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虐殺器官
虐殺器官
伊藤計劃/早川書房
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総合評価

1123件)
4.2
425
385
162
32
9
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    日本人が書いているとは思えない。 外国人が書いたものを訳したもののように見えてしまう。 それだけ、くどい。まるでロシア文学のようだ。 いいたいことが色々あるのだろうが、筆で書きすぎ。 内容的に、新しい知識が入ってくるような話であればそれでもいいが、この話はそんなものではない。 もう少し、想像力が喚起される書き方はできないのだろうか? こういうの大好きな人いるとは思いますが、僕は残念ながら嫌いなほう。

    0
    投稿日: 2011.02.08
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    年末に普段読まない小説を読もうということで4冊を購入。 その中でも、最後まで手をつけるのを戸惑ったのがこれ。でも引き込まれたし、その世界観にドキドキわくわくしたし、 男の子とか大好きなんだろうなこんな話と、うずうずした。 でも、グロい。 この人の作品がもう読めないのが悲しくてしょうがない。 また、伊藤計劃の小説は購入して読むだろう。 でも、やっぱりグロい。

    0
    投稿日: 2011.02.07
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    非常に重厚な小説である。 9.11以降の国際安保体制の中で、戦争とテロリズムもまた変容していった。 後進国で行われる紛争と虐殺。それを止めるための大義ある戦争介入。そのレスポンスとしてのテロ。 そんな国際社会の未来を、一人のアメリカ兵を通して描いたSF小説。 『虐殺の器官』というのもまた一つの記号であり、それが結局何であるかは些末な問題だろう。 TVから流れる遠い海の向こうの紛争のニュースを見て、 自分の無力さを微々と感じている人に読んで欲しい名著である。

    0
    投稿日: 2011.02.07
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    近未来シチュエーションが目に浮かぶし、かっこいいし。最初、タイトルの意味が全くわかならかったんだけど、面白いところに目を付けたなぁと感心。斬新で面白い。

    0
    投稿日: 2011.02.06
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     友人に勧められて読んだのですが、面白いです。  SFをそれほど読み込んだわけではないので偉そうにはいえませんが、情景が目に浮かぶような緻密な描写、わりと細かい舞台設定等、読みやすい上に魅力的な文章です。  まぁ文庫版の解説にもあるとおり、結局「それ」がなんなのかよく分からないんですが。でも、そのなんだか分からないものにみんなが巻き込まれていく様は、実は現実にべったり張り付いたところからの洞察なのかもしれません。

    0
    投稿日: 2011.02.06
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    久々に読んだSF小説。 正直びっくりした。ここ最近、これほどまで完成された作品を読んだことはない。少なくともここ最近は。 著者はすでに他界されているます。非常に残念・・・。 小説の舞台は9.11のテロ後の世界。内戦が勃発し、戦争はビジネスとして成り立つ世界。その世界で生きる暗殺舞台に所属する主人公。 ものすごいスピードで展開する場面と対比する形で描写される主人公の心情。 ジャパニメーションの代表格でもある「攻殻機動隊」を彷彿させるリアルな世界観を是非味わって下さい。 タイトルにある「虐殺器官」とは何を意味するのか? それは小説を読んでのお楽しみ。

    0
    投稿日: 2011.02.05
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    「おすすめ文庫王国」の第2位で、売れてない本を応援するという趣旨だったけど、この本も第3位の「海炭市叙景」も売れてるみたいでご同慶の至り。 しかしハヤカワの文庫を買うなんてとても久しぶり。日本の作家っていうのは初めてかも。普通の文庫よりちょっと大きくて、いつものブックカバーに入りきれないんだねぇ。 さて、この本、内戦や大規模虐殺が激化する近未来の世界で、混乱の陰に常に存在を囁かれる謎の人物を追う米軍暗殺部隊の大尉の語りを通し、作家の世界観を色濃く滲ませる。 全編を通じて描かれる主人公の言葉に対する繊細さは、多分作者の繊細さとシンクロし、だからこその“虐殺器官”のアイデアに驚く。ただ、二人が対峙して、段々と話が哲学的思索的内省的になるに連れ、イマイチ分かり難く乗り切れないのだよねぇ。 一方で、緊迫した作戦遂行や荒涼とした殺戮の場面の乾き方や痛覚をマスキングしたもの同士のグロテスクなだらだらした殺し合いなど、これまでの感覚を軽々と飛び越えた発想と文章力もまた確か。 一応、次なる「ハーモニー」へも進んでみる。

    1
    投稿日: 2011.02.05
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    若い人が書いた感じのする文章。 理屈&センチメンタル行ったり来たり。 未来の話なのだけれど、 比喩に出てくる事象が現代のものだったりしてちょっと混乱したなあ。 中盤進行が遅くなって、説明が多くなるところはややもったり感。 SFはいつもその時代の世相や社会問題を暗喩する。 そういう意味では硬派なSF小説でございました。 人工筋肉の設定はぶっ飛んでたけど、 それくらいのジャンプは醍醐味のひとつか。 しかし作者が亡くなっているとは。残念。

    1
    投稿日: 2011.02.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とても評判がいいですけど、自分にはあんまり響いてこなかった。最後まで呼び出されるジョン・ポールという人物名の異様さが気にかかって(両方ともファーストネームなので。「ありえない」という謎かけなんじゃないかと思った程)…最後までのめりこめませんでした。  チョムスキーの生成文法における、普遍文法(Universal Grammar)が生得的とする議論が、『虐殺器官』という着想の底にあるのは感じました。  繰り返しの例示が単調なのも、テーマのリフレインとしてもギャグとしてもあまり効果的とは思えなかったのですけど、そうした繰り返しのパターンをある種の"文法"として(「ハーモニー」でも見られた著述のフレーム(eTML)のように)著者は仕掛けたのだとすれば、「虐殺の文法」というプロット上のコアアイデアと通底してはいるのかな。  あとは、作品と作者の来歴を結びつけて評する人が多いことが気にかかった。著者が病没したことを知って感銘が増したという経験を他人が否定することは出来ないけれど、「だから」感動したと述べてしまうことは作品も作者も貶めてしまうことにしかならないんじゃないかな。

    0
    投稿日: 2011.02.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分が慣れ親しんだ文化が下地にあるせいか、非常に読みやすく、面白く読めた。小島秀夫作品が顕著な例だが、恐らく他にもあるのではないかと思う。主人公の語り口の読みやすさもまた慣れ親しんだ文芸作品的で、プロフェッショナルではあるが信念と経験によって叩き上げられたクールさとは違う淡々とした一人称のため、SFであり軍事行動に沿った物語であるにも関わらず、遠く離れた世界の住人という気がしない。それは投与された薬のせいでもあるが、主人公が抱えている内面的な問題にもよる。そして後半は職業としての目的と主人公の内面の問題の解決が交わり、ついには主従が逆転する。そういった意味ではSF的という楽しみ方はしなかった。とても面白かったのだけど、自分にとってのSFの醍醐味、例えば新鮮な世界観や、明かされた真実を知った時の世界が丸ごとひっくり返る様な驚愕には出会えず残念な気持ちでもある。しかし最後20ページの展開や結末は自分の中のSF像にしっかり収まるものだったと思う。そのせいで主人公が結局何を得ることが出来たのか、目的が達成できたのか、を自分にはうかがい知る事は出来なかったのだけれど。

    0
    投稿日: 2011.02.02
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    登場人物達と考え方が合わないから共感しずらかった。あと構成があまり好みではない。 前評判から過剰に期待してしまった。

