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ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)
ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)
宮口幸治/新潮社
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総合評価

1261件)
3.8
256
534
334
39
11
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    認知が歪んでいる少年たち。子供と関わるときの参考にしたい。 これを踏まえて保管文献を読んだりするのに最適な一冊だと思った。 コグトレについての本も手に取ってみたい。

    0
    投稿日: 2025.11.17
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    簡単な計算ができない、読解能力がない、計画性がない。少年犯罪者の中には、こうした脳の認知機能に欠落のある子どもが多いということは理解できた。認知機能トレーニングにより脳機能の障害を克服するという活動は素晴らしい。ただ、それを普通の学校へ求めるのはあまりにも負担が大きいのではないかと思う。 なぜやったのか?どうすれば防げるのか?という著者の問いかけに対して、まず最初に浮かぶのは家庭環境の見直しと改善。変わろうと思った少年たちの実際の声を見ると、家族からの承認や愛情に飢えていることがわかる。「先生は僕のことを真剣に考えてくれる」「先生から信頼されていると気がついた」「先生を裏切りたくない」等。 著者曰く、少年院の子どもたちは、「頼りにされたい」「認められたい」という気持ちを強くもっているとのこと。そして子どもが殺人を犯しても、その問題を理解・受容しない親の存在を、著者は目撃している。これが元凶であり、答えなのではないかと思う。 いくら学校で認知機能トレーニングを行なったところで、家庭環境が乱れていれば元も子もない。しかし、成人した人間を矯正することは現実的に難しい。それを踏まえると、まだ幼い少年をトレーニングしたほうが、将来的に改善できる可能性は多少高いのかもしれない。非常に繊細で難しい問題である。 また、家庭と学校の外部に「第三の世界」を持つかどうかは、少年が自尊心を形成できるかどうかを大きく左右する。それは信頼できる他者・自分より弱い生き物・習い事・コミュニティなど、愛情と承認を得られる場所であれば成立する。例えば少年犯罪者たちにとっては、その場所が少年院であり、信頼できる大人が著者の存在だったように。 結局、問題は家庭内だけに閉じておらず、環境の多層化に成功できるかどうかが、少年を非行から遠ざける鍵になっている。

    2
    投稿日: 2025.11.17
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    いつ頃からか、Xの煽りで「ケーキ切れなさそう」といった文言をよく見るようになり、何となく本書のタイトルは知っていたものの読んだことはなかったので、気になり読んでみた。 少年犯罪者たちの実態、発達障害や知的障害について、現在の教育上の問題点、じゃー結局なにが有効なのか?という点(コグトレ)について、へぇ〜と思うことが多く、勉強になった。 一番は、こういった少年犯罪者たちに真摯に向き合い、解決の方法を探り研究を続ける筆者に頭が下がらない、という点を強く感じた。特に非行少年を納税者に変えて日本の国力を底上げするという想いには感服した。犯罪のニュースを見ると、軽率に「一生刑務所から出てくんな!」と思いがちだったので、その視点がいかに浅はかだったかを感じて反省した。 筆者はきっと、Xでの煽り文句に本書のタイトルが使われるような状況を、嘆いているだろうと思った。

    0
    投稿日: 2025.11.15
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    さまざまな犯罪を犯すような少年たちはただの非行少年ではなくなんらかの障害をもち適切な教育や福祉を受けれていないんだなと。発達障害や知的障害はわかりやすければすぐに発見されるがいわゆる境界性の人たちは健常者として扱われ苦しい生活を送りそれが非行へとつながっているらしい。 適切な教育を与えれば犯罪は減らせるんだろうけど教師たちの負担が大変そう。本編で非行少年たちの特徴が挙げられていてなんか自分に当てはまるやんとか思ったけど程度が全然違うんだろな。見たり、聞いたり、想像したり、記憶したりと認知機能の低下が重要らしい。

    0
    投稿日: 2025.11.15
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    何年か前にとても話題になった本ですね。タイトルの付け方が秀逸で感心した覚えがあります。こないだいつも行く図書館の返却棚に入っていたのでついでに借りてみました。 タイトルにもなってる少年たちは第一章に出てきます。 現実が正しく認知できない。見たもの、聞いたものが理解できずアウトプットもできない。時間の概念もないので我慢ができない。 今までそういったものを学習する機会を奪われた、もしくは習得できなかった、本来なら保護されるべき少年たちが加害者となり少年院に入ってしまう現実を教えてくれます。 少年たちのズレは確かに衝撃だし、これでは説教したところでわかるわけがないと思います。 鈴木大介さんの『貧困と脳』とアプローチは違うけど同じ方向性だなと思いました。 世間が持つ偏見や制度の未整備などを訴えつつ、地道に取り組んでいる中で書かれた本で、説得力があると感じました。

    14
    投稿日: 2025.11.14
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    最初にこのタイトルを見た時は教育をちゃんと受けられなかった児童の話だと想像したけど結構違った 教育ももちろんそうだけど障害を持った子について詳しく述べられていた 褒める教育は一見良いように聞こえるけれど問題を先延ばしにしてるだけってその考え方は初めてだった 最もだと感じた 思ってたよりも専門用語やIQなどについてのアルファベットが多くて理解するのが難しい部分もあった

    0
    投稿日: 2025.11.07
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    イジメや虐待で被害者だった少年達が加害者になってしまっている現状、また支援がされていれば加害者ならずに生活できていたかもしれない少年達。 会社にいる境界知能だと思われる人達も同じミスを繰り返したり、質問に対する返答がズレていたりする。 彼らの子供の話を聞くと、遺伝してるなと感じる事が多い。 知能の高い低い関係無く、子供の教育の一環にコグトレの様な内容を入れても良いのでは無いかと思いました。 家庭学習としても楽しめそうな気がしました。 そもそもイジメや虐待は、しなくて良い経験だと思うので早く無くなって欲しいかぎりです。

    0
    投稿日: 2025.10.23
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    ケーキの切れない非行少年たち 2025.10.22 大学で現代社会と人権の講義をうけ、この本の存在を思い出した。 講義内でも『3等分せよ』と先生が投げかけて、結構色々な答えがあった。ある程度同じぐらいの学力を持つ集団内でさえそれはないだろ〜と思ってしまうようなものもあって、本当に人それぞれ世界の見方は違うと実感。この話は非行少年に限らず、誰にでも当てはまるものだ。またバックグラウンドがどの程度私たちの価値観に影響を与えるのか気になる。 ひとはだれでも置かれた環境では頑張っているという話があるが、頑張る方向が正しく認められないだけで非行少年も頑張っているのだろう。 偏見や価値観とどのように向き合っていくべきなのかなにが正しくてなにが違うのか、それを誰が決めるのかよくわからなくなってしまった。

    2
    投稿日: 2025.10.22
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    小耳に挟んで読んでみた。そもそも論見えている世界が違う可能性を聞いた時は度肝を抜かれた。自分にとって当たり前に見えていた世界や価値観が彼らにとっては当たり前じゃないのかもしれない。特に認知的段階での違いとなると外部からのアプローチや気付きがしにくかったり遅れたりすることもあるだろうし、教育現場での把握や対応にも限界はあるだろう。だからこそ、そのバランスや線引きが非常に難しく感じた。何がいいのか正直答えは出ないが、少し考えの幅が広がったと思う。

    0
    投稿日: 2025.10.21
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    図形が正しく模写できないことが衝撃だった 今目の前に広がっている光景が歪んで見えてるのか 自分が見えている世界とは違うかもしれないとは 共感できるはずもないと思った またそうしたことが気づかれずに大人に、親になって虐待を行うということも、恐ろしいと同時にああそうかとも思った 普通だと思っている忘れられた人が気づけないことはもちろんだが、おそらく普通の大多数が気づいてあげられないことが恐ろしいと思った 自分の中のかもしれないがひとつ増えたので読んだ価値があったと思う

    0
    投稿日: 2025.10.21
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    話題なったのは少し前だけど読んでおいてよかった。 自分が属している社会にはいない人が存在するということ。それを認めるとか認めないとかの以前に、存在するという事実を知るかどうかで、さまざまな社会ニュースの見方が変わると思った。

    0
    投稿日: 2025.10.18
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    そうなのか!と気づきのある内容でした。 自身には思春期の女の子がいて、犯罪からどう守るかを考えることが多いですが、加害者になってしまう可能性のある人のことも知れました。 かと言って、仮の話として、もし、私たちの娘が被害者になることがあれば、どんな理由があっても加害者を許すことはないでしょう。 そのような負の連鎖が起こらないように、多くの日本人、特に子どもの関わる人、教育のやり方を考える人には読んでもらいたい本だと思いました。

    0
    投稿日: 2025.10.16
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    タイトルからもっとアグレッシブな内容を想像していたが、実際には「境界知能」とされる人たちへの支援のあり方を問いかける一冊だった。 著者は、当事者やその家族が直面する困難、社会制度の隙間、そして支援が必要なのに届かない現状などを、丁寧に掘り下げている。 昨今話題のみいちゃんと山田さんが扱っているテーマとも近く、読んでいて胸が締めつけられる思いもあったが、それでもこうした現実を知ることは私たち全員に必要だと感じた。 弱い立場の人々が置かれている状況や支援の不十分さに光を当て、社会全体で考えるきっかけを与えてくれる本だと思う。

