
総合評価
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powered by ブクログ読み終わった後に没頭していた自分に気がついた。それほどに引き込まれた作品です。 「殺人を犯した死刑囚」 確かにそれは事実かもしれないが、それはあくまでひとつの視点からみたものであることを認識しなければならない。 それは世の中すべてのことに対しても同様だ。 内容に関してはあえて触れません。 ただただ、鳥肌が立ち続けた読書体験でした。
3投稿日: 2021.11.19
powered by ブクログ2014(平成26)年刊。 普通の純情な少女がどんどん不幸になっていき、最後は放火殺人の罪で死刑を宣告されるという痛切な物語。 全体としてミステリの結構を持ち、読み出すとぐいぐい引き込まれていくが、登場人物たちの人生の陰りが痛いようで、しばしば躊躇しながら読んだ。 主人公の田中幸乃の、自分を必要としている人を渇望し、しかしやがては裏切られ、去られてゆくという人生が、読み進めていくといあや、これは私のことではないのかという焦燥に結び付いた。ふと気づくとあらゆる面で誰からも求められていない無用の人である自分の身が、田中幸乃と重なった。その身をよじるような渇望は、人間同士の綾としての社会的な関係性に紛れ込んだ、存在論的な根源的な問いであるのかもしれない。 最後は美しいところもあるけれども、やはりこの物語は哀切きわまりなかった。 巻末の辻村深月さんの解説が熱い。
2投稿日: 2021.11.16
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田中幸乃は30歳の死刑囚。 その生い立ちから逮捕されるまでを幸乃を取り巻く人々の視点で描く。 薄幸な幸乃と取り巻く人々それぞれの描写は面白いが、冤罪のまま幸乃は死を受け入れていき救いがない。 丹下翔や佐々木慎一など幸乃を救おうと動いた人もいるが、その人たちの努力も一切無駄になっている。死刑となった後、彼らはどう受け止めたのかが描かれないところは、この小説のミソなのかもしれないが消化不良でもある。
2投稿日: 2021.11.13
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章ごとに田中幸乃と関わった人達の目線で書かれていた。 どうなるのか先が気になって夢中で読んだ。 エピローグはかなりハラハラしながら読んだ。 切ない終わり方だった。 最後は胸が苦しくなってしまった。 読み終わったあとに、その後どうなるのかがすごく気になってしまった。 読み終えた後は切なさでいっぱいだったけど、またいつか読み直したい本ではあるかな。
1投稿日: 2021.11.13
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私はこの本を読むのが3回目。 正直読むのはメンタルがきついしつらい。 でも何度読んでもまた読みたくなる。 なぜなんだろう。 作者の、幸乃への想いを感じるからなのかな。 256頁 『ずっと死にたいと思っていた。でも、そうすることはできなかった。何かに絶望しそうになるたびに、自分を生かそうとしてくれる誰かが必ず目の前に現れた。』
18投稿日: 2021.11.09
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作品紹介から描いたイメージと、ギャップが大きかったなと思います。 判決で読まれた文に合わせて 色々な人物が真実を語っていくのは面白かったけど 全員が全員、判決とは真逆のことを証言していたのがワンパターンでした。
1投稿日: 2021.11.07
powered by ブクログ客観的に見れば、作品としては悲しいラストなのかもですが、読後の悲しいだけではない、何とも表現し難い感情が、この作品の持つ魅力なのかなと思いました。登場人物一人一人のそれぞれの想いに丁寧に寄り添っている作品だと感じました。
3投稿日: 2021.11.04
powered by ブクログいくつかの偶然が合わさってこの世に受けた生。愛してくれた母の死を境に転がり落ちる人生。誰にも必要とされていないと感じながら生き、こんな自分でも誰かの役に立てるなら、と理不尽な裏切りも享受する。でももう自分を必要としてくれていた人に去られるのは嫌。そんなことになるくらいなら自分が消えてしまいたい。そんな状況での逮捕、そして死刑判決。死ぬことを願う本人と、救いたい友人たち。不十分な情報からの決めつけ。広がる嘘の噂。徐々に明かされていく真実。無慈悲に流れていく時間。みんな動きが遅くてジレったい。作者の「店長がバカすぎて」が面白かったから読みました。
3投稿日: 2021.10.26
powered by ブクログとても切ない。 どこでどう歯車が狂ってしまったのか。 そう、きっとあの時。 主人公に訪れる不幸の連続で もう誰かなんとかしてあげてよ!!て何度も願ったが 中盤辺りからもう本人自身が諦めてる感があってやるせない気持ちになった。 こんな話、フィクションだけであって欲しい。 この内容にイノセント•デイズというタイトルを付けた作者に脱帽。 どうしようもなく悲しい気持ちになりたい人は是非。
3投稿日: 2021.10.26
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「もし本当に私を必要としてくれる人がいるんだとしたら、もうその人に見捨てられるのが恐いんです。」 主人公、幸乃の最後の言葉が苦しかった。 帯にかかれていた 先入観を粉砕する圧倒的長編 この言葉がぴったりで最後の最後までどきどきしながら、祈りながら楽しめました。
7投稿日: 2021.10.24
powered by ブクログ自分にはこの小説のすべてが理解できない。 まずページ数の割に、登場人物が多すぎで人間関係が複雑。関係図を書かないと理解できない。わざとなのかな。。。 過去を振り返るってシーンが場当たり的に出てきて、ストーリーの展開がうまく構成されていない。 さらに、メインストリームも非常に薄っぺらいし、全く感情移入できないし理解できない。 また、可能性としてはあるとは思うけど、冤罪なのに報われないバットエンドはどのように感じたらいいのか?
1投稿日: 2021.10.05
powered by ブクログこれはね〜 読んだ当時、読み終えてからの余韻というか 考えることがとまらなくって、 モヤモヤがずっと残ってしまった。 本人にとってはこの結末でよかったんだろうけど、 どこまで感情移入していいのやら… 長いお話だったけど真相が気になってあっという間だった!
