに何だかそのことを忘れてしまい、本当に征四郎の文章を読んでいるような気持ちになってくる。各章のタイトルには「白木蓮」「都わすれ」「南蛮ギセル」「葛」「南天」「サザンカ」など植物の名前が使われ、その章の中でその植物が印象的に描写されているのも良い。梨木氏は、イマジネーション豊かな作家である。
0投稿日: 2006.10.15
powered by ブクログ大好きな梨木香歩の本で、本屋で大体読んでしまったのだけど、文庫が出たのですぐ買いました。 人間でないものが、淡々と登場するところが、少し川上弘美を思い出させますが、読後感は全然違います。 川上弘美は、さびしい気分が残るのだけど(それはそれで良いのだけど)こっちは、暖かくなるのです。 川上弘美の登場人物は現代の個人であるのに対し、梨木香歩のは、特定の風土の中にずっと連なってきた時間(人や自然の歴史)に続いている人間です。 ちょっと小心で、いまひとつきっぱりしていないのに、根本のところでは、大変やさしく強く凛としている主人公が好もしいです。 短いお話なのに、たっぷりしていて、とにかく品のある本です。心正しくありたいときに、何度も読みたいです。
0投稿日: 2006.10.15
powered by ブクログ「西の魔女が死んだ」で有名な梨木さんの本。亡くした幼馴染の実家に家守として住むことになった作家志望の男が体験する不思議な話。めちゃめちゃ好きです。
0投稿日: 2006.10.12
powered by ブクログ死んだ友人の家の家守をしている文士綿貫征四郎の暮らしのなかに、死んだ友人が訪れたり、花の化身が訪れたり、狸に化かされたりする話。そんな不可解な事象も「そういうものか」とあるがままに受け入れる征四郎の視点で書かれているので、読んでいるほうも納得してしまう。綺麗な物語。
0投稿日: 2006.10.06
powered by ブクログタイトルから装丁から最初の一文字から最後の一文字まで、ページを捲るたびに日本人として生まれた幸運にふふと微笑んでしまうような幸せな時間でした。鷹揚な主人公と彼を取り囲む特徴的な人々が語る数々の印象深い言葉のなかでも、「私は与えられる理想より、刻苦して自力で摑む理想を求めているのだ」には深く肯きました。秋空のような清澄な在り様を思い出すために、ずっと手元に置いておきたい一冊です。
0投稿日: 2006.10.05
powered by ブクログ100年と少し前、亡くなった旧友の家の家守として住着いた物書きの学士が残した記録、という前提で綴られる短編連作集。木が人のように恋をし、死者が掛け軸から現れ、河童が流れ着き、狸が化かす。そんな怪異を語り手は「そういうものか」と淡々と綴る。その有り様が好ましい。前にも何冊か読んだことありますが、この人の文章は端正できれいで外連味のないところが、とても好きです。
0投稿日: 2006.10.04
powered by ブクログ早世した友人宅に「家守」として暮らし始めた「私」と、その周辺で起きる小さなふしぎたちとの交歓の記録。 一節一節が短いのでふとしたときに読めます。情緒豊かな日本語と、静かにほほえみたくなるような物語が魅力的。
0投稿日: 2006.10.03
powered by ブクログ読みたくて文庫化を待っていたけどハードカバーで買えばよかった。ゴローとサルスベリがいい。良い時代だなぁ。
0投稿日: 2006.09.30
powered by ブクログこの本が文庫になるのをずっと待ってたのですよ!いやぁ素晴らしい。静かに、でも鮮やかに過ぎてゆく季節。むせかえるほどの草花の気配。ひっそりと横たわる怪現象。雨に紛れてやってくる懐かしき友。またしても、何度も読み返したくなる本に出会ってしまいました。秋の夜長の読書にはぴったりです。サルスベリかわいい。
0投稿日: 2006.09.29
