
総合評価
(689件)| 158 | ||
| 229 | ||
| 176 | ||
| 56 | ||
| 29 |
powered by ブクログ自由と平等を疑え!日本古来の素晴らしさ(武士道精神)を実感し、自信(品格)を持て!という年寄りの説教。国家論、日本論、が一定量売れるというのは、なんとなく「戦前」だよな、と出版されベストセラーになった当時思った。
0投稿日: 2012.02.01
powered by ブクログ私が買ったのは34刷。更に刷数は増えているかな? 発売直後から認識してましたが、面白くなさそうと思い、買うつもりはありませんでした。 が、ここ数日、これを引用する人が複数現れ、反論するにしても首肯するにしても 読んでいないことには始まらず、買ってきました。 今、ようやく、65ページまで読破。 ・・・ブックオフで買うか、図書館から借りてくれば良かった…… 私は、左右で言えば右ですので、この本の結論だけを聴くと耳に心地よかろうと思います。 が、その結論(なのか前提なのか)を取り巻く文章を読み進めるのがとても苦痛です。 p.13からの話はこんな展開です。 産業革命はイギリスで起きた。 アメリカ中南米中近東日本中国では全く起こりそうになかった。 いかにも欧米の白人は優秀で、他民族が劣等に思える。 しかし、十五世紀までの歴史では、アメリカは歴史の舞台になく、欧州も蛮族の集まりだった。 一方、日本には洗練された文学がすでに存在していた。 同様に、ヨーロッパの数学のレベルも中近東・元に比べれば沈滞していた。 だが、ルネッサンス、科学革命、産業革命が起こり、その後の世界は欧米にやられてしまった。 これでおおよそ3ページですが、 産業革命は「民族」が起こしたことに間違いはないですか? 文学、数学レベルが高いことが劣等でないことの証左になりますか? イギリスで産業革命が起きたことに、歴史の必然はないのですか? などの疑問を抱きつつ(回答が織り込まれているのではないかと戻りつつ)読むため、 疲れてしようがありません。 流し読みして読み違えても困りますので、真面目に読んでましたが ほどなく「ベッドで読む本」に切り替わりそうです 3分の1しか読んでいませんが、わかったことが一つあります。 確かに、いかにもあなた好みの内容です>上司S [2006/09/22 ExcelWorld]
0投稿日: 2012.01.24
powered by ブクログ非常にすっきりと、歯切れ良く考えが述べられており こういうガミガミ言うおっさんが、まわりにいなくなったなぁと こんなおっさんがいるって良いじゃないか! と思える
0投稿日: 2012.01.16
powered by ブクログ数年前に読んだ本ですが、当時は読むだけであまり内容が頭に入ってきませんでした。難しく感じて。 もう一度、ちゃんと最初から読みたいです。 母親がこの本のファンです。
0投稿日: 2012.01.13
powered by ブクログこれまで考えてもみなかった、民主主義・論理至上主義への警鐘に、目からウロコ。 何も考えることなく、「なんとなくいいものみたい」と思っていたので、とても衝撃的だった。 日本人としての誇りや、情緒力(人間総合力)の大切さなど、考えさせられることが多かった。 著者の書き方が強いので、少し偏った考え方に感じたが、既存の価値観にパンチを入れるにはちょうどいい過激さかな。
0投稿日: 2012.01.13
powered by ブクログ今まで読んだ新書の中で一番好きな本。 著者が数学者で日本人があるべき姿が書かれてる 要約すると清く正しく行きましょうって内容なんだけど、 そんな倫理的なことがとても論理的に書かれてる。 すごい人生に影響をあたえたと思う(・ω・)
0投稿日: 2012.01.12
powered by ブクログ国家には真のエリートが必要 エリートとは 文学、哲学、歴史、芸術、科学といった何の役にも立たないような教養をたっぷりと身に着けていること。そうした教養を背景として圧倒的な大局観や総合判断力を持っていること。 いざとなれば、国家、国民のために喜んで命を捨てる気概があること。 愛国心「ナショナリズム」(国益主義)と祖国愛「パトリオティズム」は全く異なるもの。 「ナショナリズム」自国の国益のみ追求するという、浅ましい思想 「パトリオティズム」自国の文化、伝統、情緒、自然、そういったものをこよなく愛するということ。 欧米人の精神構造は「対立」に基づいている。自然は征服すべき対象であり、他の宗教や異質な価値観は排除すべきものである。 日本時にとっては、自然は神であり、その一部として一体化している。 日本は異常な国であり続けるべき。 5世紀から15世紀の間に日本の文学は全ヨーロッパの文学を凌駕した。江戸時代の識字率もおそらく世界ダントツ一位。これらの背景があったため、明治維新から第2次世界大戦をはさみ、世界2位の経済大国へ成長できた。 筆者の記載していることにすべて賛同できることはできなかったが、もう少し、日本人は自分の国民性に対して誇りを持ってもいいのではないか?という部分には大きく共感できた。 文中で紹介されていた、「武士道」新渡戸稲造、「文明の衝突」サミュエル・ハンチントンは機会があれば、読んでみたい。
1投稿日: 2012.01.10
powered by ブクログお茶の水女子大教授・藤原正彦氏。 数学者でありながら、英語・フランス語・ドイツ語が堪能で、他に数か国語を学んでいたという本人も認める「語学マニア」。 留学経験がありながら、日本古来の思想に対しても造詣が深い方。 2005年11月初版。191ページ。 ざっくり言うと、 日本古来の思想・武士道精神の復権と、 その精神を以て停滞する世界を救うべしという主張。 モノカネ優先の効率主義をバッサバッサと切り捨て、 物質主義を徹底的にこき下ろし、 経済的な豊かさをひたすら追求するのではなく、 精神的な豊かさを持つことで、尊敬される人間・国家となるべきだという論調。 経済学・政治学的な視点が少ないので、 そのまますぐに現実に適用できる考え方ではないものの、 ただ、国の在り方、今後の社会のあり方を再考する上では参考になる考え方。 と同時に、日本という国に対して誇りを持てるようになる。 なによりも素晴らしいのは、 文章が平易で、ものすごく読みやすい。 そして、具体例も豊富で、所々若干自虐的なユーモアが混じっていて、くすっと笑わせて頂ける。 示唆に富む本。 これは、どなたにもお勧めします。
0投稿日: 2012.01.09
powered by ブクログ情緒とは、論理以前のその人の総合力 なるほど、そしてコレは小さい頃から徹底して教える事が大切って事か。
0投稿日: 2012.01.06
powered by ブクログ年末の本棚整理で見つかり、再読。 日本人の永遠のバイブルになりえるい良書。特に幼少期の英語教育に関する指摘は同意。合理主義への警鐘も納得。
0投稿日: 2012.01.06
powered by ブクログクソマジメになりがちなテーマだが、著者のウィットに富んだユーモアセンスのおかげで飽きることなく読んでいける。
0投稿日: 2012.01.03
powered by ブクログ少し極論すぎるきらいはあるが、論理的に説明できない事象があるという点は共感できる。(今も不完全性定理は理解不能だけど) そもそも論理を展開するための基盤(数学でいうところの公理)は論理的に説明できないということが、実は現実世界でも当然のことであり、そこに違和感を感じているのは論理を絶対と信じているからかもしれない。
0投稿日: 2011.12.23
powered by ブクログ230万部以上売れたとあって、レビューも賛否両論。 私見を述べるなら、この本は「日本人」という国民意識を高める上で最適の一冊かと思われる。 現代社会の歪を浮き彫りにし、アメリカ礼讃のマインドコントロールをただし、次なる人類のステージへと、襟元を正してくれる。 論理性ばかりを求めることなく、美意識・・情緒の感性を敏感にすることこそが喫緊の課題であると著者の助言は目から鱗が落ちる。 「なんかおかしな世の中だ」と不安、不満を漠然と抱いている人たちにとってはまさに「渡りに船」的なバイブルであり、だからこそこれほど爆発的に販売部数が伸びたんだろうなぁ。 ちょっと扇動的な部分や、説明不十分な見解もあるので(新書という短い枠組み上仕方ないことだと思う)熱に充てられて鵜呑みにするのは危険だが、大事なことを教えてくれるという教条的な点では現代人必読の書であろう。
0投稿日: 2011.12.17
powered by ブクログ正に必読書。一読を奨めます。意味での思いが確信に変わった。今だからこそ、読むべき。右とか左とか関係ない。
0投稿日: 2011.12.07
powered by ブクログ少し前の話題の書ながらひどい内容。中途半端な自説を展開。しかも上から目線。個人の偏った持論にこれっぽっちも共感を感じられない。
0投稿日: 2011.12.07
powered by ブクログ何年か前にベストセラーで話題になった本。 日本のあり方を考える。懐古主義的な発想。 かなり偏った感じがします。主張に一貫性がなく論理が破綻しており、文章にまとまりがないような感じです。国自体に閉塞感が漂っている中こんな感じの本が売れるのもわかりますが[m:79] いろんな点で疑問を禁じえない著でありました[m:54]
