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新編 銀河鉄道の夜
新編 銀河鉄道の夜
宮沢賢治/新潮社
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総合評価

584件)
4.1
217
158
110
21
4
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    https://www.aozora.gr.jp/index_pages/person81.html

    0
    投稿日: 2022.03.27
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    装丁買いした分。表題作ぜんぜん覚えてなくてウケた。 千と千尋にも、無限列車にも続く… セロ弾きと、双子のお宮の話も好き

    0
    投稿日: 2022.03.16
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    38年生きてきて、今さらながら初めて銀河鉄道の夜を読了した。 ただいちばんのさいわいに至るためにいろいろのかなしみもみんなおぼしめし。 この一行が深く心に突きささる。うつ病という病も、自分が今おかれている状況も全て、かみのおぼしめしであるということ。なんという深い言葉なのか。 うつ病で入院してしまった今、これからどのように生きていったらいいかわからない。ただただ全てはさいわいに至るためのおぼしめしであると信じて、一歩ずつ手探りで進んでいくしかないのだろう。

    6
    投稿日: 2022.03.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    悲しいのに最後の終わり方のさらっとした感じ、、ちょっと驚いたけどそういう手法も童話のテクニックなんだろうか。 名作と言われる訳だなぁと思った。何回でも聞きたい。

    5
    投稿日: 2022.03.04
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    宮沢賢治の感性、想像力がすごい。ただ、ストーリーとして完成されていないと感じるものもあった。 文字面だけ追ってもその世界観を楽しめるが、背景を知った上で読んだり、ひとつひとつの意味を考察したりなど、深い読み方をすれば評価も変わると思う。私の今時点での評価は3。

    0
    投稿日: 2022.02.09
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    古い宮沢賢治全集を読んだのでこの本ではないけれど…(新修宮沢賢治全集 筑摩書房) あれ?銀河鉄道の夜ってどんな話だった???子供の頃読んだよね?? 全然思い出せない!!! と、急に読みたくなって 銀河鉄道の夜だけ読んでみた! そうだそうだ! 全然意味わからなくて数ページで読むの辞めたんだった!!思い出した!! それにしても… 生と死…の話だったのか… セロ弾きのゴーシュもそのうち読も

    3
    投稿日: 2022.01.19
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    宇宙、死、他者。 とても奥深く、とても繊細な内容でした。 宮沢賢治さんのちょっと不思議な世界観を堪能できました。

    1
    投稿日: 2022.01.08
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    美しい世界観。美しい色彩語や、鉱物を用いた情景描写が宮沢賢治の世界へ誘ってくれる。この物語の燈台守の言葉が印象的。 「なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。」 それに対する青年も。 「ああそうです。ただいちばんのさいわいに至るためにいろいろのかなしみもみんなおぼしめしです。」 宮沢賢治、自分に言い聞かせてるんじゃないだろうか。ほんとうのさいわいは一体なんだろう。

    2
    投稿日: 2021.12.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    みにくい姿のよだかが星になる作品。最後の星になっていつまでもいつまでも燃え続けている場面がとても印象的な作品。 (あああ)

    1
    投稿日: 2021.12.07
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    久しぶりに再読。 音楽に造詣が深い方が、音の粒が輝いているみたいな表現をする事がある。私は音楽方面はサッパリでそれは聴こえないのだけど、銀河鉄道など、言葉の粒が輝いているのは読める。オノマトペの巧みさ、柔らかな言葉選び。自然との調和を願う姿勢。 そうなのですが、宮沢作品は苦手。嫌いとは違う。擬人化の作品が多く、どの作品でも、きっと何か示唆するものがあるんだろうと深読みしようとしてしまう。で、わからなかったりすると、自分が賢治みたいに純粋で無いからだと落胆する。童話って、外国のも厳しめな作品多いから、まあ仕方ない。

    18
    投稿日: 2021.11.18
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    子どもの頃にアニメを観て、若干トラウマになった記憶がありずっと遠ざけてた作品。賢さんの頭の中の宇宙は美しくて科学的で、それは夢を与えるようでもあるんだけれど。。どこか痛烈に現実的で、ものすごく寂しくて悲しくて、やっぱり胸が締めつけられ、落ち込んだ。

