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小さいおうち
小さいおうち
中島京子/文藝春秋
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総合評価

503件)
4.0
138
202
110
7
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    暗いばかりだと想像していた戦前の東京。 しかし、慎ましくありながらも華やかさがあった時代として描かれている。 品のよい庶民の生活が描かれていて微笑ましい。 奥様の最大の出来事もあけすけには描かれず、このように結ぶのかと意外な展開であった。

    1
    投稿日: 2016.02.07
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    太平洋戦争に日本が突き進んでいる頃の東京の様子を、玩具会社常務家の女中だった老婆の追想録の形で描く。振り返る過去として見る戦中と、実際に生きていた目線で語られる戦中の乖離に、空恐ろしさも感じた。安保法整備が進む今読むと、また、深みがある。

    2
    投稿日: 2016.01.05
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    女中という言葉は今時聞かないし、戦争はるかに昔のようにも思えるが、考えてみるとほんの数十年しかたっていなくて驚く。健史はいちいち突っ込むが、戦争前の庶民の雰囲気は本当にあんな感じだったんだろうなーと思う。 映画のCMをみたときは、何となく不倫の話なのかと思っていたけど、一途な恋の話であった(と私は思う)。

    1
    投稿日: 2015.12.06
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    おばーちゃんの人生興味でーへんわー。と思いながらダラダラ読んでたのに。最後の展開に驚いた。読み終わっても気になってしゃーないやん。なんか、面白かった。変に。

    1
    投稿日: 2015.12.06
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    戦前の人々の暮らしと町の様子、女中の生き方、人間の生き方など。 女中さんや、戦争の、例えば原爆や空襲とは違う恐ろしさなど、知らないことぼんやりとしか把握できてなかったことを知ることができた。 小説としても色々な読み方ができると思うので、タキちゃん以外の人の視点でも読んでみたいな。 映画も見たい。映画も見たくなる小説は久しぶり。

    3
    投稿日: 2015.11.21
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    おもしろかったー。 途中健史のちゃちゃ入れがうるさかったが、最後はよかった。 最終章のあれについてはなんとなく予期していたもののぞっとした。

    2
    投稿日: 2015.10.22
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    奥さまは、周囲の人の生き方を決めてしまったくらい愛らしくて魅力的と書かれているのに、なにか好きになれないものを感じる。

    0
    投稿日: 2015.10.18
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    戦前、戦中と小さなお屋敷を女中として切り盛りしていたタキ。楽しかった東京での生活、大好きだった奥様、お坊ちゃんの事を老境に差し掛かった彼女は、噛みしめるように書き連ねる。タキの独白には在りし日の日本の風景がふんだんに描かれているが、ふんわりと楽しく、悲壮感や戦争に対する思いなども特になく、ひたすら女中としていかに美味しい料理を作るか、出入りの業者をなだめすかし食料を確保するかなどひたすらプロフェッショナル。一生この家にお使えしたいというタキの気持ちが溢れんばかりに感じられる。 その中で、書生さんのような男性と美しい奥様の恋にふと気づいてしまうタキ・・・ 彼女の手記は完成せずに終わってしまった。タキは何を書き記そうとしたのだろうか。語られない秘密と、ずっと眠り続けていた手紙。小さいおうちという題名と表紙の絵。色々な事が繋がりあってとても味わい深い本です。 読み終わった時には釈然とせず、またパラパラ読んだり考え込んでいたりしたらば、意外なほど心に染み込んで来ました。 全部語り尽くして終わるのも悪くありませんが、語らないで手綱を引き締めて、尚且つ余韻を残すのは難しい。この本にはそれがあります。つまらないひとが形だけそれをすると、余韻ではなく単なる尻切れとんぼになってしまうから。

    3
    投稿日: 2015.09.21
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    戦前、戦後の女中と奥様の心構えがなんだかおっとりしていて、それが逆にリアルで恐怖を感じた。女中タキの奥様や坊ちゃんへの深い思い。

    0
    投稿日: 2015.08.12
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    映画を見ていてストーリーは知っていたけれど、映画はプラトニックなラブが中心になっていたけれど、 こちらはそれも重大ではあるけれど、一つの話題であって、その時代の市井のひとの目で見た街やニュースや空気が重要で、そしてタキさんもそちらを書き残して楽しんでいるようなところが読んでいて気持ちがよかった。 プラトニックなラブは何一つとして確証はなくて、それは本人以外には当然のことで、ああも考えられるしこうも考えられるし、どれが正解というのはないのです。 ひっそり潜ませるこんなラブはなにものにも代え難い人生のスパイスなのです。 ¢10 日本語学校バザー

    1
    投稿日: 2015.07.31
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    昭和初期、赤い屋根の小さいおうちの家族との暮らしを、女中目線で語ったお話。 戦争中であっても、悲惨すぎる描写はなく、どんな時も、モダンで豊かで、心遣いのある生活があり、読みやすかった。 ノスタルジックで切ない物語でもあった。

    0
    投稿日: 2015.07.29
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    61 TSUTAYAの古本コーナーで購入。 面白かった。 暗い印象のある戦時下のイメージががらりとかわる。銀座などは今でもオシャレと感じる。ハイカラ。オリンピックがくると思われていた。 吉屋信子の小説のくだり。 女中のイメージ。幸せな時間は早く過ぎてしまう。会いたいと思って会っても、また別れる時に、お別れをするために会いに来たのかと悔やんでしまう。 構想もよかった。描写もよかった。 手紙を読んだのが健史ということ、関係者が読めないということ。 よかった。

    0
    投稿日: 2015.07.12
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    そうだよね。戦争だなんだといっても、家に残される一般庶民は生きるために生活をしていた。 いま、表現の自由という権利をもって文化を楽しむ事のできる喜び。そして何より、平和な日々を過ごせていることの喜び。私たち日本人は、誇りをもってこれを守っていかなくてはと心に強く思う。 みんなで強く願えば、守っていけるはずなんだ。

    1
    投稿日: 2015.06.30
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    こちらも映画を観て、良かったので原作を読んでみました。映画のタキ役の女優さんがとても良くて、原作を読んでも本当にはまり役だったんだなと思いました。 奥様とタキの関係が主従関係を超えた絆で結ばれていることが丁寧な描写で描かれていて、タキのあこがれとも恋心とも言えそうな淡い気持ちが文章の端々に感じられるます。この幸せな時がずーっと続けばいいのに。でも戦争がなくてもずっと同じではいられないのかな。 読み終わって心の中に赤い屋根の小さな幸せなおうちが浮かびました。とても良かったです。

    1
    投稿日: 2015.06.19
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    タキの健気で生真面目なところ、時子奥様の可愛らしい危なっかしいところ、睦子さんの職業婦人の強さ。 戦時下での東京の普通の人々の暮らし。変わっていく暮らし。 そして最後の健二の訪問。本当のところはもう永遠にわからないのが切ない。

    1
    投稿日: 2015.06.06
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    戦前の人々の暮らしが、とても穏やかで楽しんで居る様子が伝わって来て この頃、東京の片隅で子育て頑張っていた若かりし祖母の事を想いながら読んでいました。 だから、途中に登場する甥っ子の話は邪魔な感じがしていたのですが… 最終章で彼が重要人物に、そう言う事か〜って 死人に口なしで本当の所は誰れもわからない。 何もかもわかるより心の中の誰でも持っている秘密はそのままの方がいい。 タキさんが実在の人物のような錯覚をしてしまうほどリアルでした。

