
総合評価
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powered by ブクログ妄想が膨らんでしまう読後感。 睦子さんの引用、残された手紙、賢い女中の寓話、 思わせぶりだけど語りきらない。
2投稿日: 2014.04.07
powered by ブクログ小さいおうちに隠されているのは奥様の秘密ではなく、タキちゃんと睦子さんの秘密なのでしょう?なんて口に出しては、野暮天だと思いますの。
1投稿日: 2014.03.28
powered by ブクログ登場人物が好きだった。何もかもなくしてポカンと心に穴が空いたような読後感。タキさんの口から語られないところもよかった。語れないと思うから。
2投稿日: 2014.03.24
powered by ブクログ昭和初期から戦時中の東京郊外の街が舞台。玩具会社の重役の家庭に奉公する山形出身の女中が自分の人生を振り返る覚書ノート、という体裁をとっている。 日中戦争から対米開戦そして終戦までの東京の世相の移り変わりを女中の視点で書いている。同時に不倫する「奥さま」に関する物語も編み込まれる。 読みすすむにつれ主人公である語り部タキの現代での生活も目に浮かび始める。 このノートの唯一の読者としてタキが想定している親戚の大学生との関係性もストーリーに絡んでくる。 終章の展開は圧巻。話のまとめ方としてそうもっていくか!と嘆息。中島京子の巧みな小説技法が屈指される。小説好きにすすめたい本。
1投稿日: 2014.03.21
powered by ブクログかつて東京の赤い屋根の家で女中奉公した頃を綴ったノートから当時を回想し、 タキさんの現在を挟みながらゆっくり展開していく作風。 戦前から戦後が舞台で、戦争の状況によって色々と変わっていく、 その時代の街や人々の様子、人間模様が中心の作品。 中でも戦前の様子がイメージと違い、一般家庭にもこんなにモダンですてきな 暮らしがあったんだと興味深かった。 そして仕えた家の人たちとの絆が深く、とても幸せなもので、特に奥様は キャラクターも含めて可愛かった。 良い女中がいなければ良い家庭にはならない、とは旦那さんの発言で、 だからタキさんは奥様の気持ちを秘密として隠し通したのかな。 最後、タキさん亡き後の甥っ子の行動が良い結末になっていた。
0投稿日: 2014.03.17
powered by ブクログ山田洋二監督がメガホンを取ったというのに、どうやら不倫ちっくなニュアンスを醸し出しての宣伝だったので手にとってみた。 山田監督に何の刺激が?と思ったのだけど、「ああ、そうか、」と山田監督らしいなと思うストーリだった。 戦前と、戦時中の日常を、家政婦として勤めてきた老婆が半生を振り返りながら、混沌とした情勢と自分の気持ちと関わった人たちの気持ちを凝縮して伝わってきた。 面白いストーリーとは感じず、共感も出来ず、ただただ、自分の選択について想いを問いた。そんな作品でした。
1投稿日: 2014.03.16
powered by ブクログ戦前の生活や風俗について、よく描けている。戦前というと、暗くて抑圧的と思いがちで建児の感想が今の人たちの普通だろう。その一方で男性たちの心情が物足りない。そもそも、「お好きでない」はずの平井氏はなぜ結婚したのか?世間体だけとは思えない細やかな愛情が見られるのに、美しい妻をもった苦悩や、嫉妬が全く感じられない。女性たちが魅力的なだけに、そこが残念
0投稿日: 2014.03.12
powered by ブクログどう感想を書いたらいいのか…最終章だけ、ちょっと納得いかないところが多々ありました。 戦前戦時中戦後の町の中の様子とか、きっとよく調べられたんでしょう、という印象はあります。 あの時代をテーマに、こういう視点で描こうというのは、珍しいし面白いと思ったんだけど…いかんせん。最終章がなぁ…
0投稿日: 2014.03.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あぁっ、映画の音楽がジブリっぽいって思ったら久石譲さんかぁ。 吉岡さんと妻夫木さんが出てるのかーと、読み終わってキャストを調べるなど。映画版は結構違うところが多そうですね。 音楽の先入観のせいで、風立ちぬみたいなアニメの映画になってもいいんじゃないかなって思ったり。 実写版のお家はちょっとイメージが違う~。 も少しやわらかなタッチが欲しい雰囲気。
2投稿日: 2014.03.04
powered by ブクログタキの視点から平井家を客観的に覗いてる気になって読んでたけど、最後で、家の外からの視点(紙芝居)とまったくかかわりない視点からの描写で、はっとなる。
1投稿日: 2014.03.03
powered by ブクログ山形から東京へ女中として上京してきた13歳のタキは、美しくかわいらしい時子奥さまのもとで、住み込みで働く。 戦争が本格化し山形へ帰るまでの蜜月、といってもいいでしょう、活き活きとまめまめしく働くタキは時子奥様が大好きで、昭和モダンな東京の街の様子も素敵で、戦争の影に怯えながらも、今よりもずっといい時間が流れていた様子が楽しい。 今に比べれば不便と思うことも、知恵の働くタキの様子にワクワクしたり、家事の工夫を見てとるのも楽しい。 防空演習の時に、もんぺ姿で颯爽と、ここはこうしましょうとか男の人と打ち合わせたことを述懐し、こういうのをキャリアウーマンというのだろうね、なんて、なんか可愛くて笑った。 時子奥様と板倉さんの禁断の恋模様は、タキの述懐だからだろうか何か一枚ヴェールがかかっていて、時子奥さまのふとした様子に色気を感じ、でもそれはタキの色気にも通じるものだと感じる。 印象的だったのは、鎌倉ですれ違った男性が口ずさむ与謝野晶子の詩・・・板倉さんという言葉はそこになかったけれど、はっきり明言しないタキの賢さなのかそれとも、陽炎に揺らぐ風景とあいまいな記憶、ページに挟まれた小さい色紙・・・ゆらゆらと記憶の中に揺れるひと言でいえば、せつなさ。 最終章ではまるで風景が変わってしまっていたけれど、タキのせつなさは、そこにも感じることができて・・・ おもしろかったなあ。 私は、執事とか女中さんが主人公のお話が好きなだなあと気がついた。カズオ・イシグロのも良かったし、猫村さんも好きだしー(笑)。
1投稿日: 2014.03.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画を見て読みたいと思い購入。 読みながらどうしても映画出演の俳優女優さんが浮かぶ^_^; タキちゃんの板倉さんへの想いが映画では出てたけど本では感じられなかった。 むしろタキちゃんは奥様が好きだったのかなと。 板倉さんの書いた小さいおうちの紙芝居が見たいと思った。 渦中にいる人が見る風景と俯瞰で見る風景の違いを最後の章で感じてそれは興味深かった、
