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国家の品格
国家の品格
藤原正彦/新潮社
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総合評価

689件)
3.7
158
229
176
56
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    確かに一理あると感じさせる事が多く共感できる部分がありますね。「ならぬものはならぬ」こう言った考え方や教え方、私はいいと思います。好きとか嫌いじゃないところで守るべきものなのではないでしょうかね。それに絵を見たり本を読んだり文化的な体験や自然の雄大さや美しさ、風情を感じることの素晴らしさは言うまでもありません。それに物を大切にしたり、勿体無いと思う気持ちもとても大事だと感じます。私も今の若い人たちにはもっと本や映画を見て欲しいと思います。 文章も非常に読み易かったです。言ってる事がいまの世の中の総体的な流れと逆で面白かったです。ちょっとした目からウロコ…体験だったかも…今年の1冊目としては良い出会いでありました。お勧めします。

    0
    投稿日: 2015.01.03
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    (2006/4/9) 母に前から 「これ,よんだら~?お母さん読んだけどすごいよかったわー」 みたいな,それに類した事を言われていたモノノ,出産・引っ越し・出張等で,ばたついて,読んでなかった. アマゾンで書評を調べていたらカナリ賛否両論あるみたいで,☆の数も3.5と,ベストセラーの中では,まあまあ,分かれているご様子. で,今日,ランチを食う時に時間ができたんで,読んでみたのです. で,行き着いた先は寧ろ 「国家の品格」いまいち・・ まあ,いろいろ意見はあるわけですが,基本的には 議論が薄いように感じる・・・. 全体から漂ってくるのは 「退官した数物系教授が専門分野をはみ出したところで,一般教養レベルを本に書いてる文章」 これは,いろんな読者の共感と反感を買うのは仕方ない・・・. 著者自身が始めに述べているように. 「女房に言わせると,私の話の半分は誤りと勘違い,残りの半分は誇張と大風呂敷.」 「品格無き筆者による,品格ある国家論」 である事を読者は念頭におくべきでしょう. でも,この本が,どっか日本人にくすぶる危機感をくすぐってくれるのは確か. だから売れるんでしょう! もちろん売れることには理由がある! そして売れる事は大切なこと! ただ,その危機感を解消へ導いてくれる本では無いってこと. 読む人は 「この本は専門書ではない.」 と,言うことを理解しておく必要があるでしょう. まあ,わかって読まれている方が多いとは思いますが. くれぐれもエッセイとして読みましょう~. 格差社会と言われる昨今で,それを筆者も嘆いています. 僕は過去に比べると,現在そんなに世の中悪くはなってないと思う.少なくとも,僕ら2,30代は,そんな悲観論より具体性のあるアクションで赤ん坊の為の未来を切り開く,責任があるのだと思う. よりよい未来へのアクションにつながりうる日々を送らないといけませんね.そういう警鐘の書とうけとることとします. ちなみに,この本を読んでおもしろいと思った方,歴史観を深めたい方には, ジャレ・ド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」 が,お勧めです.

    0
    投稿日: 2014.12.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本書は「論理」と「合理性」だけでは社会問題の解決に繋がらないことを指摘し、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義より武士道精神を重んじてきた品格ある国家・日本に立ち戻り、世界と一線を画すべきだという主張が書かれている。 第1~2章では、①論理の限界(pp.35-44)、②人間にとって最も重要なことの多くが論理的に説明できない(pp.44-50)、③論理には出発点が必要でそれを選ぶのは情緒や形である(pp.50-55)、④長い論理ほど信憑性がなく、短い論理ほど深みに欠ける(pp.55-64)を理由に挙げ、「論理だけでは人間社会の問題解決は図れない」ことを指摘している。 第3章では、「③論理には出発点が必要」ということに着目し、欧米人の論理の出発点である「自由・平等・民主主義」の概念に対して疑問を投げかけている。 私たちの耳慣れた「自由・平等」はそもそもカルヴァンの予定説の潮流に乗ったジョン・ロックの主張が反映されたものであることを論拠に、論理の出発点は神なしでは主張を担保できない、いい加減なものだと主張している(pp.65-74,88-90)。またカルヴァン主義が資本主義を進め(pp.69-72)、自由・平等を前提とした「民主主義」も致命的な欠陥を抱えていると主張している(pp.74-92)。 第4~6章では、論理の出発点を正しく選ぶために必要な日本人が古来から持つ「情緒」、あるいは伝統に由来する「形」を重んじることが重要であり(pp.95-115,130-157)、情緒を育む精神の形として「武士道精神」を復活させるべきだと述べている(pp.116-129)。そして最終章で他国の文化・思想と日本のそれとを比較しながら、改めて先の議論を強調し(pp.158-190)、武士道精神を重んじてきた品格ある国家・日本に立ち戻り、世界と一線を画すべきだと主張している(pp.191-192)。 このように詳細に書いたのは、本書の問題点を浮き彫りにするためである。第1~2章に書かれている「論理だけで人間社会の問題解決が図れない」ことは当然である。しかし第3章で主張する「自由・平等・民主主義」が神でしか語れないことの何が問題なのか疑問に感じる。たとえ法の下での制限があったとしても、それは無法地帯のままよりはよいはずである。また武士道精神も、天皇や仏(神)を敬う心が根底にある。そういった点でほかの宗教と変わらないはずである。にもかかわらず、他国の思想を貶めるような批判をし、自国が優れているというような主張に甚だ腹が立つばかりである。 また著者が理数学者であるという点にも注意が必要だ。学者が自分の研究領域外のことを語るのはもちろん構わない。しかし自分の研究分野外のため、中途半端な主張しかできないし、発言に対する責任も持てない。裏付けが示せない。そういったことでいいわけがない。また論理を否定したら、著者のこの本そのものが論理なわけだから、そういったものもすべて否定されることになるのではないだろうか。 もちろん、こういった問題はそれぞれの思想の問題である。だが、だからこそ注意深く読む必要があると感じる。学者だからと言っていつも正しいことを言っているとは限らない。他の専門家の主張と比較して、注意深く読む必要がある。

    1
    投稿日: 2014.11.30
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    腹落ちする考えであった。真の国際人になるためには小学校で英語を教えてはいけない。真の国際人に外国語は関係ない。日本人は日本人のように思い、考え、行動して初めて国際社会の場で価値を持つ。

    0
    投稿日: 2014.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どんな間違った事にも論理を通すことはできる。殺人をしていい理由なんていくらでも挙げられる。論理が通っていればそれは正しいとは言えない。経済理論が筆頭である。また平等や自由というものは全て嘘っぱちだ。 論理だけでは埋める事のできない部分を補うのが「武士道精神」である。本当に必要なものは押しつけるべきだ。 かなり参考になる部分もあった。けど日本すごいんだよだって日本に来たこんな人やこんな人も日本すごいって言ってるもん、の部分はおいおい…と思った。極論というか誇張し過ぎてる。

    0
    投稿日: 2014.08.13
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    2014.07 夢のような理想の世界の蘇らせ方。私も著者のような心を持っておきたい。でも実行できるだろうか。家族でさえ、納得させきれないような気がする…でも、正直者は救われる、精神を信じていたい。

    0
    投稿日: 2014.07.21
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    メーター”0”か,メーター”振り切れ”かしかない思考.足して混ぜれば普通の話.中庸を知らない人に品格という言葉を使われてもなぁ. 職場で推薦されて読んだ.本を推薦するときは注意せねば.

    0
    投稿日: 2014.06.15
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    08-May/2014 読了 日本人であることとは何か、自分のアイデンティティや人間性などを改めて、考えさせられた。 この海外にいるタイミングで読めて、良かったと思える一冊。 定期的に読み直したい。

    0
    投稿日: 2014.05.30
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    これは面白い新書だった。売れただけはあると思います。“民主主義対民主主義の世界大戦”とか、“宣戦布告とハーグ条約”のくだりとか、「ナショナリズムとパトリオティズム」とか、そのあたりは特に興味深く読みました。極論もあるとは思うけど、概ね納得の内容。

    0
    投稿日: 2014.04.27
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    他の人の感想にもある通り、極端な主張とも汲みとれる文章が目に付いた。しかし自国の文化・歴史を学びなおしてみようという動機づけになり得る本。読んでみるだけの価値はあると思う。

    0
    投稿日: 2014.04.14
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    日本は昔から仏教など多種多様な文化を自国に馴染むように変容させ取り入れてきた。しかし昭和の頃から資本経済等の西洋発祥の思想が日本の文化に馴染む間もなくすり替わってしまった為に弊害が生じてしまった。それは今なお日本の伝統を侵食していて、このままでは「世界に冠たる日本」は無くなってしまう。武士道精神や美を思う心など、「クールジャパン」によって国力を上げることを掲げた書である。 自分なりの解釈を加えて記しているので、本の趣旨と違った読み方になってしまっているかもしれません。ご指摘いただければ幸いです。 最も印象に残った 桜の儚さを思う心 最も共感できた 命は何よりも重いは間違いで、他と変わらず軽く儚いからこそ、大事な人とのひと時ひと時を大切にする必要がある。

    0
    投稿日: 2014.04.05
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    「天才の栄光と挫折」の著者。日本の良さ、日本人であることを再確認し何かしらアクションに繋げることに期待して手に取りました。 ロジックには限界がある。ロジックはまず仮説からはじまるが、この仮説が間違っているとすべておかしくなる。ドラッカーでいうところの良い質問が大事という解釈をしました。 仮説という出発点をしっかりするには情緒・感性が重要で、自然に触れながら生活し自然にひざまずくことができる日本人は素質がある。 直感的に良い質問ができる様に、感性を磨いてみよう。日々自然に触れて美しさを感じることで。

