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ババヤガの夜
ババヤガの夜
王谷晶/河出書房新社
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総合評価

653件)
3.9
164
284
149
18
4
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    ブクログで何かと目にする機会が多く、ボリューム的にも程良かったので拝読させていただきました。 ヤクザに捕まって云々‥。暴力的描写は多いけれど程よい。個人的には嫌いじゃないけど、好きでもない。でも読後は何だかスッキリした。 常人の世界の話ではないので、好みは分かれる作品だと思います。私は楽しく読めたけど、胸糞悪い話だなぁとは思いますよ。

    86
    投稿日: 2025.11.23
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    話題作とのことで読んでみた。 そういう世界が舞台なので、暴力シーンや汚い言葉がたくさんあるので、苦手な人は無理せず休み休み読むのがいいかなぁと思った。 全体の話の展開はかなり好きだった。 私はまんまとトリックに引っかかったので、面白く読めた。 最後の解説まで読んだので、読了後の後味は悪くなかった。

    0
    投稿日: 2025.11.23
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    全くあらすじを知らないで読み始めたけど、かえってそれが良かったのか、するすると物語の世界に入っていけた。またテンポも良く書かれているのでとても読みやすく、長すぎず、ダレる間もなく、あっという間に読み終わった!任侠ものなのに読者を裏切る急展開ストーリー。ダガー賞も納得の1冊。

    8
    投稿日: 2025.11.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    版元による内容紹介や各レヴュー等を読んだ折は、正直言って食指は動かず、あまり合わなさそうだなあ等と思っていたのだが、それらの声の多くが絶賛であり、またダガー賞獲得によって高評価が定まっていることもあって、つい購入。 さらに読み始めて序盤、やくざの邸宅で飼われている護衛犬の役回りにドーベルマンを当てるという、あまりに芸のないステレオタイプにやや辟易してしまった次第…しかしながら、ここから良い意味で大きく裏切られていくことになる。 引き続き展開は基本的にベタ、平山夢明氏を彷彿とさせる暴力描写も苦手な人には厳しかろうが、確たるプロットに則った筋運びが巧み、文章も上手くてスムーズなので、非常に高いリーダビリティに導かれるまますいすいと残りページは尽きていく。 そしてぶちかまされる、まさかの叙述トリック。 作り物とはいえ、お嬢様のあまりに強かな変貌はさすがにやり過ぎではないかなという感があるが…。 終わらせ方もまた想像の範囲を大きく超えることはないオーソドックスな流れではあるが、そこに必然性はしっかりとあった。 作中で語られない日々だからこそ、その重さが感じられるとも言える、40年というあまりに長くて暗い逃避行の年月を共に過ごしてきた、名前の付けられない関係性の2人にとって、これしかないであろう結末…と言っていいかもしれない。 畢竟この作品は、ありとあらゆるものを分類しラベリングしなければ気が済まない世の中に対して、著者が真っ向から突き付けた声明ではないだろうか。 人が作った社会の枠組みや常識という名の足枷に囚われることなく、ありのままのアイデンティティで生きていくことの何が悪いんだ、という宣言。 人間も動物の一種に過ぎない。 著者の主張(と私が思っている内容)に共感する。 それにしても冒頭に立ち返るが、惹句があまりに下手過ぎる。 どこがシスターなんちゃらものだ? 「人は、誰かと誰かが一緒にいることに名前をつけないと不安になるらしい。だからその目を欺くため、その目に合わせて二人の名前を変えてきた。」 「何が"この業界"だ。世の中みんなそうだろう」

    0
    投稿日: 2025.11.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    暴力部分がかなり凄惨で、顔をしかめながら読んだ。展開が早く読みやすかった。意外と壮大な話でそこがビックリ。主人公とお嬢様、2人ともがお互いになにかしらのシンパシーを感じ、逃げ友情とも恋愛的な感情でも家族愛でもない、不思議な愛情が生まれていたのがなんとも面白い。 にしても、追手しつこすぎだろう、、

    0
    投稿日: 2025.11.21
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    日本人初のタガー賞ということで、そもそもタガー賞ってなんぞ?と思いつつ読んだ。 最後に「そういうこと?!」となり。 『息もできない』っていう韓国映画をふと思い出した。 熱血系だと思っていたけどミステリー要素もあるんだよね、という気持ちで読了。

    0
    投稿日: 2025.11.20
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    日本人初の、ダガー賞受賞で話題とのことで読んでみた。ダガー賞を知ってた訳ではないけれど。 東野圭吾とかも受賞できてないとのことで、スゴイ! 内容は、なかなかグロテスクで暴力的な描写や内容で、衝撃的な読後感だけが残った感じ。 映画新参者の、祈りの幕の落ちるときを、なんとなく思い出した。

    0
    投稿日: 2025.11.20
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    ライトノベルのようで読みやすかったです。 叙述トリックに無理くり感があったのと ミステリー文学受賞作品という割には。ボリュームも仕掛けも物足りなさを感じました。 既視感のあるステレオタイプなキャラクター達 深掘りしていないのでより荒さ、その言動や行動の拠り所がなく、薄っぺらく感じます。 コミックマンガの様なぬるいヤクザの言動は笑えます。 もうちょっとリアリティ追求&リサーチした方が良いと思います。 世界最高峰のミステリー文学賞とありますが これより面白くて血湧き肉躍る作品はもっとありますよ。 「わかりやすい話がヒットする」という典型例だと思います。

    0
    投稿日: 2025.11.20
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    一気に読んだ。 楽しんだのだけれど、どうも好きになれなかった。 深町秋生氏の解説がよかった。 この本を受け止める手助けをしてくれる。 私の中にも、無自覚な偏見や身勝手な幻想が確かにある。

    6
    投稿日: 2025.11.18
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    勢いで通勤中2日で読み終えられた。 ずっと話題作だけど読んでいなかった、めちゃくちゃ面白い! 柳さんはどうなったのかな? ふたりが打ち解けあう瞬間は、そうなるんだろうなと想像は出来たけど面白かった。 最後は静かだったので少し拍子抜けしてしまったけど、全体的に読み易くて楽しめたので⭐︎4 映画化してくれたら嬉しいな。

    1
    投稿日: 2025.11.18
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    読み出したら止まらない本でした。 緊迫感に包まれる一刻の流れに持っていかれ、終わってみれば40年ほども経過していたなんて。

    6
    投稿日: 2025.11.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    超エンタメ小説。バイオレンスもじっとりしてなくて結構あっさり系。読んでてそんなに辛くない。ライトなアウトレイジって感じ。 新道、尚子、柳など主要キャラとっても魅力的。少年漫画みたいなキャラ達。 ミスリードにはしっかり引っかかり…これでも引っかからない人いなくない?若干の反則感はありつつも、びっくり。 最後、瀕死の尚子をカートに乗せて運ぶシーンもなんだか劇画チックで、好き嫌い分かれそうだけど、私は好きだったな。

    10
    投稿日: 2025.11.17
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    映画のようなスピード感。 読み始めから、ここはどうしてこうなってるのかなーと思いながらも読んでいたら途中でナルホド。 面白かったです。

    8
    投稿日: 2025.11.17
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    暴力への憧れというものが自分には全く無かったので、こんな感情があるのかという驚きが一番強かった。それだからなのか、登場人物たちを俯瞰してみることが出来、エンターテイメントとして楽しむことができた。 途中の展開に驚かされるところがあったが、最後までストーリーよりも暴力性や戦闘シーンが主だっていたので、私としてはもう少しストーリーや登場人物たちに深さと共感が欲しかったなーと。

    1
    投稿日: 2025.11.17
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    「この世にはびこる保守的な思想と男尊女卑の風土と資本主義が融合し、女性を縛める呪いに対し、独特なユーモアで笑い飛ばし、怒りをぶちまける」…等と解説で本書について書かれたりしているが、小説に一番大事なのは思想や主義主張ではないと私は思う。 物語に強く惹きつけられて、最初から最後まで夢中になって一気読み出来て、ここではない異世界に私達を連れて行ってくれるような読書体験が、結局は最高だと思っていて、本書はそのような最高の読書体験ができるとても素晴らしい本だと思った。 鮮明に映像を想像出来る暴力の描写や、依子と尚子の関係が深まっていく様子など、とても素晴らしい表現力で描ききっている。物語の展開も、過去と現在が入り交じる形でとても工夫されており、全然予想がつかなかった。 とてもおもろしかった!読んでよかった!

