
総合評価
(925件)| 261 | ||
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powered by ブクログ暗い本が読みたくて選んだ本。 続きが気になるおもしろさで、移動時間や休日を投じてあっという間に読み終わったが、読了後の私はこの本の言葉を借りると、気持ちが『鬱ぎこんだ』。 私は正直、登場人物の慎一をあまり好きにはなれなかった。
0投稿日: 2026.03.15
powered by ブクログ早見和真さんの作品、またこれはこれで違ったストーリーで心を奪われました。 うん、確かに暗い、暗いけど何だろう。人間の嫌な部分も勿論描かれてるけど同じように、抗って生きていく強さも描かれてる。 解説の辻村深月さんが、もう全てを語ってくれています。
8投稿日: 2026.03.14
powered by ブクログこれはかなり好みが分かれそう。凄く熱のある、そして常に糸が張ったような緊迫感のある話だった。生きたい気持ちも死にたい気持ちもそこに是非は無く、ただそのタイミングでそれがあっただけ。 八月の母から著者が気になって拝読。読後かなりしんどかったが、これは後書きの辻村美月さんの文章も是非併せて読んでほしい。
1投稿日: 2026.03.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読みやすく引っ掛かりのない文章で、ラストまでさらさらと走れましたが、残ったのはそれだけでした。読みやすかったな、と思うだけ。 主人公含め登場人物全員に入っていけない。誰にも思いを馳せるということができない。一体どうしてですかね、こっちが聞きたいです。胸が苦しくなるような、涙が零れ落ちてしまうような、そういう風な心理体験ができることを帯や紹介文から勝手に期待していました。すっかり当てが外れて、それでも世間の評価はすこぶる良くて、またひとり迷子になった気分です。 では、どういうことだったら自分に刺さっただろうと考えた時、やはり犯人は幸乃で間違いなかったという話であればまだ納得できたかもしれないと。みなさんが一番望まないであろう方向で考えてしまいました。申し訳ないと思っています。 この先生は他に八月の母を積読してありますので、ぜひね、そちらの方でよろしくお願いしたいです。
3投稿日: 2026.03.11
powered by ブクログ2026年二十三冊目読了。 死刑宣告された主人公には生まれながらにして気持ちが高揚すると意識を失ってしまうという病に悩まされていた。その病は彼女に未来を想い描くことすらできなくさせた。 心底から向き合った人が抱く純粋で無垢な彼女と表面的な情報だけ知る世間が抱く彼女の人格は大きく乖離し、それがなんとも心苦しかった。 意識を失ってしまう度になんとか抗おうとする彼女が初めて抗えた出来事は『死ぬ為に生きるということ』。 彼女の死に対する強い信念を曲げられる何かがあれば…私がこの小説に感じたのは悲しみからくる切なさだった。
11投稿日: 2026.03.10
powered by ブクログプロローグでこの作品は絶対好きだと確信した。 死刑執行の日から始まる物語。便箋で桜の花びらを届けた人は誰か、刑務官は悲しい表情をしているのは何故か、幸乃はどんな罪を犯したのか。 冒頭から先が気になるポイントが多く、気付けば幸乃という女性の人生にのめり込むように読み続けてしまった。早見さんの作品をもっと読んでみたい。
3投稿日: 2026.03.10
powered by ブクログ暗い物語であるが、今時の若者を扱ったミステリー小説で読み易くそれなりに迫るものがあった。 舞台設定の横浜の地名・町名には土地勘があり親しみを感じる。ただ山の手と貧困地区の格差表現は昔ならいざ知らず少しオーバーか。 この話は現代社会の病弊を象徴したものである。 陰湿な学校のいじめや友達間の確執、友情や裏切りそして強権支配の友人関係など若者の醜悪な側面が晒されていて嫌な気持ちになる。 元恋人ストーカーの家族殺人は今マスコミを賑わす 話題の事件と重なり殊更目新しくはない。 主人公の出生時からの不幸の連なりに、小学校時代の探検仲間(姉と二人の少年)の友情が強く抗い、最後まで希望の光を灯す。彼らと誓い合った約束を彼女は唯一の生きた証にして逆境を生きる。 片親の母に早く死なれ、持病を持ち、貧困のなか信じた親友に利用され、愛した恋人にも裏切られる。 不運な人生を静かに生きる彼女が無性に愛おしい。 取調べの自白や証拠、裁判の再審請求や死刑執行も今の切実な社会問題だ。 エンターテイメントとして彼女の悲劇やトリックは書いても、かけがえのない人生の本当の価値や心の襞について、筆者の表現は少し表面的で物足りない。 小説空間にもっと奥行きがあればと感じてしまう。 日本推理作家協会賞受賞と山本周五郎賞候補になった作品である。
0投稿日: 2026.03.10
powered by ブクログ死刑判決を受けた女性・田中幸乃を中心に物語は進んでいくが、彼女を知る人々の視点から語られる過去を読むうちに、最初に抱いていた印象が少しずつ揺らいでいくのが印象的だった。 事件を探る中で繋がりのなかった登場人物たちが繋がり、パズルのピースがそろうように真実が明らかとなる様は巧妙で、彼女の人生を知るにつれ胸が苦しくなる一方で謎が解けていく痛快さに、先を読まずにはいられなかった。 ただ生きることの困難さをあらためて感じさせられた。田中幸乃という名前の因縁か、死刑を受け入れることでしか自分の運命に反撃できなかった幸乃。死刑台に向かう途中いつもの昏睡が起きてくれることを読んでいて願わずにいれなかった。
2投稿日: 2026.03.08
powered by ブクログ評判がいいみたいだし、辻村深月さんの解説だし、知らない作家の慟哭ミステリか。 読んでみるかなと予約して待っていた。日本推理作家協会賞受賞作、なのだが。 ※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。 多くの方が推薦しているので大っぴらには言えないがいってみる、期待外れだった。でもラストの衝撃で☆3を付ける。 冒頭から死刑判決が下されワオと度肝を抜かれる。 この薄幸の主人公、田中幸乃がなぜ死刑になるのか。控訴もしないでやすやすと死を受け入れたのか、というのがメインストーリーで、読みようによっては慟哭尽きないのだ。 ところが醒めて読めば冤罪臭はふんぷんだし、そう思うと仕組まれ感も顕著だし、純真無垢のマリア様だってもう少しは運命を受け入れ、祈りつつも正しく自分を大切にするでしょう。 これだけ書けば、本当に外れ感でがっかりしたかなと歯切れが悪くなってしまうが。 ストーリーは主人公側に肩入れすれば哀しくも美しい。 子供時代から恵まれず、人恋しさで出来た友達に裏切られ鑑別所に入れられる、親にも見捨てられ、不幸の深い穴の中で生きてきた。自分で死ねないなら死刑でもいいと思ってしまった、という救われない生き様で。 クズのような男に貢ぎ感謝もされず、ついにはよその女と一緒になるために無理やり引き離され、雲隠れされ、居場所を突き止めてみると男は双子の子供と妊娠中の女のいる家庭を持っていた。 悪意はないものの周りをうろつき、ストーカーにされる。 男のアパートが火事になり双子と妊婦が焼死した。世間は死んだ親子に同情し、周りをうろついていた幸乃が逮捕される。 意地悪い読みだろうかと思うのだが、やはりこの幸乃さん死ぬしかないかもと思ってしまう。 幸せだった子供時代の友達だけは理解してくれているようだが、弁護士になった男は、正義感も上滑りで事件から手を引いてしまう。このあたり不幸を際立たせるリアルな描写で現実にひき戻される。 不幸のせいで流れに逆らわず生きるのが楽なのか、そういう投げやりな生き方しかできなくなった女は、哀れだが流されていきつくところは自分で死ねないなら殺してもらうと思い詰めてしまって上告もしない。 イノセントなのか無智なのか、それが罪だったのだろうか。 死刑台に向かう途中で、持病の失神状態に陥りそうになる。女の看守は「倒れろ、倒れろ」と祈るように思う。心身喪失を理由にすれば彼女は助かるかもしれない。 だが幸乃は生きるより死に執着し、つよい意思で階段を上る。 意地悪くありきたり感を持ったが、この衝撃的なラストが受賞につながったのかもしれない。 奔走した幼馴染が無実の証拠をつかむが彼女はすでに柩の中、という幕切れも、いっそ助かっていればと思うが、生まれ変わらない限り幸乃の不幸が続きそうで、残酷この上もない物語だった。
21投稿日: 2026.03.08