    0
    投稿日: 2014.04.01
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    (2006年頃読んだ直後の感想です) 『国家の品格』(藤原正彦/新潮新書)について、「論理的におかしい文章が山ほどある」とか、「事実誤認や誇張のカタマリだ」とか、そういう野暮なことを指摘するのは、もういいやと思う。それより、この本が200万部も売れた理由のほうを考えてみたい。  この本のいいところはどういうところ? ネット書評で惜しみなく★★★★★をつけている気前の良い皆さんに聞いてみよう。まず、平易でわかりやすい。読んでて「そうそう、まさにその通りだ」と思える。日本人であることに誇りを持てるようになる。そして、読んで元気になれる。すばらしい効果だ。まさに五つ星にふさわしい! では、その効果の源泉はどこにあるのか?  この本が「わかりやすい」というのは、たとえば水戸黄門が「わかりやすい」のと似ている。あらかじめスジが決まっている時代劇のように、読者側がすでにそう思っていることを、さまざまな事例を出してスッキリ言い放ってくれるから「わかりやすい」のだ。  この本が「心地よい」のは、『キャンディキャンディ』と同じ理由による。少女マンガの王道は「そのままの君が好き!」だ。リクツなんてどうだっていい。論理には限界があるのさ。好きになるのに理由なんていらない! 著者はみんなのアタマをなでて「そのままでいいんです」と言ってくれたのだ。  この本を他人に勧めてまわる人がいっぱいいる。中には配ってまわる人もいるという。きっと「まさに自分の思ったとおり!」の本だから、みんなにわかってほしいんだね。占い師の決まり文句に、こういうのがある。「あなたは懸命に努力しているのに、周囲の人はわかってくれないんですよね?」 みんな「そう、そうなんです!」と大きくうなずくそうである。  水戸黄門と少女マンガと占いである。最強だ。これより強力なおもてなしなんて思いつかないほどだ。読者はこの本を読んで、爽快感と慰安と勇気をもらう。こんなにお得な本はナイではないの。  こう考えていくと、この本は確かに「リクツ」の本ではない。はっきり「セラピー」の本である。「あなたに心地いい言葉を言ってあげる」……スピリチュアルな江原某の本とか、美容の天才な齋藤某の本とかと、おなじなのだ。  そしてこの本は、まさにそのように作られたものだという。雑誌の記事などでは、まず最初に結論が決まっていて、それにぴったりくることを言ってくれる人を探すものだ。この本は「ちょっと愛国心とかはやってるから、読者にキモチイイこと言ってくれそうな人はいないかなぁ……」と編集部が調べるうちに、講演などで注文通りのことを言っている著者を発見し、その講演原稿を手直しする形であっという間に作り上げたそうである。(かなり情報ゆがめてますか、スミマセン、でもそんなふうに聞こえたのです、リクツじゃないのです)  そもそも講演というのは、カネを払って聞きに来た客を、たのしませてナンボである。言うなれば芸人といっしょ。めんどくさいことをしろとか、おまえらは頭が悪いとか言っていては、次のお座敷がかかるものか。客をもちあげておだてていーい気分にして帰すのが優れたスピーカーに決まっている。藤原先生は、ものすごく優秀な芸人さんなのである。  ちゅうわけで、『国家の品格』はすばらしい娯楽本である。さすが200万部も売れる本は、売れるだけの理由がある。ちょっと心配なことといったら、この本を正しく「娯楽」として消費するのではなく、「本気」にしちゃうイタイ人が、ごくごく少数出ちゃったらこまるなぁくらいのものである。  なぜなら、この本はひとつの取引を持ちかけているからだ。リクツ抜きに癒し、励まし、自信と誇りを持たせてあげる。だって、ただ日本に生まれただけで、あなたはすばらしい歴史と感性をその身に備えているのだから。その代わりに、リクツ抜きでこの国を愛しなさいと。  果たしてこの取引、お得だろうか。考えない代償というのは、だいたいにおいて高く付くような気が私はするのだが。まぁ、そんな後先考えない取引に応じてしまう人は、この本を「娯楽として」読んでいる人にはいないだろうと思うのだが…………。

    3
    投稿日: 2014.03.30
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    「武士道精神」の復活を力説。宗教教育の無い日本を救うのが武士道精神。著者は昨今のグローバリズムにやや批判的だが、武士道精神との併存であってほしい。”惻隠”(弱者・敗者・虐げられた者への思いやり)を胸に。

    0
    投稿日: 2014.02.16
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    国家の品格。日本という国がもつ品格とは何なのか。なぜ品格が失われてしまったのか。武士道とか、グローバル化の話なんかと絡めて書かれている。少し極端に書かれているところが多いが、科学信仰、論理信仰の世の中の話と愛国心、祖国愛の違いとかはめちゃ成る程なと思えた。

    0
    投稿日: 2014.01.31
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    発売当時のベストセラーを今頃読みました。何でも欧米が優れていているという思想に真っ向から否定し、日本の文化・道徳の素晴らしさを説いている。明治・大正・昭和と戦前、日本に来た外国人が日本をとても評価していたというのは知らなかったので、新鮮だった。西洋思想を否定しているところは、所々賛成できないところもあったが、日本って本当はすごい国なんだよ、もっと自信を持とう。という、著者の主張は納得できたし、日本人はもっと自分の国の歴史・言語・文化を知るべきだと共感できた。

    0
    投稿日: 2014.01.25
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    日本人の強さの源を感じました。現代人に欠けている意識を知らされたよう。正しい・正しくないがわからなくなった部分もありました。

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    投稿日: 2013.12.17
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    「論理的思考力を身につけたいと思って最近数学を勉強しはじめました」と会社でお世話になっている大先輩にお話ししたところ、薦められた本。 『論理とか合理を否定してはなりません。これはもちろん重要です。これまで申しましたのは、「それだけでは人間はやっていけない」ということです。何かを付加しなければならない。その付加すべきもの、論理の出発を正しく選ぶために必要なもの、それが日本人の持つ美しい情緒や形である。それが私の意見です。』P95より引用

    0
    投稿日: 2013.12.01
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    結構前に流行った評論。 一部 ダメなもんはダメ。理屈抜きにダメなもんはダメ。 と教える昔の教育ってのが、いいなぁ、それも一つの答えじゃろうなぁ。と思ったことだけなんとなく覚えてる。

    0
    投稿日: 2013.11.17
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    反日が韓国の栄養ドリンクならこの本は日本の栄養ドリンク 日本側の主観で話されているのかな?本当に海外ではない日本独自なのかな?という部分があるのだけど、それはそれでいいのかな。日本の情報は左よりの内容であふれているわけだ 教育の内容については共感 まず国語だね。でも古典読めてないなあ~たまに高校時代の小論文に出合ったりするとよくこんな小難しいの読んでたなあって思うのと同時に歴史もただ暗記しただけでなにも本質を理解してなかったなと感心したり反省したり・・でもってこどものころに読まなきゃ大人になっても読めないのですね。 日本人は小さいころから国語と歴史を勉強すべきです。決定! 「だめなものはだめ」これも賛成。最近は子育てでも理由を説明して。。っていう教育方法だけど、「いじいめちゃだめ」「たたいちゃだめ」とか理由は要らないと思う。 日本人として、情緒「もののあわれ」を大切に文化を大切に。 文化って何だろうってところから日々考えてみたい。

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    投稿日: 2013.11.08
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    アメリカに留学していた筆者ならではの内容。 論理より情緒が世界で評価されるには重要と説く。 英語教育についても手厳しい。話す言葉よりも話す内容が重要なのにそれを怠ってなぜ英語教育を小学生から始めなくてはならないのか。 日本が持っていた武士道精神がどれほど貴重なものであったか。 自然や美を楽しみ、規律を重んじる日本に戻ることが現在において大変重要である。 私のその通りだと思う。本書では少し極端に展開されているが、古き良き日本を取り戻したい。

    0
    投稿日: 2013.11.07
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    数年前に話題になった本。 企業経営者の人が多く推薦していたようなことを覚えている。その当時はタイトルからして国家のことを論じるのかと思い、難しそうな内容の本なのかという印象を受けたが、今回読んでみると著者が言いたいことは明確でわかりやすかった。今まで多くの人がちょっと気にして、けどあまりはっきり言えなかったようなことを著者が代弁しているような気がした。 第四章 「情緒」と「形」の国、日本 が特によかった。日本人の感性というのは、自分ではまったくそのような実感はなかったが、世界中を見渡してもあまり見られないような稀有な感性をしているそうだ。 秋の虫の声を聞くことで心を落ち着かせることができるのは、日本人くらいなものらしい。多くの外国人は単に雑音だと感じてしまうそうだ。 庭草に村雨ふりてこほろぎの鳴く声聞けば秋づきにけり ―本書より引用

    0
    投稿日: 2013.10.26
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    欧米の文化文明に比べて日本のそれがいかに高度だったか、「論理」の限界、伝統的なものや田園、寺院などの「美」的感覚と学問、工業的発達のリンクについて書かれた本。 「真のエリート」についての部分が特に納得できた。 国民は永遠に成長しないので、一見むだな教養を身につけた総合判断力のあるエリートが、時には身を投げ打つ覚悟で政治をするというのは、正しい考え方だと思う。 これは大企業にも同じことが言えるはずだ。 日本の卑怯、惻隠等、武士道精神が素晴らしく、欧米は駄目だという論調は正直「?」だった。部落差別や皆殺しという習慣があったことを考えると、偏っている。 それでも、外国から来た文化人が日本の文化を褒めそやしていたことを紹介している点は、やっぱり誇りに思える部分もあり、良かった。 出版後8年経っているが、オバマケアと政府機能の閉鎖に苦しむアメリカを見ると、内容は色あせていないと感じた。

