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powered by ブクログキリスト教、ユダヤ教、イスラム教について、 そもそも、たった一つの神様を信じることについて、知らないことばかりで面白かった。 特定の神様を信じるってどんな感覚なんだろう。 以下メモ ・神とは キリスト教(一神教):神(god)は別格、人間ではない、怖い、神中心で神の視点で世界を見る。 日本(多神教/無神論):神は人間みたいなもの、仲間、多い方がいい、人間中心に世界を見る。 日本人は、神に支配されたくないという感情。日本人は主体性が大好きで、努力が大好きで、努力をしない怠け者が大嫌いで、神まかせも大嫌い。 ・ユダヤ教とキリスト教とイスラム教 同じ神(ヤハウェ/エホバ/アッラー)をあがめている。 →神に対する人々の対し方が異なる 神に対するのに間に誰かを挟む、それが預言者 イエス・キリストは預言者ではない。本人が神の子。 ・原罪:キリスト教にある観念 しょっちゅう罪(神に背くこと)を犯すしかない人間は、その存在そのものが間違っている。 そのにんその人間が神に救われるためのウルトラCが、イエス・キリスト。 イエスを神の子、救い主だと受け入れた人は特別に赦されるかもしれない。 ・なぜ全知全能の神が作った世界に、悪があるのか 多神教:運が悪い、悪い神様のせい 一神教:試練と考える。神への語りかけ(祈り)を繰り返す。 アーメン=その通り、異議なし ・仏教も儒教も多神教の分類だが、一神教との共通点がある。それに対して日本の宗教観は独特。 日本:自然と人間が調和し、自然の背後にいる様々な神を拝む 一神教+仏教+儒教:手近な神々に頼らない、神々を否定している。 神々は放逐され、世界は一度壊れ、宗教により再建された。こっちが世界のスタンダードな宗教観。 ・聖書を「文字通りに」正しいとは信じていない。 聖書は矛盾していることが明らかなので、信徒が解釈を相談、決議し、それに従って信じる。 さらに、聖書があいまいだからこそ、神が作ったこの「世界」を観察・研究する中で自然科学が発達した。 イエス・キリスト 預言者ではなく、初めから神の計画によって生まれた特別な存在。 預言者は神の言葉を伝える。 イエスは、神の言葉をじかに述べることができる。 三位一体:神=キリスト= 聖霊 イエスの死後、預言者は現れないので、神との連絡手段として聖霊があらわれた。 ”一神教”なので、この3つがイコールになると解釈。 キリスト教は、ユダヤ教の律法(旧約聖書)を残したうえで、その上に「愛」を積み重ねた二段構造。愛は人間と神との契約。 隣人愛=人が人を裁かない。人を裁くのは神。
4投稿日: 2025.10.16
powered by ブクログ対談形式でわかりやすくライトに読める本。私自身の宗教への理解が深いわけではないので、この本の内容がどれだけの強度なのか判別できませんが、わりと知りたかったことが知れました。他の本とも繋がることも多くていい感じ。 特におもしろいな〜と思ったところは宗教と科学について。むしろ科学的であるからこそ、その先に宗教を信仰している、と。個人的には納得感あってよかったです。
48投稿日: 2025.08.04
powered by ブクログこれは宗教版の「銃・病原菌・鉄」ではないか! なぜ、中世以前まで栄えていたイスラム圏を圧倒してキリスト教圏が近代文化の覇権を握ることになったのか。 いかに、私たち近代文化の思考の根底にキリスト教的な考えがあるか、がよくわかる。 キリスト教は厳格な宗教法を持たなかったため、柔軟に法律を作る、変えることができ、民主主義、資本主義の発展につながった。 解釈の余地があるということで、そこから自然科学や哲学が生まれ、科学技術の発展や産業革命に寄与した。 あらかじめ、法則が決められていたら、考える必要もないのだ。「なぜだろう?」がどれだけ素晴らしい魔法の言葉かがよくわかる。 さらに、人権についても、「神が自然を通じて人に与えたものだから国家はそれを奪えない」というキリスト教における自然法からのアイディアだったとは驚き。 これから、このキリスト教的な近代文化、資本主義文化がどう変わっていくのか。 エルサレムとパレスチナの問題が激化し、さらにイランへの攻撃が始まったいま、これらを包摂する文化がどう変容していくのか、日本も蚊帳の外ではなく主体的に議論していかなければいけない。
0投稿日: 2025.06.17
powered by ブクログ『(前略) その大澤さんが、やっぱりキリスト教だよ、と言う。キリスト教を踏まえないと、ヨーロッパ近現代思想の本当のところはわからない。現代社会もわからない。日本人が、まず勉強すべきなのは、キリスト教ではないだろうか。 まったくその通り!と私も思った。 「キリスト教入門」みたいな本なら、山ほど出ている。でもあんまり役に立たない。 「信仰の立場」を後ろに隠して、どこか押しつけがましく、でもにこにこ語りかける。さもなければ、聖書学あたりの知識を、これならわかるかねと上から目線で教えをたれる。 人びとが知りたい、いちばん肝腎なところが書かれていない。根本的な疑問ほど、するりと避けられてしまっている。 そこで大澤さんと相談して、対談が実現した。ボケとツッコミの要領で、ふつうのクリスチャンなら怖くて言えない話題もとりあげた。「信仰の立場」を尊重しつつも、自由にそこから出たり入ったりする、「社会学的な」議論をくりひろげた。』(p.345橋爪大三郎あとがき) . . . 「旧約聖書を知っていますか」 「新約聖書を知っていますか」 阿刀田高著 「名画と読む イエス・キリストの物語」 中野京子著 と本作の四本立てで読むと、キリスト教界隈さっぱりちんぷんかんぷん勢でも、ザザザーッと雑ながら頭の中にキリスト教界隈モノサシが備えることができるかも。 そして、宗教や信仰としての話だけではなく、人間が生きる世界を見つめる違う目線が一つ、いや複数増える。と思う。 ※ちなみに私はクリスチャンではありません。 ※ゆえにキリスト教布教目的の推薦でもありません。
14投稿日: 2025.06.09
powered by ブクログキリスト教はユダヤ教の否定と保存で成り立っている。キリストは神の子。Godは全知全能で絶対的な存在で恐れられる存在。(ユダヤ教)そこでキリストが愛を説いた。 キリスト教だけが原罪を持っている。人生の全ては試練の連続でその意味を自分なりに受け止めて乗り越えることが神の期待に答えること。 三位一体 神ときリストと聖霊。 西欧では政治権力と宗教的権威の二元化。キリスト教社会は自由に新しい法律が作れた。 カルヴァン派の予定説。勤勉なことは神の恩寵のあらわれ。
0投稿日: 2025.05.25
powered by ブクログキリスト教の核心に迫ってくれる書籍。というのもロジックがあるから。近現代社会の前提となる西洋を理解するために、その前提となるキリスト教を紐解こうとする二人の社会学者が、時に平易に言い換えて、時に世俗的な日本人的視点(あるいはそれに馴染んだ学生)からのツッコミを加えつつ、なんだかよくわかっていなかったキリスト教の歴史と物語と影響をコミカルに論じている。対談形式なのが効果的だったか、すらすら読めるわりに頭に入る。ただ固有名詞もごそっと出てくるので、その辺りは一般教養書で鍛え直したいと思った。高校のころに旧約聖書・新約聖書を読んでみた時も、似たような疑問を抱いて一人で首を傾げたなあ、と思い出して懐かしかった。それとともに、自分自身が原罪的な価値観でがんじがらめになっていたことや、リバース:1999がキリスト教からは異端とみなされたグノーシス主義を物語の基底としたことなどを考えさせられた。 「第1部 一神教を理解する――起源としてのユダヤ教」ではマックス・ヴェーバー『古代ユダヤ教』を引きつつ、歴史(人間)的な側面と物語(神話)的側面から旧約聖書をひっくり返す。どうも他の強大な国家から迫害された弱小の民族国家による逆説的な理屈が働いているぞ、という話。おそらくこのロジックは最後まで崩れておらず、だからこそ一神教というふうに理解できそう。たとえば、橋爪がしたGod の説明にこんなものがある。「Godは、人間と、血のつながりがない。全知全能で絶対的な存在。これって、エイリアンみたいだと思う。(中略)Godは地球もつくったぐらいだから、地球外生命体でしょ?」(21-22頁)とある。なるほど、たしかにそうだ。ほかにもわざと不幸な目に遭わされてその試練を耐え忍ぶ『ヨブ記』なんか(73-75頁)が取り上げられている。これは儒教的な気がして高校生当時やたらと記憶に残った話でもあった。その後の整合性をとるために理不尽を大前提として出発したアクロバティックなシナリオをそのまま受け入れるからユダヤ教となったのだと言われてみれば、納得する話だった。これでユダヤ教についての見通しがだいぶんくっきりしたと思う。またバビロン捕囚のあたりで奴隷となった結果、『創世記』が編集され、ヤハウェを民族の神から世界の神として再規定された。このあたりから他の宗教の神々を放逐したり神話を取り込んだりして変化したらしい。あとは信仰と科学。山本七平さんが進化論と現人神についてアメリカ将校から質問された有名な話やリチャード・ドーキンス『利己的な遺伝子』を例に、アンビバレンツな信仰というのはあるものだという。つまり近現代的な自然科学と『創世記』の神話的な実証性とが相いれないじゃないかと思っても、相いれないからどちらかだけを信じるというわけでもないという話。これと関連するのが歴史的な信仰の変容に触れている第3部。核心は第2部なので、そちらについては社会学的な導入だなあと感じただけ。やはり面白いのは第2部。 「第2部 イエス・キリストとは何か」はユダヤ教を否定しながらも継承して世に出たキリスト教のふしぎにツッコむ。一番のふしぎはイエスだ。どうもマトリョーシカの入れ子構造となって、大きなイメージに膨らんできたという風に説明している。人間であるナザレのイエスから、預言者、キリスト(メシア)、そして「神の子」たる処女懐胎の出生。それでキリストはユダヤ教の律法を破棄して(これでパリサイ派から恨まれる)、隣人愛を説法する。橋爪は愛と律法の関係について、こんなふうに説明する。「共通点がある。愛も律法も、どちらも、神と人間との応答である。そして、神と人間との関係を設定する契約である。神と人間との関係を、正しくしようとする努力なんです。」(197頁)そしてこの説明が、大橋と二人で神がアブラハムをナンパした比喩に展開させたところがおもしろい。ともかく神が、関係のないところに関係を作ろうとして、ルール違反したら処罰するという契約なのだから、律法と愛とでそんなに区別することはない、という。イエスがどうして愛としたかといえば、対象をアブラハムの子孫だけじゃなくしたということらしい。このあたりがカリスマ性ということだろうか。新約聖書のわかりにくいところを凝縮したような小節だった。あとはパウロの話も取り上げている。困ったオタクみたいでおもしろい。とりあえず文章にしておきたいのはこんなところだが、いずれの話も示唆に富んでいて、半端な知識量で読んでも面白い。本棚とお金に余裕がある時、買ってじっくりと再読したいと思える内容だった。