1投稿日: 2014.02.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「ある種の頭のよさ」 「主人のために友人の論文を焼く女中」 正しかったのか、と時を経て問うことのできない 主人公の回想だから真実をすべて語っているのか。 しかし板倉氏が見た小さいお家は、第三者の視点だから。 数ページ、数行の歴史で知っている戦中と 庶民の戦中は違った雰囲気で、 徐々に戦争の影が忍び寄ってきたのだろう。 当時の「モダン」をしっとりと描いている場面が とても良い。 『帯が解かれるのが、その日初めてでないかもしれない』 という表現は色っぽい。
1投稿日: 2014.02.25
powered by ブクログ映画は見てないが、奥様とタキちゃんが予告編で見てしまったイメージで読み進めることに。 タキちゃんの一途な女中としての姿がいじらしかった。宛名のない手紙が開かれた時には、健史と一緒になってページをめくり直してしまった(笑)が、これをどう解釈すればイイのかが謎だ。恭一ぼっちゃんが優しいおじいちゃんで、生きててくれて良かった。
1投稿日: 2014.02.23
powered by ブクログ実家に帰ったら祖母が読んでいたので借りた。 戦前・戦中の生活を一般人の目線で描くという観点からは、無難にいい作品だったと思う。文体にも癖がなくて読みやすいし。 ただ、恋愛ものという認識がないまま読んでいたので、終盤ちょっと混乱した。オチがよくわからなくて(板倉に手紙を届けなかったのに、なぜ奥様と板倉が会ったという描写があったのか?)ネットで調べてしまった。タキの手記という体裁なので、全てを書かなかった/嘘を書いた、という可能性があるということで、一応納得。しかしそれを言い出したら全ての内容が信用できなくなってしまう気が。 あと、板倉の作中作、雰囲気がかなり好み。 気になったのは、甥のキャラがかなりネガティブに描かれていたこと。戦時中に正しい情報が民間人に知らされていなかったことは充分有名な話だし、世代によって価値観が違うことだって承知しているのが普通だと思う。共感はできなくても少しは遠慮してわかったふり位できると思う。甥が無神経にタキを批判したりバカにしたりするシーンは、どうせ若者は表面的な知識でしか物事を考えないとか、年寄りをバカにしているとか、作者が思い込んでいる・読者に思わせようとしているように思われて不快だった。大叔母という遠い関係にも関わらず、ちょくちょく顔を出したり、バイクの後ろに乗せてあげたり、かなり懐いてくれていると思われるのに、それに対する感謝はないし。まあこれに関しては、終盤で視点が変わると、他の人から見ると独善的で頑固という面も見えるので、それでフォローはされているけれども、どうだろう、大抵の人は単にタキに感情移入して終わりになってしまうのではなかろうか。一応祖母には、「若い人に対する偏見が強すぎると思う」と釘をさして?おいた。
2投稿日: 2014.02.20
powered by ブクログ個人的に「坊ちゃま」が子供らしくリアルでよかった。山手の坊っちゃん育ちで、一人っ子のわがままで、典型的なあの時代の愛国少年で。その坊っちゃんが80歳になって語る母の記憶と、語り手の女中タキからみた魅力的な奥様とはまた違う少年からの母親評。 坊っちゃんの話をもっと読みたかったな。
0投稿日: 2014.02.18
powered by ブクログ情景が想像しやすいし、日記を読んでいるような感じなのでさくさく読めます。 トキの後悔、謎が残りますがそれもまた想像力を掻き立てられます。 時子奥様は大事な時に着物をお召しになるのですが、その一枚一枚がどれも素敵で想像するのが楽しかった。
1投稿日: 2014.02.18
powered by ブクログ(14.02.18) 直木賞受賞作。 戦時中にある家で働いた女中、タキと、その奥さん、時子、息子の恭一を中心に描かれた一家の物語。 うーん…随所に良さはあるものの、はっきりしない内容に、何よりも終わり方がビミョーすぎる。物足りなさを覚えた一冊でした。
0投稿日: 2014.02.18
powered by ブクログ2014.2.17-7 昭和初期の戦時中の庶民の日常が女中の目線で書かれ、文学としての情緒あり、余韻も残す作品。
1投稿日: 2014.02.17
powered by ブクログ映画化されるということで手にとった一冊。 朝ドラのごちそうさんと時代がかぶるのですごくすんなり読めた。
1投稿日: 2014.02.16
powered by ブクログ今年10冊目。好きな作品の一つの仲間入り。戦時下の様子を、女性の目線で描いた秀作。戦争が、当初は遠くのお話であったものが、日常に迫りくる。語り口も柔かく、ユーモアもあるのに、切なく悲しい。戦争物で悲しい、というよりも、一家庭でささやかに起きた恋愛「事件」を軸に描くことで、ドキドキが募る。戦時下の日常の実像を学びながら、恋愛事件に切なくなる。美しい人の死も、突然に、誰に知られることもなくそこにある。激動の時代を生き抜いた末に、一人寂しく閉じる人生もある。当たり前の、人間それぞれの人生を、今更ながら読んで実感する。いろんなことは移ろい消えてゆくけれど、その時そこであったことや感じたことは、それぞれのささやかな人生の中に、ちゃんとある。私は、タキが奥様を慕ってる様子も、奥様の美しさや動揺も、全部好きだなあと思った。映画も見てみたいなあとは思うけど、やめておきたいなあとも思う。松たか子はイメージぴったり。吉岡秀隆はちょっと違うかなあ。
1投稿日: 2014.02.16
powered by ブクログ永遠の0で戦争の現場の様子を読んだあと、この本で国の中で過ごす一般人から見た戦争の様子と こんなにも違うものなのかと驚いた。
0投稿日: 2014.02.13
powered by ブクログ昭和の初め普通の人がどんな風に暮らしどんな楽しみがあったのか、回想として女中のタキの目線で色鮮やかに語られていく。 私が想像していたよりずっと満ち足りた時代で、とても楽しい日常がわかる部分は読んでいて楽しい。 その幸せなで平凡な日常にそっとそっと静かに戦争の影響が忍び寄ってくることが怖さを感じた。 戦争だけではない色んな事が絡み合っていて読み応えがありました。 読んでよかったと思う。
4投稿日: 2014.02.13
powered by ブクログ結構前に買ったのに途中で飽きて投げ出していた本作をイチから再読。 映画公開中につき方々で評論を聞くにつれ、思っていた話と違うオチがつきそう!と知り、急に興味を抱き本棚の奥から引っ張り出してみた。再読して良かった!! 平和な前半と様々な人の思惑が交錯し、戦況も悪くなる後半との対比が何ともブラック。 そして、ちょっとゾクッとするようなタキの秘密にため息。 とてもセンスよく、小粋にしてやられた感があり好きな作品。