    0
    投稿日: 2015.06.06
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    最後の1ページで号泣。 ここのところ読んでいる「小さいおうち」特集の一環で読みましたが、この本を読んでも自分の家を小さくして暮らしていくことの参考は載っておりません。 しかしながら、この本を読んで良かったと思いました。 この本のことを知ったのは、松たか子さん主演で映画化される、と知った時。 松たか子さんが好きなので。 はて、なぜ直木賞受賞の時のことを覚えていないのだろう?と思い調べてみると、 2010年の上期は芥川賞受賞の赤染晶子さんは「初子さん」を読んだことがあるの知っていたこと、そして何よりも鹿島田真希さんが落選したことしか印象が無かったのです。あの頃はニュースで結果を見て、ああまた鹿島田さん!と思うのみ、でした。 ということで中島京子さんの作品を読むこと自体初めてでございます。 第一章を読んでいる時に、引っ張られる思いがして、これは面白いな、と感じました。なんでだろう?と考えると、現在と過去とがないまぜになり、過去の思い出の話が映像が見えそうになるほど委細にかたられる中、ふっと背中を引っ張られるように現在になり、健史が突っ込んでくるからなのかな、と思います。 良いところなのに健史がまた水を差して!と思うことで、早くノートの続きを読みたくてうずうずしてしまいました。 もう物語が終わってしまうのが辛いな、さみしいなと思う中、最後の見開きのページのある一文で号泣です。文中わかってはいるんだけど、痛いくらい伝わってくるんだけど最後に健史のことばとして出てきたことで涙が溢れて止まらなくなりました。 次の行の恭一の言葉はいらなかったか、と思いましたが、実際にその場に居たらそう言ってしまうよな、とも思います。 このページを読んで、第五章での睦子さんとのやり取りが浮かんできて、睦子さんの第三の道と、そしてタキの第三の道-それは戦後ずっと続いたもの-を思い、胸を締め付けられるようです。書いている今も、涙が浮かんできます。 板倉さんの紙芝居の中で、顔を互いに近づけて、幸せそうに手を握る二人として二人は永遠に幸せに、一緒に過ごしている。 それはなんという幸福なことなんだろうと思います。その画が浮かんできて、それは私の心の中のどこかに仕舞われたと思います。 タキさんは、いちばん頭の悪い女中か、並みの女中か、優れた女中だったのか。 最後に種明かしされたあの判断・行動は、女中ではなく女だったんだのでは、と私は思っています。 ここは読んだ人によって判断が分かれるところでしょう。そこが面白いところですよね。

    1
    投稿日: 2015.05.09
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    戦争が特別なことではないこと。 急に始まるわけではないこと。 日常はっと続いて今と同じようにご飯を作って布団を干して生活すること。 意外な展開、というには察しがつきすぎるけど、でも全体を通して上品なちょっといい昭和の暮らしが心地よい。

    0
    投稿日: 2015.04.27
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    読み終わった時、衝撃と切なさと温かい感情が一気に押し寄せてくる。そんな感情の波に溺れる心地よさを満喫した。

    1
    投稿日: 2015.04.17
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    やはり戦争と聞くと、空襲、防空壕、軍隊、虐殺、原爆などの言葉や例のきのこ雲などのシーンが思い浮かぶのだけれど、この物語は違った。 戦中であっても、女中のタキは、奉公先の家を見続けた。見守っていた。戦争はタキのなかではあまり重要でなかったのかもしれない。 南京では虐殺が行われたころ、戦いに勝ったということでデパートではセールなどが行われていたということに私もびっくりしてしまった。 戦前はとても豊かだったのだ。ホイップクリームという単語が出てきたことにも、失礼ながら驚いた。実際にあったのかどうかきちんと調べていないからわからないけれど、とても豊かな生活をかつても送っていたのだと思う。 戦後だけが豊かではないのだ。戦争は全てをリセットさせてしまった。 この物語は、女中目線で、奉公先の家の豊かで温かい生活が描かれる。けれどこれはひとりの女性の回想ノート(という設定)のせいか、いまいち盛り上がりに欠けるかなとも思えたけれど、最後まで楽しく読むことができた。 映画も観てみようと思った。

    2
    投稿日: 2015.04.16
  • 読みやすい

    大変、読みやすい文章で、当時の生活が、とても丁寧に描かれているように思います。そしてこの物語には、ある「秘密」があります。この秘密は、読み終わってからも、その意図を探る楽しみがあり、大きな余韻を残します。一方で、人々の人生を狂わせた戦争の影に、胸が痛くもなり…。 手許において、何度も読みたい作品のひとつです。

    0
    投稿日: 2015.04.15
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    直木賞受賞ということもあり、 読みやすさとか単純な面白さがあるかなーと読んでみたものの、 意外とストーリーの盛り上がりに欠け、 オチもあまり落差がなく、 消化不良な感じだった。 もう少し大人になって読むべき??

    0
    投稿日: 2015.04.13
  • ふつうのひとの歴史

    ”私たちと地続きの”戦前・戦中ということばが印象に残った。今よりもっともっと我慢を強いられ不本意のまま生きなければならなかった時代でも気高く明るく生きていた人々がいとおしい。タキちゃんは純朴で時子奥さまもとてもイノセント。分をわきまえてしっかり生きてる人は本当に美しいと思う。

    3
    投稿日: 2015.04.12
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    すごく良かった。女中視点での戦中の描写も新鮮だし、女中生活そのものも潤いあるものに描かれてる。タキが時子に恋していたと考えれば、睦子のあの引用も手紙についても筋が通るんだけど、それだと論文を火にくべた女中のエピソードが繰り返し語られた事が未消化で残る気がする。あるいは、あのエピソードを拠り所に自分の行為を肯定していたのか。最終章に至るまでの構成もとても良かった。

    2
    投稿日: 2015.04.04
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    当時の生活が眼に浮かぶよう。 戦時中だけど、明るくほのぼのとした内容なのが自分としては読みやすく、好感。 最終章のひみつと謎にびっくり。余韻を残す。

    0
    投稿日: 2015.03.30
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    一見ほんわかした日々の生活の背景に見え隠れする、戦争へ向かおうとする時代の黒いうねりや家族の秘密にゾクリとさせられます。入れ子式の物語に慣れるまで少し混乱しましたが、この書き方だからこそ、秘密をこっそり忍ばせることができるのだなぁと読後にニヤリとさせられました。

    0
    投稿日: 2015.03.28
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    感想はブログでどうぞ http://takotakora.at.webry.info/201503/article_8.html

    0
    投稿日: 2015.03.25
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    単なる「家政婦は見た」的な話ではない。 女中として使えたタキが知る使用人奥様の秘密の逢瀬。 その事実に対するタキの深い気持ちがある。 昭和初期、戦時中にもかかわらず、活気ある人々の描写が好き。