2投稿日: 2021.09.25
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見たいものしか見ないという罪。 人間の一面、刺激的な言動、文章、映像、どんどん過激に辛辣になっていく表現。 表があれば裏があるということを忘れないように。 与えられた情報がすべてだと勘違いしてしまう怖さ。 評価に振り回されないように。 自分の見たもの聞いたものがすべてだと思わず考えられるように…。
7投稿日: 2021.09.17
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元交際相手の家族への放火殺人の罪で死刑判決を受けた主人公の話。 前半はよくある感じの不遇の話。最後の最後、死ぬために生きようとするそのエネルギーがなんとも言えない気持ちにさせる。 主人公が主体的に生きようとしない事が最後まで理解できず終始苛立つ。そう生きるしかなかった背景も充分に描かれているように思えなくて、その点も残念。 期待が大きかっただけに、物足りない感じ。 いろんな事件や歴史的なニュースは、その人生を簡潔にまとめてしまうけれど、その中にいろんな人たちの心の動きがあって、それがたくさんの「ちょっとした事」を引き起こし、一つの重大な結果になるのだということをいつも忘れないようにしたい。
2投稿日: 2021.09.13
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幸乃は自分で死を望んで死刑に処されたけれど、死に執着してしまったのは幸乃の周りにいた人たちの裏切りだ。 個人的には中学時代の傷害事件の下りがかわいそうだったなと思います。
1投稿日: 2021.09.01
powered by ブクログ辛い本だった。一気読みだったけれども、眉間の皺が深くなったわ。どうして強者と弱者ができる世界なんだろう。 他人の為にと思って行動しても不幸に陥っていく、不幸の原因になるだなんて世の中不公平だよな。 本人が望んだ事だとは言え、正義はどこに?辛い話だ。
2投稿日: 2021.08.30
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エピローグ、涙が止まりませんでした。 幸乃に生きてほしいと思いながら読み進め、 刑務官の「傲慢よ。あなたを必要としている人はたしかにいるのに、それでも死に抗おうとしないのは傲慢だ。」と、同じ想いで読み進め、 幸乃が最後に見せた病気への強い意志での抵抗。 幸乃の刑務官への最後の台詞。 そして解説の、自ら死を選ぶ幸乃は傲慢に見えるかもしれない。 しかし、彼女に生きてほしいと望む気持ちもまた傲慢でないとどうして言えるのだろう。 全てがグーッと心臓を掴んだ。 読了後、幸乃の姿が頭を離れません。 優しく、大切な人を守り、誰のせいにもしない、彼女は強いんじゃないだろうか? 自ら死を選ぶこと=弱いと、 決めつけるなんてこと決してできないと思った。
15投稿日: 2021.08.28
powered by ブクログ何も知らないくせに。自分勝手に決めつけて。 この言葉を物語の最後に思い知らされた。 判決主文で、田中幸乃の人生が劣悪で過酷であったと想像してしまったが、彼女の人生に関わる人物たちによって、彼女の人物像は主文とは遥かに異なることがわかった。 彼女を不幸にしてしまったと嘆く人物たちに対して、彼女は自分が不幸であったなどとは微塵も感じていない。 彼女は人生を懸けて彼らを救ってきたが、彼女は救いの手を取ろうとはしなかった。 母から遺伝した彼女が忌む病が、最後に母からの救いとばかりに手を伸ばすが、彼女はその手すら振り払った。 周囲に流されて生きてきた彼女にとって、「死」は確固たる希望だったのだ。 他人にとっては絶望でも、本人にとっては希望である。 静かでありながら激しい熱量を感じさせられた。
1投稿日: 2021.08.27
powered by ブクログ不器用にしか生きられない人々の、無垢な時代の出来事から始まり、一人の死刑囚に関わった人々の視点を通じて、徐々に事件の真相と彼女の胸の内を浮き彫りにしていく。 寝る間を惜しんで一気読みした。 近所の書店で平積みされており、手にした一冊。 最後の数ページに心がざわめいたのは確かだ。解説を辻村深月さんが書いているが、読了後に読むこと。この約束は守って本書を手にとって読み始めてほしい。
3投稿日: 2021.08.17
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衝撃のラスト 翔は事件を楽しんでるのか?と思ってしまった シンイチは唯一の本当のみかただったのかもしれない 必要としてくれる人がいる中でそれでも幸乃は生きる選択を選ばなかった、それ以上に信じて裏切られるのが怖かった、、最後はハッピーエンドでもバッドエンドでもない。偏見でものをいうのはやめようと考えさせられた小説だった。とてもよかった
1投稿日: 2021.08.01
powered by ブクログ法学部に入ったきっかけの死刑について取り上げられていた。冤罪問題も絡められていて、ニュースだけで知る情報ではなく事実のなかにある真実を見出す物語。『流浪の月』のテーマと似ているようにも思えたが、この本は幸乃の心の事実と真実がテーマな印象をうけた。鬱本とも言われているようだが自分にはずっと受け入れられた。桜の花びらの描写が切なく儚く、幸乃の人生と似ていた。
3投稿日: 2021.07.27
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人は誰からも必要とされないと死ぬんだとさ。 俺がお前を必要としてやるよ。(引用) クソみたいな人間の言葉でも、誰かに必要とされるということは大きい。 幸乃や聡の気持ち、わかる。 そんな人間が良い人間とは限らないけど、 誰かの命を救うこともある。 死にたいと思う気持ちがわかるから すごく響いてしまったセリフ。 私が誰かに伝えるときは、そんなことを頭に置いておきたいと思う。
11投稿日: 2021.07.23
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最後に複数のチャンス それでも彼女は死を選んでしまった(選んだ) こちらの悔しい気持ちも彼女にとってはお節介なのかもしれない
1投稿日: 2021.07.19
powered by ブクログこれはすごいミステリーだ。終始えも言われぬ恐怖 に似た感情を感じた。解説まで素晴らしい。 感情移入して主人公に対して「生きて欲しい」と思うことすら読者の一面性からくるエゴと言われてしまえばもう手打ちどころはない。たしかに主人公は自分以上に相手に合わせる「鏡」のような存在だったのかもしれない。ただその原因は誰にあるのか、もしくはそうした生き方自体がもはや彼女の運命なのか。 いま自分たちが生きていてこのようなことに加担していないか、普段の何気ない発言が思い込みにより新たな可能性を狭め、誰かを傷つけてやしないか、考える契機にもなる珠玉の一冊。
11投稿日: 2021.07.16
powered by ブクログ何というか…とても救われない物語でした。 幸乃にとっては苦しみから解放された事になるんだろうか、でも残された人たちの思いは…とても難しいテーマの作品だと思うけど、こればかりは人それぞれの考えがあるだろうし、何が正しくて間違ってるなんて誰にも分からない。読後もしばらく考え込んでしまいました。
6投稿日: 2021.07.14
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元恋人敬介の家に放火し妻と1歳の双子を殺害した容疑で死刑判決を受けた田中幸乃30歳。凶行の背景に何があったか、彼女を取り上げた産婦人科医、母の結婚相手の連れ子である義姉陽子、祖母に引き取られて横浜で過ごした中学時代の親友理子、敬介の親友聡、それぞれの目から幸乃の過去が語られる。 そして現在、弁護士となった幼なじみの翔は、幸乃が控訴しないと知り聡や幸乃と接触し再審の道を探る。一方、もう1人の幼なじみ慎一は彼女の無実を信じていた…。 主人公である幸乃自らでなく周囲の人間に語らせることにより、不器用に幸せを求め続け、裏切られ続けた彼女の悲しい人生が浮かび上がる。幸乃の悲しい覚悟は彼女を苦しみから救う唯一の手段であったのか。 翔の祖父である産婦人科医のセリフが心に残る。「お前が将来どんな仕事に就こうと、絶対に忘れてはいけないことがあるよ。相手が何を望んでいるのか、真剣に想像してあげることだ」「人間というのはなかなか複雑な生き物でな。思っていることをなんでも口にできるというわけじゃない。でも、いつかお前が向き合う誰かさんは、お前の言葉に期待している。なのにうまく説明することができず、思ってもみないことを言ったりする。だからお前はその誰かさんと真摯に向き合い、何を求めているのか想像してあげなければいけないんだ」 最後に盛大なネタバレを。 死刑になったけど冤罪でしたってそんなんあり?!亡くなった真犯人もいるけど、のうのうと生きてる人間もいるでしょう。死刑制度は自殺に失敗した人間が死ぬための手段じゃないよ。真実が明らかにならないと被害者遺族は報われないんじゃないかな。被害者のご主人がカスだったのでこのままでもいいのか。どうなんだー!
