
総合評価
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powered by ブクログ世の中の不都合な真実に目を向けていると思います。社会の中で生きにくいと感じている人たちへの理解が深まると思います。読みやすいので、多くの人に広まると良いなと思います。
2投稿日: 2023.02.10
powered by ブクログ本来は支援を受けるべき立場の彼らが見過ごされ、不適切な指導やいじめなど不当な扱いを受けている。そのストレスが犯罪へと繋がってしまうのはなんとも悲しい。不幸な犯罪者となってしまわないよう、適切な支援が行き届く社会になるといいな。
1投稿日: 2023.02.09
powered by ブクログタイトルの通り、非公少年の中には、そもそもの認知能力に課題を抱えているケースがあり、およそ中学生頃から、この課題によって学習に難が生じ結果として非行環境に身を置いてしまう。虐待などの家庭環境による影響が少年非行・犯罪の分析として多く用いられてきた中で、そもそもの脳や認知の障害にスポットを当て、そしてまずはそこを認め・認知機能の改善を図るというアプローチを具体的に提唱している点、シンプルで分かりやすい。単純に暴力的・精神障害があるといっただけでない非行の元に隠れた認知・知能面での観点を、インパクトあるタイトルで世に知らしめた意義は大きいと思う。
1投稿日: 2023.02.08
powered by ブクログ刑務所、非行少年と知的障害者や境界知能をもった人たちの関連があることがわかりました。 小2くらいからサインがでてくるということ。 前半は夢中で読み終えました。考え方が変わる一冊でした。
1投稿日: 2023.02.02
powered by ブクログ非行少年は、軽度知的障害などを抱えていることが多く、非行に走らざるを得ないという状況が多いということがわかった。 支援者たちはそういったことをきちんと理解するべきだと思う。 また、支援する際は、非行少年の犯してしまった罪などを正しくフィードバックしてありのままの少年の姿を理解させる。その後、支援者がきちんとその子を支える(安全基地になる)ことで「頑張ろう、変わろう」と思えるようになるのではないか。
1投稿日: 2023.02.02
powered by ブクログ色々と考え方が大きく変わった! 奥が深すぎて頭がパンクしそうになったけど 読んで本当によかった! これからの子どもたちに支援していく 参考にしようと思った! 声のかけ方、、改めて見直したい。
1投稿日: 2023.01.31
powered by ブクログ同じ世界をどれぐらい正確に認知できるかは人それぞれに差があるという、考えてみれば当たり前のことと、それが非行に関わっている可能性について気付かされた。
0投稿日: 2023.01.29
powered by ブクログ精神科医出身で少年院の法務技官を経験した著者が、非行少年たちが犯罪を繰り返す原因を認知能力の問題として見出し、自身の経験した数々のケースについて解説した書。 何度か出てくる、認知行動療法は「認知機能という能力に問題がないこと」を前提としているので(そうでない相手には)効果が得られない場合がある、という一文にハッとさせられた。認知能力が不足しているのに、認知行動療法をベースとした高度な矯正プログラムを受けさせられ、納得していなくても(そして時には納得しているのかどうかさえ分からないまま)専門家の求めているであろう回答を重ね、実態としては何も変わらない少年たち。それに起因する生きづらさには誰にも気付いてもらえず、配慮されず、非行に対してひたすらに「反省」を強いられる。挿絵として出てくる、タイトルにもあるケーキを(三等分に)切れない状況や、Rey複雑図形の模写(見る力が弱く、歪んで見えた図形をそのまま描いてしまう)はにわかに理解し難いが、認知能力の違いというものを現実のものとして思い知らされた。 印象的だったのは、同じような子でも教師等まわりの大人が気付いてやることで救われるケースも多いということ。一方で、小学生の間は目にかけてくれる先生がいて道を踏み外すことがなくても、中学生、高校生となるにつれて周りの支援が減り、犯罪に手を染める子供たちも多いという。教師だけでは進学の節目でどうしても関係性が薄くなったり途切れてしまうことも多く、やはり親や周りの大人達がどれだけ気付いて配慮出来るか、進学先につなげてやれるかというところが大切なんだろうと思う。自分のような(教育者でない)一般庶民に出来ることは限られていると思うが、まずはそのような子供たちが一定数(IQ70〜85という、普段付き合う上では気づかないような軽度知的障害で14%という)いるということを頭の隅に置いておきたい。 以下、気になったフレーズ。 p.123 "褒める""話を聞いてあげる"は、その場を繕うのにはいいのでず、長い目で見た場合、根本的解決策ではないので逆に子どもの問題を先送りにしているだけになってしまいます。 p.125 問題なのは自尊感情が低いことではなく、自尊感情が実情と乖離していることにあります。何もできないのにえらく自信をもっている。逆に何でもできるのに全然自信がもてない。要は、等身大の自分を分かっていないことから問題が生じるのです。〜無理に上げる必要もなく、低いままでもいい、ありのままの現実の自分を受け入れていく強さが必要なのです。 p.136 私的にはWISCは「ザル検査」だと思っています。〜現在主流の知能検査は、大雑把に知能の傾向を把握するにはとても役に立ちます。しかし、そこで拾えなかった躓きを併せて調べてみないと、"知的には問題ない"で終わりになってしまい、検査を受けたばかりに逆に支援を受けられなくなる子どもたちを沢山つくってしまうのです。
2投稿日: 2023.01.29
powered by ブクログなかなか理解が難しく入り込めない内容であった。 考えさせられる部分はあった。 人に教えてみたい 人から頼りにされたい 人から認められたい これが自己評価の向上に繋がる →納得。 1番下っ端の子が、後輩ができると、一皮剥けることあるなと。
2投稿日: 2023.01.28
powered by ブクログ数年前に話題になっていた新書をやっと読んだ。少年院にいる非行少年たちは、なぜ非行や犯罪に走ってしまったのか、なぜ再犯してしまうのか。彼らには、ケーキを三等分にできないような、認知機能に問題がある子が多くいるのだ……という話。 なぜ彼らは子供のころに適切なサポートを受けられず、見過ごされてしまうのか。彼らにはどういうトレーニングが必要なのか。被害者が被害者を生む図式など、いろいろ考えさせられる。
4投稿日: 2023.01.23
powered by ブクログ今と昔のIQのボーダーラインの数字に驚いてしまった。 必要な助けというものの考え方を見つめさせられる一冊でした。
1投稿日: 2023.01.23
powered by ブクログ書店でずっと気になっていた本。 こういう認知をするのかとか、へえーと思う点が多々あった。気づかれず、こういう質を持った人は今多いと感じる。わかりやすく、表現や対応はちょっと極端に感じる部分もあったけど、非常に興味深かった。
1投稿日: 2023.01.21
powered by ブクログ非行少年から学ぶ子供の教育 ・自己への気づきと自己評価の向上 ・自己に注意を向けさせる方法…他人から見られている、自分の姿を鏡で見る、自分の声を聴く(自殺者の多かった札幌駅のホームに鏡を付けたら減った) →子供に対し、「あなたを見ていますよ」というサインを送るだけでも効果がある →子供たちが自ら「気づきのスイッチ」を入れなければいけない…様々な気づきのある場を提供し、スイッチを入れる機会に触れさせることが大切 →子供の心の扉を開くには子供自身にできるだけ多くの気づきの場を提供することが必要(説教や叱責ではない) ・やる気のないような子供でも、問題を出す役や答えを教える役をやってみたい、と思っているかも。それが自己評価の向上に繋がり、勉強へのやる気がでてくるかも 感情のペットボトル 様々な気持ちを貼った500ミリのペットボトルがある。「怒り」の気持ちだけ2リットル(「怒り」の気持ちが最も厄介でトラブルになるから) ①これらのペットボトルを大きな袋に入れて子供に担がせる→重くてしんどい…「気持ちを出さずにため込むことはしんどいことだよ」と体で感じることができる ②ペットボトルを袋から出していく→体が楽になる…「気持ちを表現することの大切さ」を体感。中でも「怒り」のペットボトルを出すと楽になる…怒りをため込むのが一番つらい ③その「怒り」の出し方も大事。「怒り」のペットボトルを出すときに投げたら相手が怪我をする。だから怒りの表現の仕方も大事。 知的障害、学習障害、などと診断されることのない「グレーな存在」が多く存在している。そしてその「グレーな子」が学校や社会で生きづらさを感じて、非行に走ったり、犯罪を犯したり。それは子供に限った話ではない。大人も同じ。ちょっと人並みのことができないとグレーな存在になり得てしまう。私もそうかも。 その「グレー」を明確に「ブラック」の領域に入れて、その人たちを全員特別支援の対象にするか、となったらそれはきっと複数の観点からの基準も定義も難しいだろうからそうはならない。となると、そのグレーたちが生きやすい社会にならなければいけない。人と比べるから落ち込む。それが自己否定やストレスに繋がる。短絡的かもしれないけど、みんなが違いを認められるようにならなきゃいけない、というのが根本な気がした。でもなんでもかんでも「多様性」で片づけていいものではないし、「みんな違う、だから私はこうしてもいい」みたいな感じでなんでも好き勝手にやっていいわけでもない。「多様性」という言葉で許される境界線が難しい。 自分自身のマインドとして、人との違いを受け入れること・人と比べて劣ってても他の自分の良さを探す努力をすること(人と比べないのが一番だけど!)、つまり柔軟にしなやかに生きる姿勢を持っていたいと思った。 あとは子供に気づきを与える機会をたくさん与えて、がみがみ言わない親になりたい!自分の理想を押し付けない、彼女は彼女。
