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ロスト・ケア
ロスト・ケア
葉真中 顕/光文社
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総合評価

336件)
4.2
132
136
47
7
0
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    戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。その報を知ったとき、正義を信じる検察官・大友の耳の奥に響く痛ましい叫び―悔い改めろ!介護現場に溢れる悲鳴、社会システムがもたらす歪み、善悪の意味…。 現代を生きる誰しもが逃れられないテーマに、圧倒的リアリティと緻密な構成力で迫る! 全選考委員絶賛のもと放たれた、日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。 「彼」が介護苦に陥っている家庭の披介護者を心不全に見せかけて殺害する連続殺人、介護事業者フォレストケアの営業マンだった佐久間が利用者の情報を利用した振り込み詐欺、喰うに困ったホームレスが起こした万引き、これらの事件から炙り出される老人格差。手厚い介護と安定した暮らしを受けられる老人層とそうでない層。それを引き起こしているのが、皮肉にも介護保険制度であること。介護保険制度の歪みが引き起こす事件の真相。 厳しい介護の現実を知りながらも介護の仕事に邁進する斯波、利益重視が正しいと信じる佐久間、性善説を信じる検事大友の心情を丁寧に描きつつ、老人格差社会の現実を骨太に描いた傑作社会派サスペンス小説です。 コムスン事件を引用しているだけに、介護の現場のリアルな現状。介護を支える制度の歪みが理解されない、愛情と負担の間で介護者が追いつめられる現状。ほろ苦い衝撃作です。大友が、統計学的な見地から事件の発生率や死亡時間の不自然さに気づいて犯人を炙り出す過程が、スリリングです。

    2
    投稿日: 2022.12.05
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    人が死なないのが絶望的だなんて思いたくないなあ、、でも実際に周りに要介護者が出てきたらそう思ってしまうのかなあ

    1
    投稿日: 2022.11.05
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    初めての葉真中顕さん作品。 タイトルと表紙に惹かれて手に取ったけれど、読んでいて心が痛くなったし、すごい奥深かった。 介護の現場で起きる殺人事件。 各章が主要登場人物ごとの視点で書かれており、介護に様々な形で関わる人の感情や思いを感じながら読み進められるのは面白い。 犯人については〈彼〉と書かれているが、終盤、犯人が明らかになった際には「え!?この人だったの!?」とまんまと文章の構成にやられた。 犯人の行動は決して許されるものではないけれど、介護を経験した人だからわかる辛さや苦しみからくる本音には考えさせられるものがあるし、大友検事のように正義感だけで決めつけようとするもの違う気がした。 物語自体はフィクションだけれど、リアルに描かれていて介護現場の現実を知る良い機会になったし、自分が介護する、される側になる前に読めたことはよかった。

    31
    投稿日: 2022.09.30
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    「人が死なないなんて、こんなに絶望的なことはない」 まさに大きな穴の淵から深い底を見ているような感覚。 でもそれはいつ自分の身に起きてもおかしくない現実を突き付けられる内容でした。 実際に自分の親も高齢で徐々に介護度が上がっていくだろう、そして毎月数万円かかる介護費用、今は母親がいるが、今後はどうなるのか? 母親がなった時は誰がどうするのか? 仕事は?費用は?生活は?そして自分達は子供に負担を掛けずに生きていけるのだろうか? などなど眼を向けたくない現実を嫌でも考えさせられました。 とても素晴らしい小説でした。

    2
    投稿日: 2022.09.17
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    深く深く考えさせられました。 そして、考えなければならないと思いました。 他人事では無いのだと。 社会として考えていかなければと。 素晴らしい小説でした。

    3
    投稿日: 2022.08.31
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    読み進めていくと、なんだか焦点がずれているような違和感が拭えない。一気に突き進む感じがなく、ふらふらと突き回しているような印象 佐久間は一体どうなったんだ? 最後に、読者の思惑をひっくり返す意味がどこにあるのか。 どうも、私には、気が散って読みづらいという感想が残った。

    1
    投稿日: 2022.08.19
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    長く生きることが幸せか 家族の面倒は家族で見ることが正しいのか そういうことを問いかける ミステリーとしては先が読めた部分もあるけど、問題提起としては興味深い 相模原障害者施設の事件にも個人的には同じ思いはある 障害者の方は支援される側が子のパターンが多いと思ってるけど わかっていても止められないことがある 人は老いるし、高齢化社会で未来は暗い 介護業界が人不足かつサービスに厳しいこと 利益を追求する資本主義は弱者(稼げない人)に厳しい それの限界が来ているのかもしれない

    1
    投稿日: 2022.07.24
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    多少、介護に関係する仕事に従事しているだけに、いろいろと考えさせられる内容だった。作品としては何人かの登場人物ごとに話が進み、予想を超えるラストに。。。 面白かったです✨

    4
    投稿日: 2022.07.23
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    今年1月に認知症の父親を送った。自分で食事もトイレもまだ出来る状態の時に脳梗塞で一気に寝たきりに…色々あって自宅に帰らなかったので私が食事、下の世話をすることはなかったけど。認知症というだけでも正直大変だった。 介護保険というけど、実際は手出しがすごく高額になった。この本を読んで改めて、父親が相当額の貯金があったから「穴」に落ちずにすんだのだけど。 大友のような安全地帯にいる人は、ビックリする程能天気に綺麗事や正論をかざす。父親の世話をしてる時に、愚痴った私に、甘いよ とか言った人がいた。冗談じゃない。その人とは付き合いを絶った。 介護は当事者にならなければ分からない。お金がたんまりあってパラダイスに入れる政治家に想像がつく訳もないのだ。 私と同じ思いを周囲にさせたくない。死ぬことも人権尊重に当たるのだと、近い将来認めてほしいものだ。

    24
    投稿日: 2022.07.20
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    介護問題を扱った社会派ミステリー。この業界に身を置く者として考え続けなければならないテーマだが、この設定の妙。途中、おやっ? と思う箇所もあるにはあるが、まあ大筋に支障はないので目を瞑る。この状況下でのあなたの意思決定は? と問いかけられますよ。

    14
    投稿日: 2022.07.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2022.7.1 介護施設で働いたことがあり、認知症の方と触れ合う、介護をする、といった経験がある。その時に、これはお金をもらって、仕事として、お客さんとしてだからできるし、優しくも接することができるが、自分の親だったら到底無理だろうと思った記憶がある。 どんどんと心身が老いていくのを横で直視する悲しさも、不条理に叩かれてイライラすることも、排泄の介助も、仕事なら割り切れる。自分の親なら耐えられないと思う。 自分も長生きしたいとも思わないし、こうやって安らかにいかせてくれるならこうやってほしいとすらおもう。

    0
    投稿日: 2022.07.01
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    読み終わった後にほとんどの人が介護の問題を考えるだろう。そういう意味で価値のある社会派ミステリーとしての真骨頂かもしれない。介護の現場、老人の資産を付け狙う裏社会、リアリティのある展開が面白かった。 彼については彼でなくてもいいかところもあって星一つ減らすかな。

    4
    投稿日: 2022.06.21
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    この国で介護の問題はそうそうなくならないだろう。 わたしの未来にもいつか降り掛かってくる問題なのだろう。 この作品はそのいつかを今、自分ごとのように考えられる。 現実はここで描かれている以上に悲惨であることも想像に容易い。 長編であり、重いテーマであるにも関わらずあっという間に読み終えた。 この方の作品はとても好きかもしれない。

    5
    投稿日: 2022.06.02
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    認知症の老人を介護する家族の地獄のような苦しみに焦点を当てた社会派ミステリー。介護保険制度の矛盾、介護ビジネスの功罪、ヘルパーたちの過酷な労働実態、金融資産の高齢者への偏り、格差社会など様々な社会問題をあぶり出し、人間の尊厳、真の善と悪について読者に訴え、考えさせる。 誰もが犯人を予想できる展開に持ち込みながらそれを大胆に裏切ったり、事件捜査に統計思考を取り入れたりと、独自の工夫が練り込まれており、ストーリー的にも優れた作品に仕上がっている。

