
総合評価
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powered by ブクログ2013/7 久しぶりの伊坂作品。 他の本を買おうと思って見ていたら伊坂さんの新刊が出ているのを発見。帯に書かれた「あれも伏線これも伏線の伊坂マジック」で即買い決定。 新刊ですが、ゴールデンスランバー前の作品です。 登場人物のキャラが魅力的なのは相変わらず。最後は怒涛の伏線回収です。 軽く読める面白い作品、続編出ないかなぁ。
0投稿日: 2013.07.22
powered by ブクログ面白かった(o^^o) こんな素敵な父親たちなら四人居てもいいかな笑 映画で勲さん役が宮川大輔らしく、それがちょっと納得いかないな…。
0投稿日: 2013.07.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
父親が4人いるというあり得ない設定だけど、4人の父親が個性的で、かつ、全員が由紀夫に惜しみない愛情を注ぎ、全員で由紀夫を助けに行くところが、なんともいえずに楽しい。本当にこんなことがあったら楽しいだろうな。 4人の夫をもつ知代がほとんど登場しないけれど、なんて幸せな人だ。
0投稿日: 2013.07.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
久々の伊坂作品でした! 伊坂さんって個人的に中だるみしちゃうことが多いのだけど、やっぱ終盤のたたみかけとスピード感は楽しい。 父4人が個性的すぎて、ぷっと吹き出すやり取りも多かった。普段は息子の方が俄然大人なのに、最後には助けてくれるってとこが格好良かったなぁ。 奥さんは伏線じゃなかったのが拍子抜け。平和な終わり方でした。
0投稿日: 2013.07.21
powered by ブクログ作者あとがきによると、伊坂幸太郎の作品の中で第一期の最後の作品になるらしい。第二期は「ゴールデンスランバー」以降だとか。多少時期が前後するのは、その辺から従来の作風と、そこから踏み出そうとする試みとが錯綜していたということかね。 父親が4人という思いもかけぬ設定に気の利いた会話が鏤められて展開するお話は、確かに初期のこの作者らしく意外性に満ち小洒落ている。 しかし如何せん、沢山の伏線がばら撒かれ、その度にあちこちに飛ぶ話に、いつ本筋に入るのかしらんと思いながら、聊かダレた。 最後にきちんと伏線は回収されて話が収まるところは流石とは言え、『SOSの猿』の時も思ったけど、これも新聞で読むのはきつかったのではないかい。
0投稿日: 2013.07.21
powered by ブクログ父親が4人もいる高校生・由紀夫の日常と冒険。 4人の父親が個性的で、あったかい。 軽妙なタッチの会話がシャレてて楽しい。 同級生や、幼なじみに巻き込まれる事件は、 伏線だらけでラストに向かって、どんとまとめて回収される。 だけど、深くはない。 あくまでも軽いタッチ。 危ない事件に巻き込まれながらも、 事件そのものを深く追求するわけではなく、 とにかく家族が結束して無事であればそれでいいという ちょっとほのぼのとした終わり方。 終わりよければすべてよし、って感じにはとくに思わないし、 ジーンとしたりっていう感動はない。
3投稿日: 2013.07.21
powered by ブクログすごくいい! 結構深刻な状況なのに、文体から受ける雰囲気、イメージは柔らかく角がない。 伊坂作品の中でも、グラスホッパー・陽気なギャングと肩を並べるくらい好き。
0投稿日: 2013.07.20
powered by ブクログ久しぶりの伊坂ワールド! やっぱ伊坂さんはこうでなくっちゃと思ったものの、あとがきを読むと、この作品は執筆したのは随分前なんですね・・・。
0投稿日: 2013.07.20
powered by ブクログおもしろかった! 伊坂節が効いてて、結構声に出して笑いながら読みました。 小説をこんなに笑いながら読んだのは「鴨川ホルモー」以来かもしんない。 4人とも素敵なお父さんでたいそううらやましい! でもやっぱり1人でいい!