1投稿日: 2021.06.28
powered by ブクログ死刑囚である幸乃さんの生涯を彼女に関わった人達、それぞれの視点で語られる作品。 悲しく重たいテーマでしたが、読んで良かったです。 自分の中に残る一冊になりました。 生まれてきてごめんなさい...切なすぎです。
9投稿日: 2021.06.24
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YouTubeでこの本(イノセント・デイズ)を絶賛 していたので手に取った。 あらかじめネタバレで冤罪であることを知ったう えで読ませてもらったが、衝撃の一言だった。 涙が出た。 主人公(田中幸乃)の壮絶な人生、誰にも必要と されないことへの恐怖、他人のために強盗致傷の罪 を被ったことなど、いたたまれない気持ちになっ た。 世間では放火殺人の犯人として騒がれ、本人も否 認することなく、罪を認めた。 しかし、実際は幸乃は犯人ではなかった。 かつての恋人に裏切られ、死に場所を探していた ところ、放火殺人の犯人にされた。 死にたいから、やってもいない罪を被り、死刑宣 告を受ける。 かつての友人である弁護士の丹下翔は、「罪と向 き合えよ!」と犯人と決めつけた言動。 違うねん、彼女はやってないねん!(怒) ただ、もう一人の小学校の時の友人、佐々木慎一 は無罪を信じて行動する。 くしくも、慎一が真犯人の証拠を掴んだ日は、死 刑執行の当日だった。 警察の捜査、現場の状況、現行の司法制度など考 えさせられることはあるが、本人が死を望んでいた らどうしようもできないと感じた。 ただただ悲しい物語だった。 また、同意殺人についても思い浮かんだ。
3投稿日: 2021.06.15
powered by ブクログ読み始めて数時間で読み切ってしまった。人間の汚い部分とエゴ。自分を認めて欲しい欲。やはり一番辛いのは死よりも孤独、孤立、独りなのかなと思った。人は一人では生きていけない
2投稿日: 2021.06.12
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これはまたすごいお話しだった。。。 すごかったし、最後は目を離せなくなって緊張してページをめくったけど、、、読み終わって脱力。 死刑囚幸乃の人生を、家族、友人、恋人の親友、刑務官などの立場から振り返る。 幸乃の人生がどこから狂い始めたのか。いつからか生きる希望を無くしたところで出会った敬介。敬介は女にも金にもダラシない暴力男だけど、自分を必要だと言ってくれる唯一の存在で、幸乃は敬介中心の生活を送る。数年続いた関係だったが、敬介が他の女性と家族を作ったことで絶望する。 絶望するけど、それが殺意に変わるような幸乃じゃないんじゃないかと思っていたら、、、 冤罪でしたか。。 考えてみたら、状況証拠だけだったか。 中学時代の強盗致傷事件も、実際は友人の罪をかぶったもので、でもその過去も死刑判決の裏付けにされてる。。 生きる望みもなく、自殺しても死にきれなかった幸乃にとっては『死刑』の判決もありがたかった。 こんな冤罪が本当に起きてるのだとしたら、、、 実際の犯人は。。。。 うーむ。。
5投稿日: 2021.05.29
powered by ブクログ流行りの嫌ミス。この作品も例に漏れず、読後は薄汚れたもやもやが心の奥底に残り、良い読後感とは決していえない。しかし、だからこそ、読み終わってからしばらくしても、この物語がずっとあたまの中を巡っている。各登場人物たちの視点で語られる死刑囚田中幸乃という女の印象は様々で、それぞれの人生で少しずつ違った幸乃が存在する。そして、そのいくつもの彼女の人物像から導かれる新たな「幸乃」像が、この物語を読み終えた私たち読者の中にも存在するのだ。
2投稿日: 2021.05.23
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ただただ辛く、最後はなんでだよと落胆した作品でした。 でも、読んでよかった。 心に残る作品です。 余談ですが、 辛すぎて途中断念しようかと思いました。 落ち込んでる時に読むのはおススメしません。笑
7投稿日: 2021.05.19
powered by ブクログ解釈は人の数ほどあるから立場が違えば見方が変わる。だから事実が大事になると思ってたけど、そこに至るまでの過程が間違ってる場合はどうしたら良いんだろうか。
2投稿日: 2021.05.01
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苦しいけど、考えさせられる作品。 一晩で読み終えた。 死刑を望む幸乃が、『生きたい』と願い続けた物語だと思った。 遂に、助けてということができなかった幸乃。助けてという力さえ奪ってしまった誰か。無垢で純粋だったことさえ、それを後押ししてしまったのではないかと思うと辛い。 幸乃が死刑になったことで、救われた人は誰もいないよね?むしろ、幸乃への思いを増していくはず。 誰かを身代わりにしたり、傷つけたり、その場では逃げられた気になっても、その後の人生に必ずつきまとう気がする。 幸乃に伝えたい。 誰かに助けてって言っていいんだよ。信じていいんだよ。必要とされたければ、自分自身も誰かを必要とすることが大切なんだよ。 魂が安らかでありますように。
4投稿日: 2021.04.23
powered by ブクログ辛かった。 死刑囚・田中幸乃のためと彼女のことを想っての行動だとしても、結局は自分の正義やエゴで思いを押し付けているだけの人間ばかりだった。 佐々木慎一が間に合っていてくれれば、この先ずっと幸乃を守っていてくれれば、とつい考えてしまうけれど、この終わり方は彼女にとってのハッピーエンドだったのなら、周りがいくら冤罪だと騒ごうと大きなお世話だし…と悶々と考えてしまう。 正解なんて、周りではなく本人が決めることであると考えると、もやもやするけど少し清々しいような不思議な読後感。重いけどとても考えさせられた。
3投稿日: 2021.04.17
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最後の「彼女が死ぬために生きようとする姿」を見ながら、死を応援してしまいたくなるような、お願いだから生きてと願ってしまうような、彼女にこの選択をさせた運命を呪うような、様々な感情が混ざり合った。 解説にあったように、本人が心から死を願っているのに、私が生きてと願うのは傲慢なのだろう。 でも、やっぱり、生きてほしかったよ…。 幸乃ちゃんは、既に誰かに必要とされていたと思うんだけど、それすらも彼女にとっては怖かったんだろうね。たくさん傷つけてごめんね…、となぜか私が謝りたくなった。無垢で優しすぎた、女の子の物語。
3投稿日: 2021.04.17
powered by ブクログ厚めだったけどするする読めた。鬱っぽい内容で気分は下がるけど、考えさせられることは多かった。小説ってよく想像できる人になれ的なこと綴られてるけど、この小説にもそんな記述があって、想像力を欠いた人間にだけはなりたくないって強く思ったな〜。 死ぬために生きる、死ぬために死ぬことを抗うって言う言葉が本当に刺さって、そこの場面だけ妙に鮮明に頭の中で映像化されて鳥肌立った。
3投稿日: 2021.04.07
powered by ブクログ「人間というのはなかなか複雑な生き物でな。思っていることをなんでも口にできるというわけじゃない。でも、いつかお前が向き合う誰かさんは、お前の言葉に期待している。なのにうまく説明することができず、思ってもみたいことを言ったりする。だからお前はその誰かさんと真摯に向き合い、何を求めているのか想像してあげなければいけないんだ。」 一生忘れられない、忘れたくないセリフ。 祖父母の言葉ってなんであんなに重みがあるんだろう。