0投稿日: 2025.05.24
powered by ブクログ近代社会とは西洋的な価値がグローバル・スタンダードになっている社会のこと。その西洋的なものはキリスト教に由来する制度や考え方を基底にもっている。なのでもっとキリスト教のことを知らないと、というのが本書の内容だと思います。日本はキリスト教とは関係ない文化・伝統を基底にもっていると思うけど、それが近代化=西洋化していくことの齟齬はどう解決するとよいのだろうか。
0投稿日: 2025.05.11
powered by ブクログキリスト教を信仰している人には、 聞きづらい純粋な問題に答えてもらって スッキリした感じになる 難しい部分もあるが、違う角度から宗教に 接することが出来た
0投稿日: 2025.04.19
powered by ブクログキリスト教を通じて西洋社会の成り立ちを理解することが、現代を知る上で重要になる、という前提のもと、 •多神教と一神教の神様の違い •イエスとは何者なのか •科学技術や哲学との関連 •権力とキリスト教の距離について などなど、様々な切り口からキリスト教について議論が進められていく。 対話形式なので読み易く、智の巨人たちのあそびみたいな空気を感じられて面白かったです。 同じ一神教でも、聖書を読み解く視点や見解に多様性があるキリスト教と、ムハンマドがほぼ直接神の言葉を受け取ることから聖典に多様性や多義性は入りようがないイスラム教という違いがある。 ただ、キリスト教社会が寛容かと言われればそうではなく、その時々で最も力を持つ者の解釈が正統となりそれ以外は異端とされるなど、権力との関係も独自性があるという面も興味深い。
3投稿日: 2025.04.15
powered by ブクログキリスト教について学ぶために読んだ。 キリスト教を学ぶことで感じる疑問を丁寧に解説してくれるため非常に面白く学びになる。また、キリスト教だけで無く、ユダヤ教やイスラム教についても学ぶことができる。また、キリスト教が現代に与えている影響も知ることができ、よりキリスト教を学んでいきたいと思えた。
0投稿日: 2025.03.30
powered by ブクログ聖書読書会つながりでこの本をご紹介いただき、図書館から借りてきた。 一神教の理解を促す第一部、そもそもキリストってナニ?の第二部、第三部でキリスト教がいかに今のこの世界に影響を与えているか…という構成で、社会学、橋爪大三郎さんと大澤真幸さんが対談している。 聖書を読むに当たって、これほどモチベートしてくれる本もあるだろうか。 だいぶ慣れてきたとは言え、まず聖書を読んでいて一番最初に躓く一神教の考え方。 以前、a scopeというPodcastの番組で橋爪先生がおっしゃっていた、「神」以外のものに頭を下げなくて良いというのが一神教の考え方だというのを思い出しながら、大澤先生の、おそらくわざとであろう結構際どい質問にそれだからこそ余計に激しく頷きつつ、橋爪先生の冷静でわかりやすい解説を読み進めた。 キリストの存在についても、聖書を読んでいるとちょっと忘れがちになるんだが、三位一体の一角である、神の子としてのイエスと、実在したであろうナザレのイエス…その2つの存在についてどう整合性をつけるかという、聖書を記し、後世へとキリストの福音を伝えた人々の内面にめちゃくちゃ興味がわいてくる。 どうやら2000年くらい前に、元大工のユダヤ教徒が、目新しい教義で衆目を集めて2年くらい活動していたんだが、旧体制を保持するユダヤ教の派閥に陥れられてローマに処刑されてしまった。 この後、このインパクトで100年くらいかけて徐々に彼の教えが広められていき、実際には彼と会ったことのない世代の人間がキリスト教をキリスト教たらしめていく。 聖書読書会に参加していても思うんだけど、聖書自体に宗教としての教えと、いつかのどこかの史実がふんわり、ときにガッツリ入り混じっていて、当たり前だけどそこの分離が難しいからこそ、神秘やロマンを感じる。 また、歴史を振り返り、今の世界を眺めたときに、そうなった必然に、ちょっと神性あるよな…とも思えるので面白い。 ちなみに、ちょうど今、旧約聖書の申命記まで読んだ。 新訳の福音書を2つと使徒言行録は一番初めに読んだので、ここに書かれている内容がちょうど副読本的に効いてくる。 前回はもう一冊ご紹介いただいてたんだが、図書館で見つからなかったので、今度、古本屋さんとか探してみよう。
0投稿日: 2025.03.27
powered by ブクログキリスト教を日本人目線で理解するには非常にわかりやすい本。厳密性や深い部分は難しくとも、何も知らないより本書によりキリスト教の概要を理解するには大切だと考える。
0投稿日: 2025.02.22
powered by ブクログ西欧だけでなく、世界中で現代社会に大きな影響を与えているキリスト教。本書はキリスト教を社会学的な切り口から解説した画期的かつわかりやすい1冊。 ユダヤ教、イスラム教と比較しながら、なぜキリスト教が広まったのか、やや強引ともいえるような考え方が成り立った背景はなにかなどを解き明かす。橋爪大三郎さん、大澤真幸さんという大先生の対談形式で、とてもわかりやすく楽しみながら読めました。
1投稿日: 2024.10.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
おもしろかった。一神教の特徴や、キリスト教の疑問あれこれ、近代とキリスト教の関係などを、社会学的な視点から、橋爪先生と大澤先生が対談して分かりやすく説明してくれている。 世界三大一神教のユダヤ教・キリスト教・イスラム教。どれも同じ神を信仰しているが、やっぱりキリスト教だけ特異だ。イエス・キリストという「神の子」の存在がやはり異色で、神の子が存在しながらそれでも一神教であるために三位一体というアクロバティックな学説を出して乗り切ろうとしている。ユダヤ教もイスラム教も預言者を通して神の言葉を聞き、その唯一の神の言葉を律法なりイスラム法なりとして守っていくことになるが、キリスト教は神の子が自らこの世界に介入して一人の人格を持って自ら語り、周囲の人がそれを証言する形で福音書が書かれているため聖書の中でも言っていることが人によってバラバラになる。そして律法主義のユダヤ教を否定する形で成立したキリスト教は、法律を持たない。よって、宗教としての法を持つユダヤ教やイスラム教と違い、人々が自由に法律を作ることができる。それが、キリスト教圏が近代化を進めていける鍵になった、という点が目から鱗だった。合理的でスマートなイスラム教は、イスラム法が厳格で利子を禁じていたり、精神的なものに重きを置き過ぎてもの作りが下に見られ製造業が発展しなかったり、意外と近代化で遅れをとってしまっている。一方キリスト教はイスラム教経由でギリシャ哲学とも出会い、神学と結びついてそこも発展するし、自然科学も発展するし、結局近代世界のヘゲモニーを握る。 キリスト教のこととしては、贖罪思想のもとには「眼には目を歯には歯を」の同害報復の発想があるというのも目から鱗。A集団のaさんがB集団のbさんを殺した時、B集団は報復としてaさんを殺せるが、間違ってaさんの弟を殺してしまった、という場合、同害報復の考えに則れば、もうB集団の報復としては一人に対して一人殺したのだからそれで済ませなければならない。このとき罪を犯したaさんは、罰を受けずに助かったことになる。キリストの贖罪思想はまさにこれで、キリストが身代わりになったことで人類の罪が許されたことになるのは、この古代法に則っているらしい。なるほど。 あと、パリサイ派とサドカイ派ってよく分かっていなかったけれど、ユダヤ教には神と繋がり神の意に沿うために3つあって ①捧げ物をする ②神の言葉を聴く ③神の与えた律法に従う このうち①を専門的に行う祭司をサドカイ派、③をパリサイ派と言い、②は預言者なんだけど、これらはそれぞれ対立しがちなので、イエスの時代には偽預言者と言われて殺されることがしばしばあり、洗礼者ヨハネもイエスも実際殺されている。当時山の中にこもって独身主義で祈りの生活を送るエッセネ派というのがいて、イエスはそれに近かった、というのは初めて聞いたけれど、遠藤周作の『死海のほとり』に似たような話が出てたな。 信仰の立場からの話ではないからなかなか教会では聞けない切り口で、十二使徒が出来が悪かったから、ローマ市民権もあってギリシャ語もできた国際人パウロが、イエスと直接の面識はなくてもキリスト教を大成する第一人者になっていったのだ、というのも、まあ言われてみればそうだよなぁと思う。というかパウロが偉大すぎる。パウロの手紙は「論文」というのも納得。 もともとは教義のすり合わせを、主教たちを集めた公会議で行っていたのに、東西のローマ帝国に分かれてからそれが開けなくなり、東の正教会と西のカトリックに分かれてそれぞれで変化していった、というところに世界史の流れを感じた。西ローマ帝国が早々に滅んだためにカトリックでは政治権力と宗教の権力が独立した。というか、早々にスポンサーを失って弱体化したカトリックは、西ローマよりも小規模なゲルマンの王権を頼るのではなく、聖書やミサにラテン語を使うことで超越性を醸し出し、終末論など人間には力の及ばない次元の話を武器にし、結婚を秘蹟として介入し、なんというかカトリックを守るために権威づけをしていったということか。 冤罪のような罪で惨めに死んだイエスを発端に、弱小な弟子たち、無理やり感のある三位一体説、すぐに倒れたスポンサーの西ローマ帝国、などなど、危なっかしい弱小感に溢れるカトリック・キリスト教が、西洋の文化文明ひいてはグローバリゼーションの中で世界の文化文明の基礎になっていることそれ自体が、神の業って感じがする。不思議。
0投稿日: 2024.08.28
