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総合評価

780件)
4.5
426
265
56
11
0
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    誰か!助けて下さい!! こちらはオーディブルで拝聴したのですが、思わず世界の中心で愛を叫んでしまいました…(あの映画も辛かった) 今まで読んだ中でも1番クライマックスで胃がキリキリしてしまい、脳内で上記の台詞を叫んでしまった次第。 逃亡していた鏑木君が身を寄せていた土木建築現場、在宅Webライターの雇い主の自宅、スキー場の宿泊施設、パン工場、介護施設。 それぞれに必ず存在した善意の人とのやり取りや鏑木君の我が身を省みない勇気ある行動に、度々涙を堪えていたのですが。 宿泊施設で出会った痴漢の冤罪被害を受けた渡辺弁護士とのやりとりについに涙腺が崩壊。 立ち寄った電気屋で恥ずかしい思いをしましたが、そんな事どうでも良い位に切なかった… (オーディブルならではの羞恥体験) 善意の人も居れば、悪意の人も居るわけで。鏑木君が翻弄される度に誰か!(以下同文)となり、それはもう最後の結末がどうなるのかハラハラしっぱなしでした。 真実が遂に明かされた時にはこの世に神はいないのか、といつもの如く天を仰ぎ、怒涛のように迫ってきた読者へのフルボッコに一旦再生を止めて今度は項垂れ、かと思うとその後にまた胸熱展開と、非常に揺さぶられた作品でした。 エンディングを迎えた時にはもう人生1周してしまったかのような気分に。 作者の後書きも読み上げて下さっており、これが興味深いものでした。 「これはエンタメ娯楽小説に過ぎないが、言われのない罪を着せられ生活の自由を奪われた人も、冤罪で死刑宣告を受けた人も現実に存在するという事だけは頭の片隅に留めておいて欲しい」 13階段でも問題提起されていた件ですが、私も巻き込まれない可能性が無い訳ではありませんので、色々と考えさせられました。 そして、染井さんの最後の言葉にまた項垂れてしまいました。 (ネタバレになりますので書けませんが、気になる方は是非とも後書きまでご覧になって下さい。) ここ最近、どうも涙脆くていけませんねぇ。

    41
    投稿日: 2023.09.20
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    率直な感想、染井為人の小説は読みやすい。主人公の逃亡生活が目に浮かぶような情景描写や、関わる人の感情が難しすぎず絶妙な表現で描かれていて、かなりのスピードで読めた。最後の展開はできれば避けてほしかったけど、それも作者が伝えたい部分なんだろうと納得できる。

    3
    投稿日: 2023.09.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    夫婦とその息子を殺害した罪で死刑判決を受けた少年が脱獄。脱獄期間、その先々で出会う人たちは、少年が世間を賑わしている脱獄犯であると感づきつつも、葛藤の末、少年を守る流れとなる。 少年は本当に罪を犯したのか、なぜ逃げているのか、最後はどこに向かうのか。続きが気になって一気に読んでしまった。 人と人との心の通い、葛藤の描写が絶妙。他の作品も読んでみたい。

    3
    投稿日: 2023.09.19
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    最近、大好きな作家になりつつある染井為人さん! 若い夫婦と子供の三人を惨殺した罪で死刑を待つ少年死刑囚が脱獄!? 脱獄先で色んな職業に身を置き人生に悩んでいる沢山の人達を意図せず助けていく。 主人公の鏑木慶一は何故脱獄したのか? 一体何をしようとしているのか? 鏑木慶一は本当に罪を犯したのか? 読めば読むほど鏑木慶一が人を殺したとは思えなくなってしまう・・・ 因みに、本作はコロナ禍無くオリンピックが無事に?開催されております。 本書は、脱獄逃亡劇でありながら、賃金の高くない世界で一生懸命に働いている人達にスポットを当てた仕事小説にもなっています!

    53
    投稿日: 2023.09.04
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    先が気になって一気読みした。宗教団体のとこ 詐欺のとこ 身近すぎて怖かった。他の方と同じで 後書き読んで落ち着いた。読んだー!感 たっぷりです。

    10
    投稿日: 2023.09.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    死刑判決された青年がなぜ脱獄したのか、真相にせまる話。 次が気になって、一気に読んだ。 最後の展開には、驚いたたが、あとがきを読んで納得した。

    13
    投稿日: 2023.08.31
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    冤罪で少年死刑囚となった青年の逃亡劇。とても面白かった。 この作品のテーマは「冤罪」や「真実」なのだろう。だがタイトルでもあるが、人の正体を感じとりながら知っていく上で自分の正体も含めてリンクさせていく。そのリンクした正体は未来へと。この感じが傑作だった。 ストーリーとしては逃亡劇なのだが、その先々でヒューマンドラマがあり、鏑木と関わった人々がしっかりと自分自身と向き合う機会を得ている。そうして自分の正体を得ている。 結末は悲しいものだがせめて真実と無実が作中で知れた事で彼が逃亡までして真実を得ようとした人生が報われた気がした。

    77
    投稿日: 2023.08.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    audibleにて。 ミステリー要素は薄いけど、逃亡劇に引き込まれた。 そして今までの登場人物が集まった判決の場、最後の白日ではなぜか一気に泣けた。死なないでほしかった。 でも作者のあとがきで 冤罪がどれほど理不尽で虚しく悲しいものなのかを鏑木慶一という人の死を通して多くの人に感じでもらいたかった というのを聞いて納得した。 どうしてもハッピーエンドが好きだけど読んでよかった。

    7
    投稿日: 2023.08.14
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    めちゃくちゃ良かった 最後は泣いてしまった 少年死刑囚が脱獄し、逃亡生活の中で何人もの人と交流する物語。 正体を隠して身を潜める少年と、その正体に気づきながらも少年を守ろうとする者たち。 「本当に彼は人を殺したのか…?」 とてもじゃないけど人を殺すとは思えないほど心が美しく誠意溢れる少年を前にして、人は何を思い何を考え、どのような行動に出るのか… 冤罪事件について深く考えされられました。 そして日本の司法の闇深さについても。 過ちを認めることができる国であって欲しい。 切実にそう思いました。 とても素晴らしい作品だったので、他の作品も読みたいです。