    0
    投稿日: 2011.02.02
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    ハーモニーで語られるテクノロジーだけではなく リソースとしての人間、秩序が重視され 意思を奪われる管理社会の萌芽が見える。 そして舞台は未来でも世界はまさに今。 クラヴィスは母の死と対話し、死者の国を夢に見る。 無惨な姿の住民がいたとしても死者の国は地獄ではない。 夢は、自分が・脳が見たいと欲するものを誰にも邪魔されず 選択してみているのではないだろうか。 自身の選択が絶対に近い力で働くとすれば 純粋な意思により作られるユートピア観ということは できないだろうか? 罪の意識を抱き続け、罰されること、赦されることを 望んで内に内に突き進むクラヴィス。 外からの命令により意思を持たされず 管理者の優しさ・配慮により感情、感覚を覆われて 生きているクラヴィスが本当に望んでいる世界は どのような姿をしているのか。 世界の源は愛。ウィリアムスのように外に向くか 内に向くかの違い。 ハーモニーを先に読み、時間的には前であるこの作品を あとに読んだ。私は、ハーモニーの世界に行き着くには コレが正解と思っている。 しかし、もう一度逆の順番で読んでみて ハーモニーのラストがハッピーエンドか考えたい。

    0
    投稿日: 2011.02.02
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    圧倒的な筆力。時間を忘れて読んだ。 1974年生まれの著者が癌で亡くなっているのがつくづく残念。 ----再読---- 7年ぶりに文庫本を入手。感情マスキング、トレーサビリティが徹底した世界、テロ・内戦の一般化、ライフログといった話を構成する要素の完成度の高さが際立つ。文庫本には巻末に円城塔との対談と、大森望による解説が収録。もともとサラリーマンだった著者が癌の闘病を経て小説を書き始めることになる経緯を、当時のmixi日記を引用して紹介している。

    0
    投稿日: 2011.02.01
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    なんだろう・・面白くないわけじゃないんだけど、あまり好きになれなかった。 核となる虐殺の文法なる潜在意識に潜むジェノサイドへの欲望、という部分の描き込みが立体的に感じる事ができなかったからかな。 設定のプロットとしては面白い気もするが・・・。

    0
    投稿日: 2011.01.30
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     伊藤計劃の『虐殺器官』を読みながら。20世紀の歴史において最大の虐殺であるホロコーストを例にすれば、その発生の理由を様々に説明することができる。  歴史(ユダヤ人差別の歴史)、経済(第一次世界対戦の多額の賠償金による経済の破綻)、もしくは文化(ダダ・シュールレアリズムによる意味の破壊がもたらす人間中心主義の崩壊、塚原史の『人間はなぜ非人間的になれるのか』が良書)、など。  しかし、虐殺を「器官」という概念から照らし出そうとする本作はそれがSFとして読解されている状況にもよらず、この難しい問題に一つの思考の補助線を与えてくれるのではないか。そのようなことを読みながら考えている。こうした文学作品に出会えることは、そうそう多くはない。

    0
    投稿日: 2011.01.29
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    読了直後。何と感想を述べていいか分からない。 圧倒された。 混乱した。 同感し反感も抱いた。 様々な感情が混在し、逆に冷静であるような気もする。 それはこの作品と同じ状態なのかもしれない。 これはこんな物語です、と今すぐには言えない。 ただ、時間をおいて振り返れるようになる前に、今の自分の感情を書き残しておきたい。 ただそれだけ。 レビューとはいえないけれど。 この作品を書いた作者が自分と同じ年に生まれ、既に故人であるということについて、なんといったらいいか分からないが「とても悲しい」。

    1
    投稿日: 2011.01.27
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    どこかで戦争は必ず起きる、だから自分に影響のないところで言葉によるテロを起こし続けるジョンボールの世界。その対極がハーモニーなのか。設定すごい。いつか映画になると思う。

    0
    投稿日: 2011.01.27
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    「ハーモニー」の前の時代、世界が混沌にいたるそのきっかけとなる話。 言われているように虐殺器官とハーモニーは一対の物語だった。流れと逆順に読んでしまったわけだけれど、だからこそこの物語の結末に猛烈に泣いてしまった。 “人々は見たいものしか見ない” そんな堕落した世界だとしても、その世界を愛しく思い、守るためにした選択は正しかったのだろうか。 自由とは、罪とは、言葉とは、わたしとは。 一体、何なんだろう。 世界の構成も、SFなんだけどあくまで今の世界の延長線にあるのが分かるだけに、妙なリアリティがあった。これはいつか起こりうるかも知れない未来の予言なのだとしたら…と思わされてしまうほどに。 ハーモニー共々、何度も読み返して咀嚼したい一冊。

    1
    投稿日: 2011.01.25
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    題名から考えると軍事ものなのかしらん?と思いますが確かに軍事ものではありますがメインはそこではないと思います。 軍事ものでは類を見ない繊細で文学的な主人公に惹かれ、そうして感情を共有してしまうという事態。 伊藤計劃という人を私は亡くなってしまった後に知りましたが本当に惜しい人を亡くしたと思います。 もっと、もっとこの人の作品を読んでみたい。そう思える一冊です。

    0
    投稿日: 2011.01.25
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    読了。途中何度も挫折しかかったけど。。。正直よく分かりませんでした。リアルな戦闘シーンや近未来の兵器が緻密で凄いと思いますが、ストーリーが何とも。。。

    0
    投稿日: 2011.01.23
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    『だけど、地獄からは逃れられない。だって、それはこの頭の中にあるんですから』 9.11以降、先進国は徹底した管理社会に移行することでテロを一掃したが 一方で、後進国では内戦や虐殺が急激に増加していた。 米軍大尉クラヴィス・シェパードは、 大規模虐殺の影に常に存在している謎の男ジョン・ポールを追いかけるうちに、 一人の女性ルツィア・シュクロウプに出会う・・・ 大量殺戮を引き起こす『虐殺の器官』とは? 各地で虐殺に関わるジョン・ポールの目的とは? そして、主人公シェパードの罪と罰・・・ 非常にセンセーショナルな作品でした。 登場人物の想いと葛藤。社会の抱える矛盾。 いろいろと考えてしまう物語でした。 また、SFはほとんど読まないのですが、近未来の緻密な設定も面白かったです。 これがデビュー作というのが信じられません。

    0
    投稿日: 2011.01.23
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    この平均評価の高さにつられて読みましたが、この評価はこの作者のこういう作品が好きな人が読んでこそなんだな、とミーハー心で読んでしまった自分を反省。 最初のほうはなんだか難しくてめんどくさいなーと思い離脱しかけたけど、言葉が難しいだけなので慣れればそうでもなかった

