
総合評価
(666件)| 147 | ||
| 242 | ||
| 172 | ||
| 37 | ||
| 11 |
powered by ブクログ4.2/5.0 生きてるって辛いし、かっこ悪いことだけど、生きてないと出来ないことがある、という当たり前のことを思った。
0投稿日: 2025.10.27
powered by ブクログ心の埋まらない何かを埋めようとする時、人は性行動に出るのだろうか。性描写の多さや詳細さから、人間が持っている虚しさに一生懸命抗おうとする姿を感じた。 独立した短編だと勝手に思っていたので主人公が変わるタイプの連作で驚いた。 最後の主人公は誰だろう?と思ったら、卓巳母だったことに少しの驚きと、親側の弱さや葛藤も描いて締めてくれるバランス感になんとなくホッとした。
2投稿日: 2025.10.12
powered by ブクログ誰にでも生きにくさってある気がする 重松清さんが書いている解説がとても興味深い文章だったし、今の自分に寄り添ってくれた 「〈やっかいなもの〉を捨てられずにいるふがいない僕たちは、でも、その光がまぶたの裏に残っているうちは、人生や世界について少しだけ優しくなれるような気がする」
5投稿日: 2025.09.29
powered by ブクログミステリーしか読んでいなかったので 本屋でタイトルとR18に釣られて購読! ちょっとショックと言うか……… こんな本があるんだと(笑) 生々しい性描写は むしろ人間らしさを感じて感動してしまいました。 ミステリーから他の分野に視野を拡げてくれた大切な一冊! ちょっと気まぐれな気持ちでいいんで 読んでみて欲しいです!
1投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログ窪美澄さんの作品は久しぶりでした。 性が中心のお話。 性欲とか妊娠、出産とか。 ほんとやっかいだなぁって思いました。 自分の思い通りにいかないですもんね。 そしてこの作品、解説が大好き重松清さんでびっくりしました。 素敵な作品、ありがとうございました。
52投稿日: 2025.09.08
powered by ブクログ最高だった。 久しぶりの読書。前読んだ時は冒頭から気分じゃなかったけど、2 、3日前ふと読んだときにちょうどハマって2日で読み切った。やっぱり本も映画も読むべき時期があると思うしそれがハマったときってすごい速さで読み終えるよなぁ。 まぁそれは置いといて、さよならニルバーナに引き続き窪美澄さんの作品は2作品目だった。 彼女の作品は、登場人物それぞれの視点から構成されるのね。すごくいい。 やはり自分は少し癖強めの湿度高めの恋愛ものにしびれる傾向にあるのかもしれない。 ななちゃんは、考えが少し自分と似ていて面白かったし、良太くんは、確かにこういう生活を送っている子はいるよなぁと思った、 辰巳くんはいろんな描写からほんとに繊細で良い子なんだなと思った。 もし自分の息子が辰巳くんだったら、どんなに素敵な息子だろうと、妄想しては涙が出た。 最近母親の気持ちが少しずつ想像できるようになって余計に。(子供いないけど) でもやっぱり、こういうのって安易に乗ってしまうと落とし穴にはまるよな。自分も流されやすいしよく変な噂されやすいから、こういうことされたときの傷はすごくわかるし、自分ももしかしたらこうなってたかもと思いながら読んでた。 辰巳くんは本当に繊細でいい子なのに、勿体無い。この意見のせいで、しばらくはずっと暗い人生になってしまうのではないかな。そして一生つきまとうんじゃないかな。濃度はわからないけど。これからの子なのに、本当に可哀想。 でもこういう子って実際にいるんじゃないかな 今この本がスッと入ってきたのは、もしかすると、主人公の辰巳くんが推しと重なったのが大きい気はする。ちょうど16歳の頃の推しと。 お母さんのターンでは推しが息子だったらどんなにいい息子だろうかと想像していた。ほんと変態だわ。ごめん。 本で泣けるってすごいよな。 女性作家好きかも。窪美澄さん、他も読んでみよう。
2投稿日: 2025.09.04
powered by ブクログこの作家は認めたくない人間らしさみたいなものを書くのが本当に素晴らしい。 生きていくうえで、自分に渦巻く見たくない、もしくは認めたくない感情を感じることがあるが、それを目の前で突きつけられる感じ。本書を読んで「気持ち悪い」と思うのは、鏡にうつる自分みたいなものだと思う。
1投稿日: 2025.09.02
powered by ブクログ短編からなる小説だが、その登場人物や内容にリンクあり。考えさせる系の小説でした。 ものごとに決定的な「犯人」とかいないけど、それでも自分のせいにして考えるのが偉いのでしょうか。それとも、多少は割り切るべきなのでしょうか。
0投稿日: 2025.08.26
powered by ブクログ没頭する本に出会いたくてSNSで勧められていた窪美澄さんを知り、この本を手にしました。 冒頭を読んだ時点ではなんだろうこれは少年期の恋愛の物語なんだろうかと、少し残念に思いながら一度閉じました。しかしまた別の日にじっくり読み進めていき、どんどんどんどん引き込まれていき、なんとまあ私は浅いんだろうと思いました。 恋という題材を使って、主人公のその人柄が手に取るように伝わってきて、これがもうキュンとしてしまう。そして綺麗に終わらない、人間の性のどうしようもなさ。登場人物それぞれの生きてる日々が生々しくて、その中から拾える大切なもの。時折り、ハッとするような文章にも出逢い、日記に書き留めながら一気に読みました。 最後の話を読んでる時これで終わりだと思ってなくて、それに途中で気づいて少し寂しささえ覚えました。
1投稿日: 2025.06.18
powered by ブクログ2025/06/08~06/18 年上主婦とのコスプレセックスが流出した男子高校生。彼を好きな同級生の女の子。彼らと同じバイトをしていて認知症の祖母と二人暮らしをする同級生の男の子。
3投稿日: 2025.06.18
powered by ブクログこの作者の本、前半はなんか気持ち良くない内容で、これも途中で読むのをやめようかと思った。本屋大賞ノミネート作ということで、読んでいったら結構良かった。
1投稿日: 2025.06.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
想像以上に序盤からの描写が生々しくて ずっとこんな感じなのか、、、?と 心配していたけど、読み終わる頃には そんな心配も忘れてしまっていた。 「世界ヲ覆ウ蜘蛛ノ糸」は、 文章の書き方がなんだか気持ち悪かった。 話し手のはずが、全てが他人事な感じというか ちょっと不思議な感じ。 章が変わる度に、ここで繋がるのかーっ!と 驚かされました。
6投稿日: 2025.06.14
powered by ブクログこれはすごいデビュー作。 勿論フィクションだけど、 キャラクター達の人生が妙にリアル。 読んでてハッキリした結末では無いのに嫌ではない。 静かに訴えかけてくる感じ。 最悪な人生だとしても進むしかないと。 間違いだらけでも進むのよ。 と言われてる気がした。
43投稿日: 2025.05.30
powered by ブクログ性的描写が多くて、エログロが好きじゃないので読んでいて微妙な気持ちになってしまった。 生きづらい人たちを描きたいのは分かりましたが、エロシーンがどうしても受け付けずあまり良さを理解できない。
0投稿日: 2025.05.24
powered by ブクログ官能小説と知らずに家にあって読んだから、読み始めてびっくり。 初めての官能小説だったけど、想像と違った。 いじめやすそうな奴がいるからいじめるなんて悲しいやろ みんな幸せになってほしい
8投稿日: 2025.05.09
powered by ブクログ読み始めて官能小説?くらいの内容でΣ(゚д゚;)びっくりしたが、歪んだ恋愛に傷つきながら必死に生き立ち直って行く姿に夢中で読み進めました。不倫、ロリコン、コスプレ!みんな一生懸命に生きている!