1投稿日: 2014.02.12
powered by ブクログ映画の番宣を見て、読みたいなーと思い、読みました。 戦争時代の話ですが、戦争戦争してなくて、読みやすかったです。 映画は、見ないかなー。
2投稿日: 2014.02.12
powered by ブクログ映画を観た後、原作を読んでみた。 昭和初期、地方から都会に女中奉公にでたタキのお話。 戦後生まれの私は、映画を観てピンとも来なかったんだけど、原作を読んで、復習の意味でもう一回映画観ても良いかも…って、思った。 戦中は、何かと暗い陰湿なイメージだが、日本に残った人々は、それなりに逞しく生きていたのかもしれない。 戦争があった時代の昭和だが、やはり昭和はステキな時代だった。 この作品は、読み終わった後に何か心に残る。 作者はそれなりに戦争を知っている人かと思っていたら、戦後生まれの人でびっくりした。 '14.02.11読書完了
2投稿日: 2014.02.11
powered by ブクログ昭和初期、女中奉公にでた少女タキが、ある家族の歴史を綴ったノートが意外な形で世に出てゆく。最終章が深い余韻を残す作品。この本を読み終わって感じたことは、とにかく戦争は怖いということだ。戦争の描写は少ないのにそう感じてしまうのは、今ほどではないにしても、恵まれた環境で、恵まれた生活をしている普通の家族が、知らず知らずのうちに戦争に巻き込まれていく状況が描かれているからだ。今の私たちもいつでもこうなる危険性があることを忘れてはいけないと思った。
2投稿日: 2014.02.11
powered by ブクログ戦前のことが鮮やかに書かれていて雰囲気の良い作品。昔の女の人は今と全然違う。役割や理想なんかが。今とどちらがいいというわけではないけれど、奥ゆかしさや嗜みの良さを見習いたいと思う。
1投稿日: 2014.02.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
昭和初期。 中の上流家庭に女中として奉公したタキの自分史を軸にしたストーリー。 最初起伏のない流れになかなか読み進まず・・w。 結局返却期限が迫って焦って読み終えたのですが、読み終えてみるとしっとりした満足感。 まるで昭和モダンな絵画を見たような風景が心に焼きつく感があります。 戦前から戦後の女中目線の時代の移り変わりもとても新鮮。 慌てて読み終えてしまったので、タキと時子奥様の心情の移り変わりが読みきれなかったなぁ。 おうちのモダンなつくりや奥様のお着物、夏の鎌倉の避暑の様子などをどんな風に彩って描いてあるのか、映画も気になりマス!
4投稿日: 2014.02.08
powered by ブクログ映画の予告を見て、面白そう、映画で見る前に原作を と、手にとったこの本。 これ、とても好き。 世の中の流れと、日常と、 どことなく隔離されたこの感じ、なんだかよくわかる。 戦争が絡んでくるのでどうなるんだろう?と思いながらの 最終章、入り口で、ん? さらに読み進めて気づく入れ子方式。 この時代のこういうことを 自分と直接関わった人から聞くということが もう今後はどんどんできなくなるんだよな、と 最近よく思う。 それはとても大きな喪失だ。
3投稿日: 2014.02.07
powered by ブクログ昭和の戦争の時代は何も物がなく貧しい暮らしというイメージがあったけど、そういうわけじゃなかったんだと思った。最後はすごく考えさせられた。
2投稿日: 2014.01.31
powered by ブクログ他の戦中の話とはちがう視点で書かれている。 私の感覚だと甥が疑問に思うところと被っている事が多い。 最後まで引き込まれるように読んだ。
1投稿日: 2014.01.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とても繊細で、優美で、美しい文章。 品がよく、かといって気取っていない そんな文章を久しぶりに読みました。 ** アイスクリームにカリーライス、デパート、洋装、ブリキのおもちゃ… 華やかな時代に、少しずつ戦争の影が近づいていく… 「聞いて」「読んで」知っている戦争に この家は、この人達は、どうやって巻き込まれていくのだろう。 はらはら、心を休まることなく読み進めました。 東京の奥様のもとで、女中として働くタキ。 器量はいまいちだけれど、彼女の明るさは本当に魅力的。 自分の芯をしっかりと持ち、素直で、でも頑固で。 きびきびと、与えられた場所で働く彼女の姿を見て、 「どう生きるか」大切さを改めて思い出しました。 結局、真実は闇の中。 けれど、それでよかった。 「真実」は人により、時代により、形を変えていくものだから。 けれど、あの家で起こった出来事と、思い起こされる気持ちは 決して色褪せることなんかないんだろうと、思う。 ** あとがきにある 「学校で歴史を学んだときは、「戦争を生きる人達」がいるのだと思っていた。 けれど、それは間違いで あの時代を生きた人達は、私達と何も変わらない」 という言葉にはっとしました。 「見て」「聞いて」育った戦争もまた、真実じゃないんだよなぁ。
2投稿日: 2014.01.29
powered by ブクログ前から読んでみたいと思っていて、映画化をきっかけに読んでみました。 予告編を見て、結構大事件があるような期待を変に持ってしまったので、 あれ?って感じでした。 私の読み方が足りなかったのか、期待値が高すぎたのか・・・。 もう一度読み返したら、いろいろ分かる部分があるかもしれません。 世界観は良かったです。
0投稿日: 2014.01.28
powered by ブクログ映画を観てから読みました。 正直言って映画よりも原作の方が全然良いです。原作を読んでから映画を観たら、あまりの落差にガッカリしたと思う。最後の終わり方も色々考えることが出来て楽しめます。 女中の視線や、戦争の感じ方が新鮮でした。著者が1964年生まれということも驚きです。てっきり戦前生まれの方の作品かと思って読んでいました。
1投稿日: 2014.01.27
powered by ブクログ戦争に向かう馬鹿な?男達の高揚と、 言葉は悪いけど女子供の現実感… その狭間での、いろいろな想いが混ざった恋愛感情… 構成も上手で、最後も想像の世界… せつなくて…深い…
0投稿日: 2014.01.24
powered by ブクログ気になってはいたけど直木賞受賞作だから何となく読む気がなかった。でももっと早く読んでいればヨカッタと思う本。
2投稿日: 2014.01.24
powered by ブクログ山田洋次監督によって映画化されるとあって、手にとってみたこちら。映画のキャッチコピーから勝手にミステリー的な要素の強いお話かと思っていたら、そんなことはなく、“女中”タキの自分史的な淡々とした物語。 太平洋戦争の影が忍びよるこの時代を、一介の女中が淡々とその生活を綴っていて、それになんとも引き込まれてしまった。私が女性だからなのか、こういう家庭生活を軸にしたちょっと能天気までなこの時代の描き方が新鮮だったし、ある意味これもこの時代の真実なんだろうなぁと。 映画も観てみたい。