    9
    投稿日: 2023.08.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み終わって呆然とした。冤罪が晴れると信じていたから。フィクションと分かっていてもやるせない。何とか生きていてほしかった。でも逃亡中、人と触れ合い、好きな人もでき、楽しいこともできたのが救い。ヒラさんの言った「今がええヤツならそれがすべてなんとちがうか。」が心に響いた。そんな風に言える人になりたい

    8
    投稿日: 2023.07.30
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    脱獄犯が隠れて生活している姿がとても誠実な人に思えてどうか逃げ続けてと応援したくなる。最後に救いはあるのか。気になってページを止められなかった。

    8
    投稿日: 2023.07.29
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    切ない。 冤罪事件という、普段テレビなどでは耳にするけれど、幸いなのか縁のない話。それが児童養護施設を出た高校生という、薄幸な身の上の青年に降りかかる。いや、きっと幸福度が基準ではない。この青年が、人生を取り戻そうとする苦労人だからこんなにも悲劇になったのだ、とひとり腹落ち。すこぶる切ない。 青年は極悪非道の殺人鬼から、物語が進むにつれて善良な市民に、そして弱者を救済する心優しい好青年へと、読む者への印象を変えていく。そのグラデーションが感情を揺さぶり、つらくさせる。あとがきも必見。 冤罪が発生するメカニズムに、もう少しだけ焦点が当たるとなお良かった。いや、もしかすると、敢えて作者が切った部分かもしれないが。 とはいえ私たちに対して、冤罪という権威構造が生み出す不幸に、一体どういう顔をして向き合ったら良いのか、という問いを突きつける良作。

    21
    投稿日: 2023.07.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「だって一人の少年の命が、私のこの不確かな記憶にかかってるんだもの」 もし身近な人が殺人犯だったら?殺人事件の容疑者として逮捕され死刑を宣告された主人公が、脱獄して潜伏先で出会った人々を窮地から救う姿を描いたサスペンス。 これは傑作。鏑木慶一本人が死んでしまった後、関わった人たちが冤罪を証明するために行動するのが熱い。殺害現場にいた若年性認知症のおばあちゃんが最後に本当のことを話してくれて良かった。

    7
    投稿日: 2023.07.23
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    ショーシャンクの空に的なお話しでした。本当に生きていてほしかったけれど、お話しとしては、とてもきれいだったかと。 最後に脱獄していた時に出会った皆が集合している姿は嬉しかったです。

    5
    投稿日: 2023.07.21
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    Audibleで耳読。作品として面白く聴かせていただきました。一方で数は少ないと思うが同じような境遇で自分の人生を一変させられて苦しんでいるという事実もあるという事に考えさせられる作品でした。

    7
    投稿日: 2023.07.15
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    500頁以上ありましたが、面白すぎて駆け抜けるように読了。心が強く揺さぶられる読書体験でした。読後、花束の意味に涙が止まりませんでした。あまりにも救いがなくて苦しい。

    11
    投稿日: 2023.07.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2023/05/29予約 3 少年が一家三人を殺し死刑判決を受けた。 この少年が脱獄、名前も顔も変えながら逃亡、その理由。 鐘木慶一は高校3年生当時、この事件に遭遇する。 その場で現行犯逮捕される。 脱獄後、いつくもの場所で働き人と出会う。この人が鐘木?とは思いながらも、優しく思いやりのある青年で何があったのか不思議だった。 出会った人は全てに意味があった。 それなのに、最後は望むラストにならない。 冤罪とは。 この作品にあったように、警察都合で決定事項を翻すことはできない、そんなこともあるのだろうか。 死刑判決は悪事を働いたのだから当然だと考えていた。 間違いのない罪を犯したなら。 よく考えていきたい。

    12
    投稿日: 2023.06.30
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    久しぶりに痺れる本に出会えた。 あっという間の580ページ。続きが気になって歩きながら読んだ。 テーマは重いがエンタメ性を加えたことで、読みやすい工夫がされているのも良かった。 他の作品も読んでみたい、と思わせる魅力があった。

    12
    投稿日: 2023.06.22
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    正体 をオーディブルで聴きながらオートミールクッキーを夢中で食べている。夜中。ナレーターはいまいち。 正体を聴き終わった。 冤罪の話だってわかっていたから、ストーリーに泣かされはしなかったけど、エピローグで無罪を勝ち取るために戦った、生前の彼と関係した人たちの姿に涙が出た。何年もかかっただろう。あとがきで、コロナについて作者が語っていたので(作中でオリンピックが日本開催されたのを延期しなかったこと)、わたしもコロナ明けて、自分が骨折もしたことで、生きてるうちに動けるうちに楽しいことしたい!と改めて思い至っていたこと、を思い出して、泣いた。 世界はいつでも、突然に変わってしまうけれど。

    5
    投稿日: 2023.06.17
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    殺人犯、死刑囚の青年が脱獄。 整形し、潜伏先での彼の人間性が描かれている。 どこでも好青年として評判が良く、人望もある彼は、本当に一家殺人などと言う残酷な罪を犯しているのだろうか? アルツハイマーを発症した、ただ一人の証人に、最後の望みをかけて交渉する。 こんなことは実際はありえない。しかし、冤罪で一生を台無しにした人はどのくらいいるのだろう。 ラストは涙なしには読めない。せめて、鏑木くんに生きていてほしかった。

    0
    投稿日: 2023.06.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    めちゃくちゃ面白かったヤバかった…!!! 章ごとに違う人物からの視点で描かれる一人の死刑囚の姿。前の章で起こったことを、次の章でぽろっと彼がこぼしてしまうところにうわああ…!!繋がってる…!!とひとりで興奮しまくった…!!(特に、和也と飲んだことを次の沙耶香の場面で「友人と缶チューハイを飲みました」と言ったり、沙耶香と見れなかったドラマの最終回を「一緒に見れなかったのが心残り(うるおぼえ)」と渡辺?に打ち明けたり…)ひとりひとりの登場人物がすごく鮮明に脳内に描けたし、なにより、冤罪という重いテーマ、なおかつ警察に殺されるという悲惨なラストであるのに、鏑木に関わった登場人物たちが一致団結する姿、綺麗事と言われようとも美しく、何より胸が熱くなった。初めてこの作者の本を読んだけど、他の本も読んでみたい!そう思わせてくれるほど楽しめた。自分の中でもトップ3に入る作品!素敵な本に出会えてよかった。