powered by ブクログ早見和真さんの作品、初読みです。 2026年初作家、18人目です! 早見さんは近いところではTBSの日曜劇場のロイヤルファミリーの原作者で、去年の本屋大賞ノミネート作のアルプス席の母の作者です! 初読み作品として、上の2冊のどちらかを読もうと思っていたのですが、なぜかイノセント・デイズを読んでしまいました。 めちゃくちゃ読みやすく面白いが、暗い‥。救われない(´༎ຶོρ༎ຶོ`) それでも、先が気になって一気読みしました。 みんなが幸乃のことを好きなのに、どうしてあんなふうになっちゃったんだろう? いろいろ考えて切なく苦しくなる本でした! 他の人のレビューでも書いてあったけど、あの男にあそこまで依存しているのが、イライラした。 幸乃じゃないが、「納得できません」
43投稿日: 2026.03.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
慎一が確たる証拠を掴むまで、私も幸乃が犯人だと疑わなかった。結局決めつけていたのかもしれない。死刑、逃れてほしかった。
0投稿日: 2026.03.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
個人的には慎一と恋人で無くても、 どんな形でも幸乃に生きてて欲しかったな。 誰かに必要とされないことは 死ぬよりも怖いことなのかもしれない。 こんな犯罪者は死刑にすべきだ。 ネットやテレビで目にするニュースの コメント欄が脳裏にちらく。 言うのは簡単。そして内なる正義が 気持ち良くもある。 ただただ責任も痛みも無い。 日々死と向き合わせれる職務の方 本当に大変なお仕事です。 ありがとうございます。と思った。
3投稿日: 2026.03.05
powered by ブクログ彼女が救われて欲しいと願っていたけど…ある意味では救われたのかもしれない。でも私が望んだ救われ方ではなかった。 彼女の性格的なものは理解できる部分があったけど彼にあそこまで執着していく気持ちが、そこだけは わからなかった。あのような性格なら、突き放されたら縋り付くような事、しなさそうなのに。そこがどうしてもしっくりこなかった。
2投稿日: 2026.02.28
powered by ブクログ早見和真さんの小説の中でも、シリアスな部類に入るもの。 最近こういう「罪を犯したものの内面を問う」小説が増えていて、リアルな事件をモチーフにしていることが多いが、これは完全オリジナル。 ネタバレになるので詳しくは書けないけど、どこかで誰かが救いの手をさしのべられたら、彼女は救われたのではないか… でもそれをやりきらなかった、ひとりひとりの「エゴ」こそが「罪」。 それがこの小説が真に描きたかったことなのかもしれない。
0投稿日: 2026.02.28
powered by ブクログ登場人物のそれぞれの視点から田中幸乃への思いが描かれていてテンポよく読めました。特に終盤にかけて、結末がどうなってしまうのか気になり過ぎて一気に読んでしまいました。読み終えた後、これから日常で見るニュースの見方、考え方が変わりそうです。
1投稿日: 2026.02.27
powered by ブクログ元恋人の家に放火し、妻と子どもを死なせた死刑囚、田中幸乃。 彼女を凶行に駆り立てのは何だったのか、義姉や中学校の親友、元恋人の親友など、様々な人物が語る幸乃の物語から、真実が明らかになる。 あまりに辛すぎる真実と、幸乃の悲しすぎる願望に翻弄される。
1投稿日: 2026.02.26
powered by ブクログ呆気にとられた、 暫く余韻に浸って考えてた、 何が正解なのか、これが正解なのか分からないけど とにかくもどかしくて仕方ないほど悲しくて胸がチクチク傷んだ。
1投稿日: 2026.02.26
powered by ブクログ読む手が止まらない。 帯どおりだった。 9月15日。 握りしめたピンクの紙片。 どれだけ慎一は絶望しただろう。
0投稿日: 2026.02.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
私が本で夜更かしをする事は余りない。夜更かしをした本は決まって心に刻まれる大好きな作品である。このイノセントデイズもその一冊だ。でもこれまでとは少し違う。夜が更ける感覚すら忘れるくらい作品に夢中になっていた。のめり込んで、ページを捲る手がエスカレートして俺は田中幸乃を知りたがった。プロローグの裁判官の死刑の主文。その一文一文の章で展開され、実態に気付かされていく。田中幸乃という人物の輪郭が見えてくる。一生を追いかける展開。早見さんの作品を何度か見た事がある。それは職業小説だったんだけど、その雰囲気や文章の書き方、作者の癖みたいなものが一切感じられない。まるで別人の誰かの作品のようにみえた。作品による書き分け、没頭の創作、深みのある人間描写に登場人物たちが生きているように錯覚させられる。 田中幸乃、あなたは優しい。誰かの為にを最優先させ 、頼られる事で生きてると実感してきたのだろう。とても気持ちがわかる、自分も優しいと言われてきたし自分自身優しいと思ってるから。だから、その優しさに付け入る人をたくさん見てきたし、裏切られて死ぬくらい苦しい痛みを伴うことも知っている。でもそこからが違う。私はそれでも立ち上がり前を向くが、幸乃は倒れてしがみついて忘れられない。それを弱さと表現するにはあまりにも残酷だから私はしない。幸乃の魅力でもある。懐が広く誰しもが入りたい、入りやすい人。でもその個性は過去から離れられないのと同義だ。裏切られるたびに怖くなり新たな関係性を断ち過去の思い出に浸る。だから翔と違って幼少期の記憶が鮮明にあるんだ。翔は前を向いて進んできたから新しい記憶に上塗りされて幼少期の記憶も全然なかった。でも幸乃や慎一は鮮明に覚えていた。それほどまで大切で何度も思い出して忘れたくないと思っていたから。そんな自分の意志が無かった、必要とされてこなかったと思い込んだ幸乃が死にたいという強い意志を孕む。翔との再会も喜びを隠していた、慎一の手紙も。これまでの持病も。全て乗り越えて死んだ。死ぬ為に生きた。幸乃は亡くなって、翔や慎一の願いは叶わなかったけど私はそこがこの作品の重要なところではないと思った。フィクションの中にあるリアル。現実世界に当たり前のように存在する決めつけや優しさに対する甘え。これに訴えかけてるのではないかと思った。幸乃に関わってきた人たちは悔いていた。自分の行動に幸乃の優しさに甘えたからだ、優しさの裏でどんなに傷付いているとも知らずに。人を生い立ちや情報だけを鵜呑みにして決めつけてからだ。遅かったのだ、もう少し幸乃を見て寄り添うべきだったのだ。戒めとして刻み、現実でも細心の注意を払おうと思う。
4投稿日: 2026.02.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
タイトルから、なんとなくの結末を予想しながらのスタートでした。結局、裏切られることなく、素直に冤罪での死刑が執行されてしまいました。真実が明らかにされているので、読了後のもやもや感が半端ないです。前回読んだ作品でも、死刑制度について言及されおり、現行の最大の課題が冤罪というのを今回で実感しました。 それだけでなく、冤罪ということは真犯人がいる訳で、そこも、もやもやポイントでした。登場した犯人グループの一人の少年は、罪の意識をもち、もしかしたら自殺なのかもしれないという終わり方でした。では、ほかの少年はどう過ごしているのでしょうか。捕まらずラッキーくらいにしか思わず、万能感により、罪を重ねているかもしれません。 重い話で、考えることが多々ありました。救いがありそうで、最終的にはないというしんどさも併せ持ち、体力が削られるような一冊でした。
26投稿日: 2026.02.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
重い。ただひたすらにつらい展開が続く。最後は本人の望んだ形かもしれないが一般の読者にとっては望まない残酷な結末だった。一般的な幸せなど何もないこの小説が言いたかったことはなんだろう。決めつける世間が、手を差し伸べない周りの人間が、一人の人生を大きく左右させてしまうということだろうか。それでも最後は本人が望んだ形になったのだから、周りがどうであれ自分の信念があれば思うように行くと言うことを皮肉たっぷりの展開で伝えているのだろうか。 自分の中では閲覧注意に入る小説だった。
1投稿日: 2026.02.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ただのミステリー小説だと思って読み始めたがそこには犯人にしたてあげられた死刑囚の悲しい過去や人生に疲れきった死刑囚の悲しい思いが描かれていた。 人は目の前の報道や誰かの噂話ですぐにこの人はこういう人だと決めつけてしまう。その人の過去やその人が本当はどう思っていたのかも知らないのに。この本は人をしっかりと内側から見てあげないといけないという思いにしてくれる作品であった。 田中幸乃に死刑が執行されることを望まない人達が懸命に動いている一方で、はやく死刑執行がくだされないかと待ちわびる本人、最終的には無実なのに刑が下されたことに喪失感を覚えると共に本人が望む結果になったことで本人は幸せだったのではないかと考えさせられた。 これからニュースに出てくる容疑者を見る目が変わりそうな作品となった。
