
総合評価
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powered by ブクログ一括りに〈犯罪を犯した少年たち〉と考えるのではない。 その背景にあるものを考えさせられた。 社会面の発達に関して学校では特に何もやっていない、その面はふつうに生活していれば育つ面であると考えられているからではないのか。教育カリキュラムについて改める必要性を考えさせられた。
2投稿日: 2019.10.12
powered by ブクログ一般的には考えられない理由で非行をしてしまう人達 それは何故なのか、我々一人一人が読んでその衝撃を受け止め理解し、こらからどうしていかなきゃいけないのか考えなければいえないと思う
3投稿日: 2019.10.12
powered by ブクログ犯罪に対して新たな視点でみることができ興味深い本だった。知らないことを知れたので勉強になり面白かった。
1投稿日: 2019.10.08
powered by ブクログずっと気になっていて、早く読もう、と思っていながら、なかなか心の準備ができずにようやく読めました。 下手なホラーよりも怖い。と同時に、深く納得するものでした。 同じものを見ても見え方が違う。 それは異なる文化や境遇で生きている者同士でも言えることですが、見る力、聞く力の足りなさにより歪んで認知されることによる見え方の違い、というものもあるということに思いを馳せられる人がどれだけいるでしょうか。 著者は、病院に繋がるような子はまだいい、と言います。 家では虐待を受け、学校では問題児扱いされ、何の支援にも繋がらず、放置された子の行く末は、ほぼほぼ非行。 誰か1人でもその子の能力ときちんと向き合い、継続して関わり続ける大人がいるだけで、その後の人生が大きく変わると思うのですが、ただそれだけのことが、本当に難しい。 全ての人がそうとは言わないけれど、課題を抱える子の親もまた課題を抱えていることが多く、境界性と言われるグレーゾーンで生きづらさを抱えていたりする。 どこまでその親と繋がれて関係が築け、子の支援へと繋げていけるかは乳幼児期からの丁寧な関わりに尽きるのかもしれない。 褒めるばかりではなく、基礎的な力を伸ばすトレーニングこそ根本解決には必要、というのは最もですし、教育現場がその要になるのもわかります。 けれど、担任だけにそれを求めるのは酷でしょうね。 一朝一夕で変わるものではなく、なんと根気が求められることか。現場で頑張る先生たちには本当に頭が下がります。 手帳取得もできない軽度の知的障害や発達障害の子や親は、制度的な支援には繋がりにくいけれど、困ったときには(お金がない、とか、具体的な例も伝える必要があるかも)SOSを出してね、と伝えていくこと、また伝えてもらえる関係を作っていくことが福祉の現場でできることの1つなんじゃないかと感じてます。 教育と福祉の連携、まだまだですが、今後も邁進していきたい。改めて危機感を覚えつつ気持ちを新たにしました。
13投稿日: 2019.10.06
powered by ブクログ知能面、認知面が定型発達の人には理解することが難しい他者の行動、反応に対して、なんで?って思うことが多い人には、特に犯罪に興味がなくても読んでもらいたい。 単に犯罪者を糾弾するのではなく、犯罪を犯してしまう背景、再犯の原因、社会システムの欠陥などなど考えさせられる。
2投稿日: 2019.10.03
powered by ブクログそもそも 「書く、読む、聞く、想像する」ことが欠落している子供が事件をおこすということ。 SNSに所謂不適切な動画をあげる人は バレちゃうのに何でアップしてするんだろうと思っていたら 、すこし考えれば分かるのに想像する力がないのだろう 幼少期に学校側が気づいてあげれば… 難しい問題だと思う。 勉強を教える先生からとは別の、心理の専門家でもいないと無理ではないか
3投稿日: 2019.10.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
気になってた本を読みました!TVでカズレーザーさんも紹介してました。分かりやすく書かれているのであっという間に読み終えました。教員にはぜひ読んでほしい一冊。本当読んでほしい。学校生活の中でできることは取り組みたいと思いました。読みながら何人かの子どもたちの顔が浮かびました。。私にも子どもたちのためにできることはあるのかな。 以下個人的メモ。 ○サインは小二くらいから出てくる。 〇如何に早くサインをキャッチするか。 〇問題は自尊感情が低いことではなく自尊感情ぎ実情と乖離していること。 〇自己への気づき 教師が子どもを「あなたをみていますよ」とサインを送る グループワークで子ども同士 〇様々な教育や体験を受ける中での自己評価が向上 〇子どもの心に取手があるとしたら、内側にしかついていない。できるだけ多く気づきの場を提供する 〇社会面、学習面、身体面での支援 〇コグトレ 〇犯罪者を納税者に →そのために「困っている子ども」の早期発見と支援。それが最も効率的にできるのは学校。
3投稿日: 2019.09.30
powered by ブクログ非行に走る子供たちの中にはそもそも反省の意味も理解できないような軽度な知的障害がある可能性がある これが衝撃的だった。 だから常識ではカテゴライズできないし、こちらの物差しで考えても何の解決にも繋がらない。 そういう手助けの必要な子供たちを早期に発見すること、目をかけてあげること、必要なトレーニングをすること、 それが将来の加害者、被害者を減らすことにつながり、しいては日本の国力にも影響するということが理解できた。 自分の周りや自分の子供がそうじゃないからいい、ではなく、周りにこういう環境の子供がいないか、困っている家庭がないか、少しでも興味を持ち理解しようと努めることは社会全体として必要だと思った。 教育に携わる人、小さい子供がいる親は特に読んでおきたい一冊。
2投稿日: 2019.09.30
powered by ブクログ引用の142ページがそのままブーメランになっているような内容。同じことを何章にもわたってほぼ同じ文言で繰り返し書いているだけで、解決策はない(6章時点)。久しぶりに「新書ってこういうものだったなぁ」という気分になりました。
1投稿日: 2019.09.30
powered by ブクログnoteで見かけてから気になり、ようやく読了。 https://note.mu/yontengop/n/n8d68fbddb1e8 「本質を考え、答えることができる」というのは、子どものときからの細かなトレーニングや…親とのコミュニケーション。(遺伝的なものではなく) 周りが見てあげること、それから自己認知力をあげること。 そういう環境をつくってあげることが喫緊の課題だ。