1投稿日: 2023.01.18
powered by ブクログこの本の中で障害と表現されている特徴を持つ人が自分でも社会からもそうであると認識されずに苦しんでいるということを知って、もしかしたら自分も何らかの項目で普通の人より極端に劣る特性を持っているかもしれない、そういうことは全ての人に当てはまるだろうから、まさに障害と言っても大雑把に言えば個性の一つなんだよな、と思った。 人が健全に生きるためには「自己への気づき」「適切な自己評価」が肝要だということが知れた。 自分自身が自分自身について考察することを習慣的に行わないとと思ったのはもちろんのこと、我が子にも自分について着目し考える機会を提供していきたいと思った。
0投稿日: 2023.01.17
powered by ブクログ脳の問題。加害者にしないためにも被害者にならないためにも解決策が必要。事例にある事件が読んでいて辛い。
0投稿日: 2023.01.14
powered by ブクログ『(略)注意・集中力をつけさせないと、問題は根本的に解決しないのです。こうした問題が発生した場合の「褒める教育」は問題の先送りにしかなりません。』 家庭で気付けず、学校でも見落とされた、本来は福祉によって救われるべき少年が罪を犯すという。 しかし著者がかつて勤務していた発達障害の専門外来では、申し込んでから初診の順番が来るまで4年待ちでといつ状態で、病院として機能していないくらい患者が集まってくるらしい。 4年、長すぎる。
0投稿日: 2023.01.14
powered by ブクログ社会性を育む体系的な指導が必要という筆者の主張は理解できるが、現状それを行うためのシステムやリソースがないのようには思う。子どもたちのどの層に焦点をあてて教育を行うかという面では、下位層だけのことだけしか考慮できいないとも思う。ただ、納税者にする、その被害額を考慮するという視点を知れて良かった。
0投稿日: 2023.01.10
powered by ブクログとても勉強になった。 非行少年の実態はもちろん、子育てについても、今までより踏み込んだ考え方を得られた。 特に「褒める教育」や「話を聞く」などの教育法が根本的に解決に繋がらない話は新しかった。 また「自尊感情が低い」▶︎高くしていく、というアプローチではなく、大人だって自尊感情が低いままの人だらけなのだから、問題点は、自尊感情が実情と乖離している、というのも成る程。と感じた。 心の扉は少年自身が開けるしかない。支援者はきっかけをできるだけ数多く与えるという解決法も頷けた。 ADHDなどの発達障害だけでなく、知的障害≒IQが低いという観点も、これからもっと広まって対策していけるといいな。 私も著者同様、人は「自己理解」というものがとても重要だと思っている。
1投稿日: 2023.01.07
powered by ブクログいいことと悪いことの区別がつかない、 何に対して怒られているか分からない、 反省とは何かも分かっていない、 そんな人をいくら叱りつけても物事は改善しない。 境界知能に陥いる人を減らさないと、非行少年は減らないよ、という話。 程度の差はあるだろうけど、なんか仕事でもそんな場面あるな、、、と感じた。 子どもでも大人でも学ぶことをしないと、分からないことが増える。分からないことが増えるとより分からなくなる。そうなったらアウト。 学びを面白いと、嬉しいと感じられるか、が重要。 できること、分かることが増えたという実感を持たせられるか。 褒めて伸ばす、も大事だけど、ダメなことはダメと言うことも大事。 などは、仕事の場面でも通ずる考え方だと感じた。
0投稿日: 2023.01.06
powered by ブクログ普段、ニュースなどを見ていて少年がどうして罪を犯してしまうのか、ずーーーっと気になって考えることがありました。 この本を読んで、なるほど!と納得が行く部分があり、とてもスッキリしました。ここに書かれていることだけが全てでは無いと思います。しかし、私が全く想像していなかった原因もあることを知り、とても勉強になりました。
4投稿日: 2023.01.06
powered by ブクログ教職課程の授業で課題図書になっていたので読んだ。高校時代からしばしばおすすめされる本なので一度読むことができて良かった。 内容はシンプルで、「犯罪を繰り返し犯してしまう子供たちには知的障害が関わっている場合が少なくない」ということ。この一冊を通して筆者のさまざまな経験や過去の研究を踏まえて筆者の考えを展開している。 同じことの繰り返しで後半若干飽きてしまったので星3ではあるが、教師を目指す者にとって、またそうでない人にとっても斬新な視点で書かれていて面白い本であると思う。
0投稿日: 2023.01.05
powered by ブクログ何かで紹介されていて気になったので読んでみました。 仕事柄発達障害の子供たちに接することがあり、とても興味深く読みました。 そのことに親が気づいているのか定かではありません。 親にも周囲にも気づかれずに色んなことに躓いて、間違った方向に進んでしまった。 そしてケーキが切れない、模写ができないなどの事実が少年院に入って初めてわかるなんて。 考えさせられる一冊でした。
0投稿日: 2023.01.04
powered by ブクログ「努力すれば報われる」という言説からこぼれ落ちる人たち。自己を客観的に認識し、理想の状態を考え、ギャップを埋めるよう行動変容する…努力とは誰にでも当たり前にできることではないのだと知った。言語力・思考力の圧倒的な格差。どうしたらいいのだろう。
1投稿日: 2023.01.04
powered by ブクログタイトルに引かれて購入。 最初から最後まで納得させられることや共感できることが多かった。 非行少年を少なくすることは犯罪を少なくすることに直結するし、治安をよくする意味でもすごく意味があることだと思った。 幼少期の家庭環境であったり、学校教育の大切さは言うまでもないし、結局のところ次の世代の事を考えた時に、家庭環境の悪さや教育というものは連鎖するものであり、自分が受けていない教育を自分の子に教えることは到底困難なことだろうし負の連鎖が起きているのが今の社会であると思う。 本書で紹介されていた非行少年が写し描く絵が実際の絵と全く違うものであり、見え方が異なっているというのは衝撃的だった。 根本的に理解できない事をどのように理解させるのか、それを理解できるほどの理解力を持ち合わせているのかというところへの着眼点は流石であると思った。 今まで自分が考えていなかった別の視点での考え方を知ることができたのでとても興味深かった。
0投稿日: 2023.01.03
powered by ブクログ面白かった。 考えさせられる一冊。 後半は日本の教育について書かれているので難しく面白みがないが、前半から本編は興味をそそる内容だった。
0投稿日: 2023.01.03
powered by ブクログ・多分、以前にも読んでいて、2回目でした。 ・自分の子供にも発達障害、学習障害があるため、非常によく理解できる内容です ・最後の方にコグトレについていくつかのテキストなども紹介があり、購入してみたいと感じた
1投稿日: 2023.01.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
少年非行の背景に認知能力の問題があること、正しい自己評価ができていないため改善を促すことが難しいこと、いじめや虐待などからくるストレスがあることなど、非行少年に対する理解が深まりました。
0投稿日: 2023.01.03
powered by ブクログ宮口幸治氏は、京大工学部卒、建設コンサルタント会社勤務後、神戸大学医学部に再入学し卒業、同神戸大学医学部附属病院精神神経科、大阪府立精神医療センター、精神科病院、法務省宮川医療少年院、女子少年院勤務を経て、立命館大学産業社会学部・大学院人間科学研究科教授。困っている子どもたちの支援を行う「日本COG-TR学会」を主宰。医学博士、精神科医、臨床心理士。 本書は、著者が、10年以上法務技官として医療少年院・女子少年院に勤務し、非行少年たちと接してきた経験に基づき、彼らがなぜ非行に走のか、どうすれば非行を防げるのかについて、綴ったものである。 私は新書を含むノンフィクションを好んで読み、興味のある新刊はその時点で入手するようにしているが、今般、過去に評判になった新書で未読のものを、新・古書店でまとめて入手して読んでおり、本書はその中の一冊である。(本書は2020年の新書大賞2位) ざっと読んでみて、第一に感じたのは、なぜこの本が新書大賞2位となったのかという疑問である。書かれていることはとても大事なテーマであるし、非行の背景の分析内容に多少の驚きはあるとはいえ、ここまで売れたのは、題名と帯に描かれた不格好なケーキの切り方の絵によるところが大きいように思う。(そうした意味では、著者、というか、出版社の販売戦略が見事にはまったということだろう) 内容は概ね以下である。 ◆非行少年に共通する特徴は以下の5+1点である。①認知機能の弱さ(見たり聞いたり想像する力が弱い)、②感情統制の弱さ(感情をコントロールするのが苦手。すぐにキレる)、③融通の利かなさ(何でも思いつきでやってしまう。予想外のことに弱い)、④不適切な自己評価(自分の問題点が分からない。自信があり過ぎる、なさ過ぎる)、➄対人スキルの乏しさ(人とのコミュニケーションが苦手)、+1身体的不器用さ(力加減ができない。身体の使い方が不器用) ◆上記のような特徴は、小学校低学年の頃から見え始め、そうした障害を持つ子供(軽度知的障害とされるIQ85未満)の割合は16%ほどもいるが、軽度の障害者は、学校でも、社会に出てからも気付かれることなく、犯罪を起こしてしまうことが多い。 ◆犯罪を行った少年が“本当に”変わり始めるきっかけを分析すると、家族のありがた味や苦しみを知ったとき、被害者の視点に立てたとき、将来の目標が決まったとき、信用できる人に出会えたとき、人と話す自信がついたとき、等で、まとめると「自己への気づき」と「自己評価の向上」の2つである。 ◆対策としては、子供に対する「社会面」、「学習面(認知面)」、「身体面」からの理解と支援が必要である。認知機能向上への支援としては、認知機能を構成する5つの要素(記憶、言語理解、注意、知覚、推論・判断)を強化するための「コグトレ(認知機能強化トレーニング)」といわれるプログラムが、医療少年院で5年の期間をかけて開発されており、これを一般の小中学校で毎朝5分行うだけでも有効である。 犯罪と認知機能の弱さに相関関係があることを、現場の経験に基づいて明記している点においては、ある意味思い切ったと言えるが(犯罪と知的障害を関連付けることは、従来、差別行為としてタブーとされる向きが強かったのではないだろうか)、それを除けば、内容は濃いとは言えず(同じようなことが繰り返し書かれている)、物足りなさが残るものであった。 (2022年12月了)