0投稿日: 2011.12.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本書は論理が絶対であるという風潮の現代社会に対して、悪しき論理も論理としては成立してしまう弊害をのべており、悪いものは悪いと解する理屈抜きの“情緒”を持つことが重要であると説いています。 情緒・伝統・武士道などについて言及してあったので、日本人にとっては受け入れやすい内容なのではないかと思います。 エッセイと割り切っていればこの程度の内容で十分かもしれませんが、一つの思想として読むにはちょっと大雑把すぎて内容が薄いような気がしますね。 この内容を肯定も否定もしませんが、日本文化の再考には一つの資料としてはいいかもしれません。 この本を読んで、わかりやすい本がいい本とは限らないということを実感しました。
0投稿日: 2011.12.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
265万部(帯より)も売れた本。この本を読んだ人は筆者の提言に対して感心したり、気づきを得たりすることができると思う。しかし、ここでなされている提言が何かの議論の際にでてこないのはなぜだろうかと感じた。 私が興味深く感じた提言の一つは、「自由」と「平等」は対立するものであり、自由民主主義は、ある国民への無理な仮定のもと成立したということである。はっきりとはいえないが、国民性、歴史を無視して、学者の論理や見えない力で何かをねじまげて世界中が画一的な方向に向かうことが品格をもった国家を作ることに寄与するのだろうか?この本の言い方で言えば「真のエリート」が国を引っ張るような国が品格のある国であるが、「真のエリート」を育てられる国とはどのような国であろうか。そんなことを考えさせられた。
0投稿日: 2011.12.04
powered by ブクログブックオフで50円で売ってたから購入 欧米のせいで「論理」を徹底することが良いとされてきいる日本。しかしその前に必要とされるものは「情緒力」だ。それを最もよく表すものが「武士道精神」(この著者は新渡戸稲造を推していた)。今の日本人にはこれが失われているという。 気になった一文 最近の若い人達は「内容なし、英語ペラペラ」。世界のエリートは、自国の歴史や伝統文化を知らない者はつまらない人であり、ビジネスをする価値のない人だと考える。
0投稿日: 2011.12.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
脱読まず嫌い… 前読んだ品格本の便乗元と思われるベストセラー本。 ところがこれ以前にも別の著者の「日本人の品格」とかいうのがあるらしい わけがわからんw ナショナリズムではなく情緒を軸にした啓蒙本 でもこれを手に取るくらいなら他に…という印象 文章が平易なのは長所
0投稿日: 2011.11.24
powered by ブクログ学者さんの割に学術的根拠に欠ける、個人の主観が非常に多い本ですが、 読んだ後、不思議と日本人として誇りに思えてきます。 やはり桜は美しいし、ワビサビはあるし、武士道としての構えもある、 そんな国は他に無いのかなぁ。 「ナショナリズム」ではなく「パトリオティズム」 上手い事言うたもんだ。
0投稿日: 2011.11.24
powered by ブクログ・個人主義への反対(自由と平等は同時には実現しない) ⇒自由になることは格差が開いて不平等が増す ・合理的には限界がある ⇒すべて論理だけで世界が成り立つわけではない ・国家が失ってしまった品格とは ⇒惻隠のこころ、戦争に負けた後の意識改革、過去の祖先の行いを恥じてしまう今の若者 これからの世の中を考えると、人がどのような生き方をするのかがより問われる時代になり、その中で国をどう思うかはとても重要である。 その根底の部分に日本人の精神、武士道を持って生きていくことは必要なものだと思う。
0投稿日: 2011.11.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
同じ著書の「日本人の誇り」を読んで、改めて読んでみた。内容的に重複している部分は多いが、日本人が失ってしまったアイデンティティを取り戻すためには、こうした視点が欠かせないと思う。
0投稿日: 2011.11.08
powered by ブクログ本棚にあったので、今更ながら読みました。 特に優れた提案があるようには思いませんでしたが、内容に異論はありません(一部の議論は乱暴な気がします)。 何で流行ったんでしょう、この本は。ということを考えることも、重要な気がします。 あとそれから、著者の講演記録がベースになっているらしく、随所に登場する、あまり品のないジョークのせいで結構気が散ります。講演会でなら聞き流せても、文字にするとなかなかうっとうしいです(こんなに奥さんのことを悪く言ってどうするつもりだろう、と読んでる時間の半分はそのことに気がとられます)。
0投稿日: 2011.11.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なかなか興味深い内容で、一日で読み終えることができた。 筆者の主張の中心は、欧米を中心とした、論理・合理だけに判断基準をおいた現代の意思決定は間違いであるということ。そして、論理と合理と同等、それ以上に重要なのが、人々の情緒性であり、かつて日本人が持っていた情緒性を今一度取り戻して、国家としての品格をあげていこうということだった。 武士道の重要性と言うか、素晴らしさを強調していた。また、日本人特有の季節に対する感受性や儚さに美しさを見出す点など興味深く読むことができた。 全体を通して具体的なデータを持って語られる訳ではなく、飽くまで筆者の経験を基に主張が展開されるため、本当にそうかなぁ、と思う部分も多々あったが、全体を通して納得できる部分が多かった。特に武士道精神や昔の日本の文化水準の高さを解説している部分など、興味深かったので、また違う本を読んでみたいと思う。
0投稿日: 2011.11.06
powered by ブクログこれも高校の担任からもらって読んだ。ナショナリズムを昂揚させる本。 生粋のパトリオットもそうじゃない人も日本人として生まれたからには読んでほしい本。
0投稿日: 2011.11.04
powered by ブクログ当たり前のことが書かれているけど 自分自身をもう一度根本から見直すような気持ちが起きる本でした。題名は堅いけど 中身はユーモアあります
0投稿日: 2011.11.01
powered by ブクログ『「愛国心」ではなく「祖国愛」を』等、7章構成のうち、4〜7章は読んでてとても腑に落ちる内容でした。 しかし、日本文化を賞賛するために必要以上に欧米文化を貶めていて、読んでいて不快な気持ちになってしまった箇所も多いです。 特に前半は根拠の無い内容も多く、1章で読むのを辞めようかとも思いました。 せっかく良い内容を書いているのですから、他方を貶めるような書き方はして欲しくありません。
0投稿日: 2011.10.31
powered by ブクログうーむ・・・・。 何でバカ売れしたのか全然分からない・・・・。 要約すると 最近の荒廃感はすべて論理中心の‘欧米的’価値観がもたらしたもので 日本の‘もののあはれ’的情緒感覚が最も優れていて、世界を救うのは日本人しかいない、と・・・・(閉口) 以下簡単にツッコミを。 ‘欧米では・・・’ ↑このセリフを使う人は全く世界を知らない。 ヨーロッパの中だけでも全然違うのに。 ‘欧米では自然は征服するもの’ ‘自由や平等はフィクション’ ‘プロテスタンティズム=金儲け主義=現代社会の荒廃の源’ どれも嘘っぱちです(笑) 論理を否定して感覚重視だからこんな文章になるのか・・・・。 飲み屋で酔っ払いオヤジの愚痴でも聞いているような内容。
1投稿日: 2011.10.10
powered by ブクログちょっと前の本だけど、ベストセラーなので読んでみた。 確かにおもしろい。 以下、面白いと感じたことを列挙してみる。 ・論理だけではダメだ。情緒力が併せて必要だ。 論理には出発点が必ず存在する。 したがって、出発点が正しいとは必ずしも限らない。 ・自由、平等はフィクションである。 これを初版で読んでおけば、 リーマンショックは起こるかもしれない、と思えたかもしれない。
0投稿日: 2011.10.06
powered by ブクログ部下にもらった。 この方、数学エッセイ書いていればいいのに。 「週刊新潮」にエッセイ書いているけれども、山本夏彦気取り? エッセイ、全然おもしろくないし、何を以て「国家の品格」などと言うのか。 きわめて、不愉快。
0投稿日: 2011.10.01
powered by ブクログ日本人の感性は好きだなー 時雨、霧雨、五月雨、梅雨、秋入梅とか(もっとあるけど思いだせん) 「雨」だけで一つに括らない繊細な感性 そして、次に「武士道」を読むw
1投稿日: 2011.09.27
powered by ブクログ快活な文体で、「おもしろい」本であった。 しかし、いろいろと物議が出るところが、論理的に矛盾があるところが気になったが。
0投稿日: 2011.09.26
