
総合評価
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powered by ブクログこれまで、非行少年少女の背景にあるものに意識を向けたことすら無かったことを恥じる。 ここ最近「認知の歪み」という言葉が散見されるようになった気がしていたけど、この本が発祥なのかな。 私自身、過剰にマイナス思考な部分があることを気にしていたのだけど、それも認知の歪みから来ているのだと納得感を持って理解できた。 また、学力や社会性の背景にある認知能力については思い至るところが多々。私も小学生低学年の時は連絡ノートがうまく書けなかったし、友達に話しかけられて先生の話を聞いていないことなんてしょっちゅう。 親や先生たちが用意してくれた環境のお陰で自分の今があるけど、それはただ幸運なだけだったな、と。 加えて親となった今、知能に一喜一憂するのではなくて、認知という視点で子どもを観察できればと思う。
0投稿日: 2022.06.16
powered by ブクログ知ることって大事だからなと思って読んだ。 行動の裏には背景があるよね、そりゃあそうか。困った子じゃなくて、困っている子なんだってところが印象的だ〜 感情というか気持ちを表すものさしの目盛りは沢山持っていた方がいい。
1投稿日: 2022.06.12
powered by ブクログ殺人犯の手記は結構読んでいたし、ノンフィクションものもよく読むけど。確かにこの犯人何考えてるんだからわかんないやつだなぁ、、、 って思うことあっても、まさかこういうことでそうなってるなんて思いもしなかった。 少年院でも全く反省しない犯人たち。 この加害者の目から見た世界がこんなに歪んでることが多かったなんて、、、、、 それは、、、イライラするだろうし、、、、普通に生きててこんなにストレスが溜まるのに、さらにさらにさらにその歪みが加わったせいで、どんどん生きづらくなる、、、、、 普通の学校のクラスに約5人はこういう子どもが混じってる。っていうのも。頷けるよね。 クラスの下から5人。 この子たちはみんなが加害者になるわけではないけれど、日々生きにくさと1人戦ってる。 これは、、、、辛い、、、、、 この著者じゃないけど、多くの人がこれに気がついて、自分の子どものこと!?と、気がつくことでフォローできることはしていって欲しいと。子どものためにも社会のためにも思ってしまう一冊でした。 是非、そんな子育てに困ってるお母さんに読んで欲しい一冊!!!!!
1投稿日: 2022.06.11
powered by ブクログ自分なりの思い入れがあるテーマなので興味深く読ませて頂いた。ただ、少し読み進む度に色んな顔が浮かんできたり、我が身を振り返ったりして、文章への集中が途切れることも多々あり、通読に時間はかかった。 この本に書かれていることは、災害ボランティアの要領とか、性的マイノリティの話とかと同様、現代人の常識として広く知られてほしいと思う。
5投稿日: 2022.06.07
powered by ブクログ勉強以前にの部分、大多数の人は日常生活でなんなくでしるようになる。そこのトレーニングが必然なんだろうけど、それも本人がやらなければ何かにもならない。なかなか難しい問題。
1投稿日: 2022.06.05
powered by ブクログ少年犯罪に関しては先天性の障害が起因するケースが相応にあるという認識をしていたため、この本を通じて、若年時における教育の重要性を痛感した。日本の民族性からして集団行動から外れてしまう子供は問題視されやすいが、将来的な犯罪者予備軍を減らすためにも、(仮にそこまで悪化しないにしても)その子の未来を守るためにも、子供一人一人に対して寄り添っていけるカリキュラムが大切。発達障害が見受けられる子供がいたとしても、なかなか世間体やら情報量の少なさ故に特別クラスへの編入や通院という選択を躊躇する保護者も少なくないと思うが、そういった子供及び家族が気にせず生活できる環境をサポートできるような社会になっていけばいいと思った。
3投稿日: 2022.06.05
powered by ブクログ「反省以前の子ども」という表現が記憶に残る ニュースや記事を見てるだけでは見えてこない、奥が深いテーマだと感じました
1投稿日: 2022.06.02
powered by ブクログとても面白い反面、答えを見つけにくい領域であると感じました。 一方でなんで『収容列島』で読んだなんでも発達障害にしようとする団体があるなども一側面であれば、医療現場で有効な対応ができていない、ということも問題の一側面としてあるのだろうなとおもいました。問題を認識しきれていない、ないしは目を向けられていないことが1番の解決すべき問題なのかもしれません。 社会面の教育が足りないことはとても共感しましたし、家庭や現存の教育システムだけで現実的に難しく感じました。現代におけるサービス業の割合が多いことの指摘については、なるほど対人コミュニケーションが苦手な場合には生きづらく感じてしまうのだなと。
1投稿日: 2022.06.01
powered by ブクログ幼児を育てる同僚の勧めで読んだ本 非公を繰り返す子どもたちは、根本として認知能力の低さがあり、それが原因でいじめを受け非行するようになるとか、治療に当たっても想像力が持てないため機能しない。 彼らの根本にある内的な問題としては、他者との関わりが希薄なため自己評価が正しく行えない、自分の感情(ひいては存在自体)を正しく把握できない点がある。 これらの内的な問題についても認知能力の低さが根本にあり、それは同じように認知能力の低い親に育てられたことが原因であることが多い。 そして学校でもそのサインに気付かれず集団から溢れていってしまい、結果非行に走ったりしてしまうのだと。 そういった一連の現象は想像に容易であり、過去を思い返してもクラスあの子や街のあの人の顔が浮かぶところがあった。 ただし本当に根本的な問題は、人々の認知能力が低いことではなく、そういった問題を抱えてもなお正しく人と人が関わり合える社会になっていないということで、今の社会もどうやらそういう方向に変容していっている気配がないことではないかなあと思う。 対症療法としてのコグトレの内容は小学校教育や特別支援に関わる人、あるいは親にとって参考になる内容だろうなと思った。 全体的に教育者向けな内容かなと思ったので、ベストセラーになってるのが意外だなーと読みながら思った。おそらくタイトルのセンセーショナルさによるところが大きいのではと想像する。 子どもの心を開くドアがあるとすれば、その取手は内側にしかついていない いい言葉だと思った。
1投稿日: 2022.06.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
児童精神科医である著者の、多くの非行少年たちとの対話の中で気づいた「認知力」の弱さや、その他の色々の問題。「境界知能」に焦点を当て、学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開している。 第5章 忘れられた人々、が印象的。 学校での取り組みを中心に書かれていたが、学校だけでなんとかするのは、なかなか難しいような気がする。もっと地域とか国とかが本気になって取り組まないとと思った。 また「コグトレ」の内容は興味深い。なんとなく、小学校入学前にやった方が良いような気もするが、どうなのだろう?「点つなぎ」とか、子供が幼稚園の時に似たようなゲームをやってた記憶があるけど、、、
0投稿日: 2022.05.30
powered by ブクログたまには、小説以外もと、前からタイトルが気になってたので… ケーキが切れない?何のことかと思ったら、そういう事なんや。 色んな事件を起こして、少年院に入ってる非行少年。 院側も反省させようと、色々、カリキュラムを組んでやってるけど、反省以前の問題もあるんか… 認識能力の障害というんかな。 例えば、信号を赤で渡る少年がいる。 「赤で渡ったらアカンやろ!」と怒られる。 「すみません」と謝るけど、また、やる。 でも、本人には、信号の色を認識してなかった。 って感じかな。 そら、分からんし、本人もツラいな。 こういう認識能力などの問題点を早く見つける。 それが、解決策なのは分かった。 (策が絶対に効くもんではないにしても) 軽度の障害は、小学2年生ぐらいから、発動するみたい。 この辺の対策は、学校で実施して欲しいらしいけど、そんな授業は、あって「道徳」とか。 (今の授業内容知りません〜(^^;;) まぁ、事件などが起こってからでは仕方ないので、非行せんように、早期発見しかないんやろうけど、これ以上、求めると先生の方が、病みそう… もっと、予算出して、それ専門の人らを学校に配置するとかして欲しいな。 それで、犯罪が少なくなるなら、安いものでは? 勉強になりました〜