    10
    投稿日: 2025.11.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あいだ間に挟まれる尚子の両親だと思っていた芳子らの描写が、依子と尚子だったことには驚いた。 日本人作家初のダガー賞受賞作品。 作家の王谷氏はミステリーを描いているつもりがなかったにも関わらずダガー賞を獲った点も興味深い。

    3
    投稿日: 2025.11.16
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    海外でダガー賞を受賞して、売れに売れまくっているということで、コンビニを含めてそこら中に並んでいて、教養の意味でも読んでおかないと、とさくっと購入&完読しました。 そもそも私はバイオレンスが苦手で、映像ものはもちろん小説であってもあまりに暴力的でぐろいものは、積極的には目に入れない人生を送ってきたんです。 ということで、ちょっと目を細めながらおそるおそる読み進めていたんだけど、なんだろう、だからこそなのかもしれないけど、気づいたら普通の小説よりものめり込んでしまっている自分がいました。ぐいぐい読ませる展開。 そしてあの仕掛けが発動、、、ここに来るまでずっと、この小説がミステリーであることを、完全に忘れていました。だから、ちょっと、普通なら警戒したり流してしまうような仕掛けに本当にびっくりしました。そうきたか、と。 なかなかクレイジーな女性が主人公、そしてミステリー要素もしっかりあるということで海外ではうけたのだと想像します。この賞をきっかけに、海外にもどんどん日本の小説がひろがってほしい。 ひろがるためには、多分作品そのものの質というより、翻訳のちからと、日本文学が読める世界の空気感と、その知名度の問題であって、いい小説なんて日本にくさるほどあるのだから、早くその空気が世界にできるといいなと、心から願います。

    8
    投稿日: 2025.11.15
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    ノンストップで読ませる、稀有な作品だと思った。 なかなか一気読みさせる本に出会うことは多くないが、この本には一度の休憩を挟むことを許さず、読み切らせられた。 血生臭く、悲鳴やうめき声まで聞こえてきそうな臨場感抜群の本作、高評価にも頷ける。

    11
    投稿日: 2025.11.15
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    展開が気になって一気に読めた。アクションも迫力あった。 ミステリーを期待したけど、そんな感じでもなかった。後半あっさりで星4に。

    1
    投稿日: 2025.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった。ダガー賞はミステリー文学賞だけど、それほどミステリとか謎解きではない。読者に対する「ひっかけ」があるが描いているのは人間ドラマ。例えるなら、「じゃじゃ馬ならしヤクザ版シスターフッド」。現代的なテーマとして女性のアイデンティティはもちろん、暴力をどういう視点で描くかが魅力。ひとつひとつのモチーフとしては奇をてらったものではなく、王道といえば王道。珍しいことではないけど、その組み合わせや見せ方が斬新さを生み出している。引き込まれる文章で情景も浮かびやすくエンタメ性も高い。偏見、ラベリング、思い込みを否定、それを利用するのは登場人物だけではなく、読者自体も騙してくれる叙述トリックがあるのも面白い。(賛否はありそう)王道の素材をどう調理すれば新しくなるのか。というお手本になる。

    1
    投稿日: 2025.11.14
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    納得の面白さ。バイオレンスなだけあって描写も言葉もしんどいけど、それで練り上げられる二人の数奇な運命はクール。目が肥えてきたか、ミステリー?と思うが、それを差し引いても満足度は高い。

    103
    投稿日: 2025.11.14
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    ――「力」の純度で描く暴力の美学。『龍が如く』とは真逆の“極道”のリアリティ――  『ババヤガの夜』は、暴力をテーマにしながらも、暴力そのものを「悪」とも「正義」とも断じない異色の小説だ。主人公・新道は大柄で喧嘩好きの女性。女性的であることも、社会的規範に従うことも拒む。彼女が求めるのは、支配でも報復でもなく、“純粋な力”そのもの。強い相手に勝つために拳を振るい、痛みすら快楽に変えていく。その姿は、野性的でありながらもどこか清々しい。  本作の魅力は、「暴力の純度」にある。主人公にとって暴力とは、誰かを屈服させるための道具ではなく、自分が生きていることを実感するための行為だ。   「力の中に身を浸すのが楽しかった。痛みや悔しさすら刺激的で、楽しかった。」 という一文に象徴されるように、彼女にとって暴力は“娯楽”であり“自己表現”であり、社会からの逸脱を通じてしか得られない自由の象徴でもある。  この“純粋な暴力”の世界は、人気ゲームシリーズ『龍が如く』が描く極道の世界と鮮やかに対比される。『龍が如く』の桐生一馬や真島吾朗は、ケンカが強く、人情に厚く、筋を通す“伝説の極道”として描かれている。暴力をふるうが、それは仲間を守るためであり、彼らの人間的魅力がプレイヤーの心を打つ。そこには「強さ=正義」「暴力=義理人情を通すための手段」というロマン化された構図がある。  一方で、『ババヤガの夜』に登場する極道たちは、その正反対の存在だ。彼らは“強さ”ではなく“恐怖”によって支配する。力を誇示するのではなく、暴力や拷問を使って秩序を維持する世界。トップが必ずしも最強ではなく、権力の座にあるから恐れられているだけ。ここには『龍が如く』のような美学も義理人情も存在しない。むしろ、暴力が権力の腐臭にまみれた現実的な道具として描かれている。  この対比こそが、『ババヤガの夜』の真価だ。  『龍が如く』の世界が“理想化された極道のロマン”だとすれば、『ババヤガの夜』は“現実の暴力と人間の本能”を描いている。権力や義理のために戦う男たちではなく、ただ“力そのもの”を求める孤高の女性が主人公である点も象徴的だ。彼女にとって暴力は、他者のための行為ではなく、己の存在を確かめる唯一の手段なのだ。  だからこそ、物語全体に漂う血と痛みの描写にもかかわらず、読後には奇妙な爽快感が残る。  それは暴力を“支配”の道具としてではなく、“自由”の表現として描いたからだ。 ●好きな文章 主人公新堂が自分の生い立ちを振り返る場面(P96)  楽しかったのだ。  力の中に身を浸すのが楽しかった。自分が勝てばより楽しいが、圧倒的な力に晒されるのもゾクゾクした。痛みや悔しさすら刺激的で、楽しかった。漫画や音楽やファッションよりも、それはずっと楽しい娯楽だった。暴力は気がつくと、新堂の唯一の趣味になっていた。 (中略)  武道家は暴力は振るえない。試合や練習でのみ、競技ルールの中でのみ、力を振るうことができる。暴力は自由な人間のためのもの。どこにもいない、何にも属していない祖父や祖母、自分のようなもののための娯楽。そのまま18歳になり、その間に祖母と祖父を見送り、後は殴り合ってくれる相手は熊ぐらいしかいない地元を出て、新堂は独り立ちするために、新しい暴力を探すために東京に出てきた。

    7
    投稿日: 2025.11.13
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    ジェットコースターに乗っているようなバイオレンス小説。あっという間に読み終わった。 最初のつかみはOKだが、唐突に終わり、「これで終わり?」と物足りなさを感じる。それまでの疾風さや怒涛の展開は面白かった。

    2
    投稿日: 2025.11.13
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    面白かった!さくっと読めた。バイオレンス物好きですしね。暴力描写良かった。 予備知識なく読んだからあの仕掛けはびっくりした。逃げた姐さんタフだな…さすが極妻…とか思ってた笑

    2
    投稿日: 2025.11.13
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    これはいったい、何の物語なんだろう? 英国のダガー賞、翻訳部門受賞 個人的にはどこが面白いのか全然分からない、翻訳すると違うものになるのか、外人的には面白いのかな 失礼しました!