1投稿日: 2026.02.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
少女はいかにして死刑囚となったのかを彼女に関わった周囲の人々の証言(視点)から積み上げていく社会派ミステリー 「死ぬために生きる」その意味とは 愛は確かにあったのに、世界の片隅にあったのに、見つけることができなかった 産科医の心変わりがなければ、慎一が老婆と話していなければ、母が事故を起こしていなければ、万引きをあの店でしていなければ、優しい恋人であれば、祖母が優しければ、愛を見つけることができていれば 全ては偶然か必然か
0投稿日: 2026.02.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
死刑判決を受けた田中幸乃の物語は、単なる冤罪ミステリーにとどまらない。読み進めるにつれて浮かび上がるのは、事件の真相以上に、「人はどこまで他者を理解できるのか」という重い問いである。 報道で列挙される生育歴や過去の出来事は、いかにも凶行へ至る要因であるかのように提示される。私自身も序盤では、どこかで「なるほど」と納得しかけていた。しかし、彼女の半生を別の視点から辿るにつれ、その安易な理解は揺らぎ始める。わずかな選択のずれや、環境や他者の判断、さらには偶然。そうした要素の積み重ねの中で、一人の人生がどのように形作られていくのかを目の当たりにし、自分の内面に潜むステレオタイプの存在を痛感させられた。 無垢とは何か。罪を犯さないことなのか、それとも他者を信じ続ける心のあり方なのか。幸乃は周囲に同調する「鏡」のような存在であり、最後まで自分よりも他者を優先し続けた。彼女に「生きてほしい」と願うことすら、当事者ではない読者のエゴなのではないかと突きつけられる場面では、言葉を失った。 本作の恐ろしさは、幸乃の運命そのものよりも、私たちが無意識のうちに他者の人生を消費し、理解したつもりになり、断定してしまう構造を描いている点にある。メディアの見出しや断片的な情報をもとに他者を評価する行為は、現実社会でも日常的に起きている。外野の無責任さを批判しながらも、その一部が自分であるという事実からは逃れられない。 読了後に残るのは爽快感ではなく、やるせなさと静かな問いである。人は本当に他者を理解できるのか。正義とは誰のものなのか。無垢な日々はどこまで守られるのか。明確な答えは簡単には出ない。しかし、誰かを断定する前に一度立ち止まりたくなる力を、本作は確かに持っている。忘れがたい一冊である。
4投稿日: 2026.02.17
powered by ブクログ久しぶりに衝撃的な内容の小説でした。 世の中には思うよりも沢山の冤罪があるのかもしれない。 この主人公がまともな子供時代を過ごし少しでも自分に自信があり生きる希望があれば又違った結末だったのかなと思います。 彼女は優し過ぎたのかな。 周りにいる助けたいという人達でも考え方が違う事に正義や正しさの定義の難しさを感じました。
0投稿日: 2026.02.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
幸乃はどうしてそんなに不幸になったのか? 突然の母の死や出生の秘密があったにしても、それまで4人で仲良く暮らしてきたのに…父の1度の過ちがあったにしても、なぜ? 父や姉がそのまま放っておいたのもわからない。 お婆さんが、孫が死んだ後にでも告白してくれていたら間に合ったのにと思うが、生き延びても幸せにはならなかったのかな。
0投稿日: 2026.02.15
powered by ブクログどこか救われて欲しかったと願っていた自分がいたが、最後の田中幸乃の生に向かっていったあの一瞬で自分の感情が分からなくなった。 応援しているのか、それとも寂しいのか。 最高のミステリーでした。
0投稿日: 2026.02.14
powered by ブクログ私が評価して良いかわからないけど、スゲー複雑な小説で後味も悪かった。 たぶん、みんなに考えて欲しかったんだろうな。 でも、モデルになった事件とかあるのかな?とも疑問になりました。 スゲー複雑です。
0投稿日: 2026.02.12
powered by ブクログ彼女はなぜ犯罪者になったのか。 なぜが心に強く残った。そのなぜを色んな人の視点から紐解いていく構成はとても秀逸だった。特に後半になると章によって人物の描写が変わっているように感じた。その人目線で見た対象者の姿を描いているのかなと思ったりした。 日々、一つのニュースや情報で全てを知ったつもりになって決めつけるってよくあると思う。フェイクニュースも多い今の世の中で生きていくには、情報リテラシーを身につけることが大切だと思った。 とにかく知ったつもりにならないことが大事。
0投稿日: 2026.02.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み終わった後1番感じたのはやるせない気持ちだった。彼女にとっては望んでいたことだったけど、本当に望んでいたのか?生を凌駕するほどの死にたい気持ちとはどういったものなのか。何度も裏切られ、辛い人生を歩んできた彼女だが、最後にもう一度だけ、生へ執着して欲しかったと感じる。幸せになる彼女を見てみたかった。 登場人物それぞれの回想で綴られる幸乃は純真無垢な心根の優しい人物であり、心の支えになる人や無条件に信じられる存在がいれば彼女の人生は全く違ったものになっていただろうと思う。辛い。。
1投稿日: 2026.02.07
powered by ブクログ凄い。これはまさしくミステリー。 死刑囚であるはずの田中幸乃の純粋さと死刑囚ではない世間や登場人物の弱さや醜さの対比、そして真実が作者により明らかにされることにより「イノセント」の意味するところに心を大きくゆさぶられる。
1投稿日: 2026.02.07
powered by ブクログ優しくて残酷で美しく重たい物語。途中で読んだことのある本だと思い出したが読むのをやめることができなかった。
1投稿日: 2026.02.04
powered by ブクログなんという、後味。重い。苦しい。 死刑が確定した田中幸乃。彼女がどんな人物だったのか、その輪郭がだんだんハッキリしてゆく過程でいったいどんなラストになるのか、予想できなかったけど、、、 こんなラスト。苦しいなあ。
34投稿日: 2026.02.04
powered by ブクログ色んな人の視点で書かれているのは個人的に好み ミステリーとしてもヒューマンドラマとしても良かったと思う ただ暗い…
1投稿日: 2026.02.03
powered by ブクログ同情しながら読み進めていたつもりなのに、最後にふっと肩の力が抜けた。不思議と周りをそうさせる力を持った死刑囚だった。
1投稿日: 2026.02.02
powered by ブクログ休みの日11時から止まれなくて、気づいたら夕方。一気に読んでしまった。読み終えて本当に慟哭してしまった。簡単には言葉で言い表せない。この本を読んでよかった。
1投稿日: 2026.02.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
死ぬために生きる。 この作品に登場する人物は誰も幸せではなく、また一人を除いて救われることはない中で幸乃が最後に人生で初めて他人に抗ったことで読者の私もどこか救われたような気がします。
2投稿日: 2026.02.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読みはじめたときは 理不尽な話だ、冤罪だ、これは真犯人を見つけ出して…解決、って話かなって思ったけど 違った。 1人の女性の一生の話。 死ぬために生きようとする姿… 死に向かうときだけ しっかりと自分の意思で生きることを望んだ 生きたその数分先には終わる命のために。 終わらせるために、生きた。 救われない話に思えたけど 田中幸乃だけは救われたと思う。
2投稿日: 2026.01.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
根性でどうにもならなかった発作 9月15日だけは自分の強い意志により耐え得る強い覚悟。 しんちゃんと幸せな未来を想像し願いながら後半は読んでいたけど、雪乃を救える未来はこれしかなかったのかなとも思う。 死にたがる幸乃も願いながら読んでいた私も傲慢か。
1投稿日: 2026.01.30