    0
    投稿日: 2015.03.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昭和の人々の暮らしを知るのが好きな私は、本当に楽しんでこの物語を読めました。 とは言え、半ばから戦時中を舞台にしたこのお話を東京大空襲70年の節目に読んだので、私達と地続きの過去に、私達と同じ様に普通に暮らしていた人々がいて、だけれど戦争に呑み込まれていった日々がリアルに描かれています。 とはいえ、話の中心は、奥様やぼっちゃんとの小さい赤い屋根のおうちでの、楽しい思い出の日々です。そこには、教科書に載っているようなモノクロの暮らしではなく、日中戦争が始まっても、百貨店でセールをしている様な、カラーで等身大の人々の生活があります。 童話的な思い出の物語を最後まで読むと、最後の最後に、「渡され無かった奥様の不倫の証拠の手紙」が登場し、余韻の深さを味わえるのです。物語そのものが、タキさんから見た、美化された思い出であり、最終章から見た現実とは、奥様の姿など、微妙に違っているのです。 一市民から見た昭和史を切り取ったとしても、とても興味深い傑作。

    1
    投稿日: 2015.03.11
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    タキさんの女中だったころの回想録と、タキさんの甥の次男の健史が語る最終章。 書き手を代えることにより、登場人物に対する思いや印象が揺り戻されて面白い。 書き手を代えて、ややモタモタする感じもしたが、雑誌の記事、記念館、そして平井恭一氏に辿り着くにはこうするしかなかったとも言える。 視点が変わる度により人物が引き立ってきた。

    0
    投稿日: 2015.03.11
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    特別大きな事件は何も起こらない。 けど、時代の狂気が色んな人をジワジワと狂わせていく。 読みながら、何度かゾクッとした。

    1
    投稿日: 2015.03.10
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    戦争下での日本の家庭の様子が主人公タキの彩る美味しそうなお料理と気遣いのある奉公とともに彩られていて夢中で読めた。

    1
    投稿日: 2015.03.08
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    いわゆる入れ子構造になっていて女中のタキが語る平井家での生活がいきいきとしていて、本当におばあちゃんに話して貰っているかのような感じでさくさくと読み進められました。 タキの坊ちゃんや奥様への愛情がストレートに伝わってきて、タキが健気です。 時折入る甥っ子の子供である健史のツッコミがいいスパイスになっていて、ユーモアあふれる文章にくすっと笑える場面もあった。 そして、ラストの健史視点で平井家や板倉のその後が判明すると切なさと驚きが。 タキが泣くほど後悔したこととは何だったのか、最後にすとんと胸に落ちました。 ……ということは、タキが綴った平井家の出来事には、ひとつ嘘が混ざっている訳で、想像の余地を残す余韻が残る終わり方でした。

    1
    投稿日: 2015.03.06
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    政治や世間から遠く離れた環境にいた人の視点で書かれた第二次世界大戦前後の回想録。 戦争というのは別次元の出来事と思ってしまいがちだけれども、こんなにあっさりと日常の中に入り込んでくるものなのかと思うと恐ろしい気持ちになりました。 全体を通して、時間がゆっくり流れているなとじれったくなってしまう程でしたが、当時のリアルな時間感覚に浸れた気がします。そう考えると、当時と比べて格段に重要なことをしている、という訳でもないのにこんなにセコセコしている自分の生活は何なのだろう、と一抹の空しさがよぎりました。

    2
    投稿日: 2015.02.26
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    ☆3.8 映画を見る前に原作をと思い、手に取りました。 戦中、戦後の市井の生活を女中のタキちゃんの視点から描いたお話です。 歴史、として知る近代日本と、その中で暮らす人々の皮膚感覚の違いが描かれていて、とても新鮮でした。 当時、インターネットも無く、情報源は新聞とラジオ、ご近所さんのうわさ話、と限られた中で戦争に突き進み、終戦を迎えた人々の生活が手に取るようで、とても面白かったです。

    0
    投稿日: 2015.02.16
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     坂の上の小さいおうちとそこに暮らす人たちの世界、さらには、その小さいおうちを取り巻く世界。さいしょは同じだったはずのそのふたつの「世界」は、戦争の足音が大きくなるにつれ次第にズレてゆく。やがて小さいおうちは、まるで荒波にもまれる小さな船のように思わぬ方向へと流されてゆくのだった。  語り手は、この小さいおうちとそこに暮らす人びとに深い愛情を感じている女中のタキ。晩年、タキが綴る手記をもとにストーリーは進んでゆくが、それを「盗み読み」する甥っ子のいかにも現代っ子らしい視点がミックスされているのがこの小説の特徴といえるだろう。おかげで、物語が「昔話」に終わらずに済んでいるからだ。  「謝らなくていいわ。わたしが欲しいのは、心のゆとりなのよ」と奥様の時子は言う。また、巻末に収められた作者との対談で、船曳由美さんは次のように述懐する。「戦争というのは、そういうハイカラな、もっとも大事な心に響くものからなくなっていくんだというイメージがありますね」。  街から、心にゆとりをもたらす物や店が次第に消え、またそうした考え方がなんとなく憚られるようになったら要注意だ。ここ日本にあって、庶民にとっての戦争とはある日突然に火蓋が切られるといったものではなく、平和な日常のすきまからじわじわと浸み込み、気がついたときにはもう手の施しようがなくなっているのだ。

    1
    投稿日: 2015.02.12
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    平井家に女中として入った タキが晩年になってからその日々を綴った物語。何気ない日常なんだけれども、クスッと笑えるシーンや平井家の人達とのやり取りがほっこりする。ただ、途中から奥様と旦那様との関係、タキと奥様の関係にも徐々に変化が起こる。読み進めていく内にどうやら、戦争だけが原因じゃなかった。最終章、甥っ子の次男が色々と調べまわってタキの日記の内容と真実が明るみになっ時、私の中でストンと落ちるものがあった。ただ、あの手紙のくだりは日記と事実が異なっているので謎のまま。どちらが本当なのかは読者がどう捉えるか、という事なんだろう。

    2
    投稿日: 2015.02.11
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    直木賞受賞作。 昭和初期〔10年代くらい〕から奉公にに出たタキが東京で女中として生きていくサマが描かれている。 最近読んだ『リアル・シンデレラ』や『雪の断章』だと行った先でいびられて辛い目にあうというパターンだったが、本作は違う。 奥様をはじめとする一家に大切にされ、イキイキしている様子がとても強い。 描写や表現も非常に丁寧だとは思うが、タキ目線で淡々と進んでいくので、『これで直木賞なのか?』と不安になりつつ読み進める。 最終章で全てが綺麗にまとまり、『流石、直木賞!』となる。 最終章だけでこれだけストーリーに奥行きを与えられるものなんだと勉強になった。

    1
    投稿日: 2015.02.09
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    あくまで秘密ではっきり描かれていないからこそ、ずっとずっと考えてしまう。 痛い、というほどではないけれど、どこか心に引っかかる物語。 http://matsuri7.blog123.fc2.com/blog-entry-194.html

    1
    投稿日: 2015.02.05
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    女中タキの目から見た、戦前戦後の東京。そしてお仕えした家庭の物語。複数の目線から、時代を超えて。そして、はっきりと明言はされないけれど、暗示される秘密。大好きなストーリー構成でした。いっき読みしました。