    6
    投稿日: 2025.10.04
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    児童精神科医としての病院勤務を経て、少年院で法務技官となり、現在大学の先生となった筆者の仕事ぶりがわかる書籍。医師であり法務技官であったからこそ出てきた結論が書かれている。 少年院に送られてきた子どもたちにはどんな特性があるのか、そこに焦点を当てて対応策を考えないと、出所後も彼らの人生における困難は変わらない。対人スキルの問題も理解力の問題も、知的境界領域にある子どもたちゆえの特性とわかれば対応の仕方も変わってくるのだろうが、彼らの場合は、彼らの特性に気づける大人がいなかったから少年院に来るようなことになってしまったと筆者は言う。 主張は明確で繰り返されているので読みやすいが、終始同じ主張が繰り返されている感もある。

    6
    投稿日: 2025.09.23
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    いつもとはまた違ったタイプの本にチャレンジしました。何回も読んで反芻することをしてみたいと思う本でした。

    2
    投稿日: 2025.09.21
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    非行少年は元より脳に障害がある点にフォーカスしてた。例示読んでくると自分に当てはまってる気がした。非行止まらん。

    1
    投稿日: 2025.09.19
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    レビューを書き損ねていたので、今覚えてることのみメモ。 適切な支援を受けられずに困っている子どもたちは本当に山ほどいると思う。その親も然り。その先生も然り。国はもっと教育に予算をかけて、一人一人の子どもに合ったプログラムを提供すべき。現場の教師の裁量に頼るのはいい加減にやめてほしい。全国一斉学力テストをやめたら毎年約35億捻出できる。一人一人が輝く、とまではいかなくても、普通に暮らしていけるように、義務教育のあり方をみんなで見直していけたらと切に思う。そのために尽力されている作者に尊敬の意味を込めて星5です。

    7
    投稿日: 2025.09.17
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    タイトルがなかなかに衝撃的でちょっと話題になった書籍、読了 (今日テレビで語彙を増やす話をちょっと見たので、そういう感じにメモを残すことにする) 思っていたよりも、いわゆるボーダーの割合が多いことに驚いた。 そして著者の経歴にも驚いた。 京大の工学部出て、神戸大の医学部を卒業とか、わけわからん。 いろんな人がいるもんです。 自分が想像できる範囲は、自分の想定内だけということを思い知った感じ。 犯罪を犯して、現に被害者がいるという状況においても、自分は優しい人間であると言えてしまう、なんというか、、自分の常識を超えてくる チョットナニイッテイルカワカラナイ 同じ言葉を使っているのに、どんなに言葉を尽くしても絶望的に分かり合えない感じに似てる 恐ろしいとすら思う。 読み進めるにつれ、痛い、しんどいと感じた。 認知機能に問題のある少年に絵を写させるテストで、あぁ、多分全然違うものが見えてるんだろうな、ということだけはわかった ちょっと違う、と気づかれていても、適切な対応をしてもらえないことで、虐待やいじめの被害者となり、犯罪を犯して、被害者をつくってしまう。 そんな負の連鎖のようなことが起こっているかもしれないことをとても悲しく思う。 以前見た、映画プリズンサークルで行われている、対話による更生プログラムも共感から想像を促し、犯罪によってもたらしたものを理解してもらう、みたいなことをやっていたけれど、そもそもの認知機能に問題があったとするなら、それすらわからないのではないだろうか。 友人にこの本の話を向けたら、こうゆう人いっぱいいるよ、と返ってきた。 犯罪は犯していないけれど、ちょっと困る人は確かに存在する。 こちらが困る人はきっと、困っている人(自覚があるかどうかは別として)でもあるんだろうな。 そういう気づきを得た。

    1
    投稿日: 2025.09.13
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    若年からの知的障害がもたらす障害と非行の関係、認知機能の欠如が子供の成長に大きな災禍の元となる。 表題にある「粗暴な少年がケーキを等分に切れない」という意味の深さと、周囲に理解されずに育った故に社会との接点を無くしていく。 一括りに非行少年=悪と言えない葛藤やもどかしさがあった。

    0
    投稿日: 2025.09.11
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    世界が歪んで見える。犯罪という認識が弱い非行少年たちの生きずらさは読んで共感した。実際僕もIQ73の境界知能と診断されました。学生時代は勉強もスポーツも一切できないのび太くんみたいな生徒でした。授業は上の空言語理解が低いから答えの際先生に当てられるのが怖くてビクビクしてた。結局当てられた際は何も回答できずずっと突っ立ったままで叱責されるのが日常茶飯事でした。小学生までは右と左を瞬時に判断できず体育や集会の際回れ右と指図された際自分だけ一歩遅れて回ったりとか頭の回転が鈍い子供でした。スポーツも本書にかかれてたキャッチボールができないまさに僕のことみたい球技なんか全般壊滅です。

    0
    投稿日: 2025.09.11
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    新たな視点だった。行われている矯正プログラムが、何の為にしているか分からない少年たちもいると初めて知った。私たちは改めて日々、実はすごい頭を使って生きているんだなと実感する。当たり前のように出来るから、それが出来ないということが全く頭を過ぎらない。だからこそ余計に気づきにくいのだろう。 朝の会でコグトレを取り入れるのはとてもいいと思う。

    0
    投稿日: 2025.09.06
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    この本は2019年に発行されたとあるので、もう6年も前なのかと驚いた。 書かれていることは結構な衝撃で、その対策も本当に急務なのだなあと実感した。必ずしも犯罪者が全て知的障害者な訳じゃないが、この著者が提唱されているようなことで再犯を防ぐことは可能なはずで、まずはそこを国を挙げてやって行く必要があるのだろう。 しかしその方法を持ってしても、犯罪者となっていない予備軍という人たちはなかなか治せないわけで、いかに犯罪者となってしまう前に見つけるのか、気が遠くなるような思いがした。 それはそうと、案外、自分も何らかの障害は実は持っているのかもしれない…

    0
    投稿日: 2025.09.04
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    ★★★★☆星4 知らない世界がありました。発達障害、知的障害、何らかの生きづらさを抱える少年たち。はるか昔自給自足の生活であれば今ほど生きづらいことも少なかったのかなと思います。全体の14%という数字の高さにも驚きました。社会が高度化すれば便利になり、生活の質を上げようと頑張っているのに、苦しむ人たちが増えて、落ちこぼれ、犯罪にそまっていく社会。

    0
    投稿日: 2025.08.29
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    法を犯すのにも理由がある。 その認知の仕方を明らかにして、治療(教育)していくことが大事。 それがたとえ学校でも。

    1
    投稿日: 2025.08.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分自身も発達障害でこの本読んで共感できることだらけだった。 日本の刑罰制度についてもっと熟慮すべきだと感じたし、犯罪心理学や犯罪抑止の徹底化(被害者を出さないよりも加害者を作らない教育)が必要だと強く考えさせられた。 また、認知機能の強化により、歪みをある程度矯正できることもわかったので、主治医と相談してなんかかしらのモノを試せたらやってみようと思う

    0
    投稿日: 2025.08.20
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    目から鱗の内容でした。勉強以前の段階、全ての土台となる認知機能が低いことによって勉強ができないだけでなく適切な治療を受けられない・周りから理解されないと言う点は深く心に残っています。コグトレを通じ、犯罪者を納税者にという締め方も驚きです。

    0
    投稿日: 2025.08.14
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    衝撃的な内容でした。まだ若い少年が 犯罪を犯したニュースを観るたび、 昔に比べてキレやすい子が増えたなぁ、 家庭環境が悪かったのかなぁなんて 漠然と思っていたけど、既にこの状態が 社会問題だっていうことに気づかされました。 この子達は、反省以前の問題で、 認知機能が弱いことにより、そもそも 何が悪かったのかすら理解できていない とのこと。 勉強不得意で対人関係も苦手とする 彼らにとっては、とても生きづらい 世の中だったのだろうと想像がつきます。 さらに過去に親からの虐待を受けていたり、 クラスメイトからいじめを受けていたり、 それが非行の根源となることも多いらしく、 読み進めれば進めるほど、同情の感情が 出てきました。 著者のいう本書の目的は、以下の5点。 ①非行を防ぐためにはどうしたらよいかを 考えること ②非行少年やそのリスクをもつ少年に対する 効果的な教育法を考えること ③加害少年への怒りを彼らへの同情に変えること ④非行少年によるさらなる被害者を減らすこと ⑤犯罪者を納税者に変え、社会を豊かにすること。 私のように、この本のタイトルに 引き寄せられ、読んでみようとする人達が 増えたらいいなと思いました。

    7
    投稿日: 2025.08.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自尊感情は低くてもいい 等身大の自尊感情を持つのが良い 形の恒常性 認知行動療法は認知行動に問題がないことを前提としている 自覚状態理論 自己への気づきと自己評価の向上