    1
    投稿日: 2013.10.15
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    藤原正彦のベストセラー新書。 ところどころでの奥さんバッシングが面白かった。 茂木さんもそうだけど「偏差値偏重主義はいかん!」て東大出た人がいってもあまり説得力無いような気がするんですが・・ ところがこの出発点Aを考えてみると、AからBに向かって論理という矢印が出ていますが、Aに向かってくる矢印は一つもありません。出発点だから当たり前です。すなわち、このAは、論理的帰結ではなく常に仮説なのです。そして、この仮説を選ぶのは論理ではなく、主にそれを選ぶ人の情緒なのです。宗教的情緒を含めた広い意味の情緒です。 - 50ページ

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    投稿日: 2013.10.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    気になった内容や言葉をピックアップ。 ・小学生に英語、株式教育をするな! ・英語より国語 ・会社は株主のものではなく、従業員のもの ・問答無用。駄目だから駄目! ・本当に重要な事は親や先生が幼いうちから、頭ごなしにおしつけろ。 ・最悪なのは「情緒力のなくて論理的な人」 ・「卑怯を憎む心」を育てよ。 ・アメリカの自由は『身勝手の助長』 ・国民が戦争を望む ・権力の強さは マスコミ > 国家 ・国民は永遠に成熟しない ・国家には「いざ」となれば、命を捨てれる真のエリートが必要 ・アメリカの経営者の平均年収13億円、一般労働者300万円 ・自由と平等は両立しない ・日本の美的感受性は世界一 ・日本以外では虫の音は「ノイズ」 ・「愛国心」ではなく「祖国愛」を ・武士道精神の復活を ・「たかが経済」を絶対に忘れてはいけません ・真の国際人に外国語は関係ない ・日本は「異常な国」であれ ・世界を救うのは日本人 ・私はガーナ人でガーナを愛さない奴がいたらぶっ飛ばします ・もし全員が英語を話す世界になったら 地球なんかぶっ壊れてしまえばいい

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    投稿日: 2013.10.04
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    極端だなぁと思う部分も多々ありましたが、国語に関する部分は共感でき、とても興味深く感じました。 一度読んでみて、自分なりの感想を持つべき一冊だと思います。

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    投稿日: 2013.10.03
  • 国家の品格

    大東亜戦争の悲劇的な結果について少年のように悔しがる著者の様子にとても共感。藤原正彦さんの軽快でコミカルな文章はとても面白く読みやすい。様々なものを蓄積し昇華した日本にしかできない国際社会における重要な役割について気付かされるとても良い本です。

    0
    投稿日: 2013.09.26
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    本当に今更ながら読んでみたけど、藤原というおっさん、まぁちょっと変なところもあるけど意外とスっと入ってくる、根本的なことを言ってて、もっと日本人自信持てよ、って意図がうまく伝わってくる。

    0
    投稿日: 2013.09.10
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    不覚にも泣いてしまった。著者は数学者で論理についての持論、日本人の特質、文化、美意識から私たちにメッセージをおくっている。天才の生まれる風土について、国語言語が国家であり独自の文化であること、国際人に必要なのは国語力をつけることで中途半端な英語力ではないこと。あとは論理的で合理性をすすめるアメリカ民主主義の閉塞感を打開することができるのは日本の武士道精神や情緒であるというのも面白い。論理的であることが正しいと言えない理由を、論理展開の出発点の確からしさに論理展開時の確立との積で考える発想は流石に数学者らしく美しい。現在の鬱屈した閉塞感を打ち破るエネルギーのある書で、自国の文化をよく知らず日本語の勉強をおろそかにしている私達には必読の書といって良い

    4
    投稿日: 2013.09.08
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    著者の文章や挙げる例はちょっと偏った感じがしました。しかし、その主張には概ね賛成できます。日本の道徳教育はどこに行ってしまったのでしょうか。本当に大切なものは論理などではありません。ならぬものはならぬ、私も好きな言葉です。また、小学校で英語を教える必要ない、国語をきちんと教えるべきという著者の主張も同感です。私たち日本人に特有の情緒を大切にすべきです

    0
    投稿日: 2013.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    数学者が書いた今年のベストセラー。賛同できる部分と?という部分があります。国語教育の大切さは全く賛成。小学校から英語、パソコンを教える愚は同感です。英語は手段であり、要は語るべき何か、日本文化、思想などをじっくり育てていくべきだからです。一方、国益で北朝鮮の核武装を容認するような言葉は軽率だと思いました。あまり「品格」を感じさせる主張ではないです。プロテスタンティズムの件もそうでした。M・ウェーバーの業績とは程遠い分析です。やはり日本の右傾化、ナショナリズムの高揚の中で読まれ、持て囃されてきたのだと分かります。日本は優れた文化を持っており、自信を持って美しい国を目指すべきだという主張に繋がるものだからです。頷くことができたのは、日本の俳句の情緒を外国人は理解できないだろうというところ。「枯れ枝に 烏の止まりたるや 秋の暮れ」という芭蕉の句を森本哲郎氏がドイツ人に訳してあげたところ、「それで?」という反応だったとか。確かにこれでは何にもストーリーが始まっていない!という印象なのでしょう。

    0
    投稿日: 2013.08.21
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    論理だけに偏った思想の危うさ 論理の出発点である情緒の重要性をとてもわかりやすく書かれてあり、読みやすくおもしろかった 日本という国の根っこにある武士道精神が市場原理や金銭至上主義によってずたずたにされている現状に対する問題意識を喚起させられた 物質的な物よりも概念的なことに価値を置きその基準から出発して物事を考えること それが美しい日本を取り戻し、また世界を変える一歩になるのでは

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    投稿日: 2013.08.17
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    右傾化を伴わない古き良き日本人像の復活を提案。骨のある論旨に好感が持てる。 「英語よりも中身。とどのつまり、とにかく国語。」 「重要なことは非論理的に押し付けよ。“人を殺してはいけない”に、ロジックは必要か?」 という痛快かつ刺激的な問題提起には興味がそそられる。 会津什の掟を惚れ直した原因にもなった本書。オススメです。

    0
    投稿日: 2013.07.24
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    「論理」だけでは世界は破綻する。 民主主義は本当にいいものなのか? 天才が生まれる土壌には、 美があることと、 ひざまずく心があることと、 精神性を大切にすること。 日本人は情緒を重んじる。 「もののあはれ」の感覚というのは日本人に独特なもの。 小学生から英語など学ばせる必要はなく、しっかりと国語を学んで日本に「根」を張った教育が必要であるということ。 「日本」という国のこと、そして日本は世界でどうあるべきかと学ばされました。

    0
    投稿日: 2013.07.11
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    欧州式“論理的”な物事の進め方を批判、日本が持つ“情緒性”こそが大事だと主張する本。 確かに論理の出発点はその個人によるものだから、その個人の発想、思考力、着眼点がしっかりしていないと変な方向に物事が走る、という指摘はなるほどと思った。 論理はあくまで手段。まずはしっかりとしたリベラルアーツを養って正しい進路を見出し、論理を駆使して行動して行くことが大事やなと。勉強なりました。

    0
    投稿日: 2013.06.06
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    筆者いわく、日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことであると説く。その主張に諸手を上げて賛成はできませんが、一理あると思います。 僕は寡聞にしてわかりませんが、この本には随分と毀誉褒貶、もしくは賛否両論があるそうですね。それはさておいて、数学者でエッセイストの藤原正彦氏がとく『国家の品格』これは講演の記録を加筆訂正したものだということを実際に音で初めて知ることができました。ここで説くのはグローバル化によってアメリカンスタンダードになっていく世界、日本に対し、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである。と説くという趣旨のもとでお話が続いていきます。 筆者のおっしゃることは概ね納得できるのですが、ナショナリズムとパトリオティズムについて説くところについて、自分たちの故郷を愛せないものは信用出来ない、という箇所を読んで、自分にそういう感情がないだけに、自分という存在が改めて『故郷喪失者』であるということを思い知らされました。それはさておき、昨今では小学生から英語を学ぼうということをおっしゃっているみたいですが、筆者は断固反対で、情緒を要請するのはやっぱり国語であると。そう説いております。 例えば、楽天やユニクロを営むファーストリテイリングは海外市場を狙うということで社内公用語を英語にするというのは個人出来には別にいいと思っております。ただし、それは会社の中でやればいいということで、三木谷さんなんかは低学年から英語学習を積極推進しておりますが、ここだけは賛同できませんでした。 話は脱線しましたが、自分が『コレは』と思ったのは筆者がイギリスに行っていた時に現地の教授から『夏目漱石の『こころ』の先生の自殺と三島由紀夫の自殺は関連性があるのか?』と聞かれた箇所で、この問いに対し、自分だったらどう答えるだろうかとそんなことを考えておりました。皆さんだったらどう答えますか?

