
総合評価
(844件)| 238 | ||
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powered by ブクログ静かなのに熱い展開 結末に驚いた。彼女の望みが最後の彼女の意志によって決まったことがのんとも言えない感情を抱かせた。
1投稿日: 2022.09.10
powered by ブクログ読み始めて、知っている話だって、気が付いた。 前に、wowowのテレビのドラマで見たことあった。 普通、ぎりぎりのタイミングで新情報が見つかって・・・ってなるところが、ならないところがスゴイ。 この作家さんは初読みなのだが、面白かったので、他も読んでみようと思う。
1投稿日: 2022.09.08
powered by ブクログ出会った人物ごとの話が展開されるが、心理的、行動的に共感できない部分があったのと、終盤に明かされる事実と結末に向けての時間軸はまとめ過ぎていると感じてしまった。
0投稿日: 2022.09.03
powered by ブクログあまりにも絶望で何度も思い出してしまう本。半年くらい間をあけて2回読みました。なぜかわからないけど、またきっと読み直してしまうと思う。
3投稿日: 2022.08.24
powered by ブクログ本作の帯の煽りにはデカデカと衝撃の文字が目立っているけどちょっと違うかなと。 切なさとかやるせなさといった静かな感情の動きの方が適していると私は思う。 作中のマスメディアは凶悪犯罪者をセンセーショナルに報道し、世間がそれを鵜呑みにしているという構造だったけど、自らもまた帯のセンセーショナルな販促煽りを鵜呑みにして衝撃を前提として読んでしまった結果、少し期待外れとなってしまった。
2投稿日: 2022.08.23
powered by ブクログ初めて読んだ早見さんの本。 ミステリーではないような…最悪の結末で切なすぎる話。 スッキリとはしない。 あってはいけないけど有り得る話。ただただ切ない悲しい。
3投稿日: 2022.08.23
powered by ブクログ買ってから読むのに丸一年かかってしまった。帯に衝撃指数極大値とあり期待は高まったが、予想に反して物語に波がなく、ハラハラを感じなくて面白くなかった。死刑囚になった少女の過去を辿っていく中で、少女が他人の罪を自らが死ぬチャンスと捉えて被っていることが明らかとなった。タイトルを読み返すとなるほどなと納得した。
1投稿日: 2022.08.22
powered by ブクログとにかく読んでほしい。この物語を読んで何も感じない人はいないと思います。 物語の構成も素晴らしい。各章で語り手が代わり、それぞれの視点で主人公幸乃について語っていきます。本人の気持ちは直接知り得ることができない分、周りからどう見えていたかで、想像することになるつくりになっており、考えさせられる構成になっています。 追伸 ドラマの幸乃役が竹内結子さんと知って複雑な思いになりました。
7投稿日: 2022.08.21
powered by ブクログ❇︎ 読み終えて嘆きのため息が口から溢れました。 狂った歯車はただ惰性で回り、生じた歪みは 決して元に戻らずズレた状態で周り続ける。 真実は何人もの人の手で、その人たちの都合で すり替えられ、何十にも隠されて最初から なかったかの様にされてしまう。 絶望よりもっと哀しい、諦めが染み付きいて しまった主人公(田中幸乃)の物語。 ーーーーー イノセントは純粋で無垢、そして無実。
16投稿日: 2022.08.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
真実を知ってから刑が執行されるまであっという間でとにかく慎一と翔に対して「無念だ」と思った。いつまでも死を望む幸乃をずっと見ていたが、刑が執行される直前になって初めて自分の運命に抗う幸乃を見て、悲しくなった。悲しいという気持ちだけじゃないが、後書きにも書かれてあったように、そんな生き方もあるんだ、と言葉では表せられない感情を覚えた。
2投稿日: 2022.08.11
powered by ブクログ2015年度第68回日本推理作協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞作。 この作品を読んでいると、いかに私たちは断片的な情報しか得られていないのか、そしてそれで全て分かった気になって判断してしまっているのかということがよく分かる。情報操作とまではいかないのかもしれないが、伝える側が伝えたいことをうまく切り取っているのだなと痛感する。 また、どんな人生であれ、自分自身と向き合うことの難しさ、自分が生きる意味を問い続けることの厳しさ、そういったこともこの作品では描かれているように思う。
4投稿日: 2022.08.06
powered by ブクログ誰かにとっての逃げが誰かにとっての死に繋がる。希望の向こう側にあるいつか裏切られるかもしれないという恐怖。読了までなんで?と思う気持ちは拭えなかったが、もしかしたら自分も気付かぬうちに誰かを◯してしまってるのかもしれないと思った。
2投稿日: 2022.08.05
powered by ブクログイヤミスの作品 とかそんな簡単な言葉では責任が持てないほど あくまでもフィクションとわかっているのに リアルに自分の大切なものがなくなってしまった感 どんなレビューを書いても すべて駄文なってしまうような気がして 何も書けない
2投稿日: 2022.08.04
powered by ブクログ夢中にはなれなった。幸乃にとっては望みだったかもしれないが、私にはとても救いようがなくて、好みの問題だけど私はこういう小説は苦手。もっと強く時にはずる賢く生きていこうよと本気で思ってしまう。 翔の大人になってからの再登場は予測できたが、まさか慎一も登場するとは思わなかったし、八田聡の手のひらを返したような態度の急変には納得いかない。なんのために出てきたのか。
0投稿日: 2022.07.31
powered by ブクログこんなにもバッドエンドって存在するんだ...と思っていましたが、辻村深月さんの解説を読んでバッドエンドではないのかもしれないと考え直しました。 誰かの願いと自分の意志って必ずしも一致することはないし、その人を思った行動もエゴになってることって少なからずあると思う。 この小説は本編ももちろんしっかり読んでほしいですが、辻村深月さんの解説も絶対押さえてほしい。それがあってこその物語だと私は思います。
0投稿日: 2022.07.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いやー…!!!凄絶な面白さ。面白いという言葉が当てはまるのか分からないけれど、ページを捲る手が止まらないし、物語の世界に引き込まれて読後にずーんと心身に影響を与える凄さ。初読の著者さんだけど、他の本も是非読んでみたい。 私はやっぱり幸乃の人生が切ないし可哀想で仕方ないし、慎一達があと少し早く真実に辿り着いていたら…!と思ってしまってツラい。でも本人はそれを望んでいないのだものね。そういう気持ちの持ち方を形成してしまった子供時代の周囲の人や環境が恨まれる… そういえば、真実はタイトルにも表れていたのですね。。