56投稿日: 2022.05.29
powered by ブクログ非行に走ってしまう人たちがなぜそのような行為に及んでしまったのかという事を精神科医の目線から書いている本。 非行に走る人のイメージは、根っからの悪人などどうしようもなく手をつけられない人間であると言う物であった。しかしこの本を読んだときにそのイメージはひっくり返された。そもそも、「悪いことをやってやろう」・「傷つけてやろう」という心理の元ではなく悪いことをしているという認識が薄く、自分への評価が低くなってしまうという所に問題があるという。そして、その問題を解決するためには「褒める」・「話を聞く」というものではなく、自分が社会に存在しているという事実を認めさせ、自己評価を上げていくという事が必要であり、トレーニングを重ねていけば構成していくことが多いのである。 この本を読んだとき、アドラー心理学の『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』の事を思い出した。アドラーは社会に存在するということが人間の営みとして重要なのだと説いている。最近ではSNS等の繋がりで社会のあり方も変化しているが、改めて考えさせられる本に出会えたと思った。
30投稿日: 2022.05.27
powered by ブクログ生きづらい人が生きやすい世の中に、少しずつシフトしていくのを助ける一冊。新書で誰にでも読みやすい内容になっているのも素晴らしい。
1投稿日: 2022.05.23
powered by ブクログ少年犯罪の背景にある、学校についていけない、というのはやはり日本の抱える大きな課題だと思った。発達障害と非行を結びつける書籍は読んだことがあったが、知的障害?認知障害?寄りのケースに関しては考えてこなかったように思う。根本的な支援で社会に戻れる若い世代も多いと思う。
3投稿日: 2022.05.21
powered by ブクログ筆者は精神科医。 少年院に来る非行少年たちと接する中で、彼らの認知能力の低さに気づく。 更生のためには自分と向き合うことが必要だが、そもそも認知能力が低いのでできない。 想像ができないから、先を考えずに行動してしまう、自分を変えたいと思えない、努力ができない。 知的障害の定義は1950年台はIQ85未満、1970年代から70未満となった。 この85〜70の人たちは、支援が必要にもかかわらず、一般と同じ扱いとしている。また、支援が必要ということにも気付かずに、生きづらさを感じているかもしれない。 では、どうすれば… 教育での誉めて自己肯定感を上げるはその場凌ぎ 基礎学力、対人スキル、ソーシャルスキル…はそもそもの考える力が弱いので難しい 「自己への気付き」「自己評価の向上」 押しつけではなく、自らが気づきのスイッチを入れる。心のドアは内側にしかない。 人に教えてみたい 人から頼りにされたい 人から認められたい 非行少年からこんな言葉が出てくることより、このような経験が必要だと思う。 特に学生時代、特別支援学校において経験することで、自信が付いたり相手の気持ちを考える一助になるのではないだろうか。ひいては、就労意欲にもつながるのでは。
1投稿日: 2022.05.14
powered by ブクログAMラジオの某番組で話題になっていたので気になって。 なぜ子供は非行に走るのか。 その一因としての知的障害と、それ対応する方法はないのか、といったことが論じられていました。 難しそうな内容なのに、結構サクサク読めて良かった。
0投稿日: 2022.05.13
powered by ブクログ著者は精神科医。 少年院でのカウンセリング等の経験から、「犯罪者」とされている人たちに対する適切な更生の方法について著者の立場から提案されている。 題名の「ケーキの切れない非行少年」は、いわゆる「頭が悪い」のではなく、脳の認知機能に問題が生じているから等分ができないと分析している。 少年院の少年の認知機能についてに加え、執筆時点の日本の少年院の更生プログラムや、学校教育に対する課題と提案がされている。 教育者であれば特に有用な内容になっており、部下をもったりチームをまとめる立場の人間にも必要な知識であると感じた。
0投稿日: 2022.05.12
powered by ブクログ・コグトレは自分が子供できた時にやらせたいと思った。早期に犯罪者になるのを防ぐためには小さい時から相手の立場に立つこと、色んなことを視覚的に学ぶのが大事だと思ったから。 ・子供は(ほぼ)全員学校に通うからそこで教育を変えて非行少年に育つことをカリキュラムの一環として入れるのが大切だと感じた。 ・また、犯罪者の多くには脳に欠陥があるのも初めて知った。
0投稿日: 2022.05.08
powered by ブクログ新しい認識を得る新書らしい本だと考える。 何が問題か、問題の形は何か、解決の手段はあるのか、これらを不足はあるけど紹介してくれるいい本。 文中にあった二冊の本も読みたい。
0投稿日: 2022.05.06
powered by ブクログ同タイトルの漫画を読んだことがあるので、こちらも手に取ってみました。漫画では非行に走る少年とその家族たちの関係性が中心に描かれていますが、本書は非行少年に共通する認知能力の低さについて記されています。 漫画は粗暴な言葉遣いやショッキングな描写がありますが、そういうのがなかったので読みやすく、スーッと内容が頭に入ってきます。 教育の現場では、悪いところを指導するよりも良いところを褒めて伸ばすことが主流になっていますが、それでは根本的な解決に至っていないという指摘にドキッとしました。 この本の良かった点は、能力が低い子どもたちが成長し非行に走る前に、どうやって認知能力を身に付けさせるかということが具体的に書かれている点です。 教育現場に携わっている方、お子さんのいる方、または福祉や人事などの仕事をしている方は、一読すると学びになることがあると思います。
2投稿日: 2022.05.05
powered by ブクログ本書の内容が身近に感じたのはまさに中山七里さんの弁護士 御子柴令司シリーズのおかげだと思う。 そうでなければ医療少年院自体を私は知らなかった。 さらに自閉症やアスペルガー症候群等の発達障害についても最近たくさんの書籍が出ているためある程度の知識を持っていると思っているが、知的障害に関する知識は言われてみれば持っていないことに気づかされた。 反省ができる状態にない子供たちがいることに正直驚いたとともに、その少年たちはいつか大人になる。大人になってしまうとさらに厳しい現実に立ち向かわなければならず、出来る限り早い段階で知識のある大人と出会い、適切な処置を受けられるかどうかでその人の人生が変わると思った。 さらにその人を救うことで、その人を加害者にすることもなく、そうすると被害者を生むこともなく、刑務所などに税金を使うこともなく…大きな経済効果があることも知った。 御子柴弁護士シリーズの御子柴氏はIQが高く、さらに医療少年院の中で稲見氏と言う教官と出会い、自分の犯した罪と、どのように償っていけば良いのかを知ることができた。 このもともと持っている知能、運動、社会能力と、きちんと自分に向き合ってくれる人に出会えたからこそ御子柴氏ならではの贖罪を続けられている。 このどちらが欠けても犯罪を犯した人が社会に復帰することは難しいのだと改めて本書の内容から学んだ。 マイナスをゼロにするアプローチと、ゼロをプラスにするアプローチがあって、私はゼロをプラスにするアプローチとして教育の分野に関わっているが、本書を読んでマイナスをゼロにする教育が進まないとゼロをプラスにする教育も進まないことがわかった。 目をそらせない現実を理解し、出来ることをやって行きたい。
2投稿日: 2022.05.05
powered by ブクログ福祉職として、うーんて思うところもあったはあったけど、総じてよかった。勉強になった。目の前で見る学校の先生にそんな余裕はなさそうなんだよな、私たちのお仕事がここを強くやれたら存在意義も強いのに。