    0
    投稿日: 2013.05.25
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    2006年度ベストセラー作品のこの本は、日本人全員に読んでもらいたい内容でいっぱいだ。タイトル通り、日本人の品格を大切に思う著者の気持ちが伝わる。日本の文化、情緒は外国では生まれない。日本にしかない伝統や武士道精神をなくさないよう著者は読者に投げかけている。あらためて、日本の良さを知る意味で、繰り返し読みたい一冊でした。数学者である著者が、論理だけでは説明できないことがあると語られていたことが素晴らしいと思った。説得力がある。「駄目だから駄目、以上終りです」と納得しました。外国の良い場所、何が起きているかはニュースやTV番組で知ることが出来る。外国人の人情はあまり知らなかったが、そのこともわかり、世界を少し知った。

    1
    投稿日: 2013.05.14
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    論理の出発点は、その人の情緒や形にのって形成される。この言葉が一番心に残った。 国際人であることは日本人としてそこに存在することが必要であり、そこに従属する必要がない事。 あくまで英語は、手段であること。 国際人として日本人の代表になるのならば、英語力より、日本語力。

    0
    投稿日: 2013.04.23
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    かなりはっきりとものもうされていました。 すごくわかりやすかったように思います。 日本という国を改めて考えました。 教育という観点からも大切な本だと思いました。

    0
    投稿日: 2013.04.09
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    筆者が現在の日本が如何に危機的状況にあるかを憂い、その打開策として古くは武士道にあるような「情緒と形」といったような道徳を身につけて国家としての品格を高める必要性を述べた。 品格を高める上では、自ら母国の文化や伝統、歴史、言語といったものをきちんと理解しておくことの重要性にも触れられている。このことは、真の国際人となるためにも必要である、とも。 歴史学(及び人文学系学問)をやることの意義について考える上で、一つの道筋が示されていよう。 国際化の名の下に幼少期より英語教育を行うなど米追従の姿勢に反感を覚える私としては、 より多くの人々に読んで頂きたい一冊として紹介したい。

    5
    投稿日: 2013.03.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    例え論理的には正しくてもその思考の出発点がズレていればとんでもない方向に進んでしまう。重要なのはいかに適切な出発点を選択出来るか、その能力はその人の「総合判断力」(情緒力)にかかっている。日本古来の「武士道精神」はこの情緒力を育んできたと解説。

    1
    投稿日: 2013.03.23
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    論理だけの世の中がいかに危険な状況を生み出すかについて述べています。文化や情などの重要性とそれが織りなす世の中を書いています。 論理だけではどうしても納得のいかない環境問題や資本主義の作る問題へ取り組むにあたってとても参考になりました。

    1
    投稿日: 2013.03.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    数学者の藤原正彦のベストセラー。今更ながらですが、この本結構売れたんですよね。そんなに売れるような内容ではないと思うんですが。。「若き数学者のアメリカ」とかよかったんですがね。「祖国とは国語」あたりの論調をもう少し先鋭化させたという事か。

    0
    投稿日: 2013.03.03
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    遅ればせながら現在読了。 論理(特に近代市場原理)の危険性を説き、情緒や形(武士道精神などのダメなものはダメという考え方)を育むべきというのが筆者の主張。 保守保守しい本だけど、一読の価値あり。日本のことを知らないと海外では通用しないというのは同意。西洋史なんか勉強するより日本史を勉強せねば… ただ、家族愛→郷土愛→祖国愛→人類愛という流れはマッツィーニも『人間の義務について』で述べていること。

    0
    投稿日: 2013.02.16
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    大学生の内に日本の古典に親しんでおこうという気になった。 もっと、日本人の先人に学ぶべき思想はたくさんあるだろう。 そして、そのためにはその思想を受け入れることのできる感性を研ぎ澄ましておかねばなるまい。

    0
    投稿日: 2013.02.16
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    数学者はどう考えるのかを知りたかった。 「数学者」でありながら、感受性が豊かな人だという認識があった。 今回の題名が、「国家の品格」という題名で、ちょっと驚いた。 あまりにも、飛躍している題名だ。 なんで、数学者がとおもった。 「はじめに」で、 「論理的に正しいということはさほどのことではない。」 といっているのは、非常におどろいた。 数学者は、ある意味では、「論理」を重んじる人種であると思っていたからだ。 藤原氏の奥さんは、あなたの「話の半分は誤りと勘違い、残りの半分は誇張と大風呂敷」といったとか。 ふーむ。 私と同じようなシチュエーションであるが、藤原氏は、マジメだ。 状況認識として、 先進国はすべて荒廃している。治安の悪化。家庭崩壊。教育崩壊。 ・・・一体その荒廃はどこから来ているのか? というのが出発点にある。 その原因は、「西欧的な論理と近代的合理精神の破綻」であるという。 つまり、 「論理を徹底すれば問題が解決できる」という考えはあやまりである。ということを、論理的に説明しようとしている・・? (1)論理そのものに限界がある。 (2)最も重要なことは論理で説明できない。   論理は、世界をカバーしない。 (3)論理には出発点が必要・・・出発点を選ぶのは情緒や形 (4)論理は長くなりえない 具体的な例を挙げれば、 日本でのこと・・・中学生が質問した 「なぜ、人を殺していけないのですか?」 これを論理的にこたえるというより、 「ダメなものは、ダメ」ということが必要と説く。 なぜ人を殺していけないか? いまの教育の中で、「論理的回答」をしようとすればするほど、 こたえることができない。 では・・・・どうすればよいと言っているのか。 「西欧的な論理と近代的合理精神の破綻」にたいして、 「情緒」・・・なつかしさともののあわれ 「形」・・・武士道精神から来る行動基準 日本人を特徴づける「情緒」と「形」が重んじられるべきである・・・という。 日本人が持つ自然に対する感受性。 (このことは、日本の気候・風土が、かなり関係していると思う。  瑞穂の国と言われるが、やはり、水と緑に覆われ、四季の影響は大きい ・・藤原氏は、それは、日本だけでなく世界に共通する普遍性があると説く。 「情緒」と「形」は、 普遍的価値を持ち、文化と学問を創造する上で重要であり、 真の国際人を育て、人間のスケールを大きくし、 人間中心主義ではなく、戦争をなくす手段にもなるという。 日本人(松尾芭蕉)の発明した俳諧。 その基準は季節をあらわすことが含まれている。 外国の詩は、韻を踏むことで構成されている。 この違いは、言葉に奥行きを持たせる。 藤原氏の本では、 アメリカ大陸で、夕陽に涙するのは、日本人である私である というのを読んだことがある。 その意味で、日本人的な情緒、もののあわれ。 は、きわめて自然な感情だった。 「国家の品格」を読みながら、私が注目したのは、 「卑怯を憎む心」ということであった。 「法律違反だから万引きをしない」ということではなく、 「親を泣かせる」「先祖の顔に泥を塗る」、「お天道様が見ている」 ということから、自制していた日本人の心を大切にする。 今回のムラカミさんのやり口は、 この「卑怯」というのに・・あたるのだろう。 自らの経歴から、巨額のお金を集め、そして、儲ける・・・ 「儲けてなぜ悪い」・・・・という言葉の意味は大きい。 儲けることは、確かに悪くない・・・ しかし、「儲け方」が問題なのだ。 一緒に、日本放送を買い占めよう・・・といいながら、 お金を持っているものは、オカネが集まるというが、 (貧乏人のひがみでいっている・・・ぶんもあるが 「買うということを聞いちゃったもんね。」と・・・いう卑怯さ。 買おうといったのに、買おうと聞いたにすり替えている 高値になったら、売り抜けた・・・という卑怯さ。 これは、ホリヱモンを途中で裏切ることになる。 法律で裁かれる・・・より、 ホシノさんがいった・・・「天罰が下る」・・・ という表現が、やはり日本人として一番適切なのだと思った。 (ムラカミさんは、反論したが・・・ やはり、「お天道様が見ているのだ。」 藤原氏の作品は、西欧に滞在したり、行くことが多いので、 西欧主義についての造詣は深いが、 やはり、もっと、中国との関係で、物事を見てくれると、 日本というもののよさが、わかるようになるのかもしれない。

    0
    投稿日: 2013.02.11
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    良著でした。 なんでもかんでも「論理的」であることが良いことではない。 日本人本来の価値観は理屈では説明できないもの。アメリカナイズの風潮の中で、それを失ってはいけない。 会津藩の教え「什の掟」は「ならぬことはならぬものです」という文句で結ばれている。 そこに論理なんてものはなく、問答無用、いけないことはいけないと言っている。 現実の世界は数学の世界と違い、すべてを論理で説明することはできない。 論理・合理性だけでは世界は破綻する。 ダメなことはダメだと価値観を押し付けることも必要なのだ。 (p47)

    0
    投稿日: 2013.02.10
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    読み始めは入り込めず、相容れない部分もあったけど大事なことも多々あり。 『ならぬものはならぬのです』は今年の大河ドラマにもあったな。

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    投稿日: 2013.02.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

     最近、日本がおかしいと感じるようになった。考えられないような特異な事件、いじめや体罰といった教育問題、金銭至上主義、自己中心的な犯罪など、安心できる世の中であることには間違いない。戦後、アメリカ主導で進められてきた、資本主義、自由主義的社会はもはや限界を迎えているのではと感じざるをえない。言い換えると、資本主義が日本の美徳を奪ってしまったのかもしれない。  著者は、数学者の藤原正彦氏である。本著の中で、欧米の論理というものが必ずしも正しいからといって、それを徹底すると人間社会は破綻すると説いている。なぜなら、論理には仮説から始まる出発点があり、その仮説は論理ではなく、選ぶ人の情緒によるものだからだ。アメリカがイラク戦争を起こしたのも、誰もが戦争はいけないと分かっていながら、「大量破壊兵器がある」という仮説を論破したからである。だから道理的に間違ったことでも、論理的には正しいということになる。  そうした懸念から、著者は、日本人古来が持つ「情緒」と「形」を重視すべきだと主張している。自然を大切にし、自然とともに生き、自然美を形として重んずる日本人の美的感覚、慈愛や誠実、正義や恥の意識などの古来の武士道精神が土着している日本人の道徳観、これらは日本人が世界に誇れるものである。しかし、戦後から現代に至るまでの経済成長の中で、自由や権利といった欧米の考え方が正しいとされてきた。その結果、貧富の差が拡大し、勝ち組や負け組といった価値観が生まれ、自殺者や生活保護受給者を増やしてしまうことにつながった。権利ばかりを主張し、クレームや言った者勝ちになってしまう風土。流行や新しい物ばかりを追い求め、培ってきた文化や古典を大事にしない風潮。このままでは、日本の良さを日本人が捨て去ることになる。日本人が真の国際人として、世界から認められるよう、もう一度我が国の在り方を見つめ直し、自分たちの歴史や文化に誇りを持つことが求められている。

