
総合評価
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powered by ブクログ森見登美彦氏のデビュー作。 主人公の失恋を描く。 京都を舞台として、クリスマスというイベントを、独り身の男子学生たちの視点で見ている。自らの状況を何とか肯定的なものへとすり替えるタフさ。 健気で陰気な男子学生の妄想はどこまでも果てしなく、切ない・・・ 何よりも癖が強い。クセしかない!w 森見氏の小説は本作で既にクセのオンパレードであったのか。 読めばわかる。 読了。
21投稿日: 2020.10.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最後はおもわず、じわっときてしまった。 青春。汚いものも、尖り切ってしまって何がなんだかわからなくなったものも全て愛おしく見える。 あぁ、こういう学生生活がいいなぁ。と改めて羨ましく感じた。
2投稿日: 2020.10.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
まあつまり、結局、彼女と別れて悲しかったのよね。男っていうものは、本当に可愛い生き物ね。なんて、つい上から目線で言ってしまいますが。でもたぶん、女性には共感できない失恋後の心情でしょう。これならば、失恋は男の方が引き摺るというのも、なんとなく分かるような。 文章は、森見登美彦の初期の作品ということで、やや荒削り感はありますが、やっぱり面白い。
5投稿日: 2020.10.04
powered by ブクログ森見登美彦の本を読むのは二冊目のはず。彼の書く文章は表現が巧みで、微笑ましいものが多い。万城目学に通ずるものがあると勝手に思っている。 どこまでも愚かで愛おしい男子大学生の恥ずかしい青春物語。やはり似た境遇である故、共感することが多々ある。みっともない彼らの姿が時に勇ましく映る。恋愛の成就が理想とされる世界ではあるが、彼らの生き方は間違っていないように思える。これが彼らにとっての青い春なのだ。冬メインの話やけど。
3投稿日: 2020.10.01
powered by ブクログどんな内容の本なのかは知らずに、森見さんの本を最初から読んでみたいと思って読み始めました。 レビューで皆さまがおっしゃっている通り(その影響もあるかもしれないけれど)、太陽の塔こそ「原点」の一つである作品だということに納得がいきました。 久しぶりに本を買ったので満足感のある本で嬉しくなりました笑。
2投稿日: 2020.09.27
powered by ブクログ森見ワールドの原点。 なんでもないような日常にファンタジーがある。すごい。 自分の周りにもこんなファンタジーがあるかもしれない、と妄想を膨らませたくなる。
3投稿日: 2020.09.27
powered by ブクログ他の作品を結構読んでいてこれは読んだことがなかったので読んでみました。 特にこういう話の本です、というものがないので他のシリーズが面白かったのでちょっと読んでて飽きてしまいました。。 250ページほどしかないので2時間もあれば読めます。 森見節が炸裂です。 他の作品で出てきたものがここでも出てくるのでその共通点は嬉しかったです。 全体を通して男臭くて、読んだ後はええじゃないか ええじゃないかと街を練り歩きたくなる作品です。
2投稿日: 2020.09.18
powered by ブクログもしこれが、森見さんの本で最初に読んだものだったら、途中で諦めてたかも…っていうくらい、ずーっと男子大学生のどうしようもない妄想と自分の中にある幸せになりたい気持ちに正当な理由を付けて抗う話が続く。真面目な文体なのに、読んでて吹き出してしまう感じとか、最後の何行かで、この男子学生が一気に愛すべき存在になるところが、さすが森見さん!
3投稿日: 2020.09.06
powered by ブクログ誇りを持って堂々と彼女を待ち伏せする主人公にまったく感情移入できず、ただ、そこが面白おかしくて読み進めていった。でも、ラストの描写で、単にひねくれた男の失恋物語ではなく、失恋してから時間をかけて、前を向くまでの青春の物語を読み終えた気分になりほっこりした。
2投稿日: 2020.09.03
powered by ブクログ森見登美彦氏の真骨頂である、というかそもそもこれしかない、とも言えるが、京都の貧乏で非社交的な変わり者のどうしようもない大学生を主人公に、これまた京都の大学(要するに京都大学だが)に巣食う魑魅魍魎の変態、異常者、奇人、変人を跋扈させる荒唐無稽かつ無意味なストーリー。 なんというか男汁とか廃墟一歩手前の下宿から滲み出るどうしようもない奇怪な空気を描写することがこの作者のキモだよなぁ、と思うけれど、今回は水尾さんというヒロインがまったく自ら話したり動いたりしないのでその雰囲気はちょっと森見さんのその後の著作と趣を異としてるなぁ、と。
0投稿日: 2020.08.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夜は短し乙女がとても面白かったので、森見さんの小説家デビュー作を期待度高で購入。感想では評判が高く、さらに期待度高。序盤ではこれから面白くなるんだよなぁ?と思い、中盤では面白いところまだか?と焦り、終盤では少しイライラ、最終頁でこれは大どんでん返しかな!と思いきや、そのままおとなしく読了・・・。んっ?えっと、、、どういうこと?乙女との違いは失恋話だったから?確かに、表現的に、「うふっ」と思った箇所はいくつかありましたよ。でも私の心をキックしませんでした。私の読むポイントがヅレていたのかしらん?
4投稿日: 2020.08.12
powered by ブクログ言葉にして表現する事ではこの主人公の像は僕には絶対に捉えられない気がするけれど 棚上げと大言壮語で嫌みったらしくガチガチ固めたその鎧の隙間から不意に何かがこぼれるたびに ふと懐かしく、そっと背中に触れたくなった。 〈失恋したら読みたい本〉ってカテゴリーを初めて意識したなー。 一度だけ実物の太陽の塔を見たのが残暑の頃だったからか、太陽の塔はどうしても夏のイメージで想起される。 だけど物語の舞台は冬で、電飾煌びやかに飾り立てられた京都で 馴染まぬものを弾いて回るクリスマスに小癪な世迷人がじりじりと抗う。 姿の見えないものと戦っている無謀な人々への祈りのようで。
0投稿日: 2020.08.03
powered by ブクログ森見さんって感じのどうしようもない主人公とその友人たちの世界観がとてもよかった。 ただしっかりと理解するにはもう一度読む必要がありそう笑
0投稿日: 2020.07.29
powered by ブクログ主人公のひねくれぶりは流石としか言いようがない 言い回しが好きなんだよな、もちろん内容もとっても面白いです!