1投稿日: 2022.05.05
powered by ブクログ読了。非行少年の多くが勉強や社会的に生きづらさを感じていることが多い。そこに隠れているのが、発達障害だったり、知的障害だったり...。非行少年を作らないためには、そういう子どもをいかに支援していくのかが大事だよなぁと、共感できる部分が多かった。 #読了 #読書好きな人と繋がりたい
0投稿日: 2022.05.01
powered by ブクログ精神科医という専門的見地、矯正施設で法務技官として勤務した経験から書かれた1冊。こういう視点は全くなかったので、勉強になりました。反省以前の問題の人たちがいるという、現実。 社会もこの現実に「気づ」かなきゃいけないんだけど。
0投稿日: 2022.05.01
powered by ブクログ新書だから仕方ないかもしれないけど同じ内容の繰り返しが多く感じた ほうほうほうと思った もう少し深く知りたいと思うくらい興味深い内容だった
1投稿日: 2022.04.25
powered by ブクログわかりやすくてあっという間に読めたけど、同じ内容の繰り返しが多くて少し飽きてしまった。 少年犯罪には家庭環境が影響するのではないかと思っていたけど、障害というのは考えたこともなかった。 小学生の時に、なんでこんなに落ち着きがないんだろうとかなんでこんなに勉強出来ないんだろうって失礼ながら思っていたけど、本人のせいでない可能性が高かったんだろうなと、、当時を思い出して無知は怖いと思った。
0投稿日: 2022.04.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
非行少年達が抱える本当の意味での問題を初めて知ることが出来た。 今までは、家庭環境が良くなかったのでは?とか、教育をしっかり受けることが出来ていなかったのでは?などと思っていたが、それ以前に、理解力や認識力に問題がある可能性があるという点は、驚きだった。 自分が、この本を読むまで、少年達の現状を知らなかったということにも危機感を感じた。 もっと社会として、少年たちの現状に目を向けたり、教育の体制としても理解力や認識力が足りない子を見つけ、サポートできる環境を整えていかなければいけないと思うが、やはり、現状としてすぐに体制が変わることはないと思うのでとても難しい社会課題だと思う…。
0投稿日: 2022.04.24
powered by ブクログ自分が小学生や中学生のとき、なんでこんなのが解けないんだろう、授業聞けないんだろうって人がいた。その人が障害を持ってたかどうかはわからないけど、自分が当たり前にできることでも人によってはそうじゃないと知って衝撃。自分の持つ普通の感覚を考え直さないといけないなと思った。確かに教育現場で本書のようなことができれば理想だけど、現実は難しいだろうなあ
0投稿日: 2022.04.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
少し前に話題になっていたので気になっていた本。 単純に少年院にいた子たちの事例を挙げたり、少年院の現状を伝えている本なのかな、と思っていたが、それ以上に心理学と障がいについての情報が多くてとても興味深かった。 作者は児童精神科医で病院で何年か働いた後、少年院に移って様々な罪を犯した未成年と接することになる。その中で少年院に送り込まれた少年たちには6点ほどの共通点があると書かれている。 まず相手の反応や表情を汲み取れることが出来ずに、目が合っただけなのに「向こう睨んできた・ニヤニヤしていたから怒った」などと勝手に被害者になり、勘違い→カッとなってしまう。 そして感情を抑えることが出来ず、カッとなったらすぐ感情を表してしまう。固定概念が強く、お金が必要=強盗、と後先も考えずに動いてしまう。また自分を客観視できず、そもそも自分が犯した罪に対して自分は悪くないとプライド高く考えてしまっていたり、その真逆で自己肯定感がとても低い場合もある。そしてコミュニケーション能力が低く、周りと合わせることが難しいので、学校でイジメに会う可能性が高い。最後に身体的な力加減が分からないこと、などが挙げられる。 少年院に行く子たちはどうしようもない問題児と捉えてしまいがちだが、家庭環境が良くなかったり、集団の中でコミュニケーションが上手くいかず、イジメにあってしまい、ストレスの吐け口を非行や性暴力に走ってしまうケースが多いと分かった。 対人スキルや認知能力などは学校の低学年から分かるようで、やはり教育の重要性と先生たちがいかに気づいてくれるのかが鍵になってくるため、改めて先生たちの地位や給料を上げることはこれから必要だと感じた。 途中で描かれている作者が実際に見たイラストのイメージ図がとても衝撃で忘れられない。 すぐに解決できる問題ではないが、負のスパイラルに陥っているのでより良い社会のためには教育機関を変える必要性は強く感じられた。
0投稿日: 2022.04.24
powered by ブクログ2022/04/22 知的障害っていっても、見た目には変わらなくて、気づかれない可能性が多く犯罪をいつの間にか犯している。社会にでて、教育現場から離れ忘れられてしまった人たちがたくさんいる,って相当に恐ろしいことだなぁと思う。認知能力が歪んでいるってさまざまな弊害を生んでしまうんだな。 この本は非行少年の現状・メカニズムがメインで書いてあって、解決案として提示されてるのはコグトレっていう手法だったけど、もっと日常で取り入れられると言うか,気づいてあげる方法が書いてあったらよかったなーと思った。でもそもそもこの本は解決案より現状を伝えたかったのかな。 視野が広がった
1投稿日: 2022.04.22
powered by ブクログ話題の本。犯罪心理学に興味があったので読んでみた。全てがそうとは限らないとしても、知的障害によって犯罪が生まれてしまう可能性は十分にあり得る。著者はその予防法についても言及しており、その効果が広まることを期待する。コグトレ研究所。
0投稿日: 2022.04.21
powered by ブクログ知的障害のある子どもが非行に走ってしまう心理特性やメカニズムについて知ることができた。 軽度の知的障害を持つ子どもや「境界知能」に類される子どもは特に普通の子どもとの判別が困難であるため、支援の対象とならないことが多い。そういった中でいじめや虐待を経験し、非行に走る。知的障害をもつ子どもに対して早期発見し、適切な支援を施すことができれば、被害者を減すこと、経済的に社会貢献につなげることが可能である。 「自尊心が低い」こと自体が悪いことなのではなく、自己を適切に受容できていないことが問題。ありのままの現実を受け入れることが重要だが、それは子供のみならず大人でも覚悟と労力を要することである。 大人が心の扉をこじ開けるのではなく、あくまで自ら気づき扉を自力で開ける機会を与えるべきである。冗長な説教をするのではなく、原因や改善点を考えさせることで得る気づきが、子供の成長に大きく繋がるのだろうか。 学校での教育はガイダンスに沿って行われ、かつ生徒数も多いため、個に対して適切な学習を与えることはできない。学外、とりわけ家庭における時間の使い方、教育の仕方が大事になる。それには、本書にもある通り親の適切な理解や知識がマストではないか。見る力、聞く力を始めとした認知機能について養育の過程で違和感を感じるにはやはり知識が必要である。 本書を読み、幼少の頃の教育や環境がいかにその後の人生に密接に関わってくるかを改めて知った。教育や子供の背景や実情に関する知識を養い、助けを求める声に気づけるようになりたい。
0投稿日: 2022.04.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