    0
    投稿日: 2013.02.06
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    アクティブブレインの読書法セミナーの教材となった本。セミナー中に本書の要点を抽出し、アウトプットのための書籍紹介(5分間)をした。同時にフォトリーディング&高速リーディングを個人的にした。 著者の論点は、日本は今、アメリカ主導の「論理」の世界にいるが、かつてあった「情緒と形」の世界、とりわけ武士道の世界に戻り、国家の品格を立て直すべき、というもの。この日本独自の国家の品格は、「論理」によって崩壊しつつある世界を救えると著者は主張するが、同時にこの日本の国家の品格も死につつあると警告している。 著者は論理の世界が何故破綻するかと説明し、同時になぜ情緒と形が大切なのかも説明。その中で新渡戸稲造の解釈した武士道を引用し、新渡戸が日本の武士道も滅びつつあるかもしれないがそれは世界を救うものである、といったことを受けて日本の武士道が世界を救うと締めくくっている。 個人的には日本人キリスト者として私が、日本の文化を主イエスのために贖わなければと思っていたこととつながると感じた。新渡戸は桜の散る様が武士道を説明しているとしたが、日本の文化が贖われれば世界を救う散る桜となるのかもしれない。実に興味深い発想だ。著者の藤原氏はキリスト者ではないので、ひょっとしたら著者よりも私のほうが新渡戸の武士道を理解できたのかも知れないと、かなり本気で思っている。星四つ。

    0
    投稿日: 2013.01.27
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    いきなりではありますが、数学者である藤原正彦氏の「国家の品格」です。 2日、2往復の新快速電車で読めました。 お薦め度は★★★★☆ぐらいでしょうか? 氏の「数学者の言葉では」と「若き数学者のアメリカ」を以前に読んだことがあり、結構気に入っています。 今回のテーマは国家の品格ということで、現在の日本に他国と比較してどの程度品格があるのかはともかく、あるものなら大切にしたいものである。 自分の子供(現在小学生)には、国語をちゃんと勉強させて、読書好きにしないといけないということは強く感じました。 <追記> 私がファンである有機ELで有名な某城戸教授がホームページで 本書を絶賛されていることに気が付きました。 下記です。 http://ckido8.yz.yamagata-u.ac.jp/pc/kidomyselfs/kidmyself060601.htm 「城戸の独り言」ほかのところも面白いので、ぜひ読んであげてね。

    1
    投稿日: 2013.01.18
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    作者は数学者。日本人も数学に強かったのは美的情緒に秀でていたから。今はアメリカかぶれで国力が落ちている。日本人の心を大切にしなければならない。

    0
    投稿日: 2013.01.18
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    なかなか過激な表現もあるけど、教育において、英語英語という前にまずはきっちり日本語を勉強すべきだという提言にはすごく共感をもてる。武士道!新渡戸稲造の武士道読んでみようと思う。

    0
    投稿日: 2013.01.13
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    理論のもとになるスタートが誤っていると破滅をたどる。 根本となる「情緒」の大事さについて。 ベストセラーになった意味が理解できた。

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    投稿日: 2013.01.08
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    論理を否定してるのに、言語を使ってるのがよくわからないなーというのが第一印象。 とにかく欧米は悪、日本(戦前)は善である。という主張が繰り返されているようで、果たしてそこに著者のいう「国家の品格」があるのかといえば非常に怪しい。

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    投稿日: 2012.12.29
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    売れただけある、説得力ある一冊。興味なくても教養として読んでおくべきなのかもしれないと思って読んだが、なかなか楽しめた。日本人らしくあろうと思える名著。

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    投稿日: 2012.12.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    佐藤優の本の中で紹介されていたので読んでみた。ワンクリックで買えるKindle便利。 先ず、最初に著者が断っている通り、思ったことを書いているだけだから、その内容の是非を言うのは野暮なんだろう。だけど… 英語に関する考え方の一部など、内容的には共感できる部分もある。だけど… 品格云々を云うならば、何かにつけ嫁のことを書くのはどうなんだろう? イギリスの食事が未だ美味しくないということを云うのはどうなんだろう? 名前こそ出していないが、ホリエモン批判がマスコミからのニュースのみに基づいているように見えるのはどうなんだろう? こういった、少なくともこの著書の中で相手が反論できないような事を書くのは品格あること、武士道を鑑みて、おかしくないことなのだろうか? 日本人の美徳として、相手に非や至らぬ部分があっても、それを思いやる心というものがあるのではないだろうか? 因みに、マスコミでの報道云々で言えば食料自給率に関してもそう。国によって算出方法が違うものを出して日本の農業を残すべきと訴えるのは妙だ。日本のようにカロリーベースで計算してたら野菜をどれだけ作っても自給率は大して上がらない。 それに、金銭第一という経済主義的な考え方を批判するならGDP2位になったことを誇るかのような文もおかしいと思うし。 気になったことは色々あるが、恐らく、著者はわかって書いているのだと思う。それにしても、「品格」ある内容とは思えないんだなぁ。内容が愚痴に近くて。 気持ち的には星1つでもいいと思ったけど、前述の通り、そういう内容だと最初に著者が述べているので、星2つ。ただ、ここに書いた通り、タイトルに対して内容はそう思えないものだった。 著者と同世代の方達なら両手を上げて共感できるのだろうか?

    0
    投稿日: 2012.12.13
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    真の国際人を目指すためには英語より国語。読書をして教養をつける。それは確かに重要なこと。でもそうやって力をつけた若者が世界に出たところで、他国のエリートと肩を並べられるだけの英語力がなければ。。それ(=教養、今まで学んできたこと)を発揮する場にさえ立てないのでは?やはり何事も大事なのはバランス。どっちも中途半端になってしまってはいけないけど、どっちかに偏りすぎてもいけない。世界は、社会は、確実に変わってきているのだから。 ただ、日本人特有の感情の豊かさ、自然を大切にする心などは日本人が生まれ持った誇るべきものだという点を改めて感じさせてくれた本でもある。俳句のエピソードしかり。そういった感性は変わらずに後世へ受け継がれていってほしい。

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    投稿日: 2012.12.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    卑怯五家訓 ・大きな者が小さな者を殴ること。 ・大勢で一人を殴ること。 ・男が女を殴ること。 ・武器を用いること。 ・相手が謝ったり泣いてもなお殴ること。 ダメなものはダメ、そこに理由はいらない。 論理が成り立っていれば主張は通る。しかしその出発点を決めるのは道徳観。 頭を堅くしてはいけないという人間臭い感じが好きだったなぁ。かなり影響受けた一冊です

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    投稿日: 2012.12.03
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    言わずと知れた大ベストセラー。欧米式の「論理」や「合理」だけでなく、日本が古来から大事にしてきた「情緒」と「形式(美)」の良さを見直そうという趣旨の本。キーワードレベルではよく分かるんだけど、それによって日本がどのように変わっていくのか、イメージがいまいち伝わってこない感じ。数多くの伝統のうち、何を守って何を変えるのか選別することは、非常に難しいと思う。

    0
    投稿日: 2012.11.25
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    ご先祖様が積み上げてきた物を大切にして、後世に繋いでいく事は大事だと思う。普段意識できないことを再確認したのと同時に、日本っていいな~、日本人で良かったとも思えた。

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    投稿日: 2012.11.23
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    論理的な思考を論理的に否定しているのに矛盾を感じる けどご先祖様が積み上げてきた物を大切にして、後世に繋いでいく事は大事だと思う。普段意識できないことを再確認できた

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    投稿日: 2012.11.07
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    最近のベストセラーは、題名がいい。 題名(時流にあっている)に星をつけたくなります。(題名分も入れて4つです。) ベストセラーゆえに、賛否も分かれます。 実は、いい本が多いので、この一家の本(新田次郎、藤原てい、藤原正彦)は好きなんですよ。 それはさておき、この本は。 切れ味抜群で、勢いあまって。。。なんてところの多い本です。 が、きちんと理解しなくてはならないメッセージも含まれている本でもあります。 かなり書き直したとのことですが、講演が元になっているので、いきおいあまっちゃった部分は 仕方がないのかもしれませんね。もう少し、「訥々と」という雰囲気があれば、もっと☆も多くなったはずです。 自分たち(日本人)の立ち位置を見据え、アメリカ追従的な社会に疑問を持ちなさいというメッセージは重要だとは思います。 でも、そのよりどころとして、武士道精神、美的情緒を持ち出していますが、それで、国家を運営するというのはどうでしょうか?個人と国家は、別物のような気がいたします。 祖国愛、武士道精神、美的情緒が国際人を生む、ということはあってもよいです。 日本人らしさを出すことは、いいことだと思います。 いずれにしましても、熱い書です。 ご一読を。

    0
    投稿日: 2012.11.05
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    内容全てが正しいとは思わないけれど、全体的に納得出来る考え方だと思った。 特に、「愛国心」と「祖国愛」。 「愛国心」という言葉には2種類の考えがあって、その一つが「ナショナリズム」。これは、他国のことはどうでもよくて、自国の国益のみを追求するという考え。 対する「祖国愛」は、自国の文化、伝統、情緒、自然などをこよなく愛すること。 「愛国心」と「祖国愛」の違いが分かってなかった。 領土問題とかあるけれども、「愛国心」ではなく、いつまでも「祖国愛」を持ち続けていたいものです!