0投稿日: 2013.07.20
powered by ブクログ母親が四股かけてたから父親が四人(笑) そんなバカなーと思いつつ、あー、日本版スリーメン&ベイビーかぁ!と納得。 社会の不条理や大人の事情に片目をつぶりながらも軸にはしっかり正義が刺さってる…そんな人間がわんさか登場します(^ ^) ラストまで裏切られる事なく安心して読める娯楽作品。 作者のあとがきも面白い。
1投稿日: 2013.07.18
powered by ブクログ主人公には四人の父親がいる。 個性の強い四人の父親と主人公、由紀夫の不思議な絆は心温まるし面白い。 色々な考え方や特技を持つ人に育てられる経験って良いものなのかもしれないな。それでもなにより父親達の愛がすごく感じられて伊坂さんらしさが存分に味わえる一冊でした。
0投稿日: 2013.07.18
powered by ブクログ由紀夫と4人の愛すべき!?父親たちの物語。 のんびりとまではいかないが淡々と語られる日常、その中に時々、ドキリヒヤリとするような緊張感も散りばめつつ、突然の急転回とクライマックス。 本作も抜群の安定感といえる面白さでした。
0投稿日: 2013.07.17
powered by ブクログ伊坂幸太郎のオー!ファーザーを読みました。 高校生の由紀夫には父親が4人います。 出張中という設定でこの物語にはほとんど登場しない母親が四股をかけていて、そして由紀夫が生まれた後そのまま4人の夫と暮らすことになったからなのでした。 個性豊かな4人の父親とガールフレンドの多恵子、悪友の鱒二、裏社会のボス富田林といった人物たちが登場します。 知事選挙が行われている中、登校拒否になった友人を訪ねていった由紀夫はとある事件に巻き込まれてしまいます。 それを知った父親たちは由紀夫を助け出すために行動を起こします。 伏線がいろいろなところに張ってあって、なるほどそういうことだったのね、という面白さがありました。
0投稿日: 2013.07.17
powered by ブクログなんで早く読まなかったんだろう!! おもしろかったです♪ TVドラマ化 するのでわ?って 映画化ですか!! 岡田君は由紀夫役ですか? 葵役でしょうか? たのしみです。 内容はありえない設定!! 4人の父親 でもなんかいいなぁ~っておもってしまいました。 みんな由紀夫が好きなんだね DNA鑑定しないのってところで 「俺が父親じゃなかったら 嫌だろ?」って いいなぁ~。 4人とも本気で思っているところが すごいよね。 出てくるみんなそれぞれ 個性がつよくって でも、じゃましない感があって よかったな 小宮山君の「やばいバイト」は傑作です。
0投稿日: 2013.07.17
powered by ブクログ序盤から中盤までは中途半端なエピソードの連続でちょっとダルく感じましたが、それらがあとあと回収される伏線だと思って読み進めていくと、終盤でどどっとスッキリできますね。 とはいえ、序盤でもドッグレース場の鞄持ち去り事件はナカナカの山場。 主人公由紀夫と入れ替わり立ち替わり関わる父親たちの個性も楽しいので、飽きるほどではないかな。 父親以外ではヒロイン(なのかな?)の多恵子がいい味出してるなぁ。こういう子本当にいそう…というか、いるか(笑) しかし、主人公とその友人たち、由紀夫に多恵子に鱒二って、やけに古臭い名前だなぁ。なんか意味ありそう。あと、梅子ってのもなぁ。 あと各章の最初の記号ってどういう意味だったのかなぁ。
0投稿日: 2013.07.17
powered by ブクログそれぞれの父親と会話のテンポが面白かった。物語が動くまで長かったのと、父親達の活躍をもっと見たかったので短編集として読みたかった。
0投稿日: 2013.07.16
powered by ブクログおもしろかった 読みやすかった 知代さんがちょっと期待外れだったけど でも好きになった伊坂幸太郎作品の風合い。初期感が漂ってた。あるキングらへんから取っ付きにくいことを考えると。
0投稿日: 2013.07.16
powered by ブクログけっこうおもしろかった。 お父さんが4人いる話。 ギャンブル好きの人 博識な先生 小料理屋のイケメン ? 先生が二人? 息子が控えめなスーパーマン でもちょっとはらはらどきどきがなかった。
0投稿日: 2013.07.15
powered by ブクログ伏線が張り巡らされてるのは分かったけど、どうつながるのか分からなかった。四人の父親。。もし現実にいたら、どんな風に子は育つのか!?
0投稿日: 2013.07.15
powered by ブクログほんわかファミリーモノ。 なんとなくの展開はよめてたけど、ラストはそうきたかーってかんじ。 軽く読めた。
0投稿日: 2013.07.15
powered by ブクログ家族ものっていうのはそれだけで幸せな気分にさせてくれる。ましてパパが4人もいるのにうまいことやっていけてる家族なんて、この世の何より素敵だと思います。それだけに、物語最後の「暗い建物」は…でも、これを入れてくるところが、本作の魅力のひとつでもあるのかもしれません。
0投稿日: 2013.07.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
同級生の女の子 ギャンブル好きの父 イケメン父 大学教授の父 中学校教師の父 万引き阻止 カツアゲトラブル ヤクザの仕事 失敗する 知事選挙 狙撃 クイズ脱出 電線
0投稿日: 2013.07.14
powered by ブクログそれぞれ職業や得意分野も性格も違う4人の父親をもつ高校生というあり得ない設定 最後に伏線をすべて回収するところは伊坂さんらしいが、やはり設定が不自然なのは否めない。 父親たちの息子に関わる熱さが、主人公はクールでいたいのだけれど、どうしても、見過ごせないお節介な性格に現れている様な気がする。 緊迫した場面もでてくるけれど、全体的にウォームな感じ。
0投稿日: 2013.07.14
powered by ブクログ『あるキング』『SOSの猿』などが今一つに感じられた自分にとって久々の伊坂らしい作品だと思ったら、それらより前の小説だったのか……。どうでもいいが、映像化するなら母はキョンキョンで決まりだな。
0投稿日: 2013.07.14
powered by ブクログ衝動買いして一気に読了。正直もの足りなかった。人物と言葉の魅力は伊坂幸太郎らしくて楽しめたけど、話の展開があんまり面白くなかった。
0投稿日: 2013.07.14
powered by ブクログ伊坂ワールド炸裂。第一期(ゴールデンスランバー以前)の集大成か。 文庫化(単行本化もか?)が遅すぎる。 伏線が一杯、ラスト30ページがお楽しみ。
0投稿日: 2013.07.14
powered by ブクログおもしろい! 伊坂さんの作品ではいつもなのですが、登場人物一人一人が魅力的に描かれていて、思わず「わたしは〜○○かなぁ〜」みたいな勝手投票なんかもしてしまうほど。 4人の父達最高です! 父親としてあるべき部分とそうでない部分のバランスが最高。そしてそのうえ愛妻家ぶりもすてきです。 でも、映画化決定ということで、楽しみと不安が混ざってます。
0投稿日: 2013.07.14
powered by ブクログなんだか、くだらないくだらないと思いながら、それぞれの父親のキャラクターにはまりました 内容はホントに大したことないのに、くだらなさが絶妙 あぁ~くだらねぇ!