    1
    投稿日: 2015.02.01
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    見る人によって人は全く違う人に見える。 結局、誰が本当(本当というもにを求めることがそもそも間違いか)のことを表現しているのか、最終章で分からなくさせる。 ただ、それは嫌な感じでなく、秘密は秘密としてあるべき所に収まったという感じだ。 タキの後悔、苦悩はかわいそうだと思うが、それを暴きたいとまで思わせない終わり方がよい。

    1
    投稿日: 2015.01.28
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    太平洋戦争直前の物語。女中タキが、奉公先の家族の様子を綴っている。羽振りの良い旦那様、奥様の秘密の恋。 田舎から出てきたタキが憧れた、東京のきらびやかさやハイカラなものが、仰々しくなく、素直な感じで描かれている。 その明るさが戦争により失われていくが、薄暗さの中にあるタキの、奉公先の家族を思いやる気持ちがあたたかく感じられた。 物語全体の構造も凝っていて、現代と結びつくところが面白い。

    0
    投稿日: 2015.01.28
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    久しぶりに、読者に最後を委ねる、素敵な作品に出逢えた。 景色も人の表情も、活き活きと伝わってくるし、何よりも余韻が良い。そりゃ映画にしたくなるのもうなづける。 きっとこれは読み返すだろう。

    1
    投稿日: 2015.01.27
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    女中タキの目から見た戦中・戦後の世の中の様子が語られる。 タキは故郷へ疎開しており、実際の戦火を体験していないので、 戦争の悲惨さの生々しい記述はないが、 大切な奥様を失ったことで、その惨たらしさを実感したことだろう。 タキはいい雇い主に恵まれたので、女中を天職と思い誇りを持って働いたが、 一般に使用人は雇い主に対して、少なからず羨望や嫉妬を抱くと思われ、 その意味では使用人が持つ黒い感情にフォーカスした「女中譚」は タキとは正反対のはすっぱな女中が主人公で、時代に則したリアリティーがある。 「小さいおうち」はのんびりしたおとぎ話のようであるが故に、 それに不釣り合いな「秘密の恋」というスパイスがピリッと効いている。

    4
    投稿日: 2015.01.26
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    昭和初期、東京の中流家庭で女中奉公していたタキ。 晩年のタキが書いた「日々の想いで」ノートを中心に話が進む 戦争の影がさしながらも、日常は穏やかで 「こんな感じだったのかもしれないな」と感じさせられた。 最後、現代に戻り語られる「その後」も味わい深い

    1
    投稿日: 2015.01.26
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    映画を先に観たけど、ずっと気になってた本だったのでようやく読めた。思い描いていた戦前とは違う一般の人々の意識。時代は違えど、変わらず普通に生きている人たちがいた。タキさんと時子さんのお話だけではなく、いろいろ考えることができた。タキさんのつくるごはんがおいしそうだった。

    0
    投稿日: 2015.01.23
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    直木賞受賞作。 田中慎弥『共喰い』が芥川賞取ったのと同時期だったっけ。 こういう戦時下の生活や本当のところは記録に残りにくいから、創作としてでも描かれると面白い。 こうの史代の『この世界の片隅に』という漫画も良かったなぁ。

    1
    投稿日: 2015.01.19
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    作家さんが好きで読んだ本。 昭和初期の何気ない日々を、女中さんの生活から見た本。これが全て真実と見るのは安直かもしれないけれど、そうか、こういう日常だったんだろうなと思わせてくれるものだった。 最終章でぐるっと展開して、物語が集約されていく感覚も気持ちよく。想像の余地をたっぷり残してくれる、楽しい作品。 2015/01/10

    0
    投稿日: 2015.01.10
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    映画を見ちゃおうかなと思ったけど、やっぱり読んでおきたかったので読んだが、余りにも良すぎたので、後で映画を観る気力が失せた。(ので観ないと思う。) 戦中の一般家庭(格差は色々あるだろうが)の描写とか、ホントにリアル。暗澹たる雰囲気ではなく、とってもドライな描き方がすごく好きだ。私が持つ戦争のイメージは、年をとっていくに連れ変わってきている。実際きっとこんな感じだったのだろうなと思う。 バージニア・リー・バートンの「ちいさいおうち」もとても好きな絵本だし、もちろんその本も出てくる。あと、ぼっちゃんが可愛くて泣ける。

    1
    投稿日: 2015.01.09
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    図書館で。少し前に話題になったので借りてみました。なんとなくこんな話かなあと思っていた話とは全然違いましたが面白かったです。 景気が良くて浮かれているときが戦前みたいでイヤだ、と著者の祖母が言った、という一言が妙に印象に残りました。戦争は特殊事変だと思いたいものですがその時期その場所に生きている人間にしてみれば普通の生活が続いていて、ただ戦争しているから不便だとかものが少ないとかそういうものなのだなあと言うのが恐ろしい。それって今の私たちが不景気で困るとか隣国と仲が悪くて困ったものだと愚痴は言っても日々はそれなりに暮らしているのとほとんど変わらないってことですよね。今は戦後ではなく戦前だ、と誰かが言ってましたが本当にそうなのかもしれない。恐ろしい。 それにしても日本の自給率は4割切ってるのによく他国と戦おうなんて意見が出てくるものだなあと呆れたりもします。強い日本なんて言ったって数で負けてるしサンゴを取りに来た漁船も防げない国なので何が強い日本だと思ったりもします。だからと言って巡視艦を増やせとかそういうことを言いたいわけではないのですが。 それにしても甥っ子は良く知っている方だな、と思います。 今どきの若者はきっとそれほど日本が負けた事実とか知らないと思うし。 面白くないわけではないのですが人々のその当時の暮らしを書きたいのか、それとも小さなおうちの閉じられた世界の箱庭での人間関係を書きたいのか、それとももっと何か主旨があるのか読み取れなかったのでなんとなく宙ぶらりんで置いてけぼりにされた感じです。最後の甥っ子視点は私にはよくわかりませんでした。 イタガキ氏が漫画家になったというのもなんか意味あったのかなあなんて思いました。

    0
    投稿日: 2014.12.26
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    さほどスリリングな展開じゃないからこそ、何だかドキドキする話だった。平井家は実在するんじゃないかと思えるような、リアルなストーリーでありながら、最後の方は特にドラマチックでもあり、小説を読んだという満足感にひたれる作品だった。

    1
    投稿日: 2014.12.20
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    88 昭和戦中の東京の生活と、恐らく平均より少し上の暮らしを慎む家庭の日常を、女中という目線から書き記した作品 何と言っても、この時代において裕福であった家庭の日常だからこそ、しめっぽい話も少なく、心の余裕があるなかで展開される日常は確かに読み手としても入り込みやすい そして何よりも日常がいたって普通の日常なのだが、その日常のタキと家族のエピソードに読者は惹かれ読みふけってしまう不思議

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    投稿日: 2014.12.06
  • 日本の良さ

    映画化されて知り、手にとった。昭和初期の中流家庭の日常描写がリアルで興味深い。戦前の東京で、現在よりも物心両面で豊かな生活を送っているのには驚かされる。静かな展開に品の良さを感じる。とても良い作品だと思います。