    0
    投稿日: 2011.01.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった! 筋肉製の乗り物等、ガジェットがグロ格好いい! タイトルからもわかるように残酷な描写が多いので、苦手な人は読まないほうが良いです。 (そもそもそういうの苦手な人はこのタイトルを手に取らない気がするが 笑)   テロ・監視社会・戦争・南北格差、そういった現在のテーマから、 「グロテスクで残酷な未来社会」を演繹した、という感じ。 このへんでムム!とアンテナが反応する人は読むべきだと思います 笑   残酷な未来、と書きはしたんですが、 未来は現在と陸続きな訳で、 ああこれは今起こってるコレをモチーフにしてるのだな、 と思える箇所は多々。 作中のえげつない表現にまゆを潜めつつも、 「これって今も起きてることじゃないの?」 と気づいたときのモヤモヤっぷりったらないです。   例えば、 僕らの所謂先進諸国に住む人間の便利な生活の裏側には 悲惨な生活をしている誰かがいる、なんて下りがありました。 これってまんま「フラット化する社会」でレポートされていた、 先進国に住む自分達の便利な生活の裏では 悲惨な生活をおくっている人々がいる、 ということですし。   まあ色んな問題を取り上げて、 「だから人類はダメなんだ」とペシミスティックに嘆くんじゃなく、 「我々はより倫理的、博愛的になっているが、  まだいろんなものに目をつぶってしまえる状態にあるだけなのだ」、 とある種楽観的に開き直っているところはこの本のメッセージで好きなところ。   後、 「自由とは己の意思で選択し、その結果を背負うこと」 そして、そこで背負うものの一つが「罪」なのだ、という 流れはちょっと唸ってしまった。   俺は、「知って選ぶ」ことが何より大事だと思っている人間なので、「そう、そうなんだよ!」と膝を打ちたくなりました。   主人公の行った選択は非常にアレで、 実に間違ったものとしか言いようがなく、 非常にグロテスクなもの。   でもそれは、「自分が普段行っていること」を外から見ているだけなのかもしれない、と少し考えこんでしまいました。  

    0
    投稿日: 2011.01.22
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    ゲーム「メタルギアソリッドピースウォーカー」で小島秀夫さんが書いた献辞でこの本と作者のことを知った。 魂の所在、人の意志を動かすものというベースに、先進国による途上国の削除、油っぽいビッグマックを食いきれなくて、ゴミ箱に捨てる世界を守ること、という味付けをして、「メタルギア」的な小道具をトッピング。 癌の手術をして、抗癌剤治療が一段落してから書き始め、わずか10日で書き終わったという来歴が作品に神秘性を付け加えている。 どんな読み方をしても面白いと思うけれど、自分は「ぼくの物語」として読んだ。許しても罰してももらえなかった「ぼく」は自分を罰することができた。 自分は、はたして自分の行動を自分で決定しているのだろうか。

    1
    投稿日: 2011.01.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最近読んだ中で一番。 SFなので色々と難しい用語とかが出てくるけど、それはだいたい理解する程度で問題なし。 主人公の淡々としているけれど決して機械的なわけじゃあない語り口とかが最高に好み。 ちょっとずつ読もうかと思ったらぐいぐいと読めてしまった。 グロ描写もあるけどタイトルから受けるほどのグロじゃあない、グロ自体は主題じゃないのである程度グロも平気って人なら是非。

    0
    投稿日: 2011.01.19
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    「虐殺器官」の設定だけでなく、セキュリティが過度に進化した未来の世界観、哲学の領域に踏み込んだ最先端医療、社会情勢など、設定集としてはなかなかおもしろかった。 小説としてはやや物足りない。もうちょっとストーリーに起伏があってもよかったんじゃないかと思う。

    0
    投稿日: 2011.01.14
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    ずいぶん前に読んだのに、放置してました。。。 これはおもしろい。 大好きです。 人間のおそろしさを感じました。 弱くて、だからこそ恐い・・・。 もう忘れかけるんですけどね!(笑) もう一度読もうかな。

    0
    投稿日: 2011.01.13
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    この売り上げを見れば、どんな賛辞も必要ないと思うが、それでも言おう。素晴らしい。 必読だと思う。角川の逃がした魚はかくも大きい。 この世界観、このフィクションの持つ力。 良心を科学的にマスキングされた兵士が、良心を抑制し他者への残虐性を高める"文法"を発見した学者の暗殺を請け負うという皮肉。 ジャン・ポールがなぜ世界を転々とし虐殺を起こし続けるのか、この理由に私は打ちのめされた。 利己的であることと、利他的であること。 人はその両方を共存させている。この恐ろしさから目をそらせない。

    0
    投稿日: 2011.01.13
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    近い未来になっていくであろう戦争とそれに伴うヒトの死生観の変化が描かれています。未来の戦争では、子供が戦争に数多く参加し、PMF(民間会社)が戦い、練度の高い兵士は重宝がられ戦争の道具として「メンテナンス」される。近い将来の戦争はこんなにも冷たいものになってゆくのかと考えさせられました。

    0
    投稿日: 2011.01.12
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    これはすごい!!国際政治系の勉強してる大学生には馴染みある小難しめのワードがそこかしこに出てくるのにエンターテイメントになってる!と思う。自由と秩序、罪と罰、生と死。倫理観も問う内容。ハードボイルド好き、ドキュメント好き、SF好きなら楽しめる作品。

    0
    投稿日: 2011.01.12
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    「ハーモニー」と、同時に買って、こちらは後に読んだ。おそらく「ハーモニー」の世界に続くであろう、と思われる伊藤ワールドが広がる。 この重厚そうな世界に馴染めるだろうか、とさえ心配して、読み始める。 しかし、世界を支える小物のひとつひとつがリアルで、気がつくとのめりこんでいた。検討と熟考を重ねてきちんと構築された世界に安心してひたれるのは本当にうれしい。 高い前評判は本物。この方の作品がこれ以上、増えないことが残念で仕方がない。

    0
    投稿日: 2011.01.10
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    筆者が夭折された事が本当に残念。 小松左京さんがまともに評価してあげてればな〜。これでチョムスキーに興味を持つようになりました。

    0
    投稿日: 2011.01.10
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     久しぶりにSFを読んだが、面白かった。SFと言ってもリアリティに富み、認証システムが強化され、オルタナがフォローしてくれる生活は想像に難くない。その一方で死体の描写は、どれだけ技術開発が進んだところで人間は血と筋肉と臓器でできているものに変わりないと主張しているようだ。  軍の指令により大量に殺戮を繰り返す主人公、虐殺を伝播させる人物、ともに腹立たしくも魅力的だ。  作者が若くして亡くなったことはとても悔やまれる。解説のおわりにある母上の言葉には涙が出た。

    0
    投稿日: 2011.01.08
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    山形浩生さんの書評で「大変面白い」との評価だったので、購入。 http://bisista.blogto.jp/archives/1340175.html 序盤は、ちょっとグロテスクな表現などもあって、ちょっと読むのが 辛かったけど、「虐殺器官」という書名の意味がわかる中盤以降は ストーリーだけでなく、会話などで繰り広げられる内容なども示唆に 富んでいてかなり面白いです。 ただ個人的にはラストはイマイチ。

    0
    投稿日: 2011.01.05
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    参ったねこれは。ナイーブでありつつも冷静に暴力をふるう。まさにゼロ年代って感じだ。しかもちゃんと世界に答えを出している。満足。読んで良かったと思える小説は年に数冊あるかないかだけど、年末年始にかけて読む本をこれにして良かった。

    0
    投稿日: 2011.01.04
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    謎は常に目の前にある。 丸裸にされた真実など目の前にあっても気づけないものだ。 この本の優れている点は 十分に問題意識が先鋭化されていて、かつ エンターテイメントとして、必要十分な要素を含んでいることだ。 だが、実に致命的な欠陥としてとらえてもいいような気もするし これはそういう形式だととらえてもいいような気もするのだが、 ここにはドラマはない。 この本の読者が得るドラマとは現実と そこからこの本の世界が地続きになっている瞬間に現れるのであって けして本の中に内在してはいないのだ。 それゆえ、時系列の割り込みなどが技法上要求されている。 こんな注文を死者にしても仕方がないことだが、そういうことだ。 長い回り道の果てに最初の謎をようやく得て、 そして、箱は閉じられる。 衝撃的な表題に対して実に自閉的な小説でもある。