0投稿日: 2013.07.13
powered by ブクログ主人公は普通の高校生の由紀夫。 ただ、彼には4人の父親がいて・・・ 母親が4回結婚したわけではなく、 4股かけていたことから誰の子なのかはっきりしない。 それがどういう経緯なのか6人で仲良く暮らしている。 といった変わった設定ですが、、、 別にこんな設定じゃなくても良かったような物語だったし、 設定自体も似たようなのが昔の米映画にあったよね。 前半は伏線をばらまくためだけにしか無いような内容。 後半しっかりそれらを回収するんだけど、それまでは いったいこの本は何を語っているんだろう?と疑問を抱き、 なかなか読み進められなくて困った。 一番のクライマックスもなんだかなぁ~ ちょっと前から「伊坂らしさ」に飽きて敬遠してたんだけど やっぱりもう伊坂作品は読まなくてもいいかなーと思った。 ただし、それはあくまでも個人的な好みによるもの。 「伊坂らしさ」が好きな人にはオススメ。
1投稿日: 2013.07.13
powered by ブクログ最近の伊坂作品っぽい展開ではないと思ったが、本人も初期の作品に分類される、と言っている。 日常生活を描いているのに、どこかファンタジーの雰囲気を漂わせるのもこの作者の魅力だろう。 散りばめられた伏線を最後に回収、かつその展開が御都合主義と言われかねないファンタジックな展開。
0投稿日: 2013.07.13
powered by ブクログいやあ面白い伊坂幸太郎天才だねやっぱ 家族ってさ、なんだろうね?改めて考えた訳 父親4人と同居している息子の話しなんだけど はあ??何故父親が4人 って感じでしょ でもね レイプ犯の子供を産んだ重力ピエロもそうだけど、こういう歪んだ家族愛を書かせると もうね、伊坂幸太郎ですよ 伊坂幸太郎しかこんな内容書いて何か家族っていいな何てね思えないですよ 父親のね愛ですよ 愛が地球を救うかはしらんけど 愛はね、いや 愛情はね家族を救う 愛情持って生きていこう そう思った
0投稿日: 2013.07.12
powered by ブクログバッチリ伊坂幸太郎作品! 父親が四人もいるって設定を使って、 重力ピエロのような、ゴールデンスランバーのような雰囲気を持った作品です。 作者は、挑戦が足りないか?なんて書いてますが、安心して読めた作品でした。
0投稿日: 2013.07.12
powered by ブクログ最近の伊坂作品は量産型という感じで好きじゃなかったけど、久々にこの伏線だらけの楽しめる感覚を味わえた!
0投稿日: 2013.07.12
powered by ブクログ「母と、父と、俺の6人家族です。」っていうのがなんともおもしろい。 こんな個性的ですてきな父親たちに愛されたら、すてきな子どもになるんだろうなー由紀夫くんは幸せだなあと思った。 伊坂作品の家族ものはとても好きだ。家族の愛があふれている。今回は愛が4倍。
0投稿日: 2013.07.12
powered by ブクログやや伏線の回収が雑な感じもしたけど、主人公の由紀夫くん、個性豊かな4人の父親、何とも憎めない友人たち。期待を裏切らない面々が織りなす、伊坂作品らしい素敵なお話でした!