8投稿日: 2025.05.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった。 R-18文学賞大賞、山本周五郎賞受賞作。 年上の主婦と不倫してる男子高校生斉藤くんと、不倫相手であるあんず、斉藤くんに恋する女の子、斉藤くんの友人、母親の物語。それぞれがそれぞれの問題を抱えながら生きている姿が描かれている。 あんずの気持ちに共感した。 家庭では不妊治療を迫られて(不妊治療を暗に強要するって人の体をなんだと思ってるんだろうと思う)ちゃんとした奥さんを演じなきゃいけなくて疲れたんだろうな。斉藤くんとの時間が自分を解放する時間になってたんだろうなと思った。だから、最後カメラに撮られてることを承知で斉藤くんと会ったんだとおもう。 社会も同じでみんな色んな事情を抱えてるんだろうなと思った。 それを私が気にかけた所でなにも変わらないし変えられないから、相手の抱えた事情に配慮しつつ自分を一番大切にするしかないんだろうなと思った。
1投稿日: 2025.04.17
powered by ブクログ冒頭にインパクトのある日常(高校生目線)ではじまり、 編ごとにそのまわりの人たち目線で描かれる、 珍しい構成だった。 平凡から逸脱した設定はやはり読んでるだけで 非日常が味わえ、経験値が上がったような、 想像力の幅が広がる気がして好みではある。 ただ、読み終えて何か変わったり、価値観が変貌した感じはなく、少し変わった年齢の離れた先輩と飲み行ったような感覚。
1投稿日: 2025.04.11
powered by ブクログ20250406 どうしようもなさをそれぞれに抱えた登場人物 救いはしない。庇うわけでもない。ただ、認める。 厄介なものを体に抱えて、死ぬまで生きていかなくちゃいけない、という一人ひとりの生を、黙って見つめる。人生を讃美はしない。肯定でもない。
3投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログこの作品の感想は難しいかも。 5編の短編集。 性の表現がかなり際どくダメかなと思いつつも読み終えた。 性と生。 人生思うようにいかない。 気持ちが暗くなるが最後はまあ前向きに。 良い作品なんだろうけど私的には苦手だった。
4投稿日: 2025.03.29
powered by ブクログ性行為の描写が生々しくてそれぞれの性からその人に移入できた。最初は短編かと思ったけど、それぞれがそれぞれの視点で描かれていて面白かった。 個人的には、半分で良かったと思う。後半はアナザーストーリとしてみたら面白かった。
1投稿日: 2025.03.14
powered by ブクログどの話にもやるせない人間のさがを感じた。誰しも自慢できる過去ばかりではないものを抱えながら生きていることを改めて考えさせられた。 あと岡本夫婦のその後がどうなったのか読みたかったな。
1投稿日: 2025.02.14
powered by ブクログもう少し大人になったらまた読みたい。今の私には少し分からないような、理解できるけどしっかり頭に入ってこないような感じがある。でも好きな本だった。 解説の、「僕たちはいつでも、愛読する作家の作品から、人生や世界の肯定のしかたを学んでいる。」という言葉が好き。読書をしたら自分の価値観が広がってこの世界をもっと好きになれるから、私はこれからも本を読み続けたい。
4投稿日: 2025.02.08
powered by ブクログ1作目の「ミクマリ」がいきなり生々しくてうおっとなったけど、2作目以降を読み進めるうちに卓巳くんとあんずの印象も変わってくる。これは、しんどいな〜〜と思いながら一気に最後まで読んだ。 文庫版の重松清さんの書評がとてもよかった。「不充分さを抱える人たちの『過剰』を描く」、まさにそんな小説だった。たまたま最近友人とした「全てを覚えてしまう病気があるんだって」「忘れるんじゃなく?人間の機能が亢進する病気ってあるんだね」「忘れる機能が落ちちゃうってことじゃない?」という会話を、なぜか思い出した。
2投稿日: 2024.12.28
powered by ブクログなるほどR-18の連作長編というのはこういうことなんだ。スピンオフを重ねるドラマのように、話が展開し、立場が変わることによってガラッと景色が変わっていく。
12投稿日: 2024.12.06
powered by ブクログ情景・心情描写のうまさが印象的。著者の使う言葉からその景色がはっきりと頭の中でイメージされる。作中では性的思考・行動のどうしようもない部分で失敗や苦悩、ヤングケアラーなどの問題が語られる。
31投稿日: 2024.11.26
powered by ブクログ人間の「性」について、 決められたゴールもなく、 解決策もなく、 ただその流れに身を任せて登場人物が 行動していく様を書いた物語。 読む者がこの小説に何を思うのか、 何を重ねるのか、各々自由で、 正解なんてないことを教えてくれる。 ただ、みんな自分や家族、 何かを守っているようにも見えた。 時にはプライドや誇りも感じさせ、 時には欲望や貪欲な欲の部分を放出させる。 (序盤は欲笑) 「人間の生き様」を筆者の独特な表現で 書き綴っていて面白かった。 他の作品も読んでみたい。
4投稿日: 2024.11.17
powered by ブクログ高校生で読みましたがその時の複雑な心境、生きづらさには共感した。でも、これを読んだから何か得られたかといったら私には何も思いつかない本だった。
2投稿日: 2024.10.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
登場人物ごとに視点を変えながら続く連作の短編。 テーマはおそらく、性とか生とかそんな感じ。 高校生の斉藤君が半ば若気の至りで人妻のあんずと関係を持ってしまい、それがバレて街中にばら撒かれてしまうと言った流れ。 最終章の母親目線はとても素敵なことが書かれていて良かったんだけどそれ以外は基本胸糞悪い。 不倫の様子を隠し撮りし、バラまく旦那や隠し撮りを知りつつ行為に及び、アメリカに逃げるあんずも、友達の顔をして裏でばら撒きに加担する友人も全てが気持ち悪い。 一度のミスやゴシップを逃すまいと囃し立てる世間の気持ち悪さがよく描かれた作品。
4投稿日: 2024.10.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
r18受賞作 ここまでしげきてきじゃないとあかんのか… 学生と不倫するアニオタ、コスプレしてセックすしてるのを次の編では夫にバレて、次の編ではそれがネット公開され高校生は学校行けなくなる、彼女とはセックスしてもらえない悲しさ、次の編では友達がネット画像をばら撒く、その塾の先生が子供へのセイカガイで捕まる 人の欲望と醜さの話が繋がっていて面白かった 20250912再読ミクマリのみ 場面転換、あんずとの不倫、母親の助産院、プールのバイトと彼女、父の家出と水分神社が、上手い文章で繋がっていく…
3投稿日: 2024.10.22
powered by ブクログ文章が読みやすく、あっという間に読み終わりました。 それぞれの人が抱えてる問題が苦しいながらも前に進んでいく様子が描かれていました。 問題を抱えながらも生きていくことの大切さを伝えているのかなと思いました。 最終的にはどう解決したのかハッキリされていないところが私はモヤモヤしますが、あとは読者の想像の中で描かれていくということでしょうかね〜
4投稿日: 2024.10.22
powered by ブクログ予備知識なく読み始めたら、最初から性描写で、電車の中で読み始めた私は、ドギマギしてしまった。そうだった、これは「女による女のためのR-18文学賞」の大賞作品だったのだ。BSのテレビ番組「あの本読みました?」で紹介されたのを見て、手にとったのに、そんなことも忘れてた。 高校生斉藤くん、そのセックスフレンドで人妻の里美(あんず).斉藤くんの同級生松永七菜、あくつちゃん、セイタカこと福田くん、そのバイト先の田岡さん、そして斉藤くんの母親の助産師。なんだかみんな、見えない蜘蛛の糸に絡め取られてるみたいに、生きづらい毎日を送ってて、泥沼に足を掬われて動けないような物語が続く。結構、苦しい。ほんとうに生きるって厄介だとつくづく思うのに、小さな喜びが散りばめられてるから、読むのをやめられなかった。
1投稿日: 2024.10.06
powered by ブクログなんだかなー。 表現がいい意味で生々しい。登場人物が人間らしい暗さを持っていた。 読んでいて救われる部分がある一方、自分には体験出来ない暗さに触れてしまって、苦しい気持ちにもなった。
1投稿日: 2024.10.05