0投稿日: 2020.07.27
powered by ブクログ森見登美彦さんの本は10年振りぐらいによんだんじゃないかしら。 これがデビュー作なんですね。相変わらずとてもふわふわしていて、女性像はファンシーだけど聖なる存在で、空気感が面白い作家さんでした。 これが結構中毒性あるんですよねぇ。
2投稿日: 2020.07.04
powered by ブクログ「ええじゃないか騒動」を引き起こしておいて、しっかりと勉強の準備は怠らなかった飾磨のように、主人公たちは一歩引いて冷静であり、その悪ふざけは露悪的である。そのような韜晦に満ちた「私」の語りが、饒舌な文体とマッチしてて面白い。 太陽の塔は水尾さんのメタファーなのかもしれない(逆かもしれん)、と遠藤と和解する場面を読んで感じた。 水尾さんがよく乗っている電車に目を光らせて、ついには太陽の塔にまで追いかけるも、そこにいるのは水尾さんではなく太陽の塔が建っているだけである。そして、太陽の塔に対する印象が、「私」の水尾さんに対する印象と重なった。 つまりは、「私」にとって水尾さんとは太陽の塔のようにいつも新鮮な印象を与えてくれるような存在だったと…。
1投稿日: 2020.06.22
powered by ブクログ男子京大生が主人公の小説。 夢玉、猫ラーメン、ええじゃないか騒動など、面白そうな出来事が登場。 風景描写や頭の中で考えている(妄想?)が特に印象に残りました。
0投稿日: 2020.06.18
powered by ブクログ彼女にふられた大学生の独白小説。文章のリズムとか言葉の言い回しが独特でおもしろかった。森見登美彦さんの「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半神話体系」はアニメでみたからいつか本で読みたいな。
0投稿日: 2020.05.05
powered by ブクログ正確にはハードカバー版で読了。 森見作品を立て続けに読んでいて、デビュー作にポロロッカして来たが、出てくる男たちはこれまでで一番酷かった。 けどどこか愛着というか親近感、或いは憧れが湧く。 あとこれは映像化の影響を私が多分に受けているかだろうが、これも夜は短し歩けよ乙女〜や四畳半神話大系に並ぶ平行世界の一つに見えてしまう。 人物違うし舞台も同一ではないのに。
0投稿日: 2020.03.20
powered by ブクログ星2.5といったところか。独白✖️大学生活という点は、『夜は短し恋せよ乙女』的だが、もう一つ物語世界に没入できなかった。文体の独特のリズムと世界観に、一気読みはしましたが。。。 失恋の痛手を負った自意識過剰な青年の、決してイケテナイ、自分も過ごしたグルグルした季節を追体験できた。本当にどうにもならないやるせ無さと下らなさと寂寥感が一杯で、青春時代を懐かしく思うものの、なんか、ホント、どうでも『ええじゃないか』と感じたのが素直な感想。ただ、ふと、あの時代から何も進展のない自分に気がついて、少し恐ろしくもなった。
2投稿日: 2020.02.22
powered by ブクログほんまにこういう男子学生、おる。そして俺も近いからめっちゃ笑った。尖りに尖って、高みに登った気がして、ちょっと周りから引かれる人達の話。おもしろかった。
0投稿日: 2020.02.21
powered by ブクログ小説で声を出して笑えるのは、森見さんの作品くらいだ。 語り手である主人公の言い回しが面白いったらありゃしない。 〝私が間違っているはずがない〟ので、どんな奇行もそれっぽく正当化してしまう無理矢理さがこれまた面白く、最早このポジティブシンキングは主人公の見習うべき点の一つであろう。 他の登場人物も揃いも揃って強烈なのだが、その人となりを知るには不十分であったのが惜しいところ。
3投稿日: 2020.01.26
powered by ブクログ振られた男の妄言かと思いきや、妄言に留まらず理解の範疇も飛び越えてわちゃわちゃしている作品。そのわちゃわちゃがなんだかむず痒くて、青春時代の痛い所を的確に弄り倒す様は、男同士の飲み会の様相そのもの。古くからの友達とちびちびと酒を酌み交わす感覚に浸れました。
0投稿日: 2020.01.08
powered by ブクログ鬱屈とした生活を選んで送る主人公は付き合ったものの振られた後輩・水尾さん研究に心血を注いでいた。 しかし、彼女に付きまとうなという警告を彼女の同級生から受けてしまう。 京都を舞台に繰り広げられるどうしようもない男子大学生の妄想と失恋からの再生物語。 なんでしょう、やっぱり森見さんの文体は合う合わないがあるようで、わたしは本書はちょっと合わなかった。 妄想と現実をくるくると回る舞台転換に酔ってしまう。
0投稿日: 2019.12.30
powered by ブクログワハハハーー。 愛すべきこじらせ京大生(しかも、むさ苦しい)の、意識高い系失恋独白。 懐かしい京都の街が目に浮かび、ワハハハーーと笑ってしまった。 同じ京都が舞台でも、「きつねのはなし」の静謐さが皆無で、森見さんの奥深さがよく分かった。
0投稿日: 2019.12.30
powered by ブクログ実は読んだことなかった森見登美彦氏のデビュー作。 失恋したばかりで鬱屈としたひねくれ大学生が主人公。ストーキングではなくあくまでも学術的研究と称して、元カノである水尾さんをつけまわす。 そのストーリーだけでも相当キマッてるが、そのまわりを取り囲む男衆のキャラの濃いこと濃いこと。でもこんなメンバーでぐでぐでと大学生活を送るのはどれほど楽しいんだろう。クリスマイブの前哨戦として大文字焼きのごとく肉を焼く。からの"ええじゃないか騒動"、からの失恋の感傷。ちゃんとしんみり悲しんでおけ。 ラストは一体どうなったんだろう?うーん想像できないから書いて欲しい。 クリスマスイブを孤独に、あるいはひねくれた態度で迎えることになりそうな人間にはぜひ読んでほしい一冊。 かくいう私も、いくら結婚して子を育てクリスマイブの夜には全力でサンタを務めようと、根っこではクリスマスを純粋に楽しんでるカップルや世間を斜に構えてみているからね。