powered by ブクログ論理的であることは大切だが、論理だけではダメで、「ダメなものはダメ」をいう意識を育てることが大切という言葉が印象深い。これは子供を育てる際にも通じるものがあると思う。 例えば、「万引きは悪いことだ」ということを「警察に捕まるから悪いのだ」と教えることはややもすると「捕まらなければ問題ない」という考えるに繋がる。そうではなく、「悪いことだから悪いのだ」と教える方が子育てには良いと考える。 最近は論理的であることに主眼を置いていたので、自分の考え方に新しい視点をくれた本。
0投稿日: 2011.09.19
powered by ブクログ論理だけでは解決しない。 論理には出発点となる仮説が必要、その出発点を決めるのは その人が持つ情緒力、情緒力を高めるには読書が重要であるし、もののなさけ、跪く心、惻隠の情・・・ もっと己を磨かないといけない。
0投稿日: 2011.09.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
数年前に話題になった、この本を読んでみた。 とても面白かったし、共感を持てた。日本人、日本の良さというものを再認識すると共に真の国際人になれるように頑張りたいと思える本だった。 読み始めてから一気に読んでしまった。この本はいろんな捉え方があると思うが、ぜひたくさんの人に読んでほしいと思える本だった。 特に印象的だったのは「愛国心」ではなく「祖国愛」ということ、
0投稿日: 2011.09.12
powered by ブクログ日本国の未来の明暗は日本人の志だと云わんばかりの日本人たるや日本人ならば、日本人として、日本人……と畳み掛けられた謂わば洗脳の文章のオンパレードに感じた。 読み終わる頃には、いささか御腹いっぱいに…苦笑。 しかし、この混沌とした明日もなかなか見えにくい道筋の日本と真剣勝負しなくちゃいけないと考えさせられる内容でした。
0投稿日: 2011.09.12
powered by ブクログ今更ですが。 読むときに、自尊心をくすぐられる。国威発揚、社会統合のためのスローガンとして使えそうな中身はあるのですが、いかんせん習慣的、扇動的に見えないこともない。 欠点としては、上述のようにやや主観的であること、事実かどうかの検証が十分になされていないこと、そして読者の感情に入り込んでくるないようであるということです。 それは長所の裏返しでもあり、この本が売れたということは、「自国に誇りを持ちたがっている」日本人の本心が見え隠れします。もちろん、日本の良いところをここまで持ちあげている文章も殆どないでしょう。 議論を呼ぶという意味での名著なのではないでしょうか。
0投稿日: 2011.09.12
powered by ブクログ「品格」を冠しておいてのこの品のなさ、 完全にウケ狙いじゃねえか(突っ込まざるを得ない)。 しかし、 中身は大まじめ。 合理主義の批判と、 古き良き日本の称揚が主な内容。 ユーモアのセンスは、ない。 途中の、 どんなに理の通っている話も、 出発点は常に仮説で、 その採用基準は情緒である、 というの言説は非常に面白かった。 押しつけがましい精神論になってしまったのが残念である。
0投稿日: 2011.09.12
powered by ブクログまぁ毎度毎度の藤原センセイ節ですが。祖国愛のあるものにとっては、もう爺さんの繰り言とさえ言えそうな毎度のお話も心地好く。でも真剣に、品性をもち世界で生き残る民族日本人に回帰しなければ、とも毎度思わせてくれる。
0投稿日: 2011.09.11
powered by ブクログ論理は重要ではあるが、論理を徹底すると人間社会は必然的に破綻する。(資本主義のデリバティブの例など)この主張から、論理よりも論理の出発点を形成する情緒が重要だとし、情緒と形を身につけることを勧める。 日本は元来この情緒と形を生まれながらに身につけている民族であるが、現在グローバル化によりそれらが崩壊してきていることに警鐘を鳴らす。 「たかが経済」などという言い草が爽快である。ジョン・ロックやアダム・スミスの批判はきっぱりしていて清々しい。 天才が生まれる地域は美しい、数学や理科がその国の基盤、という藤原さん独自の主張が面白く、なるほどな、と思わせるものがあった。
0投稿日: 2011.09.09
powered by ブクログ現代の日本人に欠けている思慮深さや礼儀などを説いている。 当時読んだ時はピンと来なかったが、昔の古き良き日本が薄れていく今なら、この本から放たれる説得力を強く感じる。 海外に安易な憧れを持つのではなく愛国心を持つこと。 過激な愛国心は遠慮するが、日本人として祖国を誇れるような日本を、今の日本人が作らなければならないのだと感じた。
0投稿日: 2011.09.05
powered by ブクログ日本人として日本を誇りに思っていいんだと考えさせてくれる。本来の日本人の心、文化は、すばらしいと思えるけれど、はたして現在の日本人は それを引き継いでいるだろうか。。。
0投稿日: 2011.09.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
講演をまとめたものだけあって 話し言葉で柔らかく、笑いもあって読みやすい。 理数学者が国語の重要性を説くというのも面白いし ところどころそれはどうだろう、という部分もありはしたが、概ね同意である。 特に明治以降日本が堕落し、武士道が失われつつあることで退廃に向かっているというのは 予てから自分も考えていたことである。 当時はベストセラーとして大流行したために敬遠して自分は読まなかったが そんなに多くの人間が読んだのであれば、もうちょっと今の日本が良い方に変わっていても良いような気がするが… 先進国は荒廃するという論は、滅茶苦茶なようでいて納得がいく。 家庭、教育、犯罪、環境、すべてが崩壊していく。 アメリカでおきたことが数年後日本で起きるとはよく言われるが、ならばどうして防げないものか。 高かったはずの日本人の数学のレベルが ゆとり教育の弊害でさがっているというのも非常に恐ろしい話だ。 パリ講話会議で日本の人種平等法案否決され 植民地=文明の神聖なる使命 という白人主義で植民地化を正当化していくことについて、改めて考えさせられる。 英語よりまず国語が大事というのは全くそのとおりなのだが、中々今の社会では 『国際化』という耳障りの良い言葉で誤魔化されてまだ日本語をしゃべれない赤子のうちから英語を学ばせようという動きまで出ており大変気味が悪い。 確かに、植民地に近い仕打ちを受けた敗戦国が喜々として相手の母国語を学ぼうというのは、随分とプライドのない話である。 自分も会津を初めて訪れた折り 『ならぬものはなりませぬ』という言葉に衝撃を受けたので 筆者の言いたいことは非常によくわかる。 以前戦争は何故いけないのか そもそも何故人を殺してはいけないのか ということを友人と論じていた時に感じた違和感が、この本を読んで何かわかった。 相手は理屈で、自分は感情で「駄目だから駄目」と論じていたのである。 重要なことは押しつけろというのも 昨今の自由や個性を愛する似非人権擁護派には目くじらをたてられそうな内容。 だが「反発したり新しい価値観を見出だすにもまず基準がいる」というのは確かにそうだし 多少理不尽でもこれが正しい、と押しつけてくる『父親』が古来の日本には存在したと思う。 パン泥棒のたとえはとてもわかりやすかった。 論理といっても出発点が違えば結果は違う。 出発点は飽く迄も仮定であって 何が正しいか選ぶのは情緒力なのである。 最初に間違えば間違いっぱなしで結果に至ってしまい 論理はただの自己正当化に終わってしまう。 確かにそのとおりだと思わされた。 風が吹けば桶屋が儲かるというのも、 論理的にはあってるが数学的にはありえない確率であるというのも納得。 長い論理は危険だが、 短い論理は深みがない。 いじめは駄目。→みんな仲良く。 論理的で正しい様に見えるが、だからといって仲良くできるならば苦労はしない。 カウンセラーを置いて対症療法をするのではなく 武士道精神にのっとり卑怯を教えればいい というのも納得してしまった。 だが確かに残念ながら、国民に受けないようだ。欧米かぶれなのだろうか。 いじめられてる側に理由があって、だから制裁していい、が論理 とにかく駄目だから駄目だ、が卑怯を教えるということ。 果たしてどちらが正しいのか。 民主主義=主権在民 世論=マスコミ 単にマスコミが権力になっているだけ。 ここ数年まざまざと見せ付けられた苦い事実である。 まったくそのとおりだ。 情緒と形。 愛は家族郷土、祖国、人類の順。 このあたりもまったく同意見である。 愛国心という言葉には美醜が入り交じっているからうまく受け入れられないのもあるだろうが 藩がなくなってしまい核家族化して 家族や郷土へ愛情を持っていない人間に いきなり国という大きなところから愛を持てと説いても 伝わらないのは当然のことである。
0投稿日: 2011.08.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