0投稿日: 2013.07.12
powered by ブクログ1人の高校生と4人の父親。 突飛な設定だけれども、どこか楽しい。おもしろい。 伊坂さんらしい作品だと思えた。 1人の女性に4人も恋人がいて、しかも全員結婚して同棲しているなんて、普通なら考えられないのだけれども、彼らの仲の良い会話を眺めていると、なんてことないことなのだろう。お茶の子、さいさい。 多恵子が由紀夫の家に通いたがるのも分かる気がする。 知代さんも、きっと気持ちの良い女性なのだろう。彼女と彼らのエピソードも読んでみたいと思った。 映画は主演が岡田将生とのこと。 コメディタッチに軽く、楽しくつくり上げてもらいたい。
0投稿日: 2013.07.12
powered by ブクログいろいろな伏線が大量にあって、それが結論で結びついてくる、その構成の上手さに、さすがだと読ませられました。登場人物も個性豊かで、著者の他の作品に脇役で再登場しそうだなと、読んでいてニヤけてしまいました。 ただ、今までの作品と比べて、世界観は物足りないものを感じました。初期の作品だったからでしょうか。
1投稿日: 2013.07.12
powered by ブクログ鷹さんが目立ちすぎな気がしたけど映画だと平等なかんじなのかな。東京バンドワゴンみたいに続編とかかいて欲しい。
0投稿日: 2013.07.11
powered by ブクログ会話が良い、伏線回収が良い。ふたつだけ、あれ、これは伏線回収には関わらないのか、と思ったことがあったけど、伊坂作品っぽさいっぱいで満足!ふふってなるようなやりとり、文章、多々あって、やっぱり伊坂作品がいちばん好きだなーと思った。
0投稿日: 2013.07.10
powered by ブクログ4人の父親がそれぞれに魅力的で主人公がうらやましくなってしまった。久々に読み終えるのが寂しい本に出会った気がする。
0投稿日: 2013.07.10
powered by ブクログ幼い頃から4人の父親に、勉強やスポーツはもちろん女性の扱い方、ケンカの仕方まで教え込まれた由紀夫くんの受難!(笑) がんばれ!ちょっとうっとーしいパパS(笑) もちろん伏線の多さも見逃せない。いろんなところから攻めてくるから気が抜けない。教訓、 隣人が醤油を借りに来たら気をつけよう(笑)
0投稿日: 2013.07.09
powered by ブクログ父親が4人いる!?のキャッチフレーズで始まる本作品。その父親たちが、みんながみんなとにかく面白くてかっこいいです。それぞれ違った父親4人組のいいところ(鷹のいいところが受け継がれているかどうかは怪しいかも?)が息子である由紀夫に受け継がれていて、母・知代はもうこれを狙っていたとしか思えない(笑) 父親同士も仲が良く、彼らの掛け合いも読んでて楽しむことができます。 そんな複雑な父親たちを外目には煙たがる由紀夫ですが、随所に父親たちの教育を反芻して物事に取り組んでいたり、監禁されたときに鷹の声を聞いて思わず安心してしまったりと、なんだかんだ言って父親たちみんなをちゃんと信頼し、大切に思っていることがしっかり描かれていて微笑ましいです。最後に彼らが今後死んでしまった時に「寂しさも4倍なのか」と考えてしまうあたり、その心情もしっかり書かれていてグッド。もはや全員本当の親子ですね。由紀夫自身には悪い?ですが、このままDNA鑑定などはせずに平等に父親たちから影響をうけつつあしらっていってほしいものです^^ 伊坂氏の小説の特徴である、伏線回収と登場人物の会話がいままでの作品の中でもピカイチだった印象です。その点、巻き込まれた事件はもうちょっと面白い展開を期待してしまいました。ということで☆4。 陽気なギャング~のように、是非とも続編が読みたくなる作品ですね! 今後も彼ら4人組の活躍に期待せずにはいられません。 「この狭い車内に、四人も格好いい男がいるんだぜ。希望が持てる。な、由紀夫」
1投稿日: 2013.07.08
powered by ブクログ久々に伊坂文学。ゴールデンスランバーに特に後半は似てる気がする。父親が四人の設定、こう来たかという感じ。
0投稿日: 2013.07.08
powered by ブクログ文庫化にあたり改訂ということだったので、再読。 そんなに目立って変わったところを見つけられなかったが、 なんだかすっきりしているような気がした。 伏線の回収っぷりはさすがなのは相変わらず。 ストーリーというよりはとにかくキャラクターに魅せられる作品。 最後の独特の、そして独特であるがゆえに 誰でも共感できるファミリー感が改めてよいと思った。
0投稿日: 2013.07.07
powered by ブクログ「オー!ファーザー」 父親が4人いる!?高校生の由紀夫を守る4銃士は、ギャンブル好きに女好き、博学卓識、スポーツ万能。個性溢れる父×4に囲まれ、息子が遭遇するは、事件、事件、事件。 伊坂幸太郎の最大の魅力は、〝話す人物達〟であると私は思っています。伊坂幸太郎の世界に登場する人物達は、とにかく話す。ぐだぐだ話しているときもあれば、きらっとする名言を言い放つときもあるし、物語の伏線のようなことを話したりもする。 そんな人物達は、本作「オー!ファーザー」にも、もちろん登場します。それも父親は1人であるという常識を破っての父親4人。父と子がテーマである本作では、奇抜すぎるのではないだろうかと疑う程の設定であるんだけど、さてどう仕上げてくるんだろうか?と期待も膨らむ訳です。そして、父と子の葛藤なのか対立なのか冒険なのかと思案しながら降りて来たは、ファミリーロマンスにちょい足しミステリー。 4人が4人とも異なるキャラクターは、息子である由紀夫に如何に好かれるかに収束する、そんな光景は父親が4人でも立派な家族。こんな家族に属して居れば、由紀夫は正しくぐれてくれるだろう。ダメダメな鱒二を助け、?な答えしか出来ない殿様の会話に頷き、恋の駆け引きか否か分からない多恵子をあしらう由紀夫。これを正しくぐれる、即ち達観すると言わずしてなんと申せば良いのでしょうかw 更には、父親達を束ねる母に納得し、殺人事件にまで巻き込まれ、不登校にも対応する。全く正に万能戦士であるわけだ。由紀夫を応援せずにはいられないし、頭を下げずにはいられない。 ちょいとしたミステリーが果たす役割は、父親達の由紀夫への愛の深さを示すこと。これをクライマックスに持ってくる為の序盤の伏線と回収は、もはや伊坂幸太郎ならば当たり前。しかしながら、味わう心地良さは、毎回異なる。何か当たり前なんだけど何度も味わえる、これが伊坂幸太郎の凄さの一つ。 しかしながら、本作は正直消化不良があります。それは、鱒二父のエピソード。確かに、伏線を回収したから何も流れには違和感は無いけど、個人的に思うは説得力の力の弱さです。今回、大きな役割を果たす親分は、あれで怒りは収まるのだろうかと。そこは、少し難しい。てっきり、解決策を最後に絡めると思っていたし。 また、ふと思ったのは、伊坂幸太郎の世界に登場する人物の中で癖が強いのは男だけど、訳分からないのは女が圧倒的に多いのではないかということです。由紀夫の母は訳分からないし、ある種混乱の中心だし、多恵子は多恵子でめんどくさいw。全くどうなっているんだろうか。 ちなみに、映画化は決まっていて、来年公開らしいです。宮川大輔の起用は納得いかないが、後は結構良いと感じました。特に、多恵子は何かしっくりくる。