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    投稿日: 2012.10.24
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    成毛氏と重なる主張あり。本としては読みやすい。著者の主張がすべて正しいかは疑義があるが、反論もできない。エリートの定義は賛成できる。気軽に読めばいい本で、所有し続けてもいい本だった。

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    投稿日: 2012.10.20
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    「自由競争にまかせていれば、『神の見えざる手』が最適な状態に導いてくれる」という話は、私も確かにまやかしだと思う。市場原理主義がもたらすのは、ほんの一握りの勝者と大量の敗者で、「再チャレンジができる社会」なんて聞こえの良い事をいうけれど、それもただの言い訳に過ぎないという感覚にも共感。 ただ、あんまり「日本民族は他の民族よりも優れている」「アメリカ人の考え方は野卑だ」という色が強すぎて違和感がある。 日本人はみんな弱者に対する惻隠があるというが、長い間被差別階級を政策として作っていたではないか。「日本人は金銭を低くみる」というが、商人はみんなそんなに立派だったのかなど… やはり「国」や「民族」で物事を考える事自体がもはやナンセンスで、「個人 対 個人」で考える時代がすぐそこに来ているのではないかと思った。 実際、領土問題で中国のデモとかみるとすごい腹が立つけど、友人の中国人の彼とは、そんな事を気にする事もなく友人なままの訳ですから^_^

    1
    投稿日: 2012.10.15
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    筆者の極端なまでの欧米批判が面白かった。武士道が素晴らしいというのは理解できる。しかし完璧なものなどこの世に存在しないと思うし、その素晴らしさを語るのに他を強烈なまでに批判する必要があるのかが疑問だった。また武士道を唱えるのならば、欧米の文化にも敬意を払う姿勢がもう少し見せるべきだと思った。

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    投稿日: 2012.10.08
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    かなり前に話題になった本ですね。 ”論理だけではだめだ”ということなど肯ける内容もありましたし、 それはないだろ、という内容もありました。 僕も (もちろんすべてではないが)日本人は日本を大切にしていない と思います。 書き方、内容に偏りがある気もしますが、 問題提起にはなりますし、一読の価値はありましたね。

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    投稿日: 2012.10.06
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    戦争に対する執拗なまでの論述に違和感あり。本書の大半が戦争の話。タイトルから期待したものとぜんぜん違う。

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    投稿日: 2012.09.26
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    ベストセラーと思ってバカにして 今まで放置してたんですが、これが読んでみたら けっこう、というかかなり面白かった。 保守系の思想の持ち主なら 大胆な極論が話し言葉でマイルドに書かれた文面に 小気味よささえ覚えるのではないかと思います。 もちろんそういう本なので賛否は別れるのだが、 これを躍起に、「論理的に」批判している方々は まずこの著者の価値観が頭から気にくわなくて 論理と事実のアラ探しをしてる感があって、 正直レビュー読んでても興ざめなものが多いですね。 2時間あれば読めてしまうものなので、 何はともあれ読んでみましょう。 「論理」と「情緒」に関する考察は、 特に数学者がしていることに意義があり、秀逸。 素直な気持ちで読めば、つまらないものじゃないはず。

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    投稿日: 2012.09.22
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    論理に頼るなと言われても実際求められるし、なかなかできないなと思うのが論理的考え方。それをできて初めて情緒力がどうとかいえるのではないかなぁ。自分はまだまだ論理力が足りない。。。 情緒 もののあわれ 懐かしさ 惻隠 武士道

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    投稿日: 2012.09.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    斬新な結論を導いているところは評価できますが、議論に欠陥が多く、質問しなければ判断できないところがあまりに多いように思えます。疑問点は以下の通り。 ・筆者が指摘しているのは「悪い論理」である以上、論理を正しく使えば問題がないのではないか ・筆者の目指す日本の具体的な形が分からない ・筆者が否定するナショナリズムを、この本は誘っているのではないか。なぜならば、日本が素晴らしい理由をたまたま自然が豊かだったことに求めているからである(ナショナリズムを煽っているかどうかは、ネット上のレビューで判断できるだろう)

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    投稿日: 2012.09.02
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    著者の感じたことをただ列挙しただけな気がする。 共感できる部分もいくつかあった。知識のための本ではなく、人々が考えるきっかけをくれる本。 ところどころに挟まるギャグがサムい。

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    投稿日: 2012.08.18
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    論理・グローバル・均一化などといった近年声高に叫ばれる欧米中心の価値観。 それらに傾き過ぎたときに、うまく中庸な姿勢をキープするのに最適な一冊。 世界における日本の、独自のポジショニングのあり方について考えさせられる。

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    投稿日: 2012.08.18
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    「国家の品格」藤原正彦 国家論。特になし。 著者の講演をもとに起こした著作です。 正直なところ、著者の言いたいことはともかく、読んで受ける印象が飲み屋の議論風。 ことごとく帰納的な論理展開。というより思いついたことを並べていっているだけに感じます。 内容については多々共感しますが、当たり前のことを言っているだけな気もする。 その当たり前が失われつつあるということだと思いますが。 いまいち教養とか、深みを感じない。☆2.5のくりさげ、(2) ----- @全体として、[日本人の精神主義]に関する本 @[21世紀以降の世界での日本のスタンス]について、[古来からの国体と武士道精神の活用を提言し、]詳しく述べている @[構成] 近代合理主義と論理的解決法には問題があった。 → イデオロギーとしての、「自由、平等、民主主義」の批判 → 日本の「情緒、形、武士道精神」は素晴らしい。 → 日本の「国家の品格」を復古するために、四つの指標を目指そう。 → 1.独立不羈 2.高い道徳 3.美しい田園 4.天才の輩出 ----- 以下メモ p40.表現する手段よりも表現する内容を整える方がかずっと重要。 論理の破綻を、無論理的に語ることはOKなのか。 p54.情緒力とか、あるいは形というものを身体に刷り込んでいない人が駆使する論理は、ほとんど常に自己正当化に過ぎません。 p58.「長い論理は危うい」誤差伝播どいうか、確率の積の法則か。 p84.真のエリートには、俗世に拘泥しない精神性が求められる。 p90.差別に対する対抗概念が「平等」→欧米の感覚。 して、他の機軸に何があるかと考えると。「調和」か? →著者は「惻隠」と。=思いやり。 日本人の美的感受性。→さてそれの、サブカルチャー文化の寄与はどれ程? p109.「枯れ枝に/烏の止まりたるや/秋の暮れ」を聞いて、何を感じるか。 p113.パトリオティズム… 同.政治家、官僚にこそ、ナショナリズムを持ってもらわないと困る。 p115.祖国愛。郷土愛から祖国愛への段階。 p121.のむさんにぶつけてみよう。 p128.法律のどこを見たって「卑怯なことはいけない」なんて書いてない。 p147.国際社会はオーケストラみたいなもの。ヴァイオリンとヴィオラとチェロとコントラバスを合わせたような音色の楽器を作ったって、必要とされない。 論理的でなく、グローバルな勝者を目指さない“敗者の弁”の正当化はそもそもなくて、勝つためでない研鑽とか、問題は己。同じ土俵でないことを分かっているか分かっていないかの違いが、格の違いになるのでは。 昔がいいんじゃない、昔あって今失われたものにいいものもある、ってだけだ。 「情緒」と「合理主義」はなかなか並立しにくいかもしれないけど、「情緒」と「論理的」は並立すると思うんだよね。一流の教養人にはどちらもあり、それぞれが裏打ちし合っている関係。

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    投稿日: 2012.08.02
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    品格? 著者による祖国愛が詰まった本。ほとんど全てにおいて独断的。自分の知見をベースに話しているようなので、言説の論証は都合の良い実例を上げることに代えられている。客観的全体的なデータの提示がない。 筆者は口を開く前に、西洋哲学、論理学、倫理学、政治学、経済学、教育学、戦争論など前人の知恵を学んでいたほうが良かったのではないかと思われる。西欧を批判する前にもうちょっとその本質を”謙虚に”知ろうとしたほうが良かったのではないかと思う。 自由とか平等とかいった概念を全部ロックにきせてしまっているが、それこそ暴論ではないだろうか。ヘーゲルやマルクスの議論を抜け落として何が自由批判なのか。意味がわからなかった。

    0
    投稿日: 2012.08.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    合理主義から「情緒と形」へ 武士道の復活 数学者の著者が、数学以外でも見識が広いのは分かる。 しかし、その論理展開の元となる知識は正しいのだろうか? 恐妻家の自虐的ギャグは不発。

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    投稿日: 2012.07.31
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    もののあわれ、自然への畏怖心、跪く心、懐かしさといった美しい情緒。武士道精神という日本独特の形が、世界に誇れる日本の普遍的価値とし、論理と合理性のみに偏向することの危うさを訴えている。議論の方向性は間違っていないように思うが、独善的にすぎる物言いに辟易感も。

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    投稿日: 2012.07.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昔読んだ本の再読。なぜか全く内容を記憶していなかったので。 本書は、現代の日本がダメになっている。 それは、論理的に物事を考えるアメリカナイズな考え方を 近年ベースにしているから。 そして日本人なら日本語(国語)、道徳(武士道精神)を もっと勉強すべき(しかも若い時に)と言っています。 日本語と武士道精神を学ぶべきという 考え方は確かにその通りと思いました。 (なんかの本でも書いてあった気がしますが。) 日本では、グローバル化という名のアメリカ化は進み、 便利になったことも多々ありますが、 日本人らしい文化は年々薄れていると思います。 学生のうちに「日本人とは」をしっかり学ぶのは 是非やってほしいもんです。 自分も、日本の事知らないこと多いと思います。 博物館だけが、文化を保存する場所でもないと思います。 個人の経験として蓄積する方がもっと大切でしょうし。 筆者がアメリカ文化を毛嫌いしている感も否めないですが、 最後まで確かにな~と思える話が展開されています。 小中学生の教育関係者には一読してほしい一冊と思いました。

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    投稿日: 2012.07.22
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    やっと借りて読んだ。 考え方の一つとしてとても参考になった。 日本的な情緒を日本に住んだことのない外国人に説明するのに苦労してたけど、役に立ちそう。