1投稿日: 2022.12.30
powered by ブクログ積ん読本2冊目読了。 何か、納得した。 私は社会人になってから勉強の面白さを知った。 勉強が出来なかったのは、聞き取りが上手く出来なかったからなのだ。 毎日事務所で電話を取り、メモを取るうちにそれが身に付いた。相手の話を聞き、聞きながら要点をまとめメモを取る。 子供の頃にそれに気付きトレーニングしていたら、先生の話も理解出来、板書を丸写しするだけではなく深い学びが出来たように思う。もしかすると人生変わっていたかもしれない。 今は、学ぶ事がとても楽しい。これは宝だと思う。 防衛費云々より国民の教育費を増やすべきだろう。
2投稿日: 2022.12.29
powered by ブクログ考えさせられる内容だった。 もちらん自分の子どもには犯罪者になってほしくないが、それが障害があったために起こってしまったことだとなるとどうすれば良かったのか悩むことになると思う。 認知機能を鍛えるトレーニングがあるとのことだったので子どもにもやらせてみたい。
0投稿日: 2022.12.27
powered by ブクログじゃあ、どうすればいいの?がなかなか出てこなくて、焦ったかった。ただ、「自己肯定感は低くてもよい」というのは目から鱗だった。今の教育界は、自己肯定感を上げようと一生懸命なので
0投稿日: 2022.12.22
powered by ブクログ一時話題になった本ですが、非行少年がケーキを等分に分ける事が出来ないというより、学習障害で人と上手くやっていけない子供が、結果居場所を失って非行に走るという内容でした。思えばクラスには学習に付いていけない同級生が数人はいました。いつの間にやら周りにはある程度の学習能力がある人しか居なくなっていた気がします。曲がりなりにも受験というハードルで、ハンデを持った人々は脱落してしまって、その後人生が重ならなくなっているのかもしれません。 人生ハードモードという言葉が昔流行りましたが、行政のサポートも無く、世の中に放り出された事で、上手くやっていけず結果犯罪に走ってしまうのは本当に想像に難くないです。家族に暴力を振るわれない、経済的に困窮していない、知能に問題が無い、運動能力が人並みにある、容姿で嫌われない。他にもあるかもしれませんが、これだけの条件を備えているのが一般的には普通と言われるのでしょうが、これ、本人の責任何も無いですよね。でもいじめの原因にる事ってこの辺の事とても多い思います。やるせないし人間って本質的に残酷だと感じます。 どこからを知的障害と認定するのかは難しいですが、何もかも他の人と一緒にしなければ恥ずかしいと親が思わず、個性として受け入れて行ける世の中になるといいと感じました。
5投稿日: 2022.12.19
powered by ブクログタイトルを見てからずっと気になっていた本でした。 本にあるように発達障害や知的障害が犯罪に繋がっていて、その解決のためには学校教育現場の役割が重要である。 しかし、近年は教員を目指す人材が少なく、昔に比べると採用試験の倍率が低い。そうなると教員の質という観点から見た時に落ちていると言われても否めない。もちろんみんながみんなそうではないが… この本を読んで様々な角度から今の日本の教員の現状を分析して、何が必要かを考え取り組んでいく必要があるのではないだろうか。
8投稿日: 2022.12.14
powered by ブクログ犯罪をして少年院に連れていかれる非行少年(少女)の特徴や傾向がよく分かる内容だった。非行少年はこういう人が多いんだと知るだけでなく、教育的に何が必要かや、主に知的障害について語られていた。 非行少年は自尊感情が低いという共通の特徴的があるが、それだけが問題では無いということと、ありのままの自分を受け入れ、自己への気づきを自己評価の向上に繋げていくことが、非行から抜け出すポイントだと感じた。 知的障害についてよく知ることで、もし自分の子供が知的に問題がありそうだと感じた時に、非行をしてしまう前にどう対処したらいいかのイメージを持つことができた。
1投稿日: 2022.12.13
powered by ブクログ現在の知的障害のIQはかなり緩めであり境界知能という部分を含めると人口の16%が生きにくさを感じているということはちょっとショックな数字であった。今まで、不真面目とか、要領がいまいちとかネガティブな言葉で表現してしまっていた人たちも、生きにくさを感じていている可能性があり、コミュニケーションの仕方も注意しなければいけないんだと感じた。 日本の教育ももっと力を入れるべき部分があると感じた。(ただでさえ激務な教員にこれ以上を求めるのは酷だとも思うが)力を入れることで被害者を減らすことができる可能性があるなら国が指針示して取り組むべき。このままでは子供にとっても親世代にとっても生きにくい世の中になってしまう。 個人としてはまずこの事実をしっかり心におくこと。そして職場にもいるかもしれないから、どんな同僚にもしっかりわかるように、諦めずに説明をしよう。
0投稿日: 2022.12.12
powered by ブクログ話題の新書ということでチェック。大まかな内容自体は知っていることも多かったが現場感は勉強になるし、教育や福祉の既存のセーフティネットには大きな穴が幾つも空いていることは何度でも問題意識を持ち直したい。ソーシャルスキルトレは誰が担保するのか問題と、ソーシャルスキルトレは一定の認知能力を前提としているプログラムである点に注意が必要なことは確かにNPOの現場などでも抜け落ちることはありそうで注意が必要だなと感じた。
0投稿日: 2022.12.04
powered by ブクログ面白かったっていうよりかは、読得。よみとく、そんな言葉あるんか知らんけど。読んでよかった。得した。よみとくした。これは、出た時からずっと読みたかったんだけど、重いかなぁしんどいかなぁと、思いながら敬遠してたわけだけども。いやー、読んでよかった!コグトレについて知れたし、境界知能ゆえの困難さが今までよりよく分かった。それに、被害者が加害者を作るサイクル、メカニズム?についても、よく理解できた。これは、読みやすいしいい本です。『最後の1日5分で日本を変える』の章は永久保存版やわ。
3投稿日: 2022.12.03
powered by ブクログ周りからは理解されず生きにくさに苦しんでいる人たちがいることが分かった。 また被害者が被害者を生むこと、非行少年を納税者に変えることの日本としての重要性、教育の重要性、非行少年を障がい者としてみる是非、昔と現代とでのIQ数値の差異など全てにおいて初めて考えさせられることばかりだった。 非行行為に対しての許しとそれを理解することは大きく違うのでとても良い学びになった。
0投稿日: 2022.12.01
powered by ブクログ面白かった。 ただ、途中から若干中だるみがありましまね。 最初のテンションのままで乗り切ることができませんでした。治療法あたりは、難しいよという思いが先行してしまったからかもしれませんね。 でも、前半は読み応えがあってよかつたです。
0投稿日: 2022.11.28
powered by ブクログ帯がいい仕事をしている。編集者の勝利というか。 今まで小学校や中学校で、いわゆる「勉強ができない子」というのは、遊んでいたり怠けていたりして勉強がわからなくなり、それが常態化してますます勉強ができなくなっていくのだと思っていた。つまり、みんな、勉強はやればできると。 しかし、そうばかりでなく、知能的にぎりぎりで勉学についていけない児童、生徒たちというのが一定層いて、そういう子たちが犯罪を犯したり、非行に走ったりしているケースがあるということ、初めて知った。 ずいぶん前、新聞で元国会議員の山本譲司氏が詐欺事件だかで逮捕されて留置場にいたとき、知的にボーダーな人が多いことに気づき、救済活動をしている的な話が掲載されていたのを思い出した。ら、やはりそこが発端となったと書かれていた。
3投稿日: 2022.11.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
怒りの原因は ①自己肯定感の低さによる「バカにされた」 ②べき論の強さによる「自分の思い通りにならない」 の2パターン。 グレーの子たちはコツコツと認知トレーニング(コグトレ)を。
0投稿日: 2022.11.22