    0
    投稿日: 2025.08.11
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    2025.8 1冊目 学習障害等で特別支援学級に入る子が昔と比べて増えたことに対して、気にしすぎな人が増えたなぁ…昔だったら今入るような子も同じクラスで生活してたのに。と思っていたけど、子供のことを考えるともっと気にして考えなきゃいけないんだと考え方が変わった。 国語や数学のような教科も大事だけど道徳って本当に必要な授業だったんだなと、この本を読んで気付かされた。もっと真面目に受けておけばよかったなぁ…。

    2
    投稿日: 2025.08.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    第6章 褒める教育だけでは問題は解決しない p.123  支援案で定番なのが「子どものいいところを見つけてあげて褒める」です。 …やはり事例に挙がってくる子どもは勉強が苦手、  運動も苦手、対人関係も苦手で、褒められると  ころはそうそう簡単には見つかりません。  そこで、少しでもいい所を見つけてあげようと  通常なら社会で褒められるほどのことでもない  ようなことでも褒めてしまいます。 …褒める。話を聞いてあげる。は、その場を繕うの  にはいいですが、長い目で見た場合、根本的  解決策ではないので逆に子どもの問題を先送り  にしているだけになってしまいます。 …小学校では、褒めることや話を聞いてあげること  で、何とか乗り切れたかもしれません。しかし、  中学校でうまくいかない、高校でもうまくいか  ない、社会ではさらにうまくいかないとなった  ときに、「誰も褒めてくれない」「誰も話を  聞いてくれない」と言ったところで、何の問題  解決にもなりません。   p.125  自尊感情が低くても社会人として何とか生活  できているのです。逆に、自尊感情が高すぎる  と自己愛が強く、自己中のように見えてしまう  かもしれません。大人でもなかなか高く保てな  い自尊感情を、子どもにだけが「低いから  問題だ」と言っている支援者は、矛盾している  のです。問題なのは自尊感情が低いことではな  く、自尊感情が実情と乖離(かいり)しているこ  とにあります。何もできないのにえらく自信を  もっている。逆に何でもできるのに全然自信が  もてない。要は、等身大の自分をわかっていな  いことから問題が生じるのです。 …無理にあげる必要もなく、低いままでもいい、  ありのままの現実の自分を受け入れていく強さ  が必要なのです。 p.140  ソーシャルスキルトレーニングは認知行動療法  に基づいていますので「対象者の認知機能に  大きな問題がないこと」が前提になっています。  認知行動療法は、考え方を変えることによって  不適切な行動を適切な行動に変えていく方法  ですが、考え方を変える以上、ある程度の聞く  力、言語を理解する力、みる力、想像する力、  判断する力が必要なのです。 …対象者の能力を考慮せずに、ソーシャルスキルを  あげるにはとにかくSSTを、といった形式的な  対応がなされていることもあるのです。 P150  自己への気づきと自己評価の向上  人が不適切なところを何とか直したいと考える  ときは、「適切な自己評価」が、スタートと  なります。自己洞察、自己内省が行えるのです  そして、理想と現実の中で揺れ動きながらも、  自分の中に「正しい規範」を作り、それを参照   しながら、今度から頑張ろうと努力し、理想の  自分に近づいていくのです。  そのためにはやはり、自己を適切に評価できる  力、つまり、自分はどんな人間なのかを理解  できることが大前提なのです。  事故に注意を向けることで自己洞察や自己内省  が生じる背景に、自覚状態理論というものが  あります。自己に注意が向くと、自分にとって  とても気になっている事柄に強く関心が向く  ようになります。その際、自己規範に照らし  合わせ、その事柄が自己規範にそぐわないと、  不快感が生じます。この不快な感情を減らした  いという思いが、行動変容するための動機づけ  になる、というものです。 P145  自分が変わるための動機づけには、自分に注意  を向け、見つめ直すことが必要です。  これまで社会で失敗し続けて自信をなくして  きた彼らが、集団生活の様々な人との関係性の  中で、自己への気づきがあること。そして様々  な体験や教育を受ける中で、自己評価が向上  すること。の2つなのです。

    0
    投稿日: 2025.08.09
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    どうして、後先考えない、場当たり的な事件を起こす人達がいるのか不思議だったけれど、この本を読んで理解出来た。このような脳の仕組みの人がいる事に衝撃を受け、まだまだ分からない部分が多いとしても、著者が解明した事の大きさは計り知れないと思った。

    0
    投稿日: 2025.08.07
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    第1章p.20、非行少年によるRey複雑図形の模写の再現図を見た時の衝撃は忘れられません。これを見て一気に引き込まれました。 認知の歪みがこれほどまでとは…と、非常にショックを受ける内容でした。わたしたちが出来るサポートは一体どういうものなのか、非常に考えさせられる一冊でした。

    0
    投稿日: 2025.08.05
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    非行少年が犯罪に至る根本的な原因、また彼らに対する教育のあり方を解説されていて、非行少年への理解が深まった。

    0
    投稿日: 2025.08.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人は更生できる、だから犯罪を犯した場合はとことん反省し、毎日被害者のことを考えながら生活し、2度と同じ過ちを繰り返してほしくない、だから死刑なんて意味もないと考えていた。ずっと読みたいと思っていた本。 恥ずかしながらこんな実態であることを知らなかった。むしろ犯罪を犯す人は貧しさや家庭環境などの負の連鎖で自暴自棄になって起こすものだと思っていたし、自分の子供を含め発達障害の人との関わりがなかったためどんな人なのかも知識がなかった。 これまでに事件のノンフィクションを読むことも多かったが(本棚に登録してないけど)、事件を犯した経緯が理解できないものもあり、おそらく配慮上、発達障害の特質が描かれてなかったのかなと思う。 序盤は簡単な図が描き写せないという実際の絵が掲載されており、衝撃を受けた。これでは自分が何をしたのか、相手がどれだけの被害を受けて傷ついているのか、周りからの注意なども理解できない、同じことを繰り返すことの理由がわかった。 後半には凶悪事件の犯罪者の診断結果が少しだけ載っており、本人がというよりも脳の機能の問題が本人を操っているような気がして恐ろしく感じた。 それでは具体的にどうしていけばいいのか、国は早急に考えるべき。無意味に少年院や刑務所に入れてもなんの解決にもならないことを。 発達障害のテストがどういうものか、具体的に掲載してほしかった。

    0
    投稿日: 2025.07.20
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    非行少年の中には、反省する以前の、自分のやった非行に向き合い被害者のことも内省すること”自己洞察”ができない子が多い、まずこの部分に衝撃を受けました。 発達障害、知的障害、そして認知機能障害、様々な障害を複数またがった状態で持つネットワーク障害による非行や犯罪というものに対して、既存の教育や司法の取り組みだけではなく認知機能トレーニング、コグトレの可能性にも宮口さんは言及されています。 非行や犯罪の背景には、生活や家族的背景、トラウマや虐待の可能性すら見えてくる… 先に読んだ凸凹のためのおとなのこころがまえ。ここに出てくる人たちは、周りの大人が当該の患児に対して何らかの障害を感じて、医療的介入のために医師のもとを訪れたり、学校の先生などに教育的援助を求めたりしているが、ここに出てくる非行少年たちはそこからあぶれた存在、忘れられた存在として語られており、そこにすら経済的というか、なんらかの格差を感じた。 IQが高くても低くても、何らかの障害を持ち犯罪や非行に至るところの理解は、様々な障害が関係しているのだと少しばかり理解できた気がする。そして脳機能の話が特に興味深かった。ちょうど認知症の始まりに前頭葉の衰えの話がある。怒りっぽくなる、いわゆる易怒性の話。前頭葉の神経障害や脳腫瘍の話と犯罪を絡めて語っているところが印象に残った。

    13
    投稿日: 2025.07.18
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    「少年院にいる子どもたちはケーキを等分に切れないくらい認知機能が低い」から始まり、少年院の子たちの実態を描きつつ、更生や犯罪予防に必要なことを論じていく本 周りから気づかれないくらいに視力や聴力が低かったり上手く体を使えなかったりして、そのせいで勉強や運動が苦手になり、そのせいでいじめをうけて、学校からドロップアウトして非行に走った人が多いというのがなんか納得がいった

    9
    投稿日: 2025.07.11
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    犯罪を犯す人たちの気持ちや考えがずっと理解できなかったが、そもそも認知能力が低く、自身の行為さえよく分かっていない人がいるということが衝撃だった。自己評価の低さから非行に繋がる流れも腑に落ちた。そして、IQ検査では取りこぼしてしまう、本当は支援が必要なのに支援に繋がれない子どもが1クラスあたり約5人もいるとは…教育現場でそういう子が取りこぼされない仕組みができるといいな、何か私も支援できたらいいなと思った。

    0
    投稿日: 2025.07.08
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    犯罪を犯して少年院に入っている子どもには、「反省以前の子ども」が沢山いるようだ。 ここにいる多くの子どもたちは、何かしらの知的障害や身体的障害を抱えている場合が多い。 非行少年たちと関わる機会は少ないだろう我々は彼らの矯正治療は直接することはできない。しかし、認知機能が低いといったハンディキャップを抱えている子どもが出しているサインにいち早く気づくことはできるかもしれない。彼らは小学生低学年頃から何かしらのサインを出しているようなので、犯罪者を出さないためにも、多くの人がこの本を読んで現場を知ることを願う。