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    投稿日: 2012.07.09
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    考え方としては非常に偏っているが興味深い。あまり共感できる内容ではない。美しい自然など日本のみに限らず、ヨーロッパのように文化や古い建物を残し、昔からの自然とともにそのまま残す国は他にも多く存在する。仏や神に敬虔に跪く心は、現代社会において薄れている。神という言葉をオカルト的に捉え、元旦やイベントこそ世俗的には楽しむ物の、日常的に神や仏への信仰が見られることもない。日本の考え方を文字に起こしてヨーロッパへ伝えることは確かに難しい。(まず日本とヨーロッパという地域を比べることがよくわからない。他のアジア地域はどうなのか?日本は国だ。国同士で比較するならまだしも)読みながら疑問に感じることが多々あるが、視野を広げるという点ではよいのでは。そのまま著者の考えを鵜呑みにしてしまうのはいささか危険であるようにも感じる。

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    投稿日: 2012.07.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    日本は失われた武士道精神を取り戻さなくてはならないということを熱弁していた。発見が全くなかったわけではないが、いささか強引だったのではないか。

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    投稿日: 2012.07.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

     数年前の超ベストセラー本。今なお示唆に富む。国家の品格とは、個々の国民の品位であり、品格ある国家はたとえ経済的に衰えていてもなお世界に影響力がある。祖国愛のない浅薄な人間はたとえ英語がべらべらしゃべれたとしても外国から尊敬されず有害なだけともいう。たしかに佐藤優の国家の罠でも外交では筋を通すことが重要であり、筋を通すと尊敬されるとあり、本当にそうなんだろう。筆者は数学者であり、天才数学者は、美的情緒感があったというのがあらなた発見。論理とか合理性なんかよりも美的情緒感が人間にとって本質的に重要とのこと。江戸時代の識字率は50%で、当時のロンドンが10%に過ぎず、日本人は昔から読書という利益に直結しないことを楽しんでおり、文字に慣れていたとあった。日本には書道があるが、似たようなものは外国にあるのかな?なければ識字率のたまものかもしれない。

    1
    投稿日: 2012.06.18
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     著者の主観が入りまくっていて、どこをどう読んだらいいのか困る本。  冒頭に、著者の奥さんが「誤り半分、誇大妄想半分」という評価をしているが、この言葉よく考えれば  「誤り半分、大きな誤り半分」という意味で「全部誤りじゃねえかよ!!」と突っ込みを入れたくなる。  もっとも、これはタイトルに「国家の品格」などと入れたのが問題なのであって、もっと主観が混じったタイトル、例えば「日本文化の忘れ去られた美徳」などであれば誤り半分、誇大妄想半分ではなく、誤り3分の2、著者に同意する所3分の1となっていただろう。  この本は「国家の品格」などという大上段から読むと「なんだこの本は!!」と怒り心頭に発すること請け合いだ。  だが、「著者が日本文化をどう感じているか、西洋文化とどのように比較しているか?」と考えればそれなりに読める。少なくとも著者の言わんとしていることは良く理解出来る。  国家の品格などと、大上段に論じる必要などない本であり、これを国家の品格はいかにあるべきかなどというレベルで論じるべきではない。  このタイトルが日本文化には良い点は沢山ある。そのことを伝えたい著者の意を汲むことをいかに阻害しているかはAmazonのレビューを読めば明らか。  著者もなぜ国家の品格などというタイトルにしたのか、誠に残念でならない。

    0
    投稿日: 2012.06.18
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    そもそも「品格」とは何を意味するのでしょう。 「品格」のごとく不明確な用語を振りかざす人こそ、「品格」のない人なのだということがよくわかりました。 コンプレックスと対峙することを避け、自分を肯定してくれる他者に依存して偽りの自己肯定感を得て満足する人にとって、コンプレックスは成長を阻害する有害なものでしかありません。 「先進国はすべて荒廃している」(16頁)、「『資本主義の勝利』も幻想」(26頁)、と言って欧米コンプレックスを露わにする一方で、「21世紀はローカリズムの時代」(138頁)と言って「日本」という枠に籠る行為はまさしく、「日本」という偽りの自己肯定感で自己防衛し成長を放棄する愚かな行為で、そこに「品格」はあるはずがありません。

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    投稿日: 2012.06.17
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    美しいものに触れることで、豊かな精神と発想が生まれる。また、美術や歴史、宗教等の教養の意味について気づかされる。

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    投稿日: 2012.06.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    論理だけでは破たんする、日本独特の情緒を大切に。 武士道を重んじる。 云々…まさに近藤勇。と思いましたとさ。

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    投稿日: 2012.06.04
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    250万部突破のベストセラーなのだそうです。 日本語書籍に飢えていたとき、オフィスにあったので手に取りました。 ヒットを狙ったいかにもなタイトルですが、内容は欧米コンプレックスを感じました。著者も言っていますが、「品格」と言いながら品に欠ける印象。

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    投稿日: 2012.05.19
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    殆どの部分に共感できました。行動規範として活用します。 ただ、これだけのベストセラーになりながら、社会は何も変わってないどころか、逆に本当に英語の授業が公立小学校に取り入れられてしまったりと、どんどん悪い方向へ向かっているように感じます。この見解を世論に反映させるにはどうしたら良いのでしょうかね。 内容の素晴らしさとは裏腹に、それが活かされてない現実が残念でもあり、さらに活かす方法となるとなかなか見えてきません。 ありがとうございます。 以下、本書で共感した箇所です。 (page.23)  人間は利益のためなら、いとも簡単に美しい言葉や見事な論理を作り出すのです。 (page.24)  共産主義という美しく立派な論理それ自身が、人類という種に適していないのです。 (page.26)  弱肉強食に徹すれば、組織は確かに強くなるでしょう。しかし・・・社会は非常に安定性を失う。 (page.34)  資本主義が資本主義の論理を追求していった果てに、資本主義自身が潰れかねないような状況に、だんだんなってきているのです。 (page.38)  小学生が新聞の経済欄なんかに目を通す必要はありません。ましては株価欄に目を通す必要などまったくない。もっとはっきり言うと、社会に目を開く必要すらない。 (page.39)  公立小学校で英語など教え始めたら、日本から国際人がいなくなります。 (page.43)  ある大新聞の世論調査によると、小学校で英語を教えることを、86%の国民が支持しているといいます。こうやって国民が国を滅ぼしていくのです。 (page.47)  人間を殺していけないのは、「駄目だから駄目」ということに尽きます。「以上、終わり」です。論理ではありません。このように、もっとも明らかのように見えることですら、論理的には説明出来ないのです。 (page.49)  本当に重要なことは、親や先生が幼いうちから押しつけないといけません。たいていの場合、説明など不要です。頭ごなしに押しつけてよい。 (page.80)  民主主義の本質は主権在民ですが、主権在民とは「世論がすべて」ということです。そして、国民の判断材料はほぼマスコミだけですから、事実上、世論とはマスコミです。 (page.83)  国民は常に、世界中で未熟です。したがって、「成熟した判断が出来る国民」という民主主義の暗黙の前提は、永遠に成り立たない。 (page.84)  真のエリートには、俗世に拘泥しない精神性が求められるからです。 (page.84)  戦後我が国を統治したGHQすなわちアメリカの最大課題は、「日本を再び立ち上がってアメリカに刃向かわないような国にする」ということでした。 (page.99)  日本という土地には、台風や地震なや洪水など、一年を通して自然の脅威が絶えません。他国よりも余計に「悠久の自然と儚い人生」という対比を感じやすい。「無常観」というものを生み出しやすい風土なのでしょう。 (page.112)  青森出身の人は青森を、沖縄出身の人は沖縄を、愛していればいるほど、人間として魅力的で信用も出来る。 (page.114)  一般の国民は、ナショナリズムを敬遠しつつ、リーダーたちのバランスあるナショナリズムを容認する、という大人の態度が必要になってくる。 (page.118)  武士は武士道精神という美徳を最も忠実に実践しているという一点で、人々に尊敬されたのです。金銭よりも道徳を上に見るという日本人の精神性の高さの現れです。 (page.123)  宗教なしでどうやって道徳教育が出来るのでしょうか? (page.148)  読書によって培われる情緒や形や教養はそれとは比較にならぬほど大事なのです。 (page.152)  「人間の命は地球より重い」などという言葉が垂れ流されていますが、本当は人間の命など吹けば飛ぶようなものです。果てしない宇宙の一点、真っ暗闇の中の一瞬の閃光のごときものです。かくも軽く儚いものだからこそ大事にしよう、というのが正しい見方です。 (page.153)  現代人の感じるそこはかとない閉塞感、社会に漂う虚脱感には、人間中心主義により人間が自然と対立関係に陥ったという事実が深く影響しているような気がします。 (page.153)  歴史を振り返ると、論理とは「自己正当化のための便利な道具」でしかなかったことを思い知らされます。 (page.173)  上に立つ人々が金銭を低く見て、精神性を重んずると、たとえ経済はさほど振るわなくとも、それよろ遥かに大切な国家の品格が保たれ、世界の尊敬を受けることができるのです。 (page.178)  国家の品格というのは、それ自体が防衛力でもあります。 (page.185)  自由、平等、国民主権などは、もちろん教会の権威や絶対王政を倒すうえで目覚しい力を発揮しました。しかし、それらが打倒されたと同時に、その歴史的使命を終えるべきものだったのです。

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    投稿日: 2012.05.18
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    なるほどと思うことの連続。 とくに論理の不完全さについては納得。これから本をたくさん読んで情緒を磨いて、幅のある人間にならなきゃなぁ。 またいい本と出会いました。