powered by ブクログ非行少年たちが、学校教育や通常の社会生活の中で、忘れられた(置いてきぼり)存在であるかを知ることができた。 非行自体、もちろん簡単には許してはいけないが、身体の特徴や脳の異常から、この問題をきたしてしまってることを解明し、根本から改善していく用意が今の日本の教育現場にはなく、そんな子どもたちの行く末が「少年院」ということに憂う。
2投稿日: 2022.11.21
powered by ブクログ私にとっては非常に腑に落ちる内容でした。非常に認知能力が低い生徒がいるのは間違いないと思います。これでは、犯罪を犯したことに対して反省をさせても全く意味がありません。 サインの出しはじめは小学2年生からとありました。小学生にうちに、この認知機能トレーニングで、少しでも改善できていれば犯罪は減るのではないかと思えました。 いわゆる「能力の低い子供たち」であっても、適したトレーニングを受け、適した職業につけば、納税者となり、社会のためになる。進路指導はまさに、社会正義だという本も読んだことがある。まさにその通りだと思いました。
0投稿日: 2022.11.19
powered by ブクログサクッと読み終えました。 知的障害のいわゆるグレーゾーンの人、かつ環境がよくない状態で育ち、犯罪者となった少年たちの生い立ちと教育問題、解決の具体的手法が書かれています。 周囲でも気にしてみると、グレーゾーンで家庭環境、教育環境の良くなかった人たちが多いことに気づきます。一歩間違えたら同じことになってただろうなと思いました。
0投稿日: 2022.11.16
powered by ブクログこういった分野の本をあまり読んだことがなかったので、非常に興味深かった。 非行少年は「悪い子」なのか、「反省」して「矯正」できるのか。そもそも、その子どもたちはなぜ勉強ができず、周囲の人々とうまく付き合うことができないのか。 これは、自己責任と言ってかたづけてしまってはいけない問題なのだと分かった。 親や教育に関わる人は、読んでおいた方がいいと思った。
0投稿日: 2022.11.14
powered by ブクログ児童精神科医が医療少年院に赴任し出会った少年・少女たちと接し気づいたことと、できる支援について書かれた本。数年前のベストセラー。タイトル及び、ケーキのイラストが描かれた帯が成功していると思う。 反省させられる前に、認知能力がない故に反省ができない。全てが歪んで見える(理解する)から、生きづらさを抱える。 境界知能の子どもたち、今の基準だと気づかれず、非行に走っていく。彼らが変わっていくには自分で気づく必要。学校や周囲は勉強そのものより、社会性のサポートを。 これまで関心持ってなかった分野だったが興味深く一気に読めた。学校が、何のために存在してるのか、という問いは本当に大切だと思う。 また本書の主旨とはそれるが、幼児への猥褻行為の裏にある背景(例えば加害者が受けたいじめ等)が書かれていて、ただの趣味だけではなかったことに驚きがあった。幼児を持つ親の立場として、被害者も加害者も増えぬような社会になって欲しい。
0投稿日: 2022.11.14
powered by ブクログ犯罪や非行に対しての矯正方法というのは、刑務所や少年院での教育や矯正プログラムが正しいものだと思っていたので、この本を読んだときは強いショックを受けました。そもそもの犯罪や非行に対する考え方からして覆されたような気がしています。 著者の方は児童精神科医。実際に少年院で出会った子どもたちを見ていくなかで、子どもたちに反省を促す以前の問題があることに気づいていきます。 それは認知機能や考え方のゆがみ。問題なのは、そうした問題やゆがみがこれまでの福祉や既存の学校教育では、単なる落ちこぼれや不良としか捉えられなかったということ。 結果、勉強や友人関係についていけず教室に居場所をなくした子どもたちは、非行や犯罪の道に進まざるを得なくなっていった。そうしたことが多くの事例から紹介されていきます。 読んでいるといわゆる「普通の教育」が受けられることはもちろん、それが理解できるということだけでも幸運なことで、その普通から抜け落ちた人たちにとって、この世はあまりにも生きづらいのだな、と考えさせられました。 改めるべきは社会の理解、自分たちの理解、そしてこぼれ落ちる人が一人でもいなくなるような柔軟な福祉や教育の充実なのだと思います。
2投稿日: 2022.11.13
powered by ブクログ行政や警察も含め、あらゆる対人援助職に就いている方に一読をおすすめしたい1冊。 そんな対人援助職に就く者の端くれとして、共感と痛いところを突かれた思いとが混ぜこぜになりながら読み進めた。時々読み返したい。
1投稿日: 2022.11.09
powered by ブクログ非行少年や、犯罪を犯した加害者は、元々何かしらの被害者であった可能性が高い。 それは単に虐待に限らず、発達や知能に障害があるにも関わらず、それを周りが察知できずに、正しいサポートが出来なかったために犯罪に手を染めてしまった可能性も高い。 犯罪そのものは正しく裁かれるべきであるが、それを事前に防ぐ対策が取られることを望む。
0投稿日: 2022.11.08
powered by ブクログ話題作なのでタイトルは知っていたのですが、内容の前知識なく読み始め、諸々衝撃でした。 非行少年と言われる人たちの多くに共通する特徴のなかで、【認知機能の弱さ】が特に意外で記憶に残りました。 見たり聞いたり想像する力がなければ、自分の犯罪を振り返ることも出来ないし、そもそも社会生活を円滑に送ることすら困難です。 これらの能力?は、生活していく上で自然と身につけるものなので出来ることが前提なので、出来ない人のフォローをどうしていくか考えた際に、仮にきちんと向き合うとならば人もお金もかかりますが、今の日本がこの問題に真正面から向き合うとは思えず、問題の根深さに目を塞ぎたくなりました。 ただ、別の方も感想に書いてましたが、本書に記載されている事実や分析は、一般の人も知ることで日々の生活に役立つと思いました。
0投稿日: 2022.11.06
powered by ブクログほんとに読んでよかった。普通なんかないし、多くの人が当たり前にできてもそれが出来ない人がいるんだなと。勉強になった。
0投稿日: 2022.11.03
powered by ブクログ以前から気になっていた本をやっと読む事が出来た。非行少年の特徴 ・認知機能の弱さ ・感情統制の弱さ ・融通の利かなさ ・不適切な自己評価 ・対人スキルの乏しさ ・身体的不器用さ 知的障害及び境界知能の人は、16%程存在し、受刑者には半数近くがそれに該当すると言う事実はゾッとした。そして、イジメや虐待が事件を引き起こす要因になっている世界に何も出来ない自分が情け無く思った。ケーキを3等分する図や複雑図形の模写のページを見た時、住む世界の違いが実感できたと共に、何とかして矯正できないか切に願って止まない。
0投稿日: 2022.11.01
powered by ブクログ新書は苦手だが、例が多くとても読みやすかった。 障害などにより生きづらさを抱える人々の話だと思っていたが、普通の子育てにも役立つ話ばかりだった。誰もが感じる生きづらさを軽減するためにどうしたら良いのかを教えてくれる。
2投稿日: 2022.10.31
powered by ブクログ「9歳の壁」というものを知り調べてみた。小学3年生あたりからだんだんと他者との「差」というか、「開」というか、「距離」というか、そういった間違い探しを無意識的にしてたのかなと考えさせられた。個性が大切だと叫ばれる昨今、同じであることを何処かで強要される。その矛盾にどうしていいか分からない、そんな歪みの中で成長して、真っ直ぐ育つ人なんて稀だろうなとも思う。子どもの心に扉があるとするのなら、その取っ手は内側にしかないという言葉が響いた。それは子どもたちだけではなく、多くの人がそうだろうと思う。
2投稿日: 2022.10.22
powered by ブクログタイトルの件のみに触れると、そもそも、非行少年の大半は、もしかしたら生まれた時からついていない、ある種、不幸続きなのかも知れない…と、気付かされた。少なくとも、ホールケーキでお祝いされた経験を、持っていないと言うことは、結構大変な環境である。切り分け方を知らないと言うことは衝撃。 話は少し逸れるかも知れないが、本書で取り上げられたこの中には恐らく、望まぬ妊娠により産まれた少年が多く含むことが推察され、日本に於ける妊娠中絶について“父親”側の承諾無しでは実施できないと聞いているが、レイプなどでも堕ろせないのだとしたら、母親側の女性にとって、悲痛やその後の人生が大幅に狂って来ることにも繋がり、何としても女性側の一存で自身の体を守れる仕組み(墮胎含め)が必要だと感じた。何故なら、当人(母や産まれた子ども)は勿論のこと、日本社会にとっても負のスパイラルであるから、誰も幸せになれないのはおかしいと考える。
0投稿日: 2022.10.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
少年院を調べると、認知力に問題があり挫折を繰り返した結果犯罪者になっている人がいる。 育成歴はこんな感じらしい。 非行少年たちは各段階で挫折を繰り返してる。 ① 病院に行っても知能テストでは普通より少し低い程度で問題無しとなる ② または知能テストでは一部の能力だけ低い ③ 親がそもそも病院に連れて行かない ④ 親が育児放棄や虐待してる ↓ その結果学校で孤立する イジメを受ける ↓ 想像力や共感性等が足らなくなる ↓ 仕事が出来ない、人間関係が上手くいかなくなる ↓ 被害者に罪悪感を持たない犯罪者になる ↓ 罪悪感がないから反省も後悔もできない ↓ 再犯してしまう 改善するために著者が認知力を鍛えるコグトレというゲームを提案している。 勉強になりました!