powered by ブクログ中学生ぶりくらいに読んだ。 中学生の時は、これを読んで号泣した記憶がある。多分その時は、世の中のことをあんまり知らなくて、経験もなくて、ぬくぬく育ってて、こんな世界があるのか、こんな生き方をしてる人たちがいるのか、っていう、でも不安定さに謎に共感できる、いろんな感情で泣けたのかな、と思った。自分も不安定だったのかなとかも思った。 28歳の今、涙は全く出ないけど、とにかく生きていこう、って中学生の時より強く強く思えた。自分も大人になる過程でいろんなことを経験して、うまくいくこともいかないこともあるって自分で分かって、それでも生活を続けていくしかないって分かって、もがいたり受け入れたりしながら生きている登場人物をすごくフラットな目線で見るようになった気がする。人生いろんなことがあるよね、っていう、衝撃じゃなくて親しみの気持ちでこの作品を受け止めるようになったのかな。 良いことも悪いことも、生きていけば、突然オセロみたいに変わる。良いことも悪いことも続かない、一生懸命働いて、たまには休んで、ゆっくりお茶を飲んで音楽を聴く。 生きていきたい。人間特有の、いろんな「やっかいなもの」を抱えて。 重松清の解説が読みやすくて良い。 「なにより惹かれたのは、どうしようもなさをそれぞれに抱えた登場人物一人ひとりへの作者のまなざしだった。救いはしない。かばうわけでもない。彼らや彼女たちを、ただ、認める。官能が、哀しみとともに濃厚ににおいたつ世界を描きながら、作者はきっぱりと、清潔に、登場人物の「性(せい/さが)」を受け入れ、それを「生」へと昇華する。…どう生きるか、生きてなにをするのか、なんのために生きるのかという賢しさではなく、ただ生きて、ただここに在るー「ただ」の愚かしさと愛おしさとを作者は等分に見つめ、まるごと肯定する。その覚悟に満ちたまなざしの深さと強さに、それこそ、ただただ圧倒されたのである」 官能的で哀しい、性を生に昇華させる。うまいこと表現しすぎてて度肝ぬかれた。さすがです。 単行本化される時にけずられたという、「この世界はでも、そんなに最悪でもないんだ。多分。というかそう思いたいし。」という言葉が良い。そう書かなくても、5作品すべて読み終えた後にそんな風に思える。
1投稿日: 2024.09.29
powered by ブクログ山本周五郎賞を受賞した本はいつも面白いと思うんだけど、今回も大当たり。 一章目を読み終わった時は、果たして最後まで読み切れるのかと不安になったけど、そのまま最後まで集中して読了。 読んだ後、感動でボーッとしてしまった。 どの世代が読んでもいい話だと思います。 窪美澄の本はまだ2冊しか読んでないので、これからが楽しみ。
1投稿日: 2024.09.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
はじめての窪美澄作品。とにかく読みやすい文章で一気にひきこまれてしまって、最後までとても読み応えがあった。前半は本当に切なくて苦しかったけど、後半は家族愛にやられた。(もちろん後半も苦しかった) たくさんの物語の主題となる「喪失」がこの本もテーマではあるけど、まったく飽きずに読めたのはきっと喪失の行き着く先を見せず、ただ登場人物たちが生きていく姿を力強くあらわしていたからかなと思った。そしたら解説の重松清さんも、わたしの言葉よりもっと分かりやすくて丁寧だけど、同じようなことを書いてて共感で首がもげそうになった。窪さんの他の作品もいろいろ読んでみたい。相変わらず文章が素敵な重松清さんの本もひさしぶりに読みたくなった。
2投稿日: 2024.08.20
powered by ブクログニルヴァーナの人でしたか!生々しくて良かったです。生きてればいっかぁと思った。し総じてどうかと言うよりも今この時の誰かの思いやりとか、優しさとかが沁みる気がした。沁みるというか、そのアンバランスさが人間っぽいのかなと思った。
2投稿日: 2024.07.30
powered by ブクログR18文学大賞を知り、同賞を代表する1冊と思い、読み始め。 恵まれないのではなく、やっかいなことと折り合いを付けていきていくには。。。家族、性、経済生活を焦点を当てながら、決して人間讃歌の綺麗事に染めない、潜在意識を顕在化させてくれる素晴らしい作品。文字の運び、文体も非常に読みやすく、同著書の直木賞作品含め、近年のものを直ぐに読みたくなった。
1投稿日: 2024.07.29
powered by ブクログまた漥さんの本を読みたいと思った。何歳になっても不安定で揺れ動くことは沢山あるんだなあ。最後にたくみと良太が笑っててよかった。
2投稿日: 2024.07.04
powered by ブクログ高校生が主婦と不倫。それもちょっとレアな体験なのに…別れた後に気づく本当の気持ち。彼を取り囲む、様々な思いが、まさに青春だなぁって思えた作品でした。最後の章での、親子愛には、鼻の奥がツンとしました。
2投稿日: 2024.06.13
powered by ブクログそれぞれ一生懸命に生きている登場人物に、心の中でエールを送りながら読んだ。 人生上手くいかないことばかりでも、前を向いて生きていかないとねと思わされた。 みんな苦しい状況ばかりでなんだか切なくなるけど…。 最初、性的な描写がかなり濃厚で驚いたけど、この物語の本質は全然そんなところじゃなかったので、ためらわずに読み進めて良かった。
2投稿日: 2024.06.12
powered by ブクログなんだろう 消化不良だった 生きづらさを抱えてるにも関わらず、形は違えど前に進むところに感情移入できなかった でも少し先にまた読み直したい
8投稿日: 2024.04.27
powered by ブクログ人間の多面性が垣間見えて みんなぐちゃぐちゃで苦しいけど 人ってそういうもんだよなぁ、と。 誰しも「やっかいなもの」を抱えて生きているし、 ふがいない。けど、それが愛おしい。
3投稿日: 2024.04.20
powered by ブクログ生まれながらにどうしようもないバックグラウンドを抱えてしまった彼ら あまりのやるせなさに胸ぐらを掴まれたような感覚になりながら読む箇所がいくつかあった。 やはり、これから生まれてくる子どもには、誰でもに望まれながら祝福されながら生まれてきて欲しいな、なんてことを考えた。 しかし、どんな人間でも、そこにその人だけのバックグラウンドがあり、その人の思考があり、 それだけでその人は尊く愛おしいのだ。 状況に抗おうとするのではなく、受け入れつつそこでもがく彼らをみて、そう思わされた。
4投稿日: 2024.04.17
powered by ブクログはじめは、何だこりゃエロ小説か、、みたいな感じで始まったけど、それそれの人の深いところまで踏み込んでいくすごい小説だった。 よくある連作ではあるけど、文体やリズムも書き分けて、それぞれが読みやすい。最後の章は感動した。 この作家さんは初めて読むけど、この作家さんを発見できて良かった。久しぶりに読み応えのある小説でした。
3投稿日: 2024.04.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
斉藤卓巳 放課後に『むらまさ』のコスプレをしてあんずが書いた台本どおりにセリフをしゃべり、セックスする。友達に無理矢理連れて行かれたコミケであんずにナンパされた。あんずとのセックスに夢中になる。 岡本里美 あんず。何かのアニメのコスプレをして、『むらまさ』のコスプレをした卓巳とセックスをする。人妻。夫婦共に自然に妊娠しにくい体で不妊治療を受ける。中学も高校も女子校で、いじめららながら過ごしてきた。大学で初めてセックスをし、声をかけてくれた男の子全員とセックスをした。コスプレ衣装を作るようになる。 卓巳の母 助産師。家で助産院をしている。若い恋人ができたとあって出ていった夫とたまに会っている。 福田良太 卓巳の同級生。夏休みに市民プールで卓巳と監視員のバイトをする。認知症の祖母と団地で二人暮らし。父はくびをつった。母親は離れて暮らしている。新聞配達、コンビニバイトを掛け持ちしている。 松永七菜 卓巳の同級生。D組。卓巳が高校に入った時から好きな女。期末試験あとに卓巳に告白して付き合う。将来は助産師になりたいと言っている。 純子の友達。 木村 お料理ブログランキングで常に十位以内にランクインている。 岡本慶一郎 里美の夫。製薬会社でMRと呼ばれる営業の仕事をしている。大学のとき少しだけ演劇サークルにいて、衣装を自分たちで作っていたためミシンも裁縫もひととおりできる。 岡本マチコ 慶一郎の母。里美に早く子供を作れとプレッシャーをかける。 くるみ コミケで知り合った友達。 あくつ 松永の友達。アニメオタクの姉からネットのコスプレ掲示板で話題になっている卓巳の写真を松永に見せる。良太のバイト仲間。同じ団地に住んでいる。 松永優介 七菜の兄。勉強ができる。フリーセックスの宗教団体の施設に行っていた。 日向 優介の同級生。 田岡良文 良太のバイトの先輩。二十代後半。過去は塾の先生をしていた。でかい病院の息子で高級マンションで暮らしている。 みっちゃん 助産院で働いている。お産の介助だけではなく、入院中の産婦さんたちの食事づくりを担当している。 リウ 駅前の古ぼけたビルの漢方薬局の先生。 野村千栄 卓巳の担任。家庭訪問に来たのに、妊娠を見破った。
2投稿日: 2024.03.25
powered by ブクログ窪美澄の2冊目。これが2009年デビュー作だった。現在を切り取りながらこの人もいるよなと思わせる見事な人物描写。その中でも私には助産師の母親の現場に立ち続ける姿が心を打った。まさに今ここを生きていこうとする人が立ち上がっている。今後も読み続けたい作家に出会った気がする。
4投稿日: 2024.03.06
powered by ブクログ性描写の多い作品だったが、若者の苦悩と大人の苦悩その2つの面が垣間見える良い小説であった。 きっと読む年代によって解釈や読後感が変わるのではないかと思う
2投稿日: 2024.03.04
powered by ブクログ窪さんの、こういう読後感とても好き。 4作目ということもあって信頼と実績で安心して読めました。 誰しもが持っている、どうしようもない弱さと歪みとをこんなにも誠実に描き出すのすごすぎる。 それを受け止めながらも、自分らしさをあきらめずに顔を上げるようなイメージで、ゆっくりジワジワと心に温かいもの広がり、心からのエールを送りたくなる気持ちになる。 うまく言葉にできないけど、解説が素晴らしく言葉にしてくれていた・・・(大感謝) ここだけの話、結構生々しい性的な表現はあるんだけど、それがあるから読み進めやすい気がしました。笑 ページ数も少なめだし半日で読破。 最後のシーンでは卓巳と一緒に号泣!! 勧めにくいけど、大オススメ!読んで!