powered by ブクログ再読です。これほど他に無い小説なのに、再読した時にほとんど内容が残ってなかったとは、どんな読み方していたんだろう。自分の頭が情けない。 なんとかもっと早く!と読みながら気持ちばかり急いていた。この話の中で何人が「逃げ切った」と感じただろう。そう感じることすらなく過ごしている人もたくさんいると思うと怖い。事件の直接の被害者家族の男性はどんな風に思いながら、事件後どう過ごしていたのか想像するのも恐ろしい。 救いが無さすぎると感じたが、解説の辻村深月さんの感じ方を読んで、なるほどそういう見方で幸乃の決意を受け止めることも出来るのか、と改めて感動した。 いろいろな善意や悪意や優しさや傲慢さや弱さや身勝手さが、登場人物を通して描かれていて、それは何一つ誰も非難したりできないものなのだと感じた。
1投稿日: 2026.01.27
powered by ブクログ深読みしすぎた。身代わりはもっと身近な人物だと思って読んでいた。 読み終わってなんかモヤモヤ、やるせなさが残る。
2投稿日: 2026.01.26
powered by ブクログ2026.1.24読了 約四年の積読状態からようやくサルベージ。 著者の早見和真は、“同じ題材で二度と書かない“という百田尚樹と同様のポリシーがあるのだろうか? 略歴を見るとフィクションのみならずノンフィクションも手掛け、非常に多彩な作品群だ。(わたしが読んだのは本作のみだが) 口や心中では悔やみながら何ひとつ行動には起こさず、これほど醜悪で不快で擁護すべきキャラがいない国産ミステリーはあまり読んだ記憶がない。(とくに幸乃に古書店で罪を被ってもらった理子、テメーはダメだ) 唯一、アパートオーナーの草部さんぐらいが善人といえばいえるが、その彼のある行動が発端となり悲劇が引き起こされるので踏んだり蹴ったりである。(直接的には草部さんのせいではないが) また、弁護士になった幼なじみのひとり、丹下翔にこの小説におけるヒーロー的な役割を与えるかと思いきや、徐々にイライラさせられる言動と行動。 まさに、“お勉強頑張ったヤツに人の気持ちなんかわかんない”という、『チャンスの時間』(abema.tv)での芸人・永野の暴言を地でいくキャラだ。 まあ、『13階段』(高野和明、講談社文庫)のような真犯人を見つけ出して冤罪から救う系のミステリーではないことは残りのページ数をみて(あと作品の雰囲気から)察しました。 しかしながら、本作を翻訳してアメリカ人とかに読ませたらどうなるかみてみたい。どのキャラも、意思表示せず抵抗せず行動せずの果ての事態悪化に理解不能になるのではないか?(ステレオタイプのアメリカ人のイメージで書いてます) 自己犠牲とか魂の救済のテーマ読みでワンチャン、キリスト教文学として読まれる可能性はありそうだが。(テキトーに言ってます) 本書を読了後、幸乃の行動や決断に対し、虚しさや悲しみがないまぜになったような名状しがたい感情がわきおこったが、それこそがまさに、 “感動”や“失望”、 “明るい”や“暗い”、 “幸せ”や“不幸”といった言葉だけでは片づけられない、名付けられない感情や事柄を時に書くのが小説 (辻村深月、本書解説465ページ) であり、その感情に思いを馳せることが小説を読む醍醐味なのだろう。
2投稿日: 2026.01.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
実は冤罪の死刑囚の女性の話。 基本的にはずっと暗くて、嫌なことが起きそうな空気感が辛いのだけれど、 文章力が高いのでスムーズに読み進められた。 全てが悪い方に向かう。ちょっとストーリー上ご都合主義的な不幸が多かったかな。 報道やSNSでの印象と真実は全く異なる。 「真実はひとつ」という見慣れたフレーズが胸に刺さった。 学生時代の友達からの裏切りは許しがたかったけど、若さってそんなもんか、とも。 最後冤罪の証明が間に合わず、 死刑が執行されたのは結末としては好みではあった。 「かわいそう」なんて簡単な感想は出てこなくて、 とにかく無力感でいっぱいだった。 刑務官になった女性が、 自分の代わりにその無力感と闘ってくれた気がして、 胸が熱くなったし、救われた。
0投稿日: 2026.01.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
めっちゃ面白かった。 感じたことのない読後感。 メリーバッドエンドってやつ?? でもそんなことじゃないのよ。最後数ページは単純に命が終わることへの恐怖とか、そういう気持ち。 真相は対して面白くない。でもそんなことじゃない。結末が心抉られた。 感情がムズいねん。だから最高の小説やって思える。 辻村さんの解説もいい。 思ってること言ってくれる
1投稿日: 2026.01.20
powered by ブクログええぇー。そんなのありなの?というのが読み終えての率直な感想。 唯一幸乃目線で描かれている第五章すら、この子はちょっとおかしいんだからと半信半疑で読んでしまい、事件について書かれていないのも記憶が飛んでるのかなと思ってしまった。 これが幸乃の望む最期だったんだろうけど、本当につらすぎる。なんでこんな運命を受け入れられるの? 慎一くんの章も読んでいて辛かった。慎一くん、しっかり気持ちは届いたんだよ。その事がいつかちゃんと佐渡山さんから本人に伝わって、前を向いて生きていけるといいな。 印象的だった場面。 「いかにもだよね」と犯人の顔写真を見て言うところ。いかにも犯罪を犯しそうな顔してるよねという事。プロローグとエピローグでは全然感じ方が違う。人を見た目だけで判断してはいけない。十分わかってるはずなのに、やっぱり難しい。そう思ってしまうのは仕方がないとしても、人前で好き勝手言うのは慎むべきだと思った。
73投稿日: 2026.01.18
powered by ブクログ重すぎた、、、 でもなぜかスイスイと読み進められる本だった。 いやぁ、重い、、、 慎一と老婆はこの先どう生きていくんだろう 翔と八田は、なんか中途半端で嫌だった どんでん返しの衝撃とは違う、別の衝撃でしばらくトラウマになりそう
2投稿日: 2026.01.17
powered by ブクログ読後感が重たくて、こんなにくらった小説は久しぶり。読みやすい文体で一気に最後まで読んでしまった。 物語が進むにつれて、周囲の人から見た彼女の人物像が明らかになっていったが、彼女自身がどうしてそれほどまでに死を願うのかは、読者の想像に委ねられている部分もあったと思う。 また、翔の祖父の言葉が所々強く印象に残った。 言葉にして話したことが全てではなく、内面には言語化できない感情もあって、その人が何を望んでいるのかを汲み取ることが大切であると納得した。
2投稿日: 2026.01.16
powered by ブクログ感情が引っ張られて心に染みてくる物語じゃなく、客観的に説明されて、納得はするけど理解できない物語。 単純に好みの問題だと思うけど、そんな感じでした
0投稿日: 2026.01.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんだかなぁ…なんでかな… どこで掛け違ったのか。 愛情を注がれて来たからこその、一度の裏切りとも言える父の振る舞いへのショック。そこから歯車が狂ったのか、母の面影を追い求めたのか、幼い頃の幸乃の苦悩が分かる内面の描写はなかったけれども、天真爛漫な子どもが中学時代には変貌しており、その間の生活を思うと相当悲惨な時間を過ごしたのではないかと想像されるほどに辛い変化。 今もテレビでは事件のニュースが流れているが真実は分からない。複数の視点から少しずつ見えてくる関わる人の裏側、罪、罪、罪、、 最後までどうなるのか救いを求める思いで心拍数が上がったが、、 読後の強烈な虚無感。これこそが幸乃が抱えていた強い感情だったのかもしれない。 でも、やっぱり、なんで、と思わずにいられない、すごい小説でした。
8投稿日: 2026.01.13
powered by ブクログ幼少期の環境がこんなにものちの人生に大きく影響してしまうんだなと。 幸乃に関わった人の誰かでも違う行動をしていたら、 手を差し伸べていたらきっとこんな結末にはならなかったんだろうなと。 ザロイヤルファミリーを読み早見さんの作品を読んでみたくなったけっかであった1冊でしたが作風が全く違いました。すごい
0投稿日: 2026.01.12
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無力。ひたすらに無力。 ただ、この無力さを物語を通して伝えたかったのかとも思う。 進んでいるようで結局はニュースを側から見ている人が想像する通りの結末になってしまう。 ある種終盤で期待を裏切ってくれる作品が多いので、この終わりは確かに衝撃と言える。 読解力が不足していたら申し訳ないけど、慎一は何をしてんの!?