0投稿日: 2022.10.14
powered by ブクログ確かに非行少年が見たものを正確に書けない、ケーキが三等分ができないことを想像するとその背景に背筋が凍る思いがした。一方でその少年たちに共通するネガティブな要素は私にも多く当てはまり、いわゆる普通の人たちも彼らと大きな隔たりが無いことに気付かされる。著者はあくまで彼らを守る立場を一貫しているが、社会に馴染めない普通の人たちはどうなるのだろうか。 私には弱者を救うことより人の弱点を社会が容認するように働きかけるのが、優先であるように感じる。
0投稿日: 2022.10.12
powered by ブクログ人と接する人(特に子供)と接する人は、必読書といっていい。 悪いこと、直して欲しい事があったとき、すぐ怒るのではダメ!! 怒る(叱る)前にすべき事がある。 それは、相手が何が悪かったのか「理解」できているか?を確認すること。 本書は、児童精神科医が医療少年院にいる少年とのやりとりの中で分かったことを教えてくれる本。 少年院にいる子はどんな子たちなのかを分析している。 その特徴とは、 見る力、聞く力、見えないものを想像する力が、ほかの人に比べて弱いというものだ。 そのせいで話しを聞き間違ったり、自分の悪口を言われているように感じたり、周りの状況が読めず人間関係で失敗したりという表面に表れてくるらしい。 これだけでも、かなり勉強になったのだが僕がこの本で一番ナルホドと思ったのが冒頭に書いたことだ。 相手が本当に理解できてるか確認しないと、怒っても意味がない。 子供と対する大人が気をつけるべき点だろう。 これは、大人同士の関係でも同じ事が言えるはずだ。
3投稿日: 2022.10.02
powered by ブクログ職場に、頭脳的には問題ないけれども行動が不可解な人達が多く、特に参考にしようとしたわけではないけれど、ふと目について読んでみた。 診断が付いてしまえば逆に保護や支援が受けられたり、そういう人だと周りが配慮してくれたりして生きやすくなることもあるけれど、その支援の網からこぼれ落ちてしまうグレーゾーンの人たちが世の中にはたくさんいる。その支援の基準も、政府の方針やら予算、勝手なガイドラインなどで線引きされ、振り回されたりもする。 私が働く職場も、知能的に問題があれば働けないのでいわゆる知能指数が低い人はいないけれども、明らかに社会的な常識から逸脱したりルールが守れない、感情のコントロールができない、周りの迷惑を考えない、自分の利益しか頭にない、他人がどうなろうが知ったことではない、そしてその感情を隠そうともしない人たちがいる。 それを「可哀想な人たちだ、支援する必要がある」と思う気持ちも理想的かもしれないが、実際、その周囲の優しい人たちが巻き込まれて精神を病み、カサンドラ症候群のようになっていくケースもある。理解を示さずに切り捨てていくとその人たちが理解されないと腐り、犯罪者になっていくケースももちろんある。 綺麗事では済まされないな…と思いつつ、私もそういう人たちに耐え切れず仕事を辞めた過去があるからなんとも言えない。 ただ、自分の常識では理解できない行動を他人にされた時、その人の性格が悪い、やる気がない、頭がおかしいと頭ごなしに決める前に、そもそも自分の常識とはなんなのか、自分こそ価値観を押し付けたりしていないか、その人の背景にあるものは何だろう?少し考えてみたいと思った。
2投稿日: 2022.10.02
powered by ブクログマンガを読んでもっと知りたくなって本書を手にとりました。 【こんな人におすすめ】 ・知能障害や境界知能の人について知りたい ・学校で虐められていた子供が、ストレスが貯まると、最終的にどんな行動をとってしまうのか知りたい 【所感】 少年院に入った子供の何%かは、そもそも心から悪いと思える認知能力を持っていない、というのが恐ろしかったです。気の毒だと思う一方で、もし家族がそのような人に犯罪に巻き込まれたらと思うと怖くてたまりません。 認知の歪みを整えるには、褒めたり話を聞くのは根本的な解決には至らない。 ・集団で過ごしながら、自己評価を重ねる ・認知行動療法のトレーニングをする ことで、認知の歪みを整えていく。そうすることで、最終的に、社会的に誤った行き過ぎた行為を自らストップできる力を着けさせることが可能なのだと、解決策を見つけられたような気がしました。 義務教育の場で、著者が勧めるドリルをやらせたり、グループワークをしながら自己評価を重ねていくことが大事なのではないかと思います。わたしが直ぐにできることとしては、いじめは絶対に許さないという姿勢を子供や周りの級友にみせていきたいです。
0投稿日: 2022.09.30
powered by ブクログ犯罪を犯す人たちは、根っからの極悪人や世間を舐めている、世間に不満がある人たちだと思っていたが、 発達障害や知的障害の割合が高いこと、 彼らは「見る力」「聞く力」「自分を客観的に評価する力」「自分の存在を認めてあげる力」が弱いために、嘘をついてその場を取り繕ったり、被害意識を持ちやすいため非行に走ってしまう、ということがわかった。 しかも一般的な評価では漏れてしまう人たちも大勢いるということで、本来は福祉の支援が必要な人たちが何も支援されず、生きづらさを感じ非行や犯罪に手を染めてしまう実態を知れた。 今まで出会ってきた人たちを思い返して、 ただ性格に難ありなだけだと思っていたが、本当は知的障害が少しあったのだろうか...と思い出せる人も何人かいた。 反省をさせて再犯させない、という以前に 何が悪いことなのか、なぜ悪いことをしたらダメなのか、と理解できない反省以前の人たちがたくさんいるのは恐ろしいことだと思った。 放っておくと新たな被害者を生んだり、なにより納税者を増やさないと経済難が解消されないため、 福祉や教育に携わっていない自分でも他人事に思えないため、この事実を知れてよかった。
0投稿日: 2022.09.27
powered by ブクログなかなかの衝撃でした。中学、高校生あたりで漢字や簡単な計算が出来ない知的ボーダーな人が犯罪者になる確率が高いであろうという話。こんなの簡単という発想はあくまでも自分の目線であり、難しい人もいる。ただ、ぱっと見は普通で気づかれにくい。結果いじめられてストレスたまって・・・。切ない実情だなと思った。
3投稿日: 2022.09.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『SANDA』(板垣巴留)を読んで【親を殺してしまった子】の描写を見た後、図書館で発見し手に取った本。 目に見えない【脳】から来る悩みは本人だけではどうしようもないというのは辛いだろうなぁ。 勉強のその他の事で「何でわからないんだ??」と言われても、 本人だってそれで悩んでるんだもんね。 その質問自体無意味だ。 子の幼少期の時にそうした事をいかに気づき、【勉学の直接的な支援】がいかに重要かという事がわかる一冊でした。 そして【写す、数えるといった土台トレーニング】という根っこの部分の存在がとても興味深かった。 この過程があって《黒板に書かれた事を写す》《漢字を覚える》《計算をする》といった事が可能になっていくんですね。 一見「これやって何になるんだろう??」と思ってしまうけど…… ちゃんと意味があるし、いろんな物事に繋がっていくんだなぁ。
4投稿日: 2022.09.26
powered by ブクログ読み易く内容が頭に入ってきやすい本だった 当書籍の中で語られる様な人と話すことが多いと私の様な人間にもわかりやすい本を書けるのかなと感じた 内容としては構造主義の補完に見えた 障害を持つが故に他者から虐げられ その歪みが更に弱い物に向かう負のスパイラルを どうやって断ち切れるか 教育の在り方が見直される日が来ればなぁ
0投稿日: 2022.09.24
powered by ブクログ割と平易に書かれていて読みやすかった。 犯罪を起こす少年には、善悪を判断する以前の思考能力や認知機能、コミュニケーション能力その他にハンデがあり、また、IQも低いことが多い。 そういった部分を適切に補っていかない限り再犯率が高くなる傾向がある。 一般的な教育の現場で補うのは難しく、専門機関も多くない。また、IQ75-80辺りの子たちは知的に若干の難があるが、普通の子として扱われるため、普通の子達と比較して、自己評価が低くなりがち。 著者は認知機能のトレーニングを推奨。 という感じ。 認知機能のトレーニングというのもフワッとしたものだったが、この分野は今後まだまだ研究の予知が多分にありそうだと思った。