私が当たり前にできることを あなたが当たり前にできるとは限らないし、 あなたが当然のようにこなしていることを 私ができるとは限らない。 これくらいわかるよね? 小学校に通っている段階で 身につけているよね? って思っていることですら、多分できない人もいる。 こうして本を読んで、ブクログに記録を残す、 残した誰かの記録を読むってことですらできない人もいる。 漢字が読めない人、計算ができない人 タイトルにもしていてる、ケーキが切れない人。 保護者には子供を就学させる義務がある。 就学したからといって、身につけられるのか? 身につけられてないと、生きていくことは難しいし、 誰かのためにあることが難しい。 力が足りなければ、あまり人のために動けなくなる。 一人ではあれない、 誰かに感謝される嬉しさを その感謝される場をどれくらい増やせるのか。 今のことだけでなく、少しだけ未来を想像できるか。 自分が当たり前だと思うことができない中で生きている人がいる社会。
0投稿日: 2022.04.18
powered by ブクログとても読みやすく、具体的な事例も記載されているのでイメージが湧きやすかった。子どもを持つ人に限らずどんな人が読んでも気づきがある良書だと感じる。
0投稿日: 2022.04.16
powered by ブクログ非行少年のほとんどが残虐な性格であるとか、家庭環境に問題があるとか、なんとなくそんな風に世間は見ていたと思うのだが、この本を読んでははぁなるほど・・・と理解した。 非行少年は単なる「恐いもの知らず」ではなく、生まれつきの特性によるものが大きいようだ。 政治家の人は全員読んで欲しい。学校の勉強のあり方を根本的に変えるべきだと思う。IQ85未満の子どもたちを他の生徒と同じように扱うのが間違いなのだ。 公文式のようにステップbyステップの学習が望ましいように感じた。
0投稿日: 2022.04.15
powered by ブクログ教師が子どもたちに働きかけるほとんどは、認知機能が正常であることを前提にしている。その場合、認知機能が不安定な子どもには、見る力や聞く力、先を見る力等がけ欠陥していることから効果は見られないで当然である。 知的では正常でも認知機能が不安定なケースもあることから、その点も視野に入れておく必要がある。 〜障害、〜に欠陥があると証明され初めて対処をするのではなく、観察や関与から、困り感を抱いているあらゆる子どもに対して先手を打つことが肝要。
0投稿日: 2022.04.14
powered by ブクログみんなができる、当たり前だと思っていることができない少年たち。 更生教育をするにしても、その少年たちのレベルにあった教育をしなければ、そもそも理解も反省もしてもらえないんだなぁと思った
0投稿日: 2022.04.13
powered by ブクログホールケーキを3人で平等に分けます。 あなたはどう切りますか? 「簡単じゃん。ベンツマークみたいに切るんでしょ」 って思いますが、犯罪を犯した子供たちの中には そんな風にカットできない子供たちも多いそうだ。 その理由は… 児童精神科医の宮城地幸治さんが、多くの非行少年と出会う中で「反省以前の子供たち」がたくさんいるという事実に気づいてこの本を書かれたそうです。 認知機能が低い子供、「境界知能」の子供、コミュニケーション能力が低い子供、軽度知的障害の子供など、本来ならばサポートしなければいけない子供たち…に焦点を当てた本。 ”自己への気づき”の大切さをあらためて思う。 なかなか深い内容で考えさせられる本だった。
14投稿日: 2022.04.12
powered by ブクログ子育てをする身として勉強になった。 特に絶賛思春期真っ只中の息子に通ずる物が少なからずあったと思う。 親は子供の事を過大評価せず向き合い、ありのままを受け入れる事が大切。
1投稿日: 2022.04.12
powered by ブクログ非常に興味深い内容だった。 少年院にいる少年らは能力の欠如があるが、周りに気付かれておらず何の処置もされていなかった。イジメの標的となり、そのはけ口に弱い者にあたる。被害者が加害者となる負のサイクルが起こっているとのこと。 言われてみればそういったことはあるのだろうと想像できる。 思考の枠を広げる良書。
6投稿日: 2022.04.11
powered by ブクログ殺人、性犯罪など犯している人の半数以上は、 ・脳に問題がる ・IQが低い ・発達障害がある 子供の頃に気付かれなかったり、専門家が問題ないと判断したり、親がそもそも何らかの障害があって気づかないとか悪循環。人間の1割ちょいはそういう人っていう多さにも驚き。確かにクラスに一人はあれ?って思う子いたなぁ〜 なぜ犯罪を犯したのかに焦点をあてがちで、根本から気付いて改善して減らしていくのって難しいよな〜
1投稿日: 2022.04.09
powered by ブクログこれを読むと幼少期の教育がいかに大切なのか感じる。相手の気持ちを想像できるか、見る、聞く能力を付けていくか、成功体験をつませていくかなど。 読んでいると、小学2年と中学生での壁があるようだが、ここで周りの大人が単にできないとレッテルをはらずに寄り添って根本原因をつかむのが大切なようだ。 どうしても教科で教え点数評価となるが、そうではない道徳や、トレーニングが必要なのかもしれないと思った。
1投稿日: 2022.04.04
powered by ブクログ○○したいという感情(怒りによる行動)は理性がないことで引き起こされると思っていたのですが、認知の歪みや想像力・計画力の無さによって引き起こされることに気付かされました。 同じことが繰り返し書かれていましたが、障害どうこうを除いたとしても勉強や他者とのコミュニケーションで正しい認知能力、自己評価と実際の評価の差をなくすことが大切だ感じました。 虐待と非行の結び付きについては、家に居場所がないこと以外にも知的障害の発見の遅れも要因だと知ることが出来て良かったです。 自尊心についても興味深かったです。確かに大人でも自尊心の高い人ってそこまで多くない気がします。自尊心と言うと聞こえはいいですが、プライドが高い・こだわりが強い・自分が正しいと思い込んでいると思うと果たして自尊心が高ければ本当に全てが解決するんでしょうかね…。 褒めて伸ばすだけでは根本的な解決にならない。優しく褒めるだけが教育ではない。勉強以前の部分においても、支援が必要だと感じました。大人が子どもを見る場所である学校という存在も大切ですが、家庭においても知的障害に対する理解が深まり、少しでも非行少年が減ることを願います。
2投稿日: 2022.04.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
サイコな犯罪溢れる現代において とても興味深い内容でした。 IQ69以下の知的障害には該当しないものの、 IQ70〜84で一定の支援が必要な「境界知能」の子どもたち。 課題があることに社会から気づかれず、 その生きづらさから非行に走って行く。 昨今は「褒める教育」「得意なところを伸ばす」という 風潮が強く、苦手なことを置き去りにしてしまいがちですが、 それが子どもの不安や悩みを真の意味で解決できているのだろうか―― 色々考えさせられました。 教員や子どものいる方には一読の価値ある本です。
0投稿日: 2022.03.26
powered by ブクログIQ85未満を知的障害の基準にすると、人口の15%も、そうした人たちが存在するらしい。そして、犯罪者には、その領域の人が多い。差別的にも読める発言だが、リアルだろう。真実を見つめ、改善できる事をしようと呼びかけているのが本著。綺麗事で片付けない姿勢に好感が持てる。 ケーキを等分できない。漢字を模写できない。何が悪いか分からず、原因と帰結の考察、物事の結果の予想もできない。だから、イライラした時に、犯罪をしてしまう。改善するためには、認知機能をトレーニングする事。 私自身はこのトレーニングを自他に向け必要としないが、内容は面白い。心理を一つ一つ描いたペットボトルに水を入れて背負わせる。怒りのペットボトルが一番重い。背中から下ろすと軽くなる。肉体で、覚えさせるのだという。あるいは、点つなぎ、情景記憶、ゲームルールの反復。こうした事でも、少しはトレーニングになるのだという。 低IQに対する偏見を高める一冊にもなったが、しかし、自衛には必要な視点。また、それが治せるのならば、絶望ほどではない。
3投稿日: 2022.03.25