2投稿日: 2026.01.12
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重っっ、激重 幸乃の人生を想像しただけでキツイ、、、 もう感情があっちこっちにひっくり返りまくって忙しかったです 最初幸乃の犯行内容を聞いた時は正直ドン引きしてしまったけど、幸乃が冤罪だと知った時、申し訳ない気持ちと、絶対に冤罪だと立証?して欲しいと思ってた けど、幸乃がついに死刑執行になってしまった時、悲しい気持ちもあったけど、幸乃が1番望んでたのはこれだったんだなと分かって、冤罪だと認められて欲しいと思ってた自分に腹が立ちました。 すごい小説だったなあ 人間はどこまで行っても自分勝手で傲慢な生き物だとまたもや思い知らされる小説でした
1投稿日: 2026.01.10
powered by ブクログ読みやすい文章で没入感もあるため一気に読んだが、肝心な部分でいまいちピンと来ず、モヤモヤ。 ・翔関連の話が長いが、翔と幸乃の心の繋がりが薄いので、なぜ翔がここまで幸乃に入れ込んでるのかが腑に落ちない。この物語において、圧倒的に慎一の方がキーマンなのに、慎一関連のエピソードが薄い。翔ではなく慎一を主軸にした方が納得感がある。 ・幸乃の自白といくつかの目撃証言だけで幸乃が犯人と断定されて死刑判決が出ている違和感がすごい。もう少しそこに至った経緯と根拠を知りたかった。 ・幼少期の幸乃の内面の描写がほしかった。第三者からみた幸乃ではなく。なぜこんなに厭世的になったのかが分からない。少なくともお母さんが死ぬまでは、父母姉全員から愛情を注がれてたはず。あの一言だけでそれが全部ひっくり返るものか?翔や慎一もかなり良くしてくれたと思うが…
1投稿日: 2026.01.09
powered by ブクログ日本推理作家協会賞受賞作と帯に惹かれ読了。 被告人である幸乃の人生を、裁判で読み上げられる文面だけでなく関わってきた人たちの思い出から多面的に見ることで幸乃の生き様を知ることができる凝った作りになっていて興味深く読むことができた。 イヤミスではあるが、「人は多面的な要素を持ち合わせている」と思っている自分としては、興味深く読み進めることができた。
1投稿日: 2026.01.09
powered by ブクログあんまり刺さらなかった。面白いんだけど、面白くない。苦しいんだけど根拠が薄い感じがして、重い内容なのに重くなくて、深さがないというか…展開は気になったりもしたけど意外だったとこもあったけど衝撃はなかった。ふーん、って感じ。 設定も構成も展開もいいしテンポもいい。キャラクターも魅力的。でも何か足りない。一人一人のつながりとか、キャラクターの心情とか、そういう描写が薄かったからなのかな。なんで子どもの頃だけの淡い約束でそこまで動けるのか。仕事投げ打ってまでできること?動機がよくわからなかった。罪を着せた子も、その意識が感じられない。痒いところに手が届かない感じだった。死刑の制度のこととか、重いテーマを扱う割に、あんまり作者の意図が感じられなかった。本当にふーん、て感じ。 とかいう割に一気読みしたんだけどね。
0投稿日: 2025.12.31
powered by ブクログ幸乃が死刑を頑なに望む理由は? 幸乃のために奔走する人々は、結局彼女の人生全てを見ていたわけでもない。どれほど彼女に思いをかけても、彼女がなぜ死刑を望むのか、そのことに思いを馳せた人はいなかった。 幸乃本人よりも、私は関わった人々が幸乃をどう見てきたのか、なぜ彼らには幸乃が心を開き切らなかったのか、その点に興味が湧いた。 元恋人が忘れられず、ストーカー行為を繰り返した挙句、恋人の妻と子供二人を焼死させた女性死刑囚…。序文で語られるよくあるバッグボーン。 判決では一言で語られてしまった彼女の人生を、その時々近くで見ていた人物の回想で物語るという形式が興味深い。 一言で語るというのは、その他の枝葉の部分を削ぎ落とすことだ。削ぎ落とされた部分をよく見てみると、全く違う事実が浮かび上がる。 しかし、その事実が分かったとき、ステレオタイプに当てはめようとした世間のいい加減さ、血の通わない司法に言いようのない気持ちを持ってしまう。 少しずつ、幸乃という人物の純粋さが輪郭を持ち始めたとき、どうしてこんな純粋な人が不幸を背負うことになったのか、理不尽な環境や、自分勝手で弱い周囲の人々に、苛立ちを隠せなくなる。 とくに、第4章では元恋人の人となりが明らかにされ、この野郎!とムカムカしていた。 語り手たちにも共感できるのがまた辛い。私も目の前に幸乃が現れても何ができるのか。何ができる人でありたいと思う。 幸乃が求められて裏切られて、その繰り返しの中で、何を絶望していたかがよくわかる。 幸福感と希望があるからこそ、失ったときに深い絶望感に囚われる。語り手になった人々は、何かしらの幸乃への贖罪の意思を持っていて、結局幸乃のことをあんまり見ようとしていない。本当に救いが必要な人ほど、周囲だってその人生の重さを抱えようとは思わないから、相手の心に寄り添うのって本当に難しいことだ。なぜ、そんなに頑なに死を望むのか、もっと早く誰かが聞いてくれればまた違ったのかな。 求められたことは嬉しくても、それに応えられない気持ちも、幸乃の人柄なら理解もできる。
9投稿日: 2025.12.31
powered by ブクログ元交際相手が暮らすアパートに放火し、その妻と子供2人を焼死させた確定死刑囚・田中幸乃。『整形シンデレラ』が残忍な犯行へと至るまでの、壮絶で悲惨でありきたりな生い立ちが報じられる日々の中、彼女をその目で見てきた人々が語る真実とは。 私の感想はすべて辻村深月による解説に集約されている。改めて己の貧相な語彙で語り直す必要性が一切感じられないほどに、的確かつ明確な言語化がされているため、敢えて多くは残さないでおこうと思う。 ただ、ずっと流され続け、ずっと諦め続けてきた幸乃が最後の最後に見せた強い意志が、心に焼きついて褪せない。確かにそこには救いにも似た何かがあったから。そう信じたいから。やるせないとか、救いがないとか、どうしても傲慢とも言える感想を抱いてしまうけれど、田中幸乃という1人の少女の未来を、ただ静かに祈りたいと思った。
1投稿日: 2025.12.31
powered by ブクログ早見先生の読了作品は2作目。 設定などはいいんだけど死刑になっていいと思う動悸が弱い気がして。 前回読んだのは『ザ・ロイヤルファミリー』でしたが、どちらもなんか手応えのない印象。
0投稿日: 2025.12.26
powered by ブクログあまりの報われなさに、ページをめくる手が何度も止まるほど読み終わるのが辛かった。 生きようとする微かな気持ちを、死にたいという絶望で隠してて、周りの少しの希望でさえすぐ壊すぐらいの温暖差があって、心が締め付けられた。
1投稿日: 2025.12.25
powered by ブクログ控えめに言っても名作。 子供は周りの環境や大人達の影響で、人生が思わぬ方向に大きく変わってしまう姿を見せ付けられた。 だからこそ、自分の子供にもそうだけど、自分に関わる全ての子供達には誠実に向き合う必要があると感じさせられた。 重めの内容ではあるが、サクサクと読み進めてしまう文章力は、さすがでした。
27投稿日: 2025.12.21
powered by ブクログ読んでいるうちに、自分は恵まれた環境で育ってきたのだと痛感したのと、そう思えば思うほど田中幸乃の生涯が辛すぎて胸が締め付けられました。せめて身近にいる人との繋がりは大事にしたいと思いました。
1投稿日: 2025.12.20
powered by ブクログ今年になって読み始めた早見和真もこれで3冊目になる。秋のドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」が好評を博し、私の中では影響力が大きい作家となった。本作は死刑囚の女性が主人公だが、彼女を取り巻く人々の像がくっきりして、絡み合う感情やドロドロした内面心理を鮮烈に描き出している。驚きの展開と結末で、なんとも言えない読了感が残る。
1投稿日: 2025.12.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この物語に私に伝えるメッセージはなんだろう、と考え始めたのは、中年の専門講師の「物語には必ず著者のメッセージがあって、それを言語化できなければならない」という言葉を聞いた時からだった。 その言葉を聞いた時私は、否定も肯定もできなかった。肯定すれば今後の物語との出会いに何か制限を課せられたような気がしたからだ。否定できなかったのは、反論する程の論理を立てられなかったからだ。 そして今日私は、その専門講師の言葉が崩れていくのを感じた。なぜか、私は、この本で田中幸乃の人生を見たからだ。それは、こういう風に生きろとか説法を唱える文章ではなかった。田中幸乃という人生が伝える一言では済まされない、現代の言葉では表現しきれない何か、その解説でようやく腑に落ちる。 田中幸乃を物語の一人として受け入れられない。確かに柔和な表情をこぼす彼女を私は見た。そして、彼女をかたちづくる、一番の理解者である早見和真先生も隣にいる。 早見先生、田中幸乃の人生を見せてくれてありがとうございます。 本がある理由を教わった一冊になりました。