11投稿日: 2022.07.25
powered by ブクログ読みながら、報われない主人公にかなりの感情移入をしてしまう。自分の期待していたラストにならず、かなり重たく気持ちの悪い最後になったけど、話の展開が分かりやすくて一気に読めた。
1投稿日: 2022.07.14
powered by ブクログ死刑囚、田中幸代に関わった人たちの人生が切なく、しっかりと伝わってきます。それぞれの出来事、彼女に対する見方など読み応えありました。 納得の作品。
7投稿日: 2022.07.02
powered by ブクログ主人公の「生まれてすみません」が重く、なぜこの人が他人を傷つけるような犯罪を犯したのか理解できず、一気に読んでしまった。 一言でまとめてしまうと「ストーカー化した女が元カレの住むアパートに放火して、妻と子供二人が焼死し、死刑判決を受ける」というよく聞く話である。 しかし、本書の魅力は人物や社会に対する「解像度の高さ」であり、「事実と事実をつなぐ補助線」としての創作である点なのだ。 そのため、粗筋では魅力が伝わらないが、詳しく説明するとネタバレになってしまう。
1投稿日: 2022.06.20
powered by ブクログ「主文、被告人を死刑に処すー。」そんな判決文の一節一節を章題として進んでいくこの作品では、私たちが犯罪を犯した人に抱く“いかにもやりそう”という印象が、どれほど危ういものか突きつけてくる。 判決文に簡潔に纏められている言葉の裏側に見えてくる真実は、ただ寄る辺を求めているだけの少女には残酷で救いもないように思えてしまう。けれど、ラストがあれであるからこそ、幸乃の生が一層純真な感じが際立っていて、単純な言葉で片付けられない圧巻の作品だったと思う。
1投稿日: 2022.06.20
powered by ブクログエピローグは、ひと時たりとも目を離してはいけないような気がして、 少しずつ、噛み締めながら読了 何故彼女は死刑囚となったのか、田中幸乃とはどういう人間なのか、 無垢=イノセントとは一体どういう事なのか… 余韻を残しつつも、結論が出ない勘定が読み終わってからもぐるぐるする 少なくとも自分は、彼女自身や彼女の人生に登場する多くの人々を一方的に批判的に見ることはできず、それがまた辛い気持ちにさせる
1投稿日: 2022.06.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「主文、被告人をー」という無味乾燥な一節から始まる。整形シンデレラと呼ばれた、いかにも「何か」を犯しそうな死刑囚。死にたいという需要と、殺せばいいという世論。冤罪と自殺願望者。 多少なりとも考えさせられるものがある。
1投稿日: 2022.06.15
powered by ブクログ田中幸乃30歳。死刑囚に至るまでの物語。彼女は何もしていない。周りから少しずつ外堀を埋められるように罪を押し付けられ、痛みを重ねられ、いつも誰かを庇い、最後は望み通り…。なんだこの、不条理のオブラートみたいなの。いくつもいくつも重なり飲み込めなくなるほど分厚い不条理。救いのない話。
2投稿日: 2022.06.15
powered by ブクログ途中何度かこれ以上読み進めるかどうか考えた 読まない方がいいような気もした フィクションなのに、心にダメージを受けるのはどうだろうとか、辛い気持ちになる必要があるかなとか でも、どんどん読み進め、今読み終わりなんとも言えない気持ちになっている 読まなきゃよかったとは思ってない こういう人が現実に居ませんように、こんな生い立ちを経験する人が居ませんようにとは思う
19投稿日: 2022.06.14
powered by ブクログ新聞でみる事件を360度周りから見るとこういう事実が見えて来る。裁判の過程で弁護士が弁護材料にすべきことがちっとも扱われることなく、ましてや冤罪。 やるせ無い気持ちになる本はいくらでもあるけれど、死刑囚の生い立ち、人生からもうどうでもいい、死刑にしてくれていいよと言う気持ちにまでなったのは初めてだ。いないかのように扱われ、声も届かない人生だとしたら。 残されたやましい気持ちを抱えた人々はどう生きていくのか。
2投稿日: 2022.06.10
powered by ブクログ陰陽五行説を発端とする算命では、宿命を変えることができないもの(生年月日・親・兄弟など)、運命を変えることができるもの(住居・職業・結婚など)と定義しています。自分の宿命にあった環境の中にいれば自分らしく生き、能力が発揮されるとされます。そして、それが難しい。 親子三人を焼き殺した放火殺人の罪で確定死刑囚となった幸乃。彼女の死刑執行日の当日から物語が始まります。そして、第一部では、母親の中に生を受けたその時から彼女に負の連鎖が巡ってきます。 彼女の宿命は恵まれたものでなく、運命を変えるには、まだ子供でした。手を差し伸べるべき大人は居なかったのです。そして、彼女のイノセントな心は、巡り合ってしまった人達の因果まで受け入れていきます。 幸乃は、死刑を受け入れて、その宿命と死ぬ為に生きた運命から解放されます。自分の罪を償わなかった人達の葛藤。彼女を救うことで救われたかった人達の過酷な運命は残ります。 akodamさんご紹介ありがとうございました。 涙腺は変化なしですが、ホント好きなタイプの小説です。レビューは何書いているのか混沌してしまいましたが、面白いヤツ読んでしまって、文豪に戻れるか心配。
46投稿日: 2022.06.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんだかつらい、、 エピローグでは、しんいち間に合え間に合え!っ願っていたけれど、幸乃は動悸が激しくなるのも乗り越えて、自分の強い意思で死刑台に向かっていった 小学時代の無垢な幸乃、中学時代の優しすぎる幸乃、色んな人に利用されて裏切られて、 必要な人に捨てられることが死ぬことよりも怖い、という言葉が幸乃が意志を貫いた全てだと思う。 おめでとう、が正しい、けど言えない悲しい 最後はそんな気持ちになりました。星5です。
1投稿日: 2022.06.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
報道されることが、全ての真実とは限らない。 どこでボタンを掛け違えてしまったんだろう。と思い読み進め 結末に対して、どうして?なんで?の感想は個人的にまったく思わなかった。 田中幸乃さんは、死ぬために生きようとしていたのだから。 翔の祖父 「人間というのはなかなか複雑な生き物でな。思っていることをなんでも口にできるというわけじゃない。でも、いつかお前が向き合う誰かさんは、お前の言葉に期待している。なのにうまく説明することができず、思ってもみないことを言ったりする。だからお前はその誰かさんと真摯に向き合い、何を求めているのか想像してあげなければいけないんだ」 何を相手が望んでいるのかを、真剣に考えて想像してあげる。 この言葉すごくすき。 イノセントデイズ名作でした。