5-15世紀までは日本文学が欧州を圧倒していた。実力主義を徹底しすぎるとノウハウを他人に教えなくなる。競争社会を徹底すると米国の様に弁護士の数が増える。小学生に株式投資や英語を教える必要は無い。論理には出発点が必要だがそこが間違うと残りも全て破綻する。 イギリスの政治家には真のエリートが多いので賄賂や汚職の話はほとんど聞かない。真のエリートとは文学、哲学、歴史、科学等といった教養を十分に身につけていることと、いざとなれば国家国民のために喜んで命を捨てる気概があること。 日本は自然に対して繊細な感受性を持っている。無常観はもののあわれという情緒になった。桜の花は3,4日しか咲かないのに人生を投影しそこに、他の花とは別格の美しさを見いだしている。 日本のあらゆる学芸の中で最も優れているのは文学。万葉集の頃からノーベル賞があれば百以上はいく。次は数学。文学と数学が秀でているのは美的情緒が優れているから。
0投稿日: 2011.08.20
powered by ブクログもっと日本を見つめなおして、日本のことを知りましょう、そして愛しましょう。そうしないといくら英語を勉強しても役に立ちません。英語はタダの道具なのですから。。 そう理解しました。
0投稿日: 2011.08.04
powered by ブクログ数学者に関する本を読んで感動したのでこの本も手にとった。数学のことを書かれるときは、文章がいきいきしている気がする。藤原正彦氏の文章は読みやすく、明快。
0投稿日: 2011.08.03
powered by ブクログうすーい・れびゅーで失礼します。 わたしごときが書いてはいけないのかもしれませんが、読み終えた後の、このすがすがしさはなんなんでしょう? だんなが読んでいたようで、せっかくなのでわたしも読ませてもらいました。 いつもなら、きっと自分から好んで読む類の書ではないでしょうが(タイトルだけ見たら難そうでとっつきにくいのは言うまでもないです。はい)、それから受ける感じに比べたら、非常に読みやすく、藤原さんが徹して言いたいことがよく伝わりました。 新鮮でした。情緒とか。もののあわれだとか。 そういうところで語ってもいいんだ。 むしろ大事にしていていいんだ。 難しいことはよくわからないし、語れないけど、 やはりわたしは日本人で、そのことをもっと意識して・大切にしないといけないことを、世界をよく知る日本のすてきなおっちゃんに教えられたような感覚に陥っております。 日本もまだまだ捨てたもんじゃないってことで、一筋の光を見出したところで、そんな爽快感で読み終わりました。
0投稿日: 2011.07.25
powered by ブクログ2005年に出版されミリオンセラーとなり、一世を風靡した本。手元にあるのは27刷のものだが、この刷りが出た06年5月には265万部を超える発行部数になったそうだ(出典wiki)。ちなみに脱線すると、新書の月別発行点数はこの10年で10倍(01年20冊→11年200冊)になったそうで、驚くべき数字に思う。 内容について。わかりやすい形での本書の主張とは、日本に伝統的にあるしかし戦後忘れ去られてしまった「情緒」や「形」=「武士道精神」を取り戻し、「近代合理精神」から脱却しよう、そしてその精神をひとりひとり持つことで「国家の品格」を取り戻すのだ、というものだ。僕はこの主張に対してはあまり賛同できないが、取り敢えず横に措く。 それよりも、本書のなかでより重要となるのは、ゲーデルの不完全性定理を例に語られる「最も重要なことは論理では説明ができない」(p.44〜)という箇所である。 ここで語られている本質的な意味とは、自らを規定する価値観が相対化し、その価値観を自身によって選択し決定しなければならない、ポストモダン=後期近代に生きるわれわれの生の問題なのだ。その意味において、筆者の語る「武士道精神」とは、率直に言えば選択肢として提示される価値観のひとつに過ぎない。 これは筆者もある程度自覚しているのではなかろうか。後半にある「「論理的に正しい」ものがゴロゴロある中から、どれを選ぶか。その能力がその人の総合判断力です。それにはいかに適切に出発点を選択できるか、が勝負です」(p.150)というのはその通りだと思う。 ではその際に「武士道精神」をインストールすることが〈ほんとうに〉正しいのか。それは正しいのかもしれないし、正しくないのかもしれない。筆者が述べるように、その解は論理的に導き出すことは出来ない。そこには論理から外れた跳躍が必要となるのだ。 だからほんとうに問われていることは、日本がいい国だとかそういうことではない。そうではなくて、自らの生を意味づけ規定する価値ー信仰と言ってもよいがー、それをいかに自らのものとするか。それこそが思考すべき問いなのだ。 余談であるが、この本が発行された時期は平成のなかでも経済好況の時期である。景気拡大が続き2006年11月には「いざなぎ越え」となったが、当時は実感のない好況と言われていた。 実感できないものの「ジャパンアズナンバーワン」的なものの復活の兆しはある。不確かな世界において自らを規定してくれる言葉は福音であるが、それは他者から与えられるものでは既になく、自らが決定しなければならないのだ。それが正しくないものだとしても。
0投稿日: 2011.07.24
powered by ブクログ新書なんて久しぶりに読みましたが。正直な話、「頭がいい人、悪い人の話し方」と同じ新書とは思えないほど格が違う。こっちは読んでいると自分が知識人になったかのような錯覚を起こします。小難しそうなタイトルだけど、内容は高校卒業程度の知識があればそれなりに理解できます。高校生にこれ読めって言ってもちょっと難しいかな、という程度。でも大学受験でもっと小難しい文章出るんだから大丈夫なのかな。 ちょっと読後に価値観の変化を感じました。皆が皆納得する内容では無いと思うけれど、「日本人」には是非読んで欲しいと素直に思った。外人が読むと怒りそうだなあ。 「日本のロックはもっと世界で胸を張っていい」と豪語する山口(サンボマスター)や、江戸文化に精通し「昔の侍」なんて曲をつくってしまう宮本(エレファントカシマシ)が好きな人はきっとドキドキしながら読めるはず。 その内容は近代的合理精神の破綻から市場原理、教育、武士道、フランツフェルディナンド*1、トマス・ホッブズの自然権から日本特有のもののあはれ、カルヴァン派の予定説にまで及び非常に興味深いです。 学校の公民の授業でホッブズやアダム・スミスに触れていたのに、もっとしっかり勉強しておけば良かった。そうすれば絶対もっと面白く読めたような。やっぱり無駄な勉強なんてねえなあ。日本の教育はクソだとか豪語せずに真面目にやっときゃよかった。と、話しが逸れてしまった。 これまで自由とか平等とか、皆が唱えているけれど「なんとなく嘘っぽいなあ」と個人的に思っていた概念を、本文で「ウソ」だと名言してくれたのでなんかスッとしました笑。論理はもちろん大事だけれど、論理だけでは世界は成立しない。著者は数学者なのでこれだけでもなんとなく説得あります。共産主義同様に資本主義が崩壊したとき、次の世代を担えるのは本当に日本なのかは疑問ですが。というかちょっとこの著者、少し盲目的なところもありますが、こういうドン・キホーテみたいな人は大好きなので、支持します笑。今日の読売新聞の夕刊の寸評でもこの著者話題になっていたし、取り敢えず多くの人に読んでほしいかも。世の中を多面的に見るための引き出しが一つ増える気がする。 あと去年の11月発行にも関わらず、ライブドアの汚職についての批判を匂わせているあたりもすごい。気づく人は気づいていたんだなあ。 なんでこんなに偉そうに書いているのかは自分でもよくわからないけれど。こんなに長くレビュー(?)書いたのは初めてだわー
0投稿日: 2011.07.14
powered by ブクログ論理が重宝される社会。 英語至上主義。 グローバリズムがもたらす危険性を具体的な例を引用してユニークに描写している。 日本人が忘れている美学。もののあわれ、武士道精神。など。 日本人と世界を比較し、また世界の中での日本人の立ち位置をさとしてくれる。 ビジネス書や自己啓蒙書があふれる中、変化球な一冊。
0投稿日: 2011.07.12
powered by ブクログ文章が読みやすいです。 小難しい新書のイメージとは打って変わって、字も大きいし使っている単語も易しいし、文章自体が面白いのですらすらと読めてしまいます。 具体的な例をあげて結論に持っていって納得させるのが巧いと思います。 小学校の英語教育というタイムリーな話題や、天才は情景の豊かな場所から生まれるというユニークな主張は読者を飽きさせない造りになっていると思うのですが、ただ書いてある内容はちょっと極論過ぎます。 「ワンステップの論理に踊らされてはいけない」と主張する作者の論理こそがワンステップです。 というように、作者を信じるにはそこらじゅうに矛盾が広がっています。 始めからどこかおどけたような作者の態度は、どこかわたしたちを挑発し、試しているようにも感じます。 大人向けというより子ども向けなんじゃないかと思います…中学生~大学生が、狭かった視点を一回り二回り広くさせるには絶好の本かと。 売れる理由は非常にわかるけど、これに影響を受けすぎるのは少し危険な気がします。
1投稿日: 2011.07.08
powered by ブクログ論理は万能ではないということが論理的にわかった。論理の出発点は主観にもとづく仮定だから。大切なことは、ことはこうだからこう!としかいえない。理由はないが根拠はきっとある。
0投稿日: 2011.06.30