1投稿日: 2019.12.24
powered by ブクログ森見登美彦先生のデビュー作 コミカルで軽妙な描写でクスリと笑わせながら、京都を舞台にちょっと不思議なお話が進むというのは当時から変わらない 大体のキャラが個性的でどこかしら変わった人物なのだが、愛嬌があり憎めない 著者の他の作品を読んでいると、これが原点だというのがよくわかる
0投稿日: 2019.12.10
powered by ブクログ新潮文庫のパンチのあるカバーフレーズ。 「巨大な妄想力の他に何も持たぬ男がむやみに疾走する。」 まさにその通りの物語です。 京都を舞台にした物語が多い著者ですが、大阪万博の太陽の塔をタイトルとしているのが、意外。 それならば、大阪の話かと思いきや、やっぱり、舞台は京都でした。 京大生の、はたから見れば恥ずかしすぎる日常が、サバイバルレベルの怒涛の展開の中で語られます。 はたから見れば、呑気で楽しそうなキャンパスライフ。しかし断じてそうではないのである!という著者のすごみがあふれています。 後になって思い返せば、とてつもなく葬り去りたい闇歴史。 痛みと必死さでいっぱいの、まさに泥だらけの青春を、美化せずに書ききるところに、著者の潔さと暖かい視線を感じます。 氏が本上まなみの大ファンだということはよく知られており、主人公は愛車(自転車)にまなみ号と名付けて、彼女のようにかわいがっています。 なんと物語の終わりに、本上まなみ氏本人が解説を書いていました。 著者はさぞ感激のことでしょう。 京都出身の本上氏がつかった「へもい」(=イケてないけど愛しくて憎めない意味)という表現が、まさに氏の作品世界を表現しているものだなあと思います。 とにかくしゃにむにもがき続ける、無駄にパワフルな学生たち。 自分の学生時代を思い出すと、同じような恥ずかしさと痛みが蘇りますが、それを含めてとてもおもしろく、楽しく読めました。
2投稿日: 2019.11.28
powered by ブクログこれぞ森見登美彦が描く大学生って感じ。僕の周りにもこんな友人が居ればまた違う大学生活が過ごせただろうと思ったりもしつつ、こんなめんどくさい奴はいらないかもとも思ったり笑
0投稿日: 2019.11.25
powered by ブクログあれやこれや書き連ねてあるが、要するに失恋から回復するまでの主人公の独白である。要約するとこれだけなのに、味わい深い作品だった。森見ワールドを象徴する冒頭と締めの短い文章の余韻が、読了後も続く。 理屈をこねくり回して世間を斜に見ても、強気でいられるのは妄想の中だけ。現実の些細なことに翻弄され、深く傷つく主人公は、容易に自己を投影できる。内向的資質を備えた人間であれば誰しもが一度は通る道を、賢人が書くとこうなるのかと思った。
0投稿日: 2019.11.09
powered by ブクログ女性に縁なく妄想と自尊心と法界悋気を極限まで拗らた男子大学生達。語彙力と世界観が凄い。男子達をカラー付で想像できてアニメを見てる感覚になった。拗らせ男子大学生をこうもそれらしく描ける筆者にはもしや当事者時代が?と思えば京大院生時代に書いたのか。成程リアリティ。ええじゃないか騒動好き。ええわけがないと覚醒する主人公、発端のくせに同意する飾磨。騒動を経て&失恋克服で成長!(序盤「彼らは根本的に間違っている。我々は間違ってないから。間違いは正すべし」→終盤「恐らく私も間違っている」)10年後の彼らはきっと最高。
0投稿日: 2019.10.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
文章がきれい。 作品にあふれる空気感はなんとも言えないけど、 なんか好き。 解説で本上さんが書いているように、主人公はへもい(笑) ええじゃないか騒動はやりたいな。
0投稿日: 2019.10.12
powered by ブクログ痛い京大大学生 ”私” のお話。 彼の妄想の世界にきっと読者は引きずり込まれるはず。否が応でも.... 彼の周りの目なんか気にせずに今の自分を生きてるところがかっこいい。誰になんといわれようとも我が道を行くべし。
1投稿日: 2019.06.21
powered by ブクログ『太陽の塔』を太陽の塔の下で読みたい。そう思い、万博公園へと旅立ったぼくですが、水尾さんがいない、その事実に悲しくなりました。
0投稿日: 2019.06.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
森見登美彦作品は大好きだけど、これは好きじゃなかった。 デビュー作なのかな? 文体の特徴は面影あるけど、まだまだワンパターンだしくどい。 主人公のひねくれぶりがやりすぎできもい。 要はさじ加減が悪い。 ここから洗練されていって面白くなるのだな。
0投稿日: 2019.05.06
powered by ブクログポップな表現と古風な文体のマッチ。 森見登美彦ワールドの原点だと感じる。 お馬鹿で笑えるのにほんのり切ない良い小説です。
1投稿日: 2019.04.17
powered by ブクログ備忘録 自らの大学生活を卑屈に語りながらも決して悲観的にならず、イヤな思い出も輝きを持って描き出す森見登美彦の世界観が楽しかったです。 水尾さんにとっての特別になりたい感情を「太陽の塔」という圧倒的異様な物に対する嫉妬に喩えているのも無二な感じがしました。 ダイナミックさと矛盾するかのように溢れ出る切なさが独特の読後感を与えてくれる作品でした。
1投稿日: 2019.04.14