    2
    投稿日: 2014.12.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    秀逸です。 冒頭で出てくるイギリスの女中さんがした話。人生において人はいろんな場面でその人なりの働きや役目を負うのですね。その時良かれと思ってしたことがその後の後悔につながることもある。また、その人の特別な思いがその行動に絡み、その時とった行動が周囲の人たちの人生を変えてしまうことも。  タキは小さいおうちとその家族の人たち、そしてそこで働く環境が好きだったのでしょう。それら全部を守りたかったのと、〇〇(?)が好きであり、その嫉妬から生じた行動が…と思ったり…  タキの涙の理由は読んだ人それぞれに解釈があるのでしょう。

    1
    投稿日: 2014.11.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ----------著者--------------------  中島京子 1964年東京都生まれ。出版社勤務、フリーライターを経て、2003年『FUTON』でデビュー。 2010年『小さいおうち』で第143回直木賞を受賞。 ----------内容-------------------- ◎主な登場人物 ・布宮タキ(平井家の女中) ・平井時子(平井家の妻) ・板倉正治(平井雅樹(時子の夫)の会社の後輩) ・荒井健史(布宮タキの親戚) ◎あらすじ  この物語は、布宮タキの書き留めたノート(自叙伝)によるものであり、舞台は昭和初期から戦後にかけての東京を中心としている。  物語の前半はタキが平井家のお手伝いさんとして働く平穏な日常について綴られている。昭和11年、女中奉公にでた少女タキは、東京郊外にある赤い三角屋根の小さくてモダンな家と、若く美しい奥様(平井時子)を心から慕っていた。  時代は流れ、戦争を目前に、平井時子と板倉正治の間に不穏な空気が流れる。いわゆる不倫関係。これを快く思わないタキは、時子と不仲になりながらも2人の仲を裂こうとする。  戦争が本格化し、板倉正治は徴兵を受ける。去り行く板倉に会いに行こうとする時子をタキは引き留め、せめて手紙を書くように促す。手紙の内容は、“会いに来てほしい”というもの。その翌日、板倉は会いに来た。  中途半端なところでノート(自叙伝)は終わる。(タキが亡くなったため。)  最終章、荒井健史についての物語が始まる。  健二は自叙伝の続きを調べていくうち、戦後、板倉正治が漫画家として大成し、板倉の資料館が建てられている事がわかり、その場所を訪れる。来館者名簿の中に、時子の息子「平井恭一」の名を見つけ、会いに行った。タキの自叙伝の中には、「平井時子」名義の未開封の時子の封筒が挟んであったので、それを親族である恭一に渡した。その封筒の中身は戦時中、時子が板倉へと綴った“会いに来てほしい”という内容だった。 ----------感想--------------------  タキは、時子が板倉に向けて書いた手紙を渡していないのにも関わらず、どうして板倉は会いに来たのか気になった。2人は互いに想い合っていたためか、または手紙を渡さなかったタキが、思い出を美化してしまったのではないかと私は考えた。  「長く生き過ぎた」とタキが涙するシーンで、タキは何を悔やんでいたのかがいまいち読み取りきれなかったので、もう一度読み返して考えてみたい。

    0
    投稿日: 2014.11.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    家事のハウツー本が売れた“タキおばあちゃん”に、編集者がまた出版の話を持ってきた。 しかし、彼女はもう、家事術の本を書くつもりはない。 大正生まれで、昭和初期から戦争を経て、昭和を生きてきた彼女が書いておきたい事は別にあった。 彼女が女中奉公していた、“平井家”のことである。 「私の青春そのものでした」みたいな感じだけれど、実は、誰かに聞いてもらいたい、懺悔したい、そういった心残りがあったのかもしれない。 第二次世界大戦が本当にひどくなる前の昭和は、豊かで美しい時代だった。 戦争は、昭和12年の“支那事変”から既に始まっていたが、情報統制により、民間人は日本が勝ち続けていると信じて、平和で経済的な暮らしを謳歌していた。 タキさんは、当時見た物、感じた事をそのまま書く。 いつかその手記を、甥の息子、健史が、最初はこっそりと、やがて大っぴらに読むようになる。 大本営発表の裏の真実を既に知ってる健史は、「この年は××があったんだぜ?そんな能天気な時代なわけないだろ!」「おばあちゃん、ウソを書いちゃいけないよ」などと突っ込む。 実はこのツッコミが、タキさんの記憶の昭和と、我々が知る戦争の歴史の、比較年表と解説の役割を果たしているのだ。 しかし、彼は終盤でもっと重要な役割を果たすことになる。 巻末の対談も良かったです。 「戦前は、明治以降に取り入れた西洋文化が成熟した時代」だったとか、「戦争の時代の人がいたのではなく」「みんな私たちと同じように楽しく暮らしていたのに、いつのまにか戦争に向かっていった」 食料のなくなった昭和20年に束の間の再会をした、奥様とタキが、「今何食べたい?」と、思いつく限りの有名店のスイーツを言い合う場面が何とも切ない。 板倉さんやタキの守りたかったものは、今でもどこかに埋まっているのだろうか。 映画は見ていません。 二重カバーになって、映画のワンシーンが裏表紙に載っているのですが、そこに大きめの文字で引用されている文章を読んで、なんだか奥様は、(いろんな相手と)しょっちゅう帯を解かれているように誤解してしまったのは私だけでしょうか。 そういう事が中心の本ではないです。

    1
    投稿日: 2014.10.15
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    戦争以前の日本がここまで明るく、華やかで楽しそうであったなんて。赤い屋根の小さいおうちに奉公した女中タキちゃんの視点から描かれた物語。奉公先の時子奥様をはじめとした家族への愛情たっぷりに、あったかく、おもしろく、しかし決して平和だけではない色をひそめながら、タキちゃんが語る。

    0
    投稿日: 2014.10.12
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    簡単で無駄がなく読ませる文章はさすが直木賞受賞作。 ストーリーは途中までは女中タキちゃんの目線のありふれた日常がきれいに綴られていたが、時子さんの秘密のところで一気に陳腐になる。 あれではタキちゃんから見たすてきな奥様像と矛盾する。今まで積み上げてきた物語の美しさが崩れ去ったようでがっかり。 終盤、タキちゃんの甥にバトンタッチしてから盛り上がりを見せてわくわくしたが、それも中途半端に終わってしまう。 ところで、タキちゃんの晩年は作家尾崎翠の晩年と似ている。 尾崎翠も青春時代を東京で過ごし、故郷に戻ってからは独身の叔母として甥たちの面倒をみて過ごした。東京に戻りたいと願ったこともあったが、叶わぬまま故郷で亡くなる。 晩年は寂しいものだったようだ。 意識して重ねられたものではないと思うが、不思議なほど似ている。

    0
    投稿日: 2014.09.30
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    映画化されたと聞いて気になっていた本。 昭和の女中さんのが見た家庭の回顧録。 読みやすくすらすら読めるのですが、最後の部分だけどういうわけか 私にはとても読みにくく感じて、最後だけはすらっと読めなかった。

    1
    投稿日: 2014.09.27
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    映画も見ましたが、小説のほうが当時の日常というか、日本人の暮らしを知れて面白かったかな、と思います。

    1
    投稿日: 2014.09.21
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    ★3.5かな。 複数のラブストーリーの重なりがなかなか見事に纏まっていて流石直木賞受賞作。 でも一番気になったのは戦時の大衆の描写。 この作品での描写が現実的か否かはさておき、所謂庶民の緊迫感の欠如は、悲劇の絶対要素の一つと思え、考えさせられるところありです。