3投稿日: 2019.09.28
powered by ブクログ全ての非行少年が発達障害というわけではないが、一定数はそこが原因とのこと。サイコパスに近しいのかなと思った。発達障害にも段階があり、知能レベルも普通に生活できるレベルの人が多いそう。力加減ができない、継続性がなかったり、後先のことを考えれなかったり。周りにも普通にたくさんいるし、自分も多少そういう面もあるのかなとも思う。まさか自分の子が!と思う人も多いだろうが、家庭教育から地道に改善していく必要があるのでは。
2投稿日: 2019.09.28
powered by ブクログ学校の勉強についていけず、居場所をなくして、その結果反社会的行動に出る、と言う一連の典型的な流れを知っていたつもりだが、勉強についていけないのはあくまでも自分のやる気や家庭環境によるものだと思っていた。しかし、勉強についていけない理由自体が認知機能の低下によるものというのは驚きだった。初耳だったが、とても納得のいく理由だったし、そもそもどうして今までこのことに考えが及ばなかったのか不思議に思うほど、腑に落ちる理由だ。この認識が広まって、早い段階で社会に居場所をなくすことや犯罪や子の虐待に走ることを食い止められれば、とてもいいと思う。
4投稿日: 2019.09.27
powered by ブクログ教育関係者、および、子どもの支援に関わっている方達にはぜひ読んでいただきたい本。認知行動療法は、「認知」がしっかり機能していないと使えないので、どんなところをトレーニングしたら良いのかを探り出すところから始めないといけないという所に大きくうなづかされました。
2投稿日: 2019.09.27
powered by ブクログ問題行動を起こす場合、認知行動療法を施すのがポピュラーとされるが、そもそも認知機能に難がある場合、ワークが理解できず成果が出ない。 ベースとなる認知機能の部分から対象の把握が必要ではないかと書いている。 では、認知機能が劣っている場合、トレーニングで向上できるとあるが、内容は積み木や綿棒つまみなどであり、若年層が対象であり30代40代まで認知の欠陥が放置され、困窮した人間にはどうしたらよいだろうかと感じた
1投稿日: 2019.09.26
powered by ブクログ発達障害ではなく、知的障害の話。 様々なコミュニケーションの前提になっている、認知の共有ができていない人がいる。 なぜこんなことをするのかわからない人、まるで話が通じない人に直面した時に、こうしたケースの可能性を想起するようにしたい。 こうした少年たちは、難しさを抱えていることが理解されぬまま、様々なことがうまくできないためにいじめられ虐待され、そのことによって居場所を奪われ、悪い場合は犯罪を犯すようなことにもなる。この負の連鎖を断ち切るには、社会のそうした状況を理解し、適切な対応を取れるように、とりわけ家庭や教育の現場で対応していく必要があると言う提言だ。 滑稽に聞こえるタイトルの印象とは異なり、重い内容を含む重要な問題提起の本である。
2投稿日: 2019.09.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
話題の本で図書館の予約待ちが多すぎるので買ってしまった。「境界知能」の多さに驚いた。 三省堂書店で購入
1投稿日: 2019.09.25
powered by ブクログなんか、素直に怖い、と思った。 殺人や性犯罪を犯しても、認知機能が弱いから何が悪いというのがわかっていない。「反省してます」と言わないと怒られるから反省の意を示す。 そんな非行少年たちが更生したと見なされてまた社会に出てくるの?それは更生されたといえるの…? 今まで見落とされていた非行少年を非行少年たらしめる原因の1つ、軽度知的障害、すなわち認知機能の弱さに焦点を当て問題提起をしたという点で良書。 しかしどう解決して行ったらいいのか。 私達には何ができるのか。 少年たちには「等身大の自分を知ること」、その上で「自己評価を上げること」が必要らしい。 その基礎条件として、認知機能を高めてあげなければならない。 1つは初等学校教育で認知機能を高めること。勉強や体育教育の他に、コミュニケーションといった社会的教育を施すこと。 しかし学習指導要領でガチガチに固められたカリキュラムの中で忙しい小学校教員が自主的にそのような教育を組み込むのは難しい。朝の会や帰りの会の5分間で取り入れられないかというのが筆者の提案。 →個人的に考えてみたけど、認知教育(点と点を結ぶ、図形を真似て書く、簡単な言葉を暗唱する)なら保育園や幼稚園で学べないのかな? 小学校のつめつめのカリキュラムではたしかに難しいと思う。だから現代のフランスでは3歳からのプレ小学校で遊びながら読み書きや机に向かう姿勢を教えている制度があるのでは。(「フランスはいかにして少子化を克服したか」より) そうすれば小学校からの教育格差が縮小する?授業についていけない子が減るかな? なんか最近読んだ本で集団教育は近代に始まった新しいもので、それまでは寺子屋式で一人ひとりが自分に合う勉強をしていたから格差とかなかったっていうのを読んだけど、ほんとに教育格差は集団教育が生んだ1つの課題だし、無視しちゃいけないほど恐ろしいことに繫がる(犯罪者を生んでしまう)んだなとこの本を読んで思った。。。 そしてもう1つ、解決策のためのヒントとして、「被害者が被害者を生む」という言葉。 知能が弱いためにイジメられる、虐待をする/受ける、それが孤立に繋がり非行少年を生み出すと。 →なんか、ほんとそうだよね。 小さい頃に受けたイジメの傷ってなくならないし、いい思い出よりも圧倒的に心に残りやすいと思う。私も、思い出して傷つくし、その経験がなければ自分もその後身を守るために誰かをイジメたり、人を怖れたり、誤解したりしなかったんじゃないかと思う時、よくある。 ちょうど今、ギフティッドの大川翔君の本を読んでいて、母さんからの秘伝・勉強ができるようになる奥義として「うそを言うな、弱いものいじめをするな、五感を鍛えろ、そして早く寝ろ」っていうのが出てて これだよこれって思う。 小学校で学校目標?(「明るく、優しく、元気な子」)みたいのあるけど、それを↑にしたらいいのでは。笑 抽象的な目標より全然分かりやすいし、結局何をしちゃダメ、何をすべき、みたいに具体的に示さないと子どもたちは分かんないよ。 あぁなんか色々思うところが…!