powered by ブクログ内容のほとんどは個人的に既に考えたことのあるものだったので驚きや新鮮さは無かったが、語り口が軽妙でなかなか面白かった。やや奥さんをネタにしすぎた嫌いはあるがw でも、もう少し独自の補強が欲しかったかな。論理に限界はあるにしても、読み物としてはやはりもっと理詰めの方が面白かったと思う。 論理が落ちてるからか、全体として言いたいことは分かるもののどうしても説得力に欠けるし、元々著者と近似の考えを持っていた人ならともかく、異なる考えを持つ人や外国人に感銘を与えることは出来ないんじゃないかな。 もちろんそれは作者も分かったうえでターゲットを絞って書いたのだと思うけれど、折角国家論を打ち出すなら既存の社会に、論理に、挑戦状を叩きつける勢いが欲しかった。 好きな方向性だけど、物足りなさを残した読了となってしまった。
0投稿日: 2011.06.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
終始平易かつ理想主義的、誘導的な文体で昔の日本を全肯定、礼讃した本。文章が平易なのも一種の落とし穴か?さらに、イギリスのお茶の風習を貶したり、諸外国は拝金主義で野卑と言ってみたりと実に杜撰な内容。 フォローするなら、武士道の中軸である「惻隠」の心とか、グローバル化への反対など、多少共感できる箇所があったこと。と、言いたいけど戦国時代から江戸時代初期にかけては朝倉宗滴や藤堂高虎のように武士の中でも卑怯というか現実主義的なことを言っている人もいる。 そもそも武士は自らの支配を強化するため、忠誠心を重んじる君臣関係を肯定する儒学(特に朱子学)を江戸幕府の正統的な学問としたわけだし。「忠義」とか「切腹」という単語が武士道の本質だと言うのは一面的だと思う。 何だかんだ言いつつも日本という国の、今という時代が好きな一個人として言わせて頂く。日本の歴史や文化を知り、長所、短所の両方に目を向けた上で国及び郷土を愛するべきだと思った。
1投稿日: 2011.06.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
書いている基本的な内容には同感である。 いくつかの表現は、不正確な面はないでしょうか。 日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」ではないのではないでしょうか。 世界中に情緒の文化が存在していないでしょうか。 特に、日本と同様に、文明の辺境には多くの情緒文明が存在していないでしょうか。 そういう辺境文化の一つとして、日本文化を位置づけると、はじめて国家としての品格がもてるのではないでしょうか。 国際化という名のアメリカ化に踊らされてきたのではなく、 文明開化と敗戦という、政治的な圧力に屈してきただけでなく、 インド文化、中国文化を受け入れてきた日本の混合文化の一つと見てはだめでしょうか。 アイヌ文化や、琉球文化をうまく日本文化の中でもり立てていけないのであれは そういう「国柄」は自慢にならないのではないでしょうか。 改善は「論理」と「合理性」頼みではないし、社会の荒廃を食い止めることはできないことは、論理的に証明されているように思います。現場、現物を見ない改革は合理的でないという論理もあり、海外から日本のkaizenを勉強に来られているのだと思います。 日本に必要なのは、英語よりも国語だというのは、外来語のカタカナ表記の見直しでも明らかだと思います。国立国語研究所の努力をもっと評価してはいかがでしょうか。 民主主義よりも武士道精神が日本の文化だというのは本当でしょうか。 武士は日本人の一部でしかなく、それらは日本ではない狩猟民族からもたらされたものではないという根拠があるのでしょうか。 全体にはよい内容ですので、表現と結論を、もっと現場に即した表現にしていただけると嬉しいかもしれません。
0投稿日: 2011.06.18
powered by ブクログ駄作。 読んでいて、イラつきが絶えない本に久しぶりに出会った。 どこかの編集者の言葉を引用するなら、 筆者自身が「品格なき筆者による品格ある国家論」と自己評価を加えている、その諧謔精神がせめてもの救い。 「論理」を否定したからこそ、 ここまで出鱈目な批評を述べることができるのか。 それとも、 「論理」を否定することで、 自己正当化を図りたいのか。 先人の思考格闘の成果である「古典」を読むことを通じ、 現実社会の表象的混沌を再構成しなおすという作業もせず、 ただ「ロックの無責任発言」などといった一面的な戯(たわ)けを抜かす筆者には、全くもって開いた口が塞がらない。これでは大衆をだますことに他ならない。 所詮、人が1人では生きられないとの同様、 国家も孤独にして生きてゆくことはできない。 日本古来の無形資産である「礼儀」とは、 そもそも相手を尊ぶ精神だったはず。 そんな「礼儀」のない暴論こそ、 駆逐されるべきだろう。
1投稿日: 2011.06.13
powered by ブクログ日本を「祖国愛」と思う著者の考え方に共感しました。 日本の文化、伝統、情緒、自然を愛する心を育むことが大切であると共に、日本文学をはじめとする「読書」の大切さをうったえる著者の姿勢に好感が持てます。 著者の海外生活時代のエピソードも大変興味深く、日本人で良かったと思うと共に、日本人としての誇りが強まる一冊です。
0投稿日: 2011.06.12
powered by ブクログ藤原先生の歯に衣着せぬ言い回しが印象的。このお話を100%鵜呑みにしたら藤原信者になってしまいますが、自分の考えと対象しながら読み進めていくと非常に感慨深い。日本人の素晴らしさを改めて認識させてくれます。
0投稿日: 2011.05.25
powered by ブクログ[ 内容 ] 日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」である。 国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。 「論理」と「合理性」頼みの「改革」では、社会の荒廃を食い止めることはできない。 いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである。 すべての日本人に誇りと自信を与える画期的提言。 [ 目次 ] 第1章 近代的合理精神の限界 第2章 「論理」だけでは世界が破綻する 第3章 自由、平等、民主主義を疑う 第4章 「情緒」と「形」の国、日本 第5章 「武士道精神」の復活を 第6章 なぜ「情緒と形」が大事なのか 第7章 国家の品格 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
0投稿日: 2011.05.22
powered by ブクログ北尾吉孝さんの「君子を目指せ、小人になるな」を読み、論語の世界観に触れたことで、本棚にあったこの本を読みたい衝動に駆られ、4年ぶり位に読み返しました。 「正しい論理」よりも、武士道精神に基づく「情緒」や「惻隠」といった、日本人に特有の感覚こそが大事と説いており、論語の世界に相通じる部分を感じるとともに、日本の美しい自然、自然を跪く心、精神性を尊ぶ精神、日本が誇るべき品格であることを思い出させてくれました。
0投稿日: 2011.05.21
powered by ブクログ真の愛国心をもつということ、今後国際社会の中で日本がどう生きるべきなのか、できるだけ噛み砕いて、表現しようとする努力は見えます。 また、新田次郎と藤原ていという2人の偉大な文学者の間のお子さんという身分にシンパシーも感じます。 ただ、この本よりは「新 歴史の真実」の方がより詳細でも分かりやすくて良いでしょう。
0投稿日: 2011.04.25
powered by ブクログかなしいかな読んでしまった。通り一遍のことしか書いておらず、個人的には全く役に立たないと思っている。
0投稿日: 2011.04.19
powered by ブクログ国際化に惑わされてきた日本は、国柄を忘れてきました。今の日本に必要なのは、日本人の長所である武士道精神であり、もう一度初心に戻るべきだと思います。道徳を学ぶことにもつながります。 人生や生き方を考えるためにはとっても重要なキーワードになると思いますし、いろいろと考えさせられる本でした。
0投稿日: 2011.04.17
powered by ブクログ細かいところでは、不正確な箇所、共感できない箇所及び単語の説明がなく分かりにくい箇所があるものの、大筋としては共感できることが書いてある。
0投稿日: 2011.04.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
レビューについては下記にて紹介する。 http://mutsukisetsura.blog137.fc2.com/blog-entry-60.html
0投稿日: 2011.04.12
powered by ブクログ今さらですが読んでみました。 論理だけで世の中は成り立たない。 それが論理的に説明してあって実にわかりやすい。 日本のいいとこをもっと認めましょう。 そしてもっと伸ばしていきましょう。 この本の内容の正しさが証明されたような今現在の状況ですね。 売れたわけがわかった。
0投稿日: 2011.04.03
powered by ブクログ批判したい点は山ほどあるけど、こういう極論は正直大好きですw あくまで、一意見として読むなら、かなり楽しめるんちゃうかなーと思います。 日本を美化しすぎてて、マイナス面が見れてなさすぎるけど、それほど自分の国のことを誇りに思ってるのかと思うと、逆にこの人すごいなーと感心してしまいました。 まあ、「論理があるから戦争が起こる」は言いすぎやけどなww 「21世紀はローカリズムの時代」って言葉はなんか異様にしっくりきました。 先見の目はある人っぽいね。