    0
    投稿日: 2025.07.06
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    一時期話題になった新書を読んでいなかったので、試しに。子ども達と密に関わる人は読んでおくべきだろう。

    0
    投稿日: 2025.07.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    非行少年の特性について、その少年たちの特性と自身の体験談を交えてまとめた本ではあったが、同じような内容の連続や、結局的にどうすればいいのかという部分も大きな示唆をもらえたわけでもなく、事実としての情報や知識を得られたというレベルになってしまった。 印象的だったのは、問題行動を起こす場合のほとんどは、その認知能力にあること、計画性 【こういうことをすると、後でこうなる といった先読みを行う力など】が弱いことで、人から見ると理解しがたい行動を引き起こすことがあるということ まずは周囲がその人間の持つ能力を理解し、本人もまた自分を等身大で理解する力をもち、そのうえで他者から認められたい、他者と理解しあいたいという思いを共感できるようにすることが大切

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    投稿日: 2025.06.29
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    この本は娘の読書感想文の題材として買ったものだが、彼女が読まなかったので代わりに読書感想文を書いてみる。 前に読んだ最貧困女子に対して、精神科の先生の視点で解像度を高めることができた。 本書はあくまでも医師による解説書ではあるが、非常に興味深い内容だった。 なにやら映画化?されるようだが、おそらく全く別物だろう。 まず、人の「認知」についての説明があり、パーソナリティー障害などの開設でよく語られる、「認知のゆがみ」が犯罪行為の根底にあるそうだ。ややアンタッチャブルな問題ではあるが、受刑者の半数は知的障害を抱えているそう。 本来、こういったハンディキャップを持った人は保護対象である。しかしながら家庭環境に機能不全がある場合、その補足は学校にゆだねられる。(少年院の子供の半数は被虐待児だ)しかし、現在発達障害は周知されているが、学習障害、境界性知能の人は、「不真面目」「やる気がない」といわゆる不良少年としてくくられてしまうことが多いそうだ。 社会というのは知らずのうちに階層分けされているもので、社会に出ると基本的にある程度の選別を受けて仕事に就く。学歴や入社試験によって。 しかし、義務教育では私立校を除き小中学校はほぼすべての子供が一堂に会する。 境界性知能以下のIQの人はなんと16%もおり、これを40人クラスとすると6~7人の子供がその疑いを持つ。 すぐカッとなる。授業に集中できない。いじめられてしまう。 彼らは自分に起こる感情を理解する術を自分で学ぶことができていないのだ。 先生の声が聞き取り切れず、黒板を写すことが人より難しいのだ。 すると「俺は勉強ができないから嫌いだ」となり、最悪アウトローに走るわけだ。 仕事もうまくできないのであれば、ほかの、もっと短絡的な方法をとるしかない。 人から嫌われ、いじめられ、異性にも相手にされず、子供に感情を向けてしまう。 本書の先生によれば、認知のトレーニングを行えば、彼らも通常の人同様に改善できるそうだ。福祉や教育で救うことができれば、普通に生活できるのだ。 彼らの犯罪行為は当然許されることではないが、彼らは社会から切り離されるべきなのだろうか? 自己責任と言い切れるのだろうか。 「子供の心に扉があるとすれば、その取っ手は内側にしかない」 彼ら、少年院の子供たちは、人に認められたい。必要とされたい。というのが本音なのだそうだ。 私自身の考えとしては、社会はある程度、強者が弱者を助ける力学が必要ではないかと思う。 そうでなければ、生まれながらにして不幸や歪んだ世界を持つ人間はその中でもがき苦しみ、人からも社会からも捨て置かれることになってしまう。 かくいう私も、幼少期は上記の子供たちのような特徴を持つ子供であったと親から聞かされたことがある。私は幸いにも教師などの大人によって学習の機会をもらい、何とか社会に溶け込めたのだと思っている。 人間が自己肯定し、幸福感を得るには他者貢献が欠かせないものなのだそうだ。 資本主義とか、実力主義とか、自己責任論とかあるが、人間なんだから各々ができることをやって生きてゆかなければならないと思っている。

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    投稿日: 2025.06.28
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    「悪いことをしよう」と思って犯罪を起こす人ばかりではなく「頭の悪い子」「要領の悪い子」として過ごしてきた善悪の判断能力が低い境界知能、知的障害者が加害者となるケースは稀では無い。反省させる以前の問題を抱えている子達を厳しく罰するだけでは再犯防止は難しく、それぞれの背景や課題に合わせてまずは知能を上げるトレーニングを行う必要があると書かれていました。 子育てにおいても、どうしてこれができないんだろう?他の子はこうなのになぜ?と思うことがたくさんあります。社会の当たり前がその子の当たり前ではなく、特性や課題に合わせて親も頭を使って一緒にハードルを超えないといけないなと改めて思いました。 健常者としてそのまま見過ごされて大人になった人も社会に多く存在し、不可解な事件が起きてしまう現状にも納得しました。また、一人の受刑者に対して年間約300万の税金が掛かっているそうです。今税金は値上がり、異様な事件は年々増えているように感じます。より良い社会にするにはどうしたら良いのか、目の前だけでなく目線を変えることも必要だし、色々な立場の大人がこの本を読んで自分にできることを考えるきっかけになって欲しいと思いました。

    4
    投稿日: 2025.06.27
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    図が挿入されているのでどれ程認知が歪んでいるのか分かりやすかった 治しようがない、じゃあどうするのかという点で正直絶望しかないと思う 同じように知的障害や何かしらの障害がある人が全員非行する訳では無いのでこのケースの精査が必要なのかな

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    投稿日: 2025.06.24
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    非行少年には認知機能に問題があることが多く、「ケーキを三等分にする」という課題に正答出来ない少年が多いことをその一例として挙げている。認知機能にそもそも問題があると、更生のための教育も正しく認知できないので意味が無い。また、発達障害や境界知能の者も多く、周囲から孤立した結果、反社会的行動に巻き込まれてしまうこともある。少しでも早い段階で支援にたどり着くことが大切ではあるが、学校の現場の教員の工夫だけでは対応は難しいだろう。行政が予算を組んで支援が必要な子を支援に繋げる体制作りをするべきだとは思ったが、現実的にはなかなか厳しそうで、暗澹たる気持ちで読み終わった。

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    投稿日: 2025.06.23
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    精神科医の著者が非行少年たちを調べていくと軽度の知的・発達障害を抱えたグレーゾーンの子どもが多い。生きづらさを感じながら放置された結果、非行に走るという傾向があった。

    1
    投稿日: 2025.06.02
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    思い当たる節がたくさんー。 2017年の新規受刑者のうち約20%が知的障害 また約34%が境界知能なのだそう。そしていわゆる世間の軽度知的障害と境界知能相当を合わせると15-16%。6人に1人位は該当するということ?全然めずらしい存在ではないことになる。 生きづらい子は (我が家も含め)たくさんいるのに そこに目を向けきれない大人がたくさんだなと痛感。もとい本書にもあるように困り事は後から出てくるので 結果として目を背けたことになっているかも。 本当に 一人ひとりに寄り添った支援は小学校の時こそ必要なはずなのに 肝心の小学校指導にムラがありすぎるんだよね。 コグトレの本は我が家でもぜひやってみたい。

    0
    投稿日: 2025.05.25
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    児童精神科医で「コグトレ研究会」主催者による、知的障害や境界知能といった認識機能の低い人に焦点を当てたルポや提案 社会的にあまり取り上げられないような人達について調べて言語化して問題を浮き彫りにすることは素晴らしく、こういった類の本はより良い社会に少しでも近づくきっかけになるのかもと思わせてくれる。 教育において、褒めて育てるや自尊感情を育てるといったことが唱えられがちであるが、そもそも反省以前の人がいるという事実は無視されてきている。天才も居ればその逆も居るのは当然ではあるが、社会や教育を考える上でこういった知識は大切であるように感じる。

    0
    投稿日: 2025.05.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    学校教育の在り方に警鐘を鳴らす内容であり、医療が介入するには難しい領域だという無力感は否めないけど 児童精神の分野で働くなら知っておくべき内容だった 以下備忘録 ・子どもが少年院に行くということはある意味、“教育の敗北”でもある ・“苦手なことをそれ以上させない”というのは、とても恐ろしいこと。⋯ある意味、支援者が障害を作り出していることにもなり兼ねない ・“褒める”“話を聞いてあげる”は、その場を繕うのにはいいが、長い目でみた場合、逆に子どもの問題を先送りにしているだけになってしまう ・非行少年の変わるきっかけとなった出来事に共通するのは、“自己への気づき”と“自己評価の向上” ・「あなたを見ていますよ」というサインを送るだけでも効果がある(自覚状態理論) ・「子どもの心に扉があるとすれば、その取手は内側にしか付いていない」

    0
    投稿日: 2025.05.22
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    タイトルから想像していたよりもこういう人たちはほんの一部ではなく、多く存在していると思った。もっと義務教育内で早めに把握して改善していくことが急務だと思うけど、全然進んでいないし、昨今のなんでこんなこと‥な事件を見ると増加の一途を感じる。 冷静に考えるとこういう人たちよりも知能があって、歪みもないのに犯罪する人たちの方が怖い。そういう人たちはどんどん処分して、その分の税金を活かしたらいいのに。