3投稿日: 2024.02.25
powered by ブクログふがいない。みんなふがいないんだな、と思った。厄介なものがあって当たり前だし、そこから逃げられるけど逃げられないっていうのも当たり前なんだな、と思った。 登場する人たちがみんな優しくて、そんなことまでしなくていいのにと思う場面が何度もあった。とんでもないものがある人はそれ以外をよくしていかないといけないのか。 いろんな人の深いところまで感情や思考を知ることができた。
3投稿日: 2024.02.23
powered by ブクログ様々な家庭環境における親と子供それぞれの葛藤を描いた作品。 本作は短編集。 各話の主人公はそれぞれ近しい間柄であり、1つの大きな出来事をそれぞれの主人公目線で描いているため、実質長編のように1つの繋がりがある物語となっている。 冒頭はかなり過激な性的描写からスタートする。 その為「この内容最後まで読めるかな、、」という不安もよぎるが、そういった描写は一時。 あくまで各主人公の心の葛藤などがメインとなっている。 人妻と不倫をしている男子高校生。 本人の葛藤やそれをとりまく親、友人の葛藤などややダークな内容が多いため読む事が辛い部分もあるとは思うが、それぞれの心情を細かく描いている。
13投稿日: 2024.02.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『夜に星を放つ』を読んで、窪美澄さんの他の本も読みたいと思って手にとった一冊。 この本に出てくる登場人物はそれぞれが人生の分岐点にいるように思えます。 その中で人生をどう捉えるかとなった時に、1人の人物が『良いことも悪いことも長くは続かない』 『オセロの色が反転するように突然変わる』という言葉がありました。 これは本の中だけに限らず、自分が生きてる人生にも同じことが言えるなと感じました。 人生の見方が変わったなんて言い方は大袈裟ですが、少し人生を楽に生きるヒントに出会えた一冊でした。
2投稿日: 2024.02.14
powered by ブクログ色々な感情を知って、がむしゃらに生きていく高校生の男の子の話だけじゃない。 結婚しても、助産師で成功してるように見えても、色々な出来事が自分に起きて、自分のふがいなさを感じるのが人生なんだと思う。 向き合って生きていく人間らしさが溢れている作品だった◎
2投稿日: 2024.01.31
powered by ブクログ最初は不快さが先行してしまって、正直読み続けられるか不安だったけど、連作短編で主人公が変わっていくごとに見方が変わっていってあっという間に引き込まれた。 最後には風が吹き抜けていくようなすっきりとした読後感を得ることができた。 あんずさんのことを肯定はできないけれど、彼女が救われる方法があるといいなと願わずにはいられなかった。
1投稿日: 2024.01.20
powered by ブクログ思ったより官能的な表現が多くややお腹いっぱいになりつつ、、 「性」と「生」のテーマそのもの。 人間ってそれを抜いてはやはり語れないのよな、と感じた。 性に向き合い、逃げ、乗り越え、受け入れ、というところを描ききり、その上で読者に判断を任されているような、計算された余白を感じた作品。 映画もみたくなった。
3投稿日: 2024.01.06
powered by ブクログ窪美澄さんのデビュー作である本作。窪さん特有の後ろ暗い事情を抱えた人物を繊細かつリアルに描く作風が見られ、この作品が改めて窪さんの原点であると感じました。 本作は助産院の息子である主人公と、その友達や関係者、家族の物語。構成としては5編からなる連作短編集。主人公は高校生でありながらも、バイトと称して、人妻と不倫を行う。そんなある日、高校の同級生から告白され、改めてその関係性を省みるという流れ。 全編を通して、性的な描写やそれに関することが多いです。しかも、それが生々しくもあり、読む人によっては途中でギブアップしてしまうかもしれません。しかし、本作を通して、その生々しさこそがリアルであって、それを認めるってことも必要なのだなと思い知らされたような気がします。 みんな誰しも「やっかいなもの」や「後ろ暗いもの」を抱えているっていうことを強く意識させられる作品で、ドラマチックな救いや救済は描かれていないけれども、それらとの向き合い方を示してくれるようなそんな作品であるように感じました。
65投稿日: 2023.12.23
powered by ブクログのっけから官能小説的な場面が多く辟易としてしまう部分が多分にあったが、ストーリー自体は面白く引き込まれていくという不思議な作品でした。構成としてはよく見かける登場人物それぞれの一人称的な視点からの物語りだったので、読み返すとまた面白いかもしれないと思いつつ前述の感想があるのですぐには読み返さないと思います。 あとがきの部分でなるほどなーと思うところが多く、そこを意識しながらなら読み返しても面白いなーと思いました。
1投稿日: 2023.12.21
powered by ブクログセイタカアワダチソウの空がよかった。 良太の抱える家庭問題、田岡さんの光と闇、その後の世界線を想像したくなるような奥深さ。 花粉・受粉では心身ともにボロボロな斎藤くんが気の毒だったけど、リウ先生の悪い出来事も抱えていればいつかオセロのように反転する、斎藤くんの災難は花粉が受粉したようなものと斎藤くん母に伝えるシーンが好き。 そして読み切ってから、タイトルのふがいない僕は空を見たという言葉を反芻。 斎藤くん、立ち直ってまた恋ができますように。
2投稿日: 2023.11.25
powered by ブクログ露骨な性描写には耐性があるものの、なんか違う感というか…好みではないので飽きた作品。 子供嫌いもあるかも。 お母さん視点は少し面白かったかな?