0投稿日: 2011.03.30
powered by ブクログ全く期待してなかったが、期待通り極めてつまらない本だった。これがベストセラーになる理由がわからない。 内容の要約などは、既に他のレビュワーの方がされているので省略する。 ツッコミどころ満載で、どうコメントしてよいのか難しいところやけど、作者が歴史の素養がないことはよくわかった。 人間としての「品格」を感じるなら、作者の父である新田次郎の小説を読んだ方がはるかに感動できるし、得るところも多いのではないだろうか。本書をわざわざ購入して読む必要はない。
0投稿日: 2011.03.30
powered by ブクログ当時話題だったこの本を、田舎の母が送ってくれました。 しかし...まだ全く読めていない(汗) ブームが過ぎて、今更な感じも否めないが読みたいと思います。
0投稿日: 2011.03.23
powered by ブクログ結構前に読んだ本を読み返してみる。 平等、自由とは矛盾だらけであることを証明し、現在の民主主義のあり方まで考えさせられる本! 民主主義の大前提である「国民の成熟」とは必ずしも達成するものではないし、マスコミによる誘導により簡単にヒトラーとはつくれるものである。民主国家がヒトラーを生んだのである。 なんでも西欧化=近代化=正しいっていうのは間違っていると僕も思う。日本にはその文化に似合うシステムっていうものがあるだろうし、この本ではそれを武士道が必要だと説いている。 まあ全部が全部正しいって信じ込むのはよくないけど一読は勧めたい本!よみやすいしですしね
0投稿日: 2011.03.23
powered by ブクログ何度読み返しても、「なるほど」と思わされてしまう。それは著者の批判が、見事なほど自分に当てはまるからだと思う。競争社会を是(あたかも自分が競争に勝ち得ると勘違いしながら)と考えていること、将来的に英語を身につけられれば、国際人になれると思っていること、日経平均株価に一喜一憂していること・・・耳(目?)が痛いことばかりであった。しかしそのように品格がない自分だからこそ、著書に対して素直に「このままではイカン」と思えるのだと思う。著者のいう「家族愛」「祖国愛」をさらに育むところから始めたい。
0投稿日: 2011.03.20
powered by ブクログ中学生のとき担任に激しく薦められて読んで以来、久々に読みました。 これも一つの考え方であると思えます。私も、「異質」な日本は他の国々とは違った観点で世界に働きかけられると思うので。 日本人はもっと日本人であることを誇りに思っていいんですね。 世界が英語だとかアメリカ式だとかに「画一化」されるのは嫌だなと私も思う。とりあえず、小学校から英語を教えることには賛成できない…。
0投稿日: 2011.03.19
powered by ブクログ日常の判断で用いられる論理。 しかし、その出発点が正しくないのなら、 帰結もあやしいものになってしまう。 日常の思考の出発点やそれを支える前提に、常に誤りはないと保証することができるだろうか。 しかも、A→Bの論理の展開すら、確率1で真であることがまれだという。 ましてや、論理の連鎖が多段になればなるほど、帰結が真である確率がどんどん下がっていってしまう。 論理的に正しくみえるからといって、善とすることに警告を発している。
0投稿日: 2011.03.19
powered by ブクログ偏った感じはあるが、日本人としての誇りは持てる。論理だけでは人は幸せにならない。やはり心に訴えるものがなければならない。著者にとってそれは武士道なのだろう。時代が変わっても、日本人の中にはこの国特有の情緒が流れているはず。それを尊ぶことはやはり大切だと感じる。 論理を展開することは大切だが、出発点を、誤らないようにしたい。心ある行動を自分の情緒としたいと思う。
0投稿日: 2011.03.18
powered by ブクログわたし自身、日本人が日本人な性格であることに疑問を持っていたし、国際化が叫ばれる中、日本人はこんなに気弱じゃやってけない、食われるだけだって思っていました。 だから気持ちとか優しさで物事を片付けるのは嫌いになったし、日本人はおかしいと思うようになった。 でもこの本を読んで、自然に日本人特有の優しい気持ちがわくことはおかしいことではないと知って、日本に生まれたことを少し良かったと思えた。 残念なのは著者が今なにをやってるのかわからないこと。 じゃあ次の選挙にでも出馬してくれ、と思う。
0投稿日: 2011.03.13
powered by ブクログ欧米万歳。みたいな教育のなかで育って、 ずっと感じてきた違和感。 なにか腑に落ちない。。。 と思ってしまうのではなくて、そう感じてきた。 その理由がよく分かった。 日本人たるもの、そう感じて当然ということだった。
0投稿日: 2011.03.03
powered by ブクログ金銭とか経済とかはそんなに価値のあるもんじゃあない。 本当に大切なものは、祖国を愛する心と情緒力、恥を恥と思う心、野に咲く一輪のスミレを美しいと思う心。 芸術とか数学とか文学とか、一生懸命勉強しようと思った。
0投稿日: 2011.02.25
powered by ブクログ人間は利益のためなら、いとも簡単に美しい言葉や見事な論理を作り出してしまう。 いじめを本当に減らしたいなら、『大勢で1人をやっつけることは文句なしに卑怯である』ということを、叩き込まないといけない。 民主国家では、現実として世論こそが正義であり、必然的にマスコミが第一権力となる。 国民のために命を捧げるような者は、 国民を欺くようなことはしない。 人間というのは、何かに対して感性が研ぎ澄まされていると、必ずそれを言語化する生き物です。 2011.04.22 完読
0投稿日: 2011.02.22
powered by ブクログ日本人であることに誇りを持てる本。偏っている感は否めないが、筋は通っていて、結論もしっかり明らかにしている。 偏っている分、語り口が力強く、曖昧な部分を隠している。 惜しむらくは、外交に関わる政治家を例外扱いしなければいけなかったことで、数学に於ける美しい解答とは異なってしまっている、残念。 あと、男と女の在り方についても語って欲しかった。
0投稿日: 2011.02.17
powered by ブクログ2006年度のベストセラー。 「品格」という言葉は、この年の新語・流行語大賞に選ばれた。 「論理の出発点を正しく選ぶために必要なもの、それが日本人の持つ美しい情緒や形である。それが私の意見です」 「武士道は鎌倉時代以降、多くの日本人の行動基準、道徳基準として機能してきました。この中には慈愛、誠実、忍耐、正義、勇気、惻隠などが盛り込まれています。惻隠とは他人の不幸への敏感さです」 筆者は「日本人が古来から持つ『情緒』、あるいは伝統に由来する『形』、こうしたものを見直していこう」という。 そこには異国の人々から賞賛された、日本人の美しい情緒と道徳が存在した。このグローバル化した時代にこそ、日本の誇れる精神的価値として見直されるべきだという考えは共感する。 また、ロックの『統治ニ論』、アダム・スミスの『国富論』という近代資本主義理論の背景には、カルヴァン主義の「予定説」によって、金儲けに倫理的栄光が与えられたためだという話は興味深かった。 筆者のいう武士道精神をより知るためには、筆者自身が解釈に拠ったという新渡戸稲造著『武士道』を一度読んでみてはどうだろう。新渡戸が外国の方々に紹介するため執筆したということもあり、読みやすい本だ。 「野に咲く一輪のスミレを美しいと思う心」を大切にしていきたい。
0投稿日: 2011.02.13
powered by ブクログロジックがしっかりしていても、仮定がきちんと立てられていないとその論理は危険なものになる。仮定を立てるための前提としての伝統的価値。その大切さについて書かれた本。
0投稿日: 2011.02.11
powered by ブクログ星の数は、この本の内容自体の評価じゃないです。そしてまた、わたしがすこし右寄りな思想の持ち主、ということも抜きにして。 作者のこの堂々たる、祖国愛に対する誇りとかいうものに、星を。 思想があまりにも偏っていて、食傷気味にもなったのですが、「読み物」としては興味深いなぁと感じました。「愛国心」を「祖国愛」ととらえるのには大いに賛成だし、国に対する誇りはもっと持っていい。作者のこの誇りは、いち日本人としては嬉しい。わたしだって、日本が好きだ。 ただ、あまりにも欧米に対する差別意識(劣等感ともとれる)は、、こんなに書いて大丈夫?と思うほど。 よく本にまでしたなぁといった意味でも感心。 いろんな意味で、興味深くたのしく読ませていただきました。
0投稿日: 2011.01.27
powered by ブクログあのベストセラー本です。「国際化」という言葉が氾濫している現在の日本。 国際化=アメリカ化 という暗黙の了解に嫌悪感をおぼえていた私に、ストンと落ちた本でした。
0投稿日: 2011.01.24
powered by ブクログ日本人、日本の良さを改めて感じさせてくれる内容だった。 「武士道」の素晴らしさも、筆者の経験を通して感じ、勉強したいと感じた!