powered by ブクログこれってファンタジーなのですか?変な大学生の妄想記ではあるけど…。私には正直面白く感じられない、よく解らないというところだ
0投稿日: 2019.04.02
powered by ブクログ筆者は大学院まで進学されてたかと記憶してるが、同じ時期に学生として京都にいた共通点があったので土地勘もあって、個人的に馴染みやすかった記憶がある 会社の先輩から、お前に似てるって言われて読んでみたら・・・ちょっと分かる部分もあったが・・ここまで変なヤツじゃないつもりだったが・・
0投稿日: 2019.03.18
powered by ブクログ登場人物たちの陰気さが強調されており、以降の作品ほどポップな仕上がりにはなっていない。万人向けではないだろう。
0投稿日: 2019.03.08
powered by ブクログファンタジーノベル大賞受賞だそうだが。これはファンタジーではない。リアルだ。オタクはあまり好きではないが、この文体で語られると大いに応援したくなる。愛すべきオタク。 山月記のような、それでいて我輩は猫である、のようなこの文を一行読んでは声を出して笑ってしまう自分はなにかが壊れているのだろうか、という錯覚に陥る。いや、それは錯覚ではなく本当にそうなのであろう。あまりに笑ってしまうので通勤車中では読まないよう忍耐をした。 京都が舞台なのにいちいち粋である。やはり千年の都には魔物か、物の怪の類がいてこういう作品作家を生むのだろう…
1投稿日: 2019.02.07
powered by ブクログ確かな妄想力に連打されつつも、おセンチな気分に浸れること間違いなし。 どこまでが妄想でどこからが現実なのか分からなくなることが度々...。 伏線か、と思わせつつ放置されるものも多々あり、なかなかの暴れ馬だ。
1投稿日: 2019.01.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
デビュー作からスタイルが確立されていたんだなと思う 伏線が未回収だったりするけど、それでも十分楽しいし読ませるのは語りが巧みだからだろう 京都のような洒落た街と主人公たちのさえない感じの対比がいい ラストの現実を受け入れるシーンはまさにこのめくるめく世界を描く小説の終わりにふさわしいと思った
1投稿日: 2019.01.30
powered by ブクログ正直、あの大学じゃない人がこれを読んで面白いのか私には客観的な評価ができません・・・ 御影通りの定食屋「ケニア」ナツカシス。
0投稿日: 2019.01.20
powered by ブクログ2019/01/19 夜は短し歩けよ乙女を読んでなんとなくこの人の文体とか書き方、ストーリー構成が面白いなあと思って読んでみました。 最初はひねくれ京都大学生のストーカー物語なのか?と思ったけど、ユーモアある大学生のお話です。京都で大学生活を送るとこんな感じなのかなあと想像することもできるし、主人公が人々を見る目線というか感じ方が一風変わっていて面白いです。というかひねくれすぎのような気もします。 クリスマスを前に彼女と別れた主人公のクリスマスイブやクリスマスイベントに対して異様に毛嫌いする描写とかカップルをことごとく蔑視する態度とか、一言で言えば非リア大学生の極みだなという感じです。 時々毒づきながらも密かに願望も持ちながら京都で生きる日常を描いた作品は、京都の街を思い浮かべながら読むと一層楽しさが増すのではないかと思いました。
1投稿日: 2019.01.19
powered by ブクログ『聖なる〜』に続き、森見作品四作目。デビュー作から既にモリミー節は完成していたのです^^ 京都の街を徘徊する〈僕〉とその仲間たち+元ガールフレンドの水尾さん。モリミーの描くキャラクタたちはとても愛らしくて大好きだ。あととても京都に行きたくなるw 星四つ。
0投稿日: 2019.01.02
powered by ブクログファンタジーノベル大賞受賞作。その前にモリミーのデビュー作ってことで、いずれは読むつもりだったけど、クリスマスを題材にしてるってことで、この時期にこそ読了。非モテ男子達のクリスマスに対する怨念が、全開森見節で綴られる本作は、それだけで面白さ満点。随所で笑わせてもらいながら、極めつけは最後の”ええじゃないか”。これ、サイコーです。聖夜の京都に突如出来した奇行の有様が、まざまざと目に浮かんできて、思わず爆笑しそうなほど。今更ながら初期作品を読んだけど、当時から独特の世界観が築かれていた訳ですね。素晴らしいす。
0投稿日: 2018.12.26
powered by ブクログ森見ファンになってる気がする。 足りないと思いつつもちょうどいい感があるというか。 コメントむず。 あ、そうだ。私は水尾さんと同じなのでヤニ臭さは汗とは別で、マイナス。
0投稿日: 2018.12.15
powered by ブクログとにかく文章のrhythmが素晴らしすぎる。そして、「砂漠の俺作戦」に爆笑しそうになった。列車で読んでいたので非常に危なかった。解説が本上まなみなのだけど、これまで読んだ森見作品のMadonna像に対して、脳内で本上まなみを思い浮かべながら読んでいたので、なんかすごく吃驚して納得した。
0投稿日: 2018.11.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
四畳半を思い出す、かなり似た雰囲気のお話だった。 主人公の語り口及び語彙が、軽妙で勢いがあり読んでいてニヤリとさせられる。クリスマスイブに対する飾磨の演説は素晴らしかった(笑) 華はなくても、大学時代のモラトリアム期に、渦中にいるときは気づかないけど、あとで振り返ると思い出になるような日常生活が描かれていて、自分の学生のころも思い出しました。とても面白かった!