powered by ブクログ気になる分野のベストセラー本はやはり読んでおこう、と今更ながら読んでみた。あっというまに読み終わった。 犯罪を起こしたしまう少年(男女含む)の「自尊感情の低さ」。これはどこからきて、どう対処したらいいのか、というようなことが書かれていた。そうか、それじゃダメなんだ、って思ったこといくつか。 得意なことを伸ばす→でも苦手なことを克服してこそ、喜びを得たりもするし、苦手なことが社会生活を送る上で基礎的なことだったら、やっぱり寄り添って、できるようにしてあげなくちゃいけない。 褒める、話を聞いてあげる→小学校まではなんとかなるかもしれないけど、イライラなどの原因を明らかにして、直接的に支援することが大事。 などなど。良かれと思ってやっていることは、その場しのぎになっていることもあるんだ。しかも「自尊感情が低い」のは、大人だってそう。「自尊感情が低い」のが問題なのではなく、大切なのは、ありのままの自分を受け入れること、だとも。 また、非行少年は「対人スキルが乏しい」子も多いという。SNSの普及で指を動かすだけで連絡が取れるようになり、以前、家に電話をかけていた頃に必要だった、かける時間帯・言葉遣いのマナーなども必要なくなてしまった、ということにも触れていた。
1投稿日: 2022.03.25
powered by ブクログボーダーに関しては興味があり調べていたこともあり脳科学の本も何冊か読んでいたので目新しい情報はなかった。 『刑務所しか居場所がない人たち : 学校では教えてくれない、障害と犯罪の話』 山本譲司 #ブクログ https://booklog.jp/item/1/4272330934 これと被る部分がある。
1投稿日: 2022.03.22
powered by ブクログ虞犯少年のうちにはホールケーキを「3等分してごらん」と言われたとき、中心から120°に切り分けるのではなく縦横に不揃いで切ってしまう事例が少なからずある。知的障害をもっていると「責任能力がない」と罪に問われないが、それには該当しないと通り一遍の検査で決めつけられている「境界事例」なのだという/学齢児童の1/7は知能指数70〜85らしい。日常生活がこなせないとまでは言えないが、「対人スキル」が弱くトラブルを起こしやすく起こったときの対処を間違いやすい。3大本能のうちでも〈性欲〉は「存在自体が悪いわけではない」難しさ
0投稿日: 2022.03.21
powered by ブクログ少年院には認知機能の弱い子や境界知能の子どもたちが多く、子どものころに気づかれずにイジメなどの対象になってきた結果、非行にいたる。こういう子どもたちをもっと幼いころに救いあげることができれば、被害者も減らすことができる、というような内容だ。こういう問題が難しいと思うのは、ひとつにはこれを曲解して障害のある人は犯罪者になりやすいと思う人がいそうだな、ということ。それから問題が認知機能だけではなく、家庭環境や学校の環境、福祉の問題などがからまりあっていることで、簡単にこうしたら解決するとは言えないんだろう。
0投稿日: 2022.03.18
powered by ブクログ少年犯罪を行った少年たちがなぜ犯罪を行ってしまったのか?の理由を知力の観点から解き明かした本。 驚いたのは、健常者と言われる人の中にもIQが知的障害者の数値に近いがギリギリ健常者と判定されてしまった人がいること。 そのような人たちは健常者と同じ扱いをされるが、本人たちは社会の常識がうまく認識できないため、犯罪を行ってしまうということ。
1投稿日: 2022.03.16
powered by ブクログタイトル、表紙に惹かれて読んでみました。 非行について深く考えるきっかけとなりました。 非行の一場面にのみ目を向けるのではなく、家族関係や学校での友人関係、生い立ちに目を向けて、二度と同じ過ちをせず、社会の一端を担うためにはどうアプローチをすべきかを考える必要があると思いました。
0投稿日: 2022.03.11
powered by ブクログ非行少年たちは自分が犯した罪に対して反省などはしていない。 それは何故か反省が出来ない。 少年院に行く少年たちは 読み書きや計算などが出来ず、タイトルにあるようにケーキの三等分に切ることも出来ない。 それはIQが低いと言うわけでもないIQが高くても、未来を想像する力が著しく欠けている少年が多く、自分の欲求を消化する行動の選択肢が犯罪であっても実行してしまう。 それに少年たちは見る力が弱く相手の表情などから相手の気持ちを読み取る事が出来ない。 想像力が弱いと目標が立てれない。 そのことにより2つ困ったことが起きる。 →1つ目は努力しないので成功体験が得られず 自信をつけることができず、自己評価か低い状態が続いてしまう。 →2つ目は悪いことをしても反省出来ない それに対人スキルが低い少年たちが多い。 そのことにより、嫌いな事を断れなかったり、他者に助けを求めたり出来なくなってしまう。 こういう少年たちが更生しようと思う時は? 1.将来の目標が決まった時 2.信用できる人に出会えた時 3.人と話す自信がついた時 4.勉強がわかった時 5.大切な役割を任せられた時 このように一般の人が小学生や中学生など社会人になる段階のどこかで経験することを経験しないまま社会に出る事により非行に走ってしまうケースが多くなる。 現在刑務所1人を年間養うのに300万円ほどの税金がかかるのでそれだけでもかなり損失です。 それとは別に犯罪被害者の損害賠償がありこれは支払われてないのがほとんどです。 よって罪を犯す前に事前に防ぐ対応が必要になってきている。 犯罪を起こす動機をなくす事が少年あるいは未来の日本を救う為には必要と感じたが それをするには途方もない時間と労力が必要。 そもそもそんな方法はあるのかと思いました。
32投稿日: 2022.03.06
powered by ブクログ自分に自信がないと自我が脆くて傷つきやすい 自己を適切に知るには、人との生活の中で、サインを出し合い、反応を見ながら自己にフィードバックすることをたくさんこなすことが必要。
0投稿日: 2022.03.06
powered by ブクログ非行少年はその人だけに原因があるのではなく、その周囲の人間関係、環境による教育の仕方にも問題があることが分かった。もともとの認知能力の低さに教育の不届きや支援不足により、非行少年を生んでいることは教育の敗北と言える。小学二年生から出始めるサインに周りが気づかず、配慮のない行為により、非行化という手段に陥ってしまう。知的障害は2%境界知能は15%程社会に存在しており、周囲の人の認知が大切であり、そのような人々への配慮や特別な教育が非行化を止める。自己への気づきや自己評価の向上が大事であり、正しい規範を自分の中に作り、自分に注意を向け、見つめ直すことが必要。犯罪者を減らすことが、日本の国力を上げるために重要である
0投稿日: 2022.03.05
powered by ブクログさすが宮口さん。話もわかりやすいし、授業を受けてた時に話してくれた内容もたくさん載っていた。包み隠さず、良い意味で非行少年のリアルを教えてくれる本。自分も関わるときにちょっと意識していこっと。コグトレ興味あるよ〜
0投稿日: 2022.03.05
powered by ブクログ〈児童精神科医である筆者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。〉という本書。 帯に掲載されているケーキを等分した図にはかなりの衝撃を受けるけれど、でも本当に彼らの目にはこういう風にすべてが歪んでみえているのだろう。 本来であれば福祉で守って適切な治療を受けねばならないはずが、誰からも気付かれずに社会からはじかれ、犯罪を起こして逮捕されてからようやく認知力に問題があったことが分かる、というのは残念でならない。早い段階からの支援が必要なのだと痛感した。 「自尊感情が低い」という紋切り型フレーズに頼ってはいけない、というのも目から鱗だった。 問題なのは自尊感情が低いことではなく、自尊感情が実情と乖離していることにある。等身大の自分を分かっていないことから問題が生じる。自尊感情は無理に上げる必要もなく、低いままでもいい、ありのままの現実の自分を受け入れていく強さが必要。
10投稿日: 2022.03.04
powered by ブクログ21:45。たまには売れている本を読もうと思い、手に取った。なるほど著者の経験談は面白いし、主張も興味深い。けれどなんとなく論理がおかしい部分がいくつかあるように思える。さらさらっと読んだので詳しい話は抜きに感想のみ。
0投稿日: 2022.03.02