0投稿日: 2023.11.17
powered by ブクログ各章ごとに主人公が変わり いろんな角度からいろんな人の感情が見えて 一つの事柄にこんな多くの人が関わって 感情が絡んいるのがすごく楽しめた。
1投稿日: 2023.11.09
powered by ブクログ最初は性描写がリアルで官能小説を読んでいるような気にもなったが、読み進めていくうちに登場人物の暗い背景に現状を重ねることで物語の深みが出た。各章ごとに登場人物が変わり、同じ出来事を視点の違う人物が読み進めていく展開は驚きも多く、読みながら思わず声が出てしまった。登場人物も多く複雑な関係ではあるものの、人物相関図を今すぐ書き出せるほど内容が鮮明に頭に入ってきた。そういう点では読みやすい本だと思う。 最後に解説を書かれていたのが重松清さんで驚いた。丁度この本を読む前に重松さんの小説を読んでいたのもあるが、比較的易しい表現で温かなストーリーを書くことの多い重松さんがこの本を手に取り、どんな考察をし感想を抱いたのか気になって仕方なかった。過剰な部分に焦点を当てた表現に着眼しており、思わずそのシーンを読み返した。
1投稿日: 2023.10.26
powered by ブクログきっと同じ町内でも扉の内側ではこんなことが普通に起こってるかのようにリアルで重い世界……でもスラスラと読める。 ただただ福田くんが笑える数年後を過ごしていて欲しいと願いました。
10投稿日: 2023.10.23
powered by ブクログ短編連作集。最初のミクマリがR18文学賞受賞作品。 性描写が多いので混んでる電車内では少し読みづらいかも。でもあまりエロスは感じなかったのは、それぞれかかえている事情があるからかな。 あとがきで重松清さんがかかれているように、性と生の話で、読後はなんとなく、せっかく生まれてきたのだから生きることを少しでもたのしもうと思えた
11投稿日: 2023.10.15
powered by ブクログ連作短編集だけど、タイトルと同じ名前の作品はない。でも、タイトルみたいな気分になる、いい意味で泣きそうになる読後感でした。 初めは性の表現がストレートだなぁと思って読み進めてたけど、それだけじゃない。それぞれにつらいことを抱えながらも、生きていく登場人物に引き込まれます。 2011年くらいに発刊されてるけど、今読んだらなんかリアルで響きます。 文庫版読んだんですが、重松清さんの解説も秀逸です。
0投稿日: 2023.10.14
powered by ブクログ高校1年生の齋藤くんは年上の主婦と週に何回かコスプレしながら性行為をしている。やがて、齋藤くんは年上主婦に会いに行くのは快楽のためではないと気づく。第1話の「ミクマリ」は女による女のためのR-18文学賞受賞作。始まりの文章がやや過激な性描写で「あぁ、R-18文学賞っぽいなぁ」と思った。とはいえ「女による~」の受賞作は2・3冊しか読んでないので本当はよくわからない笑。 ただ「ミクマリ」だけを読んだだけではすっきりしなかっただろう。5話からなる短編連作。最後の「花粉・受粉」まで読み終えて やっぱり窪美澄の作品好きと思った。 助産師の母親を持ち時々出産のお手伝いをする齋藤くん。ある日の出産に立ち会い 生まれてきた男の子をみて「おまえ、やっかいなものをくっつけてきて生まれてきたね」と言う。 この本の登場人物みな 何かしらの「やっかいなもの」を抱えて生きている。それは性癖、性欲、性別でもあるし、親や家庭環境でもあるし。わたしたち誰もが持っていであろう「やっかいなもの」。こいつとどう付き合って生きていくのか。 みっちゃんの言った「ばかな恋愛したことない人なんて、いるんすかねー」って言葉が好きだ。齋藤くんとあんずの恋は不倫だしね。松永の恋も不毛だし。頭のよすぎる松永兄はフリーセックスの宗教信者になっちゃうし笑。でも、窪さんの作品の登場人物を嫌いになれない、というか 愛しく思えてくる不思議。それは「ばかな事」とわかっていても それを抑えられないほどの感情に出会えている主人公たちが ちょっと羨ましいからだと思う。親のネグレクトから認知症の祖母と二人暮しをしている友人の福田も齋藤くんのビラをばら撒くくらいしないと 憂さは晴らせなかっただろうね。本当にばかなことだけど。齋藤くんの優しさも 松永の真っ直ぐさも 福田の強さも 大好きだ。 松永が齋藤くんを好きになった理由にはキュンときた。背の低い松永が 手の届かない位置にある物を取ろうとしていたら 後ろからひょいと松永を抱えあげる齋藤くん。自分が取ってあげるんじゃなくて、松永抱えるって♡ しかし、意中の相手じゃなかったら ちとビビるか笑。 そんな優しい齋藤くんが 「花粉・受粉」で やっと声を出して泣けたことに泣けた。 ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 今、図書館の窓際でこれ書いてるだけど 窓の外でお昼寝してる仔猫がいてめちゃくちゃかわいいっ!人が近くを通ると警戒してビクッとしてる笑 目が離せない(♡´▽`♡)
39投稿日: 2023.10.03
powered by ブクログ5つの短編小説だけど全ての話がつながっているのが面白い!次は誰目線の話かな?と楽しみながらあっという間に読める。不器用だけど一生懸命生きている5人の主人公たち。どちらかというと、日陰で生きる彼らのなんともやるせない話なのだが、人生ってそういうものかもしれないなぁ。不思議と優しい気持ちになれるお話です。
2投稿日: 2023.10.02
powered by ブクログめちゃ面白かった ストーリー自体はあんまし明るい話ではないし、R18指定もあるしですが それぞれの話がそれぞれの色で面白かった 登場人物の人たちが次の話では主人公になり、切ないストーリーを連なっていく 特に気に入ったのはセイタカアワダチソウでした 堪らないほど切なかったです 気に入ったのは「あくつさん」主人公にはなっていないんですが、名バイプレイヤーとして存在感出しまくりですごく良かったです
0投稿日: 2023.09.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読みやすかった! こんな世代って今もいるのかな 私も田岡さんに勉強教えてもらいたかったな… ふと思ったのは、こうはなりたくないとかって私が勝手に思ってレッテル貼りしてるだけで、正解も不正解もその人が決めることだし、それは本当に自分にも言えることだと思った でも、みんな他人の噂が好きだったりするのはなんでなんだろう
1投稿日: 2023.09.26
powered by ブクログどこか失ったり苦悩した人たちの様を、見せつける連作長編。 中盤くらいまでは楽しめたけど、最後の方は食傷ぎみに感じてしまった。そんなの、あるのか?って。
0投稿日: 2023.09.24
powered by ブクログいいところも悪いところもある、矛盾して相反するように感じる性質も人の中に共存しうるのが事実 一部を見て決めつけるのももったいないのかな 厄介なものを持って、それを捨てられなくて持ち続けていても肯定も否定もせず一瞬一瞬の気持ちをただの現象として受け止めたい めんどくさいけどしょうがない!