0投稿日: 2018.10.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
こんなにばかばかしくも生きる気力を貰える本は初めてだ!大学の5回生で出会うのでは遅すぎた、もっと早くに読みたかった・・・。ここまで可笑しい文章を生み出せる非凡な才能と豊富という言葉では足りないほどの圧倒的語彙力表現力に脱帽。声に出して笑いながら読みました(笑)
0投稿日: 2018.10.28
powered by ブクログ「四畳半神話体系」のルーツに出会えて嬉しい。京都の街の中でありえない場所を走る叡山電車はあの3階建ての宴会路面電車に発展するわけだ。オイラの中ではちょっとジブリチックでその中で朝までぐたぐたと飲んでみたくなる。頭でっかちだけど憎めない飾磨みたいな男友だちと、水尾さんみたいな黒髪の不思議少女がいたら完璧だ。 すでにこの時からジョニーが登場していたのにも笑えた。そもそもそれにまつわる話は男子にとって悲しく侘しく恥ずかしくて笑われるもののほうが多い。それにジョニーなんて呼び名を付けたら、何もしないうちから笑ってしまう。主人公が大学三回生だから、解説の本上まなみは“へもい”と愛情のある表現をしているけど、オイラが知る限り男子はいくつになってもある部分、進化しない。場合によっては後悔や反省はあると思うけど。女性は好意を持つ男子のことは“へもい”と思うのかもしれないけど、たいがいは理解不能で薄気味悪さを感じたりしてるんじゃないだろうか。被害妄想が強いオイラは植村嬢がええじゃないか騒動前に言ってくれた「あんまりそんなことばっかりしてるのもどうかと思うよ」って言葉に愛情を感じるもの。森見ワールドの中でで彼らが大人になった姿もぜひ見たいものだ。 影山徹氏の装画がまたイメージを膨らませてくれるんだよなぁ、いい感じだ。
3投稿日: 2018.10.13
powered by ブクログ森見デビュー作/ ライ麦パロ/ テンポが癖になる/ 不思議と読み返したくなる/ 市場での鰻の肝のシーンは秀逸
0投稿日: 2018.10.08
powered by ブクログ「何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。なぜなら、私が間違っているはずがないからだ。」最強のタイミングで大好きな小説『太陽の塔』を読み終えました。たぶん106回目くらいの読了。笑い転げて擦り切れて、気が付いたらほんのり切ない。日本一捻くれった失恋小説です。
0投稿日: 2018.09.30マンネリ 笑
大阪万博で岡本太郎が作った太陽の塔が題ではあるのですが、中身はいつもの通りです(笑)。 舞台も、登場する人物像もだいたいおんなじで、偉大なるマンネリです。
0投稿日: 2018.09.27
powered by ブクログ【いちぶん】 もし精神が位置エネルギーを持つとしたら、落下するときにはエネルギーを放出するはずだ。それを利用できればなあ
0投稿日: 2018.09.12
powered by ブクログ習作。個々のエピソードにまとまりがない。飾磨の羊の話など個々のエピソードは相当光るものがあるけど、それらの関連性がうすい。 四畳半神話大系・夜は短し歩けよ乙女などが章ごとにまとまりがあるようになっているのにたいして、本作はごちゃ混ぜな上にフォローもされていない。 内容はいつもの森見登美彦。 四畳半神話大系を読んだら本作は読む必要ないんじゃないか。
0投稿日: 2018.08.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初めて呼んだ森見登美彦さんの小説。 「すべての失恋男たちに捧ぐ」というキャッチコピーが興味を引き、読んでみた。 失恋を経験した京都大学院生が主人公のコメディ。 失恋から立ち直る術などについて書かれているのかと思いきや、失恋を全て受け入れて振った女の研究(ストーキング)を続ける主人公。主人公の前に立ちはだかる強敵(同じ女を好きになった人)。仲間と共に京都にはびこるリア充を倒そうと画策する主人公。全てに笑いが詰まっている。 主人公が恋敵に送ったプレゼントをそっくりそのまま復讐されたときは爆笑ものだった。失恋したとしても、主人公のような心があれば人生楽しいのではないかとも考えた。 全体的に非常に読みやすく、日常に笑いがほしいと思ったときに読むべき一冊であろう。
0投稿日: 2018.07.27
powered by ブクログ作者のデビュー作である。京都の大学生たちの歯牙ない失恋状態を延々と描写している。或る種の者たちにすれば、聖書のように箴言に満ちた文章であっただろう。 わたしは、この書を紐解きながら或る先輩の事をずっと思い出していた。彼は「世のフラレタリアートよ、決起せよ」と叫んだ。職場の寮で賄いの叔母さんが作ってくれているカレーとご飯を、常にモリモリと盛り、そのことによって世の中の搾取を挽回する計画を立てた。タヌキのような大きな腹を見せながら、顔を突き合わせる度にわたしに党に入れと誘った。わたしは客観的にもその資格があることは認めながらも、その度に断った。党に入ると碌なことはない。岡山市表町商店街で月一回の支部会と称して穴蔵でロックを飲み干す企ての共謀正犯になるどころか、独りその前に女性グループに声をかけなければならないという新入党員鉄の掟なるものを強制させられる。という噂を聞いた。バレンタイン革命なるものを目指しているという噂も聞いた。幾歳月が過ぎ、先輩はとおに職場を辞し、人には言えぬあれもこれもした後に、2年前のバレンタイン・イブの日の凍れる道端で行き倒れになった。危なかったところを生還して、なんと未だにわたしに毎日の如くフラレタリアートの党に加入せよと電話してきている。もちろん、わたしは断っている。 よって、この作品の登場人物たちがクリスマスファシズムに抗して「ええじゃないか騒動」を共謀する、その未来も充分に予想出来たのである。 「幸福が有限の資源だとすれば、君の不幸は余剰を一つ産みだした」
24投稿日: 2018.07.08
powered by ブクログええじゃないか? ええわけがない、ええわけがあってたまるか! 、、まったくである。 俺も激しく同意だ。 袖にされた男は、みな憤ってなんぼじゃい
0投稿日: 2018.05.21
powered by ブクログ久しぶりの再読。 最初の2行で森見ファンになりました(笑) ってゆーか、初読は20年くらい前? え、そんなに経つ?^^;
0投稿日: 2018.05.07
powered by ブクログ夜は短し歩けよ乙女に続けて読んだ本。 なんとなく、好きな可愛いでも変わってる女の子と、冴えない周りの人々に振り回される男子大学生、デジャブ?を覚えた。太陽の塔ってそんなにいいのかな…
0投稿日: 2018.04.22
powered by ブクログありきたりな学生生活がドラマチックに描かれているので日常がつまらないなと思ってる人に読んでほしい。 でも森見登美彦作品の中ではそんなに印象に残らなかった!