    0
    投稿日: 2011.01.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

     すごいのは分かるけど、面白くはなかったなぁ、というのが正直な感想だった。  いや、人工筋肉とか痛覚マスキングのくだりとか、面白かったところもいっぱいあるんだけど、主人公の罪だとか虐殺器官とかの肝心な部分が、ストーリーから浮いているような気がした。大学入試の模試の、現代文の第一問めの評論が突然ねじ込まれているような違和感がする。それはたぶん作者の言葉ではなくて借り物の言葉を使っているからなのだと思う。それらが作者の中で十分斟酌されて、自分自身の言葉になりきる前に書いてしまったのではないかと。作者の運命を知っているから、そんな時間はなかったのだと分かってはいるのだけど。  地獄は頭の中にあるという表現も、漱石の『三四郎』みたいで別段目新しくもなかった。  主人公のシェパードが途中からルツィアルツィア言い出した為にちょっとドン引いてしまい、共感しにくくなっていた。そして最後まで共感できずだった。私は大雑把なウィリアムズが好きだったんだよ……。

    1
    投稿日: 2010.12.31
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    とても面白かった。 グロテスクだが、優れたアイデアを持った作品だし、ストーリーもうまく人を引き込むものとなっている。 それだけでなく、作品として深いテーマも持っており、非常に欲張りな作品だと思う。 ただ、好き嫌いは別れやすいと思います。

    0
    投稿日: 2010.12.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    真っ黒な表紙に、文字は漢字のみ。 即買いでした。 SFって好きじゃないけど、 これはよい!ってかすぐ僕たちが生きているうちに起きそうな物語。 ・・・・SFなのかわからないけど。 ―――以下引用――― 「ことばも、ぼくという存在も、生存と適応から生まれた『器官』にすぎない。・・・・(中略)自分自身の『器官』によって滅びた生物もいるじゃないか」 「自由の選択」 「自由とは様々な自由の取引なのだ」 「耳にはまぶたがない」 ――――――― 虐殺器官、 つまり虐殺言語について、 もぅちょっと詳しさがほしかったけど。 この人の愛は伝わった気が。 なるべく広い視野を持ちたいものです。 でも、身近なものも大切にしなきゃ・・・・ ふ~ん・・・・まぁ是非。

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    投稿日: 2010.12.26
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    圧倒的なリアリティのある世界の構築に驚く。が、後味は悪い。虐殺をまき散らしたジョン・ポールと、クラヴィスの行動原理が、どちらも大切な人の死への自己チュウな贖罪とは…

    0
    投稿日: 2010.12.26
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    どちらかというと「解説」の方が胸に迫った。特にお母様のスピーチ(?)。この母にして、だったのかなあ…。合掌。

    0
    投稿日: 2010.12.20
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    「ぼく」の未熟さと説明的な描写は鬱陶しいが、緻密で情報量の濃い文章は圧巻。 言葉の弾に撃たれた気分は爽快である。

    0
    投稿日: 2010.12.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    圧倒的に強いものが弱いものを倒すのは、爽快感があるんですよね。この小説のよさは、超ハイテク兵器で一般兵士を殺していくその爽快感と罪悪感を主人公が代弁してくれていることじゃないでしょうか。その爽快感を利用したものがありますよね。そうまさに虐殺ゲーム世代の読み物です。これはゲーム世代の贖罪だと思いました。 最先端の科学に少し味付けをして読者にとってありそうに感じられて実際にはない世界を作るのがSFの定型だとしたら、まさにその王道を行く小説だと思います。ただその科学に対しての造詣とうまいウソが心理学や言語学、哲学の領域まで踏み込んでいて、その世界観の風呂敷の広さに読むものを圧倒する迫力があります 。 テロから身を守るためにはテロリスト同士で自滅させればいい、なんて論理はなかなか説得力があります。悪役になりきらない悪役の動機付けもなるほどと思わせるものがあり、なかなか疑問をさしはさませる吐露こがなく、作者の技量にうならせられます。 まあでも小説の評価なんて、やっぱり読後感なのでしょうか。アメリカざまミロ的な終わり方に快感を覚えて星5つ入れている私は未熟なのでしょうか。。。

    0
    投稿日: 2010.12.19
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    不思議な作品。 静かなピアノの調べを聴いているかのような作品。 刹那的で、残酷で、哲学的。 憂いていながらも光を見いだす。 なんて言っていいんだろう。 自分の語彙力のなさを恨むくらい、圧巻な作品。 この作品を世の中に生み出してくれてありがとう。 そして、もう著者の新しい作品を読めないことが悔しい。

    0
    投稿日: 2010.12.19
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    2010/12/18 Amazonより届く 2011/5/18〜5/21 最近「ハーモニー」が話題になったので興味を持った伊藤計劃氏の第一長編。 9.11テロ以降、個人認識の徹底に努めた未来が舞台。何でもIDで事が済んでしまう先進国に対し、後進諸国では国内内紛などの紛争が続いていた。その首謀者と見られるアメリカ人を暗殺することを命じられたクラヴィス・シェパードは、世界各地に彼を追う。そこで彼が体験するものは?虐殺器官とは何なのか?  大学生の頃は良くSFを読んだが、久しぶりに読む本格SF。いやいや、噂に違わずすごい世界観である。読んで良かった。しかし、作者の伊藤氏はこの作品を含め3編の長編と数編の短編を残したのみで、34歳の若さでガンに倒れてしまっているとのこと。惜しい才能を失ったなあ。ハーモニーも読むのが楽しみだ。

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    投稿日: 2010.12.18
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    この本の作者・伊藤計劃のことは、勤務校の高校生から聞いた。「たった三編の長編と、その他わずかな作品・記録を残して夭折した幻のSF作家」。そんな「商業的に正しい」売り文句にはどちらかというと辟易とする性質の僕だが、それでも読んでみようと思ったのは、評価の高さだけでなく、「虐殺器官」(「機関」ではないのだ)という不思議なタイトルの力が大きい。 読んでみると面白い。すごい。一気に読む。SF小説だけど、SF的な要素がこの作品の本質ではない。ここに描かれているのは、徹底的に今の僕たちの問題だ。そんな手応えが残る。SFは、あくまでその道具立てにすぎない。その点では、作風が全く異なるけれど、カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」をふと思い出す。あの傑作と比較したくなるほど、面白く読んだ作品だった。 舞台は、おそらく近未来。しかし、そこで扱われている問題は、全て現代の問題なのだ。脳神経倫理学の進展、先進国と開発途上国の格差問題、安全な監視社会、自由、言語と思考・・・こう並べてみると、むしろあまりに現代的すぎる。現代社会で論じられる僕たちの諸問題が、400ページあまりに濃縮されている感すらある。意地悪く言うと「よく勉強しているな」という感じなのだけれど、僕は現代の諸問題をこのような形で見せてくれる作者の力量に唸ってしまった。素直に、もっと早く読んでおきたかったと思った。 もちろん、この作品に欠陥がないとは思わない。例えば、主人公の「ぼく」は、暗殺屋稼業をするにはあまりに弱く、惚れっぽく、内省的すぎる。正直に言ってこんな人間はそもそも暗殺屋になれないはずで、もしかするとそれはこの作品のリアリティを考える上で致命的な欠陥かもしれない。でも一方で、主人公が―もしかすると作者自身も―そのような人間だったからこそ、作品世界にひそむ人間のあり方を、その弱々しい視線でえぐり出すことができた。彼は、やはりこの物語のふさわしい語り手だ。 現代的な、あまりに現代的な近未来SF。ゼロ年代を代表する一冊という評判にもうなずける。そう、良くも悪くも、ここにはゼロ年代の問題が詰まっている。 そのぶんだけかえって、この作品が古典として10年代や20年代にも生き残っているかどうかは、僕にはわからない。現代という時代を余りに的確に描いているこの作品は、20年後には顧みられていないかもしれない。逆に20年後に、「現代の問題を先取りしていた古典SF」として、さらに評価を高めているかもしれない。この作品がどのような評価を得るかは、これからの社会の、つまりは僕たちのありようにかかっているのだと思う。