0投稿日: 2011.01.23
powered by ブクログ「国家の品格」を読んで感じたこと 藤原正彦さんの「国家の品格」について最近よく耳にします。講演の内容をベースに執筆した本ということもあって、とても読みやすい内容でした。数学者である筆者が極めて「論理的に」合理主義の限界を説きながら、日本人が世界に誇るべき「情緒と形」について論ずる、というユニークな構成です。日頃から色々な意味での「バランス感覚」について意識している僕としては、「論理性は大事だが、美しい情緒とセットになってはじめて人間の総合判断力は十分なものになる」という本書のテーマは非常に共感できるものであると同時に、「論理偏重型の欧米型文明」に傾斜しがちな自分に対して改めて重要な気付きを与えてもらいました。 いま、本業の傍らで推進している社内SNSプロジェクトを通じて、社内の様々な人たちとの交流が広がっています。こうした新たな出会いをきっかけにして、全社的な視点で社内の色々な課題について考える機会が多くなってきました。そんな折に「国家の品格」を読み、感じたことをメモ。 p.54 あまり頭が良くない人なら、途中で論理が二転、三転して、最後には正しい結論に戻ったりもしますが、下手に頭が良いとそのまま行ってしまう。頭は良いのに出発点Aを選ぶ情緒力の育っていない人というのが、非常に怖いのです。現実には、こういう人が非常に多い。 このような情緒力とか、あるいは形というものを身体に刷り込んでいない人が駆使する論理は、ほとんど常に自己正当化に過ぎません。世の中に流布する論理のほとんどが、私には自己正当化に見えて仕方ありません。 この指摘、まさに当社で顕著な課題です。就職ランキングでも上位の常連となりつつある当社はいわゆる一流大学の中でも極めて論理的思考能力が高い層が毎年大勢入社してきます。このポテンシャル自体、非常に凄いことであるのは間違いないのですが、いかんせん頭は良いが「想い」がない若手が増えてきた気がしてなりません。言われたことを遂行する能力は極めて高いが、目的に向かって自らプロセスを考えて行動するのは苦手。「できない理由」を美しい論理で武装する批評家。まだ若いのに妙に達観して、「まぁまず無理」という態度。 せっかくの高い論理的思考能力も、「何とかしてやってみよう!」という前向きな姿勢や想いがなければかえってマイナス面に働きます。また、僕が関わっている「コンピュータシステムを開発するという仕事」は一見デジタルな印象ですが、実態は非常に人間くさいプロセスの積み重ねです。社内の同僚をはじめ、協力会社のメンバー、お客様、そしてその先にいる本当のお客様(システムのエンドユーザー)といった沢山の人々が複雑に絡み合うシステム開発の過程では、単にロジックだけでは割り切れない、人間の感情や情緒といったものへの関心や理解、働きかけがないと前に進めないことも多々あります。そんなとき、「想い」や「情緒」といったものの力が論理性に先立って大きく作用するものです。 p.60 論理というものは通っているとなぜか快感が得られるので、聞いたとたん、それに酔ってしまう。各ステップの信頼度を量的に考えようとはしない。(中略)実は、量的思考をするには、知識や情緒、そして大局観が必要になるのです。 コンピューターシステムそのものは完全に0か1のデジタルの集積からなる、巨大なロジックの構築物です。ここでは、たった1つの間違いも論理的には程度の差こそあれ「バグ」となり、不具合の原因となります。その意味では、数学における証明問題において、1つでも途中でミスをしてしまうと結果すべてが台無しになってしまうというのに似ています。 一方、現実的な課題は不確実な要素が多く、1か0かで割り切れないケースがほとんどです。こうした場合は、考えられる選択肢ごとにそうなる確率を仮定して将来のシナリオを分析する、いわゆる「リアル・オプション」的な考え方がロジカルですが、大抵は「各ステップの信頼度を量的に考えようとはしない」で、単純明快にAならばBと言われて何となくそうだと思い込んでしまいがちです。 ここで重要なのは、論理の出発点をどこに置くか、前提条件をどう考えるか、考えうるオプションをどう考えるか・・・といったことであり、これらはロジカルに突き詰めるだけではなく、右脳的なひらめきや発想、経験や勘といったものが大いに効いてきます。コンピューターシステムで言えば、プログラミングの工程は極めてデジタル的な要素が強いものの、その前段であるシステム要件や機能を設計する工程では、そもそものシステムの目的をどう定義し、どう機能要件にまで展開していくかというプロセスにおいてこうした「情緒力」がロジカルシンキングにも増して非常に重要になるのです。 p.153 現代人の感じるそこはかとない閉塞感、社会に漂う虚脱感には、人間中心主義により人間が自然と対立関係に陥ったという事実が深く影響しているような気がします。この対立により、美しい情緒をなくしたことが精神の安定を傷つけていると思うのです。美しい情緒は、ささくれ立った心を癒し、暗く沈んだ心に力を与えてくれます。心の安定化装置のような役割もするのです。 現代の合理主義の1つの象徴でもあるコンピューターシステムの開発現場は、まさに筆者の言う「人間中心主義によって人間が自然と対立している状況」の典型例とも言えます。ここでは自然と左脳的な論理性重視の価値観が優勢となり、「美しい情緒」とは縁遠い職場環境になりがちです。だからこそ、少しでも心の潤滑油のような役割として社内SNSのような仕掛けが必要だと僕は思っています。タバコを嗜む社員はたまにタバコ部屋で同僚と家族や趣味の話をしてリフレッシュしたり仕事のヒントを得ています。社内SNSはまさに「ネット上のタバコ部屋」という位置づけで、社員がちょっとした息抜きをしたり同僚から新たな気付きを得ることができる場として、また時には「ささくれ立った心を癒し、暗く沈んだ心に力を与えてくれる心の安定化装置のような役割」を果たす仕掛けとして、なくてはならない社内インフラの1つに育てていきたいと思います。 p.162 「すぐに役に立たないこと」を命がけでやっている人の層が厚いということが、国家の底力と思うのです。 p.163 純粋数学のような、すぐに役に立たないものに優秀な人材が命をかけて取り組んでいるような国だけが、結局は伸びる。国家にはそのような厚みと余裕がないと、長期的な発展はありえない。 短期的な利益や費用対効果、ROIが叫ばれる昨今の経営を取り巻く状況において、社員の満足度向上が顧客の満足度向上にも寄与し、ひいては会社の業績の向上にもつながるという長期的な視点で投資を行うことはなかなか難しい時代です。そんな折に、「すぐに役に立たない」社内SNSに価値を見出し、投資してくれた当社の経営陣には感謝しています。まだまだ経営資源に余力のある今のうちから、将来を見据え、じっくり腰を据えて社員ひとりひとりの底力を上げていけるような取り組みにしっかり投資していくことこそ、当社が今後も引き続き発展し続けるために最低限必要なことだと思います。
0投稿日: 2011.01.15
powered by ブクログ日本の文化が世界で唯一の「情緒と形の文明」であり、西欧文化の論理至上主義、安易な資本主義、民主主義万能論や、メディアが世の流れをすべて握っている現状の社会状況に警鐘を鳴らしています。 論理や合理性そのものは、良いことなのですが、それには限界があり、競争に敗れたものや弱者への思いやりや卑怯を憎む「情緒」や、美とか礼を重んじる古来伝統の「形」も重視しなければ、幸せな社会にはならず、それが含まれている「武士道」の復興必要性を説いています。。 そして、「情緒」と「形」を身に付けた真のエリートを養成することが日本を品格のある国家にし、真の国際貢献をしていくべきだと結論付けています。 日本文化、日本人がいかに優れているかという先入観から論が展開されている感じが少々残念で、しかも、論の展開に少々熱が入っているので一歩間違えればすごく極右的に感じるかもしれません。 しかし内容はわかりやすいので、日本文化の良いところは何かを再発見したい人にはお勧めです。、日本的、西欧的な考え方の違いとバランスのとり方を考えながら読むとさらに良いと思います。