5投稿日: 2022.06.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最初のページから放火殺人で死刑を宣告される田中幸乃。 30歳、元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺人した罪により、彼女は死刑になる。 幼い頃からいじめられ、というか無視されるような人生を送ってきた。どの人も彼女を虫けらのように扱ってきた中で、中には、産科医、義姉、中学時代の親友、など親切にしてくれた人もいた。 愛情に飢えた感じに成長した為、彼女はその時だけでも自分を求めてくれる、(とも思えなかったが)男と暮らし、その男に捨てられ、放火に至る。 いろいろな人が、少しずつ彼女の犯行に責任を持ってはいるようだが、はっきり表明されるわけでもなく、間に合わず、彼女はそのまま刑を受ける。 孤独な人生の幸乃。 読んで良かった、とか心に残る忘れられないとかの作品には、私はならなかった。
2投稿日: 2022.06.05
powered by ブクログニューヨーク屋敷推薦図書。 幸乃さんのように、誰からも必要とされてないと感じることって無くもないから、ストーリーはドラマチックで現実感ないけど心情のところは解る部分もあるかなみたいな作品 ミステリー小説という感じではないかな なんちゅうジャンルなんやろかこれは
7投稿日: 2022.06.05
powered by ブクログすごいね。 ひゃくはちと全然ジャンルが違くてびっくりした。 盲信だけはやめよう。自分が正しいと思ったら動けるようにいたい
3投稿日: 2022.05.28
powered by ブクログ続きが気になるってのとは違う、読み進めたくなる構成と描写力。久々にずしっとくる小説を読んだ気がします。意外性のある事件の真実とかだとミステリとしてはもっと面白かった気もするけども。
3投稿日: 2022.05.28
powered by ブクログ女性の死刑囚の生い立ちを巡るお話 プロローグでは、死刑囚が死刑執行を恐れずむしろ望んでいるような描写から始まる 元恋人の家に放火し、妻と1歳の双子、そしてお腹の中にいた子を殺めた罪により死刑宣告された田中幸乃 幸乃は何故犯行に及んだのか? 裁判官が読み上げる、生い立ちと事件に関する言葉から想像される背景 当初抱いたイメージとは裏腹に、読み進めていくとまったく異なる人物像が浮かび上がる 果たして、幸乃は罪を犯したのか?本当にしたかった事とは? 刑務官、産科医、義姉、中学校の友人、幼なじみ達の視点で描かれる幸乃の物語 裁判の判決理由で目にするありきたりな表現が各章のタイトルになっている 「覚悟のない十七歳の母のもと――」 「養父からの激しい暴力にさらされて――」 「中学時代には強盗致傷事件を――」 「罪なき過去の交際相手を――」 「その計画性と深い殺意を考えれば――」 「反省の様子はほとんど見られず――」 「証拠の信頼性は極めて高く――」 「死刑に処する――」 ニュースでこんな文面を目に耳にしたら、犯人の背景をついテンプレートで想像してしまう しかし、実際にそんな境遇だったのか?どう影響したのか?という部分は言及されることはない この小説を読んで一番恐ろしく感じたのは、自分がそんなテンプレートに当てはめて、理解したつもりになっていたという事実 そして、今後も同じように想像すると思う…… ただ、その中のほんの片隅にでも、実際の犯人像と異なる可能性が想像できるようになったのはよかった 幸乃にとって、人生とは幸せだったのだろうか? 幸せに感じる時期があったとしたら、それはいつなんでしょうね 気を失うときは幸せそうな表情というのが、何かを意味している気がするけどよくわからない…… 実の母、義父、義姉、幼なじみ、恋人、普通に愛される機会はあったと思うけど、なかなかうまくいかないものですね もしくは、幸乃以外の視点で見ているからそう思えるだけで もしかしたら私が想像した幸乃の姿もまた実態とは異なっている可能性がある 「死刑になりたくて」と供述する犯人は現実にもいる そんなニュースに接する度、「死にたいなら人に迷惑かけずに一人で死ね」と憤りを感じてしまうわけだけれども 自分の人生の意味がわからず、自分で死ねるほどの勇気がない人の元のにそんなチャンスが転がり込んできたら、人はどんな選択をするのでしょうね? 読後感は後味が悪いとは思わなかった プロローグの様子っから、この手のありがちな展開としては逆転無罪となるパターンもあるし、終盤で判明する事実や周囲の状況から、最後の最後まで予想した展開を期待してしまう 完全にハッピーエンドではないものの、幸乃にとっては救いになりえた事に変わりはないのではなかろうか ただ、それが救いだったことが切ない 普段のニュースの見方がちょっと変わったかもしれない 早見和真は何という物語を生み出したのだろうか……
3投稿日: 2022.05.27
powered by ブクログ久しぶりにミステリーらしいミステリー。テーマは重いし、当然軽やかな話ではないけれど、さくさく読み進められて、娯楽度が高かった。
11投稿日: 2022.05.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
エピローグまで、一気読み。 エピローグからは、結末を迎えるのが嫌でなかなかページを捲りたくなかった。 それでも。 やっぱり。 そうなりますよね。 周りも、読んだ私も、救われなかったな。 田中幸乃だけは、救われたのかな。 とても良い作品でした。
14投稿日: 2022.05.17
powered by ブクログ面白くて…というのは語弊があるかもしれないが、あっという間に読了した 幸乃に救いはあったのか? みんなの決めつけによってなくなった命 本当の事を何も知らない人たちが、勝手に思ったことを発信するこの時代…自分も気をつけなければ
9投稿日: 2022.05.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
田中幸乃、30歳。少女のように無垢な表情の女は、放火殺人により死刑判決を受けた。 彼女は本当に嫉妬深い凶悪犯だったのか。 回りの人物が振り返る過去から浮かび上がる人物像。 ずっと人を信じ捨てられてきた彼女が最後に求めたものとは。 世間は彼女の生い立ちからいかにも凶行を犯しそうだと断じる。 私ももどうして犯罪者になったのかと読み進めた。 しかし途中から迷いが生じる。彼女は犯人ではないのだろうか。 姉はあんな平穏な日常を送れないのではないだろうか。 彼女のその後を方向づけたと思われる幼少期の家族が世間から見つけられないはずはないと思う。 幸せだった少女時代を大事に抱えた彼女が逝ったのは、彼女が大切にしていたことを全て忘れ光の中を歩み偽善を本物とする幼い頃の友の誕生日だった。 その後真実が明らかにされ、己の正義に酔いしれる幼馴染は打ちのめされればいいと思ってしまった。 一番罪深いのは中学時の友人・理子だろう。 逃げ切れたと思っている者は法の裁きを受けなくとも、人生のツケを払うことになればいい。 他人に迷惑をかけることを恐れ、自死もできず、ひたすら存在も他人の記憶からも消えることを願っていた女は、結局彼女に関係した者たちに消えない傷を残した。 遺族にしてみたらたまったものではないだろう。 幸乃が事件の一端ではあるが、引っ掻き回されたようなものだ。 それ以外の他人には面白おかしく消費され、忘れられるのだろう。