4投稿日: 2021.04.05
powered by ブクログ【読後、あまりの衝撃で3日ほど寝込みました…】こんな帯の作品は、きっとハッピーエンド主義の私には刺激が強すぎるだろう、と話題になった時からあえて手に取ることを避けてきたが、目に飛び込んできた「解説 辻村深月」に惹かれ購入。 刑事裁判における判決は主文から言い渡されるのが慣例だが、極刑の場合はその例から漏れることがほとんどだという。被告人の精神面を考えて判決に至った理由から述べられるそうだ。 第一部を構成する全五章は、この判決理由を一文ずつ切り取りつつ主人公の過去を振り返る。 この構成によって主人公田中幸乃の人格がどのように形成されていったかがわかりやすく描写され、読み進めていくうちにどんどん田中幸乃という人物に寄り添うような気持ちになっていった。 孤独で優しく、流されやすい田中幸乃の生き様を辿っていくうちに抱いたのは、誰に向けてでもない怒りである。途中なんども読むのを辞めたくなる。彼女がこの先辿る運命を思い、誰が悪かったのか、どこでなら彼女を救う事ができたのか、そもそも彼女にとって救いとはなんなのか。読み終えてもわからなかった。そして誰にも共感はできなかった。他人事として読んでしまっている自分にも腹が立つ。 きっと私も、ニュースで事件の容疑者に対して「いかにもって感じ」と言ってしまうような人間なのだろう。 この作品のジャンルは「ミステリ」と分類されているが、事件の真相を解き明かすことがこの作品の結末かと聞かれると違うと思う。主人公、田中幸乃は何を思っていたのか、そこが全てのように感じる。 ハッピーエンドが全てでは無いのは承知の上だが、はっきり言って読んでいて全くいい気持ちにはならない。心に余裕がある時に読んだ方がいい。
1投稿日: 2021.03.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
星4.9 ほぼ星5ではあるんだけど最後ハッピーエンドじゃないのが嫌いだから5はやめた。でも最後まで主人公が救われるのかどうかというドキドキは面白いし。読んでて暗くなるけど中間も読んでて全く飽きない。
1投稿日: 2021.03.23
powered by ブクログ世界に入り込んで鬱になる 読み終わる頃には、田中幸乃って存在が自分の中でも大きくなっててご飯食べながら田中幸乃について考え込んじゃうレベル 読者にまで、田中幸乃に対する所有欲というか私だけが田中幸乃の良さを知ってるっていう独占欲というか、難しいけど守ってあげたい気持ちにさせるのが本当にうまくて実際に身近に存在してるかのように感情移入した これドラマ化されてたけど、なんか私が描いてた田中幸乃とはちがくて、実際に存在するわけじゃないのに、やめて!田中幸乃はもっと控えめで繊細でそんなことしないから!ってヒヤヒヤしちゃってダメだった あーすごい好きな小説だったな
3投稿日: 2021.03.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
結末、これでいいのかな… でも幸乃にとってはこれが望んでいた結末なのかと思ったり、何がいいのかだんだんと分からなくなっていった。 やり切れない思い。
3投稿日: 2021.03.18
powered by ブクログ一人一人の過去の過ちが章ごとに展開される。その度に田中幸乃が傷ついていって、読んでられなくなりそうになる。 同時に、自分の過去にあったあまり思い出したくないようなことを思い出してしまい、なんとも言えない気持ちになった。
1投稿日: 2021.03.15
powered by ブクログずっと読みたかった本。 衝撃的な結末だった。 しかし、期待が大き過ぎた分少し物足りなさを感じてしまった。
1投稿日: 2021.03.11
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本屋さんのポップで購入してずっと積読してた本。 こんなに惹き込まれると思わなかった。 最後までどうなるのかわからない、ドキドキ感で久々に読書の楽しさを思い出した。 まず、ヒカルの話で涙腺ゆるゆる。その後の話でもこんなに愛されて、素直で、優しくて、希望に満ちた女の子が、プロローグの容疑者とはどうしても結びつかなくて。読めば読むほど、謎が深まるばかり。 他の登場人物の心の醜さが露になるほど、幸乃の白さが際立っていって、最後の展開が衝撃だった。 気持ちが昂ぶると出る発作が、まさかあの場面で効いてくるとは思わなかった… 幸乃は望みが叶ってしまったけど、それによって慎ちゃんが一生苦しむことになるんだろうな、と思うと、地獄のような話。 話の展開とか登場人物の描き方とか、言葉では言い表せないけど、惹き込む力が凄まじいなと思いました。 早見さんの本、ほかにも読んでみたい。
2投稿日: 2021.03.06
powered by ブクログこの結末で良かったのかな… いや、小説だし、これでよかったも悪かったもないのは分かっているんだけど、思いの外、感情移入してしまった。やっぱり悲しい。。 人生ってその数だけ色も形もさまざまなのは当然なのだけど、客観視した時に「あまりにも理不尽すぎる最期」ってあるように思う。でも、この物語を読んだ後には、当事者以外が勝手にそう決めつけてしまっていることもあるのだと感じる。 色々考えさせられた一冊。
19投稿日: 2021.03.02
powered by ブクログ自らの生を証明するために死を選ぶ幸乃の姿が心に刺さった。彼女にとって死が救いであることを祈るばかり。とてももどかしさを感じる物語だと思う。
1投稿日: 2021.03.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
こんなに不運なことってあるだろうか…とずっと思いながら、読み進めた。 お願いだから、再審して…って、思い続けた。 でも、最後は刑が執行されてほしいのか、ほしくないのかわからないような気持ちだった。 田中幸乃は刑の執行で救われたかもしれない…それでも、晴れ晴れとした気持ちには、どうしてもなれないな。
2投稿日: 2021.02.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
信頼の新井見枝香さん推薦で購入。 「一見すると残忍で許せない事件だけど、メディアでは報道されない裏があって...」な話は好きなのでグイグイ読み進めた。 福田まさみの『モンスターマザー』『でっちあげ』などに似てるかな。 (ノンフィクションなので厳密には違うけど) 終わり方がハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか、なんとも言えない... だけど読み終わった心に広がるのは、美しい満開の桜が散る光景で、不思議とイヤじゃない。 悲しい事件に向かっていくのを知っているからこそ、幸乃が産まれた時の描写や、幼い頃の無邪気な姿には泣いてしまう。 100歳まで生きようって約束したじゃん... しかし、あまりにも頑なに、信じるべき人の好意を拒絶し続ける幸乃には、もどかしくなった。 必死に働きかけている周りの人が不憫に思える。 救えずに一人残された、慎ちゃんの将来が心配だよ! 育ちに難あり...というのも分かるけど、 幼少期には、確かに実母に(義理の父にも姉にも)愛されていた訳だし。 産婦人科の先生が、産むか中絶かを迷う母に言った「誰か一人からでも、愛を注がれていたら子供は大丈夫」的な言葉が、このラストに虚しく響いた。 幸乃が真相を黙っていたのは、単純に死にたいのもあるけど、 優しい大家のおじさんが、事件の責任を感じないため、というのもあったのかな〜〜 それにしても、 大人になった翔くんの感じの悪さ(慎一目線だからなのもあるけど)、半端なかった。でもいるよね、こういうひと。