2投稿日: 2019.09.25
powered by ブクログ最近は発達障害の本が多いが、こちらは知的障害。同じような物と思っていたが、全く違う。犯した過ちよりも手前の、そもそも物事を理解したり認識することについて考えさせられた。 環境が変わると、今まで会ったことのない人に対応することもあるが、そういったことへの考えにつながるかもしれない。
2投稿日: 2019.09.24
powered by ブクログ非常に面白かった。知的欲求が満たされる一冊。 境界知能にあたる子供達が今まで一体どれくらいの数「怠けているだけ」「親の躾が悪い」「性格の問題」と見過ごされ、今もなお有効な対策がとれず非行少年を作り上げてしまっている事実に驚愕する。 振り返れば自身の学校生活でも、そんな子がチラホラいた記憶があり、今思えば辛い思いをしていたのだなと思える。 子供の心に扉があるとすれば、その取っ手は内側にしかない など、本当にその通りで、こじ開けてもよくない、子供自身の手で、意思で、開けることが大事だと改めて再認識させてくれる。 また社会面を養うトレーニングで、感情のペットボトルというもの。これは、本当に秀逸で小さな子にも、長い話をしなくても理解し、また体感することによってより実感できるプログラム。 うれしい、かなしい、さびしい、こわい、ふあん、いかり など水の入ったペットボトルを袋にまとめて背負い、取り出したり入れたりすることで 気持ちを出さずに溜め込むことはしんどいことだと身体で感じることができる。 また怒りの取り出し方でも、投げつけるのではなく、先生や親にそっと渡すという感情を表現するトレーニングもできる。 教育現場にいる人も、子育てしている人も、そうでない人にも、色々とヒントになる言葉や知識がたくさん詰まっている。
2投稿日: 2019.09.24
powered by ブクログ話題の本ということで、興味を持った本。 少年非行の原因は、凶暴性や低学力などの理由以外に、心理障害が根底にあるのではないか、感性のちょっとしたズレから生きづらさを感じていたからではないか、との指摘に共感を持つ。 ADHDと言った障害には専門的なフォローを要するため、知らずにいるのと知っていることでは全然生き方が異なる。 大人でも生き辛いと思うのに、多感な若い時分には尚のことだろう。 ただ辛い面だけをクローズアップしているだけではなく、 その一部は日々のトレーニングで改善される点も紹介されているのが良い。 生き方に悩む老若男女も取り組めるからだ。この機会が当たり前になれば、モンスター化した者をも救うことにもなるだろう。
2投稿日: 2019.09.23
powered by ブクログ衝撃的な内容。 教育現場にいると、なぜこれができんのだと (または、なぜそれをするんだと) いう場面にたびたび遭遇する。 そういう時、本人の怠慢なのか、 それとも何か本人にもどうしようもない問題が 隠されているのか真剣に悩んでしまう。 今回この本を読んで、なるほどと腑に落ちた部分は多い。 この本で分かった事実を どうアクションに移すかは難しいが、 事実すら知らなければもっと悲惨。
2投稿日: 2019.09.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最近、話題になっていて気になった程度の軽い気持ちで手にとったが、内容の重さに打ちのめされている。 本書を読んで、表面的な話をするならば、ケーキを上手く等分に切れない人がいて、それは知能指数、つまり、脳に問題があり、社会に上手く適合できず犯罪傾向が上がる。もし、教育を充実させることにより、知能の改善が行われていれば、犯罪を犯すことがなかったかもしれないので、それらが改善されることが望ましい。って話になるのだろう。 だが、奥底にあるところは違うのではないか。歴史的に、知能指数に問題があったとしても、行政的に放置してきたことへの批判があるのではなかろうか。 多分、現状の学校制度の中で、知能指数が低い落ちこぼれた生徒を救うことは難しいし、それこそ、一度社会に出てしまえば、行政的な手助けをすることすら難しくなる。 そんなの放っておけば良い。という現在の思想では犯罪を減らすことは出来ないし、経済効率も良くない。 だからと言って、行政システムを変えることは難しい。そもそも、市井の人間が出来る話ではない。 簡単に答えが出る問題ではないが、少しずつでも社会システムが改善され、望まれない犯罪が減少していくようになっていってほしいと考えさせられた。
3投稿日: 2019.09.23
powered by ブクログ見えている世界が違うので、暖簾に腕押しのような状態になってしまうことは少年院に限らずあることだと感じた
1投稿日: 2019.09.19
powered by ブクログ学校教育関係必読 反省できるのは、反省できだけの認知機能が備わっている前提があるから。反省以前の支援を必要としている子どもはたくさんいるということは衝撃だった。著者は社会で不適応を起こすこのような子どもを支援するために、認知機能を向上させる教育プログラムの作成に携わる。最後には、学校教育への期待や励ましで終わっている。 公教育とは何だろうかというのが最近の関心だ。受験に合格させるためではないだろうし、行事を成功させるためだけでもない。将来生徒が困らないようにするためという観点から、この彼の提唱するコグトレは公教育で普及される価値が十分にあるだろうと思う。
2投稿日: 2019.09.16