    17
    投稿日: 2025.11.11
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    啓光図書室の貸出状況が確認できます 図書館OPACへ⇒https://opac.lib.setsunan.ac.jp/iwjs0021op2/BB50399153 他校地の本の取り寄せも可能です

    0
    投稿日: 2025.11.11
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    シスターバイオレンスアクションこれは初めて読むジャンル。ゴリゴリマッチョな主人公の描写から作画が刃牙だったのでなんだかシュールな世界観が私の中で構築された。疾走感ありつつ王道ヤクザな世界の描写で楽しく読んだけど終盤に行くに連れてちょっと私から外れて行った…難しい。

    3
    投稿日: 2025.11.10
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    シスター・バイオレンスアクションって初めて聞いたジャンル。 ダガー賞候補というニュースで初めて知り、まだまだ知らないジャンルがあるのだと目から鱗でした。 途中ストーリーが分からなくなって3回くらい読み直した部分を理解した時には、鳥肌立ちました。思い込み良くない。

    3
    投稿日: 2025.11.10
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    久しぶりに止まらなくって一気読みした本。 容赦ない裏社会の暴力描写、キャラクターの魅力、掛け合いのテンポの良さに展開上の仕掛けまで、全て好みで堪らなかった。 暴力の神様に愛されたものすごく喧嘩が強い女と、全てを諦めたような目をするヤクザのお嬢様。 “愛ではない。愛していないから憎みもしない。憎んでいないから、一緒にいられる。” 名前のつけられない関係性、友情や恋愛感情とも違う連帯が素敵だった。 血みどろシスターフッド。フィクションだからこそのこういう世界観大好き。2人の目指す先が、2人にとって明るいものであるところもいい。 翻訳されて評価されている小説だけど、本作の大きな仕掛けに関わるあの部分、どうやって訳しているんだろうな。 ダガー賞を取って、話題になってくれたおかげでこの作品を知ることが出来て良かった。解説を読んで、ぜひ他の作品も読んでみたいと思ったので、また探しに行こう。

    12
    投稿日: 2025.11.09
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    面白かった! 暴力がテーマの小説なんて普段あまり近づかないけど、人物が魅力的で、残忍で血みどろだけど痛快で。 エンタメ感満載で、こういうのを素直に楽しめて嬉しい。 女性が声にしたいけどできない痛みを暴力という絶対的パワーで吹っ飛ばしてくれる作品。 えっ!そういうこと!?っていう展開が入ってるのもよかった。

    2
    投稿日: 2025.11.09
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    一気読み うまい2020年の作品だから 王谷晶さんが39の時の作品 勢い 切り返し 緩急 物語に呑み込まれるように読んでしまう 素敵な勢い 著者の他作品も読もうと思った

    1
    投稿日: 2025.11.09
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    祖父に鍛えられた暴力の申し子のような新道依子。 裏社会へ巻き込まれ組長の娘・内樹尚子の護衛兼運転手に。暴力描写がリアルで荒々しい作品なんだけど、しっかりトリックがあり最後まで駆け抜けるように読んだ。

    0
    投稿日: 2025.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

     息子が面白いと薦めたので借りてきた。  晶さんは女性だったのね。こんなにハードなのだって書けるんだよと訴えているみたいです。  ヤクザの娘となぜか最強な女性との出会いからその後までを描いています。当然おぞましい話も多々出てきますが、ヒーローは負けません。  英国で賞を取ったとのことですが、正直ヤクザ映画が海外で見られるのと同じようなことなんじゃないかと。もっともっと面白いものは日本にたくさんありますよと言いたい。

    1
    投稿日: 2025.11.08
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    感動やワクワクは無かった。 男の支配からようやく逃げる妻と娘の話? 追うものと追われるものの、諦めない執念。 殺さなければ終わらない呪縛。 そこにあるのは、一見暴力だけれど、なんとも悲しい力だと感じた。

    3
    投稿日: 2025.11.07
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    暴力大好きな女性が、ヤクザの令嬢を護衛するお話  ----------------------- お嬢さん、十八かそこらで、なんでそんなに悲しく笑う――。暴力を唯一の趣味とする新道依子は、腕を買われ暴力団会長の一人娘を護衛することに。拳の咆哮轟くシスターハードボイルド! -----------------------  バイオレンス&グロ&ミステリ&シスターフッド 色々な要素がある割に、ページ数も少ないのでサクッと読める  主な登場人物 新道依子:暴力大好き女。町で喧嘩していたところ、ヤクザを巻き込んでしまい、結果的に攫われてヤクザの親分の令嬢の護衛をする事になる 内樹源造:ヤクザの親分。駆け落ちした妻と子分を探している 内樹尚子:源造の娘で女子大生。花嫁修業で連日様々な習い事をしている 柳:内樹會の若頭(?)で色々と取り仕切っている 宇多川:拷問好きのサディスト   英国推理作家協会主催「タガー賞」の翻訳部門を受賞したというし 読書会でも紹介してた人がいたので読んでみた  見るのも読むのも暴力やグロは苦手なんだけどね  「タガー賞」はミステリの賞らしいけど、ミステリの部分に関しては目新しいものではない ありがちというか、ミステリ小説じゃなくともこんな仕掛けの物語はいくつもある だとすると、何がイギリスの人に刺さったんだろうな? やはりバイオレンスな部分? もしくは、シスターフッドの部分?  アクションは、やはり小説よりも映像の方が映えるのだろうけど これ、映像化できるのか? まぁ、仕掛けはそんなに大事ではないので、普通に映像化してもいいと思うけどね  そう言えば、イギリスのヤクザ的な存在は何になるんだろ? ヨーロッパだと、マフィアでいいのか?   ババヤガとは、スラヴ民話に出てくる「魔女」の事らしい 作中でも語られているように、「娘よりも鬼婆になりたい」というのが主題だろうか? 若さや美しさの否定というね   「女がコーヒーなんて生意気だからよせ」というシーン 「お嬢様言葉速習講座」で、お嬢様はコーヒーではなく、紅茶を飲みますという表記があって 「お紅茶」とは言っても「おコーヒー」とは言わないからですという説明がされてた 最初に読んだときは、ギャグで言ってるのか?と思ったものの もしかして、本当に昔は女性がコーヒーを飲むのが憚られたのか?と思った  この物語の主題の一つはフェミニズムやLGBTQもある 女性同士の連帯であるシスターフッドも  依子の女性離れした暴力性と、尚子の昔ながらの女性性の対比 昔の理想的な女性像ってこうだったよなぁと思う  この話は、ヤクザの娘ではなく、例えば貴族のような家の娘と設定を改変してもある程度成り立つ物語かもしれない 親の決めた結婚相手、花嫁修業の日々、あるべき女性像の強要 そんな日々からの逸脱と自分本来のアイデンティティ そんなところがイギリスでも評価されたところなのだろうか?   物語で語られていないところで色々と気になる部分がある 依子の詳細な来歴なんかは特にそう おじいちゃんは何者だったのだろうな? 何故そこまで依子に力をつける事を強要したのだろうか?   総じて、エンタメ性は高いけど、物語の深度が浅い マンガ的と言ってしまえば、それはそう 個人的に、読む前に期待を高く持ちすぎた感がある  アクションにしても、小説だからこそ表現できたという部分がない 見えるまんまを描写するなら映像の方が余程リアルだろう ミステリの仕掛けは既にありふれたもの シスターフッドにしても、こんな話は他にもあるし、この小説固有の部分がもっとあったらよかったかな  まったくの予備知識なしで読んだら評価はもうちょっと変わってたかもしれない

    6
    投稿日: 2025.11.07
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    おもろい! 絶対的な疾走感!!意外な展開!!! バイオレンスものあまり読まないけど、これくらいのバイオレンス、平気でございますよ。 これぞ、エンタメ!!!! 小説って面白いな。

    1
    投稿日: 2025.11.07
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    自分は一生交わることはないだろう怖い世界を少し感じられたが、 あまりにも暴力の表現が怖すぎて早足で完読した。 ラストはよくわからなかった。

    1
    投稿日: 2025.11.07
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    ミスリードに誘われる自分はナチュラルに当たり前を定義していると思わされるのは痛快。 知らない世界で起こるあまり心情が語られない話にも関わらず、とても近く感じるのは女性や人への解像度が高いからかも。

    1
    投稿日: 2025.11.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いやーーーめちゃくちゃ面白かったーーー!! 最初から爆笑の連発で読みながら旦那にこの一文が面白い聞いて、とか〇〇って書いてある笑笑など共有してたくらい(笑) 女だからどうこうじゃないなって学びもあるでしょ、あとちゃんとミステリーだちゃミステリーでしょ、あと信頼、絆、そこら辺のいい話もあるでしょ、オール最高でなんじゃこりゃ本でした!!