    7
    投稿日: 2023.06.16
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    Audibleにて。 途中から止まらなくなって一気に聞き終えました。 主人公の結末にマジかぁ。。。と思う反面、エンディングで少し心が晴れて、あとがきも聞いて納得。

    0
    投稿日: 2023.06.11
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     染井為人さん、初読みでした。600p超の分量でしたが、濃密な物語にグイグイ引き込まれ、続きが気になってページをめくる手が止まりませんでした。有意義な読書時間を過ごすことができました。  一家三人殺害事件の犯人として拘置所に収容中の少年死刑囚が脱獄! この衝撃的な事案から約1年と4ヶ月間、逃亡中の少年の日常を他者の目から見て綴った物語、という構成となっています。  鏑木慶一‥彼と出会う人みんなが好感を抱き、読み手も疑問を抱きます。彼は本当に罪を犯したのか、冤罪ではないのかと‥。  少年の正体は聖人か、怪物か。一体この少年は何者なのか‥。一番知りたい鏑木慶一の心情が描かれないので、想像がふくらみます。その時々の小さなコミュニティ(職場)に入り込み、誰にも優しく接する反面、とらえどころなのない、近寄りがたく、ミステリアスな雰囲気を醸し出します。この辺の各登場人物・状況設定・関係性の描写が素晴らしく、不穏さともどかしさが助長され、読み手を更に惹きつけていきます。  ネタバレするわけにはいきませんが、終末は何とも切なく、やるせない気持ちになります。  本書には、少年犯罪、冤罪、死刑制度など、多くの議論対象が存在すると思います。ただ、当事者でない私たちにとって、残念ながら他人事になってしまうのは、避けられない事実でしょうか‥。  それでも、ミステリーとして、エンタメ小説として、とても大きな価値ある一冊に違いありません。

    88
    投稿日: 2023.06.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった 「冤罪」このタイトルがふさわし 警察、被告人一回認めたら戻れないし 被告人も罪を否定しつづけて警察の態度が悪くなるいい方向には行かない 警察は証拠は隠す、裁判官も一度死刑判決出してやっぱり間違ってましたなんてできないから絶対認めないし 昔聞いたことがある冤罪、誤認逮捕考えさせるれる本でした カブラギケイイチとゆう人間性がよくなければあの結果になってなかったとか 今は「冤罪」「誤認逮捕」無くなったのかな? 本の中で心に残った言葉 ・SNSは広まるのが早いが忘れられるのも早い ・いくら化粧で誤魔化したって人間の本質は変わらない大切なのは心の美しさ

    3
    投稿日: 2023.05.29
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    冤罪の怖さを本作で改めて知りました。 無罪にも関わらず罪を着せられるという事の理不尽さ、ましてやその結果死刑判決を受けるという無念さ、悲しさが心に迫りました。 事件当時、18歳という若さの青年が、この現実に真っ向から対峙する内容が、あまりにも辛く、最期まで真実を訴えた生き方に、心が押し潰されそうになり、何度も涙しました。 本作はフィクションですが、実際に冤罪で罰を課せられ、中には命を奪われた方がいるという現実… ラストが意図する意味… 作者の染井為人さんのあとがきが心に響きます。 今自由に生活している中で、ある日突然、この自由が奪われるという悲劇 それが実際に起こりうる現実に憤りを感じると共に、その様な悲劇が起こらない世の中を願わずにはいられませんでした。 絶望の中でも、本来の素晴らしい人柄を変える事なく、人を思いやり尊重する主人公の鏑木慶一の生き様に、深い感銘を受けました。

    18
    投稿日: 2023.05.29
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    (audibleにて読了) とにかく長かった(長く感じた) 登場人物とか、一連の流れとか、結末とか、面白くないということはないのだが、目新しさも感じなかった 少ししたら内容を忘れてしまいそうな感じ… ----- 映画版を見た。 ⭐️1追加。

    3
    投稿日: 2023.05.25
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    長かったが面白かった! 皆んながそれぞれの視点で 彼を観ていくのが良かった 出来れば警察からの視点も欲しいかった 長いけど読みやすい 良い本だった

    3
    投稿日: 2023.05.23
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    読了後、冤罪が心に残る。無実の少年が逃げる。行く先々で人々の心に彼が残る。冤罪の怖さを痛感しました。

    8
    投稿日: 2023.05.23
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    一家を惨殺し脱獄した少年死刑囚、 鏑木慶一の488日の逃亡物語。 「何故彼はあんな凄惨な殺人を侵したのか?」 警察、冤罪、死刑制度について これまた深く考えさせられる作品でした。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ グループホーム、土木現場、在宅ライター 旅館の住み込み、パン工場の派遣 色んな職場に身を隠し働く鏑木。 各章濃く物語があり、鏑木サイドの話よりもそこに関わる人間の物語がとても濃く、 関わる人全員、何故?なぜ彼が?と疑問に思う。 そしてみんな彼が逃亡中の殺人犯だと信じたくない。 もし私がどこかで、同じ状況になったとしたら…もし確信を得てしまった時に即通報できるだろうか。 読み終わったあと、考えてみたが私にもきっと出来ないだろうと思った。 被害者、被害者遺族のことを考えると鏑木が完全悪なのだが、 何も知らずに接していたとして、彼に悪い印象がなく特徴等でそうかもしれない、と99%思ったとしても 1%の希望に縋るんじゃないかと思ってしまった。 張り巡らされた小さな伏線がスっと繋がる瞬間にあぁ…となり 章毎にこの話…となるのもどこか少しふふっと思え、少し切なくなった。 私は死刑制度について否定も肯定もしていないです。 というか、「どちら派」かは明確にあるけれどわざわざ発言しないで生きています。 ただどちらの意見も"そりゃそうだ"と思っています。 今作を読んで「死刑制度の在り方」「冤罪」「司法制度」は やはり少し考えものなのかもしれないと思いました。 生活の中で、そうそう《加害者側》になることってあまり無いからよく分からないけれども 無実の罪を着せられたとしたら…と考えたらゾッとするものがあります。 恐ろしい。 痴漢をしていないのに痴漢をしたと思われる性犯罪者 給料袋を盗んでいないのに盗んだと思われる窃盗犯 人を殺していないのに殺したと思われる殺人犯… 無実を主張しても曲げられてしまう。 仮に冤罪だった。と認められたとしても ネット上にデジタルタトゥーとして残ってしまう世の中 1度【犯罪者】になった時点で間違っていたとしてもそれが真実になってしまう。 恐ろしい。