powered by ブクログとても面白く、ある意味で怖いと思った。星3つだが、関心のある人は是非読んでもらいたい。少年の非行の背景に知的障害があることを明確に指摘し、現在の教育が足りないことを明らかにする。書中で説明される治療法は試行錯誤の最中という印象を受けた。理解できない犯罪の背景が少し分かった気がした。
1投稿日: 2019.09.15
powered by ブクログ凶悪少年(少女を含む)犯罪は軽度知的障害が原因で、人口の14%程度いる。彼ら(彼女ら)は認知機能が水準以下で、自分が何をしたか分からないから、きっかけがあれば凶悪犯罪を実行してしまう。筆者は左の人々がよく言う「ほめて伸ばす」「自尊感情が低い」という紋切り型の言説を無効とし、認知機能トレーニングで少年の知的障害を改善できると主張している。しかし、少年の凶悪犯罪は知的障害が原因という筆者の主張は、少年に責任はない、彼らを放置した社会が悪い、という左の人々に利用されそうだ。
1投稿日: 2019.09.14
powered by ブクログ近いものを持っている子たちとずっと関わってきたので大変ためになりました。褒める教育ばかりでは改善しないと言うのも共感です。認知機能を高めるための具体的なトレーニングが載っていたのも大変良かったと思います。
5投稿日: 2019.09.13
powered by ブクログ非行少年の多くが、認知機能に問題を抱える子ども達、境界知能の子ども達である。 学校教育の中で、教科科目以外にも、子ども達に教えるべき大切なことがある。見る力、聞く力、想像する力などの認知機能を鍛えることだ。 しかし、現在の学校教育システムには、そのような機能は備わっていない。まだ、その必要性が認識されていないのかもしれない。 認知機能を鍛えることが、問題行動を起こす子ども達の支援となるならば、そして、普通の子ども達の生きる力にもプラスになるならば、早く学校教育で実践して欲しい。 2019年刊
3投稿日: 2019.09.13
powered by ブクログ認知能力の弱さから来る歪んで見える世界、 自分にも当てはまる認知能力の弱さ、 自分はたまたま非行に走らなかっただけで、 書かれている非行少年達と何ら変わらないと思った、 前半は非常に興味深い内容で一気に読めた、 後半、対策方法など説明があるが、 著者の他著書の紹介などもあり、若干冷めてた、 後半の内容に関しては、 もっと大学等を巻き込んでの大規模な実験して欲しい感じ、
1投稿日: 2019.09.12
powered by ブクログ『ケーキの切れない非行少年たち』(宮口 幸治 著/新潮社)vol.518 https://shirayu.com/blog/topstory/brain/8669.html
0投稿日: 2019.09.10
powered by ブクログ双方の意味で題名がすべてだった。社会の中で生きにくさを感じ、その上反省を強いられる日本の教育現場では非行少年が生まれるのは当然だった。これを文章にし我々に伝えた著者には感謝しかない。この本を読んだ後見てる世界が変わった気がした。
2投稿日: 2019.09.09
powered by ブクログこれは、かなり衝撃的な内容。 殺人や性犯罪などの凶悪犯罪を犯して少年院に服役している子どもの中に、無視できないパーセンテージで、認知機能が極端に低い子どもがいる、というお話。 学力が低い、という問題ではない。 学力も低いのだが、それ以前に、視覚や聴覚などの発達があまりにも未熟すぎて、その年齢の人間に当然要求される諸能力を身につけることができず、壮絶な「生きにくさ」を抱えている、という話である。 例えば、帯に書いてある図形。 「ケーキを三等分して下さい(3人で平等に分けて下さい)」という課題に対する、ある受刑者の解答である。 小学校低学年ならまだわかるが、この図を書いたのは10代半ばの少年で、何分間も考え抜いた末の解答なのである。 さらに衝撃なのは図形模写のテストで、ある受刑者が書いた図。 まるで幼稚園児か、認知症の高齢者が書いたような図だ。 正直、これは下手なホラーより怖い。 自分の隣で普通に生活している、健康そうな若者が、実はこんな稚拙な認知機能しか持たない、脳障害を抱えた人だとしたら。 幼児や認知症患者のように、本来なら保護と管理の対象となるべき人間が、成人の身体と資格(車の免許など)を持ったまま、放置されていたとしたら。 それは、本人にとっても周囲にとっても不幸なことだ。 現在、知的障害の基準はIQ70以下とされているが、これはかなりゆるめの基準らしい。 現実にはIQ85でもかなり生活に不具合が生じるらしく、このIQ70-85の境界知能の人も含めると、知的に問題を抱える人の割合は人口の約16%となるそうだ。 ざっくり言うと、35人クラスなら下位5人が該当する計算となる(実際には学校間のレベルの差があるので、単純には当てはまらないが)。 この見逃された知的障害の子に、小学校低学年くらいの早い段階で介入し、支援するのが、福祉の観点からも犯罪防止の観点からも望ましいと著者は述べている。
41投稿日: 2019.09.08
powered by ブクログ根本的に解決するのは時間がかかることで、 義務教育9年間の中でその子のことを全て知り、教育するのは大変だと思った。 ニュースで見ていて 「この人頭おかしいんじゃないか」 と思った人は沢山いるけど、 小さい頃、発達障害や知的障害があることに気づいてもらえず、 苦しい思いをした人もいるのだなと思った。 学校関係の先生になりたい若い人たちが、見るべきだと思った。
1投稿日: 2019.09.06