4投稿日: 2025.12.14
powered by ブクログ本当に色々と、これまでの自分の生き様を考えさせられる深い作品でした。 イノセントである事と、生きやすさは両立し得ないのかなと…。 周囲の登場人物のいやらしさに、自分自身にもそういう部分があるような気がしてドキドキしてしました。 文章は非常に読みやすく、すんなりと頭に入ってきます。 読み出したらやめられなくなり、半日で読み切ってしまいました。
0投稿日: 2025.12.13
powered by ブクログずっと前から読もうよもうと思ってた本。 ようやく読めた。 早見和真の本はどれもその世界にぐっと引き込んでくれてこの本も同じように没頭するように読み込んでしまった。 最後までどうなるか、読み終わったあと、言葉にできないくらい感じるところが多い気持ちになった。 辻村深月の最後の解説までよんでほしい。 全部読んだあとの全てを言語化してくれるような解説で 自分では捉え切れない話の細やかなところを言語化してくれることで 小説の奥深さを知ることができた。
16投稿日: 2025.12.12
powered by ブクログ覚悟を持って読まなきゃいけない類いの作品。 正直、内容の面白さ云々ではない。自分にはキツすぎた。 田中幸乃、30歳。 元恋人の家に放火して妻と1歳になる双子を殺めた罪で彼女は死刑を宣告された。 凶行の背景に何があったのか。 産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら 彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄。 そしてあまりにも哀しい真実。 幼馴染みの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は…… とにかく読み進めるのが辛すぎる内容。 不特定多数に届く切り取られた情報は、真実とは程遠い。 だが、どうすることもできない無力感。 憤りを感じ振りかざすのは果たして正義なのだろうか。 追想録のように語られる前半。 登場人物の大半に嫌悪感を抱く。いや、嫌悪感ではない。 コイツのことは許せないという明らかな拒否反応だ。 しれっと自分の罪を後悔するが、それをどうこうする気など更々ない。 ある意味、人間の本質をついているのかもしれない。 あらすじだけ読むと想像できる内容のパターンは幾つかある。 だが、断言しよう。その予想が当たることはない。 むしろ怒りすら感じる読後感かもしれない。 真実はこうだったのかというパズルのピースがハマる様な爽快感や、 最後は救われて、幸せになれてよかったという安堵感、 そういった類いのものは一切存在しない。 だが人間の心に訴えかける確固たるものがこの物語には込められている。 読まなきゃ良かったと思えるほど、ある意味突出した素晴らしい作品だ。 そう、だからこそもうこの物語を捲ることはないだろう。 ただ、今日も田中幸乃のことを考えてしまっている。 彼女の人生を反芻して、やるせなさに胸が詰まる。
2投稿日: 2025.12.12
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僕は幸乃を信じることができませんでした。 幸乃は作中を通して常に善人として描かれていたのに、彼女が殺人事件を起こしたことを疑問にすら思いませんでした。慎一は幸乃ちゃんはやってない。みたいなセリフでは翔と同じようにそんなことねーよ頭お花畑かよ。と思いました。これを読んだ人は誰しもそう思ったのではないでしょうか。作者にしてやられました。悔しいです。信じることって難しいですね。
1投稿日: 2025.12.08
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あまりにも悲しい、辛い、虚しい、、、そういった言葉だけでは形容しがたいほど衝撃を受けた。 章が進むにつれて加速度的に物語にのめり込んだ。 次の日仕事にも関わらず読み始めてしまったのが運の尽き、寝不足で仕事へ行くことになってしまった(まったく後悔はない)。 最後のシーン、心の底から「お願い!気を失って!」と何度も脳内で祈り叫んでいた。声に出ていたかもしれない。 けれど、ふと我に返ったとき、 それは田中幸乃にとって幸せなのか? この気持ちは彼女を取り巻く人達と同じように、一方的な優しさという名の傲慢ではないのか? と気づかされた。 複雑な感情が脳内をぐるぐる渦巻く読後感がしばらく続いていた中、辻村深月さんの解説が本当に言い得て妙でした。 また、慎一がようやく真実にたどり着いたのに、本当にあと一歩のところで間に合わなかったシーン。 本当に歯がゆい気持ちになった。 そして、慎一や老婆は、死刑執行の事実を知った時どのような心境だったのだろうか。 『店長がバカすぎて』で早見和真さんを知ったけれど、本当に同じ作者?と疑いたくなる程のギャップに驚かされた。 今までヒューマンドラマや社会派小説ばかり読んできたが、ミステリーの良さを知ることができた作品。 またジャンルの幅が広がっていく。楽しい。
6投稿日: 2025.12.07
powered by ブクログ話の進め方はいいです。 ただ、救われないほどのバッドエンドが個人的にはあまり好きではないので、星2つにしました。 せっかく本を読むのであれば、どこかに小さな幸せは残して欲しい。
0投稿日: 2025.12.06
powered by ブクログなんとも切ない気持ちにさせられる。 元交際相手の妻と、その双子の娘の3人を放火により焼死させた罪で死刑宣告された、田中幸乃。 章が変わる度に、その関係者の追憶が描かれ、本当にこの女は殺人犯なのかといった疑問が生まれ読む手が止まらなくなる。 ラストに賛否あるみたいだけど自分はこれが現実だよなーと思ってしまった。
19投稿日: 2025.11.30
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冤罪でありながら死刑執行されることを望んでしまう主人公を見て複雑な気持ちになりました。 死刑になるべきではないと思いつつも、気がついたら主人公の死刑執行を応援してしまう自分がいました。 もう7年ほど前に読んだ本ですが、今でも忘れられない大好きな一冊です。
3投稿日: 2025.11.29
powered by ブクログ今年読んだ本の中で、いちばん心を揺さぶられた一冊。30歳の女性死刑囚・幸乃の数奇な人生を辿る物語。 元交際相手の妻と幼い子どもたちを焼死させたとして死刑判決を受けた彼女は、執拗なストーカーというレッテルも貼られ、世間から厳しい目を向けられていた。本当にそうだったのか。読み進めるほど、その問いが胸に残り続ける。 幸乃が生涯求めてきたのは「人に必要とされること」。 つながりを渇望しながらも、誰かに迷惑をかけることを恐れ続けた彼女の姿が、胸の奥を静かにえぐってくる。 読みながら、私は幸乃の人生を追体験していた。 母の胎内でまどろんでいた時間から、幼い頃の幸せの崩壊、無条件に愛してくれるはずの家族からの拒絶、少しずつ世界から切り離されていくあの孤独まで。必要とされたいという切実な願いが、痛いほど伝わってくる。 最後に訪れる彼女の静かな安らぎが、善意によって乱されそうになる瞬間のささやかな抵抗も深く沁みた。あのラストは、自分の中では自然に受け止められる必然だった。 読まないと、この物語の凄さは伝わらない。出会えてよかったと心から思える一冊。
32投稿日: 2025.11.26
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間に合って!!! そう願う事を雪乃はきっと 望んでないのだろうけど 願わざるを得ない。 まぁそれにしても こうも彼女の周りに悪意の塊のような 人達ばかり集まるもんですか。 もう悔しくて悔しくて 腹立たしいわ、悲しいわ やるせないわ、読むのがしんどくなる 作品でした。 あの事件も、この事件も すべて真相を明かし、雪乃の潔白を 証明して欲しい。 そして、すでに時効となった事件だったとしても 彼女、彼らには制裁が下りますようにと願う。
1投稿日: 2025.11.23
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めでたしめでたしではない物語だった。 とても考えさせられる物語。 読後感が凄まじい。 田中幸乃という人物。 元恋人の一家を殺害したとして 死刑判決を受ける。 その見た目だけで、育った家庭環境だけで、 最初はぜったいこの人がやったと思った。 しかし、物語を読み進めていくうちに 田中幸乃の本質が明らかになってゆく。 冤罪はあってはならない。 たとえ本人が死を望んでいたとしても。 死刑を食い止めようとした幼少期の友人を 信じて欲しかった。 とても悔やまれる。