1投稿日: 2023.09.05
powered by ブクログ重松清の解説がとってもおもしろくて、わたしたち読者が言語化できてない細やかな心の揺れをすべて表してくれてる。読み返すときは、まずは解説から。
1投稿日: 2023.08.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
窪作品で一番登録数が多い本。でも、R-18指定?コミケで知り合った12歳年上の主婦(里美)との不倫に溺れる男子高校生・卓巳。その性行為の内容がネットに拡散される。夫の母親から不妊治療を強要されている里美はアメリカにまで連れていかれて体外受精を受けさせられる。団地で祖母とふたりで極貧生活に耐える少年(良太・卓巳の友人)。この福田の状況に救いの手を差し伸べたのはバイト先の先輩・田岡だった。ここら辺までは面白くなく読んでいたが、読むのや~めた。暗いし、興味がわかないし、性描写が露骨で意味不明。久しぶり無理~①
33投稿日: 2023.08.22
powered by ブクログ各章ごとに主人公がいて、彼らがそれぞれつながりを持っている。そして、それぞれが抱える問題がある(解説の重松氏は、それは作品中で「やっかいなもの」と表現されていると説明してくれた)。問題を抱えながらも新しく歩み出そうとしている人たちを描いた作品だ。 前半の過激な性描写が、ちょっときつく、何度か読むのを断念したくなったが、最後まで読めてよかったと思えた。
0投稿日: 2023.08.12
powered by ブクログんっかーーーー!!ほんとうにどうしようもないことだらけ。人は生きていればそれだけで何かを抱えている。その厄介なものを認め、受け入れ、ともに生きていく、まずはそれで良いのだと肯定してくれるような作品。もちろん優しくはないし、生温かくもないし、詰まっているのは厳しい現実ばかり。でも、人と人が触れ合うことで、たくさん救われることもある…良太や、松永や、お母さんや、みっちゃんや、のっちー先生、あくつ、そしてなぜかお母さんの不倫相手の妻…各章の語り手になっていない登場人物たちも、みんなそれぞれの現実を生きながら、助け合いつつ生きているのが、痛々しくも、それでいいのだと安心した。 p.262 自然、自然、自然。ここにあってくる。卓さんの三浦さん達が口にする、自然という言葉を聞くたびに、私はたくさんの言葉を空気とともに飲み込む。彼女たちが口にする自然、という言葉の軽さや弱さに、どうしようもない。違和感を抱きながら、私はその気持ちを言葉に表すことができない。乱暴に言うなら、自然に言う覚悟をする事は、自然淘汰されてしまう命の存在を認めることだ。彼女たちがいなく、自然という言葉のイメージ。オーガニックコットンのような、ふわふわで柔らかく、はかないもの。それも間違ってはいないのだろうけれど、自然分娩でも、高度な医療機器に囲まれていても、お産には、温かい肉が酒、熱い血が吹き出すような出来事もある。ときには、母親や子供も命を落とす。どんなに医療技術が発達したって、今も昔もお産が命がけである事は変わらないのだ。 p.263 みっちゃん位若い時は、私も産婦さん達を力任せに自分の意見のほうに向かせようとしたこともあった。けれど、自然分娩がどういうことなのか、私が頭でっかちに語れば語るほど、三浦さん達の表情が硬くなり、お産をスムーズに行かなくなった。本当に伝えたい事は、いつだってほんの少しで、しかも、大声でなくても、言葉でなくても伝わるのだ、と気づいたのは、つい最近のことだ。もっと早く気づいて、それを夫婦関係にも活用できればよかったのだけど。 p.268 若林さんの旦那さんが言うことも、看護師長の言うことも、どっちも間違ってはいない。助産師と言う仕事をしていると、自然分娩に強いこだわりがあるように思われるのだけれど、本当のことを言えば、母親と赤ん坊が無事ならば、自然文明だろうと、無痛分娩だろうと、どんな方法だって構わない。1人でも多くの子供を取り上げることを、自分の手柄のように話したくないし、お産で起こったトラブルを付き合うような真似もしたくない。毎日、眠らず、休まず、体と心をすりつぶすようにしてよさんに関わっているのは、医者も助産師も同じだ。どんなに手を尽くしても、それでも助産師として手に生えない事態が起こる。そんな時、医師の力を借りて、母親と子供の命を守ってほしいと、そう思う事は間違っていることだろうか。 p.271 卓巳は、小さな頃から、泣き続ける新生児や苦しんでいる産婦さんを見ると、一緒に泣き出してしまうような子供だった。産婦さん達が居間で食事をしている時、部屋に残された赤ん坊が泣き続けていると、一緒に布団に横になり、泣いている赤ん坊の背中を、優しく叩いて眺めているような、そんな子供だった。もう少し大きくなると、何かしらの理由があって、1人でお産をする産婦さん水を飲ませてあげたり、汗を拭いてあげるようになった。卓巳は私が寝ないで仕事をしていることや、産婦さんが何日も苦しんでいることを、傍で見て、感じで、知っていた。助けようと、差し出された、卓巳の小さな手を払うことが、私はできなかった。それは、間違っていたことだろうか。だから、卓巳はコスプレ姿で、年上の主婦と不倫するような子供に育ったのだろうか。 p.276 「手を見せてごらん」その時、すでに70近くなっていた院長は、老眼鏡をかけて、私の手を自分の手のひらに乗せ、しげしげと眺め回した。銀髪の院長の頭が私の目の前を上下した。手相が関係あるのか、と言うまもなく、院長が言った。「ふっくらしたいい指だ。3分3の大事なところをしっかり守れる。3羽さんの手だね。明日からいらっしゃい」その一言で再就職が決まった。院長に言われて自分の手をじっと見た。手や指が助産師向きでなんて言われたのは、生まれて初めてだった。「セックスがうまい人は理米の」「お産がうまくいくと、とっても気持ちが良いのよ。セックスの時に感じるエクスタシー以上よ」「子供を産んでもエロスを忘れちゃだめなのよ」雑誌の取材や講演会で話す院長のこんな言葉は、ある種の人たちからは大きく支持され、ある種の人たちから激しく非難された。先輩助産師さんが、やんわりと、もう少し発言を穏やかに、と頼むと、「ほんとのこと言って何が悪いの、戦時中でもあるまいし」とからからと笑った。「院長は魔法使っているからね)先輩たちの言葉通り、私や先輩がどんなに力を尽くしてもなかなか進まない。お産でも、院長にバトンタッチした瞬間に、硬く、閉じられた、花のつぼみが開くように子宮口が開き、赤ちゃんが院長の手の中にするりと降りてくるということが数え切れないほどあった。 院長と自分との助産師としての力の差に、仕事を放り出したくなることもあった。けれど、夫婦関係が既に破綻していた私は、自分の力だけで食べていく必要があった。拓美を連れて、この街から逃げ出す柚季も、経済的な余裕もなかった。神業のような院長の仕事を目にするために、おへその下に思い、鉄球が埋め込まれたような気がした。この人についていかないとダメなんだ。そう決めたら、私はもう新聞の求人欄の細かい文字を言う事はなくなった。 p.293 お産に集中していても、ふとクレヨンで書かれた文字と、小さな骨つぼが目に浮かんだ。他人に悪意を向けるためだけに、用意周到に準備する誰かのことを思った。どうか、そのエネルギーを自分の人生のために向けてくれないか、と。夕方になると、みっちゃんは「先生は1日1階外に出ないとダメ」と、毎日、私をスーパーまで買い物にいかせた。 p.296 リウ先生が白い方を見せて、すーっと息をすると、まるで呪文を唱えるように言った。悪い出来事もなかなか手放せないのなら、ずっと抱えていればいいんです。そうすれば、「オセロの駒がひっくり返るように反転する時が来ますよ。いつかね。あなたの息子さんが抱えているものも」リウ先生が指をパチンと鳴らした。「このくらいの出来事だと思いなさい。花粉を抱えたミツバチが花に触れたくらいの」 p.299 「小学校に入ったときに、父の田舎で牛尾さんを見てからかな」と言いながら、その時の風景を思い出していた。牛を飼っている親戚の家だった。母親に早く帰るようにとせかされても、講師が生まれるまで、しゃがんで鉄冊をつかんだまま、その場所を離れることができなかった。母、牛の体から、少しだけ出てきた。奉仕の前足丸様、水に濡れた子牛の体から立ち上がる。夕食。学校の授業や、テレビでは絶対に味わえない、命の出来事に、心を奪われてしまったのだ。初めてお産に立ち会った時、三浦さんの体から流れてくる陽水の温かさに感動した。こんなに暖かくて、柔らかな水の中で命が育ち、この世界に生まれてくる。その現場にいつもいたかった。眠れなくても、食事ができなくても、儲からなくても、お産の場所にいたかった。 p.317 解説・重松清 皇帝は、「今」の賛美とは違う。たとえ「今」がどうしようもないものでも、「いつかきっと」を信じることができるなら、人生や世界は、そしてどうしようもないはずの「今」もまた肯定される。本書の5編の小説は、どれも「今」のやるせなさにぴったりと寄り添っている。そんな「今」の物語の先に、まるで倍音を響かせるように、窪さんは「いつかきっと」の光を点してくれた。その光に導かれて、ご飯を読み終えた僕は、本を閉じて、顔を上げた。瞼の裏には光の病院がぼーっと残っている。〈やっかいなもの〉を捨てられずにいる。ふがいない僕たちは、でも、その光が瞼の裏に残っているうちは、人生や世界について少しだけ優しくなれるような気がする。それを信じて、自分で言った言葉に少し照れて、光が消えてしまわないうちに、と急いでとりかかった解説の小文を、今書き終えた。