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    投稿日: 2010.12.18
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    9・11以降の戦場においてもヒトは変わらずヒトでいるのか。 情報管理×バイオメトリクス×感覚制御といった高度テクノロジーの手を借りて、他人の命を絶つこと、虐殺に対して倫理的ノイズをきたさぬようヒトは最適化されていく。 自分が見たいものだけ見る。 自分が信じたいことだけ信じる。 しかし主人公はけなげにも自問する。 この殺意は、自分自身の殺意だろうか。 幾度となく繰り返される母親の死に関する叙述。 戦場で日々殺戮を全うしながらも、自責に駆られる一つの殺人。 ナノレイヤーで姿を隠し、偽装IDで他人になりすますことが可能になったとき、ヒトはダレであるということができるのであろう? 自ら背負った罪こそが主人公たちに許された自己承認の術だったのかもしれない。 「地獄はここにあります。頭のなか、脳みそのなかに。大脳皮質の襞のパターンに。目の前の風景は地獄なんかじゃない。逃れられますからね。目を閉じればそれだけで消えるし、ぼくらはアメリカに帰って普通の生活に戻る。だけど、地獄からは逃れられない。だって、それはこの頭の中にあるんですからね」 感想や日記といった膨大な記述は、情報空間であらゆる種類のライフログに収斂されうるやもしれないが、それは断じて一個の人間足りえない。 そこには文字や画像といった情報しかなく、なんの影も形もない。

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    投稿日: 2010.12.13
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    いや、マジメにこれほど凄い本は久しぶりに読みました(ーー;)最後の最後まで堪能させてもらった感じです。他の本もと思ったところ、34歳という 若さで早逝なさっていたということに重ねて衝撃です(ーー;)

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    投稿日: 2010.12.13
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    圧倒的。デビュー作?嘘付け。……って思ってしまった。 凄まじい筆力による絶望的な世界の構築。 一気に引き込まれる世界観。 生とは、死とは、命とは、自由とは、罪とは、罰とは。 静かに、しかし怒涛のように問いかけられる問いに対してSFならではの方法で問いかける。 SFというものがそもそもガジェットであると、 普段ありえない状況で初めて問えるようになるものを問うためのガジェットであると確信できる作品。 この作品を読んだ人なら必ず思うはず、なぜ、これほどの作家が死んでしまったのか。 そして、死ぬ前に書き上げてくれて、読めてよかったと。

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    投稿日: 2010.12.12
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    各書評で絶賛を得ているようなので手に取ってみた。 情報統制について、十分にあり得るリアリティのある仮説を示しており、ハッとさせられる場面を見せられ。至る所に監視カメラが設置された現在の延長線上にある未来。安心とプライバシーとのトレードオフという、見逃してしまいがちだが、一考すべきテーマを突きつける。 ただ、技術的な点からは、SFという先入観を持ちすぎると、近未来の技術が近すぎて安っぽく感じられ、世界に没頭することはできなかった。 期待した分、評価が低くなってしまう。

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    投稿日: 2010.12.11
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    とにかく圧倒的! これを「SF」の枠に閉じ込めてしまうのはもったいない作品。 「SF小説」というよりはSFを小道具とした「小説」であり、決して難解ではないので多くの人に読んでもらいたい作品です。 「言葉」そのものをSFの道具立てにしたアイデアには脱帽。 細かいツッコミどころがなくはないけれど(アメリカ人のはずの主人公が日本人にしか見えないとかw) プロットのうまさや降下シーンの迫力の前にはそんなことどうでもよくなってしまいます。 作者の伊藤計劃は2009年にまだ30代の若さで亡くなっています。 癌との闘いの中でこの作品が書かれた経緯などの記されている解説も必読。 ミクシイに書かれた作者の生々しい言葉が胸に刺さります。

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    投稿日: 2010.12.10
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    先進国において個人情報の管理が徹底された近未来が舞台。 主人公の一人称で語られる戦闘描写やその他描写が繊細な語り口でリアルに書かれています。 死生観が語られる場面では2009年に作者が亡くなったことを思い、考えさせられるものがあります。 ★5つ付けたいところですが、ラストは自分の中でも賛否分かれているので★4つにしました。

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    投稿日: 2010.12.09
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    「虐殺器官」伊藤計劃 軍事SFサスペンス。ネイビーブルー。 「ベストSF2007」「ゼロ年代SFベスト」第1位。 どこの書評でも絶賛の一冊で、これは読んでおかねばと手に取った作品です。 伊藤計劃さんは創元SFの年間ベスト短編集(『虚構機関』『超弦領域』)で初めて読んで、ごっつい重い作品を書く人だなあという印象でした。 近未来のアメリカ。世界はユビキタスIT時代を迎え、その反面絶え間ないテロ・紛争による混乱の火種がくすぶる時代設定。 アメリカ正規軍の特殊部隊に所属する主人公が、世界各地の”虐殺のムーブメント”に引きずり込まれていく話。 現代のリアルな延長線上にある世界観が、(SF描写も含めて)空恐ろしい。。SF小説としてのネタが、どれも将来あり得そうなところに、作者のセンスを感じます。 ただ、主人公に絡んでくる人々のキャラクターの必然性がちょっと弱く感じました。(4)

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    投稿日: 2010.12.08
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    現実味のある近未来が繊細に描写されていて、一気に世界観に引きずり込まれました。虐殺、紛争といった日常から離れた世界が、意外にも私たちの日常を支えている、って考えると少し怖いですね。虐殺の文法っていうアイディアも面白かったです。

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    投稿日: 2010.12.07
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    これぞSFの王道! タイトル・カバーのものものしさとは裏腹の軽い文体、シンプルでかつテンポの良いストーリー。しかしこの読みごたえは何だろう? 夭折した作家の鮮烈なデビュー作!ぜひご一読下さい。

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    投稿日: 2010.12.03
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    各地で引き起こされる内戦の黒幕と目される男を追う近未来軍事諜報SF。 民間軍事請負業者とか環境追従迷彩とか鳥脚とかたまらない。 単行本で読んでたけど、装丁があまりにかっこよくて購入。 友人に「装丁がかっこいいから買うといいよ!」と連絡したら、「先日本屋で見かけて、装丁がかっこいいから買った!」と返事がきたのはよい思い出。

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    投稿日: 2010.11.30
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    アメリカ軍の情報部隊に所属する主人公は、世界中で頻発する民族虐殺の背後に見え隠れする「とある男」の影を追う内に人間に隠された残酷なメカニズムの存在に近づいていく。 この話には伊藤計劃 の死生、宗教、経済、国家に対する哲学がぎゅっと凝縮されていて、もはやただの「SF」と括ってしまうには勿体無いほど密度の濃い作品。 どのテーマも明瞭でわかりやすく書かれていて、唸らされた。 なんて言葉選びの巧みな人なんだろう、と終始感心しっぱなしだった。

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    投稿日: 2010.11.30
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    宮部みゆきらの推薦文に惹かれて買い。 タイトル通り、虐殺表現は多く有り、だがあくまで文学的。 文学的暴力表現? 問題提起はもちろんであるが、エンターテイメントとしての完成度の高さに脱帽。 読後のカタルシスに非常に満足。 たぶんきっと自分はウィリアムズと同じ選択肢を選ぶ。 ハラペーニョ・ピザを注文して認証で受け取る世界を選ぶ。 「守る」勇気と力は無いけれど。 作者紹介の「2009年没」に衝撃。