0投稿日: 2022.09.22
powered by ブクログ例えば「お前今睨んだだろ」などの難癖。 認知の違い(外からの情報の獲得、想像できない、劣等感などで誤った認識をする)というのが、こんな形で現れるのだ、そして本人は本気でそう思ってるのだ、と理解できた。 知能指数は100で普通だと思っていたけど、100ないと生きにくいのか。 「コグトレ」なども興味深く読んだ。
0投稿日: 2022.09.22
powered by ブクログベストセラーに選ばれた本であり、おすすめしている人がいたので購入してみた。読む前は「ケーキの切れない非行少年」のタイトルから単純に頭が良くない人に対する原因やその対処法に関する本だと思った。 実際の内容は、健常者には理解できないような行動(日常生活から犯罪まで)を繰り返してしまう少年たちの原因や未然に防ぐ方法、解決策についてまとめられている。少年院の子供を例としている場面が多く記述されており、ほとんどの人は関わることのない世界に触れることができる。ドキュメンタリー番組を見ているようで大変興味深い内容であった。 彼ら非行少年たちは認知機能において、部分的に欠落していることが少なくない。しかし、普段の生活では問題なく過ごすことができるため、健常者と見分けがつきにくく、知的障害と診断するには曖昧になる。そのような「境界知能」に値する人々の存在を知ることで、非行少年たちの視点から物事をみることができる。 この本の内容を直接的に使うことができるのは、教育者や指導者の立場にある人が多いだろう。しかし、それ以外の人でも相手の立場になって物事を考える良い機会になると考える。
0投稿日: 2022.09.17
powered by ブクログずっと気になっていた本。興味深く面白く読んだ。 犯罪が起こった時に、なぜ事件を起こしたのかどこまで責任を取れるのかについては念入りに言及されるけれども、どうしたら防げたのか、事件を起こさないためにはどう支援したらいいのか、の視点で語られることが少ないという記述に、確かに!とものすごく頷いてしまった。 責任能力の有無なんかはよくとりあげられてるけど、話題になるのはそこまでですもんね。 改善解決をするのはなかなかに難しそうですね…。
0投稿日: 2022.09.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
話題本をようやく。 知的や発達障害の角度からの本ではあるが。 感銘を受けたのは、子どもの心の扉は内側からしか開かない。という一文。子供に良い教育よりも、色々な体験をさせてあげたいという私の価値観に合致した。お受験とか知名度の高い学校に行くよりも、色々な体験させて人間として厚みの有る人が世の中に羽ばたけますように!
1投稿日: 2022.09.14
powered by ブクログキャッチーなタイトルで、発行から3刷りで購入して読んだ記憶はあるもののさっぱり記憶に残っていなかった。これを原作にコミックが書かれたと言うので少し覗いてみたが、朧げな記憶ながら違和感を感じて再読に至った。 ストーリー性は一切なし。 著者の述べたいことは比較的シンプル。 その割に紙面を多く使って、重複しながらの強調となっている。著者の他の著作物への言及も多い。 確かに〝なるほど〟と思える事多々。 が、疑問に思うところも少なくなかった。 〝不適切な自己評価〟と言うが、適切なそれとは誰が決めるのかわからない。第一何が適切なのかの判断基準すらわからない。殺人を犯しても自分を〝優しい人〟と思っているのが不適切と言うが果たして?(実際殺人者にも優しい面はあったりする。) 画一的?と言うか柔軟性に乏しく、当事者の意識の中を測り知ることの難しさが感じられず、ある意味上から目線にも感じられた。残念。
0投稿日: 2022.09.12
powered by ブクログ世の中に対する、普段生活している時とは違う角度で物事を捉えられるようになるような一冊。 社会勉強本として面白い。
1投稿日: 2022.09.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
児童精神科医の作者は罪を犯した少年たちとのカウンセリングを行う中で、彼らには認知能力が相当低い、所謂知的などの障がい者に相当する子供たちが多くいるのではないかという思いを抱く。その様な少年たちの認知能力を底上げするためにはどうしたら良いのか、画期的な学習システム(コグトレ)を提唱し、彼ら彼女たちの真の社会復帰の道筋を模索していく、と言った内容だった。貴重な現場の声だと思う。読んでの想像だけど、実際に認知能力がかなり低いことで生じた考え方の歪みやストレスにより犯罪に手を染めてしまう人の割合は相当多いのではないかと思った。コグトレは機会があれば自分も利用したいし、なんなら自分もやってみたいと思った。漢字が超苦手なので。
0投稿日: 2022.09.12
powered by ブクログ医療少年院、という現場で働く医師の視点から捉えた非行少年の実態について述べられており、とても興味深いものだった。非行の問題って、親や周囲の人々など生活環境の影響が大きいと思っていたけど、それだけじゃなく、そもそも見逃されてきた生きづらさがあることが示唆されていた。人の気持ちが分からない、勉強についていけない、そういった生きづらさを抱える子どもって、たくさんいるんじゃないか。非行に繋がる可能性はひょんなことから生じる。ハッとさせられる一冊だった。
0投稿日: 2022.09.11
powered by ブクログ世の中にこれほどまでに書く力、読む力、想像する力、共感する力が欠けている人がいるのかと思った。 価値観を覆す衝撃だった。かなり重い話。 ただ、今の生活に生かすことができないし、何を伝えたいのかわからなかったので、微妙な評価になった。
1投稿日: 2022.09.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・非行少年に対して、少年たちが起こした犯罪に対して認知行動療法が実施されているが、非行少年は自らの行動についてそもそも理解し切れていないということがあるとわかった。見る力や聞く力が備わっていないため、難しい。 ・知的障害はIQ70未満。IQ70〜85未満は境界知能のため、学校から支援が受けられない。 ・受刑者たちは軽度知的障害や境界知能が多い。 ・できていることを褒める教育だけではなく、学習の土台となる基礎的認知能力をまずは向上させる必要がある。
0投稿日: 2022.09.11
powered by ブクログ少年犯罪を犯した人の多くは知的障害を抱えていることがわかった。クラスに5人という割合で軽度の知的障害を抱えている人がいると言うことをもっと世間が、特に教師や親が認知しなければ、状況は良くなっていかないと思う。犯罪者もなるべくしてなったのだということを改めて感じさせられた本。犯罪者が生まれる原因は社会にある。
0投稿日: 2022.09.06
powered by ブクログ先天的知能が足りない or努力が足りない これらのうち、どちらがより残酷に聞こえるかは人によってそれぞれだなと感じた わたしは「どうやったって無理、それ以上のレベルには行けない」と言われるより「あなたが怠惰なだけ」と言われた方が傷つかないけど、 人によっては「どうしてもできないことってあるもんね」と言われた方が救いになるのかな、と
1投稿日: 2022.08.31
powered by ブクログ非行少年は概して見る・聞くといった認知能力が低いことを知った。ケーキを等分できないことや図を書き写せないことが本書で示されていたが、このような簡単なことができない人からすると周りの世界の見え方が普通の人とは異なっているのではないかと感じ、恐ろしく感じた。
1投稿日: 2022.08.22
powered by ブクログ難しいけどとても大切なことが書かれていると思った。 にもかかわらず、発達障害グレイゾーンの子どもたちは増え続けている。 ケアも大切だけど、妊娠時からの食事や医療との関わり方の中で発達障害の子どもを増やさないようにすることももっと大切なんだと思う。 同じようなことが繰り返し書かれているので深めながら読みやすい。
1投稿日: 2022.08.20
powered by ブクログ教育系の学部の大学こそ、こういった教育現場の実態が書かれているような本書を授業で取り上げてみてほしい。
0投稿日: 2022.08.13