    2
    投稿日: 2025.11.06
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    ダガー賞受賞でニュースになったこの作品。 作者のファンキーな見た目に反してどこか気品ある佇まいにやられ、この方の書く物語を読んでみたいと購入。 ババヤガの夜は、表紙と序盤だけ読んで想像した展開とは全く異なった方向に話が進んでいった。 小説ならではのトリックに気付かされた瞬間には、一瞬頭が混乱する。 もっと色んなキャラクターが出てきて派手にドンパチする話かと思いきや、依子と尚子の内的葛藤と、2人の女性がしがらみから解放される、人生を描いた物語だった。 依子は世間、女性というファクターからの解放 尚子は組織、父親、力による抑圧からの解放 結末は、どう解釈すべきか悩むところだが。 メタファーなのか、事実として捉えるのか… 破滅的であまり明るい未来が見える終わりではないが、二人にとって見える未来は決して悲観するものではないのだろう。

    1
    投稿日: 2025.11.06
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    なんというか、納得いかなかったのでもう一回読んでみる。 そんな体にしみついたものってすぐ捨てられる? そして、鍛錬してなくても体って動くもの?

    0
    投稿日: 2025.11.06
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    普段読まないジャンルだったけど、購入! 異なる環境で育った女の子2人のお話し。 暴力の表現は読みながら顔をしかめるところもあるけど、それ以上に2人の関係が不思議で爽快。 女の子が精神的にも肉体的にも強く描かれてる作品って読んだことがなかったから新鮮だった。 作者さんの他の作品も読んでみたいな

    1
    投稿日: 2025.11.05
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    帯のとおりキルビルを見ているような、バイオレンスで爽快な話。途中からこういう展開!というところがくるのでそこが読みどころかな。

    1
    投稿日: 2025.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かったー!シスターフッド作品はまだあまり手をつけられていない中、初めて読んだこのシスターバイオレンス小説は著者の筆から生まれる躍動感や臨場感に乗せられて、読了するのが一瞬だった。 女性2人がそれぞれ全く異なる環境で育ち、考え方も全然違うのに、お互いはそれぞれが自身を取り巻く社会や人、環境という箱の中で糾弾したいという心の声を無理やり押し込んでいた。そんな2人がとあるきっかけで出会い、暴力団やそこで生まれる人間関係とは違った、2人が同じ「女性」であるというカギカッコ付きの、言葉では表現し難いどこかで繋がりを持ったような認識と、性への意識が共有される時、性差別や男女という認識、LGBTQなどの定義で括られるような「性別・性自認」というものの根本を疑うような、その大きな問を投げかけられような印象を読者は得る。 解説で紹介されていた著者の別作品やエッセイもぜひ読んでみたい!!

    1
    投稿日: 2025.11.05
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    筋肉バキバキ主人公の依子 華奢で自由の無いヤクザの娘尚子 クールなヒットマンを連想させる柳 猟奇的な人格の宇多川と、會 依子の話に出てくる祖父母のキャラが良かった 逃げるのに疲れた、、か、、 最期の依子の話に対して 答えがない、、 自然に囲まれてやっと大好きな犬や猫達と暮らす生活ができる。 涙が出てしまった。大丈夫、疲れて寝ただけだよね 尚子は強靭な依子の支え。 二人はきっと優しい鬼婆になるんだろうな。

    27
    投稿日: 2025.11.05
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    バイオレンスものは苦手なのでほぼ読まないけど、日本人初のタガー賞受賞作ということで手に取ってみた。苦手といいながら、案外爽快な気分になっていてビックリ。 恐らく、主人公の新道依子が女っぽさをとことん削ぎ落とした女性で、ヤクザ達もこてんぱんにやっつけていくのが、単純に気持ちよかったんだろうなと。 バイオレンスアクションより興味深かったのは、暴力団会長の娘尚子と依子の関係性の変化。立場が違えど、大切にしているものは案外一緒だったのかも。 ラストの「仕掛け」は正直よくわからなくて、読み返してしまった。なるほど、そういうことね… 皆さん、すぐに理解できてしまうの?

    61
    投稿日: 2025.11.05
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    暴力を趣味とする強靭な身体を持つ女主人公・新道依子が、ヤクザの組長令嬢・尚子のボディガードを依頼される物語。ミステリ小説と聞いて買ってみたけど、圧倒的シスター・バイオレンス・アクションものでボディーブロー喰らった。たった200pに40年の人生が詰まってる。追うものと追われるもの、ヤクザは命の返済を40年先までも借りたてる。恐ろしい程の執念をみた。 内容がグロテスクで映画化はできない、本でしか味わえないというか本でしか味わいたくない物語。

    2
    投稿日: 2025.11.04
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    日本人作家初! 世界最高峰のミステリー文学賞 英国推理作家協会主催 ダガー賞受賞作 2025 翻訳部門 という大々的な帯が。 文学的な賞や権威に弱い私(笑)は、 初めて著者のこの作品を手に取りました。 とにかく最初は主人公の女性が強すぎる、物理的に。 読みやすく、どんどん読み進めるものの、 ステレオタイプの物語が続く。 微かに違和感を感じながらも、 もうちょっとで読み終わってしまう……所での、 どんでん返しには驚きました。 が、暴力や血を描くには、もう少し読みたかった。 海外ウケはしそうです。 著者の他の作品も、読んでみたいと思います。

    84
    投稿日: 2025.11.04
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    一気に読んだ。面白かった。速いペースで進む話と驚きの結末に引き込まれた。英語に翻訳されてダガー賞を受賞したというのだから、これはもう英訳も読むしかない。

    6
    投稿日: 2025.11.04
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    話題作なので読んでみたけど、とっても苦手分野… こんなにバイオレンスとは 喧嘩することが唯一の自己肯定であり存在意義である依子 街での諍いごとで目をつけられ、ヤクザの娘の護衛として連行(!)される とことん女性を侮辱し、蔑むストーリーの果てに何があるのか… 数々のダイレクトな暴行の描写にげんなりしながらの読了ですが、文章に勢いがあるのは間違いない 暴力的で下世話な表現の裏には日本のミソジニー(女性蔑視)への痛烈な皮肉が込められている 男を恐れて陽のあたる場所で暮らせない女たち 女は自分の思い通りになって当たり前だと思う男たち 日本ってそういうとこあるよなって思っちゃう ダガー賞受賞作品だけど、どんな風に訳されていて、海外の方はどんな風に受け止めたのかなぁ~ 漢字の読み方がキモなのに…