    11
    投稿日: 2023.05.15
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    おもしろかった。あっと驚くというよりはじわじわっとドキドキする感じ。後半はページをめくる手がとまらなかった。主人公の頭の回転の良さ、人柄に憧れる。登場人物に一人でもそういう人がいると読んでいておもしろい。この作者の他の本も読んでみたくなる。

    4
    投稿日: 2023.05.09
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    冤罪について考えさせられると共に、その生き方にかっこよさすら覚えた。なんか俺も負けてられんて気持ちになる。あと人に優しくしたい。ありがとう。

    0
    投稿日: 2023.05.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    脱獄した死刑囚が逃亡先で関わった人々の視点で話が進んでいく。 逃亡犯ゆえ人との関わりを持たないようにしていても、知的で能力も高い鏑木は頼られてしまい、そして困っている人を放っておけない。 謎に包まれた死刑囚鏑木が、話が進むごとに真犯人ではないと霧がだんだん晴れていくようにわかっていく。 舞や四方田、井尾由子の考えや行動には少し納得いかない部分もあったが、この終わりにするには必要だったんだろうなと思う。 真相は鏑木にとって本当に不運であり、警察の決めつけ捜査による悲しい冤罪。 そしてその冤罪を隠蔽するために口封じをしようと躍起になる警察。 最後は少し救われるが個人的にあまり好みではなかった。 私には合わなかったようで、とても読むのに時間がかかった。作品自体は面白いと思う。

    5
    投稿日: 2023.05.08
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    鏑木慶一の脱獄ストーリー、展開が気になり読みが止まらない。潜伏場所でのそれぞれの物語りが濃い、読み応えたっぷり。ラストは予想とは違い、だからこそ冤罪についてより考えさせられた。

    9
    投稿日: 2023.05.06
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    ネタバレせずに感想を書くのが難しい…。風呂にも入らず夢中で読んだ(聴いた)。長いのに。読んだ後も動揺してる。人の「正体」は、危うくつかみどころがない。相手によって印象も違う。事実を積み上げた先の正義もその人の正体の一部でしかない。結局、自分の「正体」は、自分しか知りえない。でも、それを主張すること。それが、自分の「正体」を守る方法なんだと思う。アカマン家族療法研究所のスーパーバイザーが言っていた。”You come out to your parents so at the end of the day you can look in the mirror and say I’m proud of myself. “自分を欺いて人は生きていけない。

    4
    投稿日: 2023.05.03
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    とても面白かった。スリリングであり、謎がだんだんと解けていくようなストーリーでもあり、どんどん読み進めたくなる。 「あきらめず、正しいことを貫いていけば、味方になってくれる人は必ずいる。」ということを、感じた。

    9
    投稿日: 2023.05.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    Audibleにて。 そもそも、こんなに簡単に死刑判決が出るものだろうか。 しかも、未成年に対して。 でも、この本のメインテーマは別のところにあるから、そこが気になる人はずーっとモヤモヤを感じながら、読み進めることになると思う。 言いたいこと、伝えたいことはわかる。 でも、うーん。 悲しい結末で寂しい。 ドラマの最終回、観れたらよかったのにね。

    6
    投稿日: 2023.04.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一家3人を殺害し死刑判決を受けた少年が脱獄し、その少年死刑囚の488日に及ぶ逃亡生活の物語。名を変え容貌を変え、様々な所で働きながら逃亡を続ける。逃亡先で出会う人達との交流はとても殺人犯とは思えない、むしろ心の優しい青年という印象。最期まで一気に読み終えた。結末は臨んだものとは違ったけれど、あとがきを読んで少し納得できた。

    7
    投稿日: 2023.04.27
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    まるで2度目のような既視感 ああ ドラマで観たからか チェックしてみたが WOWOW ドラマだし キャスト見ても記憶にない そもそも詳細も把握している部分がある やっぱ2度読みしてる ぬぅ〜 またやってしもうた ブクログやってる意味がない

    3
    投稿日: 2023.04.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    Audibleにて 顔の知れた脱獄犯が、こんなにいろいろな場所で働けるのかという疑問はあるが、エンタメ小説として は面白い話だった。

    3
    投稿日: 2023.04.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    幼い子どもを含め一家を惨殺した死刑囚が、まさかの脱獄を図る。 逃亡する先で起こす数々の「謎の行動」。 逃亡犯に関与した人々は何を想うのか? 「もう少しだけ、あとちょっとだけ読もう」と寝不足の日々。 救いのない最後ではあったが、それだからこそ心動かされ、涙があふれた傑作。

    4
    投稿日: 2023.03.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白くて、鏑木君が気になって、止まらなかったー 小説だから、序盤から彼が犯人じゃないのだろうと思い、彼が行く先々で出会う人たちの心の変遷を、もどかしく、時にやるせなくも思ったけど、他人のことを信じきるというのは実際のところ小説で描かれている以上に難しいことだと思う。 そして、小説だから、何もかもうまくいくんだろうなと太平楽に思ってた私には、彼の最期はやるせなかったなぁ… でも、だからこそ、この作品は自分の心に残るんだろうなという予感もある。 この作品、とにかくいろんな人が出てくるので、誰が一番好きかという話をしてみても結構人によって違うような気がする。 私の推しは弁護士さん。

    5
    投稿日: 2023.03.05
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    脅威の600P越え!めっちゃ読み応えがあった。最初から伏線が張られていて最後に全部回収されるし大どんでん返しが待っていたのに、待っていたのに… 悔やまれるなあってお話だったけれど胸糞悪かった訳ではなかったので素敵な作品でした!しかし読み終わるまでに時間がかかってしまったから2月はあんまり読めないなあ。 ドラマも見てみたいなあと思うお話でした!