0投稿日: 2014.01.23
powered by ブクログ一気に読んでしまいました…。 丁寧な言葉で書かれた文章がしみてくるとゆうか、上品で、それは作中の時子奥様のイメージとでもいうか。 本誌で途中まで読んでいて、続きが気になっていたお話でした。 最後の一頁まで読めて、満足してます。 評価は★3ですが限りなく4に近いものです。 面白かったです。 今度映画化されるそうで、そちらも楽しみです(^_^)
0投稿日: 2014.01.21
powered by ブクログほっこりしながら読んで終盤は切なさが残る感じでした。 戦時中ながらもゆったりとした時間の流れが良かった
2投稿日: 2014.01.20
powered by ブクログ最近、最後に石川県を出す話をよく読む。笑 最後の手紙はどう解釈したらよいのだろう? タキちゃんが後悔のあまり話を改ざんしたのか、 それとも、そんな手紙などなくとも2人は本当に出会ったのか。
0投稿日: 2014.01.19
powered by ブクログ2014.1.19 読了。戦時中の話。しかし、戦争の暗い影があまり感じられない。第二次世界大戦において日本は負け続け、国民も食糧難にあえいでいたというイメージを持っていたのでなおさらだった。タキによる物語は表紙の絵のように、「守られたもの」を描いているのだろう。女中に対する印象も大きく変わった。このような形の深い信頼関係も良いなあ。うらやましい。今時こんな関係はなかなか実現しないだろうから。「いつのまにか、わたしの毎日は、たいせつなことを追い越した」(289頁)里に戻った後の、空虚なタキの姿がどこか寂しく、やるせない。映画もみたくなりました。
0投稿日: 2014.01.19
powered by ブクログタキさんの目線と芯のぶれなさが好きです。 火にくべることも、ときにはくべずにいることも、両方大事で選択は本当に難しい。
0投稿日: 2014.01.17
powered by ブクログ戦前と戦後の日本の様子を女中タキの目を通して イキイキと描き切っている本作品は、不思議な魅力にあふれており 坦々と物語が進むのに対して、ページを捲るのがもどかしいくらい 次が気になった。 また、読んでいる内にタキの思い出ノートを覗き見する甥の次男坊 健士のような気分になってくるのも面白く、ノートを勝手に読んだ 健志が、タキに茶々をいれているのも、現代の表現と対比されていて 微笑ましかった。 そして全ては小さいおうちで起こった当事者だけが知る秘密であり 傍観者は、ただただ推測することしかできないという点も面白かった。
0投稿日: 2014.01.13
powered by ブクログ映画化される事をテレビで見て、前に読んだ事を思い出した。ストーリーは既にだいぶ忘れてしまったが、テレビインタビューで監督は「古き良き日本の家族のあり方」を賞賛していたが、こういう女中奉公ありきの家族ってどうなの?女中さん自身の家族は?という疑問を感じる。
0投稿日: 2014.01.13
powered by ブクログ永遠の0を読んだ時も思ったけれど、もっと戦争を知らなくちゃなと思う。この本を読んでて感じたけど、実際も大丈夫だと思っていたのに、いつの間にか戦争が近づいてきたんだろうなというのが1番印象的。お話は、たんたんと、でも程よいスピード感で読みやすかった!
0投稿日: 2014.01.12
powered by ブクログ「始まったものはいつか終わる」とても印象に残った言葉。 人の心はわからない…あくまでも想像するのみ。 あの時のタキさんの涙は?
0投稿日: 2014.01.12
powered by ブクログ昭和時代の女中タキちゃんと、奉公した時子奥様、ぼっちゃんの話。 戦後の日本の様子も知れて、おもしろい。 タキちゃんが書いたノートを、甥っ子が読み、ラストへつながっていく。タキちゃんが渡したかったブリキのジープを渡せた時、ジョージイタクラの記念館のちいさなおうち、点がつながって線になっていく感じが気持ちよかった! タキちゃんの後悔がなんだったのか、いろいろ想像するのも楽しいお話。
0投稿日: 2014.01.11
powered by ブクログ2014.1.10 映画キャストの黒木華さん、去年の世にも奇妙な物語に出演してたのを見て可愛いな〜と気になっていたのがきっかけで、梅田の本屋で仕事帰りに疲れでふらつきながらレトロな装丁とコピーに惹かれて映画予告の雰囲気を思い出しながら買いました。たいてい本は途中で飽きて放置して半年以上かけて読む私ですが日記の口調が読みやすく、今週の3.4日で読み終えた。 女中だったタキおばあちゃんが当時を綴った昭和初期の物語が懐かしく、楽しく、寂しくて悲しく、美味しそうで、切なくてロマンチックで可愛くておかしい。私にとって憧憬がありました。 甥の健史のツッコミや最終項、作者対話でどうしても研究資料みたいな印象になっちゃって、どこまでを自分の感想として捉えればいいかという点で迷った。(映画の原作だからという認識があってかどうか)とても映画にしやすそうな構成だとも感じた。(映画も早く見たいけど原作読んだ映画は見れなかった傾向があるので注意。。) 感情的な感想は、タキさんの時代の様子や念が美しく同感できてすっと入ってきて大切に思え、胸の内にしまって大事にしたい。秘密を暴く外側からの物語となる最終項以降を除いて繰り返し読みたい。 八重の桜の後の時代、朝ドラごちそうさん、祖母が小さい頃と同時代のお話で、明治維新からの発展の仕方や戦前後の町の様子、人々の生活とか、教科書で学べないことも多く、(こういうことは本中でも表現されているが)その時代を知ることができた点も面白かった。何よりウチで祖母を筆頭に行っている年末年始の慌ただしい様子は過去はもっとああだったんだろうと彷彿させるシーンがあり、祖母とタキちゃん(の時代)がリンクし心動かされるものがあった。
0投稿日: 2014.01.11
powered by ブクログ最終章で、それまで読んできた印象がガラッと変わった。ちょっと衝撃だった。最終章がなければ特にどうってこともないお話で、最終章がなければ成り立たない。最終章にやられたカンジ。
2投稿日: 2014.01.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画化をきっかけに読む。 読んだ後、本を抱きしめたくなるような一冊。 戦前、このように生きた人もいたのかと 時代のイメージが変わるほど 賑やかで楽しげな昭和初期を背景に 全てを説明しきらずに浮き彫りになる 人間関係。 タキちゃんの、ユーモアのある文章にときどき笑わされる。 せつなくてかわいい一冊。 読んでよかった。 映画もみたい。