powered by ブクログ・話してる内容は抽象的で小難しいけど、対談形式だから文章が読みやすくて助かる。 ・「キリスト教の〇〇って変じゃない?」っていう単純な疑問に回答してくれて、楽しく読み進められた。 ・ユダヤ教からキリスト教への変遷とか、すっきりまとめてくれてありがたい。 ・対談形式だから読みやすいけど、その分、どの部分が主観で、どの部分は引用なのかちょっと混乱した。 ・なるほど!となる回答もあり、なんか腑に落ちないな〜となる回答もあり。そこも含めて、興味を持つきっかけをくれる楽しい本でした。
0投稿日: 2024.06.19
powered by ブクログキリスト教圏の人達の底に流れる考え方を分かりやすくかみ砕いて対談形式で読むことができる。 キリスト教も仏教も儒教も実は神を殺しているという話や、日本人は神をたくさん置いていることで寧ろ神の力を殺いでいるという話など面白い話が盛りだくさんだ。 法律の考え方で、ユダヤ教やイスラム教はかっちりと律法が固まっている一方、キリスト教は律法がなく、「神が世界を作りその後世界からいなくなった」という世界観だから人間が頂点として法律を作っても良いという価値観であるという所も面白い。
0投稿日: 2024.04.29
powered by ブクログ現代社会を深く理解するには、キリスト教について知悉するのが一番。それに応えてくれる名著。 キリスト教に造詣の深い橋爪氏に、大澤氏が鋭く、かつ、ピュアに問いを投げかける。二人の対談の場に居たかったなと思うくらい、楽しんで知的に会話している様子。これ一冊でキリスト教について広く深く知ることができる。本当に不思議なキリスト教だ。
0投稿日: 2024.04.21
powered by ブクログこの本を読んで、キリスト教の基本的理念と疑問、さらにはその教義が近代化にどのような影響を与えたか分かりやすく解説されている。僕自身キリスト教と関連のある生育環境にいたため、ずっと疑問を抱いたまま生活を送っていました。しかし著者たちによる複雑で難解なキリスト教の教義を社会学的に分析することで、キリスト教に対する自分のモヤモヤが明解になった(文章としてまとめるのは大変難しいが…)。
0投稿日: 2024.02.24
powered by ブクログめちゃめちゃ面白い。最初から最後までびんびんだった。キリスト教で疑問だったことが悉く語られている。キリスト教や聖書のおおまかな知識をつけてから読んでよかった。 著者2人の見識がすごいなあ。どれだけ深い知識があるのだろう。 でも、橋爪さんという人は学者でありながらクリスチャンであるようだが、教義が政治的な駆け引きに近いものによって決まるとか、イエスは歴史上ただの大工の息子であるとか信仰の立場から外れた発言がある一方、大澤さんという完全に信仰の立場にない人からの素朴な疑問に対する答えが???なこともあって。やっぱり信仰していると客観的になりきれないのか、、、?宗教を信仰する気持ちはさっぱり分からない。 一神教の考え方やイエスの言わんとしたこともまだまだ疑問だらけ。もっとキリスト教の本読もう。
0投稿日: 2024.01.27
powered by ブクログ社会学的な観点から見たキリスト教については半分も理解できなかったが、それでも現代の西洋文化においていかにキリスト教の影響が大きいかは十分理解できた。 もう少し知識をつけてから再読したい。
0投稿日: 2023.12.14
powered by ブクログキリスト教の成り立ち、ユダヤ教、イスラム教との関係性の大枠を理解するのにうってつけの良書だと思う。聖書という書物の不完全さ、様々な解釈の余地があることが、著者2人のやりとりから感じられ、その理解、解釈しようとする努力こそが、現代の西洋文明の礎になっていることが分かった。宗教なんて、キリスト教なんて、と思っていたが、自分が恩恵を受けている近代文明が、実はキリスト教があったからこそのものだったとは。面白かった。
0投稿日: 2023.11.30
powered by ブクログ2023.01.24 本にも書いてあるけど、本当に面白かった。傑作だと思う。前提となるこの本のコンセプト(現代社会を生きる上では、キリスト教の理解が必要だ)が、本当に素晴らしいと思う。
0投稿日: 2023.01.24
powered by ブクログ一神教のgodと多神教の神様との違い 日本人にとって、神様は仲間(自分の支え) godは人間を創造(所有物) 絶対的存在 なぜ神様が創造した、この世界が欠陥だらけなのか? イエスが起こした奇蹟の真相 ユダの裏切り
3投稿日: 2023.01.20
powered by ブクログキリスト教に興味を持ったので読んでみた。 腑に落ちない部分もあるが、総じて「よくできているな」という印象。特に、西洋でなぜ科学が発達したのか、分かった。 私は日本人的価値観に染まっているから、まだ一神教の考え方について怖いと思う部分もあるけど、こっちがマジョリティでベーシックなんだな、という位には理解が深まった。
0投稿日: 2023.01.04
powered by ブクログ宗教、特に「神様を信じる」ということがどういうことなのか理解できないので、初歩的な質問も含んでいるというこの対談本を読んだが、いい意味で自分にはやはり宗教は理解できないと思った。 聖書は矛盾に満ちていて、遥か昔からそれをどのように解釈するか論争を繰り広げてきたとあったが、その過程で西洋の近代化の手助けのような働きをしていたと考えるところが興味深かった。
0投稿日: 2022.11.23
powered by ブクログもしこの対話の間に入っていたら、ずっと話を聴いていられる感じがする。 学校の授業で聴くには少し堅苦しく、かと言ってBarでお酒を飲みながら聴くにはお粗末な感じ。 読書で読みくだき、一人で悶々としながら思考を巡らすのがちょうどいい、ふしぎな本です。
0投稿日: 2022.09.21
powered by ブクログ某社会学の先生がキリスト教について対談し、 解説する本です。 過去に解釈違いや賛否云々あったようですが、 そういうものを抜きに、未熟な私からすれば、 例えが分かり易くて文章が面白かった。 これはエンタメだった。 ※信徒さん向けではないのでご注意
0投稿日: 2022.09.04
powered by ブクログ聖書をわからないものととして遠ざけてしまってる人におすすめ。聖書に書かれている言葉は世の中にたくさんあるが、日本人の多くは勝手に解釈し間違ったまま広まっていることが多い。 キリスト教との距離感がぐっと縮まった本です。
0投稿日: 2022.09.04
powered by ブクログ2回目。前回はざっと読んだだけであまり覚えていなかった。 『ゆかいな仏教』を読んで再度読んだ。 間違っている箇所もあるとの指摘もあるそうだが、全体に読みやすく切り口も面白いので、自身含めキリスト教のことが全然わからないという人が最初に読む本としてはとても良いと思う。 ●概要 今当然にある世俗的な概念や制度(資本主義、自然・社会科学、民主主義、芸術)が出てきた背景や受け入れられた素地が実はキリスト教にある。日本人は一神教でもなく特にキリスト教への理解が薄い。キリスト教を知ればもっとその概念や制度、一神教の人々の通底する考え方が理解できるのではないか。 キリスト教がベース・前提としているユダヤ教(我々日本人はそれを踏まえないのでキリスト教がなかなか理解できない)の概要から始まり、それに対してイエスがどうアプローチし、さらにどう現在のキリスト教になっていき、現在どのような所にその影響が見られるのかを質問者大澤さん、回答者橋爪さん、という問答で深めながら展開される。 ●知らなかった/面白かった話 第1部 ユダヤ教 ・ユダヤ教もキリスト教も殆ど同じ。ちがうのはイエス・キリストがいるかどうか ・ユダヤ教では神との関係は「契約」による安全保障(よそよそしいもの)であったがイエス・キリストが「愛」を述べて大転換 ・ユダヤ教にとっては律法(宗教法)が大事。ユダヤ民族の生活のルールを一つ残らず列挙して、ヤハウェの命令(神との契約)だとする。これを守っていれば国家が消滅してもまた再建できる。実際にイスラエルが建国されてその戦略の正しさを証明している。 ・人間は神(ヤハウェ)に似ているが、神は人間似ていない。例えば、神を4次元の怪物みたいなものとし、それを三次元に射影したのが人間、というイメージ(橋爪さんの解釈) ・一般的に普遍宗教は王権と結びつき拡大していくものだがユダヤ教は権力を肯定しない。 -ユダヤ人は元々移動する民であり、外国人扱いを受けてきた(寄留者;ゲーリーム)。それにより貨幣経済や土地所有、都市化が進んでも原始的な部族共同体の態度が保存されている。安息日、債務帳消し、寡婦や孤児の権利、外国人労働者への保護など社会福祉的な規定(カリテート)がある。 -ユダヤ教では神と人間に絶対的な差別・差異があり、人間同士は平等である →一般市民(預言者、長老含む)による王権のコントロール。民主主義発達。cf .儒教では徳の高い天子と徳のない民衆という差異 ・神が作った世界の合理的な自然法則の完全な例外が奇蹟 ・大事なのは「神を信じているか」というような意識できる宗教性ではなく、マルクス主義や科学者にすら現れる無意識の態度や行動のレベルの信仰である 第2部 キリスト教 ・イエスは実在しているというのが大方の学者の共通見解 ・キリスト教はイエスの死後パウロの書簡(イエスの十字架の受難を意味づける教理を考えたもの)によって成立し、その後イエスの原稿録として(書き手が複数であるがゆえ)内容が多少異なる4つの福音書作られた ・イエス自身は自分を「神の子」とは思っておらず、また新宗教を作るというよりはユダヤ教の内部の革新運動として行動していた ・イエスの振る舞いは預言者に似ていたが、神の言葉を伝えるのではなく、自身が話をしているようであったため、「神の子」と言われるようになった。神の子とは親である神とは独立した存在ではあるが、この完結した人間存在が100%神の意思と合致している状態。 ・ユダヤ教にとっての神の国:異教の国々がのさばっている正しくないこの世界をヤハウェが直接管理下に置き、エルサレムを中心とするユダヤ国家が覇権を取り戻す。 キリスト教にとっての神の国:神の国は地上にはない。またユダヤ人含め、すべての人が救われるわけではない。そしてその基準は明確にはされない。人間の行為(業(わざ))は神の行い(恩恵)に影響を与えない ・ユダヤ教においてはノアの洪水で一度神の直接介入があり、契約(モーセの律法)により人間に規範を与えた。しかしその規範をみんなが守れておらず、多くの人が救われない、という状況を打開するため、神が再度直接介入をした(契約の更新)というのがキリスト教:イエスが人間として現れ人間の罪を背負って死ぬ(リセット)→復活→再臨のため天へ昇る→(今ここ。