0投稿日: 2023.08.07
powered by ブクログ手に取っては戻すを繰り返していたのは直接的な性表現が苦手だから。登場人物、それぞれの話は悪い方に進みがちだけど絶望ではない。戸惑いながらも前向きに話は終わったと感じました。生と性、許すこと、受け入れること、わかっていた気になっていた自分が見えて、そこは心苦しかったです。大きく心を動かされた作品でした。
0投稿日: 2023.08.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
まさに自分ではどうにもならない渦の中で揉まれてる時に読みました。救いらしい救いもなく、重くて、何度か心折れそうになったけど…いつかリウ先生が仰ってくれたようになる日が来るのかもしれないと、仄かな希望が心に灯りました。不思議な感じです。 福田くんのバイト先の店長がいい人でよかった。
0投稿日: 2023.08.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【映画を鑑賞】 失敗せずに生きていける人なんかいない。 しかし最近のSNS社会では毎日のように、いや、毎秒のように誹謗中傷が飛び交っている。 この作品のお陰で、人の失敗と自分の失敗を前よりも許容できるようになれた気がする。 不妊治療をしている里美は、姑に欠陥品だの言われて、子供がでてきない理由を全て押し付けられている。 その耐え難い現実があるからこそ、高校生(斉藤くん)とのコスプレセックスという現実から離れることができるものから抜け出せなくなってしまった。 しかしそれが夫にバレてしまい、その二人の過ちをどうしても許せなかった夫がそれを世間に広めた。 一方、斉藤くんの友人である福田もまた、痴呆の祖母との生活を抱えていて、どうにもならない現実の中を生きていた。 だからこそ、斉藤くんの主婦との不倫という大きな失敗を、おそらく同じように貧乏な団地住まいで鬱屈を抱えていたバイトの同僚と共にビラをばら撒いた。 この瞬間、つまり、誹謗中傷の最中にいる時の空の描写はとても美しくて、この瞬間だけ彼等は現実を忘れていた。自分はまだマシなのだと。しかしそう思えるのはビラを撒いている最中だけ。祖母は団地を水浸しにした。現実は決して変わらない。 しかしそんな福田くんに救いの手を差し伸べてくれる人がいた。バイト先の先輩だ。 彼は福田からみたら、病院の息子で頭も良くて自分とは違う人間だと思っていたと思う。しかし彼の「おれは、本当はとんでもないやつだから、それ以外のところでは、とんでもなくいいやつにならないとだめなんだ」という台詞は印象的で、わいせつ罪で捕まった。 人は誰しも言えない悩みを抱えていて、大きな失敗を犯す。それでも福田はバイト先の先輩のことを「寒い思いをしないように」と祈った。 そして斉藤くんは不登校の末、学校に行くことを決めた。結局、教室に入ったら「ムラマサさま〜」なんて揶揄われてしまうのだけれど、彼はそれを笑って過ごした。大きな失敗をしたことで、彼はきっと強くなれたんだと思う。 斉藤くんの母親の助産師の手伝いをしている女性の台詞で「間違った恋愛をしたことないやつなんていんのかよ」という台詞があるが、私はこの台詞がこの作品を表してくれる言葉の一つかなと思った。 彼女達の元には、間違った恋愛をして、命を授かってしまった女性が数多く訪れると思う。 しかし彼女達はそんな間違いを犯した男女とその子供の命を尊重しているからこそ、助産師という仕事に誇りを持っている。 だからそんな母親の姿を見て、最後斉藤くんはこの世に生を受けたばかりの赤子を見て「お前、やっかいなものくっつけて生まれてきたね」と言って笑えたのだと思う。 【余談】 斉藤くんを演じた永山さんが薬で捕まってしまいましたが、彼にもこの大きな失敗をどうか乗り越えてほしいと、そう思いました。
5投稿日: 2023.08.01
powered by ブクログ5人の登場人物が、バトンを渡すように語り手が代わりながら綴られている短編集。 タイトルの"ふがない僕は空を見た"とあるように、人は皆「やっかいなもの」を抱えているけれど、それでも生きていくしかないというメッセージを感じた。 生きていくには、上手くいかないこと、人間としての弱さが出てしまうことがあると思う。 それでも、空を見るように前向きに生きていけたらなと思った。
0投稿日: 2023.07.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
良太の生きる環境、描写にはないけど田原さんの悩み、生きづらさを想像するとしんどかった。 事実で被害者が本当にいるなら罪は償うべきだけど、田原さんのことを理解してくれる人がいてくれたらいいなと思った。 人の性癖、性行為を異常だ変態だって侮蔑する人たちは、自分のことは棚に上げて他人の性欲を蔑むことになんで疑念が湧かないのか。 (不倫は法に触れるのでダメだけど) 全裸での性行為とコスプレをしての性行為、何が違うのか。 脚フェチ声フェチと、加虐性愛だとか幼児性愛って何が違うのか、私にはよく分からない。 被害者がいなければ、犯罪でなければ何でもいいんじゃないかと思ってしまうのは違うんでしょうか。
0投稿日: 2023.07.08
powered by ブクログ始まりは過激ですが、人間の脆さや危うさと、社会の中で生きて行く難しさや恐ろしさの中で、人と人が複雑に支え合って逆境を生きる姿に励まされる作品です。人生が少し辛く感じた時、命の尊さを思い出したい時に、また読みたいと思います。
8投稿日: 2023.06.28
powered by ブクログはじめは官能的な描写に引き込まれていった。 画面から引いてみると、コスプレとか不倫とか宗教とか万引きとか世間に散らばっている変わっていたり非難される要素だったなーと感じる。 でも読んでるときにはそれぞれが人間としてもってきた本能がさらけだされていて、むしろリアリティがある。 特に感情がシフトしていく瞬間の描写が好き。窪さんのみている視線が自然体で、すーっと入り込んできて、小説のはずなのにふと自分の生活と重ねている。 小説の中の世間(社会)も登場人物たちの言動も自然体に描かれているように感じる。だからどの立場も非難されるものでもなく、それらを包み込むものが社会であり、人の欲求であり、姿なのだなあと愛というか愛おしさを感じた。
4投稿日: 2023.06.19
powered by ブクログみんな幸せになってほしい。。 傍から見ると落ち込むような重い話だけど、そんな日常を生きるしかないんだもんな。めっちゃリアル。 田岡がそういう奴だったの、すごくがっかりしたし、なーんだ、と思ってしまった。良太もっとひねくれてもおかしくないのに偉いわ…
8投稿日: 2023.06.19
powered by ブクログ間違いなく人生で1番好きな本。出会えてよかったーー、高2のときに初めて窪美澄さんのこの本を読んで、読書で初めて感動以外の涙が出た。 理不尽なことは理不尽だ!と怒る矛先があるけれど、理不尽さなど1ミリもなくて何もかも正当な理由で裁かれるとき、それが自分の大切な人だった場合の感情がずっと想像できない。何かあるたびにずっとこの本のことを考えていくと思う。 17歳の時に読んだから、今読んだら感じ方が変わっているのかもしれなくてそれが怖くて読み返せない。 それくらい大切な本、ずっと大切にしていきたい本。
5投稿日: 2023.06.09
powered by ブクログ窪美澄さんを読むのは「夜に星を放つ」からの二作目。「夜に星を放つ」はほんのりよかったような気はするものの、記憶に残らない短編集だったので、同じ作者とは思えない記憶に残る一冊になりそうです。 「やっかいなもの」を抱えて生きてる私たちに響く作品。セイタカアワダチソウの空の田岡さん、「勝手にオプションつけるよな神さまって」は切実さが伝わってきて切なかった。
30投稿日: 2023.06.07
powered by ブクログ重松清の解説が良かった。性欲というやっかいなものを抱えて生きる私たち、数百万個の卵子を抱えて生きる女子、無限に生成される精子を抱えて生きる男子、どこで折り合いをつければいいのか。むらまささま、教えてください。また新しい人生を生きてしまった、なぜばら撒くのか、なぜなのか、理由などない、ばら撒きたいからばら撒くのだ。逆らえない業が、そこにはある。
3投稿日: 2023.05.23
powered by ブクログ映画化してるから存在は知ってて原作読んでみようと。官能小説って読んだことないなぁって思ってミクマリ読み進めたら割と過激な描写はあるもののそれ以上に物語に引き込まれてしまって、最後の花粉・受粉まですぐ読めた バカな恋愛が高校生らしくて好き