    0
    投稿日: 2021.10.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ジョバンニとカムパネルラの物語。有名だけど最後まで読んだことがなかった。 備忘録 227 「ジョバンニはなんだかわけもわからずにとなりの鳥捕りが気の毒でたまらなくなりました。もうその見ず知らずの鳥捕りのために持っているものでも食べるものでも何でもやってしまいたい、この人のほんとうのさいわいになるなら自分があの光る天の川の河原に立って百年続けて立って鳥をとってやってもいいというような気がしてどうしても黙っていられなくなりました。ほんとうにあなたがほしいものは一体何ですか」 231 「もうそのうちにも船は沈みますし私は必死になってどうか小さな人たちを載せて下さいと叫びました。近くの人たちはすぐ道を開いてそして子供たちのために祈ってくれました。けれどもそこからボートまではまだまだ小さな子供たちや親たちなんかいて、とても押しのける勇気がなかったのです。それでもわたしはどうしてもこの方たちをお助けするのが私の義務だと思いましたから前にいる子供らを押しのけようとしました。けれどもまたそんなにして助けてあげるよりはこのまま神のお前にみんなで行く方がほんとうにこの方たちの幸福だとも思いました。それからまたその神にそむく罪はわたくし一人でしょってぜひとも助けてあげようと思いました。けれどもどうして見ているとそれができないのでした。私はもうすっかり覚悟を決めてこの人たち二人を抱いて船が沈むのを待っていました」 249 「ああ、わたしはいままでいくつもの命を取ったか分からない、そしてそのわたくしがこんどいたちに取られようとしたときはあんなに一生懸命逃げた。それでもとうとうこんなになってしまった。ああなんにもあてにならない。どうしてわたしはわたしのからだを黙っていたちにくれてやらなかったのだろう。そしたらいたちも一日生き延びたろうに。どうか神様。私の心をご覧ください。こんなにむなしく命をすてずどうかこの次は誠のみんなの幸いのために私の体をお使いくださいっていったの。そしたらいつか蠍は自分御身体が真っ赤な美しい日になって燃えて夜の闇を照らしているのを見たって」 255 「僕はもうあのさそりのように本当にみんなの幸いのためならば僕の体なんか百ぺん灼いても構わない。うん僕だってそうだ。でもほんとうの幸いっていったい何だろう」 266 「僕もうあんな大きな闇の中だって怖くない。きっとみんなの本当の幸いを探しに行く。どこまでもどこまでも僕たちは一緒に進んでいこう」 最後のカムパネルラのお父さんは冷静だった。 「もうだめです。落ちてから45分経ちましたから。」「あした放課後みなさんとうちへ遊びに来てくださいね」 そういいながら博士はまた川下の銀河のいっぱいにうつった方へじっと眼を送りました。

    4
    投稿日: 2021.09.12
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    中学生くらいの時に読んだが、少し怖いと感じた。 車窓から覗く風景の描写が綺麗。 今も怖いイメージは抜けないが、それも含めて印象に残っている。

    2
    投稿日: 2021.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表題作の「銀河鉄道の夜」を初めて原文で読んだ。有名な話なので、大体の場面はイメージできたが、想像以上に壮大で色彩豊かな描写だった。自分の想像力が乏しくて、この幻想的な世界観がイメージし切れず悔しい。 それにしても、この星の川に沿って鉄道が走るという発想が、一体どれだけの作品に影響を与えたのだろうかと思ってしまう。一説によると、ジブリの「千と千尋の神隠し」も、この生死を彷徨う電車という舞台設定や「自己犠牲の心」という主題を、作品に取り入れているらしい。それほど後世に影響の与えた作品。 今回は五感の記憶をフル稼働して場面をイメージすることで精一杯だったので、時間をあけてもう一度ゆっくりジョバンニとカムパネルラの気持ちに寄り添いながら読みたいと思う。

    10
    投稿日: 2021.08.24
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    平田オリザが以前新聞で書評した引用 「友人の死を受け入れ成長していく物語」 「カンパネルラは、いじめっ子のザネリを 助けるために溺死する。それは極めて 不条理な死だ」 「最終盤、カンパネルラのお父さんは 『もう駄目です。落ちてから四十五分 たちましたから』と息子の死を受け入れ、 『ジョバンニさん、あした放課後みなさんと うちへ遊びにきてくださいね』と 気遣いさえ見せる」 「親しい者の死を受け入れることは、 宇宙を一周、経巡るほどに時間がかかる」 カンパネルラのお父さんの 諦観した言葉が印象的だ 「なにがしあわせか わからないです」(P233) 「僕はほんとうにつらい」(P243)