神はその呼びかけに人間がどう反応するか待っている)→イエスが再臨する「主の日」に最後の審判を行う。 ・新しいルール:「律法」→「愛」へ 愛は律法が形を変えたもの。どちらも神と人間の応答であり、関係を設定する契約。神と人間の関係を正しくしようとする努力。たくさんあった律法のうち、大事なのは2つだけ。①主である神を愛すること②隣人を自身のように愛すること。隣人とは親しい人々ではなく、罪人や嫌いな人たち。 ・隣人愛の一番大事な点は、人が人を裁いてはいけない、ということ ・人間にはわからない理由により神に愛されたり愛されなかったりする。それでもなお神をどう維持していくかというのが一神教の重要な課題となる。 ・キリスト教はヘブライ語だけでなくヘレニズム世界の共通語であるギリシア語を話せたパウロによりヘレニズム世界へ広がるチャンスを得た 第3部 キリスト教と西洋社会との関わり、世俗的概念へどう繋がっていったか ・キリスト教はローマ帝国の東西分裂(395年)によって、東方教会(ギリシア正教)と西方教会(ローマ・カトリック)に分かれた ・西方教会は弱小王権に服属したくないので政治権力と結びつかず、教会の統一と独立を保つことに全力を挙げた(戦略例:典礼言語をラテン語に統一、政治権力を上回る人間の救済に関する権限の主張、結婚=王位継承や封建制度に大事な土地相続に介入、封建領主層から聖職者リクルート) →西ローマ帝国エリアがキリスト教を基盤とし、[政治的には統廃合を繰り返しながらも]EUに見出されるように独特の文化的・文明的な統一性を持っていて、影響を残し続けている ・宗教的な守備一貫性が高く信者の数も多いイスラム教よりキリスト教が近代化以降主導権を握れるようになった理由:宗教改革(聖書にない慣習は無意味→近代合理精神)、新大陸発見(宗教改革の負け組が外へ)、科学技術発展、産業革命、資本主義、最も大事なのは自由に法律を作れる点 ・キリスト教はギリシア哲学からある「理性」を宗教的な意味で再解釈。神の法のうち、人間の理性によって理解することができる部分(自然法)がある。理性は、人間の精神能力のうち神と同型である部分、数学・論理学のこと。信仰を持ち、理性を働かせることが正しい態度となる。→哲学、自然科学、社会科学は信仰が理性を正しいものと是認したことでスタートし、キリスト教に反対することになってでも理性的に振る舞う理性主義を生み出した。cf. フランス革命 ・宗教改革はの主題は神からのものと人間からのものを分けること。聖書中心主義。解釈の中で三位一体説まではプロテスタントも認めるが、聖書になく根拠の曖昧な聖人崇拝、煉獄、免罪符、告解、7つの秘蹟などは認めない。個人と神との関係が一番大切であり、教会は必ずしも必要ではない。 ・プロテスタントのうち、カルヴァン派の教義:最後の審判で神の国に行けるかどうかは予め決められており、人間の行動によっては変えられないという予定説。これが行動により変えられはしないが神の恩寵を受けていると信じたい人々の勤勉さを促し、資本主義の発展に寄与したというのがマックス・ウェーバーの『プロ倫』 ・自然科学がキリスト教、とりわけプロテスタントの中から出てきた理由は、①理性への信頼②神がこの世界を作ったと信じ、そこに神の痕跡を見出したかったから。聖書が曖昧であるがゆえ、神の意図を自然から汲み取ろうとした。 ・近代国家の立法権は神のアナロジー、人権は神が与えた権利 ・音楽は教会音楽から始まり、本来偶像崇拝禁止だがキリスト教徒はあまり聖書を読まなかったたため宗教美術が発展。カントの定言命法は宗教を全く前提にしていないにも関わらず、結果的にきわめてキリスト教的なものになる、カント流の隣人愛と見てとれる。ヘーゲルの弁証法も、マルクス主義もキリスト教的。 ・日本人は主体性、努力が大好きで神に支配されたくない →カミが大勢いて一人一人のカミの勢力が弱い ・日本人がモノづくりに長けているのアミニズム(物神)と関連。中国やインドはモノを作る人より、何か考える人の方が偉い。イスラムは偶像崇拝禁止の精神で製造業見劣り? ・日本人は法律を作ることには抵抗がないが、自分の同意しない法律には従う必要がないと心底思っている。法の支配を実行できない。[理解不足、今後課題]
0投稿日: 2022.05.17
powered by ブクログ不思議なキリスト教 東方正教会 布教には現地の言葉でよかった カトリック ローマ教会は、あくまで聖なる語のラテン語で教えたい けど学がない民衆には伝わらない から、宗教画が許された だれでもどこでも伝わる語だと、一神教の神の超越性、権威が弱まる、特別性なくなる カトリック プロテスタント カトリックはラテン語 読めんやつもいた プロテスタントは俗語訳OK ドイツ語とかでも カトリックは雰囲気神聖だが、プロテスタントはあくまで聖書の内容を読めることが重要なので、誰でも読めるように訳した カトリックは逆に聖書至上主義ではなくて、教会とか聖職者に重きを置いた これ宗教画に関係ある? カトリックの方がより派手で分かりやすそう キリスト教において、聖書は曖昧(律法なし、だけど自然は真実、だから自然科学の追求がトレンドになった イスラム、ユダヤは確固たる法があったからそこに依存? キリスト教はいろんな意味でガバガバでゆるゆる だから西洋からいろんなものが発展した やっぱ対談は読みやすい〜!
0投稿日: 2022.05.17
powered by ブクログ一神教について、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の違いなど理解が深まった。私たちの生活の中で、知らずのうちにキリスト教的考え方に基づいていることが多いというのもよく理解できた。 何度か読み返して理解を深めたい本。
2投稿日: 2022.04.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
イエス・キリストの存在のため、同じ一神教であるユダヤ教、イスラム教と決定的に異なるキリスト教。キリスト教にあけるイエスは預言者であり「神の子」である。 福音書はそれぞれイエスに対する証言であり解釈。聖典が神の言葉ではないのは特殊。 さらに、そもそもイエスの母語(アラム語)ではないギリシャ語で書かれたので、聖なる文字もない。 ローマ帝国が分裂したのち、東方教会とカトリックに分かれ、東方教会は現地語に訳して布教をしていく(○○教会が増えた原因)。 カトリックは権威づけのためラテン語に限定。 イスラム教由来で伝わったギリシャ哲学も導入。 宗教を否定するマルクス主義はキリスト教的終末論の再現。
0投稿日: 2022.04.19
powered by ブクログキリスト教は「一神教」と言いながら、GOD(日本の「神」とは異なるので本書同様この言い方にします)を信仰しつつ、神の子イエス・キリストも信仰する。場合によっては、聖母マリアや聖人パウロも信仰する。どう考えても多神教のような気がするが…とは、私に限らずよくある疑問だろう。 「神の子」イエスを崇拝することで、ユダヤ教から分離した、というところまでは理解できた。その後6~7回もの「公会議」を経て、三位一体などの「説」を承認していったという経緯も分かった。 しかし、結局のところ、それが何でGODの他に信仰する対象を認めることになるのか、よく分からない。 本書ではその説明として、「聖霊」(本書245頁)や「ドルイド教」の影響(本書262頁)(もしくは習合と言えるかもしれない)を挙げている。 なるほど、理屈としては何となく理解はできた。しかし、納得できるかどうかは別…。 とりあえず、キリスト教のふしぎなポイントはどこか、それをどのような視点で分析すればよいか、というヒントは掴むことはできた。 本書は知的好奇心を挑発によって奮い起こしてくれる。宗教家や宗教学者には書けない、刺激的なところが本書の持ち味だ。 それだけに、刊行当時は、反論本やアンチ本がいろいろ出たようだ。ブクログで本書を検索した時、それらアンチ本が何冊か引っかかったのも面白い。
0投稿日: 2022.03.15
powered by ブクログ橋爪大三郎による「キリスト教」の解説書。対談形式で解説が進む構成になっており、ユダヤ教からキリスト教への変遷から一神教とは何かにまで踏み込んだ宗教の包括的な理解を助けてくれる。 現代の先進国社会は殆どキリスト教文化圏だといい。にも関わらず一神教が浸透し切ることのなかった日本では殆どキリスト教は理解されていない。その意味で本著はキリスト教を中心に「宗教」というものを体系的に理解することに役立つ。 また対置的に日本社会ひいては「無神論」を置くことで、多くの示唆をくれる。 読みやすく、ためになる。良書。
0投稿日: 2022.01.17
powered by ブクログキリスト教を日本人の思想回路に沿って説明をしてくれる非常に分かりやすい一冊。前半はキリスト教の誕生から成立まで、後半はキリスト教と西洋世界の融和と哲学史への繋がりを紐解く。相当面白い。入門書から専門性を幅広く網羅していて他のキリスト教関係の書物を読んだあとだと更に面白さが増していく。 前半後半は地続きという訳でもないので、間隔をあけて読んでも支障がない。対談形式だから学術書のような固さがないのが読みやすさの要因か
0投稿日: 2021.12.29
powered by ブクログ西洋文明を理解するためにキリスト教を知ることが主題。キリスト教を知るために、その歴史を丁寧に説明してあり、大いに参考になりました。ヤハウェとユダヤ教の起こり、キリストによる改革運動、パウロによるキリスト教の始まり、聖書の編纂過程、公会議、腐敗と宗教改革、科学や芸術への影響。個人的には、キリスト教を自分の信仰とする人の気持ちを理解したくて読みました。日本人は暮らしが安定しており平和なのでなじまないと理解したけど、果たしてそうだろうか。。キリスト教を信ずる多くの国はそこまで不安定なのか。。図書館で借りて慌てて読んだので、少し経ったらもう一度復習したいところ。
0投稿日: 2021.12.19
powered by ブクログ近代化とは西洋文明化とも言える。近代的とは西洋的ともいえる。そこで近代化を達成した我々日本人は、近代つまり西洋の世界とは何かを考える必要がある。西洋世界=キリスト教世界であるため、近代社会の問題点を見つけるにはキリスト教への理解が不可欠なのだ。本書はキリスト教の概要にとどまらずキリスト教が現在の我々の社会に与えた影響について語られているため、現在の社会問題を考えるにあたり非常に参考になる点も多い。キリスト教という宗教は一見我々の暮らしには無関係に思えるが、科学技術や資本主義など近代社会の根幹をなす部分で深い影響を受けているのだ。その近代社会に生きる我々はキリスト教を知ることで現在の社会問題をより把握できるし、近代化の限界というものに立ち向かう知恵が得られるのだと思う。