    4
    投稿日: 2022.05.12
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    家族を持つ者すべてが、考えなければならない。 直面する家族も、傍観して終わる家族も。 他の立場に置き換わって考える想像力を、いやがうえにも駆り立てられる。 生まれてきた以上、死ぬことは必然だが、その死に方を考えさせられる。親を介護すること、親として介護されること。医療が進むほど、直面する確率は上がるはずの現実に、自分はどうしたいのか、どうすれば良いのか。結論は容易には出ない。

    1
    投稿日: 2022.04.19
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    これを面白いと表現していいのかわからないが、一気に読んでしまった。テーマの介護については自分自身に確実にやってくる未来。あと、なぜか子育て中の子どもへの接し方も自分の中でどこかリンクしてしまっている。子どもの倫理観をどう育てていくか、性善説、性悪説、生きることはとても難しい、正しくあるためにはどうすればいいのだろうか。私は彼になんて言えるのだろうか

    2
    投稿日: 2022.04.12
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    ただ辛いっ 介護現場の現実と罪への尊厳があなたの胸をえぐる、強烈な社会派ミステリー #ロスト・ケア 介護の現実と自身の生活で悲鳴を上げている社会で発生した、要介護者への連続殺人事件。正義感が強い検察官が、自身の信条のもとに罪を突き付けるが… 安っぽい正義感や、綺麗ごとではすまされない、我が国日本においては既に訪れている大きな社会問題。誰しもが逃げることはできない現実です。介護現場の現実、企業の闇、生活レベルの低い人たちの叫びと本音がひしひしと伝わってきます。 犯人の取った行動は決して許されるものではありませんが、気持ちは汲みとれるのが心情でしょうか。これを読んで、我々はいま何をすべきか、考えされられる作品でした。 なお本作は小説の作りや文章が上手で、無理なく読み進められる良作です。また登場人物の人間性も目に浮かぶようで、描写がすばらしい。ミステリー要素もしっかり存在していてGOODでした。 現代人であれば、社会勉強と自身の将来のために読んでおくべき作品。おすすめです。

    51
    投稿日: 2022.03.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    冒頭は法廷での判決場面から始まる。そして登場する人物それぞれの目線から語られるという構成は他の作品でも読んだ記憶がある。登場する人物と時系列は慣れるまでページを戻して確認しながら読み進めた。そして『彼』の正体が明らかになるまでは読者は騙されている感じもあるけれどヒントは少しづつ与えられていたんだ、、死刑判決となった『彼』ではあるけれど彼は家族と本人を救ったと信じて疑っていない、介護現場の現実を知る人や家族は彼を責めることはできないのではないか。聖書の引用が効果的に同意を求められてるような気もする。『ロスト.ケア』この言葉が普通に使われるような時がくるかもしれない。

    6
    投稿日: 2022.03.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    裁判の判決が言い渡される場面から小説は始まる。 要介護老人を殺害した罪なのだが、それは何故起きたのか…… 一気によみました。 最後えってなりますよ。

    1
    投稿日: 2022.03.06
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    介護現場の悲惨さと現代社会の歪み、穴を描いた、リアルな社会派ミステリーで非常に読み応えがあった。 「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」の黄金律や、召命、原罪など、キリスト教も合わせており、〈彼〉と検事大友との対峙に、より深みを感じた。 黙示されている。 この作品を読んでいる私自身にも。 答えなど分からないが、考えずに目を逸らすわけにはいかない。 この作品は、苦しくとも購入して再読したい。

    15
    投稿日: 2022.02.14
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    物語は冷静にたんたんと進んでいく印象があったが、内容はかなり重く、考えさせられた。 誰かの呪いに自分がなるのは嫌だな。

    0
    投稿日: 2022.02.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ロスト・ケア 2013/2/16 優れた社会派作品 2013年11月16日記述 葉真中顕さんによる小説。 第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞している。 介護問題という身近ではあるけど見過ごされがちなテーマの作品。 日本で進行する問題点を炙りだした社会派作品だというのが感想。 殆どが現実にあった出来事や事象も取り上げていて大変現実感あふれる作品になっている。 振り込め詐欺、不安と恥が人を行動させる・・ 介護職の離職が多い理由。高齢者虐待がやまない原因・・ 安楽死の是非・・ そのもろもろがこの小説を通じて明らかになっている。 何もドキュメンタリーだけが社会問題を知る手がかりではないのだと痛感。 彼がたとえ死んでも世の中を変えようとした行為を責めることが出来るだろうか。 ぽっかり穴が開いているという指摘はまさにその通りだろう。 介護以外でも何かしら穴が開いているだろうが・・国民に身近な分もっと意識されてしかるべきだろう。

    1
    投稿日: 2022.01.11
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    取り上げている問題が現実的且つ現時点で解決の目処がたっていないので…辛い読了となりました。いずれ誰もが直面する苦悩と、法の限界を感じました。死の選択は絶対悪なのか?…この曖昧な閾は永遠に定まらないかと。現実を考えさせられました。

    2
    投稿日: 2021.12.25
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    これが介護や福祉の実態なのかと思うとゾッとする。 闇が深過ぎて何から考えたらいいのかわからなくなる。とりあえず働けるうちにたくさん働かなきゃ。

    2
    投稿日: 2021.09.28
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    いろいろ考えさせられた作品。 一生懸命生きてきて 子供を育てて 無我夢中で働いて それで最期、認知症になってみんなに迷惑かけて みんなに嫌われて 死んで欲しいと思われて そして殺される。 なんか哀しいな… やはり、お金や! 迷惑かけることなく施設に入る。 でももう遅すぎたわ。 いや、20代に気づいても3億は貯められなかった。 いやいや、自分ことより 私の両親の介護が近い将来に待っている。 怖い…

    6
    投稿日: 2021.09.17
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    突然ですが、私には戦争の影響で長年車椅子生活の祖母が居ます。年に数回は顔を合わせるし、容態、介護の状況等は身内の連絡網にて常に把握している。孫と認識されなくなっても本人と会話は出来るしコミュニケーションを取ってきている。 そして何よりも私は祖母が大好きだ。 だが、それとこれとでは全く種類が違う「介護の事情」 漠然と、きっとする側される側どちらも大変、どちらも辛い、どちらも苦しい。と思ってはいても、結局は分からない。どちらの当事者でもないんだもの。そんな考えを持つ自分に嫌悪感は持てど、やはり認識を根本的に見直す機会はありませんでした。 しかしこの作品を手に取り介護の事情、この国の大きな穴、黄金律の存在、匙を投げるべきではない人々の善悪を目の当たりにして、読了感「無」とは流石になり切れません。まぁつまりはいつもの「答えは見えない」状態ではあるのですが...。 社会派ミステリーの感想を書くのは苦手です。 自分の中で沢山の革命が起きているのにそれを言葉に出来ずもどかしいのです。ボケをかます雰囲気でもないし...(小声) (´ρ`*)コホンコホン でも好きなんです、平凡ながらも幸せな日々を送る私の人生に見たくない存在として介入してくる社会問題。「お前は決してこの問題を遠い所から眺めれる立場ではないんだぞ」と寝惚けた私の顔面に水をかけてくれるキッカケ。 今回は「介護問題」「幸せの定義」「人間の根本、黄金律」という濁流に物の見事に呑み込まれました。たくさんたくさん考えました。祖母のこと、父や母の事、未来の自分の子供の事(不確定要素) まぁ安定の答えは出ないマンなのですが、 私に沢山考える事を提供してくれる、言葉にならずとも確かに心に影響を与えてくれる。 そして、この経験をきっといい方向に導いてくれるであろう、未来の私を信じる事が出来る気がするのです。 うふふ、毎日たくさんの素敵なレビューを読んでも私の表現は進歩ナシ。でも嫌いじゃないんです。熱!!熱量勝負!!...もう完全に脱線極まりないのだが、私はこの作品に出会えてとても満足です。 『人にしてもらいたいと望むことは何でもあなたがたも人にしなさい』 縛る側、縛られる側 どちらに転じようともそれは生きる為、愛す為、人が人である為。 私も人でいたいなぁ。