    32
    投稿日: 2025.11.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「シスター・バイオレンスアクション」 裏表紙で本作のことをそう描写してるのですが、読む前は何のことやら?と正直思ってました。 読了後に改めて読むと、正にその通り!これは「シスター・バイオレンスアクション」です。 ※ここからは盛大なネタバレを含んだ感想となるので、未読の方は要注意です※ 依子という、特殊な環境で育った為に女性なのに男性より強い女性が、ひょんなことからヤクザにスカウトされ、ヤクザの親分の一人娘(お嬢さん)のボディガードになる所から話が始まります。 描写がグロすぎたり暴力的すぎる部分が無きにしもあらずなので、苦手な方はかなり序盤でリタイアされるんじゃないかと思います。 それぐらいバイオレンス要素満載なので、「本当にこの作品はミステリーなのか...?」と疑い始めた所で、依子とお嬢さんの話を第一軸とすると、お嬢さんのお母さんとその不倫相手の話が第二軸として挿入されてきます。 ......と、初読の人は思うと思います。 私も最初はそうだと思いました。 そうなんです、本作はいわゆる叙述トリックです。 勘のいい人はもしかしたら第二軸が始まってすぐ気づいたかもしれません。 例えば、お嬢さんのお母さんとその不倫相手が、たまたま遭遇した自動車事故から、男性とその子供を救い出すシーン。 私も最初読んだ時に小さな違和感はあったのですが、その時点では叙述トリックとは気付いてなので「ふーん」という感じ。トリックがわかった後に、「やっぱりあの違和感は正しかったのか...!!してやられた!!!!!!」と悔しかったです。笑 終盤で叙述トリックが回収されていったときはスカっとしたし、ラストも(悲しいですが)まとまりがよかったと思います。 実は読み終わったあとに、作者の王谷さんが女性ということを知りまして。(描写されるバイオレンスの程度からして男性だと思ってた) 本作は「依子とお嬢さん」という二人の女性が主役の話なので、ともすれば今流行りのLGBTQが主題になりそうな設定なんですが、そうではないんですよね。 本作はLGBTQを(恐らく)主題にせず、冒頭に書いた通り、あくまで「シスター」。 依子とお嬢さん二人が抱いていたものは、あくまで全く異なる環境で育ってきた相手に対する尊敬。一緒に暮らすうちに家族的な愛は育んだかもしれませんが、いわゆる恋愛的な愛は作中では強く表現されてないんです(私の読解力が低いor読み飛ばしてしまった可能性ありなので悪しからず...) 女性なのに、 ・超絶バイオレンス、 ・ミステリーでは(個人的に)少数派だと思われる叙述トリック、 ・LGBTQと見せかけてそう単純ではない、 といったユニークに飛んだ掛け合わせがダガー賞に繋がったのかなと思いました。 サクッと読めるので、バイオレンス大丈夫な方には是非読んで欲しいです!

    15
    投稿日: 2025.11.03
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    ▼王谷さんという作家さんは知りませんでした。不勉強ゆえ、ダガー賞、というのも知りませんでした。受賞されたから、というのもありますが、手ごろな薄さだったこと、連れ合いが買って読んで「オモシロかったよ」とのこと、それで読んでみました。確かに面白かったです。ちょっとだけ暴力描写が胃に辛かったですが、でもそれほどでもありませんでした。 ▼大変に格闘などが強い若い女性がいて、きっちり固い仕事をしているわけでもなく、暴力団のかたたちと喧嘩になる。美女という訳ではない。大変に強い。その「強さ」はちょっと爽快でもあります。そしてひょんなことから暴力団の組長さんの娘さんのボディガードになって・・・というお話です。 ▼ちょっとだけサム・ペキンパーの映画のような、「暴力」に魅せられてしまうという部分も多少持っているヒトの本性・・・みたいなことが輪郭くっきり描かれて。ただそれはメインディッシュではなくて、基本線は極めて王道エンタメです。つまり、理不尽、加虐性、みたいな権力・暴力への対抗としての暴力・・・という、まあベタに言っちゃうと「正義の味方(が、暴力を振るう)」というお話。ただ、その書き方と、テンポの良さ、そして視点が女性からであり、立脚点もいわゆるミソジニーから離れようとしているあたりが、新味歯ごたえの魅力がありました。 ▼昭和の時代から(もっと前から)の、女性作家による、読み手の性を問わない本格&エンタメ小説・・・というジャンル?に、印象としては山崎豊子さんや有吉佐和子さんと言った「週刊誌/月刊誌時代」の巨星たちがいて、高村薫さんや桐野夏生さんがいて、そうした先に王谷さんもいらっしゃるんだろうなあ、と思いました。きっとこの先もコクのある小説を出してくださると期待します。ちょっとだけ暴力描写は胃が疲れましたが。

    6
    投稿日: 2025.11.03
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    バイオレンス✖️アクション✖️ミステリー(少し) 作者は王谷 晶 で女性作者なのだが戦闘の描写が生々しくエグい。 女性同士の愛を描いている。 ヤクザ系ではあるが、主人公とヒロインどちらも生粋のヤクザではなく巻き込まれた形となっており、途中でカタギになるのだが、人間縛られて生きているところから自由になった時にどんな生活でも幸せを感じることができれば良いことなのかと思わせられた。 時系列トリックは騙された。 宇多川の40年にわたる依子と尚子に対する執念はすごいと感じた。その執念を自分の人生の他に活かせられなかったか考えてしまう。ヤクザとはそういうものなのか

    1
    投稿日: 2025.11.03
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    えげつない暴力が振るわれ、血もどばどば出るが、不快感はそんなにない。とても読みやすい。 シスターフッド、では説明できない関係性なのだが、無理矢理言葉に留めるならばそんな感じか。 母(読書の師匠)に言わせるならば、ヤクザものにも関わらず気品がある。書き手が女性ならではの小説ではないか、と。 事前にそんな偏見を持って読んだからかもしれないが、どこか爽やかさを感じさせた。

    1
    投稿日: 2025.11.02
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    帯に釣られてまくってミステリーと思いすぎたかも? ハードボイルドは嫌いじゃないし、主人公のキャラクターも好きだったから私の入りが悪かった

    1
    投稿日: 2025.11.02
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    話題になっていたのもあり、表紙買いしました。 女性×暴力 という新しい組み合わせで、新鮮かつ爽快感を齎してくれました! 依子とカタギの殴り合いの描写は、一つ一つ細かく、展開がトントンと進むので一気読みしました。 同時に深町秋生さんの論評がとても興味深かったのと、この本の著者が書かれている他の作品も気になりました。

    14
    投稿日: 2025.11.02
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    ぐええぇやられたぁ。二重にも三重にもまんまとだまされてた。なんかちょっと変だぞと違和感はあったのに、その正体をつかみきれないまま読み終わってしまった。著者の思うツボですわこれは。ううう、悔しいようなうれしいような。 でもこの、どうなるのか先を知りたくてページをめくる手をなかなか止められない感覚は久しぶり。これを味わいたくて私は本を読んでいるのだと再確認しました。 本作は暴力団が絡むバイオレンスアクションなので、内容も表現も暴力的ではありますが、私はそんなに気分悪くはならなかったし、なんなら逆にスカッとしました。〈暴力は自由な人間のための〉〈娯楽〉だと考えるめちゃくちゃ強い女性がヤクザの男たちをぶちのめすのは気持ち良かったですわ。 さらに、そんな主人公新道依子さんてば、犬好きなのですよ。〈犬に罪はない。あんなに真っ直ぐで優しい生き物はいない〉なんて思ってらっしゃる、強くて優しいお方。わんこ大好きなあたくしとしては、もうこれだけでニンマリしちゃうのです。 しかしこの作品、英国推理作家協会賞(ダガー賞)の翻訳部門を受賞したそうなのだけど、日本語ならではのトリックがたくさん仕掛けられているこの文章が、いったいどう翻訳されているのか、めっちゃ興味ありますわ。

    1
    投稿日: 2025.11.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初読。日本人として初めてダガー賞を受賞したという宣伝文句が気になり購入。一気に読ませる構成の面白さと筆力。久々に「うまい」と唸った。言葉と肉体の暴力描写は本来好みではないのだけれど、頭脳でも武器でもなく、ここまで力だけで男と戦う女性主人公を、応援してしまう部分もある。しかも復讐とか因縁とかではなく、本能で暴力に血がたぎるタイプとは。ふたりの言葉に表せない関係性を型にはめないまま、それでも納得のいく形で描ききっているのがすごい。40年の逃亡、よくやったねと肩をたたいてあげたくなりました。