2投稿日: 2014.01.06
powered by ブクログ祖父母はこういう日本で生まれ育ったんだなぁと、昔の古き良き日本の暮らしを新鮮に思いながら読んでいたら、その平凡な日常に少しずつ変化が起きてだんだんそれらが明らかになっていって… 飽きずにさらっと読み切れました。 日常を軸に、戦争のことや恋愛や昔と現代の日本の違いやらをうまく織り交ぜてある、素敵な作品。 また読もう〜
0投稿日: 2014.01.05
powered by ブクログ借りて読みました。 戦争時代の本や映画は好きではなく、あまり気が進みませんでしたが、読んでみると全く暗くなく、嫌な気持ちになることもありませんでした。 良い話でした。
0投稿日: 2014.01.04
powered by ブクログひっそりと静かな物語だった。映画が楽しみで読み始めたんだけど、思ったよりも普通だったなあ。 当事者の感情に触れられないひそやかな恋愛も、だからあまり理解できず、その切なさが伝わりにくくて。 直木賞作品だけど、いつもいつも、こんなんで??と思ってしまう…。
0投稿日: 2014.01.03
powered by ブクログ文章がすごく読みやすい。一人の人を通しての時代の移り変わりだとか、ひとつのおうちの変化が描かれていて、とても綺麗な物語だと思った。読んですっきり爽やかな気持ちになれる作品。
1投稿日: 2014.01.02
powered by ブクログ昭和5年の春。山形の尋常小学校を卒業したタキは、東京に女中奉公へ出た。やがて最初の主人から紹介され、若く美しい奥様、時子に仕えることに。時子を慕い、一途に仕えるタキ。それゆえに、ある事件に気づいてしまう…。 晩年のタキが、本人いわく「心覚えの記」執筆しながら当時を回想していくのだが、最後は甥の子健史にすべてを託し、不思議な余韻と謎を残して終わる。 こういう、最終的な解釈は読者にゆだねる、みたいな終わり方は苦手なのだが、それよりもイタクラ・ショージの記事の部分などがちょっと冗長に感じて気が散ってしまった。 本体部分(?)が良かっただけに残念。
0投稿日: 2014.01.01
powered by ブクログその時代(戦前・戦中・戦後)に生きたひとのリアルな心情と生活、世の中の動きが読んでいて印象的で、スイスイ読めた。 絵本『ちいさいおうち』を思いタイトルで手にとったので、つながりが見えてきたときは嬉しかった。
0投稿日: 2013.12.31
powered by ブクログ心にズシンと来る小説。読み切ると、語り手(女中タキ)の人生を追体験したかのように、コレまたズシンと来る。 自分が女中として一番幸福に過ごした「小さいおうち」とその家族。そして異変。 戦前と呼ばれる時代にも、人々の平和な日常も、今に通じる異変も確かにそこにあった。 物事の本質を見抜いていながら、女中としての立場から、そして大きな後悔から、それらが大っぴらに語られることはない。 読んでる側は、もしかしたら、、と推測しつつ読み進み、後々、やっぱりね、と納得する。そういう意味で本作はミステリーと言えるのでは。 あと、タキの最期が余り幸せそうでなかったところに、作者の「甘くない」現実主義を感じた。ただ、孫の存在がタキの人生を完結してくれたような、救われたような温かさも同時に感じる。 途中語り手が変わった箇所は、巧い!と思った。 人は最期を迎える前に、自分の人生の証を何かで遺したいものなのか。 様々な思いが余韻としてやってくる。 映画も是非見に行きたい。
2投稿日: 2013.12.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画化されるらしいとの事で、イメージが着く前に読んでみた。あぁ、そういう事だったのか、とお手伝いの女性がいじらしく、切ない読後感だった。後で知ったが、女主人は松たか子が演じるらしい。まあ、悪くはないけど、ちょっとイメージが違う。先に読んでいて良かった。
0投稿日: 2013.12.20
powered by ブクログ昭和初期の風情を、女中タキの慇懃な語り口で綴られており味わい深い。辛い戦争描写より、慎ましくも楽しい日々が描かれておりとてもリアルに感じた。 最終章の語り手が交代した後に語られる不鮮明な真実にジンとくる。 来年公開の映画に少し興味がわいた。 このお話って半分実話なのかな?
0投稿日: 2013.12.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
嗚呼、無情にも戦争は赤い屋根の小さな家のささやかな幸せすら摘み取ってしまうのか。 慕う時子奥様の死すら知らず疎開学童の世話に明け暮れるタキの姿に思わず涙した。 私も健史と同じように戦前の日本が豊かで幸せな日々を送っていたことを知らなかった。 平和で豊かな日々が、知らず知らずのうちに戦争に引き込まれ日常が破壊されていったことに背筋が寒くなった。 今の幸せも、いつの間にか戦争に引き摺り込まれ破壊されてゆくのだろうか。
0投稿日: 2013.12.12
powered by ブクログ読んでいる最中、この作者は戦争の時の日本の姿の他に何が伝えたいのか、どうして直木賞なのかと考え続けた それくらい山はない だけど、最後でやっとわかった 文章だけでないビィジュアルもキーだった ちょいホロリ。
3投稿日: 2013.12.09
powered by ブクログバートンの「ちいさいおうち」は小学校の図書室の蔵書としてあり、当時とても人気があったと記憶しているが、私自身は余り面白いとは当時は思わなかった。今にしておもえばなかなか味のある話のようにも思えるのだが。 本書は当然バートンの絵本を執筆のモチーフにしているのだろうけれど、内容は余り関係ない。個人的には余り楽しめる内容ではなかった。このような時代背景を描いた作品にしては、戦争の影を極力除いているという点でユニークな内容といえるのだろうけれども、なんというか、人間のあまり美しくない部分が描かれていて、カタルシスが得られない。それも中途半端で心に訴えるものがないように感じた。太宰治の斜陽をかなり甘くしたような感じだろうか。
0投稿日: 2013.12.08
powered by ブクログ人様の日記を読むような気持ちで、読み進んでいって、描写がとても細かいので、頭の中で想像しやすい。 歴史の中でしかしらない出来事。そんなのんきなわけがないという甥っ子の言葉は、確かに実際経験のない私からしてもそうだ。なので、余計にこの時代を生きたタキさんの話が興味深かった。
0投稿日: 2013.12.04
powered by ブクログさらさらと読めました。 でも、映画化するような本とまでは思わないけれど、どういうふうになるのか、楽しみじゃ
0投稿日: 2013.11.21