    130
    投稿日: 2021.08.28
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    嫌でも相模原の障害者施設の事件を思い出してしまう 介護に関わっていた人物が事件を起こす トイレに1人で行かれなくなったり食事が取れなくなったら亡くなることができた昔の方が幸せだったのではないか…と考えてしまう 「死刑になっておしまい」というのもなんだか納得いかない

    3
    投稿日: 2021.08.21
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    はまなかあきが新人賞をとった作品。介護をテーマに、きれいごとを排したメッセージを提示するミステリとなっている。どちらかといえば、社会派小説としての性格の方が、ミステリとしての性格に勝っているが、それでも十分どきどきしながら読み進めることができた。 「主役?」である殺人者斯波の「正義」は正しい。コミュニティを維持するための法律がコミュニティを維持することに貢献しなくなっている時代において、新たな正義が求められるのはある意味当然のことだ。 一方、「安全地帯」にいることが出来る人間の立場からいえば、だから、正義には力が必要なのだという主張をしたい。中学のときから変わらぬ自分の考えである。

    2
    投稿日: 2021.07.28
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    壮絶な介護の場面は苦しくてつらいけど、ここまで書いてこそ、この問題提起が活きてくるんやろな。 でもやっぱり犯人は殺人鬼やと思う。

    2
    投稿日: 2021.07.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    喪失の介護『ロスト•ケア』と称して42人ものお年寄りを殺した男、あくまで介護であると最後まで意志を貫く。でも本当の狙いは…自分の命と沢山の人を犠牲にして不条理な社会に一石を投じる事。とても生々しく介護の実態が絵ががれている。 読んでいてノンフィクションではないのかと錯覚してしまう。自分ならきっとロストケアして欲しいと思うだろうな…。 一握りの安全地帯にいる人達は気づかない。格差社会の穴。穴に堕ちれば這い上がることは難しい。今はまだ自分は落ちずにいられるけれどもいつ何が起こるかわからない。 近未来予測出来る事は今から対策して欲しい。 自らも。

    2
    投稿日: 2021.07.12
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    リアルな介護業界の現実。綺麗事では済ませない介助する家族の苦悩。キリスト教の目次録なのか。悔い改めよ。誰が誰のために言っているのか、最後まで考えさせてくれた。感情表現や説明描写もとてもわかりやすく、心に刺さりやすい、親しみも感じた。ミステリー要素はスパイス程度。でもその按配も心地良し。

    2
    投稿日: 2021.07.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    葉真中顕氏の「絶叫」が衝撃だったので、他にも読みたくなってこれを。 ロスト・ケアもすごい作品だった。 老人介護をテーマに、政策のしわ寄せで現場が疲弊していることや、一般市民が希望を持てずに不安を抱えつつ暮らしていることを訴えかけてくる。 そして大きなテーマとしてキリスト教の聖書の教えがある。大量殺人の動機とリンクする。 安全地帯から見て見ぬ振りをしてきれいごとを言える刑事、自ら手を下して世の中を変えたかった犯人。 誰が罪深いのか? しかし、ここまでの行動を起こしても、世の中はそう簡単には変わらないのであった。。 ところで、、物語中、途中まで活躍した佐久間氏とケン氏、突然いなくなってしまって…なんだか残念。もう少し後日談があると良かった。 蛇足でもう一つ。 震災のときによく言われた「絆」という字。キズナと読めば聞こえはいいが、馬をつなぎとめる拘束用の縄も「ほだし」と読んで同じ字を使うそう。ああ、わかる。時々、絆で乗り越えよう!みたいな、呪いがあるんだよね。絆だから、絆だからと。絆も言い過ぎると呪いになってくの。 そんなことをちょっと思ったりしました。すいません…

    2
    投稿日: 2021.06.16
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    珍しく続けて二度読んだ。 それだけ響いた一冊だった。 また何かの折に読むと思う。 実際、これからそう遠くない将来、自分もこの壁に当たる日が確実に来る。 介護制度の実情や、介護施設の内情を深く知れた事は大きい。 家族による在宅介護という、閉ざされた世界での苦悩は、体験した人にしかわからない。 【親の介護のつらさを誰にも言えずに耐えてる娘。 姑の介護を家族から押しつけられ、自分でも義務だと思い込もうとして、結果的に虐待に走る嫁。】 家族だから、義務だから、愛情があるから、世間体があるから、みんなそうしてるから自分もしなければならない、見捨てるわけにはいかない。 色んな思いに縛られて、葛藤しながら、もがきながら、耐えながら、一日一日なんとかやっている人達が大勢いる。 少しでも助けがあるならばまだ良い。 少しのお金があるならばまだ良い。 その負担が全部一人にのしかかってしまう場合、悲しい結末に行き着いてしまう事もある。 どうしてこの世の中は弱者にとことん優しくないのだろう。 どうして一部の人間だけが得をする仕組みになっているのだろう。 どうして社会は手を差し伸べてくれないのだろう。 立派な志を持って働いてくれている施設職員はどうして優遇されないのだろう。 これだけ高齢者で溢れ、入居待ちだらけの介護士施設に、どうしてもっと予算を割けないのだろう。 たくさんの「どうして?」 「じゃあどうしたらいいの?」 どこに正解があるのでしょう。 どこに答えがあるのでしょう。 私達はどうしていけばいいのでしょう。 そんな事を真剣に考えさせられた。

    16
    投稿日: 2021.06.10
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    これが介護に携わる者の現実。 すぐそこにあって、目を背けてる問題。 誰にも迷惑をかけたくないはずの要介護者の心情も、家族への思いと罪悪感。 誰にも救えず救われないのかもしれない。 わかっている、想定できても尚 見過ごすしかない問題は山積みだ。 安全地帯なんてどこにもない。 正義の正体なんて計り知れない。 また良い作品に出会った。 これは物語だ。

    2
    投稿日: 2021.03.30
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    自分の身にそう遠くない未来にやってくる介護の現実。する側、される側のどちらか、又は両方。ほんのひと握りの人しか行くことが出来ない『安全地帯』には自分は無理だと思う。ならばその現実を受け止めていくしかない。それこそ絆でしかないかもしれない。 ミステリー小説ではあるが、他人事ではない内容で現実問題として、いろいろ考えさせられました。

    2
    投稿日: 2021.03.16
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    介護現場で働く者、そして家族を介護する者として心に刺さるものがある 描かれている介護の闇が、分かってしまう セクハラだって暴力だって笑顔で受け流して接しないといけない 報われない事も多くて救いがない 人を殺すことは善とは言えないが、悪とも言いきれないと感じられる お金を貰って他人の介護をするよりも、身内の介護の方が本当に辛いから 『死』という存在が『救い』になることもある