7投稿日: 2022.05.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
タイトルどおり。 冒頭死刑の刑期が迫るところから物語が始まる。 一人の女性の純粋で無実な人生に思わず涙した。
2投稿日: 2022.05.14
powered by ブクログ殺人事件などが起きるとその犯人の過去がよく報道される。不幸な生い立ちだった、家庭環境が悪かった、以前から素行が悪かった、前科がある等々。 一方で被害者は、良い面ばかり取り上げられ、とても善人であったような印象を抱きやすい。 主人公の女性死刑囚も、その過去や容姿が好き勝手に報道される。それによって世間は、あぁやっぱりね、こんなことしそうな人だったんだね、と納得していく。 しかし、その生い立ちや学生時代の事件、被害者との関係が徐々に明らかになると、死刑囚への見方がかなり変わってくる。 人ひとり、表面だけで理解した気になってはいけないのだと思わされる。 誰かに必要とされたかった、信じた人に裏切られて辛かった、、だれでも思ったことがあるようなことではないか。主人公もただ誰かに必要とされたかっただけ。 誰かに縋りつきたくなる人間の弱さ、それを無邪気に利用する人、過去の罪を忘れられない人、なにより自分が可愛く自己保身に走る人、人をいたぶることになんの情も湧かない人、、色々な人物が出てくるがどれも共感できる場面ばかり。
2投稿日: 2022.05.13
powered by ブクログ重い…怖い…苦しい…そんな印象。 そして、人間の純粋さ、傷付きやすさと共に卑怯で卑劣で脆く弱い部分を指摘されるような感じがした。 登場人物のどの感情も、私も持ち合わせていると思うと怖くなった。
3投稿日: 2022.05.07
powered by ブクログ主人公は女性死刑囚、その彼女の人生が如何に苦しくて辛いものだったのかを、判決文とともに描き出していく。救い難いような人生からの絶望感が彼女を死に導いてしまっただろうか。それでも主人公の田中幸乃には生きる力があるのではないかとも思った。
2投稿日: 2022.05.07
powered by ブクログ自分の都合の良いように他人を決めつけるのはやめたい。本人にしか分からないことがあるなと思いました。長編すぎました。
1投稿日: 2022.05.02
powered by ブクログ映画“ダンサーインザダーク”が大好きな者です 途中からずっとダンサーインザダークのイメージが拭えんかった 辻村深月さんの解説読んで、心を落ち着かせている…
4投稿日: 2022.04.24
powered by ブクログ「捨てられた元恋人のストーカー女性が元恋人の妻と子どもを放火で殺して死刑になった」というのは、現実にもあり得てしまう事件。 現実で、このような事件をニュースで見聞きした時、私たちは「なんてひどい!犯人鬼畜!!」…みたいに思うけれど、『でもさ、実は犯人にも事情があってね、情状酌量が必要でね、ああ正義とは何なんだろうね‥……』 みたいな、軽い・よくある小説ではなかった。 誰が悪かったんだろうと聞かれたら、私の答えはひとつ。主人公以外のみんな。 とても「店長がバカすぎて」と同じ作者が書いたと思えない良作でした。
1投稿日: 2022.04.22
powered by ブクログ【読後、あまりの衝撃で3日ほど寝込みました】 上記の帯に惹かれてて読んだ1冊。 なぜ彼女は死刑囚になったのかを、彼女と接点があった人から語られ進んでいく社会派ミステリー。 なかなか重たくメンタル弱めの人は引っ張られてしまうかもしれないが、真実とは何か考えさせられる内容だった。 読了後は映画の【ダンサーインザダーク】を観たあとのようなズシンとくるものがある。 様々な視点から語られる物語の構成が好きなので一気に読んでしまった。 こんな人におすすめ.ᐟ.ᐟ ・イヤミスが好きなひと ・考えさせられる話が好きなひと ・様々な視点から物語が進むのが好きなひと ・社会派ミステリーが好きなひと
3投稿日: 2022.04.22
powered by ブクログなんとなくダンサーインザダークを思い出しました。 結末が予想できるところはあったものの、読む手は止まらなかったです。
2投稿日: 2022.04.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み終わった後の喪失感というか脱力感というか、、解説を見て自分の意志で死ぬために生きようとする姿って書いてあって、複雑な気持ちになった。それは雪乃の唯一強い意志を見せた一面であって、それを祝福する気持ちと生きてて欲しいという気持ちが混ざり混ざって言い表せない複雑な気持ちになった。
4投稿日: 2022.04.17
powered by ブクログ初作家さん。 冒頭の死刑執行から始まる、田中幸乃の一生。 気の迷い、魔が差した、ボタンの掛け違いのような小さな綻びだった出来事がいつしか幸乃の人生を闇に落としていく。 事件が起きる度にマスコミが、騒ぎ立てる加害者の生い立ちや人物像。 知り合いでも無い限り、報道された通りの印象を持ってしまう。 今日は雨が降って肌寒いが、私が暮らす街にも先日桜が開花した。 幸乃が最後に握りしめていた桜の花びらを思いながら窓から外を見る。すぐお向かいの庭に小さな桜が見えるのだ。 私という人間も、外側からはどう見えているのか? そんなことを考えながらカーテンを閉じた。
35投稿日: 2022.04.15
powered by ブクログ死刑囚の女の人は本当に罪を犯したのか、小さい頃何が起きたのか、女の子の生涯を描いた作品。 登場人物が本当にリアルで人間っぽさがよく伝わってきた。自分の信念を貫き通すことが正義だと思ってるけど本当にそれはその人のためなのかと考えさせられた。 新聞だったりインターネットでの信憑性のない情報をすぐ鵜呑みにする様子から、いまの時代と重ね合わせてしまうことが多く、自分も気付かないうちにこんな風になっていたことに気付かされた。 見た、聞いたこと全てを決めつけず、深く知ってから物事は発言すべきだなと思い知った。 すごくよかったけどラストが少しショックだった
7投稿日: 2022.04.14
powered by ブクログ1人の少女が死刑になるお話。何がほんとで何が彼女のためになることなのかがわからない。いろんな人がいるし、いろんな生き方がある、そんなお話でした。1人でも多くの人を救いたいし、その人の願いに寄り添える人になりたいと思った。 評価覚えてない
0投稿日: 2022.04.09
powered by ブクログニューヨークの屋敷がYouTubeで紹介してて面白そうだなと思って読んだ。 話の中心が横浜だったから、親近感を持って読み進めることができた。最初は田中幸乃に対してdisgustingって感じだったけど、最後は彼女を思うと苦しくなった。頭の中では戦慄かなのさんをイメージしてた。
1投稿日: 2022.04.08