    0
    投稿日: 2014.09.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本書はいくつかのテーマを内包しているようですが、私がなにより気になったのは、登場人物の一人である板倉です。戦後、漫画家イタクラ・ジョージとなった彼は、なぜあんなにも悲惨な漫画ばかりを描いたのでしょうか? 言うまでもなく、彼が漫画の中で絶え間なく拷問を加え、嘲笑い続けたのは、純粋だった頃の彼自身だったのでしょう。あんなに純粋で人の良い青年だった彼が、一体戦争のなにを見て、人生の最後まで自分自身を徹底的に苦しませ続けたのか? 私はこう思わずにはいられません。彼は兵隊として赴いた戦場で、人殺しをしてしまったのではないかと。無論、時子を亡くしてしまったこともまた彼を傷付けたでしょう。けれど、『小さいおうち』の外に描かれたバラバラになった人体のパーツなどを見ていると、それだけではない、と思わされてしまいます。戦争にも仕事にもさほど興味がなく、ただ漫画が好きで、おもちゃが好きで、子供が好きで、時子に恋をしていた、素朴で優しい、なんの罪もないただの青年が、戦争によって殺人を犯すことを強要され、あそこまでの―――腕を切り落とし、足を切り落とし、その極端な悲惨さで読者からの笑いを自ら買うほどの責め苦をかつての自分自身に加え、さらに生涯に渡ってそれを繰り返し続けるほどの―――苦しみが与えられた、ということなのでしょう。物語の中のことながら、可哀相でなりません。彼が『小さいおうち』の中であらゆる痛みから大切に守ろうとした時子たちもまた、現実では戦争のために命を落とし、苦しみ、離れ離れになってしまったのですから。

    0
    投稿日: 2014.09.18
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    たきさんは手紙を渡さなかったんだと思います。 しょうじさんも来なかった。(手記を読まれることを意識して嘘を書いた描写から) 奥様は渡さなかった事を薄々察している。 女中の仕事に誇りを持った人だから世間体、奥様のためという理由は建前で、自分の恋慕から手紙を渡さなかった事を生涯悔やんではじている。 展覧会の絵の描写、しょうじはたきさんの思いに気づいている。 色々考えた挙句の推察でした。 ごく一般家庭の女中という視点で戦争を見た小説というのは類を見ないのではないでしょうか

    1
    投稿日: 2014.09.14
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    初めてこの人の作品を読んだが、語り口が好き。心地良い。 ずっとタキの目線で固定されていたのが、最終章視点が変わり色々なものが解き明かされていく様子が最後まで飽きさせなかった。 どこまで真実でどこまで創作か分からないが、戦時下でも太平洋戦争に突入するまでの庶民の高揚感だけが漂うお気楽な雰囲気と、戦局が激しくなっていくにつれ坂道を転がるように悪化する空気の差も生々しさを感じた。

    1
    投稿日: 2014.09.12
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    初めはうーんって乗り気では無く読み始めたが、読み進めるうちに吸い込まれていきました。 人生は何が大切なのか、ほんと難しいですね。

    1
    投稿日: 2014.09.09
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    映画化された作品を観ていないけれど、多分テーマは戦時下の恋愛事件を軸にしているのではないか。 けれどこの作品で一番の読みどころは主人公タキが語る戦時下での人々の思いであり暮らしぶりではないだろうか。戦争を知らない私達は戦時中の暮らしと聞けば薄墨色に塗り潰されたような歴史の教科書の数ページを思ってしまうかもしれない。けれどそこには今の私達と変わらないごく普通の人々の暮らしがある。笑いもあれば夢もあり、かなりの贅沢もしてみせる。そんな人々に対する私達の感覚は「戦争をしている最中に能天気すぎるよ」と口を出す作品の中のタキの甥の息子、健史と同じである。しかし反面、戦争はごくごく普通の暮らしをしている時にでも平気な顔をして人々の暮らしと命を脅かす物なのだと言う事も知るのだけれど。

    1
    投稿日: 2014.09.06
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     女中奉公を長年続けてきたタキが書き始めた一冊のノート。それは昭和初期から太平洋戦争終盤近くまである奥様につかえ続けた記憶だった。  女中の記憶から語られる昭和初期の家族の姿から浮かび上がってくるのは、西洋の文化が本格的に日本に根付き始め、オリンピックや万博開催などで国民全体が活気づく様子だったように思います。  オリンピックや万博は戦争のため中止になるのですが、その時代ころからタキが女中奉公をしていた平井家の様子も徐々に変化していきます。その変化も劇的に状況が悪くなるというわけでもなく、一歩、また一歩と知らぬ間に戦争の影が忍び寄ってくるあたりが印象的でした。戦争をことさら悲劇的に描くのではなく、あくまで日常の中での戦争を、そして気がついたらその渦中にあった、という風に書かれていたのが印象的でした。    それだけ昭和初期のささやかで平凡な幸せも、平洋戦争にかけての庶民の日常がしっかりと書き込まれていたのだと思います。登場人物たちも本当にその時代にそんな人たちがいたような気持ちにさせてくれる、とても人間味あふれる人たちでした。  最終章も綺麗に話をまとめつつも、いろいろなことを読者の想像にゆだねさせる展開となっており、深い余韻が残る読後感でした。 第143回直木賞

    4
    投稿日: 2014.09.05
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    第二次世界大戦の戦前から戦後にいたるまで、おもちゃの会社の常務さんの家に雇われていた女中さんが書き留めた昭和モダンの香りをぷんぷんさせる一冊のノートに書き残された散文。散文に出てくる主人公が奉公していた小さいおうちに住む家族達が織りなす昭和のモダンな物語、そのなかにひっそり隠されながらも見事に描かれる奥様の秘する恋。 そのご夫妻が空襲でなくなった後に明かされる更なる秘密。映画かもされたがなかなかの傑作です。おすすめです。

    1
    投稿日: 2014.09.02
  • 戦争の頃の様子を女中さんの視点で綴っています

    女中さん、もうあまり使われない言葉かもしれません。 家政婦さんとも、メイドさんともどこか違う、(私のイメージは、着物に白いエプロン)老女が、若かりし頃の記憶をノートに綴っていくのですが、今まで読んでいた本と違い、情報を制限された中で生きてきた方々のお話だったのでかなり新鮮でした。こんな戦争もあったのかもとどこか今の生活に似たところがあるようでゾッとする部分もあります。それにしても最期の展開は衝撃でした。思わず前のページに戻り、エラーでないことを確かめたほどです。読み進めると納得のいくお話になっています。面白いですよ。

    5
    投稿日: 2014.08.30
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    きれいな日本語もあって、すごく面白く読み進めましたが、ラストにがっかり。 こういうのを「深い余韻」と感じる方にとっては良い作品なのかもしれませんけど、私はただがっかりしました。

    2
    投稿日: 2014.08.20
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    戦時下の一般市民の日常生活を描く作品ってありそうでなかったように思える。少しお金持ちの家のお話とはいえ、生活が少しずつ戦争にのまれていくも、そこにはやはり日常が続いていた。 手記を通しての過去の描写、そして現在へ。手記の中で動き回っていた人は、現実にはもう亡くなっている。不思議な構成であり、うまいのかそうでないのか、私には感じ取ることができなかったけれど、読後感はなんとも虚しい気持ちが残った。 マクロの視点ではなく、小さいおうちというミクロの視点で描かれたことで、どのような場所にも人はいて、個人として色んなことを考えてていたことがわかった。 タキの苦悩の末の優れた女中としての立ち回りがなんとも切なかった。