    11
    投稿日: 2021.02.27
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    社会の中でもがき苦しむ人々の絶望を抉り出す、魂を揺さぶるミステリー小説。 人の尊厳、真の善と悪を、今を生きるあなたに問う。 ミステリー小説としても傑作だし、テーマが非常に刺さる。 何が正義か、は普遍的なようでいて時代によっても国によっても変わる朧気なもの。 人には、それぞれの「正義」がある。私たちの社会には、法で定められたルールがある。「人を殺すこと」は罪。それは法で規定されていなくても自明の理のようにすら感じる。 では、中絶は?尊厳死は?安楽死は?頼み込まれての尊属殺人は? 法の下では一定の規定があるけれど、それだけでは割り切れない気持ちを抱かせるものがあるからこそ、事件は後を絶たない。 相模原の施設での事件。医師による安楽死事件。 自分のことも忘れてしまうような重度の認知症の家族の介護。それは如何に過酷なことか。 介護保険制度は家族介護に一筋の光をもたらした。けれど、制度だけでは担えないものは多い。どんな制度であれ、一定の枠組みができてしまうと柔軟な対応はかえって難しくなる。 実は社会のそこかしこに穴は空いている。落ちると深い、自力で這い上がることは厳しい暗い穴だ。 一歩間違えれば誰でもその穴に落ちうる。とはいえ、絶対的な安全地帯という高みに生きている人たちがいるのも確かだ。その数は少なくなっているとはいえ。 高みにいる人が持っているのは、お金と人の繋がりだ、と考えている。 同時に、穴に落ちない、あるいは穴から抜け出すために必要なのが、制度と人の繋がりだと思う。 穴に落ちにくい人たちは、頼れる家族、信頼できる友人、相談できる知人など各種の人の繋がりを備えている。それは時にセーフティネットとして窮地から自分を救ってくれる。 一方で、それらの繋がりを持ちえない人でも、人との繋がりは不可欠だ。そこは、専門職に頼っていいところだ。介護の場面で言えば、地域包括支援センター、ケアマネージャーは抱える課題を一緒に考えてくれる。 どうしても、家族だけだと煮詰まってしまう。それに自力ですべてを担うことは時に難しい。そのために制度がある。ただ、意を決して相談に行っても心無い対応をされると心が完全に折れてしまう。相談窓口にいるすべての人は、社会の穴について真剣に考え対応する責任があると考えている。 正直、コロナで社会の穴は広がっている。 人が尊厳を持って生きられる、そんな当たり前で大切なことが、なんと難しくなっていることか。 穴に落ちたら自力で抜け出すのは大変だ。穴に落ちる前に繋がれたらいい、あるいは既に落ちて苦しんでいる人に、光が届くようになってほしい。 死は、確かに1つの救いかもしれない。必要な場合もあるかもしれない。それでも自分は、それ以外の道を模索したい。 高齢社会は加速するばかりで、お金も人材も足りぬ中、どう制度で一部を補い、人の繋がりでできることを探していくのか。日々、考えさせられるばかりです。 本書を読んで、いろいろなことが頭を過った。これは確かに、全福祉職に読んでほしい一冊ですね。

    8
    投稿日: 2021.02.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    斯波は要介護のお年寄りを殺すことで本人と家族を救うという方法で、自分と同じように苦しむ人が減る、そして、それが明るみに出た時には世間に訴えかけることができるという、犯行のみにとどまらず死刑判決が下される部分まで仕組まれた完全犯罪を成し遂げた。大友は検察官という職業柄(もしくは信仰という個人の事情にもよるとも考えられるが)、罪を背負わせなければいけないという使命と、目の前の斯波が語る日本の法制度の問題点に関する主張の整合性に論理的な反論ができない場面がある。それと共に妻のうつ病発症や原発事故のことにも考えを巡らせ、起こると予測されていることが起きてしまうという事象に対する皮肉を感じている。また、小説の中ではこの事件をきっかけに、介護の問題が避けては通れないものだということを気づかせるきっかけになったとの描写もあったが、犯罪が起きて気付かされるという斯波の思い通りになってしまったという皮肉とも読み取れるし、小説ではありながらも読者も小説の中で生きている人たちと同じように気付かされる仕組みになっていると感じた。

    2
    投稿日: 2021.02.12
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    戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。その報を知ったとき、正義を信じる検察官・大友の耳の奥に響く痛ましい叫び―悔い改めろ!介護現場に溢れる悲鳴、社会システムがもたらす歪み、善悪の意味…。現代を生きる誰しもが逃れられないテーマに、圧倒的リアリティと緻密な構成力で迫る!全選考委員絶賛のもと放たれた、日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。

    2
    投稿日: 2021.01.21
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    物語としては荒削りだし、注釈や説明書のように感じた部分も多いが、介護問題への焦点は最後まで弛むことなく、考えさせられる内容だった。

    1
    投稿日: 2020.12.25
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    介護を経験したことはありません。将来、自分が親の介護をすることも今は考えられません。それでも介護現場での描写には引き込まれました。 介護関係の事業を手がける会社に身を置く者として、介護の現場を知らないままでいいのか、という思いもあります。しかしこれを読んだ後では、現場を知ってしまうと仕事にならないのかもしれないとも感じました。答えは出ませんが、読み応えのある作品でした。

    2
    投稿日: 2020.11.23
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    初見の作家さん。初めの認知症老人の描写の生々しさに読了の不安を覚えたが、社会派でかつ本格派のミステリとしての魅力に唸らされた。 特に検事2人がケアセンターの顧客データから殺人の可能性をデータ分析により浮かび上がらせるシーンは見事だった。 現状の介護・高齢化問題に対して、作者は1つの考えを押し付けるだけでなく、各人物の信念を通して多種多様の考え方を見せることにより、この問題の難しさを明らかにし、避けて通れないことを強く主張している。 大友に対する批判の声が多くみられるが、確かに大友の正義は極論すぎるとしても、これから現代社会で生きていく我々が犯人側の諦観に共感しているだけで良いのだろうか。環境整備はお役所の仕事だろうが、市井の我々がそのシステムを悪用して利潤だけを求めるのは間違っているし、ビジネスで社会制度を変えていくことはできると考える。

    2
    投稿日: 2020.10.03
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    こちらもお盆用にブックオフで仕入れてきた一冊。 以前、「絶叫」という作品を読んだ時、この作家さん凄いなぁ~と思ったのを記憶していた為作家名で購入。 戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。 その報を知ったとき、正義を信じる検察官・大友の耳の奥に響く痛ましい叫び― 悔い改めろ! 介護現場に溢れる悲鳴、社会システムがもたらす歪み、善悪の意味・・・。 テーマは日本社会における、介護問題。 やむを得ない状況で、自宅介護を強いられ、痴呆等に苦しむ家族。 介護の為に仕事の時間を削り、貧困になるという負のスパイラル。 働けるからという理由で、生活保護も受けられない。 これは単なるミステリではなく、社会システムや、善悪を考えさせられる作品。 兎に角先が気になり、ついつい読書に没頭してしまう。 物語としてもかなり面白かった。久々自分の中では大ヒット!