powered by ブクログ激動の昭和初期を、モダンな創りの小さいおうちの女中として尽くし勤めた、女中タキさんの回想録。とても読みやすく、リアルな描写はまるでその時代を一緒に生きていたかのような気持ちになる。ネタバレはしませんが、それぞれが懸命に生きてきたことがよくわかります。文中の“女中の基本は「気は心」“ の一文に妙に感心し、そのページに栞を挟んだ。女中でなくとも大切な事。さすが直木賞受賞作です、もちろん映画も観に行きます。
0投稿日: 2013.11.19
powered by ブクログこの当時の人間関係は直裁的じゃなく、一見淡白そうに見えても濃密で余韻をを残すものだった。だからこそ想像力をかきたてられる。
0投稿日: 2013.11.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
赤い三角屋根の家で美しい奥様と過ごした女中奉公の日々。ノートに隠されたひそやかな恋愛事件。60年以上の時を超えて、語られなかった想いがよみがえる――。 女中のタキの視点から戦前〜戦時中の様子が語られると、意外に暗いことばかりではないのがちょっとびっくり。 むしろ楽しい日常を過ごしていたなか、徐々に戦争に飲み込まれていったという感じ。 小さいおうちの奥さまの秘めた恋愛が昼ドラちっく! 最終章では小さな偶然も重なり…。 とても好きな話でした。 映画でタキを演じる黒木華さん、好きなんだよね♪これは観に行きたいなぁ。 2020.5.19再読 昭和初期の生活を知るのが好きだって、改めて気がついた。 髪に丁寧にコテをあてて椿油を塗り、銀座にお買い物に行ったり。 シチュウなんて作っていたんだ!パンも一緒に。 昭和初期って、文明開化で入ってきた西洋の生活様式が成熟し始めた頃らしい。 (田舎では違うけど) 「東京會舘とわたし」でも思ったけど、日中戦争が始まった頃はあまり戦争の感じはないんだよね。 昭和12年、南京大虐殺が行われた頃。招集された人もいたけど、『南京陥落セール』なんてやってて、百貨店で普通に買い物できていたんだ。 鎌倉観光に行ったり、太平洋戦争開戦後もスキーに行ったりしていた。 本土で戦争が始まる前はまだ余裕が見られたんだなぁ。
2投稿日: 2013.11.05
powered by ブクログ直木賞を取ったときから、読みたかった本。 本当に賢い女中のおタキさんが、お墓の中まで持っていった秘密。 しかし、奥様を思ってしたそれが、罪悪感となってタキさんを苦しめる。 今は亡い、美しい奥様と女中の絆の強さという部分では感動的。 ただ、この物語はもう少し複雑だと思う。 晩年のタキさんが書いた手記の体裁なのだが・・・ 手記の読者である甥だか姪だかの子、健史の存在が複雑にする。 当初、タキの手記の批判的な読者としてあらわれる健史。 昭和初期がそんな明るい時代であったわけはない、おばあちゃんは分かっていないと、後世の者が、その時代に生きた人を批判する。 (ちなみに、昭和初期が消費文化が爛熟した華やかな時代だということは、もう常識になっているように思われるが) いわば、浅薄な傍観者として登場してきたこの人物が、最終章になって突如物語の中に現れ、締めくくってしまう。 かなりびっくりする展開だった。
0投稿日: 2013.11.04
powered by ブクログ小説って、お話って、なんておもしろいんだろう!と素直に思わせてくれたこの本を読んだのは、2回目だった。最初に読んだときも感想は「すっごくおもしろかった!」。もうそれに尽きる。頭の中で登場人物たちがいきいきと動きだし、彼らを見守ることしかできな私はそれでも必死で見守る。ああ、彼らはどうなっていくんだろう、というドキドキワクワク感で頭も心も満たされる。物語が終わりに近づくつれ、左手で持つページが薄くなるにつれ、感動は深まっていく。もう少しで終わっちゃうということを視覚で感じる紙の本の醍醐味。何もかもが好みにバッチリ合った一冊だった。
2投稿日: 2013.10.31
powered by ブクログ移動中にじわじわと読んでいたのですが、作中の時間経過もじわじわと進んでいたのでこの読み方で合っていたんだなあ、と読み終わってから思いました。 人が死ぬのはいつだって急で、それはどの時代のどんな状況でもきっと同じなのでしょう。
0投稿日: 2013.10.29
powered by ブクログ平易な文章で昭和初期の一般人の生活(まぁ裕福な家庭だが)を覗き見ることができた。タキちゃんと一緒に私も赤い屋根のおうちを慈しみつつ読み進んだ。明治生まれの私の祖母も幼い頃から奉公に出ていたときいたが、もうその体験をきくこともできない。そのことを残念に思った。
2投稿日: 2013.10.22
powered by ブクログ小さいおうち・きかんしゃやえもん・ちびくろさんぼ 古本屋でこの文庫を見つけ、昔、こどもたちに読んであげたあの絵本のことを思って思わず購入しました。ワタシが小さい頃にも、小さいおうち・きかんしゃやえもん・ちびくろさんぼはよく母に読んでもらったものです。映画になることを知ったのはそのあとでした。 ほんとうに素晴らしい一冊でした。内容がぐっとつまっていて、このごろの作家さんの本のようにじゃんじゃん読みすすめることはできませんが、少しずつ残り頁が少なくなるのが惜しい気がしました。教科書からではなく、日々を暮らす女性の目から見た戦争前後の日本の空気がよくわかります。タキさんの奥さまへの恋とおぼっちゃまへの愛がじんじんと伝わるほんとうによい作品でした。
1投稿日: 2013.10.09
powered by ブクログ昭和の戦前。女中タキが自分の半生を綴った記録。平井家の女中として働き、戦争が忍び寄ってくる中での日常が描かれている。最後はこの日記を読んでいた甥の健史の手記に変わり、物語が急展開する。最後の部分がすごく良かった!
0投稿日: 2013.09.30
powered by ブクログ女中さんの視点から戦前戦中の東京の中流家庭の暮らしが描かれていて、とても新鮮。戦前にも確かに平和と発展を願い疑わぬ明るい社会があったのだ。実らぬ恋、悲しい別れ、語り尽くせぬ苦労はあったけれど、戦前と戦後はつながっていると教えてくれる。視点はまったく異なるが、百田尚樹の「永遠の0」と通じるものを感じる。
0投稿日: 2013.09.16
powered by ブクログp280 どう言ったらいいのだろう、そこは、平井家のお勝手だった。 と読んだところで、無性に泣きたくなった。
0投稿日: 2013.09.15
powered by ブクログ来春、山田洋次監督で映画として発表されるというので。最晩年にこうした家庭生活の舞台で、人間の何を描くのかを知りたくて。今年の「東京家族」は好きな映画。
0投稿日: 2013.09.14