0投稿日: 2018.03.05
powered by ブクログ「面白い作家がいたもんだ」と思っていたら、ずいぶん売れている人らしい。yom yomで読むまで知らなかった気がする。結局、本物の水尾さんは電話の声しか出演していない気がする。すごい。本物の「太陽の塔」を見たくなった。自分の目で見た記憶がない。まるで映画を観ているような気にさせる、というか、作品世界の完成した映画を書き起こしたような小説に感じた。
0投稿日: 2018.03.03
powered by ブクログ独特の世界観でなんだかファンタジックな京都の街に迷い込んでしまったような感覚に陥ってしまう物語だった。 なんだか常に妄想の世界に生きている男子学生あるある的な感じがたまらない。 太陽の塔もテレビでしか見たことないけど一度実物を真下から見上げてみたくなった。
0投稿日: 2018.01.18
powered by ブクログ森見さんのデビュー作ということですが、森見節が全開、むしろアクの強さが以降の作品異常なのではとすら思いました。 表現に一々クスリとさせられるこの作家は本当に凄い!と今更ながらの感想です。 女性なんて、恋なんてくだらないと息巻く京大生たちのお話。 しかし、これは建前上の話で、頭のなかは女性(主人公の場合は元カノ)のことで一杯で ストーカーまがいなこともする始末。 男子大学生なんてこんなもんですよね。 そんななかでも、怖かった先輩の成長や、ストーカー仲間を見て自分の状況を冷静に理解するなど、最後は少し素直になった主人公が見られます。 振られたこと、付け回したこと、男汁全開にしていたこと、全てが良い思い出になるんだろうなという、気持ちの良い終わり方でした。
0投稿日: 2017.11.01
powered by ブクログ森見登美彦さん、日本ファンタジーノベル大賞受賞作「太陽の塔」読了。京都を舞台にした京大生の私とちょっと変わった男友達の物語。単に失恋の物語なんだけど、言葉使いが文学的?で、妄想癖の友人の変わった日常が飽きさせない。たまに笑いを混ぜながら、最後はちょっと、しっとり。「夜は短し歩けよ乙女」の原点のような作品かな。京都の街並みがいろいろ出てくるので、京都の人はより楽しめる作品と思いました。太陽の塔見てみたい♪
0投稿日: 2017.10.25
powered by ブクログなるほど、こういう小説を書く人であったか。 知人からずっと名前を聞いていたものの、なかなか手を出せなかったんだよね。今回一念発起して読んでみた次第。 面白い。文体は人を選びそうなんだけど、僕には合っている。 なんとなく土屋賢二を思わせるような持って回った大言壮語は、一つ一つがセンスにあふれ、にやりとしながら楽しむことができる。 主人公の周りの仲間たちも秀逸。かつて男子学生だった人なら、ああいった仲間にあこがれる部分があるんじゃないかな。 ただ気になったのは、最初はかなりエキセントリックだった主人公が、後半は結構普通の人になっていること。 あとラストがよくわからないし、水尾さんのキャラもよくわからない。 そのあたりうまいこと処理できてたら、かなりの名作として評価したように思う。
0投稿日: 2017.10.22
powered by ブクログ『新釈 走れメロス』で著者にはまり、デビュー作である本書を読む。恋愛=背徳、禁断の果実と言ってはばからない「私」が繰り広げる青い春。これが森見ワールドなのか……と唸らせる書である。明治の文士を思わせる口調で語られるバカバカしい大学生♂の歪んだ生態と妄想。ええじゃないか騒動のクライマックスで綴られる文章に、筒井康隆を彷彿としたのは自分だけ? 水尾さん、「私」が語る情報は少ないにも関わらず、何となく惹かれる o^^o 結末が読者のイメージ、いや妄想を膨らませる終わらせ方だが、自分としては徹底的に落ちてほしい。
0投稿日: 2017.09.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
デイビッドカッパーフィールド式 空中浮遊で特許を取得したマジシャン 能う限りの特権 良薬苦し、毒薬苦し クリスマスファシズム 17の座右の銘のひとつ 借りてきた猫 一くさりしたい 風紀紊乱ふうきびんらん 社会全体の損失 濡れティッシュ並みに内面の透ける男である 3歩歩いて天地を指差し天上天下唯我独尊 高杉晋作 三千世界 クリスマスケーキが押し入り 音がくわんくわんとさ迷う クリスマスは錯乱拡大 ともすれば忘れそうになる これは俺のゴンドラ かつてしたことがある。ただし夢の話である 酔うまいが、やはり酔わせてくれとわたしは泣いた、
0投稿日: 2017.09.02
powered by ブクログ初めて読んだのはいつだったろう。森見さんとの出会いはこの本だった。この手の面白さがツボで、それから森見さんファンである。 何年も前に読んだものだから、断片的にしか内容を覚えていなくて、図らずも新鮮に読むことができた。『太陽の塔』との再会のタイミングが良くて、いろんな場面で心に沁みた。たくさんの後ろ向き名言があると思う。特にラストの回想シーンが切なくて…。水尾さん研究をやめられない気持ち、共感できる。主人公とその周りのイケてない男たちに救われた気がする。個人的に感謝したい。 170811再読了。
0投稿日: 2017.08.11
powered by ブクログお馴染みの京都を舞台にした"へもい"大学生の失恋の物語。二十歳前後の特有の、微かだけど拭いきれない孤独感が漂いながらも、そんな自分たちをシニカルに笑い飛ばす。ダサいんだけど、愛らしくて憎めない。どこか懐かしくて、なぜだか頼もしいとも思った。
1投稿日: 2017.07.19
powered by ブクログ2つ下の後輩にフレれた主人公の生活を描く。青春物語。モテない主人公の周りには同じような男汁に溢れた友人が集まる。 作者の独特な言葉遣いが面白く、主人公の感情が読み取りやすい。 好きだった後輩との思い出が溢れ出した時はなんだがぐっとくるものがありました。
1投稿日: 2017.07.13
powered by ブクログ著者のモテない芸には辟易している。 にもかかわらず、『四畳半』を読んだ勢いで本書を買ってしまい、3時間たらずで読了してしまった。 全ての男の中に、主人公のような非モテ男子が潜んでいるのだと思う。 問題は、そいつからどれだけ距離を取れるかだ。 自分は、自分の中のそいつを愛おしく思いつつも、そいつのままでいたら生き延びることができなかったから、そいつを捨てた。 だからこそ、そいつに耽溺している主人公に、心から共感する。 非モテ学生路線に溺れた著者が新しいものを書けなくなってしまったことが、心から悲しい。 河原町ルヴォワールみたいに、京都の夜のエキゾチズムを突き詰める方向性もあったのではないか? 童貞大学生ノリがウケて、そこにはまってしまったのだろう。 もっともっと、京都の夜の魅力を書けた人だと思う。 安きに流れてしまったことが、本当に悲しい。
0投稿日: 2017.05.29