    41
    投稿日: 2020.08.15
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    これまで読んだことのない作家でここまで面白いと思うことは久しぶりで、だからこそ、これは良い読書体験だったと、読み終わって鮮明に感じているのだと思う。 読み物として面白いことを期待して読んで、実際にすごく面白かったけれど、それ以上に、介護の話はいつかやってくるものだと分かっているのに、自分事で考えられていなかったし、いつかやってくるもの、という考えのままではうまくいかないのだろうというところまで思い至ることができた。 200617

    2
    投稿日: 2020.06.17
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    いったいこの〈彼〉にどう言う。何を言えるだろう。 「安全地帯にいる」と言われながらも、面会の最後に叫ぶ大友の声が胸を打つ。 これで児童文学も書かれているとは。 葉真中顕さん、俄然興味が湧いてきた。 ロスト・ケア、請う人は少なくないんじゃないだろうか。

    2
    投稿日: 2020.05.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    絶叫を尾野真千子さんが演じている見て、衝撃を受け、葉真中さんの作品を文庫で読みたくなりました。 僕はかつて自分がだれかにしてほしかったことをしたんです。と彼は主張していた。 日本が抱えている介護の問題を根底にした社会派ミステリーだと感じた。真面目すぎると息詰まりを感じて長く働けない…なんか妙に納得してしまう。 主人公の検察官である大友が、事件を解決していくが、どんな流れで犯人を捕まえようとする手順が少しだけ理解できた。憧れだった佐久間に父の有料老人ホームを紹介してくれたのに、転落していく人生と、犯人が明らかになっていく後半とで引き込まれた。

    9
    投稿日: 2020.05.05
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    絶叫を読んだ衝撃のまま、作者のデビュー作である本書を手に取りました。老人介護の社会現象への問題提起。人を殺めることはあってはならない。けれど今そこにある介護に直面している人にとっては、その人が亡くなってくれることを望んでしまう…。人間の心の闇の葛藤。切実な問題を絡めた秀作のミステリー。

    5
    投稿日: 2020.05.01
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    重度介護老人の大量殺人、そこには介護者と被介護者をめぐる闇があった…。「絆」は「絆し」でもある。絆が呪いとなる原因はそこにある。少子高齢社会を迎えている日本、介護はだれにとっても他人事ではない。考えさせられた。読みごたえのある社会派ミステリー!

    1
    投稿日: 2020.04.26
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    介護制度に切り込んでいる。 善と悪という二元論ではかれない人間を、二元論で裁かなければならないのが人間社会。 宇宙人はもっと良い方法をもっているのかな。 「彼」は救世主? 介護地獄といま縁遠くても、急に当事者になりえると警鐘する作品。 意表をつく展開もあり、頁を繰る手が止まらない。

    3
    投稿日: 2020.01.11
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    〈彼〉のしたことは本当に悪なのか。 介護の大変さ、その裏に潜む闇はなんとなくわかっているつもりだったけど、こんなにも穴があったとは。 時代も変わっているし、これが現実なのかはわからないけど、真剣に向き合っていかないと。

    1
    投稿日: 2019.12.31
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    第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作 新しい作家の作品も読んでみようか、と軽い気持ちで選んできた。 だが暗いくらい話だった。 犯人探しのミステリだが、背後は介護問題、老人介護で追い詰められた家族におきる殺人事件は、救いがたい深さと暗さを持っている。 直視したくない現実は、常に目や耳には入ってくる。このような情報も軽い気持ちでは聞くに堪えない場面が多い。 それが今では次第に身近になってきている。 事件というだけでも辛いのに、それに携わるヘルパーや経営者、終末期医療の問題。なんともやりきれない。 間近に、いやでも目の前には迫っているが、知らなければいけないのに知りたくない、気づかない振りをしていたい、というのが偽りの無い気持ちだろう。どうしても逃げられないその渦中になって初めて気がつき苦しむことになる。 全てに当てはまることではないと思うことが一日を穏やかにやり過ごすコツかもしれない。 生きることの終わり方の持つ、それぞれの問題はこういう形であって欲しくないと思うような話だった。 核家族が増え、高齢になった親をどうするか、考えることはあってもそれが現実になったとき、時間とともに重さが増す。 高級介護ホームに入れる家族もある。そこでの至れり尽くせりの介護でも、この小説では入居費用は3億円。聞くところによると億単位の入居金とは別に生活費が要る。 そういうところに任せられる家庭がどれだけあるだろうか。 という、行き詰った現場で起きた事件。 もちろん理由はどうあれ犯罪には違いない。 思いがけない展開と、犯人の人生観や境遇、それも突き詰めて言えば、介護政策のありかたにある。安易に出発した甘い政策の始まりが、現実にぶつかって改正された。甘い見通しの上に重なる改悪。 ますますの高齢化で国の負担は増える、それにつれて介護現場への締め付けが厳しくなる。 税を増やし年金から有無を言わせず徴収しても、膨らんだものを縮めるのは、待たざるものが常に貧しいことよりも辛い。 豊かさしか知らない人たちはこういった現実をどのくらい理解できるだろうか。 見たくないでは済まない現実に目を向けさせられた、辛い話だった。

    1
    投稿日: 2019.12.30
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    今日の空はこんなに青いのに、私の心はブルー。『blue』読んでもブルーにならなかった私だが、この本読むと超ブルー。要介護の老人ばかりを狙った43名大量殺人。認知症や介護、未経験の私でも対岸の火事ではないことくらい十二分にわかっている。わかっているからこそ、ここまでブルー、陰鬱な気分になるのだろう。この犯罪・犯人からはリアルを感じ、裁く検事からは『綺麗ごと』を感じてしまった私はおかしいのだろうか?倫理観が問われ、日本の未来を憂う物語。ミステリーとしてはミスリードが過ぎるが、面白かった。

    1
    投稿日: 2019.12.28
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    綺麗事では済まされない介護の現状とキリスト教の教義。生まれながらに善なはずの人間が、善であるが故に歪んでいく。悪事を成した自覚はありながら、正しいことをしたという認識は揺るがない。人の尊厳を守るということは、人として生きて死ぬということと同義なのか。生き方、死に方を選べない人を救うには、どうするのが正しいことなのか。人でなくなった人が生き続けることは、不幸でしかないのか。 余談。『斯波』って、逆にすると『ペルシア』。

    12
    投稿日: 2019.12.08
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    介護は年をとる以上誰もが避けては通れない問題。介護をする側、される側。双方のこころの葛藤がこちらの良心にビンビン響いてきて、辛くて悲しくてやり切れませんでした。 同時に善と悪について深く考えさせられ、大きな社会問題に哲学的な問いを乗せた重みのある小説でした。で、しっかりミステリーなんですよね。感動もするし。そしてラスト一行の意味深さに戦慄させられました。読み終えて作品の完成度の高さにしばし放心しました。これがデビュー作とは素晴らしい作家さんですね。

    6
    投稿日: 2019.12.05
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    結構に重い現代の課題を提起してくるミステリー。どうやら人々の喪失をケアすると言う自分なりの意図を持って大きな罪を重ねたきた某を数値データで検証して捉えた検事 大友。意外にも某はスラスラと重ねてきた数々の罪を証拠も含めて自白するのだが、そこには現代が抱える高齢化社会と、介護される側 介護する側の底深いズシリと重たい実態が浮き彫りになっている! この本の骨は序章で全て述べられていることが読み終えて判る。ニクいね 葉真中さん(笑) 2012年 第16回の日本ミステリー文学大賞新人賞 受賞作品です。

    6
    投稿日: 2019.12.02
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    介護現場の壮絶さと介護保険や公的援助の欠陥について一石を投じる作品。 裕福な人は安全地帯である高級老人ホームなどで過ごせるが、一般的には要介護度が高くても自宅介護をせざる得ない。仕事や子育てにさらに介護が重なると家庭が崩壊する。地獄のような介護の日々から早く救われたい、すなわち肉親であっても早く死んで欲しいと思うのは悪なのか? 現在でさえこのような状況で、認知症を患った親と共に心中などということが起きているが、さらに少子高齢化ぎ進み、介護保険などの国の制度が良くなる期待は全く持てず、10年後や20年後はどうなっているのだろうか。

    6
    投稿日: 2019.10.04
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    2016/2/13 2作目。読んでいてブラックジャックを思い出した。介護という社会的問題をテーマにした作品。★4

    2
    投稿日: 2019.08.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    介護ビジネスの介護士が寝たきり家族の看病疲れから解放する為に43人を毒殺。 自分自身がアルツハイマー病父の介護で疲弊。生活保護もうけられず。餓死するかも。父から殺してくれと言われた。 警察に父が死にましたと連絡したが、自然死。 検察官の尋問にも殺したのは認めるが罪は認めず。 潰れた介護ビジネスの部長(検察官の同期)は老人リストをこれこれ詐欺会社に販売し経営陣になった。社長に引き抜きがばれて殺される 殺された遺族は救われたと思ったと検察官に言うが削除