    4
    投稿日: 2023.02.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いや、殺すのは無しじゃないかなぁ 殺すなら覆せずに死刑の方が冤罪について考えると思う しかも警察が殺した事で、ただただ警察に悪い印象を持つだけの小説になった。 最初からずっと面白かっただけに死んでしまったのが残念でならない。そもそも警察がすでに取り押さえている状態で撃つということはあるのか?なんでか知らんけど又貫はずっと怒ってるし あと四方田が唾撒き散らしてまで舞を否定しといて音速で警察呼んだのは笑った、その後は無実証明しようとしてるし訳の分からん奴や 最後は井尾由子がめちゃくちゃ事件のこと覚えてる所 最初はパニックでいいけど、あんだけ覚えてるなら流石に何か行動したれよと思った 沙耶香とドラマの最終話見てほしかったです

    4
    投稿日: 2023.02.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    めちゃくちゃ良かったー。でも最後死んじゃうのなし。死なないで支援者と共に出てきて欲しかったな。最後の方の一致団結するとこもう少し長くても良かったなー。冤罪って怖いよー。子供の頃水谷豊のドラマ見た時から怖かった。だから冤罪にならないために日頃から行いに気をつけてる。全然本と関係ないや。

    10
    投稿日: 2023.02.19
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    一家三人を惨殺して死刑判決を受けた少年死刑囚が脱獄する。名前を変え変装しながら潜伏生活を送る少年。頭がよくて冷静で誠実な人柄である彼と接した人たちは彼に好感を抱きつつ、彼が抱えている何かを感じとる。そして彼は本当に殺人犯なのかという違和感… 彼が周りの人に与える温かなものと警察の追手を振り切りながら逃げる様はスリリングで一気に読んでしまった。 彼の孤独や心の動きはほとんど描かれていないが、彼の正体を知った上で察するとあまりにも切ない。 そしてあとがきを拝読して冤罪と死刑制度のあり方について考えさせられた。余韻に浸りながら作者からのメッセージをしっかりと受け止めたつもりです。

    4
    投稿日: 2023.02.09
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    染井さん4作目。 作中の人たち以外、誰の助けも借りず、たった19か20の子供がお金を自力で稼ぎつつ、生存者がどこにいるのかを調べつつ、逃走されて面目丸潰れ、ホンキ出してる警察の目をかいくぐり・・488日間も逃げられるものだろうか? ─という疑問は置いといて。 なぜ彼が脱獄したか? 行く先々で関わる人々が最後にどう繋がっていくのか? 最後は比較的希望が見える終わり方でよかった。 でも全く、良い結末ではない。 こういう、光と暗さがないまぜになっているような感覚はいつも染井さんの作品で感じることで、なんだろう、捨てたもんじゃないっていうか。世の中真っ暗ってわけでもないぞ、というか。 薬丸さんの作品でも、秘密があるとどうしても人間関係は浅くなり、深入りするとそこからほころびて、バレてしまう。相手は「犯罪者」と「目の前の彼」との間で思い悩むことになる。だけど彼の「ほんとう」に触れた人たちは、自然と彼を信じる動きに出るのが良い。それこそ、世の中まだ捨てたもんじゃない。見ててくれてる人は、いる。 途中までは、彼の目的がどこにあるのか全くわからないせいで手に汗握ってた。実は何かの理由で殺し損ねたお母さん(生存者)を殺そうとしてるんだったら? いい人に見えて、途中で誰か都合悪い人を殺してたり?しないだろうな?って。迷いつつも匿ってくれた人の生活を破壊しやしないかと、ヒヤヒヤしてた。 冒頭で出て来た子は東京で挫折して、戻って来て介護施設で働くのだけれど、そのこの家族がすごくまともで、逃げ回る彼とは正反対に未来があって、泣けてきてしまった。 逃げてる彼は、自分も困ってるのに目の前の困っている人を放っておけない、正直で、綺麗で真っ直ぐで・・真っ直ぐすぎて、ちょっと現実味があまりない、っちゃなかったな。 なんでか知らないけど途中から高橋文哉くんで再生してた。

    7
    投稿日: 2023.02.08
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    一つ一つの章の内容が濃い。章ごとに小説として作品にしてもいいクオリティでした。 中でも3章の那須隆士と沙耶香さん いつかいつの日か、一緒に観ていたドラマの最終回が二人でみられますように。 ラストは色々な意見がありますが、私はあれでいいと思いました。この物語を訴えたい作者さんの気持ちがよく伝わりました。 名作です。また読みたい。