powered by ブクログ話の大筋(特に、義務教育システムに対する批判)や学習段階別の教育を定めるべきという主張に関しては納得できたが、著者の主張するコグトレの宣伝風になっていたのは微妙だった。
0投稿日: 2022.08.13
powered by ブクログ褒めたり話を聞いたりするだけではダメ。知的な発達に問題がある場合にそれでは意味がない。 ではどうすれば、の章で少年院に入所して8ヶ月経つと自分を客観的に認識し始める少年が出てくる、とある。ここには知的に問題がある少年は含まれるのか? 全てを包括するためには少年院に来るような子たちも納税者にしていく、という言い方で行政を動かしていくということか。
1投稿日: 2022.08.11
powered by ブクログ(加害者に)認知機能の問題があり、早期発見で救われるはずの子供たちを把握する仕組みがあまりにも脆弱。特に日本は被害者に焦点を当てがち。 更に的外れな更正プログラムを行うことにより状況が悪化してしまうこと、根本的な評価方法を見直す仕組みやマンパワーが追い付いてない現状が恐ろしい。
0投稿日: 2022.08.10
powered by ブクログなんでそんなことするんだろう?って、理解できないとき、彼らの考え方や世界の一端を説明してくれるこの本はとてもオススメ。
2投稿日: 2022.08.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
タイトルがセンセーショナルなことやランキングで上位だったことから気になり借りて読んでみた。 著者は大阪の公立精神科病院で児童精神科医として勤務したあと、医療少年院で法務技官として勤務されていた方とのことで、リアリティあふれる話で、これまで自分が知らなかった事実ばかりでショッキングな内容だった。 著者いわく、非行に走る少年の多くに認知力が弱い傾向があり、「軽度の知的障害」や「境界知能」なケースが多いとのこと。 犯罪を肯定するわけにはいかないが、犯罪に走ってしまう心理や状況であったことは頷ける。 犯罪に走ってしまう前に、保護者や学校や周りの大人が気づいてあげられたら被害者も加害者も生まなかったかもしれない。 しかしながら、この場合保護者自身も境界知能なケースも多いらしく、根深い問題と言えそうだ。 近年は非認知能力にフォーカスし、非認知能力を伸ばすべきというのをよく聞くが、認知能力は決しておざなりにしてはいけないものだと感じた。認知能力の教育が大前提で、それに偏重しすぎず非認知も伸ばしていこう、と捉えるべきなんだろう。 それから、著者も「褒めて伸ばす」教育について警鐘を鳴らしているが、あくまでも正すべきところについては注意してあげることが大切なのだと知った。注意することは大人にとっても子供にとっても苦痛でしかないが、だからこそ近しい人間が根気強くやってあげないと、成長して社会に出てからはきちんと叱ってももらえない。大切な我が子は心が折れそうになってもちゃんと正してあげないといけない、と改めて感じた。 この本を読んで、BADS(遂行機能障害症候群の行動評価)やWISC、WAISなど様々な知能の検査の方法があるこということを知った。色々な体系的な研究があるのだなぁ・・・奥が深い。(円筒の中のコルクと水の入ったビーカーの検査なども興味深かった) 個人的には「融通の利かなさ」が我が子に当てはまっており少し不安になった。 ・思いつきでやることが多い → 一旦考えることをせずに直ぐに行動に移してしまう。気づきが少ない。見たものにすぐに飛びつく。騙されやすい。過去から学べず同じ間違いを繰り返してしまう。 ・一つのことに没頭すると周りが見えなくなる → やる前から絶対こうだと思って突き進む。思い込みが強い。一部にしか注意を向けられず、様々なヒントがあっても注意を向けられない、見落としてしまう。 コグトレをやると改善するのだろうか??一度試してみたい。 以下、読書メモ。 ■非行少年に共通する5点セット+1 ・認知能力の弱さ…見たり聞いたり想像する力が弱い ・感情統制の弱さ…感情をコントロールするのが苦手。すぐキレる ・融通の利かなさ…何でも思いつきでやってしまう。予想外のことに弱い ・不適切な事項評価…自分の問題点が分からない。自信があり過ぎる、なさ過ぎる ・大人スキルの乏しさ…人とのコミュニケーションが苦手 +1身体的不器用さ…力加減ができない、身体の使い方が不器用 ■非行少年たちが変わろうと思うきっかけ ・家族のありがた味、苦しみを知ったとき ・被害者の視点に立てたとき ・将来の目標が決まったとき ・信用できる人に出会えたとき ・人と話す自信がついたとき ・勉強が分かったとき ・大切な役割を任されたとき ・物事に集中できるようになったとき ・最後まで諦めずにやろうと思ったとき ・集団生活の中で自分の姿に気が付いたとき →共通するのは「自己への気づき」と「自己評価の向上」 ■子どもの心に扉があるとすれば、その取手は内側にしかついていない
0投稿日: 2022.08.04
powered by ブクログ確かに。と思う。 ただこれだけを、この主張だけを鵜呑みにすると私にとっては良くないなと思ったので、もっともっと知らなければならない。適切に関わるために。
0投稿日: 2022.08.03
powered by ブクログ実際に非行少年たちに接した著者ならではの観点で衝撃的。将来自分が子どもを持つときには認知機能を身につけさせなくてはと思った。
0投稿日: 2022.08.03
powered by ブクログ非行の根元には、認知の問題がある。そして、子どもたちの問題行動への指導や処分は、そのような認知機能の弱さを克服できるように設計されるべきだということを学んだ。 本書の中で書かれてるように、コグトレなどもあるが認知機能を高める指導法がまだまだ不足しているように感じる。
1投稿日: 2022.07.28
powered by ブクログ以前ツイッターで「バカにもわかるように説明してもバカは説明を聞いていない」旨の言葉を目にしました。 著者の主張もそれに似たものなのかなと思いました。 少年院に入って反省や更生を促されてもそもそもそれ以前の人がいるのはなんだかわかる気がする。 問題だね、で終わらせず解決しよう、犯罪者を納税者にしようという著者の姿勢も個人的には賛成できるものでした。 残念なのは著者の主張が個人の経験に大きく依存しているところです。 他の文献からの引用もあるにはありますが著者の主張との関連性を想像で補いすぎていると感じました。 実体験がない一読者としては話が飛躍している気がしてもやもやしました。 終盤の解決策も「詳細は私の書いた本を読んでください」的な印象で自分の著作を宣伝したかったのかなと思いました。
2投稿日: 2022.07.26
powered by ブクログ悪さをする人達を、理解できないものと断絶するのではなく、その原因をしっかり探り、解決に向けて歩みだすことのできる本だった。根本的に、犯罪を犯す多くの人において、脳の機能が一般の人よりも脆弱であるということが大きな要因であることがわかった。特に前頭葉の働きに障害がある人が多い。しかしこれはそのレベルにあった聞く力、見る力を育むことで鍛えることができる為、学校という場でいかにそのレベルに合った教育を提供できるかが鍵となることがわかった。クラスの成績下位5人は軽度の障害を抱えている可能性が高く、小学二年生あたりからその兆候が見られるらしい。
1投稿日: 2022.07.23
powered by ブクログ知的障害について生々しい体験から、具体的かつ簡潔に、素人でも理解し易く書かれた良書。一般的なIQ数値では判別出来ない事や、具体的にどういう事が出来ないのか、更にはその具体的対策まで書かれており、大変ためになった。
0投稿日: 2022.07.13
powered by ブクログ軽度の知的障害を持ち、社会的支援を受けられない少年たちが犯罪を犯し、少年院に送られてくる。 重度の障害があれば手厚い支援を受けられるが、軽度となるとそもそも発見されにくい。 かと言って社会にうまく溶け込むわけでもない。 その隙間にこぼれ落ちてしまった少年たちが犯罪を犯してしまう、とこの本は解説する。 この説明には、私も仕事で経験済みだから納得。 少年に限らず、頻繁に警察のお世話になるような人については、頭が悪い以前の問題に直面することが多々ある。
0投稿日: 2022.07.13