0投稿日: 2021.11.14
powered by ブクログキリスト教を多少なりとも冒涜しているような印象だったけど、大丈夫なのか心配になった。 でも、その通りだな〜と思う内容。 完全な神がなぜ不完全な人間を作ったのか。 キリスト教をかじると、どうしても、理不尽、矛盾と言う言葉が頭をちらつく。 何かを頼りたくなる気持ちは理解できる。 戦争などで生を脅かされる世の中なら尚更。だからキリスト教は普及した。 そして、キリスト教が文明を作ったことは事実であり、多くの芸術が生まれて今日の芸術にも影響を与えているいることは確かだ。
0投稿日: 2021.08.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
しばしばキリスト教は西洋文化の起源の一つだから勉強した方がいいという。現状のすべてをキリスト教一つに還元はできないと思うが、確かに今ある多くの西欧文化にキリスト教の影響はあると私も思う。それを勉強したとは思うが、どこから手を付けていいのかわからない。そんな人は多いのではないのではないか。 本書はこのような疑問に対する最良かつ最大の答えになりうる。 筆者は、日本の社会学のスーパースター(と私が勝手に思っている)大澤氏と、これまた社会学の大御所の橋爪氏との対談集。 対談は、とかく浅くなりそうなところだが、この本は大澤氏のねちっこい揚げ足取り的な質問に対し橋爪氏が丁寧に答える形で一部でユダヤ教、二部でキリスト教についてその特徴や本質が語られる。そして三部ではこの二つの宗教の果てにある現代社会を概観する。 この第一部や第二部は神学や哲学に興味がある人にはおすすめ。ツンデレ的な神と人との関係、聖典の各所に見られる矛盾の理解の仕方、神とのコミュニケーションの方法、預言者の立ち位置、等々についてどのように理解するべきかを橋爪氏が丁寧に解説している(なお旧約聖書について基礎知識を手っ取り早く得たい方には里中満智子氏の『マンガ 旧約聖書』シリーズ三巻をおすすめします)。 そして出色は第三部の「いかに「西洋」を作ったか」。キリスト教の歴史の変遷とその意味合いについて解説し、その他の歴史的事項とも合わせて読み解きます。東方教会と西方教会は何が違うのか、プロテスタントはどうやってカトリックから生まれたか、中世キリスト教のギリシア哲学との邂逅の影響とは、近代哲学(というかカント)へ逆説的に影響したキリスト教的要素とは、新大陸発見の理由はキリスト教精神の発現ではないか等々。救済を、予定説と現世での努力との二項でとらえ、これゲーム理論で解き、さらにこれを宗教者の目でどう理解するか、というのも面白かった。最終的にイスラム教やヒンドゥー教、そして共産主義までをも見渡した上で現代のグローバリズムの状況を本書の見方に沿って読み解く。この第三部後半のドライブ感は半端なかった。 ただ当然ではあるが、本書ですら単なる二次文献に過ぎない。我々は筆者の用意した高性能の乗り物で知的ドライブをしただけだ。より深く学ぶためには、我々読者自身が聖書を読み、哲学書も読み(まあ難しいだろうが)、そのうえで幾許かでも自分の意見や見方を持ち、その上で改めて本書を読む。そうやって個々人が個々人なりの意見や見方を持つようにできれば、著者である二人の社会学の泰斗も教育者として本望であろう。そして私もできればそのように思考をすすめていきたい。一生かけてになるでしょうが笑
0投稿日: 2021.05.19
powered by ブクログ近代化とは概して欧米化であり、その欧米のエートスにキリスト教があるのは否めない。 科学も哲学も芸術も、キリスト教に掣肘されそうなものだが、逆に後押しされた面がある。(牽引していない。あくまで後押し)。これが「ふしぎ」。 一神教として首尾一貫性の強いイスラム教の文化圏が、キリスト教文化圏の後塵を拝しているのも「ふしぎ」。 本書はそれらの謎を平易に解き明かしてくれる。 「神が四次元の怪物で、三次元に射影すると人間みたいなかたちになる」という解釈はツボに入った。(神の似姿アダムはよいとして、イヴをどうやって創造したのか疑問は残るのだが……)。 イエスの不可解な発言の解釈も興味深い。マリア(聖母とは別人)とマルタをめぐる逸話について「こんな些細な出来事がずっと伝えられ、正典にまで書き込まれているということは、まわりで聞いていた弟子たちも当惑したからではないでしょうか」という指摘は正鵠を射抜いていると思う。 なお、「世俗の権力と宗教的権威の二分化」に関する部分を読んでいて、日本の天皇はローマ法王とかカンタベリー大主教に類するスタンスなのではないかと考えた。
0投稿日: 2020.12.12
powered by ブクログ多神教にとっては、神は友達の関係=たくさんいたほうが良い 一神教にとっては、神と人間は創造主と奴隷であり、神との関係は契約(安全保障関係)である。 ユダヤ教国家が負け続きでも存続できたのは、ユダヤ教が防衛的な動機でもって、一神教の原型を作ったから。国家はあてにならず、あてになるのはGodだけであり、Godとの契約を守っていれば、国家が消滅してもまた再建できるため、政治情勢に関わらずに信仰が持続した。そして、自分たちがひどい目に合っている理由を「神との契約をきちんと守っていないから」と説明するに至った。 一神教の神が何故ユダヤ人を選んだかは、分からない。しかし、神は絶対的存在であり、不可解であることをそのまま受け入れることが、神との正しい関係である。そのため、ユダヤ人は「何故自分たちが選ばれたのか?」や「何故神が偉いのか?」といった疑問を抱かず、ただ全てを「試練」として飲み込んでいった。 一神教は、この世のすべての出来事の背後に、唯一の原因があると考える。仏教、儒教、神道とはそこが違う。そうした意味で、一神教の祈りとは、神に「なぜ〇〇なのですか」と問う対話である。 神々は放逐された。仏教や儒教は人間の知性を重んじる宗派であり、神の存在は希薄化した。一神教はヤハウェを第一とするため、他の神を駆逐した。世界の標準はこちらであり、日本が特殊。 偶像崇拝がいけないのは、偶像だからではなく、偶像を作ったのが人間だからであり、人間が自分自身を崇めているからなのだ。 奇蹟と科学は相反すると考えてはいけない。奇蹟は科学法則の中にあるもの。この世が厳密な科学法則によって動いている中で、預言者が預言者だとみんなに示す必要があれば、Godは自然法則を一時停止できる。合理的な自然法則の支配を確保しておいたうえで、それに対する完全な例外なのだ。 日本人は聖書と科学を相反するものと考え、信仰なんて嘘っぱちだと疑問に感じている人が多いが、多数のキリスト教はそうではない。 もともと、科学は宗教の原理の解明に取り組んだ結果生まれたものだったが、その結果、聖書に書いてあることと違った結論になった。 そこで、福音派は「キリスト教と矛盾しない限りで科学を信じる」とし、多数派は「科学と矛盾しない限りでキリスト教を信じる」とした。こうすれば、宗教も科学も矛盾なく信じることができる。キリスト教徒は、両方が矛盾したとき「どちらかを信じなかった」。日本人は「どちらも信じた(天皇=神も信じれば、進化論も信じていた)」 イエスの役目は、人々に神の言葉を直に述べることである。預言者と似ているが、預言者は聞いたことを話す。そのため神の子だと考えられている。 ここで「子」というのがポイントで、親と独立した人間であるが、神の意思とも見られなければならない、という二重性がある。 グローバリゼーションというのは、キリスト教に由来する西洋文明が、それとは異なった宗教的な伝統を受け継ぐ文明や文化と、これまでになく深いレベルで交流すること。西洋=近代の時代には限界が来ており、あらゆる民族や宗教の間の伝統が世界を変えていっている。
0投稿日: 2020.11.26
powered by ブクログ理解できていなかった、ユダヤ教とキリスト教の関係など、新しい発見が何点かあった。 また、会話形式で進んでいくため、わかりやすいところはすんなりと理解することができた。 ただ、哲学をからめた話の箇所は難解で、読み飛ばしながらどうにか読み切ったような形になった。
0投稿日: 2020.11.07
powered by ブクログ筆者が『この対談はおもしろい』と自画自賛するほど、挑戦的・挑発的な本です。敬虔なキリスト教徒なら激怒間違いなし。実際に、反論本も出版されているようです。茶化しているようで、まじめにキリスト教の不思議を論じています。
0投稿日: 2020.09.13
powered by ブクログ新書大賞2012.橋爪大三郎×大澤真幸対談集 芸術、音楽、哲学に多大な影響を与えたカトリック。 ペスト後のプロスタントによる自然科学、金融市場、資本主義の発展。 そしてポストコロナの世界は何処へ。 ざっくりキリスト教お勉強いいかもです。
1投稿日: 2020.08.10
powered by ブクログ対談形式でキリスト教の謎を解き明かそうとする良書。 ユダヤ教、イスラム教、儒教、ヒンドゥー教、多神教の日本との関係。さらに政治、経済、芸術などへの影響をとてもわかりやすく解説してくれる。
13投稿日: 2020.07.15
powered by ブクログいまさら聞けない素朴な、しかし根本的な疑問とそれらへの考え方の対話ん通じて、キリスト教とその現代への影響、また今後の見通しを提示している。今後の見通しもおもしろいので、最後まで読むべし。
0投稿日: 2020.05.16
powered by ブクログなんてスリリングなんだろうか。 ユダヤ教や聖書については、内田樹や池澤夏樹の本で、理解を深めてきたつもりであったが、色々な知識が像を結び始めたような気がする。 今後も事あるごとに紐解きいていくことになるだろう。
0投稿日: 2020.04.03
powered by ブクログキリスト教のあれこれの理解が深まる。ただ、素朴で根本的な部分の疑問は、あまり解決されなかったように思う。
0投稿日: 2020.03.09
powered by ブクログキリスト教について質問と対話形式で書かれてます。 日々変革している世界に対して旧世の価値観を 当てはめたらあらゆる矛盾に突き当たりますが それをキリスト教徒はどう昇華しているのか また旧約聖書に疑問を持ち、否定して行く過程で 科学が発達し、産業革命が起きるなどヨーロッパが 発展した歴史にも目からウロコでした