    2
    投稿日: 2025.11.01
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    読みたいとは思っていて、読むきっかけを得られずにいたが。ダガー賞受賞で手に取った。ああ、これは好みがわかれる物語だと冒頭の数ページで思った。自分は好きなほうかもしれないと思いながらページを繰り続けた。最後の最後まで、綺麗に騙されて。やられたと思った。面白いは面白いが、手放しで面白いと言える類のものではなかった。蛇のような執念で追いかけ回す男どもの滑稽さ。作家の性別と物語性は決してイコールではないが、先入観としての何かはある。それを抜きにしても。この時代でハードボイルド。渋いじゃないか。

    1
    投稿日: 2025.11.01
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    読みやすくて量もちょうどいい、1日で読み切れる。 とても暴力的な内容だけど何故か没入して読んでしまった。新道依子という女性ながら内から滲み出る暴力性を持つ主人公がとても魅力的だった。新道の過去をもっと深掘りしてほしいって読みながら思ってしまった。 新道が暴力団の組長の娘である尚子のボディーガードをする話だがその過程でだんだんと二人の距離が縮まり、最後実の父と婚約者であった宇多川から逃げ何十年と逃亡生活を送る。てっきり逃亡してるのが尚子の母かと思って読み進めてたら時系列が違っていたのは驚き。

    1
    投稿日: 2025.11.01
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    バイオレンスものは滅多に読まないので、どうかな、とは思ったけど面白かった。単純に面白かった。力がある、ってことは最強でかっこいい。そして、それによりヒエラルキーが単純明快に確立する。圧倒的な力は自分にはないから、読んでいて気持ちがいいのは確か。でも、それがメインではない。 少し前に流行った、たった1行でのどんでん返しまでしれっと含まれていて、構成的にもさすが!と思わせる。でも私は何より、女同志の名前のつけられない深い絆が新鮮でよかった。

    2
    投稿日: 2025.11.01
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    暴力団社会という“男の世界”の中で、女性たちがどう生きるかを描いた物語。 依子とショウ――暴力と優しさ、破壊と再生。その二つが出会い、溶け合い、性や役割の境界が崩れていく。 「女らしさ」も「男らしさ」も脱ぎ捨てたときに見える“人間の芯”のようなものが、静かに胸に残る。 フェミニズム小説であり、魂の救済の物語でもある。

    2
    投稿日: 2025.11.01
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    苦手な暴力団の話だったが スッと読めた その世界から抜け出し生きていけるのか 段々と追い詰められていくのが苦しくなる

    14
    投稿日: 2025.10.31
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    こいつは凄い!暴力、バイオレンスを扱った血生臭い物語は映画や漫画なんかで見てきたはずだ。はずなんだが…ここに書かれてる暴力の凄まじさはなんだ!重い打撃音、骨の砕ける音、怒号、なにも包んでないあけすけで卑猥な言葉、丁々発止とやり合う脅し文句の数々、もう文庫本から爆音が漏れ出てるんじゃないかと思うぐらいの凄まじい描写。 顔を背けたくなるような描写の連続だがページを捲る手が止まらない。とにかく面白くテンポがいいのだ。次はどうなるのか、どういう展開になるのかあっという間にページが進んでいく。残り少ないページ数でどうまとめていくのかと思ったら…あの展開はやられました。 万人にお勧めできない、好き嫌いの分かれる小説と思います。

    21
    投稿日: 2025.10.31
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    話しを読み進めていくうちに、突然出てくる夫婦が、驚きの人物たちで、続きが気になり直ぐに読み終えてしまった。 喧嘩にしか興味なかった主人公と、親にレールをしかれそこを歩かされていた主人公が護衛していたお嬢さんが、徐々に人間味を帯びていく感じがした。

    0
    投稿日: 2025.10.31
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    「ババヤガ」とはスラヴ民話に出てくる鬼婆のこと。 暴力の申し子のような新道依子が、暴力団の娘の運転手・護衛になることから話が始まる。 メインストーリーから外れるような記述や説明は一切ない。 潔いと言えるほど、ない。 ガンガン話が進んで行く。 それは「疾走感」と言っていいほどだ。 おもしろかったけれど、暴力描写と最初から最後までガッチリあるギラギラ感が私にはキツくて、挫折しそう~挫折しそう~と思っているうちに読み終えた。 話の中に出てくる鬼婆の話がとてもいい。 私も鬼婆がいいな。鬼婆になりたい。 日本人初の英国推理作家協会主催のダガー賞受賞作。

    1
    投稿日: 2025.10.31
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    いや、こりゃ人気だわ!!! と思うぐらいに面白い!読みやすい!爽快! って感じでした!! 序盤にもしかしてこれ...?と予想してたのが当たってとても嬉しかった!!途中あれ?予想外れた?と惑わされたけどやっぱそうかーーー!ってなった時嬉しくてもうそこからはノンストップで読み終わりました!!! 女性ならではの強さと、物理的に強い女性が見れてとてもとても満足です!!

    1
    投稿日: 2025.10.30
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    「文藝」(2020年秋季号)に掲載されたときに読んで、バイオレンスとかぜんぜん興味ないはずなのにするするとひきこまれ、「壮絶おもしろい!すごいの読んだ!」と思った。単行本になったな(カバーかっこいい)、文庫本になったな(これまたかっこいい)、おもしろいからみんなも読むといいよ、と思ってたら、この夏には英語翻訳版が英国の賞をもらってブレーク(めでたい!)。御祝儀代わりに、河出文庫ベスト・オブ・ベスト2025に入った一冊を購入した。

    2
    投稿日: 2025.10.30
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    読むにつれどんどん先が気になり、途中から一気読みした。 暴力的な描写が多いから人を選ぶとは思うけど、とても読みやすかった。 「龍が如く」とか好きな人は、ハマるかなと思った。

    0
    投稿日: 2025.10.30
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    冒頭から漂うヴァイオレンスな雰囲気に圧倒され、あれよあれよと読み終えてしまった。 北野映画を彷彿とさせるテンポの良いストーリー進行。 あっという仕掛けもあって、とても楽しめた。

    0
    投稿日: 2025.10.28
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    暴力とかの描写は割と苦手な方ではあるけれど、この本は何故かスッと読めた。幸せな描写はほとんどないけれど、全く異なる2人の生き様に考えさせられる。

    0
    投稿日: 2025.10.28
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    本作は、新道依子という女性が、尚子というヤクザの娘を護衛することになるところから始まる。 そこから、彼女の世界は血と硝煙の匂いにより包まれていく。 まさに『ジョン・ウィック』や『キル・ビル』を彷彿とさせる世界観。暴力と狂気が支配する中にも、確かに息づく美しさがある。 ──おそろしくもバイオレンスで、だがどこか爽快。 ページをめくる手が止まらず、気づけば一気に読み終えていた。まるで一本の映画を観終えたあとのような余韻が残る。 エンディングも、決してハッピーエンドではないところがまた良い。綺麗ごとでは終わらない現実の重さが、物語に深みを与えている。 強い女の物語。 それでいて、暴力的で狂気的でいて、どこか美しく、そして力強かった。

    0
    投稿日: 2025.10.28
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    楽しく一気読み。 強い女の物語はいいね。 スカッとする。 閉塞感で息苦しい中で暴力によって打破する.... ってところまでは良かった。 そして、ある仕掛けも楽しめるんだけど、 逃亡生活の時間の経過が早過ぎて、 もうちょっと読みたいと思った。

    20
    投稿日: 2025.10.27
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    ノンストップで駆け抜けるような疾走感。 幸せという甘ったるさはない。 依子と尚子の関係性を表す言葉は私には見つからない。 ただ一つ言えるのは、私はこの本を憶えているだろう。年月を歴ても。