powered by ブクログ思い込みというのは人生を狂わせる。この思い込みをどこかで取り除くことができなければ、あとからいかにそれを否定する言葉が降り積もろうとも信じることができないのだと感じさせられる作品だった。 他者からの助言が素直に受け入れられる人というのは、その人が愛されて生きてきた結果なのかもしれない。 幸せになることを諦めないでほしいと言えるのも、結局は恵まれてきた人生を過ごしているからなのかもしれない。 この主人公を救うのにベストなタイミングは一体いつだったのか。読了後も想いを馳せてしまう、そんな一冊だった。
3投稿日: 2022.04.08
powered by ブクログ2022.4.6読了 孤独を感じる時、それは誰かと別れて一人になった時だろうと思う。その意味では、幸乃の孤独ははかり知れない。 人並みの幸せを思い描いても、手にした後の未来が想像できない。それは失い続けてきたから… 幸乃の最後の選択は肯定できないが、たった一つの救いなのだから仕方ない。
6投稿日: 2022.04.06
powered by ブクログミステリー要素としてはだいぶ薄め 読後3日程寝込むという触れ込みであったがそこまでではないかという印象 物語の根幹は確定死刑囚、田中幸乃の幼少期から死刑執行までの出来事と周りの者との関り合い 皆さんが書いてある通り『暗い』『救いがない』など基本的にはネガティブなあらすじだが、解説まで読むとまた作品の印象も変わるかもしれない やはり信じては裏切られの繰り返しだと心は疲弊し生きること自体への無意味さを感じてしまうのだろうか
3投稿日: 2022.03.31
powered by ブクログ読者の想いまでも全部作者に読まれてましたねー 自分がいかに幻想に甘えてるかがよく分かりました。この作者の本は初めてでしたので、他もどんなのかとても気になりました
1投稿日: 2022.03.29
powered by ブクログこの結末でしか幸乃は救われなかったのかと思うと、絶望に近い感情を抱く。 子どもは、主に親の言動によって自分がどういった人間なのかということを認識するという。 周りを不幸にして死んでいった母親からは、悲しげな表情で「幸乃はお母さんに似ちゃったから」と言われた。だから母親譲りの顔が嫌いだった。自分が周りを不幸にするのも、そんな母親と似ているせいだと信じて疑わなかった。 父親からは、「必要なのはお前じゃない」と言われた。安全な基盤であるはずの家族が、自分を裏切った瞬間だった。 家族との関わりの中で自己肯定感を高めることができなかった幸乃は、その自己肯定感の低さから、自分の存在意義を他者に求めるようになった。誰かに必要とされたいという強い欲求は、そうしなければ生きていけないからだった。 母親であるヒカルの「幸せという字に、乃って書いて。幸乃。幸せになってほしいから。私が幸せにしてあげたいから。」という覚悟の元で生まれてきた幸乃。そして母親の死によってもたらされた不幸。母娘の関係性の根強さを感じる。 思うことは沢山あるけれど、まとまらないのでこの辺りで切り上げる。 「私に言えることがあるとすれば、たった一人からでも大きな愛を受けていれば、子どもは道を踏み外さないということだ。ほんとうに愛し続けられるのか。その覚悟が君にあるのか。大切なのは自信じゃない。覚悟なんだと私は思う。」 「人は誰からも必要とされないと死ぬんだとさ。父ちゃんの手紙にそうあったって。超図々しいと思わね?必要とされてないわけねぇのにな」 「なんかいかにもだなってさ、私も間違いなくそう思ってたんだ。何も知らないくせに。自分勝手に決めつけて」
11投稿日: 2022.03.26
powered by ブクログ主人公に救われてほしいと思いながらの一気読みでした。 どこかで誰かがもう少しだけ勇気を持って行動が起こせたら…そういうチャンスがたくさんある中で、結局は結末にある選択をするしかなかった主人公の気持ちが切ない。
0投稿日: 2022.03.26
powered by ブクログ冒頭の、女子死刑囚のもとに刑務官が訪れるシーンからエピローグまで、一瞬も気を抜けない息詰まる読書だった。 放火により3人の命を奪ったとして逮捕・起訴された幸乃の辿ってきた人生を、他者の視点から描いた2部構成・全7章の物語。そこから浮かび上がるのは“無垢な”少女の姿で、本当に彼女が犯人なのかという疑問が頭をもたげる。あるいは……と思わせながらも叶わず、しかしそれは彼女にとっては救いだったのかもしれないとも思う。 なんともやるせない話だが、読む価値のある作品だった。
1投稿日: 2022.03.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
お母さんが事故で亡くなった後に言った 「私もお母さんと同じ病気で死ぬのかな」 あの時から幸乃は死ぬ為に生きていたんだと、 最後を読んでそんな風に感じました。 自分を必要としてくれても、見捨てられ続けたら生きるのも怖くなるよね。 どうか次の場所では幸せであってほしい。
0投稿日: 2022.03.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なかなか暗いなぁ、、 でも幸乃の気持ちが分かるな、このまま生きていくより死んだ方が楽だよな〜とか。楽しいことより辛いことの方が多いよな〜とか。 まぁでも、幸乃みたいに覚悟も勇気もないけど。 死ぬか生きるか、全部自分で決められたら幸せなのにな。
1投稿日: 2022.03.13
powered by ブクログ読むことが苦しくて苦しくてしようがなかった。 最後は裁かれる(であろう)、田中幸乃の生い立ちをたどる序盤は、つらすぎるよという同苦と、いやいや同情の余地なしという思いが交錯しっぱなしでした。 物事には表と裏、さらにいろんな側面があることを忘れないようにしているつもり。それは、結構思い込みが激しいなあということが多々あるから。 読み終えて、「決めつけてはいけない」と再確認しました。 「イノセント」であること。 面白かった「店長がバカすぎて」のイメージを180度覆されましたが、なかなかの衝撃作でした!
35投稿日: 2022.03.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
やるせない話でした。この結末が救われる話だったのか、やっぱりバッドエンドだったのかは今でも考えてしまいます。ただ、報道される事や誰かが言った事がが必ずしも全ての真実ではないと改めて気づかされました
4投稿日: 2022.03.11
powered by ブクログ田中幸乃、30歳。 プロローグからいきなりの死刑宣告。 その彼女の人生には関わった人々が沢山いる。 各章には、判決文で読まれた言葉が記されていく。 読み進めて行くうち私の心が重くなり、苦しく感じられてしまう。 判決文での言葉に反論してしまうことも。 小説なのに、現実はこんなものなのだろうと納得してしまう。 犯人に対する世間のイメージとの違いが「イノセント」ということばへとつながり・・ 事実が分かってからはさらに重い内容に感じられて、よくぞ読み終えられたと思います。 小説で助かりましたが、実際にもあり?