0投稿日: 2019.11.11
powered by ブクログキリスト教ってキリストが神なのかと思ってた。神は別にいて、あくまで「神の子」なのかー。しかも偶像崇拝なのか!自分が全然キリスト教のこと知らなかったのがわかった。 ユダヤ教との関連・違いも例えがわかりやすくて面白かった!特にユダヤ教はいじめられっ子の心理と似てるっていうのが印象的。 あと、神は創造主であって、エイリアンみたいな存在っていうのが、ちょっとエヴァの使徒みたいだと思った笑
0投稿日: 2019.10.01
powered by ブクログヨーロッパ社会だけでなく、現代の全世界を理解するためにはキリスト教を学ばなくてはならない。しかし文化的なバックグラウンドでいうと日本人には最もとっつきにくく、理解し難いのがキリスト教。そんな我々の理解の一助になるような学者同士の対談がこの本。現代社会を知る上で勉強になる一冊だった。
0投稿日: 2019.08.28
powered by ブクログキリスト教もイスラム教も元はユダヤ教である、ということがわかった。現在の日本の「日本国憲法」「民主主義」「市場経済」「科学技術」「文化芸術」は欧米からきているものであるということはキリスト教のことをわかってないと、基本をわかってないことになるらしい。
0投稿日: 2019.08.12
powered by ブクログ近代、近代化とはなにか、それは西欧化とも言い換えられる。西欧化の根本にあるものは何か、というとそれがキリスト教であり、だからこそキリスト教への理解が世界情勢の認識や歴史の紐解きに不可欠、ていう言説は理解できるしこの本一冊でもいろいろ知れることはあるのたが、当然ながら実際にそういう考え方を日常でするには知識も訓練も全く足りてなくて相当ガッチリした教育でも受けないと普通の人は元の木阿弥、みたいなところもある。
0投稿日: 2019.06.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ユダヤ教もキリスト教もイスラム教も同じ神様を信仰していて、その神様の信じ方が違うだけというのは知っていましたが、更に一神教のユダヤ教からキリスト教に至るまでの流れを、対話方式で解説していてこれでやっと「キリスト教とはなんぞや」というのが理解できました。キリスト教関連の本を読んでも「すっと」頭に入ってこなかったのですが本書はその根本を理解するのにちょうど良い本だと思います。
0投稿日: 2019.06.11
powered by ブクログ合理的である科学や哲学は、神の存在や信仰を前提とするキリスト教と一見相反するが、神の被造物である世界における主権を持つ人間が、その恩寵を深く理解するために理性的な考察を重ねた上にある。諸学問とキリスト教の一神教概念は深く関わっている。
0投稿日: 2019.06.05
powered by ブクログ確かにキリスト教は不思議だ。 ユダヤ教の成立から、歴史的事実を踏まえて、なんでこんな風になったのか考えて行く。 面白い。 一神教と多神教の違い。 同じ一神教でも、なぜユダヤ教でなくイスラム教でなく、キリスト教が西洋文明を作ったのか。 多分、いい加減だから。 いい加減なものに帰依する自分を正当化するために、いろんな理屈を考えて来たんだろうね。 面白い。
1投稿日: 2019.03.31
powered by ブクログ第1部 一神教を理解する―起源としてのユダヤ教 第2部 イエス・キリストとは何か 第3部 いかに「西洋」をつくったか 新書大賞2012 著者:橋爪大三郎(1948-、神奈川県、社会学)、大澤真幸(1958-、松本市、社会学)
0投稿日: 2019.02.11
powered by ブクロググローバルを主導している西洋社会の根幹にあるキリスト教。西洋人の態度として現れてくるキリスト教の基本的な考え方が勉強できる良書。ユダヤ教とキリスト教との違い、キリスト教の成り立ちの部分は面白かった。キリスト教普及後の世界は宗教学的な論調で物語を読むような感じだった。それにしても2000年も前に普遍的に弱い人間の心を救う言葉を残したキリストはすごい。そしてその後多くの「解釈」を経て成長し続けてきたキリスト教。勉強してみる価値ありです。"
0投稿日: 2019.01.24
powered by ブクログ螂?キ。縺ョ逵溽嶌縲√→縺九?∝次鄂ェ縺ィ縺ッ菴輔°縲√→縺九???占ィ?閠?→縺ッ菴戊??°縺ェ縺ゥ縺ョ荳?闊ャ逧?↑逍大撫縺ォ繧らュ斐∴縺、縺、縲御ク?逾樊蕗縺ィ縺ッ菴輔°縲阪r繧上°繧翫d縺吶¥蟇セ隲?ス「蠑上〒隗」隱ャ縺励※縺?k縲ゅ%繧後r逅?ァ」縺励◆荳翫〒繧ュ繝ェ繧ケ繝域蕗縺後>縺九↓隘ソ豢九r菴懊▲縺溘°縲√↑縺應ス懊j蠕励◆縺ョ縺九↑縺ゥ縺ョ繝??繝槭r隲悶§縺ヲ縺?※髱「逋ス縺??り・ソ豢九↓髢「繧上k縺薙→縺ョ縺ゅk莠コ(縺サ縺ィ繧薙←逧?□縺ィ諤昴≧縺代←)荳?隱ュ繧偵♀蜍ァ繧?シ√d縺ッ繧頑律譛ャ莠コ縺ィ縺ッ譬ケ譛ャ逧?↓驕輔≧繧上?
0投稿日: 2018.12.11
powered by ブクログ現代社会において基本となるのは西洋文明で、その西洋文明の根底に厳然としてあるのがキリスト教。 西洋人なら血肉として理解しているキリスト教も、多くの日本人には「なんとなくそういうもの」としてしか理解するとこが出来ていない。 このキリスト教という物を一神教とは何なのか、そのキリスト教という一神教の成立の背景、キリストとはどのような人物であったのか、そしてキリスト教という物がどのようにして西洋精神の中に浸透し、影響を与えるようになっていったのか、そういったことを対談という形で解説している。 「ふしぎなキリスト教」と簡単そうなタイトルをつけているけど、内容はかなり難しい方じゃ無いだろうか。 宗教学、宗教史、新約聖書、旧約聖書、西洋哲学と内容は多岐にわたってしかも深い。 自分も内容を理解したとは言えないが、それでも要所要所でなるほどと思わせる物があった。 西洋文明を理解するために必要となるキリスト教の精神と考え方へのアプローチとしては良書だとおもう。
0投稿日: 2018.11.24
powered by ブクログ目から鱗のキリスト教解説書。対談なので読みやすい。 一神教における、神とは絶対的な存在であり、善行を積めば救済されるという考え方は神の絶対性とは相入れない。 4福音書のルーツ、成立時期の特定。福音書はもう一つはあったはず。 キリスト教が西洋の近代化に寄与したのは、ローマ帝国が強すぎて、宗教法を持てなかったため。後世になっても世俗法は自由に作らせた事が大きい。 プロテスタンティズムの倫理と資本主義。カルバン派の予定説とは抽選の終わったクジを売るようなもの。買う方は夢を持てないが、どれが当たりかは神しか知らないのだから、確率論的には同じ事。 予定説に立つと誰も努力しなくなると思いきや、誰も努力しない環境の中で1人努力する人がいると、それこそ真に救済を受ける人だと認識され、結局大多数が努力する?苦しい。 日本人の多神信仰は、神の干渉を薄める効果がある。
0投稿日: 2018.10.29
powered by ブクログこの本は面白いです。内容は著者二人のキリスト教に対する対談を本にまとめたもので、前書きで筆者が「絶対に面白い」と自画自賛していて、本当かなぁ、と思いながら読んだんですが、本当に面白いです。 キリスト教の成立や、ユダヤ教、イスラム教徒の比較。一神教と多神教について。またキリスト教の西洋文化への影響など。ははー、と思う内容がたくさん含まれています。 まぁ私は学者でないので、この本で語られている内容の真偽はよくわかりませんが、しかし、非キリスト教徒が多少なりともキリスト教や、キリスト教的なものを理解するのには大いに役に立つでしょう。 いやしかし、本当に面白いです。宗教の世界は奥が深いです。そのことがよくわかる本です。
0投稿日: 2018.10.13
powered by ブクログ三位一体とか、門外漢には分からないことが多いキリスト教だな。それを分かりやすく説明してくれるのだけれど、やっぱり分からない(汗)。
0投稿日: 2018.10.11
powered by ブクログさすがに「目からウロコ」ってことはなかったけれど、キリスト教の成り立ちがわかったかな。宗教として意外とアバウトなところが特徴だったのか…
0投稿日: 2018.10.09
powered by ブクログ客観的且つ論理的で非常に面白かった。特に予定説と資本主義をゲーム理論から論じた橋爪氏の解説は非常に納得感があった。是非一読あれ
0投稿日: 2018.10.09
powered by ブクログ普遍宗教の一形態としての一神教の解説から、ユダヤ教からキリスト教に至るまでの流れ、キリスト教の性質から生まれ、世界を席巻する法制度や経済、科学、イスラム教から生まれる世界との違いを論理的に解き明かしていく。とにかく成る程なぁと思わされっぱなしで、私自身の思考を位置付けるのにも役立った。面白く、為になる、断然オススメの本
0投稿日: 2018.07.20
powered by ブクログ非キリスト者がキリスト教を理解するのに秀逸な本ですね。 好きで読んでいた作家がキリスト教を心のよりどころにしていたり、近代文明を築いた西洋文明の背景にキリスト教があることを考えると、「ありがたい教えなはずなんだけどなぁ」と。 聖書を読んでも何がありがたいのかわからない。 進化論なんて小学生でも知ってるのに、天地創造を西洋人は本当に信じているのか? ユダヤ教とキリスト教とイスラム教は同じ神様を信じているのに、何で仲が悪いのか? 高校の授業ではぜんぜん理解できなかった数々の疑問について、この本を読むことで自分なりに納得することができました。 キリスト教の何がありがたいのか、 どういう世界観を持っているのか、 キリスト教徒は聖書の記述を信じているのか、 これらの疑問に答えてくれる良書です。
0投稿日: 2018.07.14
powered by ブクログ分かりやすくてフラットでとてもよく出来ている。キリスト教の要素を学ぶことは現代日本を考える上で重要、というのを説明するのに私は下手だし、納得する説明が出来なかった。これなら、答えの一つになるだろう。 あとがきにありますように、戦後日本という表札のある家族について「日本国憲法」「民主主義」「市場経済」「科学技術」「文化芸術」という子供がいるが全員養子ときた……、その当たり前を何故?と説明するのにも役に立つと思うし、他の家の養子お断りの姿勢も何となく理解するにも役に立つのかも知れない。 でもやっぱり、宗教学概論はこれを切っ掛けに読んでほしい。