    16
    投稿日: 2025.10.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ヤクザの世界で交わる女と少女を軸にしたサスペンス。暴力の中で紡がれる絆。 文庫で買ってたらいつの間にか賞を取っていた。ダガー賞を調べるとミステリー・犯罪小説とあるので、そうかな?と読み進めたが、読んだ後だと、あぁなるほど、という感触だった。 スピード感があり読みやすく、最後の方では意外な展開も待っており、確かに人気が出そうな感じだった。 ただボリュームに対して展開が急な感じがあり、血と暴力が支配する、底なし沼のような世界を描いていたかと思ったら、割とすっとそこから場面が変わってしまい、そんなもんだったの?という印象を持ってしまった。 この作品のミステリー的な要素についても、面白くはあったが、叙述トリックのようなネタと本筋が合っていたかというと、ちょっと微妙なような。そういう面白さで締めくくっていい雰囲気だっけ?という、なんとも言いがたい読了感だった。 海外で権威のある賞なようだが、割と漫画的な展開が向こうは好きなのだろうか。楽しめはしたが、賞を取るほどかな・・・という感想でした。キャラ立ちはすごくいいので、もっとじっくり書いたらどんな作品を作るのか気になるところです。テスカトリポカ並のえぐいやつ頼みますぜ。 関係ないけど「伝法な女」という表現を初めて知った。酉島伝法さんしか知らんかった。強い女性を表わす言葉、今後使う機会が増えていくかな。強すぎるか。

    1
    投稿日: 2025.10.26
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    やっと借りる事出来た! 題名の意味も何?ババヤガ?なんじゃそれと思いつつ、読書スタート。 最後に読み切って、googleで調べて初めて意味を理解した。 最初の描写が過激ですが(女の子に痛い事するなんて酷いわ)、その気持ちの辛さは難なく慣れてしまった。 そして、面白い!あっという間に読んでしまった。 強い女性カッコいいし、スカッとした。 世の中、まだ男性の方が全てに関して上と思いますが、それをかっ飛ばしてしまうのがこちらの主人公。 極道って、本当にとんでもない世界ですね。今年に入って極道物の小説読ませていただきましたが、殺しが半端ない… 夜中に本を読むことが多いのですが、夢に出てきそうで、そして、安らかにウトウト眠りを誘う様なストーリーではない。 恐ろしいのに、読まずにいられない。 こちらのストーリーは、極道に友情も加わり、友情から愛に展開し、ホントの最後は少し捻りがありましたね。 後半、少し理解が足りず再読してしまいました。 読者の想像を利用した流れでの終わりなのかな。 また時間を置いてから読んでみたい本です。

    15
    投稿日: 2025.10.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった バイオレンスな表現があると思っていたが そこまで多くなく止まらず読めた 叙述トリックのようなところもあって 飽きずに読めた 組のその後の話柳さんのその後の話 その後が気になるところも書いて欲しかった

    0
    投稿日: 2025.10.26
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    ダガー賞と聞いたことない賞に興味をそそられ読んでみました。血みどろのグロさが今までになく凄かった。人物はまっすぐすぎるくらいのキャラクターでした。

    0
    投稿日: 2025.10.26
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    容姿や名前の読み方など、小説ならではの面白さがあって一気に読んだ。大半が暴力の描写だけど、読んだ後は、爽快感がある。映像化は推奨しない。

    0
    投稿日: 2025.10.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    シスターフッド、というものに、どうにもモヤっとした気持ちを抱えてしまう。それは自分の「あのときシスターフッド(らしきもの)を貫けなかった」と後悔した思い出をいつまでも消化しきれずにいるからなんだけど、何をおいてもかけつけるよ、人生をかけてそれを貫くよ、というのは難しくて、人は誰も何かとバランスを取りながら生きているし、だからこそ強いシスターフッドが物語になる。 バランスを崩せば崩すほど、関係は強固になる。それはきっと性別に関係ない。 けれども、性差が今よりも大きかった時代をどうにか生き抜いた二人の、何とも名前を付けられないこの関係性は、「女性だからこそ」のシスターフッド、と呼んでおきたい感じがする。 依子と尚子は、両極端。 丁重に扱われすぎて、自由が一切ないことと、自由がいきすぎて暴力に巻き込まれること。何その二択。究極がいきすぎる。 でも両極端に行きすぎたら、逆側と背中合わせだった、多分、そういう感じ。 自由って、なんなんだっけ。 なにかに縛られることは、自由を制限するように思われるけれど、 縛られたいと思うほどのなにかがあることは、ある種自由なのかもしれない。 暴力描写もかなりあるし、それ以外にも「気分が悪い」描写も多い。 それでも面白くて、続きを読むのが止まらなかった。かなり一気に読んだ。 ダガー賞受賞がすごく話題になったのをきっかけに読んだんだけど、 ふと、だいぶ前にオンライン英会話で、フィリピンの講師の方と雑談をしているときに「(趣味は読書というのを受けて)どんな作家が好きか?」と聞かれて「村上春樹」と答えたら「みんなそう答えるんだけど、ほかにいないの?!」って返ってきたのを思い出す。 春樹は好きな作家であるのは間違いないし、結構いろいろ読んだのも事実だけれど、その時「一番好き!」という作家ではなくて、「春樹なら知ってるでしょ」という考えのが先走ったのは否定しない。 同時に、ちゃんともっと日本の作家のことをこういう時にも伝えていかないといけないんだ、と考えたんだった。 日本人初という快挙を祝しつつ、 このミステリーのトリックは、英語でどうやって伝えているんだろうかと気になって仕方がない。 そういえば、この間「レイトン教授」のゲームの開発秘話でも、「最初のシリーズは、海外展開を考えずに漢字を使った謎解きも多くて、海外対応が難しかった」と話してた。

    0
    投稿日: 2025.10.26
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    疾走感があり、最後まで一気に読んだ。本の薄さも相まって、テンポの良さと怒涛の展開で、ともすれば重く辛く読むのに腰が重くなりそうなテーマを軽快に読み進められる。 シスターフッドの物語だけど、男性から虐げられる弱者同士として庇い合うだけの構造ではないのが精神衛生上ありがたい。個人的に護身用品としてボールペンを持っておく備えが依子と一致してて嬉しかった。

    0
    投稿日: 2025.10.25
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    “日本人初、ダガー賞受賞作!” との宣伝文句につられて読んでみた。 好みの問題だと思う。 暴力の描写は苦手。 想像するだけで ちょっと耐えられない。 物語的には面白かったが。

    0
    投稿日: 2025.10.25
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    めちゃくちゃ面白かった。暴力が狂気的な描写でうーってなる所もあったけど、最後はスッキリ。いい読書時間だった。

    2
    投稿日: 2025.10.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    暴力シーンは、実際に血の匂いがしてきそうなほどリアルかつ残虐に描写されており、非常に引き込まれた。正と芳子の正体にも驚かされた。 結末について、かなり特殊な関係になって残りの人生を過ごすという展開は、通常であれば不自然にも感じられたかもしれないが、二人の生い立ちを考えればその関係・結末になることが自然にさえ感じられ、改めて設定の緻密さに舌を巻いた。 地の文に「芳子はーー新道依子は」と出てきた瞬間、見事に混乱させられ、その後徐々に答え合わせのように真実が明らかにされていく流れで、これ以上ないほど先の展開を気にさせられた。 比較的短い小説であるが、深い人物及び状況描写、どんでん返しのおかげで重く充実した読後感を得られる。

    3
    投稿日: 2025.10.24
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    分量も多くなくて、一気に読んで面白かった。 文章で読んでるけど、映像を見たような読後感。(あ、でも肝の部分は小説ならでは。ミステリーではないけど、それなりの仕掛けはあった。) 残忍な暴力が面白い、というのはエンタメのジャンルとしてあるだろう。映画とかでも。 作者の後書きで、暴力への快楽と後ろめたさを自覚している、とあったが、そのバランスが絶妙なのがこの作品の面白さかなと思う。どうしようもなさに絶望してない感じ。 ちな、ババヤガとはスラブの魔女のことらしい。タイトルもいいね。

    8
    投稿日: 2025.10.24
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    駆け抜けてった感じでした。 ミステリーでは無いし、話に深みが無いというか、、アニメとかで見る方がしっくりくるかも。 柳最後どこ行った…尚子の両親はどうなった… もやっとしたままサクッと終わっちゃいました

    9
    投稿日: 2025.10.24
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    スピード感があってあっという間に読み終えてしまった。 終盤の尚子の風貌はなんでこんな姿を好むのか??と思ったが、解説を見て自分もその1人だと気付かされた。