3投稿日: 2022.03.11
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後半になるにつれて、「時間」をすごく意識するようになった。結果はなんとなくわかっているのに、藁をもすがる気持ちで、なんとか読み進めていった。案の定の結果ではあったが、最後の幸乃の姿がとても美しく思えた。 自分の知らない世界の話。でもこの小説を通して、少し、ほんの少しだけど、自分もその社会の当事者であると思うことができた。いつも、自分に刃が向けられている。 『たった一人からでも大きな愛を受けていれば、子どもは道を外さないということだ。本当に愛し続けられるのか。その覚悟が君にあるのか。大切なのは自信じゃない。覚悟なんだと私は思う』
1投稿日: 2022.03.10
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何だか凄い小説を読んでしまった。そんな想いから、読んだ後何日間か感想が書けませんでした。 私が1番思ったのは、マスコミからの情報と実際では全く違うこともあるということ。報道だけ聞いていると、幸乃はとんでもない悪女に思えるし、被害者家族がとても無垢で可哀想な人かと思っていた。でも実際には全然違った。現実の世界でも有り得ることだと思った。何でも鵜呑みにするのは良くない。 そして幸乃は死をずっと望んでいたけれど、そんな形の死でいいのかという気持ちでいっぱいだった。だって世間からは、とんでもない悪女で死刑囚だと思われているのに。そこまで死にたかったのか。彼女の何がそこまで死にたいと思わせたのか。彼女は、死刑という形であったけれど、死ぬ事が出来て幸せだったのか。 仮に慎一が冤罪を証明できて、幸乃が元の世界に戻ることが出来たとして、果たしてそれは幸乃にとって幸せなのか。だって生きるのが辛いから。 なんだか疑問がいっぱい残るラストであった。 そして最後のページの参考文献の多さに、著者の想いが込められた作品なんだと伝わってきた気がする。
7投稿日: 2022.03.07
powered by ブクログ1つの事件に対して関係者それぞれの視点で物語が進んでいく展開で、人によって捉え方が違い、1人の女性が全く違った見え方をするので、先が気になり、どんどん引き込まれていきました。
1投稿日: 2022.03.06
powered by ブクログ贖いという名の弔いの話。 それぞれ自分が犯した罪や間違いを見ないように生きてるけど、関わった人の死期が近づくと贖いという名の弔いでみんなバタバタする。
0投稿日: 2022.02.26
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前半〜中盤まで、とにかく幸乃の人生の不幸さに胸が苦しくなるほとで、読むのを止めたくなりそうにもなった。心の隅にずっと「これは冤罪なのでは..」という思いがあったけど、それでは悲しすぎて、幸乃が犯した罪であってくれと思ったりしながら読んだ。辻村深月さんの解説にもすごく共感した。後半、翔の正義感はどこか方向が間違っている気がして嫌悪感を抱いたけど、自分も、世間の大半の人も、同じようなものなんだろうな。慎一の「間に合った」というセリフを読みながら、「きっと間に合ってないんだろうな..」と思いながら、けれど幸乃が望んだ結末だったので不思議と納得した終わりだった。人間の汚い部分が描かれていて、自分を重ねて考えることもあり、たくさんの人が読むべき作品だと思った。
2投稿日: 2022.02.26
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面白いが悲しい結末。季節の描写が綺麗で情景が目に浮かぶのも良い。気になったのは、 弁護士が少々中途半端というのと、姉はなぜ妹に会いに行かないのか、あれほど仲が良かったのだから大人になって探すこともできただろうし、事件後でも構わない。 ドラマ化は観ていませんが、主人公を竹内結子さんが演じられたと知り何とも言えない気持ちに。さぞかし美しく演じられたことでしょう。
2投稿日: 2022.02.22
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読書備忘録641号。 ★★★★★。 早見さんの作品を初めて読みました。笑うマトリョーシカの書評を読んで、面白そう!と思い、その前に代表作を読んでおこうと。 凄い。めっちゃ楽しめた。物語構成が俊逸。 死刑囚、田中幸乃。元恋人の家に放火し、奥様と双子の娘を殺害した。プロローグは「主文、被告人をー」。 そして判決に至った理由が淡々と語られる・・・。 「覚悟のない十七歳の母のもと-」 「養父からの激しい暴力にさらされて-」 「中学時代には強盗致傷事件を-」 「罪なき過去の交際相手を-」 「その計画性と深い殺意を考えれば-」 「反省の様子はほとんど見られず-」 「証拠の信頼性は極めて高く-」 そして物語は始まる。上記7つの名前が付けられた章で幸乃の歴史が語られる・・・。 母、田中ヒカル十七歳。覚悟の出産と結婚。夫の連れ子で幸乃の姉、仲良しの翔と慎一との4人の硬い絆。 優しかった養父。ちょっとずつ壊れ始めた家族。 イジメにあっている親友の女子中学生を庇うために・・・。 幸乃を便利な女としてしか扱って来なかった元交際相手。交際相手から必要とされることへの強い執着心。 交際相手を困らせてはイケない、コントロール出来ない自我。必要とされなくなることの底知れぬ恐怖。 反省?生きている限り続く必要とされなくなることの恐怖よりはるかにマシな死。必要とされなくなる恐怖を味わうならいっそ死んだ方が遥かにマシであることに至る結論。 証拠?ほんとにそれは揺るぎない証拠でしたか? あまりに悲しい。読んでいて悲しい。 エピローグ。「死刑に処する-」。 涙が止まりません。最後の最後に自分の病(極度の緊張で失神してしまう)に四つん這いになって初めて打ち勝つ。 イノセント。純真、罪のない・・・。 そして辻村深月さんの解説。たまらない! 超おススメです。
17投稿日: 2022.02.19
powered by ブクログ最後まで展開に目が離せず、ページをめくる手が止まらなかった。 死にたいと願いながら生き続けるのと、在らぬ罪を被って死刑囚として死んでゆくのは結局幸乃にとってはどちらが良かったのだろうか。 見捨てられるのが怖い、もう裏切られたくないという気持ちはよく分かる。でも、それは死刑囚として世間の批判の目を浴びながら孤独に死んでいかなくてはならない理由にはならないと思う。 幸乃がもう少し視野を広げていれば、助けの手がもう少し早く届いていれば結果は違っただろう。
2投稿日: 2022.02.11
powered by ブクログそれぞれの章で語る人が代わって、それが新鮮で面白くてみるみるうちに読み終わった 、 映画や本を観るたび読むたびに自分は無知で今までどれだけ偏見で人を見てきたかを思い知らされる この本では特にそれを感じて、読了した後自分の過去を思い出して泣いてしまった 、 それくらい訴えかける力が強い、人生を、自分を省みるきっかけになる本だなと感じた
3投稿日: 2022.02.09
powered by ブクログ面白かった。そして重かった。 すごく入りやすい構成だから、一気読みできた いろんな人物の視点から主人公のことが綴られてて、同情してしまう反面これはエゴなのかな、、と考えたり ほんとにモヤモヤするラストだったけど、人間まわるところまでまわると正義も悪も人によって様々になってしまうわけで、、、。 もうぐちゃぐちゃだけど、終始圧倒されてたのは事実
4投稿日: 2022.02.08
powered by ブクログ本を読んでいるといつも、人を自分の印象や他人の噂で決めつけることほど危険なものはないな、ちゃんと想像する力をもたなきゃいけないなと思うけれども、この本はその中でも特に心に刻み付けられた。 ああ、私も幸乃のような人を傷つけて生きてしまっていたかもしれないな、私自身も信じて裏切られた経験あるなあ、せめてこれからは人の内側を想像できる人間でありたいなあと、そう思わせてくれる小説でした。 様々な登場人物をもとに話が語られていって、明確な表現はなくともこんな人いるなあと思いました。
3投稿日: 2022.02.07
powered by ブクログ吉か凶か“偶然”が重なって死刑囚になれた田中幸乃。 女の警官の描写が鮮明で1番心動かされた…決して死刑囚に味方をしてはいけないのに過ちを犯してまで時間を稼ごうとしたシーンが刺さった。いや、そもそもこの行動は過ちだったのかな…最後まで面白かった!