powered by ブクログ著者は精神科医で、現在は大学教授であるが、医療少年院で勤務していた時の経験を元に本書を執筆した。 本の帯に非行少年が3等分したケーキの図が載っており、このインパクトの大きさに驚いた人は多いだろう。 しかし、本書を読んでもっと驚いた。 筆者自身が、医療少年院でショックを受けたことは、以下のことだったという。 ・簡単な足し算や引き算ができない ・漢字が読めない ・簡単な図形を写せない ・短い文章すら復唱できない さらに、分かりやすい事例として取り上げられていたのが、病院での診察でルーチンとして行われていた「Rey複雑図形の模写」と言われるものである。 20ページに、そのお手本と、対象となった少年が実際に書いたものを筆者が再現した図が比較されているのだが、デフォルメしたのを通り越し、全く別の、まるで形の違う図形が描かれていたのだ! これは驚きを通り越し、信じられないという言葉がより適切である。 つまり、端的に言えば、重大犯罪を起こすような人間は、全ての物が歪んで見えており、認知機能に何らかの問題がある可能性が高い、ということなのだ。 従来の更生プログラムは、正常な認知力のある成人を前提としているので、前述のような認知力に欠けている少年に実施しても効果が上がらないという。 彼らには計算ドリル、漢字練習帳などの学習以前の力を育み伸ばしていかなければならないのだ。 その具体的な方法が、本書の後半に述べられている。 健常者で普通に働いている人間からすると、本書に出会わなければ、このような事実を全く知る由もないことだろう。貴重な本だと思う。世に広く知られてほしい。
3投稿日: 2019.09.06
powered by ブクログ色んな人たちの顔がよぎる、まあそうよねえという件。字も大きく行間も広いのでスルスルっと読める。当事者、保護者、支援者、関係機関様々な立場へ広くアプローチしてきたからこその伝わりやすさか。 割と教育機関への提言が強いように感じられたけれど、現場からすれば家庭で身につけてきて欲しいスキルであろう。それでも家庭の機能不全をフォローするほど、学校を含めた社会の役割は整理されていないのでは。 数字がほぼ出てこないので先生の経験の記録。根拠は…と思わなくもない。 家庭が孤立していっていることは確かだけれど、情報がセンセーショナルに出回りやすくなったから表面化しただけなんじゃないのかしらと「現代の社会問題」に対してはある程度冷静にいたいものである。
3投稿日: 2019.09.06
powered by ブクログ知的障害の可能性を視野に入れて、少年たちの言動を観察することの必要性がよくわかる内容でした。 言われてみればそうかも、と思い当たる点がいくつもありました。
1投稿日: 2019.09.05
powered by ブクログ反省以前の子供たちがいる 認知機能(見る、聞く、匂う、触る、味わう)は全ての行動の基盤であり、教育を受ける際の土台になるが そもそもの土台が歪んでいると間違って整理してこちら側の伝えたい事がうまく伝わらずに支援が空回りしてしまう。 教育というと知識技能等々の伝達をする事に意識が向きがちだが そもそもそれが理解できる程度の認知能力を持っている事が前提なので、のれんに腕押しになることも 非行少年たちの認知能力の実態、 まわりに気づかれない事の悲劇、 認知行動療法の限界。 とても興味深く読ませていただきました。
2投稿日: 2019.09.03
powered by ブクログ以前に宮口先生の講演は聞いたことがあったので、記憶を思い出しながら読むことができた。 この知識を誰かが使い、1人でも多くの誰かが少しで幸せになってくれたらと思う。
0投稿日: 2019.09.01
powered by ブクログ「ケーキの切れない」ということ。色々な体験上、薄々そういう世界を持っているのでは、と感じてはいたが、それにしてもそれは想像以上の世界だった。 この本も教育関係者のみならず、人をより深く知っていきたいと思う人達には必読の書です。 〈本から〉 「反省以前」の子どもたち 世の中のすべてが歪んで見えている? 褒める教育だけでは問題はかいけつしない 「僕はやさしい人間です」と答える殺人少年 ケーキを切れない非行少年たち 計算ができず、漢字も読めてない 計画が立てられない、見通しももてない そもそも反省ができず、葛藤すらもてない 非行少年に共通する特徴 【認知機能の弱さ】見たりきいたり想像する力が弱い 「不真面目な生徒」「やる気がない生徒」の背景にあるもの 想像力が弱ければ努力できない/悪いことをしても反省できない 【感情統制の弱さ】感情を統制できないと認知機能も働かない/ ストレス発散のための性非行 (略) 【融通の利かなさ】頭が悪いとどうなるのか?/BADS(遂行機能障害症候群の行動評価)/学校にも多い「融通の利かない子」/融通の利かなさが被害感につながる/【不適切な自己評価】自分を知らないとどうなるのか?/なぜ自己評価が不適切になるのか?/【対人スキルの乏しさ】対人スキルが弱いとどうなるのか?/嫌われないために非行に走る?/性の問題行動につながることも/【身体的不器用さ】身体が不器用だったらどうなるのか?/不器用さは周りにバレる/身体的不器用さの特徴と背景 以上、第1章から第4章まで 第5章 忘れられた人々 第6章 褒める教育だけでは問題は解決しない 第7章 ではどうすれば? 1日5分で日本を変える と続く。
2投稿日: 2019.08.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
非行少年に対する指導をいくら行ってもそれを認識できなければ意味がない。認知能力の低さは本来学校で気づくべきポイントだが見逃され、罪を犯してから「発見」される。