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    投稿日: 2025.05.18
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    なぜそんなことができないのか? そんなことができないわけがない。 一般的な人から見るとそう思えるが、できない人もいるという事実がある。 多くの人との認識があっていないから、生活、学校、色々ところで色々と合わない。 そのズレが本人にとっても周りにともっても大きなストレスとなり、 事件へと発展していく。 あの時の一瞬だけでカバーできる問題ではなく、 長期にわたり、可能な限り早いタイミングからフォローできるのが望ましいと思われる問題だが、 一方でそこまでここにかけるコストがないのも事実だと思われる。 そういう意味でとても難しい問題の一つだと感じました。 以下抜粋 (P.7, 28, 29メモれず)

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    投稿日: 2025.05.17
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    親友の薦めでこの本を読むに至った。 子供たちが健全に成長していき社会で活躍していくためには、充実した教育を各人に合わせて施していくことが大切であると感じた。 また、認知機能を向上させるためのトレーニングは子どもだけでなく大人にも効果があり、社会に馴染めなかったり人間関係にトラブルを抱えたりしている大人たちの生きやすさに繋がるのではないかと思った。

    3
    投稿日: 2025.05.17
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    「どうすれば非行を防げるのか。非行化した少年たちに対しては、どのような教育が効果があるのか。そして今、同じようなリスクをもっている子どもたちにどのような教育ができるのか。そうした問題意識を共有し、加害少年への怒りを彼らへの同情に変えること、それによって少年非行による被害者を減らすこと、犯罪者を納税者に変えて社会を豊かにすること、それが本書の目的です」 再読。 父親の本棚から取って読んだのが1,2年前だったかと思う。読んでよかった。価値観が変わる(更新される、新たな目を得る)というのはこういうことだなと実感する。 最初は『ケーキの切れない非行少年たち』の文字の真っ直線さに恐怖があった。言い切ってしまうことの怖さに傷つく人はいないだろうかと恐れていたのだろうと思う。 しかし!そういう次元ではありませんでした。それは事実だったので。 非行という結果のみで判断されてしまう社会の中で、そこに至る原因に目を向けるべきという議論ははるか昔からあったかと思うが、この視点を今の私が知ることができてよかった。 非行と境界知能を一緒くたに話すつもりは全くないが、もしそこに関係があるのであれば考慮して関わりあっていかなければどうしようもないんですよね。「分からない人に言っても分からない」ので。しかしそれは突っぱねるものではない。むしろ教育のチャンスであり手を差し出せる絶好の機会。 "この少年たちはこのような場合がある"という例と、"それゆえ今までの行動では意味が無いこともある"を伝えるだけでなく、"それを変えるためにこのような方法があります"を記してくださるの、必要なことを全て……!と嬉しくなる。問題提起だけでなく個人的な解決方法まで示してくださる。 筆者の経歴などから、本当に真摯に少年たちと向き合ってきたのだろうということが分かる。そのために己は何ができるかと問いながら行動してきたのだろうと。その末のお考えをこうやって読むことが出来るなんて、ありがたいことだなあ。

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    投稿日: 2025.05.16
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    偏見や差別を助長しかねない、差別的な認識を補強しかねない点でとても危険な書物、悪書。 ケーキが三等分できない、図形をうまく書き取れない。それらは全く大した問題ではない。 認知の歪みがあるという理由で、「境界知能」の人たちは犯罪を犯す、危険だと単純に結びつけている。けれど、どんなに知能が高くても認知の歪みからは逃れられないし、犯罪者はいる。

    0
    投稿日: 2025.05.15
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    「個性」「多様性」という便利な言葉が飛び交っているが、果たしてそれはその子の特性を理解した上での言葉なのだろうか。 必要な教育、個別性に気づいてもらえず犯罪に手を染めてしまう子供たち。 その責任はどこにあるのか。 考えても簡単に答えが出る問題ではないが、だからといって蓋をせず、また、「自分には関係ない」と思ってる人にこそ見て考えてほしい一冊であった。

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    投稿日: 2025.05.12
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    ・犯罪者には何らかの障害の可能性。 ・知能指数の評価基準が変わり、以前は障がい者のカテゴリーだった人々が健常者扱いに。 ・適切なサポートが受けられず、なるべくして犯罪者になっている

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    投稿日: 2025.05.12
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    犯罪者を減らすためには、特に学校で、知的障害を持つ子供への支援が必要。学校教育を見直さないと、犯罪を減らすことにはつながらない。

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    投稿日: 2025.05.09
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    「障害」の有無は政治的に線引きされている。 全員が暮らす社会というものを改めて考える。 将来的に少年事件の弁護を務めるときに再度読み返したい。

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    投稿日: 2025.05.06
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    強く共感。 「適切な自己評価は他者との適切な関係性の中でのみ育つ」 ずっとそうだと思っている。人間は社会的な動物なのだから、いかに社会のシステムで上手に生き残るのかが大切だろう。自己認識や他者認識が確立される幼い時期にどれだけ他人と関わっているか。保育園や幼稚園に行かずに小学校に上がった人たちや、親戚との関係性が薄い人たちは、そうでない人たちと比べると明らかに対人スキルが劣っていると感じていた。 自分の言動に対する相手の言動が、自分の行動のフィードバックとなる。そのフィードバックを正しく認知し、言動を適切にすると言うのも、その人の才能なのだろう。 現象→認知→感情→行動→結果 「認知のゆがみ」が少年の非行や犯罪の原因らしい。 歪んだ認知能力を持った人には世界の全てが歪んで見える。大変なこっちゃ。 過激かも知れないが、、弱者の救済は成熟した社会の作法だ、全ての人が等しく幸せを享受できるように、と言う理想論が生んだ皺寄せが不幸せな人を新たに生んでいるのではないか。 歴史上、使い物にならない人間は親やコミュニティにより文字通り抹殺されていた。。。殺されるかもとの不安に怯えずに暮らせる現代社会だからこそ生まれたジレンマ。 本文であったが褒めて伸ばす教育法に僕も疑問を持っていた。自尊感情や自己肯定感が低いと言う人に腹が立つ。「自分の感受性くらい自分で守ればかものよ!!!」 大人にもなって、「褒めてくれない」ってばかかよ!! すみません、過激でした。

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    投稿日: 2025.05.06
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    自分が思っていた「非行少年」のイメージが一変した。困難を抱えた子どもたちが「非行少年」になってしまう前に、そしてなってしまった後に、それぞれ大人としてどのような支援ができるのか考えるきっかけになった1冊。

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    投稿日: 2025.05.04
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    そもそもが間違ってるから、一般的に語られる「非行少年を更生」することなど絵に描いた餅のようなこと。「聞く」「見る」「想像する」といった認知機能が乏しい、いわゆる「軽度知的障害」を持つ人に通り一遍のことを言っても理解が難しい。そんな人が人口の14%も該当するとは驚きです。 適切な認識は大事です。昔からの常識は何事にも疑問を投げかけなければならない。

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    投稿日: 2025.05.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読書メモ:『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治 【基本情報】 2019年発売の新潮新書。児童精神科医が医療少年院での経験から、認知機能の弱さを抱える非行少年の実態を報告。境界知能(IQ70-84)の子どもたちが社会で見過ごされる現実に警鐘。コグトレ(認知機能トレーニング)の提唱が特徴。 【核心的な気づき】 少年院の子どもたちが「ケーキを三等分できない」事実から見えるのは、社会の認知特性への無理解。彼らは悪意ではなく「世界の見え方の違い」で問題行動に至る。重要なのは「更生」より「気づかれない認知の歪み」への早期介入。 【刺さったキーワード】 ・5+1の問題(認知機能/感情統制/柔軟性/自己評価/対人スキル+身体不器用) ・忘れられた14%(境界知能層の存在) ・褒めるだけでは解決しない ・成功体験のデザイン 【教育現場への問い】 ・画一的なテスト評価の限界。神経多様性を考慮した多面的評価(ポートフォリオ/遊び観察)の必要性。 ・生成AI活用の両義性:個別最適化ツールとして有用だが、思考停止を招くリスク。あくまで「認知の補助輪」として位置付けるべき。 【社会システム再考】 ・ポジティブデビアンスの視点:問題児とされる存在こそ、システムの欠陥を映す鏡。少年院の分析から普遍的教育課題を抽出する手法は、組織改革にも応用可能。 ・「健常」概念の相対化。誰もが認知機能の凹凸を持ち、環境次第で弱者にも強者にもなり得る。 【KAIENの取り組み参考事例】 ※KAIENは発達障害や神経多様性を持つ人々への支援を展開する企業。以下は本書のテーマと通じる活動: 1. 認知機能トレーニング(CTP)  ゲーム形式で思考の柔軟性を育成。認知行動療法の前段階として、負荷なく基礎力を強化[2][4][7]。 2. オンライン療育プログラム  「TEENSクエスト」では認知機能トレーニングから職業体験まで数百コンテンツを提供。未就学児~高校生が自宅で参加可能[4][5][7]。 3. 多面的評価の実践  MOS資格対策やライフスキル講座を通じ、テスト以外の強みを可視化。中高生向けにはイライラ対処法の討論会も実施[7][19]。 4. 企業連携による特性活かし  軽作業から伝統工芸まで100種類の職業訓練を用意。手先の器用さや反復作業の得意さを「強み」に再定義[19]。 【個人的気づき】 ・「民度」批判の危うさ。他者を線引きする思考が、実は自分自身の認知の偏りを隠蔽している可能性。 ・AI時代の認知トレーニング:ChatGPTとの対話が「想像力」を鍛えるのか、依存を助長するのか。新たな課題が生まれそう。 【残る疑問】 ・コグトレの効果が「慣れ」やプラセボ効果ではないかという指摘。長期的な追跡調査データの必要性を感じる。 【総評】 非行少年の問題を「社会の認知機能検査」として読むべき一冊。私たちの「普通」という物差しが、どれだけ多くの可能性を切り捨てているかに気付かされる。教育関係者はもちろん、組織マネジメントに携わる人にも刺さる内容。多様性を包摂する技術(テクノロジーとメソッド)の開発が、今後ますます重要になる。 ※KAIENの事例は、認知特性を「矯正対象」から「戦略的資源」へ転換する現代的なアプローチを示唆。本書が指摘する「支援から漏れる14%」への具体的な解決策として参考になる