powered by ブクログ在学デビューとなったファンタジー大賞作。文豪文体の絶え間ない一人称。悪ノリで書いたらエライことになったんだろうか。有川浩のキケンが女性目線の男子の可愛さだとすれば、男性目線の男子がまさにコレ。失恋を認めない彼の憎めない愛らしさに繰り返し会いたくなる。
0投稿日: 2017.05.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「ええじゃないか」の場面の描写は臨場感があって素晴らしい。その後の水尾さんのことを思い出す半ページあまりが愛情にあふれていて切ない。読み終わってふと表紙を見ると、表題が塔のようにせせり立ち、大阪の太陽の塔よりも京都側で、ふもとから叡山電車が走るデザイン。夢の中の水尾さんがいる世界を表しているようで秀逸だと思う。
0投稿日: 2017.05.20
powered by ブクログ約10年ぶりに再読。 彼女に振られたダメ大学生のダメな思考や生活を描いている。 序盤はやや不快感を感じるほどのダメさだが、徐々に愛すべきダメ人間に変わっていく感じ。 なんやかんやで特に何も起こらない話ではあるが、何となく楽しい話ではある。
0投稿日: 2017.05.11
powered by ブクログ森見さんデビュー作。彼は日本語を日本一上手に操る作家さんだと思います。 『太陽の塔』も例に漏れず森見ワールド全開でした。京都を舞台に繰り広げられる、男汁満載の小汚く切ない男子学生の妄想世界。くすりと笑える日本語を駆使した面白さ。 なのに読んでるうちに世界に引き込まれて、ラストには胸がぐっとつかまれて、なんと涙まで出てきそうになりました。 冴えない男子学生たちとちっちゃな不思議系ヒロイン。森見さんの作品に登場する人物たちは、常に人間臭い愛すべきキャラクターばかりです。
0投稿日: 2017.05.08
powered by ブクログ好き嫌いが別れる文章、小説かもしれませんね。 私自身はまあ別にいいけど、、独特の言い回し、京大に入った人のナルシストぶりなどがうまいこと風刺混じりに描かれている部分が、笑えるところでもあり、人によっては不快な部分でもあるんじゃないかな・・。 私はどっちでもいいけど、あまりにもどっちでもよすぎて、過去に一度読んだなこれ。。。っていうのをエンディングの部分を読んでいて気づきました! (どんだけインパクト残ってないんや・・あーあー)
0投稿日: 2017.04.17
powered by ブクログ四畳半神話大系をアニメで観て森見登美彦さんを知り、ほかの作品の小説を読んでみようと思い購入した。デビュー作であるからか、森見さんの世界観はすでに作られているものの、ストーリー全体としてそれほど波もなく、エンディングもそれほどハチャメチャなものではなかったのでいまいち楽しめなかった。 森見さんの作品は、あの独特なアニメーションと相まって面白いものになるのかなと思ったので、4月公開の「夜は短し、歩けよ乙女」を楽しみにしている。
0投稿日: 2017.03.26
powered by ブクログ彼女にフラレてしまった男子大学生のお話。 男の人の精神面は基本小学生のまま変わらないと聞くけれど、今回の主人公はまさにそんな感じの人だった。 あとがきにあった、本上まなみさんが言う通り、起こる事件がへもすぎる。学生時代って総じてそうなるよね。楽しいファンタジーでした。
0投稿日: 2017.03.21
powered by ブクログ最初の方から、「男だけのフォークダンスを踊り狂った。」とか「一生このまま踊り続けて踊り念仏の教祖にでもなるしかない・・」とか、どうしたらそんな表現ができるのか、と著者の表現力にはどの本を読んでも感心させられる。
0投稿日: 2017.03.20
powered by ブクログ男子大学生の元彼女観察追っかけが軸。なかなかに捻くれた思考と文体、京都ならではの表現が物語を彩ってくれる。同じ男子大学生として、このような思考の主人公に共感できてしまうところが少し悲しい。
0投稿日: 2017.03.20
powered by ブクログ失恋男の話というより、男どもの妄想・迷走・独善話。そして多分(?)皆いい奴なはず。当方には判る、何故なら同じ一味だから。 太陽の塔の意味合いが正直イマイチ分からなかったけれども、まぁそんなことは良いでしょう、愛すべき猛者どもは十分笑わせてくれます。彼らは全ての女性と過半の男性には理解されない世界の住人かもしれないが突き進んでいってくれ。 何気に手に取った本作ですが当たりでしたわ。
0投稿日: 2017.03.18
powered by ブクログ妄想と自己憐憫と自虐にまみれた青春を送る 青年の日々の独白。 振られた女性相手のストーキングから話が始まる。 読み始めてすぐ「なんだコイツ、ヤバイやつーーー!」(笑) ファンタジー大賞受賞らしいけれど、ファンタジー要素 ごく少なめ。 ただ圧倒的な言葉使いの面白さとセンスにやられました。 他のも読んでみよう。 「ええじゃないか騒動」最高!!
0投稿日: 2017.02.22
powered by ブクログ本作品は向き不向きがある。私には向かなかったようだ。 唯我独尊傲岸不遜のように振る舞う京大生たちの様が私にとっては寒々しく感じながらも、作者の極めて高い文章力がそれらの違和感を凌駕していた印象だ。物語展開の発想と文章の構成、言語選択と仔細描写は読者を唸らせるものがある。 前半はストーカーまがいの描写と悪乗りが強く好き嫌いが分かれるであろうが(私は苦手だった)、後半は京都とクリスマスイブ、そして太陽の塔というシンボルが相まって不思議な物哀しさを伴う幻想的な作品となっていた。
0投稿日: 2017.01.29
powered by ブクログこの疾走感が好き。登場人物もみんな好き、憎めない。おかげで太陽の塔にも2回行った。 森見作品は「太陽の塔」に限らず、「誰かを嫌い」という言葉が少ない。「嫌い」という言葉を使う登場人物があまりいないのかな。これは作者の人柄かな。読むと心が漂白されたようになる。それが好き。
0投稿日: 2017.01.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
デビュー作とあって、文章や構成は粗削りな面もあるけど、そこは若さと勢いでカバー。基本は男汁まみれの拗らせ男子大学生の阿呆話だけど、叡山電車の印象的な使い方は『夜行』に通じるものがあるし、水尾さん研究に励む主人公のストーカー気質は『夜は短し~』の先輩みたい。「猫ラーメン」だとか「緋鯉」に「ジョニー」と、この後にモリミー作品に登場する単語がちらほら見受けられ、ここから森見ワールドが広がって行ったのだと、確かに感じ取れる作品です。『ペンギンハイウェイ』の時のように、ラストは不覚にも胸がきゅんとした。
1投稿日: 2017.01.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