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    投稿日: 2010.11.28
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    その文章は繊細なのに硬骨。叙情なのに怜悧。 この小説は生と死、愛と憎悪、未熟と完成、あらゆる矛盾と相反するものをかかえたまま機能する、一つの"器官"だった。 それは人間そのものであり、人間が構築する世界のミラーでもある。

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    投稿日: 2010.11.28
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    日本のSFあんまり読んだことないですが、すごくよかった。 近未来の大掛かりなシステムよりも人間味ある葛藤に目が行く書き方も好感持てたし虐殺のシステムも文学的で私好みだった。 結末は納得しつつも主人公の選択に多少イラっとしましたが。

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    投稿日: 2010.11.27
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    ちょっと私には読みにくく理解しがたいものがあった。しかしあれだけの作品を10日間で書くというところに作者の凄さを感じた

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    投稿日: 2010.11.26
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    現代への警告であり、誰かへの愛のかたちであり、言葉という武器であり、責任感であり、死であり、殺戮であり、 何かの代わりはできても、 誰かの代わりはできなくて、 彼ら、彼女らは絶えず現れて、 脳のなかに、現れて。 それが何を意味するのか。 私はまだ、分からない。 270802追記 久々に読んだら、後半の内容まるっと忘れていたという…… しかしあれです、なんか突き刺さってくる。 見たいものしか見ない我々、というか私。 世界を疑わない私。 安定を好む私。 それを選択している、私。 もっと疑問を持てる人になろう。ならなくては。

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    投稿日: 2010.11.25
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    評判が良かったので手に取ってみましたが、私の感覚にはぴったりしませんでした。残念ながら。 私はもうちょっと救いがあるものが好きなのだと思います。

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    投稿日: 2010.11.21
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    文学としては[★★★★★] SFとしては[★★★☆☆] 自由とは取引されるものである。そこに完全な自由などない。 何かを犠牲にしなければ、人は何も得ることは出来ない。 それは、自らの生命でさえも同じ事であるし、 自由も、その範疇に含まれる。 僕らは自らの生命、自由のために犠牲らされたものに、 目を瞑る事が出来る。 それは、高度に情報化された社会の中にある情報でも、 人は自らの望んだものしかアクセスしないしいう事実。 そして、情報という乾いたデータの奥にある、 生々しい現実に、目を瞑るということである。 僕らは、その罪についてどう受け取るべきなのか。 僕らは、その事実についてどう償うべきなのか。 死者にも、神にも、赦しを請えない僕らは。。。 ハードボイルド近未来スパイアクション。 現代の続きに見えそうな未来で起こる、現代と同じ惨劇の構図。 SF要素はガジェット的に登場するが、物語の根幹には関わらない。 あくまでも、物語が扱うのは、現代が抱える問題である。 伊藤計劃の商業誌では第一長編。 同名の原型作品を、2006年第七回小松左京賞で、 選考委員から最高点を受けるも、「該当作なし」で落選。 以後大幅な加筆修正の後、早川書房から単行本の発売となる。 その後、「ベストSF2007」で第一位。 日本SF大賞、星雲賞の候補作にもなる。 第1回プレイボーイミステリー大賞を受賞し、 2009年「SF本の雑誌」ではオールタイムSFベスト100で16位。 2010年「SFが読みたい」では、国内編ベストワンになる。 伊藤計劃は、2009年3月34歳の若さで、この世を去る。 彼が商業誌に残した作品は、わずか長編3作と短編2作。 作家としての活動期間は3年で、そのほとんどを、 ガンと戦いながら、作品を作り続けたことになる。 文学的に優れた作品では、あると思う。 主人公の心情とストーリーの流れは、とても秀逸で素晴らしい。 しかし、小松左京賞でも言われた通り、 SF小説としてのディテイルが、希薄であるのが大変惜しい。 肝心の「虐殺器官」に対する論考が、ほとんどないからである。 SFは、謎の技術や事件を科学的に解き明かされるところに、 一つの面白さがある。たとえその説明が非現実的であったり、 バカバカしかったりしたとしても、それがまた、面白さなのだ。 しかし、本作はそれが最後まで語られない。 ミステリーに例えれば、犯人も分かった、動機も分かった、 殺害方法もだいたい分かった、しかし凶器が何か分からない。 そんなところだろうか。

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    投稿日: 2010.11.20
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    単行本で買おう買おうと思っていて忘れて 文庫本になったから、絶対買うと決めていて ブックオフで購入なう。 営業とはいえ書店員であるまじき行為に反省。

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    投稿日: 2010.11.17
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    人間についての規定。意識、感情の規定。 おおよそこういったものについての考察は、人形やロボットを引き合いに出して、果たして人間とは何なのか、という疑問を投げ掛けるものだけれど、この小説では言葉の観点から、規定するのは不可能であると明確に示していた。 言い切ってしまうとはなぁ。いや確かにその通りだろうな。そこに新鮮味を感じた。 作中に散りばめられる自由や戦争といった幾つもの考察が、近未来の高度に発達した世界によって見事に浮き彫りにされていた。このフィクションの世界で、作者の考えていることを巧く表現出来ているのが純粋に凄いなと。 だから興味深い行が幾つもあって読むのに時間がかかった… タイトルにもある虐殺器官。やっぱり2種類あるんじゃないだろうか。 本能と理性。 相反するようにもみえるこの2つ。ジョン・ポールと主人公。 対比または対立するはずの2つが、その実、同じ虐殺の源泉であることは、作中にも表されていたし実際そうなんだろう。 そのことは人間がどの状態にあったとしても、虐殺からは逃れられないといってるようであり… なんとも皮肉に満ちた物語だなぁ。

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    投稿日: 2010.11.14
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    情報が錯綜する。処理できない。めまぐるしい。溺れそう。 文字が、イメージが迫ってくる。 ぐるぐるして追いつけない。一人ぼっち。 きっと頭が悪いのね。彼らを理解するのに情報が足りない。ピースがはまらない。カチッとピースがはまったとき、私にもわかるのかしら。 その文法が。彼らが語った言葉が。器官として。遺伝子としての私。

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    投稿日: 2010.11.12
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    読んでいて、こんな未来は嫌だと思ったけど、近い将来訪れてもおかしくないのでは?と思わせる程設定が細かくリアルでした。 こんな作品を短期間で書き上げた作者は本当に凄い人だったのだと思う。終わり方も嫌いじやかった。他の本も読みます。

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    投稿日: 2010.11.12
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    主人公が抱えた爆弾が物語に終始付きまとっていた。ジョンポールを追う中での戦闘、人工筋肉や兵器などのSF要素にはワクワクしたが、キーワードである『虐殺器官』、そしてカタストロフィに読後は空虚感に支配されてしまいました。

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    投稿日: 2010.11.10
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    知人がSF小説にハマって薦められた本。 SFというイメージを一気に変えた人に思え、かなり衝撃な本でした。 話しのオープニングが一番良かったのですが、最後の結末もなかなか面白い。

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    投稿日: 2010.11.07
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    あまりSFは読まないけれど、ディテールが凝っていることや、伝えようとする内容を何度かわかりやすく言い換えているため内容を捉えやすく、物語に深くのめりこめました。