    9
    投稿日: 2023.02.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「法律の行き届かない悪」と戦い続けた人が最終的に負けてしまう結末は、気持ちがよくなかった。慶一を殺さなくても充分冤罪の重みは伝わったのに。殺さなきゃ読者にはわからないだろうと思われたのも、どう受け止めるかは自由と言いつつも読者の気持ちを操作しようとしてるところも、なんだかとても残念だった。 ほか、残念だったところ↓ ・最後の章で集まった人たちは彼の名誉を守ると息巻いていたが、名誉云々以上に無罪をとって許された気になりたいのか?と思った。死んじゃったら全部終わりだ。私の主観かもしれないけれど、死んだ後に名誉が守られたって、結局は残された人のためにしかならないと思う。 ・最後、どうせなら仄めかしじゃなくてはっきり無罪って言ってほしかった。有罪の可能性もあると感じさせるねらいでもなかったはず。 ・読者目線で慶一が確実に無罪だと思えるようにしてほしかった。あれだけ引っ張っておいて、縁側での井尾さんの証言はまだ決定打に欠けた。全編を通して鏑木慶一がめちゃくちゃいい奴だってことは証明されたが、事件の一部始終も慶一の言葉でしか語られず、最後まで「信じるか信じないかはあなた次第」の範囲にとどまっていた。終盤だけでも「慶一は無罪なのに!」と確信させて読ませないと著者の意図に繋がらないんじゃないかな。 どうなるかなとドキドキしながら面白く読み進めていただけに、最後の半端さにかなりがっかりしてしまった。 ただ、この分厚い本を長い時間をかけて読んだことは無駄な時間ではなかったと思う。 時間をかけた分わたしは鏑木慶一という人間をとても好きになったし、尊敬した。知識を使えば問題と戦えるかもしれないという希望が彼によってすこし与えられた。慶一に助けられた人たちと似た境遇の人はこの世にたくさんいるから、この本を読むことで一緒に慶一に救われてくれたらいいなと思う。気持ちの描写にリアリティがあるから、詐欺にハマってる人も気づいてくれたらいいな。そういう人は読まないか…? そして何より良かったのは、自分の中で、又聞きの話を鵜呑みにしない思考がなかなか板についてきたということ。偶然だが、冤罪や情報社会の危うさを扱った作品に触れる機会が最近多かったのもある。 本書を読んでいる期間中、SNSを見ていたら、芸能人の熱愛報道に対して「こいつは過去に不倫してるし、熱愛を否定しなかったから肯定してるってことだ、最悪な女(以下悪口羅列)」と言っている人が山ほどいて、すごく冷めた気持ちになった。嫉妬で混乱しているとはいえ、本当かどうかもわからない情報を信じて、憶測で、知らない人をここまで叩けるんだな、と驚いた。そこで逆に「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」とフラットに受け止めている自分に気付いた。自分はこの思考になれてよかった…となんだか安堵した。 冤罪事件は実際にあるが、それを知ったところで、当事者でなければ真実を知る術はない。著者の意図通りに虚しさを体感させられたところで、何ができるわけでもない、余計虚しくなるだけだと思った。でも、強いて言えば、私たちにできることは「そのまま鵜呑みにしないこと」かもしれない。裁判員制度もある中、死刑囚であっても色眼鏡で見ない冷静さを持つこと、というか持とうとすること、それくらいならできるかも。

    3
    投稿日: 2023.02.07
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    土地はハラハラする所もあってすごく面白く最後まで読めた。 どうかこの鏑木が幸せな未来に行けますようにと願いながら読み進めた。 これはネタバレになってしまうんだけれども、鏑木本人が周りに対して無実を訴えることはしていないのに、周りの人達が無実を信じていて集まるところが胸が熱くなりました。

    2
    投稿日: 2023.01.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なぜ彼は脱獄という手段を選択したのか。 自らの置かれた立場よりも関わった人の危機に寄り添う心優しい青年。 彼に関わった人たちがその生き方を変え、彼のために奮闘する姿。そして最後の3行がこの小説のすべてに思えた。 「あとがき」ラスト2行…切ないが聞けて良かった。

    24
    投稿日: 2023.01.28
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    '23年1月15日、Amazon audibleで、聴き終えました。染井為人さんの作品、初体験です。 聴き終えるのに三日、かかりましたが…さほど長さは感じませんでした。物語に引き込まれていたんだ、と思います。 テーマとしては、よくある系の話かな…でも、僕にはとても魅力的な話でした。 周囲の人達の視点、感情などから、主人公の人柄が浮かび上がっていく、という感じ…その周囲の人達が、キチンと描かれていて、みな魅力的でした。思わず「上手いなぁ…」と、聴きながら感心してしまいました。 audibleでなければ、おそらくは手に取らなかったと思う作品、作者さんでしたが…とても良かったです!感謝。

    19
    投稿日: 2023.01.15
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    脱獄した少年死刑囚の逃亡生活のエピソードが語られていくなかで、脱獄した目的や死刑囚の人柄、周囲の人たちの思い、変化していく様子が丹念に描かれ真相が次第に明らかに。誰の犯罪なのか?隠蔽しようとしているのは誰かが問われる

    2
    投稿日: 2022.12.25
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    面白かった! 人間誰でも過ちはある、けど取り返しのつかない過ちの場合もある。 どんなに真っ当に生きていてもある日突然とんでもない事が起きて人生が一変してしまう事もある。 そういうった事をしみじみ感じた。 間違ってしまって、正直に謝って反省してもバッシングされてしまう社会の雰囲気があるけど、誠実な謝罪をきちんと受け入れられる社会になると良いなと思う。 色んな本を読んだけど、この本はあとがきも良かった。

    2
    投稿日: 2022.12.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    死刑廃止論に関して考えたこともなかったが、これを読んだ後では考えざるを得ない…最後の勝訴の場面は涙必須。 軽く調べてみると、日本でもいくつか冤罪にも関わらず死刑を言い渡された人間がいるようだ。彼らがどのような気持ちで過ごしたかを考えるだけで悲しい。慶一は死なないで欲しかった。 どうやらドラマ化もされているようなので、是非とも視聴したい。

    2
    投稿日: 2022.12.05
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    結末が知りたくて何度も電車を乗り過ごしそうになりました。 なかなかの長編でしたがあっという間。 読み終えた後、色々考えさせられる本でした。

    5
    投稿日: 2022.11.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    染井為人さんの本は、これで4冊目。 染井さんの作品で、1番面白い作品であり一番好きな作品でした。 本を読んでいる時、次はどこの部分を読むのだろう…?とあらすじを見ながら読んでいました。 結末は辛いものでした。でも、あとがきを読んで、世の中にはこう言う人もいる。という作者の想いが書いてあり、もしかしたら自分も罪を着せられるのではないか…。と言う怖さも感じました。 何もしていないのに、過ちを犯した訳でも無いのに、亡くなってしまった鏑木。本当に辛いです。 とても長い作品でしたが、読めば読むほど次が楽しみになるような作品でした。 染井さんの本は、本当にイメージがしやすく理解がすぐに出来るので、大好きです。