4投稿日: 2025.11.22
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痛すぎる。 本当にイノセントデイズだった。 最後の、私を必要としてくれる人がいて、その人にもう見捨てられたくない。 っていう。だったら死んだ方がいい。って。 物凄くわかるからめちゃ泣いた。 幸乃にとっては死刑が救いだったのかな。 他の人には救いにはならないけど、凄くわかる。自分の発言も怖いけど、凄くわかる。 にしても、学生時代の皐月や理子たちには腹がたってしょうがない。悲しすぎた。
1投稿日: 2025.11.21
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最後まで鬱感が消えなかった。 仕事の休憩中にラストを読んでしまったがためにその日は午後仕事に身が入らなかったです汗 人は自分勝手で逃げる生き物なのだと改めて痛感しました。 1日を大切に生きようと思いました
1投稿日: 2025.11.20
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何処までも救いがないように見えて、しかしその"救い"の招待すら読み手のエゴであり価値観なだけなのかも知れないなあと思う内容でした。 私は死刑制度は今後もあるべきだと思っています。 司法制度に対してまだまだ勉強中の身ではありますが、今の日本は加害者にばかり寄り添って被害者には厳しい世の中だと感じていました。 もし私が田中幸乃の起こしたニュースを見たとしたら、幸乃が死刑判決を下されてもあまり心は動かないのではないかと思います。 でも、事件の真実や背景を知ってしまうとどうしてもやりきれない気持ちになりますね。慎一の「今は、とりあえず加害者の側だから」という台詞が個人的に1番しっくりきました。 私はただの傍観者でしかないけれど、幸乃が最期少しでも苦しまず穏やかに逝けたならそれでいいのかもしれません。
6投稿日: 2025.11.20
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幸せな子供時代、最愛の母親が亡くなってしまった。そこから人生が一転してしまう。沢山の人に裏切られ見捨てられ…これ以上また誰かに見捨てられる事が怖い、それならば死ぬ方がマシだと語る幸乃。 自分で自分の人生を諦めてしまったら終わりという事なんじゃないかな。 刑務官の存在だけが救いだったかな。
1投稿日: 2025.11.18
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女性死刑囚の死刑に至るまでの生い立ちが、彼女に関わった人々の目線から描かれる。 メディアを通した彼女の人生は“いかにも”で、“整形シンデレラ”と大衆がいかにも騒ぎ立てそうな呼び名までつけられる。 しかし実際は母親が事故死するまではたしかに幸福なものであり、人生の岐路で信頼していた人にことごとく利用され裏切られたことによる結末だった。 そのエピソードがつくづくしんどかった。 幸乃の死刑確定が報じられ、姉や中学時代の友人らがほっとしているようなのもやるせなかった。 人間の弱さやずるさをこれでもかと見せられたように思う。 追い詰められると自己保身のために他人をここまで貶めることができるのか。 慎一はなぜそこまで幸乃にこだわるのか始め疑問だったが、幸乃という一見不幸でしかない女性を救うことで自分が救われたかったのかなと思う。 幸乃に万引きの罪を着せたままだったわけだから。 でも、幸乃にとっては無罪が証明されることも死刑を免れることも全く望んでいなかった。 でも執行前に幸乃に生きてほしいと願う人が一人でもいたという事実は、死に向かう彼女の心をほんの少し温めたのではないかと思う。
1投稿日: 2025.11.17
powered by ブクログ死刑執行日に間に合わず、報われなかったように思えた。しかし、それはあくまで外から見た勝手な思いにすぎず、本人にとっては、ようやく待ち望んだ安らぎの瞬間だったのかもしれない。 人は「そういう育ちだから、こうなったのだろう」と決めつけたり、ネットの不確かな情報に影響されたりしがちだ。 先入観に惑わされずに人を信じることが、今の時代は一層難しく感じられる。
0投稿日: 2025.11.16
powered by ブクログある死刑囚の女性の話 過去の交際相手の家族をストーカーをし、放火し、嫁子供を殺害した。彼女の生い立ちから見えてくるのは育ちの悪さ。17歳の同じく育ちの良く無い無責任な母親から生まれて、養父には虐待をされ、犯罪を犯し少年院に入っていた過去も。そんなテレビからの情報からは、いかにもやりそう、なんて大体の人が思うような人物像ができあがる。 この本は今までに彼女に関わってきた人達が語る彼女。 そのには、テレビやネットから受けるような彼女の印象とはかなり違う物語がたくさん。 とても感動した。 読んでよかった。
0投稿日: 2025.11.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これだけ生きることに執着がないことに驚いた 極悪人かと思いきや、とても優しい性格が垣間見えてくる。その中でも殺人を犯しているから絶対に許しては行けない人と思って読みすすめたがが、真実が明かされると、田中幸乃が本当に優しい人で環境が悪かったが故によくない方に流れていってしまった人なのか心苦しく感じた。
1投稿日: 2025.11.08
powered by ブクログ2025.11.5読了 イノセントデイズを要約すると、純粋無垢な日々。 幸乃は誰よりも幸せな日々を望んでいたし、誰よりも平和な日々を望んでいた。 しかし、理子の身代わりになった辺りから、幸乃の幸せという概念が変わっていったのではないか? 強盗致傷の身代わりになって親友を守れたところで幸せになるわけがない。彼氏のDVを耐えることによって幸せになるわけがない。 しかし、幸乃は、それでも、その先に幸せがあると純粋な日々を過ごした結果、たどり着いたのが、自分が死ぬという、悲しい結末であったが…。やりきれない。 死刑執行日と新事実発覚日が同日になったことは、現代の司法への問いかけであったような気もする。
1投稿日: 2025.11.05
powered by ブクログ自分を捨てた元恋人の家に放火し、妻と1歳の双子を殺めた田中幸乃。 死刑を宣告された彼女のこれまでの人生とは。 真実はあまりにも哀しく、残酷だった…
19投稿日: 2025.11.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ギリギリ⭐︎4 ミステリー‥なのかな? 田中幸乃の生涯、まわりの友達の話 翔ちゃんや慎一郎くんが幸乃の無実を晴らそうと頑張っていたけど、結局は刑が執行されて死刑になっちゃった。 おばあさんの孫が犯人だけど、その孫の仲間たちは自首しないのかな。幸乃が可哀想なだけだった。
2投稿日: 2025.11.02
powered by ブクログよくできた作品である。 が、やはり読んでて辛くなってくる。暗いのだ。 あらすじを知らずに買った私が悪いのだけど、年取るとこういうのは避けるようになる。 最後まで読めたのは作者の達者さであろう。 この方の別の小説も挑戦したい。
2投稿日: 2025.10.29
powered by ブクログ物事は表裏一体というが それは人物にも当てはまるものであって 誰かの幸せは誰かにとっての不幸せであることを 強く考えさせられた。 イノセントには無罪の他にも純粋や無垢と言った 意味があるそうで 誰かに必要とされたいというたった一つの願い 嫌われることが極端に怖いという感情を 終始前面に押し出している様から 幸乃は死を望みつつも節々に生を捨てられない 純粋さを感じ、 凶悪犯罪者と揶揄される存在ではなく いたって普通の女の子だと感じた。 この手の本を読むとき、 どんな事件にもその裏に生活の背景や事情があって メディアの情報に踊らされちゃいけないんだけど そこまで深掘りするほどの情熱はなくて そういった時?にどう自分で判断したらいいんだろうってすごく考えちゃう節がある
8投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ほぼ自殺。そう考えるとすこし腑に落ちる。 だからこそ死んではいけなかったとやっぱり思ってしまう。 慎ちゃんが間に合っていたら、というタラレバを考えてしまう。それでも死刑執行を望むのだろうか。 そして幸乃に言いたい。幸乃は見捨てられてきたんじゃない。幸乃が幸せになるために、幸乃が見捨てていい相手だったのだと。 優しさにつけこみ、利用するだけ利用し、都合が悪くなると捨てる。幸乃の周りが、人としてクズだっただけ。 そんなクズに気付けず、縋ってしまう幸乃の生い立ちが不幸なだけだ。 幸乃にとっても全然ハッピーエンドじゃない。 クズに縋らずに済む人生を手に入れることが必要だったのに。 翔のおじいちゃんはヒカルが事故で亡くなった時、手を差し伸べられなかったのか?など、また余計なタラレバを考えてしまう。 そこは繋がりがなかったのか?? 続きが気になってサクサク読めたけど、色々としんどかった…