    3
    投稿日: 2019.08.20
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    面白かった…!介護保険制度をテーマにした重めの社会派ミステリー。「護られなかった者たちへ」みたいな読後感。 最後の面会室での検察の怒り、めちゃくちゃ虚しかったなあ。 私は「彼」を裁く権利がある人なんて本当はいないような気がする。40人近い高齢者と自分の命をかけて伝えたかったメッセージに対する「正しい答え」は一生でない、「より良い答え」を探していくだけ。 「正義の反対は別の正義」パターンと、「サイコパスと思われた犯人が実は理路整然と罪を犯してたことがクライマックスの一言でわかる」パターン、大好きです。あとあのトリックに気持ちよく騙されたときの快感はんぱない。 当たらずとも遠からずな業界にいるのでかなり感情移入してしまい、取り調べのシーンではなぜか涙が出た。「そんな行政処分はないんちゃう…?!」と思うところもあったけどまあ話の本筋からは取るに足らないところだしな… 個人的には、社会の歪みがあるということ自体には同意なんだけど、それ以前にも問題があると思ってて。それは、「キセルできる場所ならキセルするのが当たり前」と考えてる人と、給料安くても使命感もってがんばってる人が同じ法律、同じ制度のなかにいること。(キセルのことは面と向かって言われたことすらある)佐久間と斯波の対比はあまり描かれてないけど、そこを注視してみるとかなり現実的な歪みが見えてくる。 キセルする人が増えたり悪質なキセルがあると制度自体を厳しくせざるを得ない→そうではない真面目な人たちが打撃を受ける。キセルする人だけに厳しくできる余裕が行政に生まれるか、業界で自浄作用が働く仕組みができるか、経営者だけが儲かって働いてる人が苦しいお金の流れを変えるかしないと、いくら社会保障費増やしても本当に支援が必要な人や一生懸命働いてる人が楽にならないと思う。 そして、この小説でこれほど穴があると思い知らされた介護保険制度は、それでもなお、障害や児童に比べればかなり手厚く、制度として成り立っているものであることもまた事実。大金が動いてるにも関わらず、関係者に悪意がある人が少しでもいれば簡単に崩れてしまうような制度だからこそ、本当は皆であり方を考えなきゃいけない。

    5
    投稿日: 2019.08.16
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    ・問題が起こることはずっと前から分かっているのにそのまま放置 ・安全地帯にいる人たちには分からない、穴に落ちた人の諦め ・表面的なことだけをみて正義感を振りかざす世の中 いろいろと社会問題が凝縮されている。 さわや書店の帯1グランプリで購入。

    3
    投稿日: 2019.07.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    犯行に気付くくだりが強引な気もするけど、そっから先は一気読みだった。佐久間の転落ぶりも極端だったけど。介護問題について考えるねー。

    4
    投稿日: 2019.07.20
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    楽しめました 同時に社会的に考えさせられる内容でもありました 介護の話と殺人が明らかになっていく過程と 終盤のえ?あれ?っていう展開

    3
    投稿日: 2019.06.08
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    葉真中さんの作品は「絶叫」を読んでからの2冊目です。 高齢化社会を着眼点におき、介護現場の盲点を上手くついていて とてもリアリティがあったのでストーリーに引き込まれました。 まだ介護をしたり、されたりする立場ではないですが、 いつかは誰もが経験をするということもあり 他人事とは思えなく介護現場での実情や 今の介護に対する行政の仕組みなどを改めて 突き刺された感じで本当に今以上に高齢化社会がやって来るであろう 日本社会は果たして乗り越えていけるのだろうかと 不安になってきました。 育児は一時だけの期間限定だけで済むことができますが、 介護というのは期間が限りなくいつ終わりになるか 分からないという暗闇な部分があるから 介護をしている人にとってはこの作品の登場人物のような 気持ちになってしまうかと思います。 登場人物のある言葉で、 母親の介護は辛かった。 本当に辛かった。うんざりしていた。地獄だった。 心の底で早く終われと願っていた。 その日が来るのを待ち望んでいた。 それなのに。 という言葉が介護をする人の本音だと思い これが重くのしかかり印象的です。 例え自分の親でさえもこんな思いになってしまうということは 本当に介護を一人でするというのが過酷だというのが分かります。 この犯人のした事は罪で人としてしたことは悪いことだと分かります。 けれどこの作品を読むと簡単にそれだけでは片付けられないような ことが沢山詰め込まれていて、人の尊厳死というのも また考えさせられます。 介護制度というのが日本にも導入されてから 良い面だけが取り出さたれているようにも思えて、 本当に介護が必要な人達が果たして介護を受けられるのか、 受けられているのか、そして家族が介護を力を入れている行政の やり方に少し疑問も持ちました。 後半部分での犯人の供述などを読むと一筋縄では いかないようにも思えます。 この社会には穴が空いている。 まさに今の社会でもこの通りだと思ってしまいました。 この作品は様々な社会の闇の部分を 鋭くえぐり取っている洞察力は凄いなと思いました。 これから益々高齢化社会、介護問題が問題化され、 その中で家族の絆という意味もまた考えさせられて 辛くも苦しく読み応え抜群のミステリー作品でした。 これが日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作品というのにまた驚かせられます。

    3
    投稿日: 2019.05.31
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    物語は「主文後回し」のシーンから始まる。   〈彼〉は戦後犯罪史に残る凶悪犯。 様々な登場人物の中で、〈彼〉は次々と罪を犯してゆく。 果たして〈彼〉はどの人物なのか? 読み進めるうちに、だいたい目星がついてくる。   そして〈彼〉は逮捕される。 散々、CMで引っ張りまくったテレビ番組のよう。   と、思ったら。 あれ? 319ページで止まる。 一瞬、平衡感覚を失う。   「日本ミステリー文学大賞新人賞」を侮ってはいけない。

    3
    投稿日: 2019.05.18
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    初めての社会派ミステリー。にして、これを超えるものは無いんじゃないかと思わされた作品。 退屈なシーンがなく、驚きの展開…物語に入り込んでしまった。 何より、物語としての面白さだけでなく、社会的な問題を突きつけられ、考え込んでしまった。たくさんの人におすすめしたい。 あー、元気に長生きしたい。

    3
    投稿日: 2019.05.09
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    うーん。考えさせられますね。 とても他人事とは思えないし、この高齢化社会を著しく象徴してるのかな。 とても「彼」を責められない。

    3
    投稿日: 2019.05.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今まで読んだ本の中でトップクラスに面白く、考えさせられた社会派小説。 社会構造のひずみから、地獄のような日々を送る人々の、一般良識に反する行いや思いは罪なのか。 殺人も経営上の不正も絶対的悪で、それを裁く法は絶対的正義なのか。 平和に見える日本社会が生んだ穴に落ちて地獄を見る人々に、想像力なき良識を振りかざす人、「安全地帯」にいる我々こそ、悔い改めるべきではないのか。 聖書の引用と伏線が最後までよく効いていて、すべての網の目のような連関に戦慄する。 少子高齢化も環境問題も、これから深刻化していくことはあらかじめ分かっている。 「日没まで、もうさほど時間はない。 それは、あらかじめ分かっている。 もうすぐ、夜が来る。」 の終わり方がずっしり来る。

    5
    投稿日: 2019.02.28
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    衝撃は大きいが、後味は爽やかですらある「絶叫」に比べると、こちらの「ロスト・ケア」はズッシリ重い読後感。ラストが前者の朝焼けに対し、後者は夕日というのが象徴的。叙述トリックは見抜けなかった。