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    投稿日: 2010.11.07
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    圧倒的な密度でどこまでも繊細なお話。描写もとにかく細かくて、わからない単語も多くてwikipediaで逐一調べながら読み進めたけど楽しかった。 これ、もっと学識というか知識があればもーっと楽しかったんだろうけど浅学な僕でも十二分に楽しめたよ。圧倒されました。

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    投稿日: 2010.11.07
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    近未来の世界。世界各地で勃発する紛争と虐殺。それを抑えるため先進諸国は徹底した個人管理を布いていく。 また9.11テロ以来実用化された「暗殺」 主人公米軍大尉クラヴィス・シェパードは虐殺が起こる場所に常に存在が確認される謎の男ジョン・ポールを追い、繰り返される「虐殺」の真相に近づいて行く・・・ なんかえらい評判いいですね。実は一度挫折したんですが、機会があってまた読んでみました。 ん~・・・・・おもしろい・・・・のかなあ。自分はちょっと。文章のレトリックみたいなものを楽しめばいいんだろうか?世界観・・・も別にそれほど感銘をうけるようなものでもなかったし・・・ 絶賛する人はかなり絶賛なので人を選ぶのかもしれません。

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    投稿日: 2010.11.07
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    伊藤計劃【虐殺計器】読了。小説の割にはテーマが深くて哲学書を読んでる気持ちになった。言葉、安泰、家族、戦争、食糧…色々なテーマが散りばめられ、読んだ人が一番関心があるところに届く作品だと思う。こんな作品を作り出す伊藤計劃は間違いなく命を削ってたと思う。そんな作品。

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    投稿日: 2010.11.07
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    亡くなる直前に書かれた本。 彼が読者に何を伝えようとしていたのか、 私は再読する必要がありそうだ。

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    投稿日: 2010.11.05
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    SF部分の描写は読み慣れていない為、なんとも理解しがたく読みづらかったのですが、それに対比しての「ぼく」の未成熟な語り口調が不思議な感じがしました。(狙ってのことらしいですが) アレックスの話が印象的でした。 地獄は頭の中にあって、天国は人間の頭の中に収まりきれない云々。 どこを読んでも「死」の臭いのする話だと思いました。

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    投稿日: 2010.11.04
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    昨年惜しまれつつ亡くなった伊藤計劃の作品。9.11後のテロが多発する世界において、大量虐殺を引き起こす男とそれを阻止するべく任を受けた米軍大尉の主人公の闘いの物語。昨年惜しまれつつ亡くなった伊藤計劃の作品。 Amazonや文庫版帯の伊坂幸太郎や宮部みゆきの超高評価に期待を膨らませて読んだけど、ちょっとガッカリ。たしかに世界観やテクノロジーアイテムのアイデアやそのディテイルには素晴らしいものがあると感じた。 一方、文庫解説にある小松左京が小松左京賞の受賞から外した理由に全面的に賛成。 <伊藤計劃氏の「虐殺器官」は文章力や「虐殺の言語」のアイデアは良かった。ただし肝心の「虐殺の言語」とは何なのかについてもっと触れて欲しかったし、虐殺行為を引き起こしている男の動機や主人公のラストの行動などにおいて説得力、テーマ性に欠けていた> HOW DONE IT はすごくよく書けているけど、WHY DONE ITが弱すぎる気がした。多分、映画でこの作品を観たら、僕は超絶賛だと思う。映画にはそれ(HOW DONE IT)を求めているから。でも僕の場合、小説にはWHY DONE ITをしっかり表現してもらいたいんです。 細かい所ではには、モンティパイソン・ネタがそこかしこに出てきて楽しかった。捕虜に貼りつけて無理矢理歩かせる装置の名前がSWD(シリー・ウォーク・デバイス)だとかね。シリー・ウォークまた観たいな(笑)

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    投稿日: 2010.11.04
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    天才の命は短い。 家族の死を罪に思う二人の男の物語。 最終的な手段は同じだが、動機は逆ベクトルを取る。 主人公の罪の意識は小説としてはインパクトが弱いと感じた。 SF、アクションの描写力は高い。 近未来を舞台にしながら、現在の世界(先進国)が向いている方向への鋭い疑問が投げられている。

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    投稿日: 2010.11.02
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    メタルギアソリッドのリアリティ溢れる戦闘シーンやきめ細かい情景描写、完成度の高い物語構成に感銘を受けて「違う本も読んでみたい」と思い、本書を手に取った。非常に面白く、また考えさせられる内容だった。年代的にはメタルギアソリッドと同じぐらいの近未来の話。メタルギアもそうだが、現代が抱える社会問題と未来におけるその変遷を上手くつないでいると思う。また、感情抑制措置を施された主人公の一人称視点は、悲惨な状況を目の当たりにしてもどこか他人事のような感覚に襲われるように、主人公の状況を読み手が実感する上で効果的だったと思う。そして、何より凄いと思ったのが、主人公達のやり取り。様々な分野の知識に精通しているし、また思考が深い。SF小説としても十分に面白いし、色々考えさせられる本としても読み応えがある。この人の本はもっともっと読みたかった。ご冥福をお祈りします。

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    投稿日: 2010.11.02
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    2010年10月31日購入・読了。 ネットの感想通り、細部に渡って緻密な文章。だが、自分の中で咀嚼しきれていない。時期を空けて改めてじっくり読むこととする。

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    投稿日: 2010.10.31
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    Webディレクターをしながら10日間で書き上げた作品(当時すでに癌に侵されていた) この本は是非あとがきから読んで欲しい。人生の残された時間に何をするか?の答えが伊藤 計劃は小説を書くだった。 命が尽きても語り継がれるもの。9.11のテロからこうなっていくであろう近未来を繊細に語った作品。

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    投稿日: 2010.10.29
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    夢のなかで起きているようなアメリカ国外での任務という非現実感と、アメリカ人の日常生活という現実が何度も交差することで、価値観が揺らいでいく過程描写が素晴らしい。 チェコ編の途中くらいから読んでいると、音楽を聴いているような感覚になってくる。 物語に同期できる音楽を聴きながら、再読しようと思う。

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    投稿日: 2010.10.27
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    不思議な小説でした。 日本の作品なのに、読んでいる手応えも印象も味わいもまるで翻訳小説のよう。 解説にもありましたが、恐ろしいほどの情報量が詰まっていて、暴力的かと思いきや、びっくりするほどに繊細で、切なくて怖い。主人公の心理描写のとにかく細かいことと言ったら。 手放しで友人に勧められるタイプの本では決してないけれど、読み切ったことによる満足感は確実に得られました。

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    投稿日: 2010.10.25
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    久しぶりに日本のSFの傑作を読みました。ベストSF2009の第一位の作品だったので前から読みたいと思っていました。9.11以降のテロとの戦い。その首謀者を暗殺する任務の主人公。映画にすれば場面展開の早い、面白いエンターテイメントになりそうです。恋も絡んでくる、彼女の相手は?各国の紛争に絡む一人の共通人物。なぞ解きをしながら、核心に迫っていきます。虐殺の言葉が人を虐殺に駆り立てる。読んで損の無い一冊です。

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    投稿日: 2010.10.24
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    言葉の魔力と魅力。 戦場の空気と近未来の兵器と登場人物の台詞回し。映画を見ているような気分になった。

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    投稿日: 2010.10.19
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    淡々とした語り口で恐ろしいストーリが語られるせいか、読むのに比較的時間がかかったような気がします。私が今まで読んだ、どの本にも似ていませんでした。10年くらい経ってから、もう一度読み返してみたいです。

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    投稿日: 2010.10.18
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    自分の守りたいものを守るため、他を踏みにじって。 自分の置かれた環境はどうなんだ、って考え出したら止まりません。 圧倒的ですごすぎて、気分が沈むー。怖い。ので、あえて星4つ。