    1
    投稿日: 2014.08.19
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    直木賞ってまさにこうゆうの!情景が浮かぶ。でもタキさんの世界を想像ができない孫の気持ちにも近いものがあって。タキさんは「頭のいい女中」、でも本当は「普通の女中」になりたかったのかな。

    2
    投稿日: 2014.08.17
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    戦前から戦中にかけて、ちいさな赤い屋根の洋館で女中奉公をしていたタキさん。 あまり馴染みのない「女中」というキーワード。 徒弟制度・丁稚奉公等と同様に今は風化してしまったものですが、情のある主従関係がいいですね。 現代と過去を少しずつ行き来しながら、次第に物語は古き良き時代へ舞台を移します。 物語の最初でも出てくるエピソードですが、「優れた女中は、主人が心の弱さから火にくべかねているものを、何も言われなくても自分の判断で火にくべて、そして叱られたら、わたしが悪うございました、と言う女中なんだ」という先生の台詞がずしりと残ります。 どこか遠い世界の物語を読んでいるようでいて、DNAが懐かしがっているような、不思議な不思議な読了感でした。 お年寄りが当時の時代を偲ぶ気持ちが、すこしわかるような気がします。

    4
    投稿日: 2014.08.16
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    手元におく1冊。反戦、恋愛、戦前の生活史… 女性の視点からの戦争による悲しみは、声高なものより、胸に迫った。一流のものがたり。

    0
    投稿日: 2014.08.10
  • 女中さんの回想録

    直木賞受賞作。映画化もされたようです。 昭和初期から終戦までの家庭の風景や人々の心情を綴った女中さんの回想録。 あまり戦争の悲惨さは伝わってきませんが、やっぱりみんな戦争によって引き裂かれてしまったんですね。 回想録で終わるのかと思ったら、最後の数10ページで違ったドラマが。 こういう終わり方は好みが分かれるかもしれませんが、個人的には好きです。 ほんわか暖かい気分のいい読後感でした。

    4
    投稿日: 2014.08.02
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    戦前から戦中にかけて、ある裕福な家庭で働くことになった女中の物語。昼ドラのようなわざとらしいスキャンダルは無いが、戦争という外からの大きな変化と、家庭内のさざ波のような変化が織り混ざって、完全なフィクションとも現実とも言えない不思議な雰囲気が魅力。人は知らず知らずのうちに何かに制約されて生きていて、その制約は自分ではどうしようもないこともあれば、自分で作り出していることもある。「正しさ」「美しさ」「楽しさ」「遊ぶ」「学ぶ」ということはとても曖昧で自分でもよくわかっていないんだと自覚。

    1
    投稿日: 2014.07.30
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    じんわりじんわりと感動した。 戦争の前には、当たり前のように幸せな生活があった。 おしゃれでモダンな生活が。 今と同じようにおいしいものを食べ、銀座に出かけ、子どもにも受験があり・・・。 巻末の対談の中にあった、「バブル時代のことを、戦争に向かっていくときみたいで怖いと言ったおばあちゃん」の話、ドキッとした。

    1
    投稿日: 2014.07.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画予告できつい奥さまとその色恋みたいなものかと誤解していた。 時代の綺麗な風景、小物所、料理のこと、奥さまと女中の関係など好きなものが集まってた小説だった。 女中のタキさんの後半の勇ましさが嬉しく、それでも晩年の避けられない寂しさもあり、視点が変わる事で同じ人物でも別の見え方を教えられる。 最後の秘密まで詰まり、ある意味エンターテイメント作品。 飽きずに最後まで読むことができた。 これが映画ならなにを省かれ、何が残り凝縮されたのか気になった。

    1
    投稿日: 2014.07.23
  • よく書かれている

    昭和初期から戦争になるまで、女中さんとしてある家で働いていたおばあさんの回想録。と、その甥の後日談。 昭和初期の、お金持ちのおうちの生活や、女中さんが家族みたいに一緒に暮らしてることや、戦争がはじまったばかりの頃の、のん気な空気感がよく書かれてた。 戦時というと悲惨な苦労話が多いけど、女子たちは戦争が本格的になるまでは、のほほんとしてたんだなと。知らないって、幸せなことだなーと思いました。まるで、悪いものから守られている、幸せな子供時代がずっと続いているみたい。 「ハンケチ」「シチュウ」とか「ずいぶん経済に考えました」とか、当時の言葉遣いも面白いです。

    3
    投稿日: 2014.07.19
  • 本来ならドロドロの・・・

    ドロドロの昼メロ題材になってもいいかもしれませんが、著者の才能なのか、人物や情景はサラリと描かれる。が、内に秘めたるモノはしっかり受け止められる。「誰々はこう思った、こうした」という断定的な感情、動作表現はほぼない。だからこそ、奥深い感情がより一層感じられるのかもしれない。映画は原作を超えられなかったかも・・・?観てないのでなんとも言えません。

    2
    投稿日: 2014.07.18
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    太平洋戦争へと向かっていく時代、東京のある一軒家、そこで働いてきた女中の手記。 女中としての思い、守るもの、そして恋。 強く儚い想い。

    1
    投稿日: 2014.07.06
  • 回想でつづる思いで

    昭和初期の物語 小さな家を舞台に女中タキさんが回想でつづる時子奥様と人間模様、 女中タキと時子奥様のそれぞれ思い 哀しく寂しいが何か温かみがある。 睦子はなにを感じ取ったのか?

    1
    投稿日: 2014.07.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人(あるじ)を大事に思うあまり重大な過ちを犯してしまったかもしれない、と死ぬまで迷い悩み続けた主人公の気持ちに心を打たれました。

    0
    投稿日: 2014.06.30
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    面白かったー… 前半は昭和の暮らしの読み物として楽しく読んだ。今もある洋食屋さんがでてきたり、着物だったり。暮らしの手帳的なものが元々好きなので、その感覚で。 そして後半は、視点が変わって今まで見えなかった風景が見えるように。ああ、そうだったのか…と分かってからもう一度読むと、また違う色に見えた。

    1
    投稿日: 2014.06.28
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    映画の宣伝文句の印象でてっきり裕福な奥様の不倫を家政婦は見た的な内容かと思っていたが、全然違っていた。 時代が変わっても人間はそんなに変わってはいないのだと印象づけられた。 まずは戦争は悲惨なことだと分かっていても、それが目の前に迫ってこないと実感出来ないということ。タキは物資の不足に不便を感じていたという印象と後に防空壕に隠れていたかつての奉公先のご夫婦な亡くなったこと以外には戦争の印象は多く述べていない。 戦争によって人が変わってしまうという事に関しては 板倉さんが後にカルト漫画家になっていたのが象徴しているように感じた。しかし精神の拠り所として常に ”赤い屋根の小さいおうち”を描いており、彼もまた生涯独身を貫いたことに読者の想像をより一層大きくさせる。 印象的だったのが、同性愛も当時からあったという。 多分この小説の中では憧れが転じたものとしての方が大きいと思われるが・・・ 最後の解説で著者が好きな様に想像して読んでほしいと 書かれていたが、本当に様々な憶測ができる内容である。トキが語っている戦争前・中・後は本当に現実の世界に身を置いていた人が書いている様なリアリティを感じた。実際に戦場へ行ったり、徴兵された子供を送り出す家族ではなく、幼少から奉公に出され戦争は人伝えに聞いたり、新聞に書かれたことだけが情報ならば、タキの戦争に対する印象は全うだろう。 またそんなタキが時子奥様に憧れ、あの家を生涯自分が身を置く場所だと決め、結局結婚までもしなかったことに当時はそんな人生でも最高に幸せだと思えるタキの心情に切なさを覚えた。