1投稿日: 2018.07.08
powered by ブクログキリスト教の解説本として手にとってみたものの、対談方式のためかなり読みやすくわかりやすい。新書サイズなのでエッセンシャルな内容ではあるもの「軽くおさらい」といった読み方にあっていたと思う。 3章が面白く、読み返すとすると3章だけでいいかなと思います。アダムスミス「神の見えざる手」や資本主義との繋がりについての解説は、やや物足りないもののかなり楽しめる。ただし科学との繋がりはイマイチ納得感にかけるというか、イスラムの数学や科学の知識の評価がされていないので、キリスト教がサイエンスを作ったみたいなところはちょい違うと思う。
0投稿日: 2018.01.24
powered by ブクログ第1部 「一神教を理解する 起源としてのユダヤ教」この章は宗教的知識があるなしにかかわらず、もの凄く面白く読めるはずである。人類が一神教を発明する経過が詳細に説明されている。苦悩を与えるつづける神を信仰する理由こそが、キリスト教を世界宗教に押し上げた原動力になったらしい、人間が考え出す屁理屈のみごとさに驚かされる。
0投稿日: 2018.01.20
powered by ブクログ聖書の知識がないと読むのがきついかも。 私もついていくのがやっとだったけど、キリスト教だけではなく、ヒンドゥーや仏教などとの比較も聞けて面白かった。 キリスト世界が前提でグローバルが進められてきたが、中国世界、インド世界の台頭によりどう今後変わっていくのか。 またキリスト教の姿も形を変えていくのかもしれない。
0投稿日: 2017.12.31
powered by ブクログキリスト教の基礎知識というか、キリスト教徒のものの考え方について対談形式で話が進み、非常に分かりやすい。
0投稿日: 2017.10.31読了しました。
非常におもしろかった。聖書を理解することが、文明を理解することに非常に役に立つと分かりました。必読の書、です。
0投稿日: 2017.07.03
powered by ブクログアメリカのある宇宙飛行士が、実は原理主義に近いキリスト教信者で進化論を否定しているなど、日本人である私には理解不可能な話が多いキリスト教信仰について、前々から「誰かよくわかるように説明してくれー!」という願望がついに果たされました(笑)。 この本は、キリスト教信者ではない二人の社会学者が、非常に客観的な立場から(ときには冒涜的な考えをはさみながら)対談形式で私たちが普段いだくような疑問をテーマ毎に語り、解説してくれていて、信仰者側からの宗教的な押し付けや、変な難解さがなく読みやすい。 聖書に記されたさまざまな矛盾を如何に矛盾しない解釈をするか?日本人の私から見ればどれも苦しく、詭弁に聞こえ、さらにはそもそも大の大人が集まってどっちが正しいみたいなことを討議しあうようなことかー?という根本的な疑問は払拭されないものの、「三位一体」で神と人と精霊ってあるが、ところで精霊って何?とか、「偶像崇拝だめ」と言っておきながら宗教絵画とか十字架とか偶像やたら多くない?とか、相容れない部分をもつ科学と信仰を同時に受け入れる精神構造などの往年の疑問はある程度理解できた気がします。 キリストが人間であり神であるという解釈ひとつとっても既に色々と矛盾が含まれ、いやいや100%人間であると同時に、100%神であるのだという開き直った回答には、高校の頃、光が粒子でもあり波でもあるというこれまた違和感を拭えないままに受け入れた感覚を思い出しました。
0投稿日: 2017.05.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自然科学、法制度、政治思想など、現代社会の各地平において一定のスタンダードを生み出したのは西洋社会。その基軸にあるのがキリスト教。この観点から、近代的な規範・知見を生み出したキリスト教の実相を明らかにしようとする対談集。狙い・目的は是。が、自然科学と政治制度、法制度等とを全く共通の土俵とみるのはなかなか困難な作業。また、キリスト教に淵源があるにしても、紀元前のそれと近世(近代自然科学や、政治・法思想の黎明期)のそれとでは異質な部分も想定され、その割には、紀元前に重心が置かれ過ぎの感。本書は端緒のそれか。 もっとも、対談集の良さ、批判役の大澤氏が尤もな批判を展開するので、判りやすさは随一。自然科学の面でも、自由権・平等権、議会制民主主義等の諸制度等でも、西欧近代の所産の恩恵を受けている現代日本において、否応なしにキリスト教は意識する要ある事実を、簡明に気づかせてくれる一書。著者大澤は京都大学教授、橋爪は東京工業大学教授。2011年刊行。
0投稿日: 2017.01.22
powered by ブクログ★判断つかず★何せこの分野に全く知識がなく、いろいろと批判本も出ているが、判断の基準にできるものがない。ただ「えいやっ」という本なんだろうな、という感じはする。宗教の勉強をしたいが入口が難しい。
0投稿日: 2016.11.25
powered by ブクログ良くできた対談集。日本人はキリスト教のことどこまで分かっているのか、少なくともこの本にあるくらいのことは・・
0投稿日: 2016.10.02
powered by ブクログイスラム教を発端とする、様々な「問題」を理解するには、結局、グローバルスタンダードになっている西洋に広まっているキリスト教も知っておかないとと思って、手にした本。 そういえば、高校でミッションスクールに行った時も、世界に出るにはキリスト教を知らないとなんて言っていたけど、高校の宗教ではこんなこと教えてくれなかったな。聖書枕にして寝ていただけだったけど。 なぜ神に反するような自然科学がキリスト教から生まれたか、なぜ同じ一神教でもイスラム教との違いが生まれたのか。世の中のことを考えるヒントをくれました。
0投稿日: 2016.09.22
powered by ブクログ今更読んだ。 仏教は唯物論というのは納得。宇宙の真理を覚ることが大事であって、神はそれがわかってないから大事じゃない。真理は自分で覚る必要がある。それが今流行りの瞑想ですね。 あと日本がアミニズムなのは社会の安定と関係があるということ。自然の背景に多数の神がいるというのはある意味伝統的な素朴な認識。それでうまくいかなかった結果(社会が安定せず闘争と混乱がもたらされた)、儒教(政治的リーダーシップの仕組み)、仏教(唯物論的社会認識)、一神教(神々の闘争の勝者としてのヤハウェ)が生まれた。 これはウェストファリア以降の主権国家体制にも似てると思う。一度闘争を経てルールを決めたという点で。日本はその経験がないから、基本的人権とか他害原理とか馴染みが薄いのかなと思った。
0投稿日: 2016.08.27
powered by ブクログキリスト教を通して近代西洋を理解しようという意図の対談。確かに面白い切り口で、最後まで興味深く読めた。 なんとなくキリスト教というのはロジックの塊で、寸分の隙なく教義が体系化された宗教だと思っていたが、三位一体説を始めとしてかなりユルイ感じの教えであることを初めて知った。 敢えて触れられなかったのだろうが、キリスト教の教義の本質が書かれていなかったのが残念。これほど多くの人々を魅了する教えの中身が知りたい。”隣人愛”だけでは何のことかさっぱり解らない。
0投稿日: 2016.08.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一般人がキリスト教に持つ疑問、違和感が対話形式で専門家が解説している。ユダヤ教やキリスト教、イスラム教等の一神教は何故、発生したのかの考察は新鮮で興味深い。一言で言えばその民族が経験した過酷な運命が多神を捨てさせる結果になったと。
1投稿日: 2016.06.06
powered by ブクログ唯一で全知全能の神は間違わないはずなのに、罪を犯すような不完全な人間を創造してしまう。そんな人間がはびこっているから、洪水で全滅させることにしたのに、義人ノアを見いだして彼らだけは救う。 そういった不可解なことをいくつも取り上げては、どう考えるべきか解説される。 第一部のまとめとして、意識レベルの信仰と、態度レベルの信仰という話があった。 このくだりは、昔大学(ミッション系)できいたキリスト教関連の講義での話を思い出させる。 講師は宗教学者、というより、神学者で、矛盾に満ちていることは承知の上で、そういうものだ、と受け入れるのが信徒だと言っていたことを思い出した。 キリスト教は中世の魔女狩りのイメージもあって、科学に反するもののように思われるかもしれないけれど、近代科学が発展した動因は神の意志を明らかにしたいという意志だった、とも、その講義で聞いた。 態度レベルに浸透したキリスト教的な発想が、世俗社会も含めた見えないシステムになっていくというのは、以前聞いた話とも符合するので受け入れやすかった。 イエスは、ヨハネ福音書以外では「神の子」とはされていないという話が面白かった。 その代わりに「人の子」と呼ばれているとのこと。 「人の子」とは、一人の人間という意味に過ぎないという説がある一方で、メシアと解釈されてもいる。しかし、メシアとはユダヤ人を助け出す軍事的リーダーのことだった、とは。 扱われる内容が多岐にわたっていて、とても全体を振り返ることができないけれど、そう言うことだったの?と思ったことも多々あった。
1投稿日: 2016.05.28
powered by ブクログ「唯一神」教であるキリスト教の日本人では理解しがたい部分がある。 現代の世界に対する影響など色々な疑問を確認できる本。ただう〜ん、聖書に関する知識が浅すぎるのかな。とくに新約聖書の方はまったく手を出してないからよくわからないことも多かったですね。もう少し読んでみます
0投稿日: 2016.03.20
powered by ブクログ近代の根拠は西洋であり、西洋の中核はキリスト教であることはだれも否定できない。 ユダヤ教では、祭司、預言者、律法学者グループが重要だったが、預言者が消え、神殿崩壊で祭司も消えたあと、律法学者ラビたちが欠かせない存在となった。 強大なエジプトやアッシリアの神ではなく、弱小ユダヤ国家の崇拝が残ったのは実に興味深い。 仏教も、この世界を合理的に普遍的に解釈しようとする点では一神教と似ている。 仏教でも、毘沙門天など神が出てくる。でも彼らはブッダの応援団。ブッダの方が偉いことになっている。 神々を放逐する点で、一神教と仏教儒教は似ている。 科学の時代に奇跡を信じるなんて変、と言われるが無理解。一神教で科学の時代だからこそ、奇跡を信じることになる。 山本七平が捕虜になったとき米軍将校から、進化論を信じているか、現人神を信じているか、と聞かれ、両方イエスと答えたら意味分からん、という感じになった。 パウロは三位一体なんてややこしいことは考えていなかった。