1投稿日: 2013.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ブラックバードの時に5股は印象が悪い、と思いましたが今作は肝心の4股かけている母親が最後まで出てこなかったのでそこまで嫌な感じはありませんでした。 むしろ父親たちの一致団結して妻と息子への無償の愛を注いでいる姿にあたたかさすら感じます。 家族の在り方はそれぞれ違うように、父親としての在り方もそれぞれ違う。 要は家族を心から愛しているか、家族のピンチに助けにいけるか、ということなのかなと思いました。 ちなみに母親の携帯に登録されていた父親の名前、鷹と葵以外の父親は一体どんなのだろうと考えてます。 「勲 スポーツ万能」「悟 博識」とかかなあ。勲はのちに暴力教師って変えられたりしてたら面白いなとか、そんなこと考えていると楽しいです。 ビックリするようなどんでん返しは無いけれど、「やっぱりアレがここで効くんだな~」といった伊坂さんらしい伏線回収には思わず笑みがこぼれました。 とても明るくて楽しい作品だったと思います。 2013.07.05
0投稿日: 2013.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
高校生の由紀夫君には、現在進行形で4人の父親がいる。 このおとうちゃんたちがね、個性的でいいんです! そして、どんな形であっても(さすがに母1、父4、子供1という家族はスゴすぎるけど)、親って親なんだなぁとしみじみと思います。父4人、一緒に暮らしているのに、みんな由紀夫のことが愛しくて大切でしょうがないんですね。 お父さん4人がいっぺんに参観日に来たら、そりゃびっくりするでしょうけど! しょうもないことも、ちょっぴりいけないことも、真面目に目いっぱい取り組む大人って(現実はともかく)いいですねぇ。それぞれの言葉に、妙な説得力があります。それはきっと、彼らの言葉と行動にブレがないから。 事件も、冷静に思うと由紀夫君、かなりのピンチなんですが、なんだかお父ちゃんたちの愛情と結束を示すためのエピソード、としか思えなくなります。 星ひとつのマイナスは、多恵子ちゃんってキャラが好きじゃないから。あのタイプの、人の話を聞かずに押しばかり強い女子って嫌い。まあ、その多恵子のキャラが、ピンチを脱するのに役立ったわけですが。鱒二君にもイラッとするけど、あいつのダメっぷりは、たぶん由紀夫君にも責任があるから、まあしょうがないのかもしれません。いや、でもやっぱりあんな奴ダメだ。 とはいえ、とにかく楽しいお話です! そして、お父さんや由紀夫によって語られる&最後にちょっとだけ登場するお母さん。4人の夫と暮らすだけのことはある。おそらく、この作品の中では最強です。
4投稿日: 2013.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画化より先に購入していたのですが、主人公と4人のお父さん達を誰が演じたらいいかなぁと考えながら読んでいたので、映像化が嬉しい。 由紀夫は、候補にあった役者さんがキャストで他の伊坂作品にもでているから、映画も期待しています。設定はあり得ないけれど、それを気にせず先が気になるので読み進めてしまった。 ガソリン生活を先に読んでいたので、ラストのファミレスシーンにリンクがあったのをもう一度確認したい。そして、主人公に名字がでてこないのも、煙に巻かれてる感がいいです。他の作品の語り手より、恐いって感情を語りに出しているのが印象に残りました。
0投稿日: 2013.07.07
powered by ブクログ面白かった!やっぱり伊坂作品はその世界に夢中になる。 電車での長い移動時間に読むと、時を一瞬に感じる。 映像化が楽しみ。
6投稿日: 2013.07.06
powered by ブクログ人生で有意義なことの大半は,無駄に見える・・・ 一見無駄に見えるものにも,やがて愛着が湧く・・・ 愛着が湧いたものとは,いずれ別れがやってくる・・・ ひとつひとつを大切にしたい。
0投稿日: 2013.07.06
powered by ブクログ厚めだったので少し時間がかかってしまった。とにかく4人の父親がとてもいい。途中うるっとくる箇所もあり、家族っていいな。ストーリー展開は少し微妙だけど、とにかくキャラが◎。20130705
0投稿日: 2013.07.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
伊坂さんの作品の中では、あまり好きな方ではなかったかも。 父親4人という設定が、昔ガレッジセールや雨上がりが出ていたコント番組(ワンナイだったかな)で、小池栄子が娘でその父親が4人いるっていうドラマ仕立てのコントしていたのを見た記憶があるせいで、それとなんとなく重なってしまったり。前半でちりばめた色んな伏線を、終盤でだーっと回収していく部分に関してはさくさくといつもの調子で読めたけど、前半が結構読むのがつらかったかも。 主人公ももっとしっかりしろよ、って思うし、多恵子のキャラがイラっとするし、その友達も、あんな人とは友達にならないよ。。。となんかちょいちょい反発してしまったり・・・。ゴールデンスランバー以降を第二期とするなら、この作品までが第一期ってあったけど、そうであれば私はやっぱり第二期以降の伊坂作品が好きだな、と実感。
0投稿日: 2013.07.05
powered by ブクログ伊坂幸太郎さんの文庫版! ほんとにこの人の仕掛けはおもしろいですね!一気に読んでしまいます。 読みながら、何でだろう何でだろう?って考えながら読むのでラストが気になって仕方がない…
1投稿日: 2013.07.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
父親が4人いる、という設定に惹かれて手に取った。 ギャンブル好き、女好き、学校教師、大学教授と、性格がバラバラな父親たちどけど、息子を愛する気持ちはみな同じ。 息子がピンチの時には必ず4人で助けにくる。 テレビのクイズ番組生放送を使って息子を助けようとするシーン、大好き。 むちゃくちゃだけどかっこいい父親たちです!