0投稿日: 2021.02.27
powered by ブクログ放火殺人で死刑を宣告された田中幸乃。彼女が抱え続けた、あまりにも哀しい真実――極限の孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪により、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人など彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がるマスコミ報道の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士は再審を求めて奔走するが、彼女は……筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。
0投稿日: 2021.02.22
powered by ブクログちょっと本屋の帯に期待はしすぎた、、かな まあでも、すごく良かった。のめり込むように読んでしまった。1人の人生を色々な側面から書く物語はよくあると思うんだけど、ここまで救いようがなくて、見ててもどかしくなる作品はなかなかなかった。
3投稿日: 2021.02.19
powered by ブクログ読み応えのある本だった。登場人物の背景が丁寧に書かれてるのが良い。主文に沿って、真実が語られるのが良かった。
2投稿日: 2021.02.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
出だしはよくあるような恨みからの放火殺人だと思っていたら、色んな人の視点から実は違っていたということが少しずつ明かされていく展開だった。 良くできてて、めっちゃ面白かった。最後まで気になって一気に読んだ。 最後は死刑執行に間に合うのかなとハラハラしながら読んだ。間に合わなくて悲しい。 死刑が執行されるまでの流れがリアルでぞわぞわした。 幸乃自身は誰からも必要とされてないって思ってるけど、何人も気にかけていた人が居た。本人には届かなくて残念。
5投稿日: 2021.02.15
powered by ブクログもう 辛い。 としか言えない人生 だった主人公 こういう結末で 良かったのかな と思う反面 きちんと裁かれるべき人は 裁かれて欲しい 死刑制度への 複雑な思い
2投稿日: 2021.02.13
powered by ブクログ『イノセント•デイズ』は、死刑制度について考え させられました。 以前、自分が抱いていた死刑制度についての考え が、真ん中(賛成•悩み•反対)になりました。 無罪なのに、ちゃんとした証拠がないまま、など 様々な事があります。 私は、すぐに決めつけるのではなく、しっかりと 知り、考えることの大切さを知る事ができまし た。
1投稿日: 2021.02.12
powered by ブクログ手で顔を覆い隠す表紙の文庫本を書店で見かけた時から、何らかのメッセージ性を感じていた。 それが自分の愛読書「ロイヤルファミリー」の著者早見和真さんなら読むしかないでしょ!ということで読了! 孤独を描き抜いた慟哭の長編ミステリー。 田中幸乃は元恋人の家に放火し、妻と子供達を殺害した罪で死刑を宣告された。彼女の人生に関わった人々が語る背景から事実と裏腹に世論に翻弄される人々。 とても暗い話なので、読むのを躊躇いそうになるのに読まないと…真実をこの目で見ないと…と一気に読んでしまう。そんな作品でした。 解説で辻村深月さんも語っていたが、転落した暗い人生を救いがないとは思わなかった。これまでの人生人に必要とされなく、自分がない彼女が死刑を生きることの一部として向き合う、自分の意思で決めたというように解釈ができた気がする。 最後を冤罪→ハッピーエンドという流れもありだが、そこを慟哭ミステリーとして貫き通したところもよかった。
20投稿日: 2021.01.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一人の人生を一緒に添い遂げた、、 誰にもその時に認識した悪意がないからこそもどかしくも感じる。何かひとつでもボタンが掛け直されていたら、と思ってしまうと同時に何気なく要約された文章で全てを知った気になっている日常の自分が恥ずかしく思えてきた。 純粋、無垢という意味のイノセント 無実という意味のイノセント
2投稿日: 2021.01.30
powered by ブクログ後味はなんとも言えません。それぞれの登場人物の過去が見ててしんどかった、、、。幸乃にとって何が幸せだったんだろう、これで良かったのかな、残された人たちはどうなっていくんだろう。全体的に暗くて重い話です。
1投稿日: 2021.01.26
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物語の結末はハッピーエンドなのかバッドエンドなのか…幸乃へおめでとうって言ってあげるべきなのかな。 最期を望んだ死刑台へ進む幸乃の姿はとても印象的だった。
1投稿日: 2021.01.24
powered by ブクログ2021.1.23 読了。 とても面白かった。初めは登場人物の関係性がうまく追えず読みづらいと感じてしまったが、中頃からもう止まりませんでした。 最後の刑務官との場面が印象的です。最後にはかなり感情移入しながら読んでしまいました。 この終わり方は救いがあるのか、救いがないのかモヤモヤした気持ちで感想を書いています。まだしばらくモヤモヤしそうです。。。
2投稿日: 2021.01.23
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死ぬために一生懸命に生きた そんな彼女の生きた証なんでしょう 自殺を考える人の気持ちなんてわからないと思ってましたが、弱いから死を選んだ訳じゃないのだろうと思うようになりました。 みんな一生懸命生きてる!!
7投稿日: 2021.01.21
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ポップの謳い文句通り、読み終わったあと暫く気が重くなりました。 同時に、自分は物事を多角的に見ることが出来ているのか自問自答せざるを得なくなりました。 読み進め心が重くなる中、最後のテレビニュースの場面でハッとさせられました。こんなにも理不尽で過酷な生い立ちを余儀なくされた彼女も、世間から見ればただの「いかにも」な人。 現実でもただ与えられた情報の表面をなぞって感想を抱きがちですが、その裏に何があったのか、少しでも考えられる人間になりたいと思いました。
1投稿日: 2021.01.18
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田中幸乃はこれで幸せだったのか?? 「あの人は不幸だ。助けてあげないと。」 この考えって結局は自分のエゴなのかな?? それぞれ望むことは違うもんね。 田中幸乃への優しさとは?手助けとは?? この話はハッピーエンドなのかな?