powered by ブクログ児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務していた著者が、それぞれの施設で出会った少年たちの話。 子供に携わる方、全員に読んでほしい本。 非行の内容や少年たちの言動ばかりに目を奪われてしまいがちだが、助けを求められない子どもたちに気づき手を差し伸べる、犯罪者を納税者に変える、生きずらい世の中を少しでも変えていける我々の力を求めているように感じる。 【メモ】 a.非行少年に共通する特徴 ①認知機能の弱さ②感情統制のよわさ③融通の利かなさ④不適切な自己評価⑤対人スキルの乏しさ⑥身体的不自由さ b.犯罪者1人に300万円かかってるんですって。 c.コグトレやってみるといいらしい。
1投稿日: 2022.03.01
powered by ブクログ皆、「自分がこうだから、相手もこう」だと思い込む。 「普通そう思うでしょう」「常識でしょう」 でも実際、世の中には予想できないことをして、捕まる人たちが多くいる。その人たちと、「普通」の違いは?境界線が明確でない以上、原因を深掘りしなければ、悲しい出来事は近くでも起こり得る。 前提、が間違っていることなんて山程ある。 できないんじゃなくて、知的障害だったら? その仮説を立て、1人1人向き合って、調査されている宮口さんに敬意を。貴重な過程と結果を、多くの人の知識として広げたい。
0投稿日: 2022.02.27
powered by ブクログ犯罪心理や発達心理を齧った身として、現場で感じた違和感を言葉にしてもらった感覚。対処療法にすらなっていない現実で、彼らの生きづらさは想像に余りある
0投稿日: 2022.02.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
反省以前の非行少年の話しに留まらない。今の学校教育では、認知能力(基礎学力以前)を持たない子供(発達障害・知的障害等)が一定数(14%程)存在し、取り残されている。 直接的支援として、学習面、運動面、社会面(保護者支援も要)があるが、小学校の教育現場では系統だった社会面への教育が全くなく(週一の道徳)、結果的に少年院で、一から社会面を支援する必要があるとのこと。 確かに、社会で生きて行く為には、対人スキル、感情コントロール、マナー、解決能力は欠かせない上、一朝一夕で身に付くスキルでない。 また、褒める、話を聞く、自己肯定感を上げる等は根本的解決を先送りにしているだけ。直接的な支援以外には、策はないとのこと(例えば、勉強が出来るように具体的にサポート)。 自分が変わる為の動機づけには、集団生活の様々な人との関係性で、少年達が自ら「気づきのスイッチ」を入れる必要があり、「子供の心に扉があるとすれば、その取手は内側にしかついてない」とのこと。大人の役割は、説教や叱責で無理やり扉を開けさせする事ではなく、子供自身に多くの気づきの場を提供することが大切であり、同級生に言われて得られる気づきの方が大きいこともあるとのこと。 世界の子供が犯罪に手を染めずそ、大人がささやかな暮らしを準備することを願う…が、人間一人を支えるためには恐ろしく多くのパワーが必要だと思い知らされた。
18投稿日: 2022.02.22
powered by ブクログ読む前は非行少年たちのドキュメンタリー的な本かと思っていました。非行少年を生まない、再犯させないための教育方法にも書いてあってとても興味深いでした。
0投稿日: 2022.02.21
powered by ブクログ犯罪を犯してしまう少年の大半が、学校での学力不足から自尊感情が低くなり負の連鎖が生まれると知り、私たち教師が果たす役割の重大さに改めて身の引き締まる思いがした。 またいじめられた経験から、被害者が加害者になるとも書かれていた。日々いじめが起きないような学級経営をすることは元より、起きてしまった時はしっかりといじめの事実を明らかにし本気で解決しなければならない課題だ。 教室でもコグトレを実践してみようと思った。
0投稿日: 2022.02.20
powered by ブクログタイトルが良くない。センセーショナルでインパクトがあり、非行少年の課題を端的に表しているようではあるが、一方で、「非行少年というのはケーキも切れないような頭の持ち主」「ケーキをキレイに切れないお前は非行に走るかも」みたいな偏見を誘発しかねない。 ただ、この著書の内容は非常に示唆に富んでおり、非行少年の更生や新たな犯罪抑止のために社会や教育をどのようにしていくべきかを模索していく指針になりうる。 教育を変えようと息巻いている政治家は、まずこの本にある視点を読んで検討してほしい。エリート教育とか、お金の教育とか、道徳とか愛国心とか、とにかくズレていて根拠に乏しいんだよね。イジメを無くす、という理想論もいいが、そもそもなぜイジメが起きるのかの洞察がなさすぎで対処療法的なことに終始している。 「性犯罪をした少年の多くが酷いイジメ被害を経験している」というのは、かなり衝撃的な事実であった。このことからも、イジメによる被害をどれだけ軽減させるのか、といったことは上っ面の言葉だけでなくもっと掘り下げて真剣に検討してほしい。刑務所に入るような犯罪者を無くすだけで年1兆円の経済効果というのはそのとおりだろう。個々の子供にとってほんとうに役に立つ教育に年間1兆円のお金が投じて、そのことにより将来の犯罪を抑止できるのなら、何兆円というリターンになってかえってくるだろう。
1投稿日: 2022.02.19
powered by ブクログアンプロフェッショナルな行為に及ぶ同業者もおそらく、IQでは測れないところに障害をもちやりづらさを感じながら生きているんだろうなぁと想像した。 また、そのやりづらさ、の正体に気づかないだけでなく、ただ「なんだかよく分からない不都合、ストレス」として捉えているのではないかと感じた。
1投稿日: 2022.02.19
powered by ブクログ犯罪者になってしまう人は決して虐待や情緒教育が足りない者ばかりではなく、むしろ知的能力が低いことからそうなる人が多いと述べる。 特に認知の歪み、感情コントロール不足、コミュニケーションスキルの不足、自己評価の歪み、考え方の柔軟性の不足は非行少年に共通する特徴で、それを改善するのにはそれに特化した学習が必要であるとする。 いわゆる知恵遅れみたいなものの定義も時代によって変わり、社会から取り残されて犯罪者になってしまう人も多くいる現状を初めて知った。 今は言葉のわからない外国人や認知症で刑務所に入る犯罪者なども多いと聞くので、刑務所では再犯予防に向け犯罪者の分類・分析とその後の教育の細分化・充実化に国ももっと力を入れるべきと感じた。
1投稿日: 2022.02.18
powered by ブクログ見る力、聞く力、見えないものを想像する力。 自身の感情の処理方法を、適切に行えるか? そして、そのトレーニング。 障害者、グレーゾーン、健常者、そのすべてに適切な対策が必要である。
0投稿日: 2022.02.18
powered by ブクログ境界知能という言葉を世に広めただけでもこの本には意義があると思う。症例もとても興味深かったです。やはり精神科医の本をよむと色んな気付きがあります。
0投稿日: 2022.02.18
powered by ブクログ目的 話題になってたから。ケーキが等分できない人たちのことを知りたいと思ったから。 感想 境界知能の子どもたちへの支援が大切で、解決策のひとつとしてコグトレというものがあることを知った。 なぜこんなことしたの?とおもうような事件もあるが、認知力がないから、こうしたらどうなるな、が考えられない。そのままでは反省を促しても理解できないので悪循環。
1投稿日: 2022.02.18
powered by ブクログ児童精神科医である筆者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。 人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く実践的なメソッドが本書で提示されている。 なるほどと思う反面、非行少年=知能が低いという思い込みに囚われないように読まなければいけないと感じた 親は選べない だからこそ、学校は誰にとっても受け入れられる場所であってほしい
2投稿日: 2022.02.17
powered by ブクログ非行には、そもそもの認知機能や学習機能に問題がある可能性があるというのは新しい視点だった。養老孟司の「バカの壁」のように、そもそもの前提が違う人が相手であることを踏まえた制度設計が必要なのだと感じた。