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    投稿日: 2025.04.29
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     本書では、以下の2つを学びました。 ⓵非行少年は、彼ら自身の認知機能(見る・聞く・想像する)が低い場合が少なくない ⓶小学校低学年頃から発せられる認知機能欠如のサインをきちんと読み取って、必要な支援を施す必要がある  ⓵について。  未成年が起こした凶悪犯罪がニュースに取り上げられると、まず被害者・遺族の方に意識が向いて、彼らの尊厳・人生を踏みにじった加害者に強い怒りを覚え、厳罰を望んでしまいます。  加害者に強い怒りを覚える感情自体が間違っているとは思いませんが、今後は、 ・加害者が自分が犯したことを正しく認識する能力を欠いている ・欠如のサインを周りが見逃さず必要な支援を施していれば防げたかもしれない ・加害者自身も何らかの被害者であった という3つの可能性は念頭に置いて考えようと思います。  ②について。  私自身は子育てを経験していないため、実感を伴った認識はできませんが、親として、我が子の発達や知的にハンディがあることを認識し難い感情は、なんとなくわかる気はします。  ですが、もし将来子どもが生まれた際には、「子の前で夫婦喧嘩しない」「子の言うことを受け止め、絶対に馬鹿にしない」ことで健全な認知機能を育むことを意識するとともに、認知機能の欠如を示すサインを発した際には、きちんと必要な支援を施そうと思います。  職場の先輩方の話を聞く限り、子育ては思い通りにいかないことだらけであるように感じますし、自身にできるのか、という不安もありますが、それでも上記は意識して子育てに臨みたいです。  また、本書の内容は、子育てに限らず、職場でも応用できるとも感じました。将来、認知機能にハンディを抱える部下・後輩の育成指導にあたった際には、本書の内容を念頭において指導しようと思います。

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    投稿日: 2025.04.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    犯罪者が全員そうだとはもちろん言わないし、思わないけど、障害を持って、結果そうなってしまった人達もいるってことは理解出来た。 でも加害者が必ずいるわけだし、障害のせいで、とか、そうゆうのを理由に許されるとかはまた違うとは思う(この本ではもちろんそんなことは言っていない)。障害を持ってる人でも犯罪を起こさず生活をしている人もいるわけだから。でも、どこがで誰かの助けがあったらこの子達にも違う人生があったのかな、とは思ってしまった。 共感したのは「自尊感情が低いから問題なのではなく、等身大の自分を分かっていないから問題が生じるのであり、自尊感情を無理にあげる必要はないし、低いままでもいいからありのままの自分を受け入れていく強さが必要」というところでした。

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    投稿日: 2025.04.24
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    認知機能とは何か、認知機能が低いと何が起こるのか、認知機能を上げるためにはどうすべきかを教えてくれた。教育現場に、認知機能トレーニングが必要だと思った。 教育現場には、学力の高い子から低い子までいて、教科学習をどのレベルに合わせるかが難しい。一方で、認知機能トレーニングは学力に関係なく、学習のため基礎体力づくりとして全ての子に有効なのではないかと期待する。

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    投稿日: 2025.04.24
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    散々話題になっていた時に読めなくてどんどん後回しになり、今読むことに 教育の敗北 という言葉がかなり印象に残った 確かに、敗北だと思う この本は2019年に出版されているけれど、今、どの程度教育や少年院の対応は変わっているのだろうか 今だって、びっくりするような犯罪は起こっているから取り残されている人たちはきっと多くいるのだと思います でもいつも思う 障がいがあるなしにかかわらず 誰かの役に立ちたい、認められたい その想いは誰もが一緒だということ

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    投稿日: 2025.04.21
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    (2020/7/9) なんともつらい本。 性犯罪を行う少年院にいる子供、 元は認知障害からきているのでは、 という訴え。 それがいじめにあう元となり、 もやもや、ストレスが生まれ、 幼女に対する性犯罪につながり、 非行、犯罪、殺人へとエスカレートしていく、、、 元は認知障害。 ここを初期の教育でカバーできれば、 子供は蘇る、 というのが著者の主張。 コグトレという方法なのだそうだ。 子供が飽きないよう、刺激を与えつつ、 インタラクティブにやりとりをし、 知的好奇心が生じることを促す、、 でいいのかな、ちょっとコグトレを理解していないが、 いずれにしても周りの大人が 子供の異常に気付き、フォローすることで、 子供をいい方向に向かわせる、 ということには間違いなかろう。 認知障害、勉強がつまらない、ストレス、犯罪、、では目も当てられない。 上手くサポートすれば子供は蘇るのだ。 私も簿記の講師をやっていたころ、 何を聴いても「まだできてません」と答えていた方に、 「今一緒に考えましょう」と、仕訳を考えてもらい、 すんなり成功して、 以後その方は活発に答えるようになり、 最終講義のあとお礼にとおそばをもらったことを思い出す。 上手く刺激すれば反応するのだ。 そうならない子供たち、、、 大人に余裕がなさすぎるのか、、 なんとかしたい! 第1章 「反省以前」の子どもたち 第2章 「僕はやさしい人間です」と答える殺人少年 第3章 非行少年に共通する特徴 第4章 気づかれない子どもたち 第5章 忘れられた人々 第6章 褒める教育だけでは問題は解決しない 第7章 ではどうすれば?1日5分で日本を変える

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    投稿日: 2025.04.02
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    私は犯罪のニュースを見るたびに、非行に走る「理由」や、「感情」について思いを巡らせることが多かったが、本書によってそれ“以前”の問題であったことがよくわかった。 あれだけ見たり聞いたりしている情報に違いが出ていたら、そりゃ生きづらいだろう。みんなが一様に進んでいく学習要領の限界の結果がここにある。 認知のトレーニングという意味でのコグトレ、多くの場面で使われることを期待する。

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    投稿日: 2025.03.31
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    裏表紙の著者の先生の笑顔。 この先生に会った子どもたちは、みんな変わっていくんだろうな。 私の学生時代にも授業中に立ち歩いてるいる子、何か理由はハッキリしないけど顔を叩いてくる子がいた。決めつけるのは良くないけど、確かに授業について来れていない様子だった。 軽度知的障害、発達障害の子、特別枠でコグトレの時間を設けるのも他の子の目が気になるだろうから 授業1枠だけでも共通科目とするか…とか 少しでも子どもたちが自己の気づき、様々な体験や教育を受けて、自己評価を受ける、それで自分を見つめ直す機会を持てたらなと思う。 私も常日頃から自分がどんな気持ちが、人からどう見えてるかを振り返ることで気持ちの持ちようを整理したい。

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    投稿日: 2025.03.30
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    非行少年が犯罪に手を染めてしまうまでに、しっかりした様々なサポートをしていける、児童教育が必要不可欠だとつくづく感じた。