powered by ブクログ電車広告や新聞広告で衝撃を受けて図書館で借りた本。 以下メモ。 ●認知機能の弱さ(見たり聞いたり想像する力が弱い)、感情統制の弱さ(感情をコントロールするのが苦手。すぐにキレる)、融通の利かなさ(なんでも思いつきでやってしまう。予想外のことに弱い)、不適切な自己評価(自分の問題点がわからない、自信がありすぎる、なさすぎる)、対人スキルの乏しさ【人とのコミュニケーションが苦手)、身体的不器用さ【力加減ができない、身体の使い方が不器用) ●社会で友達とうまくコミュニケーションが取れないために、友達から嫌われないよう、もしくは認めてもらうために、ある行動をとってしまう。何かふざけたことをして、周りの友達から「お前面白い奴やなあ」と言われたりすると「ふざけ行為」は強化されて次第にもっと悪いことに繋がり自分の価値を見出すようになったりする。悪友から誘われても嫌われたくないので断ることもできない。 ●褒める、話を聞いてあげる、は子供の気持ちを受け止め落ち着かせるには効果があるが、根本的な解決にはならない。その場を取り繕うにはいいが、長い目で見た場合、子供の問題を先送りにしているだけ。勉強出来なくてイライラしている子供に対し、「走るのは早いよ」と褒めたり「勉強できなくてイライラしてたんだね」と話を聞いても、事実は変わらない。勉強への直接的な支援が必要。小学校では乗り切れても中高、社会の中でうまくいかない時の問題解決にはなり得ない。 ●学習面、運動面、社会面の中で身につけてもらいたいものとして「社会面」と言われるが、学校で系統的に何もしていない。時間割で科目は埋められるが道徳は週一。社会面の支援をしているかと言われてもしていない。トラブルがあった時のみ対応。対人スキルの方法、感情コントロール、対人マナー、問題解決力など社会で生きていくために必要な能力が系統立てて何もなされていない。 ●ワーキングメモリを含む認知機能向上の支援として「コグトレ」がある。 ●ペットボトル。寂しい不安悲しい怖い苦しい怒り嬉しいのなかで、怒りだけ2リットルにする。嬉しいは水を入れずに空っぽにする。大きな袋で持つと重い。気持ちを溜め込まずに出すことを身体で覚えてもらう。中でも怒りを抱え込むのはしんどい。そのペットボトルを投げつけるとケガになるから、そっと先生や親に渡しなさいと伝える。
0投稿日: 2022.07.13
powered by ブクログ程度の差はあるだろうが、筆者が指摘した特徴のうち思考の硬さや不器用さなど、自分に当てはまるものもあった。同様に指摘されている、「教育の敗北」は少年院のみならず日本社会の閉塞感、停滞感など、実社会にも反映されつつあるのではないかと感じた。 レベルに応じた教育には本人の自己認識ももちろん、担当する教員や保護者へのサポートをはじめ、周囲による「習熟度や到達度の遅れを恥としない」本人への関わり方や本人に対する見方の変化も重要だと同様に感じた。 また本書の本筋とは逸れるが、(何に対しても)褒める教育に対する個人的な懸念や疑問が本書の記述で少し腑に落ちた。
0投稿日: 2022.07.11
powered by ブクログ0 どんな本? 児童精神科医の著者が多くの非行少年との出会い から、非行少年には「反省以前の子供」知的障害児 が沢山いて、「境界知能」と呼ばれる人達が普通の 学校にも沢山いると言う事実を教えてくれる本 非行少年に対する考え方が変わる一冊。 1 何で読んだの? (1) 単純に売れてるので興味を持ったから。 (2) 薬物の話しだとタイトルから推測したが、知能 の話だと知ったので読んでみたかった。 (3) 子育て、社会生活に役立てれる事が有れば。 2 構 成 全7章構成181頁 非行少年には障害が〜から始まり、コグトレ等の 対策を紹介して終わる。認知機能に関心がある人は 読んでみる事をお勧めします。 3 著者の問題提起 教育の敗北と言える程に、認知行動療法等が効果 を発揮していない。 4 命題に至った理由 医療少年院に行って初めて障害を確認される現状 を目の当たりにしたから。 5 著者の解 コグトレ等の認知機能を高める取り組みをして、 自己への気づきと自己評価を高める事が少年たちに 必要 6 重要な語句・文 (1) 自己評価 (2) コグトレ (3) 学習面、身体面、社会面 (4) 社会面への取り組みは、ほぼなされていない。 (5) 子供の心を傷つけないトレーニング (6) 傾聴は大事だが根本的な解決には至らない。 7 感 想 読んでいて非行少年の共通した学校での特徴が自 分にも当てはまるのを感じた。私はたまたま良い大人に出会う事ができたので非行に走る事は無かったが、私の子供を心配に思い早くコグトレの本を読みたいと思った。1番刺さったのは虐待と犯罪の関係。 深く知りたい事はコグトレ。 人に勧めるなら3支援の必要性。 タイトルの「ケーキの切れない非行少年達」はシンナーとかで頭がイカれて切れない話しだと勘違いしたので、内容と合ってないと感じた。 8 todo (1) コグトレの学習(本の購入) (2) 続編の購入
1投稿日: 2022.07.07
powered by ブクログこの人の政党がもしあって、コグトレを小学校か幼稚園から必須導入するのに税金使うって言われたらなんの文句も言わんし票入れるしそうなってほしいと読み終わって強く思いました。 印象残ってるのは、3箇所。 ①犯罪者を減らすことで国の支出をこんだけ減らせますというとこ。お金という視点がこの本読む時点で全くなかったからふいをつかれてなるほど…となった。お金が全てじゃないけどそんな風なアプローチから税金のこと話す政党あれ(あるかもしらん調べてみよ)と選挙近いから余計思った。 ②授業全くやる気ない少年たちに試しに授業させてみたらイキイキしだした話。教える側の視点でそれまでずっと読んでたけど、教えられる側の気持ちになれた。 ③話を聞く、黒板の文字写す、計算するなどの以前に、必要なスキルがあるということ。盲点。
1投稿日: 2022.07.02
powered by ブクログ2020年のベストセラー。新書大賞第2位。お取り寄せしてあったので、積読から取り出して読了。 児童精神科医が非行少年と接することから境界知能について焦点を当てた本。 話を聞いていない人、聞いても理解していない、認知に問題がありそうな人はIQ高そうな人でもいるけれどと思いながらも読んだ。別問題もあるかもな。 1クラス45人の団塊ジュニア世代で、10クラスもあったマンモス校だったから、当時の中学校のことを思い出すと、先生は境界知能の生徒まではケア出来ていなかったよなと思い出す。
1投稿日: 2022.07.02
powered by ブクログ最初はややくどく感じたが、後半になって教育や医療の課題に踏み込んだ内容に入っていき、興味深く読めた。子供を持つ身としては読んでおいて良かった内容。
2投稿日: 2022.06.30
powered by ブクログコミュニケーションや社会活動に問題を抱えているがADHDやASD検査をしても正常だった 生きづらさを抱えたまま、いっそ診断名がついた方が楽だと感じる そんな知りあいが多いので、何かヒントがあるのではと思い読みました 山本譲司氏の累犯障害者を昔読み障害のある方の受刑者率の高さは理解していたのですがこちらはより深掘りして境界知能の人がいる、認知の歪みについて、具体的にどう支援すればいいのか?が書かれていました。 本人の話やテストだけでは正しい診断がされず見過ごされるケースが多いと思う 身近な家族、友人の証言等客観的な視点から浮かび上がる事実も含めて正確な診断、配慮がされるようになればいいと思った
1投稿日: 2022.06.20
powered by ブクログ児童精神科医の著者が書いた、少年院にいる少年たちは認知機能が低いため「悪いことを悪いと認知できないのではないか?」という仮説を検証する試みの書籍。 内容的には認知心理学に近いの印象だが、認知の問題ではなく、そもそも状況を正しく認知できないのではないかという著者の仮説は説得力がある。 発達障害、知能障害であれば健常者前提のシステムは効果が無い。 また、虐待する親に見られる融通のきかなさなどの特徴が知能障害に見られる特徴と似ている点も興味深かった。 象徴的なタイトルの「ケーキの切れない非行少年たち」は一言で問題を表している。 <アンダーライン> ★★★人の感情には、大脳新皮質より下位部位の大脳辺縁系が関与しているとされています。五感を通して入った情報が認知の過程に入る際に「感情」というフィルターを通りますので、感情の統制が上手くいかないと認知過程にも様々な影響を及ぼします。我々大人でもカッとして感情的になると冷静な判断がしにくくなるのはこのためです。 ★★★★子どもの心に扉があるとすれば、ぞの取っ手は内側にしかついていない
1投稿日: 2022.06.20