0投稿日: 2022.02.16
powered by ブクログ知的障害や認知能力の低さから周りの人達と上手く関係が築けずに犯罪行為を行ってしまう人達がいることがよく理解できた。 ただ、犯罪の多くがこのような人達によって引き起こされていることが判ると、知的障害者や発達障害がある人達に対する偏見が助長されるようになるのではないかという懸念が起きた。
0投稿日: 2022.02.16
powered by ブクログ気になっていた本ですが、ようやく読みました。自分にとっては良い本でした。本文に出てくる本も読んでみようと思う。
0投稿日: 2022.02.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
障害のある方に関わる仕事をしています。 普段の関わりから認知度や理解度が低く、反省する以前の問題である方々がいることが容易に想像できました。 支援者の関わり方によってその方の人生を左右するというところで、自分自身しっかりしていかなくてはと思いました。 私はまだ微力ですが、この問題を少しでも減らすために頑張りたいと思いました。 自分にとって大切な1冊となりました。
1投稿日: 2022.02.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読むまでは、タイトルの意味がわからず、話題性だけでこの本を手に取りました。 読み進める内に、タイトルの意味がわかった気がします。 発達障害より知的障害はクローズアップされにくい。IQが低い為に困っていて生きづらさを感じる少年たちが居るのに、今の学校教育ではそこまでカバーできてないし見落とされてる。 知的障害者に多くの支援が受けられて、不適切行動が減ったり、犯罪者が減る事を願います。 生きづらさを感じる人にも読んでほしい一冊です。
2投稿日: 2022.02.09
powered by ブクログ罪を犯す子供はその子供だけが悪いのではなく、障害的な問題があったり、周りの与える影響も大きいことが学べた。少年犯罪への見方が広がった。
0投稿日: 2022.02.05
powered by ブクログわたしたちが当然のように持っている認知機能を彼らは持ち合わせていない。見たり聞いたり想像する力、感情をコントロールすること、先を見通すこと、反省すること、コミュニケーション能力。犯罪を犯して少年院に入った非行少年たちは、そういった境界知能であることが多いらしい。虐待を受けてきたケースも多いとのこと。小学校でケアされず、中学高校になって犯罪という形で明らかになる。勉強が苦手で学校でいじめられるなど、生きづらさに気づかれることなく、他者を傷つけてはじめて彼らも被害者だったと気づく。なんて悲しい現実だろう。反省以前の問題というのが衝撃だった。わたしたちはいつも彼らの外側から、あるいは、上から見下ろしている。著者が現場で少年たちに向き合って、彼らの目線まで落として、彼らに合ったトレーニングを段階的に行ったのは、ものすごく根気のいることだったと思う。今もなお模索中なのだと思われるが、一人でも多くの非行少年たちが、早い段階でその生きづらさに気づかれて、適切なケアを受けられることを願う。 ベストセラーなだけあり興味深く読みやすかった。おすすめ。 220131読了、図書館本。
0投稿日: 2022.01.31
powered by ブクログ「”褒める”、”話を聞いてあげる”はその場を繕うのにはいいが、根本的な解決策ではない。」支援に携わる者として、自戒を込めてこの言葉を心に刻んでおく。
0投稿日: 2022.01.30
powered by ブクログ「振り返りをする以前に、認知面で課題があり、そこまでたどり着けていない人がいる。」という新たな視点が得られた。コグトレのねらいが少し分かった感じがして、時間が少しあれば「最初とポンゲーム」を取り入れ始めた。
1投稿日: 2022.01.30
powered by ブクログさすがベストセラー、読ませる。 実体験やさまざまな調査に基づき、非行少年の原因を探っている。認知機能(読む、聞く、数える、想像するなど) 個人個人のことではなく、最後は納税者にして国力を上げると、なるほどね。 個人的には、子どもの気づきの扉の取手は内側にある、というところは残ったなー、そのような機会をいかに仕掛けられるか?
0投稿日: 2022.01.28
powered by ブクログ世の中的にはベストセラーといってもよいほどの売れ行きだったのではないでしょうか。そのため、図書館で予約の順番待ちをしつつ、ようやく読むことができました。 内容もたしかに、納得のおもしろさ。脳・心理系の専門的な内容にも関わらず、平易な言葉で一般の読者にわかりやすく説明されている点、非常に読みやすかったです。 あわせてタイトルにある非行少年たちに対する更生プログラムにおける問題点についても著者の説明でよく理解できました。プログラムの内容としては間違っているわけではないが、そもそもその内容自体を理解できる状態ではない、という点を踏まえたプログラムの構築が必要である、ということだと理解しました。
1投稿日: 2022.01.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
反省以前というのは考えていなかったから、特になるほどと理解ができたし、そのような視点を広げるのに役に立ったと思う。後半になると実践的に何がサポートに必要なのかという説明があり、明確でポイントをついているすっきりした読み応えはあったが、好奇心を抱くなどの興味自体はあまりわきにくかった。
0投稿日: 2022.01.23
powered by ブクログ読了2021.10.20 非行少年の中には一定数知的障害や境界知能の少年たちがいて、彼らは認知機能が低いために非行してしまうのではないか、という問題提起です。
1投稿日: 2022.01.23
powered by ブクログ宮口先生はコグトレで知っていたが、宮口先生とは知らずに手に取った。 なんとなく、発達系か?と思ってはいたが、やはり発達障害に通じる内容。 認知能力が低いと、安易な選択をしやすく、考えて行動しない。 そのため、犯罪を犯しやすいと言うもの。 全てに当てはまるわけではないが、かなり、しっくりくるものはあった。 コグトレは、発達障害をもつ子供に取り入れてはいたが、なかなか楽しいらしい。 ただ、曲線つなぎは嫌いらしい。 話をじっくり聞くために、はじめとポン、はかなりいいトレーニングだと思う。 また、人に何かを教える行動は自己肯定感をかなり上げる。なかなか、当たり前だけど、取り入れておらず、読んでハッとした。 宮口先生は日常生活に無理なく取り入れ、また、大変さや、ジレンマなどもスッと受け入れている印象をもつ。 犯した犯罪は許せないが、発達障害を抱えていきていく上での環境の悪さは理解できる。 まさに息子がそうだから。 合理的配慮はなかなか、難しい。 支援の先生でも理解せず、自分の教育方針をゴリ押しして、悩む子も多い。 そう言った中で、家庭で無理なくでき、また、広く世に知らせていただける、この本は本当にありがたい。
1投稿日: 2022.01.22
powered by ブクログなぜ少年が犯罪を起こすのか、に言及した本 今まで軽蔑してた犯罪者への考えが少し変わった。 「被害者が犯罪者へ」は往々にして起きていて、SOSを出しているうちに救ってあげれれば…と同情すらしてしまった。 ただ日本の教育にそれらに対する制度が全然整っていない。 特に社会面は世の中で1番求められるのに、それに対応した教育がないのが本当に不思議… 日本の教育についても考えさせられた本でした
0投稿日: 2022.01.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読んだ価値はすごくあったとおもう。 最初は切ったケーキを見たことがないからわからないのか?と思ったが、そういう話ではなかった。 特に衝撃を受けたのは国が取っている矯正統計のずさんさで、こんなことをしている国がAIがうんたらというとは片腹痛い思いでした。どうにかしなければいけないという強い思いに駆られた。
0投稿日: 2022.01.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