0投稿日: 2013.07.04
powered by ブクログ2013年06月 08/34 安定の伊坂クオリティ。キャラクターがリズムよいし、新聞連載?だったのか、ちょこちょこと山があって、サクサク読めます。 母、すごい。現実的な問題の棚にあげ方も好きでした。
0投稿日: 2013.07.04
powered by ブクログ久しぶりに学校時代の読書感想文をまねて書いてみました。 作品は伊坂幸太郎「オー!ファーザー」(新潮文庫)です。 高校生の由紀夫には、4人の父親がいる。 ギャンブル好きの父、バー経営者でイケメンの父、 大学教授の父、体育教師で筋肉系の父 この4人が由紀夫を本当に自分の子だと思いこんで、 赤子の時から一つ屋根の下で、一人の母と暮らしている。 そして主人公・由紀夫が次第にいろいろな事件に巻き込まれているー この作品は2006年に新聞連載で発表されたもので、 時系列的に物語が進行していくといった、 割りとのストレートな構成になっています。 位置的には、伊坂ワールド第1期をしめくる作品だそうです。 彼の作品の特長は何と言ってもネアカでさっぱりしている。 へんに細かいディテールにこだわったり、持って回った言い方をしない。 そして、気のきいたセリフ、ユーモアたっぷり会話に満たされている といった点ではないかと思っています。 その例を2,3列挙しました。 『いいか、女の子の前では自分の話ばかりするんじゃないぞ。 相手の話をよく聞くんだ。 悩みを口にされても、絶対に、自分の意見を言うな。 とことん相手の話を聞いて、それは大変だね、と言ってあげればいい。 聞きながらうなずくことも忘れるな』 『人が生活をしていて、努力で答えが見つかることなんてはそうそうない。 答えや正解が分からず、煩悶しながら生きていくのが人間だ。 そういう意味では、 解法と解答の必ずある試験問題は貴重な存在なんだ。 答えを教えてもらえるなんて、滅多にないことだ。 だから、試験にはせいぜい、楽しく取り組むべきだ』 『由紀夫、人ってのは、自分が信じたい、と思っていることを信じるだよ。 それと、その噂が面白いものであればあるほど、広く伝わっていく』 最後に、この主人公と4人の父親の苗字が どうなっているのか明かされていないのです。
2投稿日: 2013.07.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1人息子に4人の父親という伊坂さんらしい設定。 ギャンブル好き、女好き、博学卓識、スポーツ万能。 1人1人が、キャラクターの違う父親だけど4人が力合わせると思わぬ力を発揮します。 最後まで楽しめた。
0投稿日: 2013.07.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
特徴的な4人の父親たちは「陽気なギャング」の再来のようであった。 それぞれに個性を放つ父親は自分の父親を要素分解したようにも思えた。 例えば、悟4:勲2:葵1:鷹3というように。 ストーリーが進行していくなかで由紀夫自身の考え方に変化が起きているのがわかる。 父親たちとの関係性が永遠でないこと、自分は学校や親に守られて生きていけていること。 それらは読者である私にも投げかけられ考えさせられるものであった。 ページ数のボリュームに比べストーリーの中で日は経っていない。 それだけ凝縮した話であり続編も期待できる。
0投稿日: 2013.07.03
powered by ブクログ「括弧運お授業を妨害する,なんて,ジェットコースターと一緒だぜ」(鷹) 「解法と解答のある試験問題は貴重な存在なんだ。答えを教えてもらえるなんて,滅多にないことだ。だから,試験にはせいぜい,楽しく取り組むべきだ」(悟) 「俺は何度も何度も失敗した。打ちのめされた。それが,俺の成功した理由だ」(マイケルジョーダン) 「自分に直接関係がないことに興味を抱くのは人間の特技だ」とは悟の言葉だ。そしてその悟によれば,「自分とは関係のない出来事にくよくよ思い悩むのが人間だ」とはサン=テグジュペリの言葉らしい 「女性と会うために必要なのは,名前と電話番号どっちだ?」(葵) 「今の政治家もどちらかにこだわるんだ。戦を始めるか,もしくは,法律を作るか。歴史に残るのはそのどちらかだと知ってるんだ。地味な人助けはよっぽどのことでないと,歴史に残らない」(悟) 「試験で良い点数が取れるのと,頭の良さは一致しない。ただ,まったく別物でもない。物事の本質をぱっとつかむのは本当に大事なことで,それは試験問題を解くのと似ているかもしれない。一方で,試験は苦手でも頭がいい人間もたくさんいるけどな。…まあ,まずは発想力というか,柔軟な考えができる人だろうな。