powered by ブクログバージニア・リー・バートンの絵本「ちいさいおうち」が大好きで、題材になっているのならぜひ読みたいと思っていた本。 昭和初期と言えば戦争、事変、侵略、協定、戦闘機、空襲、原爆…そんな暗いイメージしか持っていなかった。歴史の授業でそればかりが取り沙汰されるのだから当たり前だ。 でも、一般の人たちには穏やかな生活があって、街には華やかな彩りがあって、むしろ現代の日本よりもすべてがキラキラと光っていたかのように思わさせる。それはこの本の当時の情景の描写がとてもイキイキとしていて、魅力的だからだろうと思う。 主人公である女中タキちゃんの作るお料理もとても美味しそうな物ばかり。 中学校くらいの歴史の授業で教材として使ってもいいんじゃないかと思う。 ただ、主人公タキちゃんの苦しい程に泣きたくなる後悔は、1度読んだだけでは理解できなかった。もう1度数ページ手前から読んでみたものの、やっぱり謎が残ってモヤモヤする。でも、そのモヤモヤは決して気持ちの悪いモヤモヤではなくてサッパリして気持ちのいいモヤモヤ感。 読み手の想像力を掻き立てて、もう1度読みたいと思わされる。
1投稿日: 2013.09.10
powered by ブクログよかったー☆戦争が始まる前の時期の人びとの暮らしというのは暗い影が迫ってきてる感じって勝手にイメージしてたんだ。 でもそうなんだなと。戦地に行ってないひとたちの生活っていうのは敗戦間近になるまでは今と同じ感じだったのかも。 戦争のこととか政治のこととかはあたしが考えることじゃなかったっていうタキの言葉にはなんかとても納得した。 恭一ぼっちゃんのこととか奥様のことそれで頭がいっぱい。 それは全然悪い事じゃないのになー と思うけどでも今はもっと考えなきゃと思う。 それは情報量とともに政治の在り方が変わってきたからなのかもしれない。 市民が参加するもの、できるものって なんか何でみたのかとかは忘れてしまったけど、戦争はいつのまにか自分とは違うところで始まっていつの間にか終わってしまっていたというふうなことを言っていたひとがいて、そうかこういうことなのかって思った。 この本の昭和の風景はとても華やかで魅力的で、タキさんが作るご飯はほんとうにおいしそうだった。作者の取材力、筆力に感動。 最後の誰も読む事がなかった手紙にも睦子さんが引用した吉屋信子の小説の一節にもすごい符に落ちることろがあった。 時代に関係ないところもあるのかもしれないけど、でも戦争がなかったら彼女たちの人生の悲しみを抱える量は断然減ったのかもしれないな。 てか山田洋次監督で映画化されるらしく、でもこれ映画化するってほんと難しいと思うから見たいような見たくないような。 でも見たいような。。。
0投稿日: 2013.08.20
powered by ブクログこの小説の面白さは最終章に詰め込まれてるんではないかと思います。戦争中の話は読まなきゃいけないと思いつつやっぱり重くて途中ちょっと辛くなったりするんですけど最終章までがんばって読んでください。それにしても昔の、もしくは昔風に書かれた小説の恋愛模様はストレートな言葉を使わない分想像力がかきたてられて返ってなまめかしく、切なく感じますね。
0投稿日: 2013.08.20
powered by ブクログ2013/08/16 最終章が語られることによって、この作品がとても余韻を残す作品になる。 映画されるってどこかで見た気がするんだけど、どんな作品になるのだろう。
0投稿日: 2013.08.16
powered by ブクログもう今はない『女中』として、昔勤めていたあの頃。 その記憶を綴った、1冊のノート。 本人にとって、遠くとも鮮明に思い出せる記憶。 家族よりも長い時間を共にした、奥さまとの日常。 淡々として、何事もない平和なそれは、少しずつ 戦争のせいではなくぶれていったもの。 今を生きている人間にとって、甥の疑問や態度の方が 共感できるものがあるはずです。 しかしその当時を生きた人間にとって…しかも起こった事よりも そうなった経緯の方がのんびりとしたものなのは当然です。 何せ、自分達が負けるはずがない、という考えを土台に 生活していたわけですし。 ただの日常は、危険な事もなく、ただのんびりと変わりなく。 事件といえるものは、多分…あれだけ、かと。 自分史、という感じなので途中飽きてくるかとも思ったのですが そんな事もなく、きれいに最後まで読み終わりました。 しかし手紙…一体どういう事なのでしょう? 伝言を届けたのか、それとも偶然やってきたのか。 読解力が足りない?
0投稿日: 2013.08.16
powered by ブクログ小さなユーモアと謙虚さ、そして女中としての誇りの感じられる語り口。 混乱してゆく時勢の中、 「大好きな奥様を守る!」そんな心意気にあふれた若き頃のタキさんの姿が、初々しくてなんとも健気。 「火にくべるべきこと」かどうか、自分ならどうしたろうと考えてしまった。
0投稿日: 2013.08.09
powered by ブクログ静かに、戦争が迫ってくる中でのお話。 正直、表紙からちょっとほのぼのした感じもあるのかと思ったけど、そうではなかった。
0投稿日: 2013.08.09
powered by ブクログ赤い三角屋根の洋館と、時子奥様との出会いは、十四歳のタキちゃんにとって、それはもう夢のような世界であったに違いない。 戦争という暗い背景があったにもかかわらず、そこでの生活は華やかで、多少のユーモアも交えて、ロマンチックに描かれている。 「恋愛事件」も、甘く切ない。 昭和初期の女性たちも、今の時代と変わらず、生き生きと暮らしていた様子がよくわかる。
8投稿日: 2013.08.03
powered by ブクログ戦争になるというときの、ある家庭の話だな〜と思った。 『永遠の0』を読んだばかりだったので、余計に戦争時代の雰囲気を感じてしまった。 時子奥様はモテルだろうなって確かに感じた。恋愛、人間模様もあるが、私は戦争になっていく時のある国民の感覚みたいなものが感じられて、それが読んでて感心した。
0投稿日: 2013.07.19
powered by ブクログ昭和初期の物語です。戦争はもちろん避けては通れないお話だけど、その当時の生活や雰囲気が分かりやすく描かれてて、私は好きでした。
1投稿日: 2013.07.16
powered by ブクログ戦争のあった時代のお話だけれど、いわゆる戦争についてのお話ではありません。 それよりも、その時代で人々がどう考えて、何を拠り所に生活してたのか、そんなものを垣間見ることが出来ます。 永遠の0と少し似てるのは、主人公が現代に生きる甥っ子と、戦争の時代を生きた日記を書いた叔母、二人いることですかね。 日記を元に、現代の甥っ子は、謎を解き明かしていくお話にもなっています。 小さなおうちの博物館(ジブリミュージアムみたいな)があったら行きたいな、と思わせるくらいお家の描写が素敵です。 夏休みに読んで欲しい本です。 オススメ!