    1
    投稿日: 2025.03.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    6年近く前に流行った本ですが、機会があって今頃手にしました。 精神科医で、立命館大学産業社会学部教授の筆者が、児童精神科医として医療少年院に勤務した経験を綴ったものです。私は少年院に入る児童について多くは知りません。ただ、家庭背景、成育歴、等も関係して犯罪を起こすこともあると思うので、全ての犯罪の原因が障害だとは思いません。ただ、確かにそういう障害ゆえに起こしてしまうケースも最近多いと感じるので(犯罪は、幸せに生きている通常の感覚の人間には起こせないのではないでしょうか?)、障害を理解して手立てを立てることによって、加害者も被害者も減らすことは必要不可欠だと思いました。 また、筆者は発達障害、知的障害児童の認知能力を高めるために「コグトレ研究会」も主催しています。コグトレは知っていましたが、著者との関係は知りませんでした。医師の開発したものなら効果はありそう!という思いと、そんなに最近のものでは、まだ効果のほどは臨床されていないのでは?とも思いました。 【第1章「反省以前」の子どもたち】 医療少年院には、簡単な足し算や引き算ができない、漢字が読めない、簡単な図形を写せない、短い文章すら復唱できない、という少年が大勢いる。苦手なことは「勉強」「人と話すこと」  【第2章「僕はやさしい人間です」と答える殺人少年】 面接で円を書き、ケーキに見立てて3つに分けさせるが、多くが3等分できない。計算ができず、漢字が読めず、計画が立てられず、見通しがもてない、よって、犯罪を起こしても反省ができず葛藤すらもてない。語彙が少なく何に対しても「イライラする」と言ったり、自分について正しく評価できず一つ覚えのように「やさしい」と表現したりする。 【第3章 非行少年に共通する特徴】 認知機能(見たり聞いたり想像したりする力)が弱いと、それは勉強だけでなく、様々な不適切行動や犯罪行為に繋がる可能性がある。 感情統制が弱いと認知機能も働かない。一番厄介な感情は「怒り」。怒りは冷静な思考を止める。怒りの発端の一つは自信のなさ。自信がないと自我がもろくて傷つきやすく、『馬鹿にされた』と被害妄想に陥りやすい。また、歪んだ自己愛や強い固定観念、融通の利かなさから『自分の思い通りにならない』と被害感が強まり、怒りに発展することも多い。 自己評価が正しくできなかったり、対人スキルが乏しかったりすると、現代社会は生きづらい。自然に働きかける第1次産業や、職人仕事のような第2次産業は激減し、7割を占めるサービス業で生きていかねばならない。しかし、SNSの普及で対人スキルを磨く場も激減。身体の不器用さも対人関係に影響しやすい。 検査にはBADS、WISC、WAIS、等があり、正しく評価できるものを児童に応じて使う。 【第4章 気づかれない子どもたち】 少年院にいる非行少年の特徴は、小学校時代の特徴とほぼ同じ(感情コントロールが苦手、やりたくないことをしない、人のせいにする、等)。その特徴は、だいたい小学校2年生くらいから見え始める。 現在、知的障害はIQ70未満(1970年代以降設定)。1950年代の一時期はIQ85未満とされていたが、全体の16%位にのぼり、多すぎて変更された。IQ70~84の境界知能の児童は約14%おり(35人学級の5人程度)、生きづらさを抱えながら支援を受けられないでいる。 【第5章 忘れられた人々】 知的障害の中でも、経度が8割以上(中等度、重度、最重度は合わせて2割弱)で、健常者と見分けがつきにくい。受刑者の内では約20%が知的障害をもち、経度知的障害相当や境界知能相当を合わせると半数近く(一般社会的には15~16%)。 【第6章 褒める教育だけでは問題は解決しない】 「子どものいい所を見つけてあげて褒める」は根本的解決策ではない。「自尊感情が低い」ことは問題ではない。低いままでもよいので、ありのままの現実の自分を受け入れていく強さが必要。 今の学校教育には系統だった社会面への教育が全くないのが問題。対人スキル、感情コントロール、等、社会面の支援が必要。ソーシャルスキルトレーニングには、認知機能に大きな問題がないことが前提。様々なトレーニングがあるが、文化の違う欧米の受け売りではうまくいかないことも。全ての学習の基礎となる認知機能への支援(コグトレ導入)が重要。 【第7章 ではどうすれば? 1日5分で日本を変える】 「自己への気づき」と「自己評価の向上」ができることが、変化のきっかけになる。 子どもへの支援としては、社会面、学習面(認知面)、身体面の3方向が必要。IQが高くても支援が必要な子が多くいる。学習の土台となる認知機能を高めるのが重要。 受刑者には一人年間300万円の費用がかかり、納税(仮に100万)もない。H29年で受刑者約5万6千人なので単純計算で年間2240億円の損失。これに被害額等を加えると、犯罪によって年間5000億円以上の経済損失がある。犯罪者を減らすことは、当該者、被害者のみならず、日本経済のためにも重要といえる。そのために、困っている子どもの早期発見と支援が不可欠。

    4
    投稿日: 2025.03.23
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     児童精神科医である著者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する一冊。

    2
    投稿日: 2025.03.18
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    不良はかっこいいと、生まれたときから刷り込まれてきた。 犯罪を起こしてしまった子供たち。 どうやって更生させるか?周囲と共に試行錯誤。 ガンバレ若人。君たちは明日がある。

    1
    投稿日: 2025.03.15
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    未成年犯罪者がなぜ犯罪を犯すのか。なぜ、そうさせたのか。とても考えさせられる1冊。子は親や産まれてくる環境は選べない。だからこそ、周りの大人が子供のSOSを感じ取って手を差し伸べなければ、未成年の犯罪は増える一方だと思った。犯罪は悪いことだが、その犯罪を犯す子達を増やしているのは大人である私達なのかもしれない。

    2
    投稿日: 2025.03.11
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    SNSとかでも認知が歪んでいる人やボーダーっぽい人に対してケーキが切れない系などと揶揄することもあるくらいこの本の影響力は大きいと思う。犯罪者に対して甘いんじゃないかと思う反面、認知機能の歪みを具体的に記載したページは自分自身に当てはまる部分もあるし、一歩間違えたら自分もこうなるんじゃないかとも思う。ボーダーの人に対してじゃあどういう対応を取るのかは難しいしまだまだ議論すべき。

    2
    投稿日: 2025.03.08
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    368ミヤク 世間では少年院にような少年は手が付けられない悪だと思われていたかもしれませんが、彼らの中にはADHDと診断される子もいて、認知のゆがみから非行に走る子もいる。どうすれば非行を防げるのか、彼らの困難を和らげ豊かな人生を送ることができるのか、について考えた本。

    2
    投稿日: 2025.03.07
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    犯罪はもちろん許されない行為であるが、その背後には様々な要因がある。少年の内にその人が抱える問題をいかに寄り添って支援してあげるか。そのあり方や考え方が本書で学んだひとつ。自分も一歩間違えば道を踏み外していたかもしれない。周りの人に感謝の気持ちを忘れない様にしようと改めて思った。

    3
    投稿日: 2025.02.24
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     非行少年のことについて書かれており、少年院にいる少年の問題性、現在の体制に対する問題、解決するために必要なこと等が書かれていて勉強になりました。ただ、物語感が強く、実際よりも華のある一部の人々に焦点を当てて書きすぎているようにも見えます。ただ、こういった問題がある子どもは確かにいることは問題としていかないとなりません。

    1
    投稿日: 2025.02.24
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    障害があるから犯罪の重みが軽くなる訳では無いと思うが、早くからサインを出していて、それに気付く事で非行を未然に防ぐ可能性がある事は気付きになった。 小さい頃は特に足並みを揃えさせられる事が多いが、伸び方は個々に違って当たり前。しっかり向き合ってその子のペースで進む事が大切だなと思った。

    3
    投稿日: 2025.02.17
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    全てが歪んで見える。 幼少期から生きづらさを抱えつつも、 生きづらいことに気づいてこれなかった少年。 宮口さんの本は、どれもわかりやすく メカニズムが書かれててすっと入ってくる。 非行は、本人の持って生まれた素質 (知的や発達面でのハンディキャップ)と、 環境(生きづらさに気づいてもらえなかった背景) 複雑に折り重なっているんだと思う。

    1
    投稿日: 2025.02.08
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    この本に登場する非行少年たちは、私たちの想像を絶するほどの生きづらさを抱えている。そのことは、模写テストやケーキを分けるテストの図を見るだけで一目瞭然だった。 犯罪行為は決して許されるものではない。しかし、「これは生きづらかっただろうな、辛かっただろうな」「犯罪行為の反省を強いられることも、彼らにとっては大きなストレスだったのではないか」と感じた。

    4
    投稿日: 2025.02.04
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    反省以前の子どもたち 境界知能 昔はiq90より下が障がい者 今は70以下 その間の人は努力が足りないとされてしまう

    2
    投稿日: 2025.01.26
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    非行少年達の根本的な原因が発達障害や知的障害であることが多く、その障害になってしまう原因が虐待によるものがほとんどであるという事実に、非行少年達もまた被害者なのだと衝撃を受けた。

    2
    投稿日: 2025.01.26
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    小学2年から子供はサインをだしている クラスの下から5人は気付かれずにそのまま社会に放り出される 16パーセント、多いですね 自分が小学校のときにも数人いた 何故できない?!ってびっくりして見てしまっていたけど、本人はかなり苦しいだろうな 今の学校に認知機能が弱い子たちへの統計的な支援ができればいいな

    14
    投稿日: 2025.01.19
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    非行と知的障害や認知機能の低さとの密接な関係がよくわかった。 こうした判定や再犯防止のための訓練は、少年院などでの矯正のカリキュラムには当然含まれているものと思っていた…。 著者の言うように非行少年や大人になってからの犯罪者は社会にとっても少ないほうがいいのだから、予防プログラムとして、3歳児健診のように一斉に10歳くらいで認知機能テストなどをやったらいいのではないかと思う。 少し繰り返しが多いのと、難しい単語を使っている部分もあったのが★−1。