    4
    投稿日: 2022.11.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    不幸な境遇にも関わらず、ここまで我を捨て他人に尽くせる人が育つものなのか。 冷静に考えてみれば、こんなにもいとも簡単に冤罪が生み出されるなんて、やはり今の世の中ではありえないと思う。真犯人が全く追求もされないなんて、あり得るのだろうか? 自分がやってもいないにも関わらず、にげつづけなければいけない人生なんて、秒で諦めてしまいそう。

    2
    投稿日: 2022.10.02
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    テンポも悪くない、読みやすい。 指名手配班にしては大胆な行動取りすぎだと思うけど… 死刑囚の逃亡がメインだが、終盤の鏑木の苦悩や無念を晴らす過程をもっとみたかったかも。 でも普通に楽しめる。

    2
    投稿日: 2022.09.20
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    染井為人ブームにより、「悪い夏」「正義の申し子」に 続き3冊め。ほんとにハズレなし!です。 脱獄した少年死刑囚が、逃亡生活の中で、 他の人間になりきり、関わる人に爪痕を残していく。 グループホーム。飯場。カルト宗教。 それぞれのエピソードもひとつの作品として面白く、 彼は本当に犯罪を犯したのか、という話が 全体を串刺しする。筆致も展開も見事でした! 賛否両論あるエンディングも含め、おそらく 確信犯的にそういうエンディングにしたんだろうと 思えて、ほんとに隙のない作家です。 いまのところ唯一?の映像化作品なので、 そちらも観てみたいです!

    4
    投稿日: 2022.09.17
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    冤罪で逃げている犯人が色々な人と関わって、バレたら逃げての繰り返し。 介護の場面や、アルツハイマーの場面とか、泣きそうになりながら読んだ。 冤罪は辛い。最後も解説ではなく、後書きだったから作者の言葉もとてもぐっときた。

    2
    投稿日: 2022.09.02
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    私のお気に入りベスト3に入るかも。 ああ、何となく彼はそうなんだろうな。 という流れは分かってしまうものの、それでどうなるの?そこからは?と読む手が止まらない。 オチに関して、読者や周りからクレームがあったそうだが、あとがきで作者がしっかり答えていて良かった。 最後のどうなったんだ!? という答えもあとがきに書かれている。 映画で言うと、エンドロールまで愛せる作品ではないだろうか。 特段盛り上がるところがある訳でもないし、何となく流れは読めてしまうものの、彼についてどんどん知りたくなる。その欲求を止められなかった。

    4
    投稿日: 2022.08.24
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    期待していたがあまり面白くなかった。タラタラ進んだ感じがした。最後も結局そうなるのー!?ってちょっとショックでした。

    0
    投稿日: 2022.08.12
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    冤罪について考えた。 犯罪者と思われた人は いくら訴えても こんなにも信じてもらえないのか。 初の染井為人さん作品。 読みやすかった。 周りの人の視点で犯人をとらえている。 その視点が読みやすい。

    0
    投稿日: 2022.07.23
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    久しぶりに面白いと思える小説だった! かなり分厚いので、読む時はちょっと重かった...けど先が気になってどんどん読めてしまう。 ラストも良かったです。 作者の後書きだけはいらなかったかな〜笑

    0
    投稿日: 2022.07.05
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    久々に面白い作家を発掘した。その名は「染井為人」。 このドキドキ感、早く読み進めたいという気持ちはなかなか味わえない。 死刑宣告された脱獄犯が逃げ続けるストーリーだが、その中にドラマがいっぱい詰め込んである。本屋の文庫本の広告に見事に騙された!この作家の本を読んでいきたい。

    0
    投稿日: 2022.06.29
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    一家惨殺の脱獄犯。名前を変え逃亡する先々で出会った人の目線で描かれるから、当然に犯人の目的や心情は不明。最後の展開も、そこに至るまでの細かさとテンポもバランスが良く、面白かった。本の厚みがまったく気にならない。亀梨和也主演ドラマの原作。

    2
    投稿日: 2022.06.28
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    冤罪、世論、国家権力、身近には感じない、でもきっとすぐ近くにあるはずの存在にあらためて恐怖を感じさせられた。

    2
    投稿日: 2022.06.05
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    脱獄犯がテーマのお話かと思いきや、途中から冤罪?と思い始め、最終的に悲しい結末だった。 あとがきにもあったように主人公を殺さないで欲しかった…最後の裁判で主人公はおらず裁判が行われたが、 実際冤罪で死刑を免れない方は今もいるんだろうな…と思うと怖さがあった。 自白の強要、極限の精神状態まで追い込み虚偽の内容を刷り込ませる…そんなことも未だにあるんだろうか… 冤罪がテーマ。読んだことがなかったので考えさせられた。そして読んだ後、不思議と主人公が自分の中から消えなかった。

    12
    投稿日: 2022.05.07
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    あらすじ読んで たぶんこんな感じで こんな展開で ラストはどっちかな? って浅い予想をしてたけど 予想と違う展開だった あれ? 淡々と逃亡続けちゃって (いや、もちろんドキドキはするよ) これ、どう終わるの 大丈夫???ページ足りる??? そんな心配してたけど やるせないラストだった なんでだよ…ってラスト 登場人物に厳しい作家さんなのかな? 個人的には好みだな サクサク読めたし 読後にあれこれ考えちゃったし 強烈に印象に残る本ではないけど 読んで後悔はない ので星は4つ

    5
    投稿日: 2022.04.22
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    面白かったと言えば不謹慎ですが、最後まで鏑木慶一がどうなるのかが、気になって仕方ありませんでした。 死刑囚が脱走した。逃げる先々で名前や仕事を変えて、真実を追いかける。 権力が常に正しいとは限らない。マスコミやSNSにより人の心も情報操作されているかもしれない。 生きることを投げ出す瞬間や、投げ出したい瞬間があるかもしれない。鏑木の境遇になれば尚更だと思うけど、彼は自分の正義を優先しようとした。 この中に登場する人たちは、多かれ少なかれ傷を負った人たちばかりかもしれない。鏑木の優しさに触れることで、死刑囚という枠を超えて、彼を知ろうとしたのかもしれない。鏑木の「好きな人がいました」の言葉は、切なくてもあり、微笑ましくもあり。 世の中は、きっと理不尽なことはがりだと思うけど、どこかで、鏑木には幸せになってもらいたいという気持ちがありましたが、世の中、ハッピーエンドが、必ずしもハッピーエンドではないと言うことも考えたり。