0投稿日: 2013.07.11
powered by ブクログ謎の多い物語。たぶん多くの人がタキちゃんの秘密、実際はどうだったのか?ということをさまざまに推測しているのだと思う。私は祖母に読ませようと決めた。あの時代にちょうど東京に出ていた祖母は、あのおうちの家族の日常に青春時代の自分をリンクさせるであろう。地方から進学のために上京した祖母の生活は、彼らのような上流の生活とはずいぶんかけ離れていたはず。でも、当時の銀座の様子や、おしゃれの様子、タキちゃんが作るお料理、そして戦争の足音。祖母も遠からず同じような空気を吸っていたはず。これを読んで少しでも元気になってほしい。
1投稿日: 2013.07.06
powered by ブクログ『秘密はときによると、人のつながりを強めるけれども、場合によっては疎遠にもする。奥様の秘めた思いを存じ上げているという事実は、わたしと奥様の関係には、ひどく重たいものになってしまった。』 平井家で十二年近くも女中を勤めるタキ。時子奥様に里帰りを勧められる。 離れることが潮時だったとはいえ、私なら淋しさから居座ることも考えただろう。 いつもオチが今ひとつですいません。承知しました(*家政婦のミタより)
0投稿日: 2013.07.06
powered by ブクログ昭和、女中のタキが語る奉公先の家のこもごも。 時子奥様とタキの、特別な信頼関係をメイン(主人と従者のような関係でありながら、親友)に華やかな昭和の時代を描いていて、いい話でした。
0投稿日: 2013.06.27
powered by ブクログ最後の章があってこそ、物語全体が印象に残る。そのための視点の変え方がうまい。含みを持たせた余韻も好きだ。
0投稿日: 2013.06.19
powered by ブクログするっと読めた。お話に引き込まれた分、読み手任せのラストにちょっぴりがっかり。すっきり終わるお話がすきだ。でも鮮やかで、ご飯が美味しそうだった。丁寧な家事をしたくなる。
0投稿日: 2013.06.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
実話? と思うくらいリアリティのある話だった。 ほのぼのとした中に、喜怒哀楽が全てつまってます
1投稿日: 2013.06.13
powered by ブクログ最初は女中をしてたおばぁさんの回想録。 淡々と当時の様子を書き綴っているのだけど、 当時の東京の様子などはとても興味深いです。 戦時中の東京なんて暗いイメージしかなかったけど、 意外と明るい様子に意外な感じ・・・。 しかしそれが逆に、後の悲惨さとのギャップを大きくさせ、 はっきりとした残酷な描写は何一つないのに、 ものすごい恐ろしさを感じさせます。 男性目線の戦争ものはたくさんあるけど、 庶民の、女性の目線から見た戦争はこんいうものだったのかな・・・。 そしてこの物語が秀逸なのはそのラスト。 ほのぼのとしていて、哀しくて、切なくて、 やりきれない思いも感じるかもしれませんが、 単なる回想録に終わらない、引き締まったいい作品だと思います。 映画化されるそうだけど、 どうなのかな~?
0投稿日: 2013.06.09
powered by ブクログ同名の絵本は、子供の頃の私の愛読書でした。あの絵本は、「おうち」の歴史が語られていましたが、この本は、戦前のモダンなつくりの小さいおうちで暮らす奥様(とご主人とお子さん)と女中のタキさんの物語。タキさんの回想の形で物語は進みますが、タキさんの甥っ子がそのノートを盗み読みしていることになっているので、少女時代のタキさんとおばあさんであるタキさんが交互に登場します。 戦前・戦中の空気って、もちろん私は知らないけれど、あんなのんびりとして優雅でキラキラした楽しいものだった(部分もある)だろうなと思います。だって、敗戦色濃厚になるまで、みんな戦争に勝つものだと信じていたのですから。 タキさん視点の思い出話を読む限りでは、タキさんはとても立派な女中さんであったように見えますが、最終章を読むと、やはり人間ですから、きれいなところもそうじゃないところもあったことがわかってきて、いちだんとタキさんという方がリアルに感じられます。だからこそ、私も、もっと幸せな晩年・最期はなかったものかと・・・思ってしまいます。 あの「小さいおうち」、後日そのままに再建できなかったということは、どれだけの愛情とこだわりをこめて作られた建物だったのか。 品とか矜持とか、そういう凛とした姿勢が、静謐でとても美しい物語。
0投稿日: 2013.06.09
powered by ブクログ女中さんとして働いていたタキさんが晩年ノートに残したのは、きれいな奥様とそのご家族と過ごした昭和初期の日々でした。 構造としてはイアン・マキューアンの作品が原作の映画「つぐない」に近く、最終章で覆される事実もむしろ納得のいくもので意外性はありませんでした。その映画では一定の答えは得られるのですが、この作品では際限なく想像が膨らんでしまうため散漫な感じもしました。しかしこの作品の魅力は戦前のタキの生活。歴史上は不穏な事件が続き戦争へまっしぐらな時代に、タキは東京郊外の赤い屋根の家でお嬢様然とした奥様と深い信頼関係を築き、この家を守っていくという決心のもと仕事に励み、お上の決め事があればそれに従いつつも時勢を楽しんでいる。日本国内ではオリンピック招致や万博の話もあり、賑やかさも芸術も溢れていた時代。次第に悪化する戦局に左右されることがあっても、生き生きと日々を送っている。本人が気がついていないからこそ、より切ないタキの気持ち。良い女中としてどうあるべきかを問われた際、その気持ちがどれくらい決断に影響を与えたか。さらにはその決断が彼女の人生をどれだけ変えたのか。 今となっては戦前の高揚した雰囲気を「あり得ない」「不謹慎」と思ってしまうけれど、タキの中ではいつまでも明るく楽しい東京。その思いや当時の人達を否定したくはないなと思います。
0投稿日: 2013.06.06
powered by ブクログ昭和初期、女中奉公にでた少女タキは赤い屋根のモダンな家と 若く美しい奥様を心から慕う。 だが平穏な日々にやがて密かに“恋愛事件”の気配が漂いだす一方、 戦争の影もまた刻々と迫りきて。 晩年のタキが記憶を綴ったノートが意外な形で現代へと継がれてゆく 最終章が深い余韻を残す傑作。 ************************************** 読み始めは、ひたすら淡々と女中奉公にでた少女タキの目線で日常が語られ、ん~、何がオモローなんかな!?とイマイチやった。 ただ、不思議な事に、どんどん読めていって中に入り込んでいった。 当時の状況がどんなんやったかがわかり、内容以前に面白くなってきた。 真ん中にさしかかると、恋愛や戦争やら、いろんな出来事が起こり、淡々では無くなった。 最後の最後には、こんな事があったん!?となり、読み終えた後は、人それぞれでいろんな発想が出来るストーリーになってて、考えさせられる内容やった。
0投稿日: 2013.06.02
powered by ブクログその時々を大事に生きてきた人たちの話。 戦争に向かう日本が描かれているけど、そこにある日常は何となくのんびりしてて、でもそれこそがほんとうなんだと思う。このころは大変だったんだろうなぁとか思うけど、人の生活や考えてることっていうのは今とそんなに大きく変わらないんじゃないかなぁ。 タキちゃんは、小中先生の話に登場する女中さんみたいに、真に賢い女中さんだったと思う。 それでも、時子奥様の想いをめぐってのことを思い出すと、後悔で涙が止まらなくなるタキちゃんは、あぁなんか、すごくいい。 切なくて、愛おしいお話だった。
2投稿日: 2013.05.31
powered by ブクログ143回 2010年(平成22)上直木賞受賞作。昭和初期のお手伝いさんの物語。東京郊外の赤い三角屋根の洋館に住む若奥様とお手伝いさんは姉妹のように仲がよく暮らしていた。しかし日本は戦争の色が濃くなり、家族にも影がおちてくる。まるで実在したかのような主人公の語り口が心地よい。おすすめ。若くて魅力的でかしこいお手伝いさんといえば『家族八景』の七瀬を思い出した。
3投稿日: 2013.05.26