知的境界域の見落とされやすさよ。 そもそも反省以前の問題である。 なぜか? 見る力、聞く力、想像する力の弱さから起こる事。 『褒めるだけでは解決しない』 これは刺さった。 根本から目を逸らし、後回しされてきたこと。 アプローチしなければならない。 真に向き合うのである。 とにかくアセスメントである。 コグトレは学びたい、学ぼう。
0投稿日: 2022.01.14
powered by ブクログケーキの3等分も出来ないなんて、どういうこと!?と衝撃を受け、図書館で予約。 回ってくるまでに4か月近くかかるほど予約で埋まってた。 犯罪を起こす子どもは反省以前の子たちで、境界知能の子が多い、その具体例とひとつとして一番人を惹きつけたであろう表題のケーキのエピソードが序盤早々に出るもののサラッと流して終わり、あとは同じ内容の繰り返しが長く続き、正直いって離脱しそうになった。 最後に駆け足でトレーニング方法が書かれていて、やっと読んだ甲斐があったかな、と思えたのも束の間、あっさりと終わってしまった。 刑務所で受刑者1人養うのに年間300万かかる、もしその受刑者が 一人でも健全な納税者になれば年間100万円ほど何らかの形で税金を納めているので400万円ほどの経済効果がある、という点はなるほど、と思った。
0投稿日: 2022.01.14
powered by ブクログ悪気もなく非行に走る人間が多い環境で育ったため、自分の中に漠然とあった考えが言語化されているようで非常に面白かった。 何故彼らは非行に走ったのか、どのようにすればその問題は解決できるのかが明確になり、こういった書籍でアクションまで言及されているのは良かった。
0投稿日: 2022.01.12
powered by ブクログ以前から読みたかった本をようやく読めた。 そもそも反省も葛藤も持てない。想像力が弱いから努力できない。境界知能の人たち。 でも本書は当たり前だがそうした人を社会で包括していこう。そうした人が刑務所や少年院に入るのは教育の敗北と断言している。 ただ今の小学校の体制とかではそうした人を見つけ、導くのはかなり困難だろうなと思う。人数が足りないのと、あと例えば漢字学習においては形を見て書き写すことはできる前提で作られているから。形を写すところからトレーニングというのはなかなが難しいと思う。 少年たちが変わるためには自己への気づきがあること、自己評価が向上すること。 そしてこの本の中で何より心に響いたのが下記の言葉。 「子どもの心に扉があるとすれば、その取手は内側にしかついてない」 子供自身が気づく場を与えること。子供が気づき、やる気になる。それは本当に大事だと思う。
2投稿日: 2022.01.12
powered by ブクログ衝撃だった…。 ちょっと仕事できない奴みたらADHDとか疑うことはあったけど、境界知能という概念はなかった。 自分の見てる世界と他人の見てる世界はこんなにも違うんだなって理解が必要と感じさせられた。 何よりスタッフに試しにケーキを5等分させたところ、案の定出来ない子がいたので優しくしてあげようと思った。
1投稿日: 2022.01.11
powered by ブクログ犯罪を起こす子供には、反省以前のこどもがいることを初めて知った。いままでニュースでなぜこんな事件を起こしたのかという疑問がある事件が多々あったが、本書を読んで納得できた。しかも反省以前のこどもが人口の数十%いるとは。 犯罪を起こさせないためには、本人の認知能力をあげることが必要だが、そのノウハウは知られておらず、社会に出でしまうとそのフォローもだれもしてくれなくなるため、サインが表れ始める小学生の低学年からフォローする必要がある。しかし、反省以前の子供たちのことが世間に認知されていない(専門家にすら認知されていない)中でそのフォローを行うのは難しい。ただ、それを放置していると被害者が増えるばかりで理不尽な犯罪が繰り返されるため、何とかする必要がある。 いじめを受けた子供が、被害者が加害者になる悲劇を止めるには行動を起こす必要がある。
0投稿日: 2022.01.10
powered by ブクログ自分の認識と他人の認識が一致しないことは日常でよくあること。 認知機能の重要さが良くわかる本だった。 少年が少年院へ行き着くまでにどれほど苦しい思いをしたのだろうかと思うと、大人の責任を感じながら読んだ。 何度も読み返して理解したいと思った。
0投稿日: 2022.01.09
powered by ブクログ興味深い内容だったが、同じような記述が繰り返し何度も何度も出てくるので、食傷気味になった。 個人的メモ: 非行少年には認知機能の弱さ、感情統制の弱さや対人スキルの乏しさといった特徴がある。 このため、認知機能に問題がないことを前提に考えられた認知行動療法は効果が期待できない可能性がある。 また、認知機能や感情統制が弱いと、多くの問題行動につながりやすく、非行化するリスクも高まる。 しかし、いまの学校教育では、学習の土台となる基礎的な認知能力をアセスメントして、そこに弱さがある児童にはトレーニングをさせる、といった系統的な支援がなされていない。 また、対人スキルの方法、感情コントロール、対人マナーといった能力を身につけさせる社会面の支援も系統立ててなされていない。 学校は「困っている子ども」の早期発見と支援をすべき。
0投稿日: 2022.01.08
powered by ブクログ1購入理由 私がこの本を購入したのはただ本屋の新書コーナーにいつも一番前に並べられていたあからである。教育系の仕事に就くためいつかは読んでみたいと考えていた。また題名の意味も特にわからず読み始めた この本は心理士である作者の目線から物事が描かれている。 心理士というフィルターを通して鑑別書などにくる非行少年、極悪少年をみてみるとそもそもこの子達は悪いと思った上での行動ではなく、間違った認知歪んだ認知を成長の過程で身につけてしまったために、現実世界からの束縛から外れてしまい犯罪を犯してしまうそのような子が存在するという内容の話であった。 この本は是非子供に対してイラついてしまう、悩んでしまう、すぐに怒ってしまう人に読んで欲しい。 実際私は読んだ後から子供に対する見方が変わり、子供との関わりでたまるフラストレーションを溜めることがなくなった。
0投稿日: 2022.01.05
powered by ブクログ非行少年の脳内と思考を覗いたのような本。なぜ、非行に走るのか少し理解することができた。 軽度の知的障害や自分を正しく認知ができない子が、親や先生、社会から問題を気付いてもらえず、1人悩みながら幼少を過ごす。そして、いじめられたストレスで非行に走り、被害者が加害者になってしまう悪循環。 少年院は極悪犯のいる場所と思っていたのが、軽度の障害者が多いという驚き。 必要はことは、等身大の自分を知り、受け入れていく強さが必要というフレーズが心に残った。
0投稿日: 2022.01.04
powered by ブクログ「自分が良いと思うことが、必ずしも相手にとって良いこととは限らない」と教えられたことを思い出した。同じ物を見ているはずのに、人それぞれで異なる捉え方をする。会話におけるすれ違いは不可避的なものなのだろうか。
0投稿日: 2022.01.04
powered by ブクログ昨年読みかけて休んでいた本。どうしようもないこともあるんだと突きつけられて。決して面白い本ではない。
0投稿日: 2022.01.03
powered by ブクログどうしても手に負えなくなった子どもが行き着く先が少年院であるという言葉が心に刺さった。また、後先を考える力の弱さが犯罪を起こしてしまうことにつながることが分かった。認知機能に問題がある場合は、それがベースとなったプログラムが期待できない可能性もある。
0投稿日: 2022.01.02
powered by ブクログ非行に走る少年たちの頭の中が少し覗けたような気がします。自己認知や様々な能力が足りなかったり、欠けていたりするだけなのに、誰からも気づかれないし、変な人や非行少年とカスタマイズされてしまう。彼らは彼らの苦しみの中でもがいていたのかなと思います。 自分の生きづらさを言語化してもらうことができたように思います。 1つ選択が違ってたら僕がそうなっていたかもしれないなと思いました。
1投稿日: 2022.01.01