2投稿日: 2023.05.17
powered by ブクログ松永のお兄ちゃんが宗教にハマって帰ってきてシラフに戻っていく一連の流れがよかった。 大雨の日のくだりも好き。 あれ程の事件があっても家族でいられることが凄い。というか家族の絆ってそれほど強いものなんだなあ。 あと、斉藤があんずに入れ込んでしまう感じは若いなと思うと同時にすげえわかる感じがする。
7投稿日: 2023.05.12
powered by ブクログしんどいけど、小説としてこんなにも味わえる素晴らしい本だと感じた。 ぎゅっと抱きしめられて、みんな大泣きできる愛に包まれて欲しいなと思う
2投稿日: 2023.05.08
powered by ブクログ心がぐちゃぐちゃになった。 読み始めて数ページ、刺激的な描写がされていて悶々とさせられた。しかし話が進んでいくうちにそんな気分は完全に忘れさせられた。登場人物達の人間としての愚かさやどうにも出来ない現状にまどろっこしさを感じさせられ心が重くなった。それぞれの登場人物が作中では完全に救われる事は無く、リアリティーも強かった。それでも、彼らの心情が少しだけでも前を向いているところに少し安心をした。本書はフィクションであるが、自分は恵まれているということを酷く痛感させられる。同時に自分の在り方をよく考えさせられた。
2投稿日: 2023.05.03
powered by ブクログ「高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスをしている。」 文庫本の裏表紙にある紹介文の、衝撃的な一文目。 刺激が強めの本は苦手なんだよなぁ、と思いつつ読んでみることにした。最初は登場人物たちを冷やかし半分で見てたくせに、読んでいくうちに他人事とは思えなくなって、最終的に彼らが抱くどうしようもない感情も衝動も痛みも全部全部、私の中にもあるものだったんだと思って泣きながら読んでいた。 「R-18文学大賞受賞」とあるけれど、この本を本当に1番読むべきなのは高校生なんじゃないかと思う。まあ少し刺激は強いけど、きっと下手な性教育の倍ためになる この本で抱いた感動は私の貧相な語彙力では言葉にはしきれないので、重松清さんの解説の一文を最後に添付して文の終わりとします 〈なにより惹かれたのは、どうしようもなさをそれぞれに抱えた登場人物一人ひとりへの作者のまなざしだった。救いはしない。かばうわけでもない。彼らや彼女たちを、ただ、認める。官能が(哀しみとともに)濃厚ににおい断つ世界を描きながら、作者はきっぱりと、清潔に、登場人物の「性(せい/さが)」を受け容れ、それを「生」へと昇華するための五編の物語を重ねていくのだ。どう生きるか、生きてなにをするのか、なんのために生きるのかという賢しさではなく、ただ生きて、ただここに在るーー「ただ」の愚かしさと愛おしさとを作者は等分に見つめ、まるごと肯定する。その覚悟に満ちたまなざしの強さと深さに、それこそ、ただ圧倒されたのである〉
4投稿日: 2023.04.05
powered by ブクログのっけから性的な表現と話題で、何ゆえ「新潮文庫の100冊」にあげられたのか疑問だったが、読み進めるうちに引き込まれていき、当初の思いを覆さざるを得なかった。最近子どもの貧困について取り上げられることが多くなったが、過去より増えたわけでなく、平均的な家庭が増えた分、特別視されることが増えたからではないか。それだけ生きづらくなったと言えるが、自身ではどうしようもない状況下で肯定もせず否定もせず、受け入れて生きることを選択する登場人物に共感し、エールをおくりたくなる。2023.4.3
2投稿日: 2023.04.03
powered by ブクログ登場人物それぞれが主人公になった5つの話から成る1冊。 正直1話目を読んだあたりアダルト、、これは評価つけ難いなと思ったけれど、読了した今星4つつけていました。笑 この作者さんすごいなと思ったのが、 同じ時について、5話でそれぞれの登場人物がどう思っていたかという描き方ではなくて ページをめくるにつれて時は進んでいる。それぞれの時を生きている。っていう描き方。 だからそれぞれの主人公がその後どう思って生きているかは考えさせられる…ような余韻を残された。 結局誰もがどうしようもないことがあって解決できないまま心に残る。 そんな現実に感じることを過激ながら表現してくれてる1冊だなと思う。 と、巻末の解説で心の整理をさせてもらいながら感想を書けました。 重松清より。「僕たちはいつも、愛読する作家の作品から、人生や世界の肯定のしかたを学んでいる。」 ・・・そうだったか。ふむ。そうだったかも。これからも。Netflixで映画を見るのも好きだけど、やっぱり読書っていいな!と思いました(人 •͈ᴗ•͈)
4投稿日: 2023.03.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「やっかいなもの」を体に抱え生まれてくる私たち。 様々な人生、様々な人々が抱える深い心の闇。 誰の生き方も否定せず 胸をはって肯定もしない。 人生を讃美しない歯切れの悪い言葉たちこそ 本当の優しさに思えたりもした。 「やっかいなもの」たる所以は、 うまく捨てられないところにこそある。 簡単に捨てられるような「やっかいなもの」 はそもそも最初からやっかいではない。 解説を読んで、さらに納得した。 ほんとうにそうだと思った。 -悪い出来事もなかなか手放せないのなら ずっと抱えていればいいんですそうすれば- 「オセロの駒がひっくり返るように反転する時がきますよ。いつかね」 そう言ったリュウ先生の言葉は ずっと胸に留めておきたい。 それぞれの性と痛みを前に 最後はまた新しい命のそばにいる。 たとえ、どれほどの傷や残酷さを前にしても 「やっかいなもの」を持て余し 私たちは歩んでゆく。 『この世界はでも、そんなに最悪でもないんだ。多分。というかそう思いたいし』
4投稿日: 2023.03.10
powered by ブクログ私のベストオブベスト。 話の流れかたとか、登場人物の悲哀とか、もう本当に胸が締め付けられた。 官能小説のようにも捉えられるが、その実本当にピュアな人間の心が垣間見えた。
3投稿日: 2023.03.04
powered by ブクログ短編集と思いきや、5編からなる連作長編集!!! それぞれに語り手が変わり、自然と引き込まれていくストーリー。美しい文章に酔いしれたり、心が苦しくなるような想いになったりで読後感は何と表現したらいいか分からない。 つまりは、5編の主人公たちも皆、惑い続けたまま終わっている。 重松清さんの解説から 『やっかいなものを体に抱えて、死ぬまで生きなくちゃいけない』という一人ひとりの生を、黙ってみつめる。 そう、死ぬまで生きなくちゃいけないのだ。 でも、少し優しくなれた気がする作品でした。
28投稿日: 2023.02.19
powered by ブクログあらすじやミクマリを読んだときは「アダルト系な話かな…」と思いつつ、続きが気になりどんどん読み進めてしまいました。 斉藤くんに振り向いてもらえず、兄の同級生にいいように利用されそうになる七菜の失恋が切なかった。 ヤングケアラーとか貧困問題、特殊な性癖を抱えた人など福田くんの話は重めなテーマだなと思いながら、読了後は青春の爽やかさを感じられた。 最後の重松清さんの解説で、5つの話それぞれは「やっかいなもの」についての物語とあり、人生にやっかいなものは付きものなんだと感じた。
7投稿日: 2023.02.09
powered by ブクログ5つの短編が語り手を変えながら続く連作長編。特に『セイタカアワダチソウの空』が強く印象に残った。自分ではどうしようもない境遇に抗いもせず、かといって流されもせず、最後には胸の内に静かな希望が芽生える。
2投稿日: 2023.02.01
powered by ブクログ最初は結構生々しくてそういうやつ?!ってなったけどページが進むにつれて普通に面白くなる 特に福田くんの話が良かったな。 性欲がたまごっちに例えられてるの笑っちゃった
0投稿日: 2023.02.01
powered by ブクログ主人公の高校生斉藤が人妻との情事から始まる。 この作品は性、性癖を扱ったものである。 斉藤の母が助産院を営んでおり、その性は正に『生』の場である。 性と生がテーマである。 生きていく難しいさ、不甲斐なさ。そんな毎日かも知れないが。 見上げた空が眩い希望の光であって欲しい。
14投稿日: 2023.01.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
性欲を「やっかいなもの」や「オプション」と表現するのが的確な表現だと思った。 あんずは、夫に写真や動画がネットにバラされるのがわかっていながらも、見せつけるように斉藤とセックスをしたが、その時完全に「やっかいなもの」に支配されてしまったせいだった。
2投稿日: 2023.01.24