はっきり言って読みにくいナリ。 主人公目線なので、主人公の性格や言動がそのまま文章にあらわれており、もろに影響しています。 つまらなくはない。ただ、読みにくいので。 女性、あとリア充な男性、そういった方々には余計読みづらいかも。モテない青春を過ごしたミーでもそうなんで。 レベルが問われます。。。
0投稿日: 2017.01.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
所謂、リア充を素直に受け入れられない意識高い系の男子のお話。頭が良いからこそ、手に終えないなぁって。でも、ちょっと気持ちがわかるかも。
0投稿日: 2017.01.09
powered by ブクログ1人のストーカー男子大学生の、男臭さに溢れた失恋物語。 時間を食いつぶすように、怠惰と将来へのほのかな絶望感に苛まれながら暮らす男子たち。明らかにむさ苦しくて臭そうで、未来なんて無いし八方ふさがりで鬱っぽくて愚かなのに、なぜか嫌悪感を感じず親しみすら覚えるのは、森見さんの軽快な文章のせいだろうか。 ラストはしんみり、でも綺麗にまとまっていた。
0投稿日: 2016.12.03
powered by ブクログ日本ファンタジーノベル大賞受賞作にして作者のデビュー作。 後の京都を舞台にした「夜は短し歩けよ乙女」や「四畳半神話大系」などのエッセンスが過剰に詰め込まれた妄想的ファンタジー。 華のない大学生活を送る、誇大妄想癖という病に冒された主人公の男臭い青春と友情と、恋愛を描いている。 失恋という苦い思い出からこの話ははじまる。 そして”私”の一人称で語られている。 主人公の頭の中が巨大迷路じみていて、読者はそれに付き合わされる。 読んでいるこちらも京都と大阪、夢と現実を右往左往させられる。 まるで主人公が愛車の自転車”まなみ号”で京都を縦横無尽に走り回るように。 大言壮語的な物言いは作者の真骨頂。読んでいて気持ちがいいのである。 大仰な文語的言い回しが、現実の四条河原町のクリスマスイブの喧騒とまったく異をなしており、ファンタジー的にしている。
1投稿日: 2016.10.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
娯楽としての読書をしたくて、購入。 序盤は比較的ライトでコミカルな感じ 中盤は因縁の遠藤との対決そして決着 終盤にかけては、つ~んと鼻につく臭いが漂ってきそうなほどの男汁展開 そしてクリスマスイブ、夢うつつ相混ざっての「ええじゃないか」騒動で時計の針もぐるーっと巻き戻って、ざっと水尾さんとのダイジェスト。 さらっと書いている割に、意外とせつない。 面白かったです。 本上まなみさんの解説も、よかった。
0投稿日: 2016.08.23
powered by ブクログ「何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。なぜなら、私が間違っているはずがないからだ。(p5)」で始まり、「何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。そして、まあ、おそらく私も間違っている。(p231)」で終わる物語です。初めてできた恋人水尾さんに振られた男の考え方が、物語を通してそのように変わっています。 彼は、振られた後も「水尾さん研究」を続けます。水尾さんは恋の対象ではなく謎と言うことができ、その謎に興味を持つことは当然であるため、この研究は「ストーカー犯罪」とは根本的に異なると、彼は言います。しかし、どう考えてもストーカーでした。笑えます。 彼の周りの男たちもまた、皆どこか拗らせているのですが、そこが愛らしくもあります。 クリスマスイブの日、飾磨の何の計画性もない一言から「ええじゃないか騒動」が巻き起こります。クリスマスファシズムに対しての報復です。彼らの日常は私にとっての非日常で、彼らのような友だちがほしい、と思いました。 また、タイトルにもなっている太陽の塔は、「『むくむくと盛り上がる緑の森の向こうに』『異次元宇宙の彼方から突如飛来し、ずうんと大地に降り立って動かなくなり、もう我々人類には手のほどこしようもなくなってしまったという雰囲気』で、立っている『宇宙遺産』」とあります。そんな太陽の塔を主人公は畏怖し、水尾さんはその偉大さを全身全霊を込めて讃えています。 私は今まで太陽の塔を見たことがないのですが、読んでいると見てみたくなりました。
0投稿日: 2016.08.05
powered by ブクログ森見さんもこんな大学生だったのかなあ、なんて勝手な想像をしながら読破。 モテない学生のさえない感じや心の内なる葛藤などの心理描写がすごく好きで、飽きずに楽しめました。
0投稿日: 2016.08.01
powered by ブクログ最初は話を垂れ流すタイプかと思った。 他の作品は、「あぁ、これはあそこと、繋がってるのか」という感じで、後から拾って読者をアハ体験させるようなカラクリがいくつか仕込まれていたが、今回はそれをあまり感じなかった。綺麗にまとめるための作品ではなく、賞を取りに来たのか? でも、招き猫や下鴨幽水荘?、作者の色はやはり色濃かった。 なかなかイメージし難いところも多かったが、最後のえぇじゃないかは素晴らしかった。少し気持ちが高揚したくらい。
0投稿日: 2016.07.13
powered by ブクログ失恋した男の話ほどしょうもなくて、面白い話は無い、と私は思う。しかし、如何せんしょうもなさすぎて、話の内容があまり思い出せないのが良くない点である。しかし、面白すぎるのは良い点に違いない。
0投稿日: 2016.07.05
powered by ブクログ愛するべき若者(ある種「バカ者」とツッコミたくなる)の妄想青春小説。自分も大学生活には華があまりある方ではなかったのでこの登場人物の心情も分からなくはない。印象に残ったのは「Gキューブ」の一幕。顛末には笑ったけどGが部屋中に闊歩している姿を想像すると…。うあーっ。想像したくない。それ以外は文章的にはあまり盛り上がる部分もなく、何か拍子抜けした。その意味で「普通」。感想はこんなところです。
0投稿日: 2016.06.09
powered by ブクログ森見作品の中では、かなり青春臭いというか男臭い。だが、それがおもしろい。 太陽の塔といいつつ、舞台のほとんどは京都。 何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。 なぜなら、私が間違っているはずがないからだ。
8投稿日: 2016.05.04
powered by ブクログ森見作品のカラーが初期の作品にも出ている。 ただ、黒髪の乙女と親密になっていくパターンが多い作家なのに、今作は失恋後の話だから新鮮に読めた。 思えば自分もこの作品に出てくる学生達のような後ろ向きで爽やかでない学生時代を送っていた時期があるなあ。だからこそ、すごく共感できるのではないか。 登場人物の言動を見てても、「これって誰々みたいだな」ということが多々あるのが面白い。
0投稿日: 2016.04.24