人間ってのは,抽象的な問題が苦手なんだ。…そこで逃げずに,自分に分かるように問題を受け入れて,大雑把にでも解読しようとするのは大事なことだ。…抽象的な問いかけに対して,自分の知っている数字で,答えを導き出すんだ。そして,あとは気配りとユーモアが重要だ」(悟) 「たとえば,あるとき,世界中の誰もが,自分の子どもに対して『他人を苛めるくらいなら,苛められる側に立ちなさい』と教えることができたなら,今の世の中の陰鬱な問題はずいぶん解決できる気がするんだ。」(悟) 「落ち着いてる?」鷹が顔をしかめた。「俺たちが?」と勲が苦笑し,「大慌てだよ」と葵も表情を崩した。「やれることをやるしかない」悟がはっきりと言い切った。「それでどうにもならなかったとしても,大丈夫だ。俺たちで,おまえて鱒二は守ってやるよ」勲の声は,由紀夫を,口の中のバターロールごと包むようでもあった。「父親が四人もいて,息子を守れなかった,なんて洒落にならねえからな」鷹が,鼻をこすりつつ,言う。 まだ第1期の作品が残ってたとは知らず。言われて読んでみれば,少し昔っぽい雰囲気。★5とはいかなかったが,休日にゆっくり楽しんだ。気に入った名言はやはり悟が多かったけど,四人とも,そして由紀夫も多恵子も鱒二も,富田林も,みんな伊坂らしいキャラで,楽しかった。
0投稿日: 2013.07.03
powered by ブクログ私の好きなタイプの伊坂さんのお話。 四人の父親をはじめとするキャラクター達の軽快な会話が本当に面白い。 特に気に入ったのは自己顕示欲のところ。 設定もとても面白かった。 あとがきにあるように確かに新鮮味は足らなかったけれど楽しめたので文句無し! ところで葵さんが指輪を見せる場面があったけど彼らは五人でお揃いの指輪をしているの?それとも知代さんは四つの指輪を持っているの?
0投稿日: 2013.07.02
powered by ブクログいわゆる第一期最後の作品らしい。 伊坂さんらしい展開とキャラ設定でとても面白かった。 父親が四人って?と思ったけど、あんな父親なら四人欲しい!! 何気に巻き込まれ体質の由紀夫くんが可愛い。
2投稿日: 2013.07.02
powered by ブクログ文庫新刊出てる~と購入。面白かったのですが壊滅的にヒロインの多恵子だか智恵子ちゃんが苦手だった。ああ言う人の話を聞かず、女の子だから男性に対しては何しても許されてると思ってるオンナは苦手。ですが、こういう肉食系女子でないと今時の草食男子はゲット出来ないのかもしれない。男性も大変だ。(そして可哀想だ) そしてマスジ君もいただけない。自分のケツぐらいは自分できちんと拭こうよ。そういう、人に何もかも下駄を預けて責任取らないようなヒトは子供でもよくないと思う。その辺り、富田林さんに同意します。まあそれを許容している主人公が一番ダメなのかもしれませんが。 面白かったのですが結局オレオレ詐欺は誰だったんでしょうね?小宮山君の件はあまりに急展開でびっくりしました。私は小宮山君の隣人が愛人だとてっきり思ってました。 最後、お母さんが出てきてようやくヒロインが少し分を弁える辺りちょっと溜飲が下がりました。だから男はダメなんだなあ。良いように振り回されちゃうんだねえ。大の大人が4人もいるくせに。
0投稿日: 2013.07.01
powered by ブクログ父親が4人いる話。 真面目に不真面目な事をやらかす大人はいいですね。 4人がそれぞれに素敵だけど そんな夫たちに惚れられるお母さんがどんな人なのか気になるな。 由紀夫くんはきっといい男になりますね。
0投稿日: 2013.07.01
powered by ブクログ伊坂さんの作品の中で、特に好きな作品が三つある。 砂漠と、SOSの猿、そしてオー!ファザー。 やっぱり考えさせられるな、って作品。 この作品のいいところは、カッコいいけどうっとおしい父親が四人もいるのに、 多恵子とか鱒二とか友だちまでもがうっとおしいところ、だろうか。笑 とりあえず、色々あるけど、お父さんってカッコいい。 少しでもこんなお父さんたちみたいに、僕はなりたいなぁ。
0投稿日: 2013.07.01