    0
    投稿日: 2025.01.17
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    犯罪を犯す未成年について、認知機能の弱さという観点について興味深く読ませてもらった。世の中にはなぜこんな事をする?と思う事が多々あるが、なぜ? ではなく どうして?の視点で、物事を捉えるよう努めたい。 また、「子どもの心に扉があるとすれば、その取手は内側にしかついていない」の一文は心に響いた。扉を開くには子供達の気づきや経験が大切で、大人は叱責によって無理に開けるのではなく、気づきの場を設けるよう改めて認識した。

    0
    投稿日: 2025.01.15
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    百聞は一見にしかず。実例が強烈だった。少年院は、刑務所とは違い、矯正施設でやり直しのチャンスはたくさんあるので、社会の網目から漏れてしまった犠牲者でもある(加害者であることは言わずもがな)彼らへの理解が少しでも広がればと思う。

    0
    投稿日: 2025.01.12
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    非行を起こす人たちへのひとつの見方を教えてもらえた。ニュースで犯罪事件を見るときに、「おかしなひと」と片付けてしまうのではなく「もしかして困難を抱えているひとなのかも」と考えるようになった。教育現場の限界からも起因しているという問題提起がなされているため、教育関連の方や保護者にぜひ読んでもらいたい。

    1
    投稿日: 2025.01.11
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    非行少年はなぜ過ちを繰り返してしまうのだろうかと言う問いが本書のテーマである。塀の中に閉じ込められ、一定の教育を受けて出所すれば、犯罪がなくなるならば、今この問題に苦闘することはないだろう。キーワードは教育である。私たちの想像がつかないような苦悩を持った人々が、捌け口として罪を犯してしまうのであろう。では、私たちは何ができるのか?彼らを理解しようとすることであろうか。しかし、それも上手く行っていない。私たちは想像に容易いことしか理解できない。ならば、知識を増やすしかないであろう。

    48
    投稿日: 2025.01.06
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    非行少年たちの認知の歪みは衝撃だった。(正しく図が模写できない、殺人したのに自らを優しい人だと認識する、など) ここまで認知機能が低いと、叱られてもなぜ叱られているのかわからないし、犯罪を犯罪と認識できない。 適切なタイミングで適切な支援を受けられることの重要性を改めて感じた。

    1
    投稿日: 2025.01.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    タイトルを見たときにどういうことなのだろうと思いました。凶悪犯罪に手を染めた非行少年たちがケーキを切れないとは。 複雑な図形を写すことが出来ない。見る力、聞く力が弱く、理解力に難があると生き難いのではないか、それが非行の原因なのでは、と著者は気付きます。 支援が必要な子たちに支援が行き届かないことが非行の要因の一つになっていると。 今は様々な支援があるように思いますが、行き届いているかというとどうなのでしょう。でも、不幸にも犯罪に手を染める少年少女たちが少しでも減ることを強く望みます。

    0
    投稿日: 2025.01.05
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    衝撃だった。できない子、少年院に入る子が必ずしも悪い子ではない。本当にどうにかしたいけど、どうにもできない子もいる。親でも教師でもどの立場であろうと子どものことをしっかり見ることは欠かせないと感じた。

    3
    投稿日: 2025.01.03
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    サクサクと読めた。自分が日々当然と思っている認識ができない方々が一定数いることを認識した。法律家としてできることの限界を感じた。

    0
    投稿日: 2024.12.28
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    かなり前に話題になっていた本が、やっと読めました。専門書なのかなと思って、なかなか手が出せずにいましたが、とても読みやすかったです。 私自身、発達障害なんじゃないかと疑うことがよくあります。私が非行少年にならなかった理由は、罪を犯したあとの想像がきちんとできるからだと思う。ここが欠如していたら、私も彼らと同じ運命を辿っていたのかもしれない。 被害者がいるわけなので庇うつもりはないけれど、この本に出てくる非行少年たちは、とても生きにくく、苦しい人生を送っていると感じた。 そんな少年たちを分析し、根気よく向き合い、犯罪者を納税者にしようとしている仕事に就いている人たちには頭が上がりません。

    0
    投稿日: 2024.12.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ざっと概要で下記と理解した。 ◼️前提 ・認知行動療法は認知機能に問題がない前提で考えられた手法なので、認知機能に問題がある少年に対しては意味がない ・知的障害はIQ70未満、70〜84は境界知能と定義  知的は2%、境界知能は14%程度存在する ・受刑者の場合、知的17%、境界知能34%  ※統計により諸説あり ・少年院の少年に共通する特徴は下記  認知機能の弱さ(見る、聞く、想像する力が弱い)  感情統制の弱さ  融通の効かなさ  不適切な自己判断  対人スキルの乏しさ  +身体的不器用さ ・サインの出始めは小学2年生ごろから ◼️改善のためにできること ・自己への気づきと自己評価の向上が必要  →障害による二次障害、家庭環境の悪さ(片親、経済事情、虐待等)、他者とのコミュニケーション不全などにやり適切な自己評価ができていない。まずは「悪いことをしてしまった」自己に気付き、集団生活や療育を通して「できる」自分を評価する ・認知機能の向上が必要 障がい→いじめ→ストレス発散で幼児に性非行というパターンが本文中で多く記載されていたのだが、正直障がいもいじめも被害者には何の関係もないのに、それら全ての被害が幼児に向かうのは理不尽の極みだし、卑劣の一言。 非常に乱暴な言い方をすれば、「大人」「男」には敵わないのを本能的に察した上で自分でも勝てそうな(あるいは「受け入れてくれそう」という認知の歪みにより)幼児に手を出しているということ。 「障害があるから仕方ないね」「このトレーニングをしたら改善するんだな」「加害者にも人権はあるからトレーニングして社会復帰できるようにしよう」などとは正直到底思えない。 この程度のことすら理解できない知能で、認知が歪んでおり、なおかつ犯罪を実行に移すところまでやっている人間がトレーニングで根本的に矯正されるとは思えないので一生刑務所にいてほしい、という気持ちになった。 性被害者は一生トラウマを負い、普通に異性と付き合って結婚することすら難しい可能性もあり文字通り人生を台無しにされているのに、多額の税金でもって加害者を手厚くケアしている事実に憤りしか覚えない。 後段で述べられている通り、障害者を加害者にしないためにはどうするかというのが本筋であることは理解しており、それは重要なことだとは思う。 前段の模写やケーキの等分の話など、できないことがにわかには信じ難い。それが人口の約16%、認知の低下した老人も含めると人口の1/4程度はぎりぎりなのではと考えると、聞こえのいい言葉でその場しのぎの金を配る政党や反ワクがのさばり、詐欺がなくならない理由もよくわかる。

    0
    投稿日: 2024.12.24
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    少年事件を起こす少年が、発達障害、特に認知障害である可能性について、興味深く読んだ。 共通点 ・認知機能の弱さ、感情統制の弱さ、融通の利かなさ、不適切な自己評価、対人スキルの乏しさ、身体的不器用さ 心を改めるきっかけ ・自己への気づき ・自己評価の向上 意欲の向上 ・人に教えてみたい ・人から頼りにされたい ・人から認められたい 例 ・宅間守 前頭葉機能の低下、変化する環境のもとで認知的戦略を変化させていく能力の障害 本 「脳が殺す」脳機能障害(神経学的損傷)、被虐待経験、精神疾患の3要因が揃うと犯罪に結びつく 「発達障害と少年犯罪」

    0
    投稿日: 2024.12.22
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    新潮新書のブクログ登録は、16冊目。 宮口幸治さんの著書、ブクログ登録は2冊目。 本書の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。 ---引用開始 児童精神科医である筆者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。 ---引用終了 最近、新書の生い立ちに興味を持っているので、少々書いておきます。 新書御三家は、 ・岩波新書(1938年創刊) ・中公新書(1962年創刊) ・講談社現代新書(1964年創刊) そして、今回登録の ・新潮新書(2003年創刊)

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    投稿日: 2024.12.20
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    認知に歪みがあるとしても被害者を生むことを許したくない。 認知が歪んでいても、幼女は嫌がらないと認知できていて弱いものを判断できているのではないか。 ほんとうに歪みがあるならば無差別になるのでは? 少年は更生させられるが、被害に遭った人はどう救済される?認知の歪みを克服した少年が通常の暮らしに戻る頃、被害者は苦しみ続けているかもしれない。

    3
    投稿日: 2024.12.19
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    読みにくい本だったので、Audibleで聴いたらすごく良い本だった。 要は発達障害の本だった。 発達障害はいまのところ、本当に手立てが無くて困っているのだけど、著者が提唱するコグニティブ(認知的)トレーニングは具体的かつ実践的な提案なのだと思う。 「自己への気づき」と「自己評価の向上」がキーワード。

    1
    投稿日: 2024.12.15
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    発達障がいの認知度が上がってきたおかげで子育てに失敗した自分が悪いんだと自責する親が減ってきて欲しい。そしてその親子たちをサポートする体制が整ってくるとgood

    1
    投稿日: 2024.12.15
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    前職にいる時に読んだが、今の職について「あーこういう子おるなあ」と感じることや、それに対しての具体的な対処法が書いてあり興味深かった。

    1
    投稿日: 2024.12.15