0投稿日: 2019.08.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自身の職務経験をもとに書いた伝記のようなもの。科学的な考察や、実地調査の手法が取られておらず、特段見識は深まりません。 最終的には、自身が主宰する組織がしているトレーニング法の宣伝になっています。
2投稿日: 2019.08.30
powered by ブクログネットニュースであがっている発達障害やグレーゾーンの切り口で書かれている犯罪をしてしまったことが書かれていた。 発達障害なのかなと思う人、人から知的障害だと陰口たたかれる人にあって、本にもかかれているような、わかったフリをされた経験があったので、心拍数が上がりながら読みました。
1投稿日: 2019.08.29
powered by ブクログ7/22 東洋経済オンライン記事で紹介され話題 少年院には「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いた……。
0投稿日: 2019.08.29
powered by ブクログ大変勉強になりました。最後に具体的な実践方法なども記載されていた点が、なおよかったです。トレーニング方法も、遊びの中でできそうなものばかりで、非常に実践しやすいと感じました。 こういった類いの本や評論は、現状を嘆くだけ、注意喚起をするだけで、具体的な指導方法というのはありません。国からの文書ですら、「寄り添い、個々にあった支援を行う」ということしか書いてありません。 もちろん、現状を正しく認識し、注意すべきことを知ることは重要です。しかし、そういった類のものばかりに目を通している人からすると、「それで、具体的には?」と言いたくなります。 教師になるのは、基本的に「いい子」です。話の通じない子ではありません。認知能力のある子です。だから、話の通じない子、認知能力のない子が、どんな苦しみを抱えているかわからない。多少煽情的な面も見受けられましたが、ある程度仕方ないのかなと思います。 おもしろく感じたのが、トレーニングにあげられていたようなことをもっと発展させると、言語技術の教育にも繋がりそうだ、ということでした。ただ認知能力をあげるだけでなく、そこから一続きで言語技術の向上にもつなげられる。無駄なことはないな、と思いました。ぜひ取り入れていきたいです。
2投稿日: 2019.08.28
powered by ブクログ2019年8月読了。 本書の帯にある「非行少年が“三等分”したケーキの図」が衝撃的だったので購入。 さらに本書20ページには「Rey複雑図形の模写」という複数の図形の組み合わせを非行少年が模写した者を著者がそのまま書き出した絵が掲載されているが、もっと衝撃的。ほとんど全くと言っていいほど図形の組み合わせや位置関係を認識できていない。「認知する能力」がこのレベルだと、おそらくは人がどんなことを言っているかという言語コミュニケーションだけでなく、表情を読み取るといった非言語コミュニケーションにも相当の難しさがありそう。 非行やそれを矯正するために“反省”させる一連のプロセスは、当人の性格的な資質や生育環境が根元にあるというよりは、そもそも他者とか自分以外の何かを認知する能力に何らか問題があり、「反省」することの前提がそもそも崩れているので諸々の問題があるという指摘。 教育というとつい知識/技能/技術の伝達に関心が向きがちだが、そもそもそれに堪え得る認知能力が備わっていることを前提としているわけで、いよいよ人に物事を伝えることの難しさを感じずにはいられない。
3投稿日: 2019.08.24
powered by ブクログインパクト 2 かかった時間 60〜70分くらい? ツイッターで、本書の帯にもある「ケーキの切り方」の画像を見て、これはすごい本が出たなあと思い、さっそく買って読んでみた。 しかし、中身は、帯以上のものではなかった。 本書の主張は、「発達障害は社会的な理解も支援の方法も広がりつつあるが、とくに軽度とみなされる知的障害は、幼少期に見いだされにくいし支援もほとんどされていない。適切な支援のなさから、適切な自己評価がてきなかったりストレスが不適切な出方をしたり周囲とコミュニーケーションがとれなかったりした末に罪を犯してしまう、というケースも多いのではないか?」というもので、それ自体は、なるほどなあと思えるものだったが、話の運び方やケースの選び方は必要以上に煽情的だと感じたし、その道の研究者・実践者として不適切な言葉づかい?表現?なのでは?と感じるところもあった。紙幅を稼ぐために不必要に箇条書きにしたり、行間をあけたりしているところも多くて、「ハイハイ、水増しした本なのね、わかるわかる」という感じがした。 さいきん、編集者?というか出版社?について時々考えるけど、筆者の問題はもちろんあるだろうが、新潮社ならもう少しちゃんと体裁を整えたり、もう少し中身のある本になるようにエピソードを求めたりという仕事ができそうなもんだけどな、と思った。
1投稿日: 2019.08.22
powered by ブクログ夜に一人の時間で読むと大分気持ちが持ってかれる。 精神科の管理栄養士で働いてたけど、そんなものじゃないね。 免疫ない人は昼に読んだ方が良いかな。 警察24時が好きな人はいつでもどーぞ。って感じ。 読んで良かった。
1投稿日: 2019.08.20
powered by ブクログ文字も読めない、言葉も理解せずパターンで対応している、といった人々と相対する医者の話。身近でない世界のことがうじゃうじゃ書かれているので気分は落ち込みますが刺激になります。そしてゲーミフィケーションは勉強できない人にとっても大事なんだなーと認識。 9歳の壁という概念は知りたくなかったー...