0投稿日: 2021.01.03
powered by ブクログ久々にこんな面白いミステリーに出会えたかも。面白いと言っては語弊がありそうだけど、何と表現すべきか分からない。死を渇望するがあまり、自ら生きようと必死になった最後のシーンは忘れられない。 身代わりてなんだろう。人のためなのか、自己満足のためなのか。きっと誰のためにもならないのに。
3投稿日: 2020.12.31
powered by ブクログ死刑囚の女性をその周りの人々の視点から描いたミステリー。 辻村深月さんの解説無ければ★3つ。込みで★4つ。 最後ハッピーエンドに終わってほしいと思いながら読み進める一冊。 内容は粗さが感じられるが最後の終わり方はいい。 偏った報道の多さ、死刑の是非などいろいろ考えさせられる。 このドラマの田中幸乃も竹内結子だったんですね。 いい女優さんでしたのに残念です。
11投稿日: 2020.12.26
powered by ブクログおもしろかった。内容から、そう言うのは不謹慎かもしれませんが、大変面白かった。 イノセントデイズ。読み終わってタイトルをみてとても良いと思いました。 帯に「読後、あまりの衝撃で3日ほど寝込みました」とありますが、寝込みませんでした。でも10分くらい放心してしまいました。
7投稿日: 2020.12.18
powered by ブクログ主人公が何とも切なさと儚さを感じるキャラクターでした。人が作り上げる人物像が自分本位のもので、薄いものかもと思いました。
1投稿日: 2020.11.17
powered by ブクログ3人を焼死させた死刑囚、田中幸乃の物語。 ネタバレになるので伏せますが なんとも悲しい結末でした。 巻末に辻村深月さんの解説が。 なるほど、そういう見方もあるのかあ。 いずれにせよ、そんな死ぬほどの苦悩か? とモヤモヤしたけど、悩みは本人しか 分からないからねー。 ところでこの小説、ドラマ化されてて 出演者を見て絶句しました。 本人しか分からない悩みで 今年亡くなった女優が2人も・・・ https://www.wowow.co.jp/dramaw/innocentdays/caststaff/
0投稿日: 2020.11.17
powered by ブクログよくある設定、想像を大幅に裏切らない展開ながらも、文章力と描写に引き込まれて、2日で読み終えた。 「死ぬために生きる」という最後の一文に意味を持たせるために、それまでの分厚い描写があったと言ってもいいくらい。 面白かったけど、東野圭吾ほどの引き込み力はないかな。。
0投稿日: 2020.11.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何とも表現しにくい読後感。 暗いといえば暗い。重たいといえば重たい。 でもきっと、バッドエンドではないのだろう。 主人公、田中幸乃の人生を見ているうちに、割と早い段階で『確実に冤罪だ』と気づく。 じゃあどうして控訴しないのか?何を、誰を守ろうとしているのか?その答えは本人の口から語られる。 「もし本当に私を必要としてくれる人がいるんだとしたら、もうその人に見捨てられるのが恐いんです」 「それは何年もここで耐え忍ぶことより、死ぬことよりずっと恐いことなんです」 慎ちゃんがあと少しで真実を世間の目に晒してくれる。そうしたら2人で桜を見に行って…他にもたくさん、流星群だって…。 そう思うのに、それは幸乃の幸せにはならないのか。人生を終わらせることでしか、幸乃は救われないのか。 考えさせられる物語だった。
1投稿日: 2020.11.15
powered by ブクログ読み終えてやるせない様な切ない様なこれで良かった様なこんな感情になるのは初めてでした。 色々な意味で考えさせられる作品だと思います。。
2投稿日: 2020.11.13
powered by ブクログ買ったのがしばらく前過ぎて、何に惹かれて買ったのかも覚えていなかった。 内容としては、普通の女の子だったはずの幸乃に救いがなく、どんどん状況が悪くなっていく様子が描かれていた。 真剣に助けようとしてくれた古い親友、無実を信じてくれた古い親友のことも拒んでいた。 救いがない、暗い、という感想は浅いと解説に書いてあった。筆者が描き続けたことで向き合ったし、最期に死ぬために持病に抗ったことで、初めて幸乃は意志を持つことができたと。 分かるけど、生きていてこそだと思う。 どうせなら楽しく生きる方法を探さないとね。 自戒を込めて。
0投稿日: 2020.11.08
powered by ブクログ本の紹介文を読んで、気になって読みました。 早見さんの本は初めて。 この本を読んで、私たちは実際に起こる事件や、誰かの人生を批評したり、断罪する資格はないのだと思った。 幸乃が特異な人格だとは思えなくて、たくさんのボタンのかけ違いでそうなってしまった、としか…。 自分で死ぬなよっていう、誰に言われたかも忘れたような言葉を忠実に守ろうとする幸乃。 一見正しそうなアドバイスであっても、それが受け取る相手の心にどう響くのか?深く考えずに言ってしまい、それで相手を深く傷つけたり、追い詰めたりすることもある。 慎一が頑なに幸乃へ会いに行かない、手紙を書くこともなかなかできなかったのは、そういう軽い気持ちでの行動をとることで、幸乃を追い詰めないように、幸乃の性質を慮ってのことだったのかも。 幸乃も、そんな慎一のことを察していたのだと思う。 幸乃の母親が、幸せになれるように、と名付けた名前。 幸乃は幸せだったのだろうか。 慎一に会いたいと思うと心が波立つから、希望を持たなければ絶望することもない、希望を持たずに逝きたかったんだろう…と私は解釈したけど…人が死の瞬間なんて想像もつかなさすぎて、しばらく茫然としてしまった。
13投稿日: 2020.11.02
powered by ブクログ人は誰かに必要とされなくなった時 何のために生きているのだろうと虚無感に苛まれるのだと思う 信じてみようと思った人に裏切られた時の悲しみ、切なさ、辛く怖いこの気持ちを絶とうと思う気持ちと 信じてくれる人とまたいつか裏切られるのでは無いかと思いながら生きていく気持ちを天秤にかけた時、どちらを選ぶのか
2投稿日: 2020.11.02
powered by ブクログ母に勧められ、早見和真さんの著を初めて読んだ。 私はもともと死刑廃止論に反対の立場だった。自分が被害者の立場であったとき、被告が同じ世界で生き続けていることに我慢できないだろうと想像するからだ。 田中幸乃は、本人が見えていないだけでまわりから必要とされていた。彼女のことを毎日考え、愛する人は何人もいた。それを知らず、わかりやすく彼女にもたれかかる敬介しか見えていなかった。彼女がもっと周りに目を向けていたら、そして周りがもっと彼女に手を差し伸べていたら、自ら死への道を選択することはなかったかもしれない。 罪を犯すことは決して許されてはならないことだけど、被告人の行為に至るまでの経緯が偶然の産物である可能性もある。たまたま家庭環境が悪かった、出会った友達に恵まれていなかった、不況で就職状況が悪かった。。。。いくつもの偶然が重なって事件を起こしてしまったのだとしたら、すべての責任と罪は被告人だけにあると言い切れるのか? 死刑廃止論に賛成なのか反対なのか自分の結論は正直出ていないけれど、少なくとも田中幸乃の人生はたまたま全て不幸の連続で、田中幸乃の性格ゆえに本当は罪のない人間が死んでしまうという、司法制度として絶対にあってはならない結果を導いてしまった。 暗ーい話だったけど、残り少ないお暇生活の中で裁判の傍聴に行きたいと思うきっかけになった。