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    投稿日: 2010.10.17
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    他の人が言っているほど感銘は受けなかった。 ただこの本で語られ、またタイトルにもなっている”器官”という言葉は深い。 これは英語でいうとOrganであり、これは臓器という意味でもあるが、社会や声、代弁者という意味も持っている。 特にこの作品で顕著なのが広義でのあらゆるシステム(身体)である。 我々が考えなくてはいけないのは全てがシステム化しているということであり、そこでは全ては部品(Organ)として扱われる。これを作者は危惧しているのではないか、と。

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    投稿日: 2010.10.10
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    文章、カッコイイ。 近未来の世界。実際に起こりそうな事、現在起こっている事、それは無理でしょうって事がクロスしストーリーはぐんぐん進んでいく。感情を抑制コントロールし、人を殺していくシェパードがルツィアに心を乱され的確な判断を狂わす所は、そりゃないでしょうって感じだが、カッコイイので許します。 細部について書き込まれている作品だが、最後のエピローグで人々を殺戮にかき立てるキーワードにほとんど触れていない事が残念。

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    投稿日: 2010.10.09
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    正直ストーリー自体には驚きはない。 ただそれを補って余りある、近未来世界観の 緊密な描写がある。 軍事関連・言語関連。魅力的な人工筋肉・偽装迷彩・ IDシステム。 第四部が追加加筆されて、作品のできばえが グンと上がった。 癌で亡くなったらしいが、大変惜しい。

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    投稿日: 2010.10.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ハヤカワコーナーに平積みされていたのをやっと購読。 残虐さを無関係にこなしていく主人公が、題名通りグロい。 日本の作家が日本を舞台にせずに、海外・外人を描いているのが、血の滲む努力を感じました。 オチが解説にある通りの物足りなさがあった。 但し、非対称戦争、核兵器、人工筋肉、個人情報、PMC、テロ以降の政治情勢などのSFたる近未来を、読み飛ばしかねないぐらいにちりばめていながら、逆にストーリーに引き込まれる。 作品数が遺憾ながら少ないですが、他作品は読みたい。 本当に惜しむべき才能。

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    投稿日: 2010.10.08
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    癌で自分の最後を感じながらの執筆 ありえないパワーを感じました 読後に本を抱きしめました なんだか哀しい気持ちです

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    投稿日: 2010.10.07
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    はじめのうちは読みにくく、なんかあわないなと思っていましたが、途中からぐんぐん引き込まれていきました。 作者の早すぎる死が惜しまれます。

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    投稿日: 2010.10.07
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    アメリカ人の無神経な正義感に違和感を覚えつつ、宅配ピザとDVD(というよりコンビニとゲームか?)の日常を離れられない私たちとしては、自分の問題として真摯に読むべき作品だと思う。SFに詳しくはないが、今まで読んだ優れたSFは、どれも今ここにある問題の鏡だった。ネタバレせずに書くのは至難の業だが、この作品も例外ではない。 ついアメリカ人に読ませたいね、と思ってしまうが、私だって同じ穴の狢であるという痛み。 ラストがとても妥当だったと思う。ラストの在り方としては、ある種の定型であり、色々な形で今までも使われてきたものだと思うが、このテーマでこのラストを選んだことに意味があると思う。主人公の造形が未熟であることが批判されたとも聞くが、それすらもテーマの一つだろう。 アメリカ人たちの造形に違和感がないことに驚き、ポップカルチャーに関する大量のリファレンス(これもテーマと不可分のものだ)に笑った。個人的には、「ケビン・ベーコン・ゲーム」って久しぶりに聞いたし、たぶん日本語で書いてあるのは初めて見た。 リーマンショック前の作品なので、今読むとアメリカの強大な覇権に疑問の余地がない世界観に少々違和感があるのは仕方ないところではある。 デビュー作とは思えないレベルの高さ。著者は若くして亡くなられたそうだが、一読者として大変残念だ。☆4.5個

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    投稿日: 2010.10.06
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    繊細なタッチで描かれる虐殺が生々しさを増幅させる。 近い将来現実にありそうな近未来的な設定やアイテムにもわくわくさせられる。 「虐殺の言語」のもう少し具体的な姿を見たかった気はするが、現在の世界における諸問題をさらりと巧妙に混ぜ込んだストーリーは十分完成度の高いSF作品に仕上がってると思う。

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    投稿日: 2010.10.04
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    読んだことないタイプの本だった。なのに、読み終わってから、なんか読んだことある気がするという感じのストーリーだった(笑)。

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    投稿日: 2010.10.03
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    言葉とは? その力とは? 表現とは? 言語の文法による虐殺の方法がある? そんな文章を書くことができる? では、その逆もできるはず。 内戦、虐殺の行われる環境を救う文法。 この小説では、そこには踏み込まない。 進化?生存のため? 人類がつかんだと思われる言語を操る形のない臓器・器官があると言うのは仮説だが、なんとも生々しく響いてくる。 SF小説に疎い人は、文学小説では味わえない世界を知ることになるでしょう。ただし、カタカナは頻繁に登場するのであきらめずに最後まで読んでください。 わたしからさらに一言。 登場人物のジョン・ポールとルツィア・シュクロウプの話す言葉にはしっかり「耳」を傾けてください。 あなたにとって、どんな「器官」となって宿るでしょうか。 大変興味深い。

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    投稿日: 2010.09.28
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    淡々とした文章で虐殺が描かれ、主人公のおかれている世界観が生々しく伝わってきます。命の価値という重いテーマを扱っているだけに好き嫌いがあるかもしれませんが、日本産SFの代表格となり得る作品ではないでしょうか

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    投稿日: 2010.09.28
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    近未来SF 戦争・特殊部隊・諜報・ミステリ。作家 伊藤計劃氏 デビュー長編。 「ベストSF2007国内編」第1位、「ゼロ年代ベストSF」第1位、第1回PLAYBOYミステリ大賞受賞。 テロリストによる手製核爆弾でサラエボが消滅、世界各地で内戦・紛争による虐殺が繰り返されている近未来が舞台。 地域紛争の中で行われている虐殺を止めるため現地に潜入した特殊部隊員のシェパード(主人公)は虐殺の影に見え隠れする謎の男を追う。 本屋で平積みになっていた本書を手に取り、帯の「宮部みゆき」の文字を見て購入。「・・・こんなにすごいものは書けない(宮部みゆき)」 確かに宮部みゆき氏は書かないジャンルだよね・・。宮部ファンは面食らうかも? テクノロジーによって戦闘用に最適化された精神状態を保っている主人公だけど、様々な死に直面し、徐々に苦悩していく様子。そして最後に取った行動・・。恐ろしいですね。 その他、緻密に描かれた戦闘シーン、人工筋肉を用いた兵器等の近未来のテクノロジーがとても印象に残ります。 2007年に本書でデビューした伊藤計劃氏は、癌による闘病生活の末、2009年3月に亡くなられました。ご冥福をお祈り申し上げます。

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    投稿日: 2010.09.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    戦争と良心と言語、僕自身の関心に深くつきささる深刻な問題を提起された。 管理社会を描きながら、オーウェル『1984』よりもはるかに生々しい。「もしかしたらそうなるかも」という空気をまとっている。残虐さと繊細さを兼ね備えた文体が素晴らしく、一気に読み進めることができた。序盤から一貫した筋を保ち、結末も申し分ない。思わず背筋がふるえた。 これはすごい。本当にすごい。

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    投稿日: 2010.09.24