1投稿日: 2019.08.17
powered by ブクログ現場で起こっていることについての医学的な観点からの分析、具体的な制度の改善点・ケアの手法、著者の仮説が示されており、一気通貫した学びができる。 やや過激な主張や、フロイト精神分析のごとき(と見えてしまう)グループワークについての記述など、個人的にひっかかるところはあったが、問題提起・説得材料としては熱意と具体性があって良い本だった。 このように問題を起こす子供たちについて、軽度障害として施設等でケアを行うのか、教育の現場や地域でケアを行うのかについては、かかわる主体の人々が彼らへどのように理解を示しているか、人々がどういう性質かに大きくよるところがあり、施策の根拠としては一概には言いづらい。 そのような中で、学校での朝の会5分を用いた教育というひとつの現実的な解決策を導きだし、納税者を増やすという公共への説明手段も用意しているのは良い。 今後彼らのパーソナリティの分析が進めば、児童養護など、より幼少における教育・訓練が重要になってきそうである。
1投稿日: 2019.08.17
powered by ブクログ遠い存在の非行少年だが、その特徴や苦手としていること、置かれている立場に思いのほか共感してしまった。 この本に書かれている少年達ほど困っていなくても、同じようなことがうまくできない人はきっと多いと思う。 知的障害に対する理解が広がり、トレーニングが教育現場やインターネットなどで気軽に誰でもできるようになればいいなと思った。
1投稿日: 2019.08.15
powered by ブクログ自分の中の考え方が広くなる一冊でした。 周りであれ?っていう人と少年院に入る子どもと同じような特徴があり、それは支援の必要性につながると気づきました。 特に、教員(特に特別支援で困っている人)や周りに支援を必要としている人がいる人にオススメの本です。
0投稿日: 2019.08.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治 ・ 罪を犯した少年のうち、知的障害や発達障害を持つこどもたちが集められる医療少年院で児童精神科医を努めてきた著者の本。 ・ 軽度知的障害による認知のゆがみが引き起こすトラブル、原因が把握できず間違った支援や教育をしてしまい、よりこじらせてしまうプロセスを解き明かされ、あの子この子の色んな場面を思い出して胸が詰まる。 ・ 「障害を持った子ども達は本来、大切に守り育てないといけない存在です。それなのに加害者となって被害者を作り、矯正施設に入れられてしまうのです。まさに『教育の敗北』と言っていい状況です。」 ・ 表題の「ケーキが切れない」というのは「3等分」が理解できないということ。丸いケーキを後先考えず、半分に切ってしまい「あっ、3つやった」と半分をさらに2つに切る。等分にはなっていない。 ・ 先が予測できない。形の認知ができない。そんな若者達に出会い、著者は「気づかれないこどもたち」の存在を認識し、予防の必要性を訴えている。 ・ サインの出し始めは小学校2年ぐらいから、と著者は指摘する。わかる。不真面目なわけではない、わざとじゃないのに、指示が聞こえない、理解できない、漢字の形が正しく見えない、行動の先の相手の気持ちが想像できない……。 ・ 医療少年院に来るこどもの多くが、いじめられた経験を持っている。身体的に不器用な子も多く、ボール遊びやダンスができず、からかわれたり排除されたりする。リコーダーやピアニカも苦手な子がいる。教科学習以前の「認知機能」をトレーニングしなければならないのに、見落としてしまう。 ・ 「学習以前」の部分は家庭の役割とも言えるが、家庭に気づきや力が無ければ学校教育に取り入れていく必要がある。現場の負担を増やすのかと言われそうだが、原因を気づかないまま教室でその子を取りこぼし、荒れることで発散したり、来なくなったりする方が大変とも言える。 ・ 本来の教科指導や学級運営に注力するために、一日5分でできるトレーニングが紹介されている。「コグトレ」については、以前から耳にしていた。 http://www.cogot.net/custom.html ・ この本の最もいいところは、学校現場の取り組みやよかれと思ってやっている取り組みを、少し離れて考え直すきっかけをくれることだ。 ・ なかでも「『自尊感情が低い』をいう紋切り型フレーズ」の章にはビクッとさせられる校長は多いと思う。学校運営の方針には、必ずと言っていいほど入っている。アンケート項目が指標になっているから。 ・ そもそも自尊感情って大人でも高くなったり低くなったりするでしょう、という問いかけに、アップダウンの激しい自分は納得する。 ・ 「問題なのは自尊感情が低いことではなく、自尊感情が実情と乖離していることにあります。(中略)要は等身大の自分を分かっていないことから問題が生じるのです。(中略)無理に上げる必要もなく、低いままでもいい、ありのままの現実の自分を受け入れていく強さが必要なのです。」 ・ 大人でもこの「強さ」が持てなくて悩むのだけれど、「付き合い方」と考えれば理解できる。いじめられたストレスを解消できず、後先考えずに非行に向かうこどもがいる。大人だって、それなりの立場の人が「イライラしていたから」という理由で罪を犯すニュースがしょっちゅう流れている。 ・ 褒めるだけではだめ、根本原因を把握してトレーニングする、そして「自分の状態」に気づくきっかけを集団の中で作っていく。困難を抱えるこどもを、加害者にしてしまわないために。 ・ 就労支援や若者支援の現場でも活かせるので、多くの人に読んでほしい。「やる気がない」「言うことを聞かない」のではなく、説教が長すぎる、指示がわかりにくい、手先が動かないことが原因かもしれない。 ・ そして前回紹介した『むこう岸』にあったのと似たフレーズがこの本にも出てくる。「犯罪者を納税者に」……「教育の敗北」を繰り返さないために。区として機会を作って、現場の先生達と一緒にもっと学びたいと思った。 ※この感想はインスタに掲載したものの転載です。