    1
    投稿日: 2014.06.10
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    読み終えるまでにずいぶんとかかってしまった 映画の予告を見ずに読んだらもっと楽しめたと思う でも見なかったら読まなかっただろうな

    0
    投稿日: 2014.06.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    女中タキが、赤い屋根のおうちで奉公する姿が無くなった祖母と重なり何度も涙してしまいました。奉公=キツイではなく、タキは時子奥様のご家族に可愛がられ慕われ、タキもその思いに応えていく。戦前のハイカラな時代を私もタキと共に生きてみたかったなぁと感じました。

    1
    投稿日: 2014.06.07
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    最後まで読んで初めて、作品全体を捉えることができる小説。途中、話の筋がありきたりなメロドラマチックで退屈感あるものの、エピローグでしっかり締めてくれる作品でした。他の方のレビューでは、戦時中のことを作者はわかっていない、調べ不足だ、などと批判されてますが、私はこの作品において、戦争云々を取りざたする必要はないと思います。昭和初期の家制度、そのなかでの個人の生き方、現代にも通じる人の心を描こうとしたのではないでしょうか。

    0
    投稿日: 2014.06.02
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    とても素敵な物語。大切に読みたい、そんな本でした。 タキの目を通して生き生きと描かれる、昭和の日常。 タキが前向きだったからかな?戦争の暗いハズの毎日でさえ、キラキラと愛おしかった。 本当に素敵な物語でした。

    1
    投稿日: 2014.05.30
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    戦争中の市井の人々はこんな感じだったのかもと思うと とてもほっとした、というか救われた気がした。 昔から、戦争中は国民が洗脳みたいな感じになって 欲しがりません、勝つまではなのかなって思ってたから、 私たちと同じような生活を送っていて、 ゆるゆると戦争に巻き込まれていたならまだ良かった。 ちょっと退屈な時もあったけど、 基本的に文章が凛と聡くきれいなので読み進めていくことができました。 品のある言葉たちがタキちゃんそのもので気持ち良かった。 タキちゃんと時子奥様の奥ゆかしさと、 良い意味でのかしましさが可愛らしかったなあ。 あー、一気読みしたら最後もっと入り込めたんだろうな…

    2
    投稿日: 2014.05.29
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    良かった。タキと時子奥様、全然違う2人だけど、2人で1つのような妙にしっくりくる感じ。世の中が戦争一色になっていく中でも変わらない時子奥様と日々の生活。戦争と聞くと生々しく激しい様子しか浮かばないけれど、その中で日々を淡々と生きていく人達がいたんだなって感じた。最終章がいまいちピンと来なかったので・・・また読まねば。

    1
    投稿日: 2014.05.23
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    秘密秘密って、思わせぶりなわりに、わかってみれば、え?それ?みたいな感じだった。 まぁ、ほのぼのと言えばそんなゆるい感じのストーリー。

    0
    投稿日: 2014.05.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    漢字だらけの戦争を描いた作品や、原爆地にいた人々の作品は多いけれど(それはそれで読みがいがあるんだけど)、この作品のように戦争の真っ只中にいる一般の人々の生活を描いた作品は、あまり読んだことがなかった。新鮮というか、ああやっぱり当時の人たちは、今、私たちが感じているようには当時を過ごしていなかったんだなあと(考えてみれば当たり前のことかもしれないけれど)そんな風に思った。 そして、今、私たちがいるこの時も、その真っ只中なのかもしれないと怖くなった。振り返ってわかることは多いよなあ...

    1
    投稿日: 2014.05.22
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    第143回直木賞受賞作。 まず装丁が素敵。 古き良き時代の美しい人とその家族のことを、「お手伝いさん、家政婦」というと怒る、「女中奉公」のタキさんが物語る。 よい女中なくしてよい家庭はない。 当時のお料理の語りが興味深い。 まあみんにおすすめw ラストの手紙とタキさんの涙の謎が私には解けず。 再読時に私なりの答えが解せるといいな。

    3
    投稿日: 2014.05.18
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    映画の影響で松たか子さんと黒木華さんを想定したらすごくしっくりきた。映画も見てみたいな。 最終章のところで、それまでの流れからグッと変わって、すごくよかったな。新しい感じ。

    2
    投稿日: 2014.05.18
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    映画化されるということで借りて読んでみた。 戦争を舞台とした話だが、恋愛の話も書いてあった。昔の日本を写し出しているなあとも感じた。 私は戦争のことは社会科で勉強したくらいだが描写がうまくされていると感じた。

    0
    投稿日: 2014.05.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    佳いお話でした。 時代も同じである「永遠の0」と手法が重なるところもあるが、それ故に、歴史は見る側面が違えば、まるで別なものなんだなという思いを想起させる。あるいは両作品とも“現在”の作者が作り上げたお話なので、未来からの見方で歴史は如何様にも解釈できるということの証左になるのかな、とも思った。どちらの作品も事実であり、事実でないのかもしれないけど、あの大戦にて日本国民が1億総出で妄目的にあの結末に向けて猪突猛進したのではなく、時代背景としての戦争は戦争として、普通の市井の生活がそこにはあったんだなぁと思えるだけでも、このお話は作り話であったとしても、いい話だ。  結末も小説らしくてよいなぁ。近頃は筋書重視というか、単純に起承転結を並べ、しかも“転”で大どんでん返しでもなきゃストーリーではないかのような小説も多いけど、こうした余韻を楽しめる、味のあるお話は読んで良かったなと思える。

    1
    投稿日: 2014.05.08
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    タキさんという身近にいるおばあさんに、いろいろと昔話を語ってもらっている。そんな感覚で読み進みました。ハラハラドキドキ!的な本を読み終えた直後に読み始めた本だったので、最初は物足りなさも感じましたが、後半~ラストにかけて一気に読み切ってしまいました。最終章 え? おいおい! タキさん! 真相を教えてよ~~~!

    0
    投稿日: 2014.05.06
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    昭和初期のまだ女中さんや丁稚さんが普通にいた時代。 平和な日常が戦争によって破壊されて行ったと思うのだが、街の人達は不自由ながらいつもの日々を送っていた。正しいと信じ勝つと信じていたからこそかもしれない。密やかな恋愛も……。届かなかった手紙、告げられない思い。穏やかな文章の中で静かに燃えている。

    0
    投稿日: 2014.05.06
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    テレビでドラマ化されたのを知って読んでみた。戦争の時代の話であるが、きれいな恋愛(と言ってよいのかわからないが)の話であった。

    0
    投稿日: 2014.05.06