0投稿日: 2011.01.10
powered by ブクログ日本人としてもっと自意識を高くもって行動せよという本です。 国家の品格とはなにか、何が「品格」といえるのか、 日本の強みとはなにかなど、改めて再認識する内容でした。 なるほどなーとひとつの考えとして読むと興味深い内容でしたが、 個人的には納得できない部分もありました。 教養として、読んでおいても損はないと思います。
0投稿日: 2011.01.05
powered by ブクログ最初の三章で欧米の「近代的合理精神」が破綻したことを述べ、次の三章で日本にあった「武士道精神」の重要性を説き、最後に今後の日本のあるべき姿を述べた本。 確かに、論理を使うときにはその人の倫理観が重要だと思うし、武士道に代表される日本の伝統とも言うべきモノを再度学ぶ必要はあるとは感じる。 だが、この本はそっちに片寄りすぎてると思う。 例えば、「二十一世紀はローカリズムの時代」と言っているが、それは現代の世界の流れを無視し過ぎてる。 著者自信もグローバリズムの利点は認めているのだから、これからはローカリズムではなく「グローカリズム」の時代と言うべき。 どうがんばったところで昔の日本には戻れないのだから、現在の世界の実情、そしてこれからの流れを考えた上で、今後日本はどうあるべきかをもう少し論じて欲しかった。 第一章 近代合理精神の限界 第二章 「論理」だけでは世界が破綻する 第三章 自由、平等、民主主義を疑う 第四章 「情緒」と「形」の国、日本 第五章 「武士道精神」の復活を 第六章 なぜ「情緒と形」が大事なのか 第七章 国家の品格
0投稿日: 2010.12.29
powered by ブクログフラットにあったので、久々に日本語の本が読みたくて手に取ってみました。 著者はアメリカ・イギリス滞在経験がある日本人。海外滞在経験のある日本人特有の考え方で、持論を展開されてます。イギリス滞在中のきいにとっては、うなずく事満載! 海外に住むからこそ、もっと日本について学ばなければならない事が沢山あると思う。 でも極論だなって思う部分もあるし、日本に住む日本人には、ちょっとクセが強すぎて受け付けられにくいかも・・・。 きいには考えさせられることも沢山あって、面白い一冊でした。
0投稿日: 2010.12.27
powered by ブクログ尊敬する先生からぜひ読んだほうが良いとすすめられた本。 尊敬する先生の評価した本だからという先入観もあるけど、 良い本だった。
0投稿日: 2010.12.25
powered by ブクログ『国家の品格』(藤原正彦、2005年、新潮新書) 情緒や武士道精神を重視する筆者が、今日の日本に必要なものを述べる。筆者の意見はどうも説得力がないように思います。何故これがベストセラーに、と思うくらいです。 自由や平等を批判したり等、いちいち目につく文章が個人的には目立ちました。もう読みません。 (2010年12月20日 大学院生)
0投稿日: 2010.12.20
powered by ブクログこのタイトルが内容を表しているとはあまり思えませんが、内容は至極当たり前のことが書いてあるなと思いました。説教くさくはないので若い人でも読みやすいと思いますよ。
0投稿日: 2010.12.20
powered by ブクログベストセラーにもなった本。 美徳や文化、武士道精神こそが今の時代には重要であると。 国際化する現代をバッサバッサと斬り捨てるのではなく、謙虚に美しく、自然を愛でる日本の心を持ってして世界に立ち向かえとのことでござる。
0投稿日: 2010.12.07
powered by ブクログ日本人はアメリカ的な論理・効率至上主義をすてて、伝統的な武士道精神をとりもどすべきだ!という思いがあつく語られている。 かたよってる感もあるけど、歴史や思想について単純に勉強になる部分もあって面白かった。 英語を勉強しても中身となる教養がなければ国際人になれないとかいうのは確かに納得。
0投稿日: 2010.11.04
powered by ブクログ“ところが一般の世の中の論理には、1と0は存在しません。絶対的に正しいことは存在しないし、絶対的な間違いも存在しない。真っ黒も真っ白も存在しない。” 情緒と形。 “「日本人は貧しい。しかし高貴だ。世界でどうしても生き残って欲しい民族をあげるとしたら、それは日本人だ」 日本人一人一人が美しい情緒と形を身につけ、品格ある国家を保つことは、日本人として生まれた真の意味であり、人類への責務と思うのです。ここ四世紀間ほど世界を支配した欧米の教義は、ようやく破綻を見せ始めました。世界は途方に暮れています。時間はかかりますが、この世界を本格的に救えるのは、日本人しかいないと私は思うのです。”
0投稿日: 2010.10.29
powered by ブクログお前ら英語ばっか勉強してないで読書して感性と情緒そして総合判断力を身につけろよっていうメッセージを受け取った。 国家の品格という題名でありながら国家についてあまり論じられてないのが最大のポイントです(笑)
0投稿日: 2010.10.27
powered by ブクログ内容は・・・ まぁ、タイトルのまんま。 日本人は日本という国家の品格をとりもどさなくてはならない。 という事?です。 読み始めた時は、年寄りの戯言かと思ったけど、 ちゃんと読んでみると納得できる。 多少テキトーに書いてるなと思う部分もあるけど、 まぁそこは数学者という事で許せる部分でした。 こういう考え方が広まる為にはどうしたらいいのか。 まったく分からない。 *********************** 日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」である。 国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。 「論理」と「合理性」頼みの「改革」では、社会の荒廃を食い止めることはできない。 いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、 「国家の品格」を取り戻すことである。 すべての日本人に誇りと自信を与える画期的日本論。
0投稿日: 2010.10.19
powered by ブクログ話題の本なので、しぶしぶ読んでみたけど すごくおもしろくて、ためになった。 必ず1度は読んだほうがいい良書だと思った。 「英語だけできても国際人とは言えない。 自国の文化を知ってこそ、国際人と言える」という 作者の意見は耳に痛い。。。 これから日本の文学、歴史をやり直そうと思った。 「祖国愛」、日本人には希薄だけど でも、私も作者と同じで 日本は素晴らしい国だと思っているから 祖国愛、いつまでも持ち続けたい。
0投稿日: 2010.10.11
powered by ブクログ目次 第1章 近代的合理精神の限界 第2章 「論理」だけでは世界が破綻する 第3章 自由、平等、民主主義を疑う 第4章 「情緒」と「形」の国、日本 第5章 「武士道精神」の復活を 第6章 なぜ「情緒と形」が大事なのか 第7章 国家の品格 「いかんものはいかんのです」 国民の文化、常識、共通心理などを呼びかける作品
0投稿日: 2010.09.17