    9
    投稿日: 2018.12.22
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    親の介護における、社会システムの限界について描かれた作品。社会派ミステリーだけれど、体感としてはノンフィクションに近いものを感じた。それでいて、しっかりミステリーとしても成立していて、これがデビュー作とは。。いやー完成度が高い。 葉真中さん作品を読んだのは2作目。いずれも、表面上は理性的で論理的、でも内面から熱いメッセージが噴出している。これは葉真中さんの作風なのですね。やみつきになります。

    12
    投稿日: 2018.11.18
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    社会派ミステリー! しかしながら、ミステリーというよりは、現代社会の深いところ、さらには、善と悪を浮き彫りとする物語。なのでミステリーとして読んではいけない(笑) 日本ミステリー文学賞新人賞受賞作品! これがデビュー作なんて、凄い! 登場人物達の視点から語られていく構成です。 ストーリとしては、介護問題を軸に、殺人について、犯人<彼>と検事の大友との対峙の物語です。 <彼>は43人の人間を殺害し、死刑判決を受けた人物。 その<彼>は誰なのか? といったところがミステリー仕立てです。 <彼>は介護老人を処置として殺してきた人物。 その<彼>を徐々に突き止めていくプロセスも面白いです。 そして、いよいよ<彼>の正体が明らかになります。 ここが、うまく想像と外されてしまい、満足(笑)。まさか、その人物が..ってな感じ。 しかし、この物語の本質はそこではありません。 その後、<彼>と大友との対峙です。 ここからネタばれ?含みます 自分自身も介護していた父親を殺したことが、自分も父親も救う事になったことを告白する<彼> 自分が誰かにしてほしかったことを自分自身で実行しただけ。 そして、老人を殺すことで、介護している家族と介護老人もを救う事ができる。それがロストケアと主張する<彼> 実際に家族を殺されて救われたと思う被害者。この矛盾が深い。 殺人は認めても罪としては、認めない<彼> そんな<彼>に対して 救いの為の殺人を認めるわけにはいかない大友 そんな大友にさらにたたみかける様に 自分の殺人と自分に死刑を求刑しようとしている大友は同じだと主張する<彼> 深く、えぐい... 人を救うべき殺人は、個人は許されないが、司法というシステムでは許されるのか.. クリスチャンの大友を最後まで悩ませるキリストの言葉 「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。」 介護、人間の尊厳、殺人と考えさせられる物語でした。 とってもお勧め!!

    19
    投稿日: 2018.11.18
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    "ミステリーとしても秀作でありつつ、哲学的テーマを突き付ける。 殺人が人助けになりえるのか? 死刑制度を含めて、人が人を殺めることを認めるのか? 一気に読み終えてしまった。"

    4
    投稿日: 2018.11.14
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    戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決、何を目的に犯したのか、何が正義で、何が悪なのか、正義を強く信じる検察官の耳の奥に響く痛ましい叫び、悔い改めろ! 介護現場の実情と社会システムがもたらす歪み、誰もが直面する逃れられないテーマを緻密な構成の展開により吸い込まれていきます(^^)

    2
    投稿日: 2018.10.15
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    介護の問題がクローズアップされて、 介護は、美味しいビジネスとされた時期があった。 高齢化、少子化の中で、介護する老人が増大し、 その財政的な裏付けをどうするのか? が問われている。それから、介護保険制度ができた。 しかし、現実はさらに深刻な事態が存在している。 老人が、健康でなくなり、寝たきりになる。 もしくは、認知症になり、介護している人さえ認識できない。 老人として、生きている意味があるのか。尊厳をどうするのか? などが蓄積している中で、介護を受けている老人で、 家庭の負担になっていることを見計らって、ニコチン注射で殺人する。 という事件が、まず自分の父親から、そして、毎月のように 四十三人もの人を 殺したとする犯人。 その犯人が、実に巧みに姿を隠し、そして、その殺人を 捕まった時には、自供をする。 老衰による死と薬殺による死が 検視では見分けられない。 それを追求するのが、大友検事。 佐久間という同級生との対比が実に優れている。 佐久間は、営業でトップの成績を収め、 この介護ビジネスの幹部として、登場するが、 介護ビジネスが、傾きかけた時に、顧客リストに基づいて 振り込め詐欺に転身する。実に危うい存在である。 一方で、着々と 老人殺害が進んで行く。 犯人を捕まえた時点で、 犯罪と罪とのあり方、人を殺すことは悪いことですか? では、検事さん。あなたは、私を死刑にして、殺人犯にならないのですか? と日本の現実をリアルに、告発するのである。 その巧みさに、驚いた。その中に、深くクリスチャンであることを 染み込ませているのに、物語作りのうまさがある。

    3
    投稿日: 2018.08.30
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    現代社会が直面している少子高齢化社会、そして介護問題。果たして「彼」を罪人として裁くことが正義なのだろうか。考えさせられる問題作

    3
    投稿日: 2018.06.20
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    個人的には「絶叫」より衝撃的。犯人のミスリードにはまんまと引っ掛かった。"黙示"された危機を看過し、膿を溜め込む現代社会。<彼>のメスはその膿を背徳的に抉り出す。「絶叫」の綾乃同様、大友は在るべき姿に縛られ苦悩する。佐久間の感じた"厚い壁”もそうだが、社会のシステムが恐ろしい速さで変革する時代、従来の在り方はどこまで通用し意味を成すのだろうか。"お前はどう思うんだ?"と鋭利な刃物を突き付けられたような読後感。<彼>の物語が世界を変えることを願わずにいられない…。

    3
    投稿日: 2018.06.20
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    冒頭の「彼」の章から引き込まれる。彼は何をしたのか?何が目的なのか? 登場人物たちの立場での事件へと向かう経緯も興味深い。 ミステリーであるが、介護の問題や社会格差、善悪などたくさんの課題を投げかけられてしまった。

    4
    投稿日: 2018.05.17
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    介護問題は個々人によって様々で、いろいろ問題があり、ほんとに大変だと思う。でも、決して忘れてはいけないのは人間としての尊厳をどう扱うかではないか。考えさせられました。

    3
    投稿日: 2018.05.03
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    介護問題を扱ったミステリーです。 つらい描写から後半まで一気、でした。 心に重く残る。身近に感じる年になったという話もある。 クライム(犯罪)とシン(罪)。キリスト教的概念だけど、本作では重要ワード。

    3
    投稿日: 2018.02.18
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    誰もが避けて通れない老齢介護を題材に取った小説。決して娯楽として面白い作品ではないが、読んで良かった。 色々思うところはたくさんあったし、登場人物それぞれに強い思い入れが入って冷静に読めてないのかも知れない。 感想は…ちょっと書けない。文章にしてしまうのが怖いところが大いにある。 あとがきで近藤史恵さんが書いているように、介護問題とは日本全体の社会問題である反面、極めてプライベートな問題でもあるんだということ、だからこそ感想は文章にできない。

    3
    投稿日: 2017.12.23
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    介護をテーマにした、高齢化社会といわれる日本にズバッと鋭いメスを入れた感じ。 リアリティーのある問題なだけに、すごく考えさせられた。 この作家さんのデビュー作だということだけど、次も期待大! 2017.11.21

    3
    投稿日: 2017.11.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どんでん伏線ポインツについて、髪型とかはまあ良いんですが、セダン型の白い車については後出し感が否めない。しかしそれを差し引いても(例えどんでん返し系でなくても)★5である。ぐいぐい読ませる。 迫りくる自分の老後に、働けるうちにどれだけ貯蓄できるのかという不安が伸し掛かり、捨て捨て生活に磨きがかかっております。

    3
    投稿日: 2017.10.28
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    2017.09.18.読了 期待値が高過ぎたせいかなんかがっかり。 検事の大友秀樹が大げさでウザい。 安楽死は合法化すべきと改めて感じた

    0
    投稿日: 2017.09.18
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    これ不謹慎なのかもされないけど、すごく納得できる。過去の価値観の資本主義では成り立たない現代のゆがみが、この本そのものみたい。

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    投稿日: 2017.09.06
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    すごく惹き込まれました! 人の場面ごとに年月日が記入されており、時系列を考えながら流れを追っていくと・・・ それぞれの流れや意味合いなどがうまく切り替えられて、テンポがあり、追っていくごとにスリル満点でした! すごいですね。そして、内容もすごかった・・・。 でも、頷けるものでした。辛辣というか、これって風刺ですかね・・。ハマナカさん、もっとたくさん書いて下さい!どんどん読みたいです!楽しみです!