powered by ブクログ「でも別れたんだ?」 「だって、あの人、結局、わたしの身体目当てなんだよね」 「財産目当てとか、身代金目当てよりはマシだろうに」 『女性が何かを頼んできたら、よほどの悪条件でなければ引き受けろ』 「小宮山君を学校に、連れて行くんだって」 「多恵子は勘違いをしてる ー 学校に連れて行くことが、正しいことじゃないんだ。学校に行けばみんな、幸せになるとは限らない」 「そうじゃなくて。わたしだって、学校行くの、面倒なんだからさ、小宮山君だけ来ないのって、悔しいでしょ。みんな我慢して学校行ってるんだから、ずるしないで、さっさと行きましょう、って感じなんだよね」 「な、無駄骨だっただろ」 「人生で有意義なことの大半は、無駄に見えるんだって、知らないの?」 「誰の言葉だよ、それ」 「わたしの知り合いで、豊臣秀吉の埋蔵金を掘ってた人」 「説得力のあるいい言葉だなあ」 「学校はいつも問題だらけだ ー 十三、四歳のガキを教室に詰め込んで、何にも問題が起きなきゃ、そのほうが問題だ」 「自尊心ばっかりで、生意気な年頃だよな」 「性欲を意識して、翻弄されはじめる頃だ」 「友人との関係が世界の全てと感じている」 「そのくせ ー 情報ばっかり仕入れて、世の中を知った気でいるんだよ。大人よりも、自分たちのほうが偉いと思ってる」 『いいか、女の子の前では自分の話ばかりするんじゃないぞ。相手の話をよく聞くんだ。悩みを口にされても、絶対に、自分の意見を言うな。とことん相手の話を聞いて、それは大変だね、と言ってあげればいい。聞きながらうなずくことも忘れるな』 「全然駄目だ ー その時はこう言うんだ。『君に怪我はなかった? 僕のほうはどうでもいいけど』」 「どうでもよくないって、大腿骨骨折だよ」 「いいんだよ。とにかくさ、相手のことを第一に、だ。これが重要だからな。大腿骨と女の子とどっちが大事なんだよ」 「大腿骨」 「大腿骨はそのうち繋がるけど、女の子は二度と戻ってこないぞ」 「由紀夫の家で勉強していこうかな、と思ってるんだよね」 「何の相談もなく?」 「あのね、いいこと教えてあげるけど、政治家とか親とか先生って、聞こえのいいことは言っても、結局はさ、自分の好きなように決めちゃうでしょ。みんな、相談しないで、勝手に決めちゃうじゃない。どうして、相談しないで一方的に決めるか知ってる?」 「何の話なんだ」 「相談したら、反対されちゃうからだよ ー だから、相談する前に、由紀夫の家に行くことに決めたわけ」 「あのな、おまえの母親は嘘を隠すのが上手いんだよ。ずるくて、抜け目ない」 「俺なら、ずるくて抜け目ない女の人とは絶対に結婚しない」 「俺たちだって、みんなそう思ってたんだぜ。たとえば、世の中で事故に遭った奴は、みんな、事故に遭いたくなかった奴なんだ。それと同じだ」 「山登り? 何のために」 「頭でっかちで、インターネットや本から知識を仕入れて、『先生、世の中なんてしょせんこんなものだよね』とか生意気なことを言って、悦に入っている中学生を、苛めるためだ」 「暴力教師、陰険になる」 『人が生活をしていて、努力で答えが見つかることなんてはそうそうない。答えや正解が分からず、煩悶しながら生きていくのが人間だ。そういう意味では、解法と解答の必ずある試験問題は貴重な存在なんだ。答えを教えてもらえるなんて、滅多にないことだ。だから、試験にはせいぜい、楽しく取り組むべきだ』 「井の中の蛙だったな、少年。少年よ井戸に帰れ」 「それが頭の良さってこと?」 「抽象的な問いかけに対して、自分の知っている数字で、答えを導き出すんだ。そして、あとは気配りとユーモアが重要だ」 「俺さ、今日から試験だけど、頑張れよ、とか声をかけないでいいわけ」 「言ってもらいたいか?」 「嫌だけど」 「そうか。じゃあ ー 頑張れよ、試験」 「おまえくらいの年齢の男が最も気をつけなくちゃいけないことは」 「いけないことは?」 「避妊だ」 「わざわざ言いたくないけどな ー 学校の外には、分かりやすいルールだとか、物分りのいい大人はいねえんだ。理不尽で、理屈の通じないのとばっかりだ。高校生が舐めてると、痛い目に遭うぞ」 「女の子が不安になっていたならば、自然に笑いかけて、こう言ってやれ ー 俺がいるからには、もう、大丈夫ですよ。安心してください」 「おまえさ、何で煙草吸ってんだ? ー 理由、言ってみろよ」 「吸いてえからだよ」 「ばーか ー 本音を言えば、他の奴らが吸ってるから、だろ? ー 不良は煙草を吸うものって、思い込んでんだろ」 「うるせえな」 「人の真似して、何が不良だよ ー 煙草を吸うなんて、安全地帯でやる悪戯みてえなもんだ。どうせなら葉巻にしろよ。そのほうがまだ個性的だ」
1投稿日: 2013.06.30
powered by ブクログユニークで軽快な独特の人間ドラマな久し振りの伊坂節って感じたらゴールデンスランバーの前に執筆してた内容とあとがきで知ってなんだか納得。映画化も決まってるようだし映画もとっても楽しみな作品。
0投稿日: 2013.06.30
powered by ブクログ四人の個性的な父親と一人の物語。 形や関わり方の問題ではなく親というものは 普遍的に親なのだということがよく分かる。 悟さんが一番好き!
0投稿日: 2013.06.30