1投稿日: 2022.02.06
powered by ブクログ元恋人をストーカーし家に放火して、嫁と子供二人を殺害した罪に問われ死刑囚となった田中幸乃。 幸乃は、自分が我慢すれば、誰にも迷惑がかからない、必要としてもらえると流されて生きてきた。その無垢な女の子の様な人生が語られています。 幸乃の考え方が理解できるだけに、何を選択するのがよかったのか、何が正しかったのかが分からなくなりました。
4投稿日: 2022.02.06
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登場人物がみんなうっすら不幸。完全な善人が出てこない。善意が誰かの不幸に繋がってたり。 刑務官が幸乃の発作が出ることに賭けて声をかけるシーンはくるしくなる。
2投稿日: 2022.02.04
powered by ブクログ彼女の人生が辛い そんな生き方 しんどいよね よかったの? それで、納得できるの?って聞きたくなる人生
5投稿日: 2022.02.03
powered by ブクログ読んでてすごく苦しかった 死刑に判断された理由を各章で詳しく見ていけるのが幸乃の人生をしっかりと追えてよかった
2投稿日: 2022.01.30
powered by ブクログ「イノセント・デイズ」 基本、小説は、ぼぼ一日または2日間で読み通します。 イノセント・デイズは、何度も止まり、7日間かかりました。 また、読書のまとめに着手するまで、さらに7日要しました。 なぜ? 著者のテーマが果たしてどこに向かっていくのか? の解釈や整理が難しかったからです。 1.イノセント・デイズ 主人公は、独り身の女性です。 出自は、母子家庭です。 認知がないため、父親知らずです。 ------------ 母が再婚し、父方の連れ子と4人暮らしが始まります。 イノセント、そう、純粋な無垢の日々です。 ------------ 残念なことに、母親の事故死で、人生の流転が始まります。 父親の暴力、祖母への引き取り、、、。 2.衝撃の冒頭 主人公に対して死刑宣告がされるシーンから始まります。 そして、刑の執行当日を迎えた、主人公の回想が描かれ、物語が始まります。 3.参考文献 冤罪、死刑、弁護士ら著書の中のテーマにちなんだ文献は、20を超えます。 これを観察したときに、著者が描きたかったテーマの深さ、さらに綿密な調べに対して、畏敬の念を抱いたことはいうまでもありません。 4.さいごに 人と繋がりづらくなった現在、また、孤独死のニュースも流れてくる昨今です。 「ひととして、必要とされたいという欲求」と、それが破壊されつづけた場合の行き着く先の心の暗闇という、著書のテーマが重なってしまいました。
32投稿日: 2022.01.30
powered by ブクログ「日本推理作家協会賞」受賞作というので読んでみたが、あまりリアリティーを感じられず、物語に入り込めなかった。
0投稿日: 2022.01.22
powered by ブクログ誰が悪いのか、どうすればよかったのか、ただただ救いの手を伸ばしたくなる痛切なイヤミス。鬼面白い!★5 元恋人の家族ごと放火、殺害した罪によって死刑判決を受けた女性の物語。主人公の関係者たちによる目線で、痛々しい過去のストーリーが進んでいきます。その後の判決後の展開では、錯乱と焦燥にかられた主人公が描かれ、心情が胸に迫ります。 主人公の女性は、私が一番応援したくなる種類の人間です。 自身に厳しく、責任感が強く、目標を定めたら一直線な女性で純粋さが強み。例えば女優、政治家など、実現するのが難しい夢を持っている人であれば、猛烈な輝きを放つ女性になれるでしょう。 ただ、やたら業が深く、もっとも恋人にはしたくないタイプかもしれない。 殺害された元彼氏は、私が一番嫌いな種類の人間です。 優しさと憎しみを繰り返して心の中に入り込む、平気で人の弱みに付け込む。でも本人には悪気はなく、瞬間瞬間ではひた向きに生きている。 こういった人が女性にもてることは知っています、でもなりたくありません。 この小説の魅力は、こういったキャラクターはみんな魅力的で生き生きとしているところで、感情移入が半端ないです。もうサイコー もちろん世界観やストーリーも素晴らしく、ぐいぐい引き込まれ、圧倒的に丸ごと一冊読めてしまいます。ラストでは自分が助けてあげなきゃ…と思わず涙が流れました。 世間では社会的弱者による悲しい事件が繰り返されますが、背景には少なからず本作のような現実があるのでしょうね。彼ら、彼女らに自分は何ができるのでしょうか。ほんの少しだけ笑顔にすることすら難しそうです。 とにもかくにも超名作です、未読の方は今すぐ読みましょう。
49投稿日: 2022.01.16
powered by ブクログ一人の死刑囚の出生から最期まで、彼女を知る人物たちの視点で明かされていく真実は暖かくそして物悲しい。時間軸が進むに連れ切なさが増してツライ。ハマボールという懐かしいワードに時代を感じたり、横浜生まれ横浜育ちは横浜市歌歌えるとか笑ったりもした
1投稿日: 2022.01.14
powered by ブクログ1人の女性死刑囚の物語。 世間からは非情で極悪とされる彼女は 誰にでも平等に穏やかで優しい心を持っていて 誰よりも繊細で、強く、愛を持っていた そんな人間だったように思う。 とても悲しく辛いことばかりで救われない話だけど この結末というのは彼女にとって 最高の幸せだったのだと思う。
2投稿日: 2022.01.08
powered by ブクログ「2021年に読んだ本ランキング」に入れるのを忘れていた。衝撃の度合いでは高村薫著『レディ・ジョーカー』を超える。死刑囚・田中幸乃と彼女を取り巻く人々の短篇連作集である。異なる人生が事件を巡って交錯する。それぞれの思いが擦れ違い、欲望が絡み合う。 https://sessendo.blogspot.com/2022/01/blog-post_8.html
1投稿日: 2022.01.08
powered by ブクログ周りからどんなに傷つけられても 決して彼女は人を傷つけない 傷つきやすく、繊細で、流されやすくて、 不器用で、優しくて そんな彼女が愛おしく 涙なしには見られませんでした。
1投稿日: 2022.01.06
powered by ブクログ本当に結末が予測できないものでした。いろんな人物と絡みあって、自分の罪と改めて向き合おうとする人々が、自分の罪を、死刑判決を受けた田中幸乃になすり付けてしまったことを後悔していく。田中幸乃は、人々の罪を被ったことを後悔していなかった。なぜ彼女は死ぬ間際まで、自分を大切にしなかったのだろうか。ただ死ぬことだけを考えてしまったのだろうか。彼女の優しさ、まっすぐな心を変えてしまった人物は誰なのだろうか。
4投稿日: 2022.01.02