0投稿日: 2016.03.01
powered by ブクログキリスト教とユダヤ教,イスラム教の源流は同じー “唯一神”で形成された社会と日本の社会を比べるには,まず宗教の違いを理解しなければならない。日本人はとかく宗教を避けがちであり無宗教を自負しているが,厳密に無宗教な人はいない。近代日本もキリスト教文化の影響を色濃く受けているので,宗教的な世界観を学ぶ必要がある。 という側面でキリスト教を俯瞰できる書物です。
0投稿日: 2016.01.28
powered by ブクログイスラム教やユダヤ教にある、あれを食べちゃいけないとか何曜日は仕事しちゃいけないとかのルール、なんでそんな理由のわからない細かいことをうるさくいうの?と不思議だった。この本を読んで、なるほど!と納得がいった。日本がもし別の国に占領されて、よその土地に移住させられて、それでも日本人であり続け、子孫に日本文化を徹底させるために戒律を作ると…敷居を踏んではいけない、犬を食べてはいけないが鯨は食べてもよい、ニューイヤーには餅を入れたスープを作る等々…非日本人にはわけのわからないルールがたくさんできるんだ。
0投稿日: 2016.01.11
powered by ブクログキリスト教に限らず、「宗教」として見てしまうと、なんとなく胡散臭さを警戒してしまうが、「宗教学」として見ると、世の中の動きとつながりが見えてきて勉強になる。立法の概念、経済、民主主義、自然科学、芸術、すべてのルーツはキリスト教にあると言われて納得。伝道師パウロがいなかったら、この世の中はどうなってたことか。
0投稿日: 2015.10.12
powered by ブクログ面白かったー。今まで何となく腑に落ちなかった「ふしぎ」に突っ込んだ内容で、読み物として楽しめました。インタビューなので口語だから大変読みやすいですし。 信仰の心理を理解することは正直難しいけれど、識れたことは大きい。西洋史や近代社会の流れもなぞっていただけて、ほんと面白かったです。
0投稿日: 2015.09.30
powered by ブクログ個人的な理解を述べるばかりで、「キリスト教雑学」のムックとかでよいレベルかと。背景そっちのけで教典・経典だけを取り出して、宗教が語れるわけがないし。古典的価値しかないマックス・ヴェーバーをやたら引っ張り出しているのも、「教養」として不誠実。
0投稿日: 2015.09.18
powered by ブクログ私は、無神論者であるが、常日頃から、クリスチャンについての疑問がある程度かかれていた。キリストを信仰しているならば、天地創造とダーウィンの進化論との違いをどう考えているか。また、科学技術が聖書と異なることをどう考えているか。また、キリストの復活とはなんだったのか、また、キリスト教は、自然界をどう考えているが、また、仏教、イスラム教よりも、なぜ、キリスト教は、なぜ、科学技術を発展させることができたかなど、ある程度、答えてくれる。橋爪という先生もキリスト教徒で、若干、身びいきな部分もあるが、一神教とはどういうものかも丁寧に書かれていた。これを読むと キリスト教とは、キリストいう人がいたが、後の人間の思惑により、いろいろ変遷していることが分る。面白かった。
0投稿日: 2015.08.10
powered by ブクログ[謎塊の解きほぐし]重要極まりないこととそのおぼろげな輪郭は知っているつもりでも、「詳しく知っていますか?」と問われると、首をなかなか縦には振りづらいであろうキリスト教。幅広い知識を有しており、教養人という言葉がピッタリくる橋爪大三郎と社会学者である大澤真幸の対談から、その教えの重要部分を抽出しようとした作品です。新書大賞2012の受賞作品でもあります。 「キリスト教のことは勉強したいんだけど、あまりにテーマが広大すぎてどこから始めればよいのやら...」という方に特にオススメ。ちょっと「不敬」な、それでいて誰しもが思うであろう疑問に対する会話が「あ、そこ気になってました」というかゆいところに手が届く感じで心地よい。しかもそれが下記の抜粋のように(特に橋爪氏が)わかりやすい言葉で解説してくれているのでしっくりくること間違いなしです。 キリスト教が「説」であることの重要性を説かれるだけあり、ところどころオーソドックスな教義なのか2人がそれぞれに考えていることなのかがわかりにくくなるところがありましたが、その奥行きも含めてキリスト教の「魅力」なのかもしれません。新書大賞に輝いた作品ということで期待のハードルを高めにして読書に取りかかりましたが、それでもなかなかに味わい深い一冊と思わせてくれるところがありました。 〜神の「子」とはどういう意味かというと、親と分離している。イエスはイエスで完結した存在。独立の人格なわけですよ。けれど、この完結した人間存在が百パーセント、神の意思と合致している。つまりそれは、神の意思だとも見なければならない。こういう状態なんですね。〜 カイロでの滞在をとおして宗教の重要性を身にしみるように感じました☆5つ
0投稿日: 2015.08.03
powered by ブクログ理解し難いキリスト教の不思議な部分にスポットライトを当てて、キリスト教とは何かを分かりやすく解説している。 三部構成になっており、まずは日本人に馴染みのない一神教を解説し、次にイエスの核心に迫り、最後にキリスト教が西洋や全世界にどの様な影響を及ぼしているかを述べている。 1番印象に残ったのは、キリスト教を理論的に考えると相当無理があるという点。例えば、神と同一であるキリストがなぜ痛い思いをして神が創造した人間達の贖罪ワザワザするのか?どうせ最後の審判で裁くんだからそもそもあの行為は不要ではないのか?など。 それについては、神を理解しようとする態度がマズイらしい。神は人間の理解の及ばない部分が多々あるらしい。 結局キリスト教に理性的に入信するのは難しいと感じた。やはり困った時の神頼みで入信するのだろうと思った。 この本は宗教に詳しくないと一読しただけではあまり理解できないと思う。宗教に興味がある人にオススメです。
0投稿日: 2015.07.13
powered by ブクログrrしてきたエエエエrr⑤Hvl連絡してくだ555544yv要らないか?六尾94hhh4y8おさいG400円
0投稿日: 2015.07.08
powered by ブクログ話の展開についていくのが大変だったが、読んでいくにつれ、文字どおり、キリスト教って不思議だな、と。矛盾点があったり、社会的、時代的な事情で都合よく解釈が変えられたり。。ひとつの宗教としては成り立ちが面白いなとは思うけど、わたしはクリスチャンにはなれないし、クリスチャンたちは、矛盾やクエスチョンな部分のある聖書に対して、自分の中で、どう受け止め、納得させてるのかな、と興味を持った。ユダヤ教とキリスト教とイスラム教がもともとひとつのものだったというのは漠然と知っていたけど、それぞれの発展の仕方が興味深かった。この中でイスラム教が一番宗教として誠実に成り立っている印象。現在のキリスト教はかなり世俗化が進んでしまっている? (2015/3/2)
0投稿日: 2015.05.26
powered by ブクログ宗教関連に興味がないと思い込んでいるので、なかなかこういう本には手が出にくい。でもほんの少し、世界情勢を見渡してみると、すぐに宗教がらみの話題に行き着く。この世に生きる限り、自分の進行とは関係なく、宗教と関わらずにはいられないのが現実。という訳で、やっぱりキリスト教のこと、もっと知らないとってことで。新書大賞受賞作ってのもあるし。なるほど、どういういきさつでこの宗教が生まれ、何を拠り所に成り立っているのかってことが、対談形式で、順を追って分かりやすく示されている。初学者にもとっつきやすかった。でも、そもそもの教義に言い訳がましい部分が多々あって、そういうのを読むのがちょっと苦しかった。まあなかなか難しいですよね。
0投稿日: 2015.05.19
powered by ブクログ感動的なわかりやすさだった。キリスト教の入門書はどれも表面的なことしか書かれていないものが多いが、本書はそれをさらに踏み込んで「なんで?」という疑問の一つ一つに回答を示してくれた。例えば「なぜ全能の神が創ったはずの世界に悪人がいるのか?」とか「イエスは本当に存在したのか?」みたいな半ば揚げ足取りみたいな疑問にも丁寧に答えていて非常におもしろかった。そのような根本的なことが書いてある本って実はそんなにない。まさに痒いところに手が届くってな感じだった
0投稿日: 2015.04.25
powered by ブクログ「キリスト教のことを知らなければ、現代社会のことはわからない」とよく聞く。その理由がこの本を読むと少しわかる。 日本を取り巻く西洋社会は、カトリックが主流であるし、民主主義、市場経済、科学技術、文化芸術、そして日本国憲法もキリスト教の考え方が大きく影響をしているようだ。 また、キリスト教が柔軟に変化していくことが、西洋において広く普及した理由であることもよく分かる。
0投稿日: 2015.04.25
powered by ブクログユダヤ教→キリスト教→イスラム教の流れ、一神教とは何かということは非常にわかりやすく、面白かった。 ただ、キリスト教の深掘りは対談のレベルにはついていけない部分もあり。
0投稿日: 2015.02.09
powered by ブクログキリスト教の不思議さもそうですが、日本宗教の不思議さも分かる一冊です。日本で生活していると、あまり意識的に考える必要のない宗教ですが、実は日本文化と日々の生活に深く根づいていて気づいてないだけだったりします。それを、キリスト教と対比させることで洗い出す。巧妙な書です。
0投稿日: 2015.01.26
powered by ブクログぜひオススメしたい一冊。 自分はキリスト教のことはほとんど知らなかったが、それでも最後まで読み進められたし、とてもためになったと感じる。 キリスト教とは何なのか、他の宗教とどう違うのか、世界にどう影響を与えているのかが分かりやすく書かれている。 西洋社会に囲まれた僕らが読むべき一冊だとおもう。
0投稿日: 2014.12.27