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    投稿日: 2012.05.05
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     こないだ、理系な友人方と話していたら「どうにも文系の言う『論理』というものがよくわからない」という話になり、理系の考える「論理」と文系の考える「論理」は違うものらしいということがわかった。考えてみると、文章読解の指導において文系が「論理」をのたまう一方で、「数学」の単元として「論理」が存在する。両者には当然何らかの共通点はあるのだろうけれど、じゃあ数学で「論理」を勉強すれば文章読解ができるようになるのかといえば、必ずしもそうではないだろうし、逆もまた然り。けだし、文系は「論理」というものを、「論理性」や「論理的」という表現に代表されるように、トピックの美しい流れなどを意味する場合に使っているっぽい。理系は、文系ほど「論理」というものを崇拝しておらず、単なる要素と要素の接着剤くらいに考えているんじゃなかろうか。僕はバリバリの文系でしたので、理系のことはわからないけれど。そして、例によって、「そもそも文理なんて考えがナンセンスだ」と言ってしまえばそれまでなので、そんな意見は聞きたくない。  さて、『国家の品格』である。本書を読んで、まず感じたのは文系の言う「論理」を理系の考える「論理」によって打ち崩しているという印象。僕は文系でありながら、文系の言う「論理」を胡散臭く感じているので、これは爽快。でも、人によっては「そうかい、そうかい、勝手にほざいてろ」という感想を持つことになるだろう。終始、一貫して藤原さんの意見にハマれる人は、きっと本書を「良書」と判断するはず。ベストセラーにありがちな、読後の感想が賛否の両論に分かれるだろう本なのは間違いないです。  ただ、藤原さんの学問に関する考え方なども面白い。僕は、かつての恩師から「科学と芸術と宗教とは本質的に同じものだ」という教えを賜り、それは常に意識するようにしている。どうやら、藤原さんも同じような考えを持っているらしく、非常に親近感めいたものを勝手に持ってしまった。  日本という国を長期的な視野で眺めた提言が本書にはある。本書が述べることをクリアできれば、必ず日本は将来的にさらに素晴らしい国になることができるだろう。ただし、直近の問題によって取り返しのつかないことにならない限り……。 【目次】 はじめに 第一章 近代的合理精神の限界 第二章 「論理」だけでは世界が破綻する 第三章 自由、平等、民主主義を疑う 第四章 「情緒」と「形」の国、日本 第五章 「武士道精神」の復活を 第六章 なぜ「情緒と形」が大事なのか 第七章 国家の品格

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    投稿日: 2012.04.23
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    今更ながら読了。著者の藤原さんは自分の高校で演説をしてくれたということもあり、個人的に親しみを持っています。本の中では情緒や弱者への配慮など日本人が持つ固有の資質を大事にしろ。祖国愛が今の日本、そして世界に必要である。そのようなことを述べていました。アメリカ化する世界や日本に危機感を感じているのが良く伝わってきました。偏った意見が目立つ為、考えを鵜呑みにするのは問題ですが、あくまで一つの、そして一人の考えとして自分達が適切な判断をする時の材料にはなるのではないかと思います。

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    投稿日: 2012.04.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「日本人であることに誇りを持てるか?」と問われたら、「も、持てないかも…」と口ごもりながら答えてしまうであろう私め。 この本を読んだからと申してすぐに『誇り高き日本人』になれる訳ではないのですが、長年植え付けられて来た妙な劣等感の正体を明確に捉えることが出来ました。 英語が出来ないことにもひたすら劣等感を抱いて来ましたが、言語がどうのと申すよりも『自国の文化や歴史などの、語るべき中身』をきちんと持っているかどうかが重要…との指摘に、むしろそちらの勉強不足に気が付きました。 昔の日本人は『語るべき中身』を持ってはいるのに、英語を上手く操れないので『沈黙&謎の微笑』。それを見た欧米人たちは「日本人は、何か深いものを持っているらしい」と解釈してくれていたのに、最近の、英語のみが堪能になった日本人が内容の無い話をペラペラしゃべるので、『中身』が無いという正体がバレバレに…。 そのくだり、痛快に読みつつも怖くなりました。 この本でもたびたびその危険性が指摘されているのでござりまするが、国語や日本史の授業をないがしろにしてまで「英語、英語」と煽り立てることに底知れぬ不安を感じまする…。 他国のかたと交流をするために学ぶ言語なのに、それにばかり気を取られて、良き交流に必要な『中身』である『自国文化の知識』を持たないのでは、語学力のみが空回り…ということになってしまいましょう。それこそ、せっかく身に付けた語学力がもったいないです。 日本の歴史や文化の良いところを、他国のかたがたに素直に誇れる『真の豊かさ』を身に付けたい…と思いつつ、英語(や他の外国語)もそれなり出来たらな…という憧れも、捨て切れぬのではござりまするが。

    0
    投稿日: 2012.04.21
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    これまで生きてきて感じていた疑問のいくつかの答えを窺い知ることができた本です。 また、「真の国際人とは」というトピックが興味深くギクリとするところがありました。 この本の本質からは外れますが、たまにチラッと出てくる女性コンプレックスからくる表現を見るにつけ「ああ、どんなに難しい学問を修めていてもやっぱり男性は男性なのだな」と、ちょっとほほえましく思う部分もあります。

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    投稿日: 2012.04.14
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    著者の考える国家の品格、ひしと伝わった。 重んじるべき、古き良き日本と進化すべきものを考えさせられた。 個人的にはすごく好きな部類の本だけども、持論の展開が強烈で、極端な結論が見られるように感じる。 日本人としてどうあるべきかということを改めて考えさせてくれる良い本だと思う。一読の価値あり。

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    投稿日: 2012.03.12
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    ところどころ外国をけなすところや武士道が一番良い形という考えには違和感がありましたが、納得できる箇所・新しい考え方もあった。具体的な解決策は書かれていないが、現代社会が誤って進んだ道を取り戻す思想について書かれている。 このような思想を書いている本にはじめて出会った。 違和感があったのは、例えば、「アメリカ社会が安定性を失う理由に弁護士の数が日本の20倍、精神カウンセラーの数が5、60倍」とあるが、単純に不安定さを示す指標にならない。一般に法や精神医学が進んでいるためだと私は思う。 資本主義を否定し、年功序列を支持しつつも思想だけで具体的な方法は書かれてなかった。論理否定の箇所は「だめなものはだめ」と言い切ってあるだけで、これは筆者の育てられ方に関係する記述もあった。 ・教育の点は、何よりも基礎が大事。国際化=英語教育という単純な考えでは国際人は育てられない。 ・核保有について、アメリカの「自分は持つが他国は持ってはいけない」という考えは矛盾 ・「論理の出発点を選ぶのは論理ではなく、情緒や形なのです」 ・インドにIT技術者が多いのは、子どもの頃にPCに触れさせたからではない。数学を徹底的に教え込んだから。「パソコンを小学校から」という安易な教育では技術者は生まれない。 ・エーリッヒフロムの『自由からの逃走』 ・自由と平等は両立しない。男性限定のゴルフ・クラブ⇄自由に経営するゴルフクラブ ・祖国愛⇄ナショナリズム ・安い農産物を輸入したら消費者も喜ぶし国も繁栄する⇆美しい田園こそは我が国で誇るものなので経済的利益とは比べ物にならない。 ・美しい情景を重んじる気持ちを育てるべき。

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    投稿日: 2012.03.11
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    前半はかなりきつい口調で、近代的合理精神、自由・平等、民主主義といった欧米の思想を否定している。それらが原因で、今の日本や先進国の危機があるのだから、本来日本人が持っていた「情緒」、「形」、「武士道精神」等を見直し、皆が身につけることで日本は復活するといった流れ。 講演記録を元にした作品だからか、かなりキャッチーで極端な意見も見られるが、後半になると文章も少し落ち着いて読み易くなる。日本と、日本の伝統的な文化・精神性を愛しているのがひしひしと伝わってきた。 英語教育を小学校で導入した所で、国語や基礎知識などが不十分では役に立たない、英語はできても中身が空っぽの人間になる、という点には納得した。 また、現代の学校教育では、著者が目の敵にする欧米の思想、筆者の愛する武士道精神、残念ながらどちらも深く学ぶ機会が失われているように思う。 私自身もあらためて考えると、ロックやアダム・スミスの著作はもちろん、「武士道」も読んだことが無い…。

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    投稿日: 2012.03.09
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    美しい情緒 外国語の勉強も大事だが、まずは国語 特に歴史や文学について学び、多くの美しいものに出会いたい

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    投稿日: 2012.03.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「数学なんて使わないし役に立たない」 といっている大人や子供がすごく多いと最近思った。 私は役に立たないとは思わないけれど、どうして必要なのか答えられなかった。 その答えがこの本に書いてある。 中には難しい話も出てくるが、大体は高校生、大まかな部分は中学生でも理解できるようなやさしい書き方をしている。 あらすじは理論が絶対的なものではない、情緒と形が大切であり、日本人はそれを取り戻すべきだ、といったようなもの。 途中筆者が言うような長い理論になってだまされているような感じもするが、抽象的な内容を上手にかけている。 整然としたわかりやすい文章だった。 これを読むと最後に、昭和のはじめにフランス人が「日本人は貧しい。しかし高貴だ。世界でどうしても生き残ってほしい民族をあげるとしたら、それは日本人だ」といった意味がわかる。 筆者の言う「祖国愛」(愛国心ではない)を育てるのにすごくよい本だと思った。 条文に明記する前にこの本を多くの日本人に呼んでもらったほうがよっぽどよいだろう。

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    投稿日: 2012.02.26
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    情緒とか武士道精神とか、著者が考える日本に必要なものの問い掛け。論理が絶対ではないことや日本の美しさなど学びを得る部分もあったけど、わたしは正直言って全部は鵜呑みにできない。自らの意思だけでは読了出来なかっただろう。

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    投稿日: 2012.02.15