powered by ブクログ小さい頃はごく普通の女の子だったのに、環境や経験によって、ここまで自己否定で満たされてしまい、安堵が得られて、我が身を守る術が「死」のみとは。 田中幸乃は優しすぎたのか、弱すぎたのか投げやりだったのか、嵌められたのか、騙されたのか? 佐々木慎一はじめ、幸乃をなんとか助け出したい人たちは「間に合わなかった」けど、幸乃が「間に合った」のは救いだったと考えるべきなんだろうか。
22投稿日: 2021.12.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ハッピーエンドにすこし希望を見出せそうだったけどだめだったな... 読んでてつらかったけど、はやく続きが読みたい!って気になってしょうがなかった!雪乃を助けたいと思ってるけど実は依存してる男たちが面白くも気持ち悪くもあったかな。 店長がバカすぎてと同じ作者と思うとすごいギャップを感じた。よかったです。
2投稿日: 2021.12.19
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これ以上 心に傷つく 場所はない 永遠に眠れる 彼女に安堵す 盲目の 世界が創る 虚像の子 触れることなき 無垢なる姿 マスコミが創り出す怪物と、当事者が語る無垢なる部分を持つ田中幸乃とのギャップ。その純粋さが故に傷付き求めては突き離される彼女の人生に胸を締め付けられる。 判決後、彼女の望む「死」に向うことこそが、彼女の生きる意味であったのではないか。そして、その先の眠りゆく事で初めて心から安堵する時を迎えたのではないかと思うと、読了後の重苦しい想いと相反する気持ちも芽生えた。
7投稿日: 2021.12.17
powered by ブクログ面白かったし、読んでいて結末は予想外でした。 ただ、悲しくて救いもないようなあるような… しばらくして、読み返したい本ではないかなぁ。
4投稿日: 2021.12.15
powered by ブクログ全く退屈に感じず、次を読み進めたくなる。 田中幸乃の旧友は、死刑執行のあと辛く、悲しみに苛まれる日々を送っていたと思うが、幸乃の願いが叶ったと思うと感慨深いものがあった。
1投稿日: 2021.12.13
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一気に読みました。あまりにも重い話でした。 結論、彼女は無垢で純粋で、周りの人にいいように捨てられてきていた。ただ一人必要とする人がいても、捨てられるかもしれないことより冤罪で死刑になることを望んで静かに逝きました。 9歳までは普通に幸せな家族だったのに、「いいよいいよ」と許してしまうその性格は、病気のせいかもしれない。母がこんな体に産んでごめんと謝るから「いいよ」と許すのが刷り込まれていたりしていて。 いつも思いますが、自己肯定感を育てることがなんと難しいことか。。
2投稿日: 2021.12.12
powered by ブクログ切ない。 報われないなあ。 でも生きることを望んでいないとなると、報われたことになるのかなあ。 本当の本当は生きていたいんじゃないの? 切ない。 お気に入りの作品になった。
5投稿日: 2021.12.09
powered by ブクログ他人の罪をかぶり、そうまでして死にたいと思う絶望の中で生きてきた人生に胸が苦しくなる。30年生きてきた中で幸せを感じられたのはほんのわずか… 救われない気持ちの読後感
4投稿日: 2021.12.08
powered by ブクログinnocent days。無実の日。 この感想を書くのは難しい。 巻末に辻村深月さんの解説があるが、そのとおりとも、そうではないとも思える。 しばらくしてから、編集するかもしれないけど。。。
20投稿日: 2021.12.07
powered by ブクログずっと1人の少女についての話題なのに、見る・関わる人によって、見え方にこんなに違いがあるんだなーと思いました。 面白かったですが、再読はないかなーと思います。
3投稿日: 2021.12.07
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なぜか涙が溢れて不思議な気持ちになったシーンが2回あった。 八田から慎一への言葉 「行ってきな。僕がしてやれるのはここまでだ。がんばるんだよ」 慎一が家に帰り、母が桜の花びらをロウでコーティングしてくれた時 倒れて、倒れて、倒れて、倒れて…。「生きて」 佐渡山瞳の『悪あがき』が幸乃と幸乃にかかわる人たちを救った…救うはずだったのに。そう願っていたのに。 なるほど、瞳目線でこの物語が始まったこと、納得。 読み終えた直後に感じた気持ちは、悲しみ?怒り?何と言えばよいのかわからない。不思議な感情がしばらく消化できない。 でもすごくおもしろかった。 少し時間をおいて、あるいはもう一度読み直した時にはまた違う感情があるのかもしれない。
3投稿日: 2021.12.05
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最後こうなるんだって気持ちもありつつ、抗えない現実の流れみたいなのを、突きつけられた感じがあって悲しくも面白かった。1人の人間のために多数の人間が救おうと動く過程が最悪の結末に向かっていってる含みがあってザワザワしながら読んだ。
2投稿日: 2021.12.05
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2日で読み切り。先が気になって一気に読んだ。 人の弱さ、醜さをこれでもかと見せつけてくれる話だった。 死刑囚の田中幸乃について、彼女の人生に関わってきた人々がその時代その時代の彼女について語る形で構成されている。 少数であれ幸乃は人から愛されて育ってきたのに、ことごとく不幸に陥っていく姿は救われない。関わってきた人はたいてい幸乃に惹かれ、大切に思っていたはずなのに。 相手が言ったことを心から信じてその言葉を頼りに生き過ぎていて、悲しかった。 丹下翔や八田聡の正義感も虚しかった。慎一の思いも、結局自分との闘いどまり。軽い。 皆弱すぎる。 結局一番強いのはたぶん幸乃なのだが、肝心な自分を信じる気持ちや愛する気持ちが欠落してるから、こういう結末にしかならないのか…と虚しかった。 自己肯定感 自己愛 人の弱さ、醜さ 冤罪 いろんなテーマが盛り込んであって、後々考えさせられてる。 幸乃の一生を桜で飾って美しくしようとした演出は人ひとりの人生に対しての餞だろうが、悲しくてきれいな話としてまとめられた気もしてちょっとモヤモヤ。 刑務官の感情と同じ、怒りに近い。静かな。 誰に対してかわからないけど。 慎一じゃなくて、姉が面会に行ってたら結末は違ったと思うんだけどな…。行ってくれよ姉…。
4投稿日: 2021.11.30