    10
    投稿日: 2022.04.20
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    そんな簡単に死刑囚が脱獄出来るのかと思ってしまいますが面白く読めました。1つ1つのストーリーが最後に上手く纏まってましたが、最後は少しドタバタ感がありました。染井さんの本はそのような傾向があるのかも。

    0
    投稿日: 2022.04.19
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    小説の厚みを全く感じさせない! あっという間に読み終わりました。 最後はジーンと感動。 男本人からの視点は一切なく周りの人達から見た姿なのが良い。 最後の喫茶に平田さんいてよーー!って思っちゃった。 元気にしてるのかな。

    1
    投稿日: 2022.04.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一家3人が殺された凶悪事件の死刑囚の逃走劇。 犯人は未成年。 心根が優しく誠実な少年に逃亡先で関わった人達は「本当に彼が人を殺したのか」疑問に思う。 何故、彼は脱走したのか、どこに向かっているのか、過去、実際にあった事件を思い浮かべながら一気に読んだ。 追われている犯人側の緊張感、犯人ではと感じはじめる周囲の人の緊張感もテンポよく描かれている。 どんどん先を知りたくてハラハラしながらページをめくる手が止まらない。 最終章で正体がわかるのだが、後味の悪さと虚しさが残る。 なんとかならなかったのか、、 それは、作者が、あとがきで謝っていることで救われた気持ちになる。 テーマは「冤罪」。あってはならない国家犯罪だ。 強い思い込み、自白の強要、間違った共感 ひょっとしたら冤罪かもしれないと感じた関係者がいたとしても言えない空気感、 冤罪が発生する仕組みの怖さを改めて知った。 作者はエンタメ小説と記しているが、重いテーマ「冤罪」を考える機会になる本。 多くの人に読んでもらいたいです。

    21
    投稿日: 2022.03.16
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    初の染井為人作品。 良くも悪くも過去の実際にあったいくつかの事件をひとつに繋げて上手くオマージュした感じの作品だと思いました。 それをパクリと言ってしまえばそれまでですが、私的には600ページを超えるこの分厚さを飽きることなく一気読みできたのは、やはり個々のエピソードが面白かったからだと思います。 結果的にラストは残念な結末でしたが、それでも少しだけは救われたのかな、、、。 実際にあったあの事件でも、犯人はこんな風に社会に溶け込んで逃亡していたのだろうか?などと想像しながら読んだりして、おおいに楽しめた作品でした。 この作者の他の作品も読んでみたいです。

    21
    投稿日: 2022.03.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初から最後まで一気に読めた。逃亡してる本人の視点は一度も出てこないのに、その人となりがよくわかって、どうかいい最後であってほしい、と願わずにはいられなかった。結末を含めてこの小説の良さであることはわかっているけど、やっぱりハッピーエンドも見たかった気がしてしまう…。

    0
    投稿日: 2022.03.03
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    一家三人を虐殺した犯人・大学生が死刑直前に脱走。本当の悪人なのか逃走先を追いかけていく。考えさせられる終わり方だが、残念な終わり方だった。

    0
    投稿日: 2022.02.14
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    悪い夏が好きすぎたのでほかの作品も読んでみようと思って読み始めたら止まらなくなりました。 良すぎました。

    4
    投稿日: 2022.02.10
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    最初の方、登場人物の名前がちらほら某アイドルグループを思い出させるのでなんだかなぁ、と思ってたけど、読み進むにつれて気にならないくらいの展開に。 現代の社会の問題も絡めつつ、一貫して正義を貫く彼のことを、彼と関わっていく人たち同様、捕まって欲しくない、と思うようになった。 最後が切ないなぁ。

    0
    投稿日: 2022.02.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初読の作家だったがYoutubeでお薦め本という事だったので読んでみたが久しぶりに興奮して読み進めた。初めはただの逃亡小説かと思っていたら、段々と冤罪小説だと言う事に気付いてきた、そして最後は悲劇に。日本は犯人射殺はほとんどない代わりに死刑制度がある、しかしそれは仕方のない事だとは思うが、日本の司法関係者の無能ぶりを知る度に、疑問を感じざるを得ない。本作も出来れば法廷闘争まで持って行ってもらいたかった、この結果だと警察による殺人という事になってしまうではないか、出て来た弁護士が御子柴だったらなあ。

    10
    投稿日: 2022.01.21
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    染井為人『正体』光文社文庫。 サスペンスフルな長編小説。最初はなかなかやるじゃないかと思ったのだが…… 冤罪を扱っている点では清水潔の『殺人犯はそこにいる』を参考にしているようだし、鏑木慶一の逃亡記録という点では市橋達也の『逮捕されるまで 空白の2年7ヵ月の記録』を参考にしているように思った。そして、全体の味付けは薬丸岳の一連の小説という既視感ばかりの小説だった。 さらには、鏑木慶一が犯人とされる一家惨殺事件は世田谷一家殺人事件がモデルで、一橋文哉の『世田谷一家殺人事件 韓国マフィアの暗殺者』を参考にしているのかも知れない。 と、どう考えても模倣作としか思えない卑怯な作品だった。 埼玉で若い夫婦と2歳の子供を殺害し、死刑判決を受けた少年死刑囚の鏑木慶一が脱獄する。鏑木は偽名を使い、東京オリンピックのテニス競技場の工事現場や高齢者向けグループホーム、在宅ライター、菅平の旅館の住込みアルバイトなど様々な職場で働きながら潜伏生活を送る。 しかし、鏑木と関わった人物は皆一様に彼の人間性に魅了され、彼が凶悪事件の犯人であることを信じない。果たして、鏑木慶一は本当に凶悪事件の犯人だったのか…… 本体価格900円 ★★

    21
    投稿日: 2022.01.16