1投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログ面白かった。が、その面白さを伝えようとネタバレする愚は犯したくないので、何とも歯痒い。裁判官の判決文を引いた各章のタイトルも非常に綿密に構成されているが…いや、それすらもネタバレか。誰かに必要とされたいと願い、そして裏切られ続けてきた女性の生涯を描いた物語。
13投稿日: 2025.10.23
powered by ブクログこの本の主人公や登場人物について語ろうとするとき、私自身もたちまちこの本の中に組み込まれてしまう。客観的、俯瞰的な立場からの発言を許してくれない。 面白かった。
1投稿日: 2025.10.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
多くの読者にとっての「バッドエンド」が、幸乃にとっての「ハッピーエンド」で、かつそのハッピーエンドが「死」であることに何とも言えない気持ちになった。 様々な場面で、現在社会の縮図を見たような思いがした。 人間は基本的に利己的であるというところ。 優しすぎる人がしんどい思いをするところ。 メディアは都合の良いように書き、人々がそれを良いように解釈するところ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「もし本当に私を必要としてくれる人がいるんだとしたら、もうその人に見捨てられるのが恐いんです」 そして幸乃は微笑みながら、ゆっくりと私から視線を逸らした。 「それは何年もここで堪え忍ぶことより、死ぬことよりずっと恐いことなんです」そう繰り返す彼女は、驚くほどキレイだった。いつか誰かに最期の瞬間を尋ねられたら、このことを伝えよう。願いを叶えようとした幸乃は間違いなく美しかった
0投稿日: 2025.10.22
powered by ブクログ死刑判決をされた女性の刑執行日までのお話 プロローグとして宣告される裁判の主文をなぞりながら、彼女の人生を振り返る。 幼少期に両親が離婚、再婚。 義父から暴力をうけ、 水商売をする祖母に引き取られる。 学生時代は窃盗・致傷で施設に入り、 大人になってから今回の死刑判決につながる 元恋人宅への放火を行う。 この放火によって元恋人の妻と1歳の双子が命を落とす。 いかにも「凶悪犯罪者」らしい経歴を持つ彼女は死刑執行前に何を思うのか。 人は1人では決して生きていけないのだと、人生の痕跡は必ず誰かの元に残るのだと感じました。 街ゆく人たちは皆自分と同じくそれなりの人生を“普通に”生きていると思いこんでいましたが、 一つ何かきっかけがあれば、 例えば雨が降ったら、人生が変わってしまうこともあるのだと怖くもなりました。
1投稿日: 2025.10.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
誰かが必要としてくれてるけど、1人だと思いそれに気づかないでしんだほうがいいと思ってる主人公がつらい。 最後は全然ハッピーエンドじゃなく、こういうことで冤罪もうまれるんだなと思った。 内容はおもしろいが、物語に入り込んでしまって読むのちょっとしんどくなる。
0投稿日: 2025.10.16
powered by ブクログ電車でこの本を読んでる時に隣に座ってたおばさま達が死にたいなら他人を巻き込んで死なないで自分1人で死ねばいいのにね 戦争経験した私たちより命の重みがどうのこうの喋っててこの本を読了するまでは全く同意見だったが、この本に書いてあった死にたいけど一人で死ぬ勇気はない的なの見てはぁーそんな人間もいるのかと思わされた この終わり方好き田中幸乃視点はハッピーエンドだけどそれ以外からはバットエンドで読者は基本それ以外の視点で物語を読み進めてそうだし面白い仕掛けだなと思った 慎一が翔にキレてる所腹が立った。 俺は俺のやり方でとかいつタイムリミットが来るかもわからない状況でそんな事に拘る人間性が傲慢過ぎて気持ちが悪かった
0投稿日: 2025.10.15
powered by ブクログ何も知らずに読んだ方が良い。 ただただ1人の女性が裏切りにあって転落していく人生、そのそばにいた人たちの述懐。そのような流れでストーリー語られて行き、暗い気持ちになっていく。そうして第一部が終わるのだが、第二部が始まると、突如違った切り口で物語が語られ始める…。 第二部の後半からクライマックスにかけては、行ったことのない街の情景や人々の表情が目に浮かび、ものすごい速さでストーリーが展開していく。 とても良い本だと思います。読んで良かった。
1投稿日: 2025.10.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この作家は家族を描く 特に,家族の気持ち悪い面を描く 今作 最後 壮大なクライマックスの可能性も予測したが なんとも 悲しく終わってしまった 家族の絆からは逃れられない 呪詛 業 単なる毒親では片付けられない
0投稿日: 2025.10.09
powered by ブクログ1人の死刑囚の少女の歴史をその時代に色濃く関わった人物の視点から語られる形で進んでいく。 語られる少女の性格からは想像が出来ない死刑囚という現実。なぜ少女は死刑囚になったのか。 読み進めるうちに読者もこの世界で少女の歴史を語る1人になるかのような没入感を感じられた。
0投稿日: 2025.10.07
powered by ブクログ救いがないと思ったけど、幸乃の状況だったら、あの結果が一番の救いで、自分の望がやっと叶ったんだと思った。つらい状況の時に救いの手を差し伸べてくれるわけでもないのに、「生きろ」も「救いたい」もただの暴力でしかない。
0投稿日: 2025.10.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とても重い話で、幸乃の薄幸な人生を読み進める事が辛く感じた。 でも、生まれながらにツイていないことが重なり、こういうことって誰にでも起こりうる事で(私も生まれながらにしてツイていない)幸乃の姿は自分自身とも重なった。 だからこそ、辛く苦しく感じたのかもしれない。 幸乃に生きて欲しかった。 どうしても。 だけど、私も物語の後半まで、 『幸乃が犯人であること』を信じて疑わなかった。 人が人を思い込むということはとても恐ろしいことなんだと思った。 弁護士の翔は一体何をしたかったの?中途半端な使命感はやっぱり所詮は金持ちのボンボン?←これも私の思い込みだよね。 慎一はまたしばらく自分を責めてしまうかもしれないけれど、もう中学生の時の彼ではない。きっと立ち直って立派に生きてくれると信じている。
8投稿日: 2025.10.02
powered by ブクログ出てくる人間みんな身勝手だ、田中幸乃も含めて 田中幸乃の人生を概観すると、父・美智子・理子・敬介と彼女を一度は必要してくれた存在に幾度となく捨てられ続けた。辛いなどという平凡な言葉では言い尽くせないだろう。 本当にみんな身勝手だと思う。子どもを育てたいと思って産んだ母ヒカルも、孫が生まれて生じた気持ちの揺らぎから堕胎をすぐに進めなかった産婦人科医も、幸乃を殴って暴言を吐いた父も、幸乃を引き取るだけ引き取ってネグレクト気味の美智子も、自分の罪を肩代わりさせた理子も、幸乃を依存させるだけさせて都合が悪くなったら別れた敬介も、そして自分の正義感で突っ走った翔も、自分の罪を一向に謝罪しなかった慎一も、みんな身勝手だ。 必要としてくれる存在に捨てられる経験を重ねる中で、最初はその相手に依存気味だったのが、最後にはもう必要とされたくないと自暴自棄になっていった。 「もし本当に私を必要としてくれる人がいるんだとしたら、もうその人に見捨てられるのが恐いんです」 p.445の台詞がそれを物語っている。 そして最後には自ら殺人犯の身代わりとなって、死刑を受け入れた。これは読者にとっては悲劇のストーリーである。 しかし他方で、私は真犯人の身代わりとなって死刑を受け入れたことはせめてもの救いと思う。 自殺するなというのは聡から言われた言葉で、ある種呪いでもある。けど幸乃は生きていくのも精一杯な状態でいた。そんな彼女にとって、誰かが殺してくれるのは救済であった。彼女は自力で救済を選んだ。 そう考えれば、真犯人に代わって死にに行くのは、もしかしたら幸乃が死ぬ前に最後にできた身勝手かもしれない。最後の最後に(それが本書の結末のような結果であれ)身勝手を貫けて良かったと賞賛して筆を置きたい。
8投稿日: 2025.10.01