    0
    投稿日: 2025.10.23
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     ヤクザのお嬢さんのボディガードとして雇われた女性の物語だ。さらに言うと、お嬢さんとボディガードとして雇われた女性の物語だ。賛否が分かれている暴力的な描写も特に問題はない。映像的でスピード感を持たせているのが、その暴力描写だ。    ヤクザの組長の家に生まれたゆえにつきまとう運命を、諾として大学や習い事に通うお嬢さん。そして、社会から疎外されて暴力的に育った主人公がお互いに共鳴しあい連帯感を深めていくシスターフッドの物語かと思って読んでいた。  良い調子で読み進めていくと、まんまと著者の仕掛けた罠にはまり込んでいた。著者の目論見通り、場面転換したあとの二人のありようがしみじみ身に染むように脳内に入り、物語に深みが出てくる。読み初めに感じた軽い印象は、最後には重く心に残る感覚に変化し、読み終えた。

    2
    投稿日: 2025.10.23
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    スピード感があり、驚きの展開も多く一気読みしていました。暴力描写が生々しく、あまり慣れてない無い私には少し読んでいてしんどい所もありましたが、ストーリーが面白く読み進めていて楽しかったです。

    2
    投稿日: 2025.10.23
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    スピード感のある文体で一気に読み切った!痛快エンタメ小説というか。こういうタイプの作品は久しぶりに読んだのでとても気持ちが良かった。 バイオレンス描写が小気味よく映像的。韓国バイオレンス映画を1本観たような読後感だった。 (流行として消費されそうであまりこの言葉は好きではないのだけど、)所謂シスターフッド系なのもあって…大好きな映画「お嬢さん」を観たときの衝撃を思い出した。 そうそう、属性や関係性をわかりやすくまとめて結論付けないところがとても好きだった。 人はなんにでも名前を付けたがる。擬態して誤魔化すことも容易で、とかくラベリングして安心したがる…。 依子も尚子もそして柳も、形の話はしてもウェットなものを無理やり固形にしたりしない。 はみ出し者、見た目や国籍、生まれた家、性的役割。そういったラベルを脱ぎ捨てて、着の身着のまま裸足で逃げ出す。持って生まれた天稟や忍耐強さを武器に活路をひらいていく。 すさまじい暴力シーンや走り抜ける展開を備えつつも、非常に美しく希望に満ちた物語だった。 ―-------以下ネタバレ―------- 英国ダガー賞受賞作品ということで、想像していたようなミステリーとはまた一味違っていたけど、後半の展開には大興奮だった。見事にミスリードにハマってた! あの感覚は確かに優れたミステリー作品を読んでいるときのドライブ感と同じかも。

    3
    投稿日: 2025.10.22
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    複雑な思いがある。現実的でもあり、飛躍的でもあり、ストーリーとしてはスーッと入るので一気読みできた。

    1
    投稿日: 2025.10.22
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    腕っぷしの強い…と同時に暴力と喧嘩が生き甲斐の女性「新道依子」とヤクザの頭の娘「内樹尚子」の物語。 ある日、ヤクザの事務所前で暴れていた依子はその筋のもの達に取り押さえられ、その場にいた「柳」に屋敷に連れ帰られた依子はここで死ぬか頭の一人娘「内樹尚子」のボディガードをするかの二択を迫られ、これを受けることになる。 お嬢様であるが自由のない尚子と乱暴者で自由奔放の依子、正反対の性質の二人が心を通わせてゆく…と言ったら少し違和感があるかも…同情でもないし仲間意識でもない。互いに少しずつ興味をもち始めたころに話が動く。 本書は日本人初「ダガー賞」受賞とある。どのあたりがミステリーなのかと思いつつ読み進めていくと完全に騙されました。確かにミステリーぽいしひっくり返された。 しかし肝心の王谷晶さんはミステリーとして書いたのではないと言っていた気もする。 そして非常に暴力的かつ差別的な表現や場面が繰り返されますが、碌でもないヤツラをぶっ飛ばす依子を応援し心配しハラハラしながらの一気読み。 とても楽しめました。

    32
    投稿日: 2025.10.21
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    「ジェットコースターのような小説」が 私の中で一番しっくりくる。 ある意味暴力的な乗り物だからか? 主人公の優れた暴力の能力と 極道という暴力の組織力のぶつかり合いって、 痛快なんだけど、やっぱり痛そうで読むの少し辛い。 何のことやらー?と思ったらぜひ読んでみて欲しい。 何せジェットコースターだから、 あっという間に読み終えてしまう。

    1
    投稿日: 2025.10.21
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    喧嘩の腕を買われて暴力団に会長の娘のボディガードとして拉致・スカウトされた新道依子。会長の娘尚子の護衛をするうちに彼女の苛酷な運命と憎むべき秘密を知り…。 ババヤガとはスラヴの民話に出てくる魔女のことである。依子はお祖母ちゃんの話すおとぎ話の鬼婆としてババヤガの民話を聞いて育つ。そしていつか鬼婆になりたいと思うと語る。依子はスラヴ民族とのハーフらしい。依子は身体が大きく赤毛、目の色も違うようだ。 シンプルな話だが、読みながら手に汗握り頭に血が上る。変態的な暴力シーンや殺人は、昭和のバイオレンス小説のようで勝目梓か西村寿行を思い起こす。現代社会では設定しづらいのでしょうが、そこは深く考えずに熱く読み進めましょう。 バイオレンス小説の主人公は喧嘩が滅法強くマイノリティな女性。そして家族主義的な昔ながらのヤクザ社会の歪みから脱出するLGBTQも匂わせながらの個人主義ながらも一匹狼ではない。そこが昭和のバイオレンス小説との違いなのでしょうか。まあ、そのあたりは消し飛んじゃうほど、熱く面白く読めました。

    6
    投稿日: 2025.10.21
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    ミステリー=謎と言うことであれば、最後まで騙されてました。ダガー賞のレベル感が分かりませんが、日本にはもっと面白いミステリー作品があるようにも思います。

    0
    投稿日: 2025.10.20
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    この作品、私は好きです。大好きな作品の一つになりました。 暴力の世界で生きる人たちの物語です。この手の話が苦手な人は手に取らない方がいいかと思います。でも、そんな暴力が苦手な人でもきっとこの作品なら好きになってくれるかもしれない一縷の望みを託して、やっぱり読んでみたら?と勧めてしまうでしょう。私にとってはそんな作品です。

    12
    投稿日: 2025.10.20
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    暴力の描写に徹底的にこだわったミステリー小説。 痛々しい拷問描写に、ちょっとした構えへの思考など、臨場感に溢れた1冊。 そして最後は、そっちかー!!と期待を裏切られること間違いなし。 「同志少女よ、敵を撃て」ぶりに臨場感たっぷりの作品を読みました。

    0
    投稿日: 2025.10.20
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    ずっと積読だったけど、読みはじめたら一気に読めた。血生臭く、暴力的な女性(新道依子)が主人公。まさか表紙のが女性二人だと思ってなかった…。これも偏見になるのか? 主人公の剛腕さからヤクザの娘のボディガード用にスカウト(拉致)されてくるところから始まる。 ヤクザ社会は男尊女卑で、どんなに強くても女性は意見できない。女性をシノギの道具とみなす。 物語だけでなく実社会でも男女差は埋まらない、縮まない世の中でも抗っていく感じが面白かった。 テンポ感もよく、マンガを読んでいるような感覚で場面が浮かびやすかった。ヤクザ社会が獄中にも思えて、ジョ○ョを少し思い出す感じで読みやすかったのかも。

    25
    投稿日: 2025.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    依子と芳子を切り離して読み進めていたので、わかった瞬間、小説ならではの爽快感があった 暴力が多く苦手な描写があったし、内樹の家人はみんな最低だったからこそ、後半の依子と尚子の逃亡生活の和やかさが引き立ってよかった

    1
    投稿日: 2025.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    斬新なミステリーでした。読み終えた後、表紙の絵を見てまたまた感動しました。短いわりにしっかりした構成で楽しめました。

    1
    投稿日: 2025.10.19