3投稿日: 2020.10.22
powered by ブクログ読みやすい文章で、一気読み。 ハッピーエンドとは言えないが、バッドエンドとも思わなかった。ただ悲しく、無力感。
4投稿日: 2020.10.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
小説としては面白かったので★4つ。ラストは一気に読んだ。 娘が小遣いで買った本。面白いから読めと勧められた。もうこんな本を読むようになったんだというのが第一印象。確かに面白かったが、娘にはこういう世界に浸って欲しくない。明るい世界を楽しんで欲しい。 小説としては意外、というか想像の真逆の結末になり、そこが良かったといえばよかった。主役が救われる結末を想像して読んでいたのに救われずに終わった。全般的に暗くて陰湿なエピソードばかりで、最後も救われない。暗くて救われない。それが感想。 ところが、解説には「暗くて救われない」という感想は底が浅いとあった。もっと深く読めと。筆者は主役の女性を救ったのだと。「死ぬために生きる」ことで主役は病を克服し、ようやく自分を獲得したのだと。 確かにそうかも知れない。でも違和感がある。本当にそうなのか? 死んで花実が咲くものか。死なずに済めばもっと生きられたはずだ。死んだらそれで終わりだ。主役は死ぬことで自分を獲得したかもしれないが、それはあの世に持って行けぬ。無駄にもならぬ。生きた意味がないまま終わってしまう。それでいいのか? カタルシスはあったが、底は浅い。 いろいろ暗いエピソードが書かれているが、半分ほどがいかにも作り物っぽい。いろんな本からかき集めた上辺の言葉を組み合わせて書かれたという感じがいないめない。
7投稿日: 2020.10.11
powered by ブクログこれを読んだら、竹内結子さんの出演している実写のDVDをレンタルしようと思い読みはじめました。 読み進めるほど苦しくなりました。残酷すぎる思春期の時代を回想してみたりしながら、どんどん引き込まれてあっとゆうまに完読しました。
1投稿日: 2020.10.10
powered by ブクログ「読後、あまりの衝撃で3日ほど寝込みました」 との帯の言葉に惹かれ買いましたが、言葉通りの衝撃です。 誰かに必要とされたり守るべきものがあることは、人を大きく変えるんだなと知らされました。 事件の報道を見る目が変わりそう。
2投稿日: 2020.10.06
powered by ブクログ登場人物が物語の中で生きているかのごとく それぞれの価値観、それぞれの人生観を持っていた。 話自体は、やるせない内容だが、 人という生き物、そして価値観に興味のある私にとって、とても魅力的な作品だった。
11投稿日: 2020.10.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
事件がいかに歪められているのか、を徹底的に貶める。消費文化と化したマスコミ報道を序に、報じられたキーワードを章立ての軸として、関わる人たちと死刑囚との真実を描く。 小説は物語だし、想像だ。しかし、だからこそ現実では描かれない、表層に隠された真相を表現することができる。そうすることで、真実は再構築されていく。「いかにも」な人がいかに犯罪者のレッテルを貼られてきたのか。また、そのレッテルというバイアスは誰が作ってきたのか。 物語は、冤罪事件として悲劇的なフィナーレを迎える。「死ぬために生きる」幸乃を本当に知っていたのは、直に触れ合った人たちだけだった。そのことだけでも現在の状況に鑑みて問い返すべき主題である。
0投稿日: 2020.10.05
powered by ブクログ誰かを必要としたり誰かに必要とされたり、そんな希望を一切拒絶し、死ぬ為に生き、死ぬ事で救われる。 彼女はそう信じていた。 縋るものはそこしかなかった。 「見捨てられる不安」が「死ぬ恐怖」に勝ってしまう程に絶望してしまったのだろうか。 私達はたくさんの偏見と思い込みを持って、言葉や物事を都合良く解釈する。 人は弱くて脆い。 時に傲慢で、時に卑劣な部分が見え隠れする。 みな自分が可愛い。 自己保身から嘘をつき、他人を傷つける事に鈍感だ。 そこに責任は伴わない。 それぞれがほんの少しずつでも思いやりを持ってあげられたら、ほんの少しだけでも優しい世界になるはずだ。 「生まれてきてすみません」 そんな悲しい事を誰にも思ってほしくない。 上辺だけ、与えられた情報だけで判断する危うさを改めて考えさせられた。
14投稿日: 2020.10.03
powered by ブクログあまり期待せずに読んだら 一瞬で惹き込まれた。 死ぬことよりも怖いこと、辛いことがある世界。 この頃続いている 悲しい死に重ねて読んだ。
3投稿日: 2020.09.25
powered by ブクログ帯の宣伝文に惹かれ購入したが、期待ほどではなかったかな。彼女の孤独に、私はそれほど共感できなかった。
3投稿日: 2020.09.14
powered by ブクログ結末を読まずに本を閉じたくなるぐらい息苦しくなった。こんな読了は初めて。 寝る前に読むんじゃなかった。
3投稿日: 2020.09.08
powered by ブクログ小説としてはサスペンスやミステリーに属する内容になるかもしれません。ただ内容的には人生の辛さや壮絶さ絶望と言うようなストーリー内容を、読者側には生きる勇気そして熱意と情熱、自身に対して真摯にひたむきで実直でありたい、そのような象徴的シンボライズされた熱意を著者の文体から感じられる。ストーリーの流れは非常にしみじみとしたものでありながらも読みながら非常に生きる尊さと、勇気を与えられる本と言える。読書後、生きる大切さを考えさせられた。
7投稿日: 2020.09.06
powered by ブクログ第三者からみたゆきのの人生とそれぞれの後悔。 なのに当人は憎まない責めない受け入れる。 読んでるこっちがもどかしくて怒りを覚えるくらい。 そんな彼女が求めたものを否定するのも違う…のか…皮肉だなぁ… でもあぁなってほしかったなぁ…って思っちゃうよね。。
1投稿日: 2020.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最初は私も田中幸乃のことを極悪犯だと思っていた。 しかし物語を読み進めるに連れて彼女と関わりがあった者たちが知っている本当の"田中幸乃"の姿を知っていくうちに、本当に彼女がやったのかという疑念が芽生え始めた。最終章では生きて欲しいと思う反面、決して死んで欲しくはないのに、応援してしまっている自分が居た。きっと今まで彼女が流されて生きてきたのに、最後に自分の望みを叶えようと唯一抗っていた瞬間だからであろう。一読者として彼女の最後を見届けることが出来たことに何故か悲しくも嬉しくもある気持ちになり、今まで本を読み終えた後に感じたことの無い不思議な気持ちにさせる作品であった。 そして最終章末に書いてあるように何も知らないで他人のことを決めつけるべきではないと普段の自分に心当たりがあるのを思い出し、痛感したのと同時に気をつけようと思った。
3投稿日: 2020.08.31
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死にたいと思いながら生き続けることは地獄でしかない。たくさんの人が彼女に罪悪感を抱きながら、それでも行き続けている。幸乃はいつから生きることを辞めたいと思っていたのかな…。周りの思いなんかお構い無しで、頑なで、我儘だ。そうしてしまった周囲もまた悪だ。