1投稿日: 2019.08.13
powered by ブクログ『ケーキの切れない非行少年たち』という妙なタイトルの新書本を立ち読みしてみた。精神科医の宮口幸治さんが医療少年院勤務時、重大犯罪や非行を繰り返す少年たちに接してきた記録だ。彼らは素行が悪かったり性格が歪んでいるというより、軽度の知的障害が原因であると。 「少しだけ勉強ができない」「少しだけ社会性に問題がある」という事で、まっすぐに各個人の問題点に向き合わないのがダメだと。筆者が少年たちにさまざまなテストを行ったが、彼らはみんな積極的に取り組む。通学している間も先生によっては、社会に馴染めていた子もいるとの事。 本書に登場する「非行少年たち」も受け入れる側が助けを必要とする者をどういう風に取り扱えば良いかが判っていないのでは。受け入れ側の「知的想像力の欠如」も問題なんだろう。本書の内容からは外れるが、ネグレクトとかいじめとか、ヘイト感情とか共通するような。
1投稿日: 2019.08.11
powered by ブクログよき。きちんと具体的な対案を出すの、とてもよい。褒めるだけ、傾聴だけじゃあだめ、というのは、小栗氏の主張にも通ずる。それ以上にソーシャルスキルトレーニング(SST)に対する批判もよい。認知行動療法は、認知が適切であることを前提とした介入というのはものすごくわかる。いちおう、認知の歪みに対するプログラムもあるけどね。あと、グループワークだいじ、みたいなのもサラッとある。よきよき。
1投稿日: 2019.08.11
powered by ブクログタイトルに惹かれて購入。なるほど〜!!この分野にいる人にとって、知ってるのと知らないのとでは大きく違ってくる知識。私は専門外だけど興味深く読んだ。なるほど〜!
0投稿日: 2019.08.06
powered by ブクログ非行少年たちの能力の実態と、それがまわりに気づかれないことの悲劇、認知行動療法の限界。希望が持てる気がするのは、認知能力はトレーニングで伸ばせそうなこと、人としての普通の気持ちに働きかけることで改善の余地があること。
0投稿日: 2019.08.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ケーキの切れない非行少年たちー現在は大学教員として臨床心理系の講義を担当する著作者がコグトレの開発者です。
0投稿日: 2019.08.03
powered by ブクログこの著書でいう知的障がいというものが愛着や愛情問題にも密接に関係しているのではないかなと思った。こどもたちを守るためにもまずは親をはじめ大人が教育される必要があることも感じた。
1投稿日: 2019.07.31
powered by ブクログ悲惨な事件のニュースを見聞きすると、憤りの気持ちが湧いてくる。 しかし、この本を読めば見方が変わると思う。 ワイドショーで奇妙な事件として報じるのも、ネットで私刑するのも、めちゃくちゃズレている。「罰を重くすればいい」という意見も無意味に思えてきた。 そんなに単純な問題ではない、ということを知った。 今までの自分は無知すぎた。知れてよかった。 同級生にケーキが等分できない人がいたのを思い出す。 全く訳のわからない切り方をしていた。 当時、みんなで悪気もなくネタにしていた。 その人は他にも不思議な行動がたくさんあった。 そのときは非行するようなタイプではなかったけれど、色んなことができなくて、「やる気がない」とよく怒られていた。 本の内容と重なるところが多くて複雑な気持ちだ。
6投稿日: 2019.07.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
著者の経験によると、少年院にくるようないわゆる「非行少年」のうちのかなりの割合が、知能や認知能力になんらかの問題(と呼ばれるレベルにある)を持っているという。彼らに提供されるプログラムは「提供されたプログラムが理解される」という前提で作られているため、そもそもの認知能力に問題がある場合には、ほとんど効果がないというのが問題であるということが繰り返し述べられている。 個人的には本書に書かれているような知識はすでに持っていたため新しいと感じられる部分はなかったのだが、子供を持つ人間として怖いと思ったのは、むしろ前半部分。 自分の欲求や感情にある意味「正直に」生きてしまうために、あっさりと人を殺したり傷つけたりしてしまう可能性があるということは、そのような偶発的な事件は一定数発生してしまうということである。本書のテーマではないが、自分の子供をどのようにして守っていくのか・・・という視点からは、著者の主張とは全く異なる絵が浮かび上がってくる。
3投稿日: 2019.07.29
powered by ブクログ学校現場で認知機能のトレーニングなど、取り入れたりしてほしい。 現場任せになっていないだろうか? もっと組織的に取り組むべきことではないだろうか。 手厚い教育のためには国がお金をかけるべきことにかけてほしい。
1投稿日: 2019.07.24