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    投稿日: 2017.09.03
  • ドラマ化してほしい

    今の日本が直面してる問題点が描かれていて、机上で何でも決める役人達にも訴えたい。ぜひ社会派ドラマ化してほしい。介護に携わっているものからもお願いしたい。

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    投稿日: 2017.07.22
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    このミス、2014年版10位。つい最近、家族の希望で延命治療を停止する話しをTVで見て、昔は家族と医師で延命治療を中止したらダメだったはずだけど変わってきてるんだって思ったとこでした。これからは、ますます高齢化社会が進んでくると消極的安楽死(尊厳死)だけじゃなく、積極的安楽死についても認められていく可能性がありますね。ただでさえ非生産的な人口が半数程度になってる社会において、その他の弱者の人権をも尊重するための福祉への負担はホント大問題ですね。この本が問題提起しているように感情に流されずきちんと対応し制度を変えていく必要があると思います。あと、偶然に起因してるのはアレだけど、犯人を絞り込む手順も独自性があって凄い才能だなと感心しました。淡々とした抑えたスタイルで全体的に地味ですが、レベルの高い作品と思います。

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    投稿日: 2017.07.04
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    著者初読み。ブクログで社会派ミステリーと話題になっていたので、読んでみた。 まず、一番最初に驚いたのが、介護の実情を10年前に問題になったコムスン問題に正確になぞらえてたこと。感想では見かけなかったので、そういう問題があったこと自体、忘れられているのだろうか? 当時、コムスンの親会社に近しいところで働いていた自分には、前半はそれだけにグイグイ引き込まれた。 そして、「彼」の正体が分かった時の衝撃! それまでも、人間誰しも、迎える可能性のある将来や、どんなことがきっかけで人生を転げ落ちるか分からない未来など、とても小説とは割り切れない内容で、すごく考えさせられたのに、「彼」の正体と同機はさらなる問題を心に投げかけられた気がする。 主人公である大友がクリスチャンでなければならない意味も、ラストで理解出来た。 この作品がデビュー作のようだけど、これからも楽しみな作家さん。

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    投稿日: 2017.06.06
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    個人的には久々の社会派ミステリーの傑作。 小難しい内容かと思いきや、意外とエンタテイメントで 今後も自分に振るかかるであろう現実的な 不安もあってか、ぐいぐいと読み手を渦中へと 誘う展開が秀逸・・・・。 「絶叫」が読みたい

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    投稿日: 2017.05.29
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    評価も高く、以前から気になっていた本作。 題材が介護だけに、、重いんだろうなぁって思ってたら案の定だった。 身内の介護、、あと何年かしたら確実に身に降りかかる問題であることは認識してる。 だから極力考えないようにしてきた。。 でも本作を読んで、考えさせられた。。

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    投稿日: 2017.05.06
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    読み終わって軽く目眩を感じるような衝撃。 宮部みゆきの「火車」に匹敵か或いは超える本格的社会派ミステリーの傑作! 凄い作家に出会って嬉しい。 次作の「絶叫」も楽しみ。

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    投稿日: 2017.04.01
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    介護、推理、聖書、性善説、どれをとっても、最高のストーリー展開、作者の意思、思想を感じ、共感できる。

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    投稿日: 2017.03.21
  • マメ一般常識が一杯詰まってます

    行政書士の資格試験を目指した人は自己満足に浸れます。 俺には言ってる事が分かるよ、みたいな。 内容は社会の闇とかでは無くて、小学生が親が介護してるのを見てて 若しくはマンガで読んで得た知識で書いてる、そんな感じ。 私と違って文章は上手いので読みやすいです。

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    投稿日: 2017.02.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    考えさせられた1冊だった。 世の中のことは全て経験しなければ何も分からない。 私も「介護」と簡単に言っているが 実際に両親の介護が出来るんだろうか? シングルマザーで息子を育てて 働いて・・・やっと息子も一人前 若さと元気を引き換えに得た自由な時間。 これからが自分の人生だ! と思った矢先に親の面倒。 きっと思うだろう。 自分の人生っていつでも 誰かに振り回されていると。 これは本なので殺人を侵すが、 親や自分が高級老人ホームへなど 入れないほとんどの国民が 今目の当たりにしている介護問題。 凄く貴重な視点だと思う。

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    投稿日: 2016.11.30
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    題材は良いし胸打つものもある。 ただ、読みだしてすぐに「あ、これは何かあるな」と思わせてしまうようなミステリの構成の仕方はあまり好きじゃない。 サプライズは急に訪れるから驚けるわけで、“何かある”ことをここまで匂わせてくると返って興醒めしちゃう。

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    投稿日: 2016.11.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    老人の格差、犯罪は認めても罪は認めない「彼」、介護の壮絶さ、家族を縛りたくないけどつながっていたい想いなど、読み終えてからもグルグル頭が回っていてまとまりません。これからの日本がどうなっていくのか、本当に真剣に話し合うべきだと思った。

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    投稿日: 2016.10.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み進めていくウチに 頭の中で作っていた人物像を覆され 確信犯という言葉を正しい意味で使い 現実の問題も考えさせられる‥ 恐い本だった

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    投稿日: 2016.09.16
  • 少子高齢化の闇の部分。

    少子高齢化社会を迎える日本で要介護老人ばかりが殺される「ロストケア事件」の話。 それぞれ独立し、ばらばらだった個々の話が「ロストケア事件」を巡って収束されていく様が見事。 介護というとてもデリケートで重い内容を主題にし、それに疲れたものを救う殺人者の言い分には納得させられざるを得ない部分がある。そして読了後には胸の内にわずかにしこりのようなものが残る。 そういった問題提起が好きな人にはたまらない話だろう、私には重すぎた。

    2
    投稿日: 2016.09.12
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    面白かった。 題材がとても重たいけど、誰もが避けて通ることが出来ない話。 もちろん、葉真中さんの作品は始めてでしたが、とても読みやすくてよかったですね。 ミスリードの仕方もうまかったのか、犯人の1人にに挙げて読んでましたが最後はあれ?という感じで楽しむことができました。

    3
    投稿日: 2016.07.02
  • 現実にリンクした社会派ミステリーの良作

    老人介護を主題にした社会派ミステリーと一言で言い表すのは簡単ですが、主題と物語のバランスが素晴らしく、読み応えがあり、一気の読了でした。登場人物の検察官の大友とその「旧友」佐久間との関係が主題、物語にもう少しうまく絡んでいれば、という気がしないでもありませんが、無い物ねだりかもしれません。正直に言えば、今現在少々この主題に足を取られつつある我が身としてこの物語は全く他人事では無く、多分多くの人々にとってもそうであるであろうと思われるこの問題を見事に描写したこの作品を多くの人に読んで欲しいと思います。

    5
    投稿日: 2016.05.17
  • 社会派ミステリー

    「介護」とは仕事であり、奉仕であり、義務であり、利益を生む産業でもあり…それぞれの登場人物の立場・視点から問題点をうまく浮き立たせており、考えさせられました。  ミステリーの要素は強くないが、一気に読ませるだけの力量を感じました。  次の作品も読んでみたいと思います。  

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    投稿日: 2016.04.24