1投稿日: 2020.08.30
powered by ブクログ田中幸乃に降りる極刑が、幸乃を取り巻いて様々な人を傷つけてきた不良や友達、彼氏に少しずつ分配されればいいと思ってしまった。幸乃はそれを望んでいないだろうけど、物語を読む立場としては生きて欲しいと切に願った。月並みやけど、誠実な人が救われる世の中になって欲しいです。
2投稿日: 2020.08.29
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必要とされたいという誰しもが持っているであろう普遍的な感情、その想いをことごとく幼少期から大人になるまで踏み躙られてきた幸乃が選んだ結末は、あまりにも悲しく、胸を掻き毟られる想いだった。 あまり恵まれていなかった家庭環境で育った人と接すると、必要とされたい、愛されたい、といった感情を異常なまでに感じる事があるが、それが叶わないと諦めてしまった時、また幾度とない失望に晒されて、希望を抱くことすら恐怖に感じた時、人はこの世にいることを諦めてしまうのだと思うと、身の回りの人にも起こり得そうな気がして、言葉を失った。 様々な事情から、承認欲求や愛を渇望してる人たちに、自分は何をしてあげられるのだろう。 一生彼らを必要とし、愛を与え続けられるだけの覚悟が自分にはあるのだろうか。そう思うと、これまでの自分の軽率な行動に目を覆いたくなる。 またこの作品では、人がいかに表面的な所で他者を判断しているか、という事も思い知らされる。 マスコミの報道然り、外見しかり。これもまた、日常の中で気付かぬうちに多々おきているであろう事で、日々の自分の行動を鑑みずにはいられない。 他者や他者の気持ちに対する想像力を働かせる、労力と時間を皆んなが少しずつ増やせば、もしかしたら周囲の目や見えない空気に押し潰されそうになる人も、また少しずつ減るのかもしれないと思った。
22投稿日: 2020.08.28
powered by ブクログ読み始めて間もなく、翌日・翌々日寝不足確定を覚悟したほど熱中し心揺さぶられた作品。 主人公・幸乃の激動の人生。取り巻く人々の生き様。 願うこと、救われること、叶うことで幸せと感じること。それは決して皆同じではなく、人それぞれ違うこと。 誰かにとっての幸せは違う誰かの不幸せ。 その逆も然り。 十人十色、それで良いと思った。
73投稿日: 2020.08.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本屋に行くたびに気になっていた本。 タイトルから、冤罪なんだろうなと思っていたけど、なんとも切ない結末だった。もう誰かに裏切られるのは嫌だと思って、それならいっそ死んでしまいたいと思ったんだろうけど、周りの人たちはしっかり関わり合えば支え合える人ばかりだった。
2投稿日: 2020.08.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
早見氏2冊目。なんの事前情報もなく購入。タイトルからなんとなく冤罪の話かなとは思った。 読み始めて、火事のシーンで背筋がゾッとした。幸乃はただただ残虐な殺人者ではないかと思った。この後どう話が進むのかと思えば、幸乃の周りの人達のたくさんの「想い」だった。睡眠時間を無視していたら一気読みだったと思う。 エピローグではもしかしたら助かるのではないか、と思ったが実際は違った。いや助かると言うのは我々他人の感情だ。幸乃は最期に自分の想いを成し遂げた、そう言う意味ではハッピーエンドだったのかもしれない。
9投稿日: 2020.08.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
会社の事務の女性からオススメされて、読んだ。 その女性の名前と、この小説にでてくる事件の中心人物が名前がにてて、ほぼ重ねて読んだ。大変失礼なことだとわかっていたが。 とても悲しい話だった。
1投稿日: 2020.08.20
powered by ブクログとても重たいお話だ。 読者が物語の中の人物の一人として存在し、彼女の隣にいるみたい。語りかけられている様だった。 彼女にとってはこれがハッピーエンドだったのだろうか。
32投稿日: 2020.08.15
powered by ブクログ「僕たちの家族」とは全く異なるミステリーでした 幸乃ちゃんの苦悩。周りがそういう風に作り上げてしまったのか…
0投稿日: 2020.08.14
powered by ブクログめちゃくちゃ続き気なるとかはないけど すらすら読んでしまう 物語が淡々と進んでいって 主人公の女の子の目線なんて全然ないのに だんだん感情が主人公に囚われていく感じがした 刑務所で働いてる女の人の目線もよかった 最後も個人的にささった 解説が自分がささった部分を言語化してくれてて それ、そこがってなった よかった
1投稿日: 2020.08.14
powered by ブクログこれは、軽々にお気楽な「読書感想文」など 書いてはいけない本である...というのが、 正直な読後感(- -; 正義とは、真実とは、生きるとは... 忙しい日常生活の中で、多くの人が 「見ない振り」している根源的な問いを、 これでもかとばかりに問いかけてくる(- - 本作の「主人公」は、一体誰だろうか。 一応は、一人の死刑囚の女を中心に、 過去から現在に至るまで様々に関わる人々が、 章ごとに「主役」となってストーリーは進む。 関係者同士に、それぞれ関係があったり無かったり。 その関係性も、深さや歴史の長さなど、様々で。 それぞれの視点から、件の死刑囚と、 彼女の抱えている(と考える)問題点に取り組む。 だが関係者間でも、それぞれの立場やら 「抱えている秘密」やらによって、 思うところはみな違ってきて(- - それぞれに言い分があり、それぞれの正義がある。 おそらく誰一人間違ってはいない。 「他人から必要とされる」ことだけにしか 「生きる意味」を見出せない女死刑囚。 そんな彼女にも、そんな生き方をせざるを得なかった それなりの「必然性」はある訳で(- - こうなるともう、個人の意志や努力を超えたところで、 生まれ育ち、環境、人間関係などなど... ひっくるめて運命やら宿命やら言うのかも、だが、 あまりにも悲しすぎるような気もする。 もちろん、逆境を跳ね返して立派に暮らす人もいるし、 境遇に恵まれてても、自堕落に暮らす奴もいる。 だが、抗いがたい「流れ」というものも、 口惜しいけれどやはり厳然と存在して...(- - とにかく、色々と考えさせられる一冊である。 ストーリーの他にも、登場人物がみなリアルだったり、 数多くはないが印象的な心象描写とか、 章分け・章タイトル付の妙とか、 とにかく緻密で隙がない一冊。 これは確かに話題にもなるし、賞も獲るわけだ、と納得。
1投稿日: 2020.08.07
powered by ブクログ死刑囚田中幸乃にかかわった人々を丁寧に描いていく。それぞれにシリアスな人生があり、不確かな正義感と悔恨、思いやり、断念、決断。そして本人も読者も、恐らく作者さんも突き詰められない心の最終点が、そのまま素直に不確定に描かれていて言葉が出てこない。答えなんて当然ないのだと知らしめられた。 幸乃が最後にいちばん幸せになったのか・・ やっぱり違うと思う。答えはないけれど。
5投稿日: 2020.07.27