    2
    投稿日: 2021.05.30
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    真夜中の訪問者。猫、かっこう、狸、ねずみ。 あんまり上手ではない、でも一心に弾いているゴーシュの元へやってきて、弾いてください、教えてくださいと云う。夜通し続く演奏。日が昇ると、動物たちはおじぎをして、ありがとうと、外へ出ていった ゴーシュはくたくたになって、ベッドにどっかりと倒れこんで、昼までぐうぐうと眠りこける。 ひとだって、ひとでなくたって、同じように、不器用で、不格好で、でも、自分に与えられた世界を、正面に向き合う。素朴で、ささやかだけれど、地に足を付けてる。童話の中の存在が、現実に、今の世の中にあるものよりも、輪郭を伴っているみたいに感じる。 みんなが言いたいこと、やりたいことばかりを唱える。好き勝手に振る舞う。いろんな形をみせるようで、でも同じ姿ばかりが際立つ。その結果がいっしょくたで、どんどんとぼんやりとしてくるような、そんな不明確になっていく世界にいて、拠るべきところを発見して、気づく。自分の姿を思い出して、確認する 物語の力。 そして、その物語を作りだしているのも、やっぱり、ひとなんだということを、こんなこと、ひとしかやらないし、必要としているのも、またひとだけだって、当たり前のことを思い知るんだ。

    2
    投稿日: 2021.04.19
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    13年振りの再読。「猫の事務所」の唐突な終わり方に驚きつつも、切なくなる「黄いろのトマト」や「よだかの星」が好き。  中でも表題作の「銀河鉄道の夜」は読むたびに好きになる。 銀河鉄道に乗ってからの場景が素晴らしくて、このシーンだけでも読む価値あり。タイタニック号の乗客たちが乗ってくる辺りから終盤まで、涙が止まらない。  小学生の時、国語の教科書に載っていた。銀河鉄道のシーンのみの抜粋でラストも載っていなかったけど、わくわくした記憶が鮮明に思い出される。 あの時この作品に出会って良かったなぁ、と心底感じた。

    5
    投稿日: 2021.04.17
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    とても面白かった。 表題作をはじめ悲しい話が多かったが、ストーリーや着眼点が面白くて楽しみながら読めた。 「銀河鉄道の夜」がこんなに悲しい物語だったとは… 「ビジテリアン大祭」「オツベルと象」がお気に入り。 この本をじっくり読み解くことが、人間的な成長に繋がるような気がした。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 貧しく孤独な少年ジョバンニが、親友カムパネルラと銀河鉄道に乗って美しく悲しい夜空の旅をする、永遠の未完成の傑作である表題作や、「よだかの星」「オツベルと象」「セロ弾きのゴーシュ」など、イーハトーヴォの切なく多彩な世界に、「北守将軍と三人兄弟の医者」「饑餓陣営」「ビジテリアン大祭」を加えた14編を収録。賢治童話の豊饒な味わいをあますところなく披露する。

    2
    投稿日: 2021.03.25
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    宮沢賢治の代表作「銀河鉄道の夜」を含む短編童話集。 収録されているのは ・双子の星 ・よだかの星 ・カイロ団長 ・黄色のトマト ・ひのきとひなげし ・シグナルとシグナレス ・マリヴロンと少女 ・オッベルと象 ・猫の事務所 ・北守将軍と三人兄弟の医者 ・銀河鉄道の夜 ・セロ弾きのゴーシュ ・飢餓陣営 ・ビジテリアン大祭 と色んな種類がありますが、どれも星空や生活の身近にあるような物を面白く擬人化し、そこから物語を作られています。 今のように情報や行動範囲も制限されていた時代に、自身の想像力だけでここまで面白く書き上げられているのはスゴイ。 各物語はやはり童話というだけあって、どこか教訓めいたものが得られる章も多いです。 個人的にはひのきとひなげしと猫の事務所の話がグッときました。 小学生くらいまでの子供たちにぜひ読んでもらいたいのですが、ちょっと言い回しなどが古めなので読みづらいかも。。

    3
    投稿日: 2021.03.15
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    宮沢賢治の児童文学。 短編が色々入っている。最初は慣れない文体に戸惑ったが、世界観が幻想的で美しく透明感のある文章が凄く綺麗。 子どもの頃に読んだ表題作、大人になった今読んだら受けとり方が全く違った。こんなにも幻想的で切なく美しい話だったとは。

    0
    投稿日: 2021.02.19
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    長い長い夢を見ているかのような感覚に陥る一冊。清廉で崇高。茫漠たる自然や宇宙の中に人間を置いて観察するような視座を獲得するとこういう文章が書けるようになるのかな。

    2
    投稿日: 2021.02.13
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    ケンタウル祭の夜 ジョバンニは気がつくと北十字銀河ステーション から銀河鉄道に乗って友人カムパネルラと 白鳥停車場23時到着アルビオレの観測所、 鷲の停車場経由し南十字サウザンクロス駅 翌3時ころ着の不思議な列車旅に。 車窓からは銀色のすすき、紫のりんどう、 みをつくし三角標、鷺、カササギ、孔雀 蠍座の赤い星、双子のお星さまなどが見れます。 なかなか理解するのが難しく、 いろんな解釈が可能なのも約90年愛される訳かもです。

    0
    投稿日: 2021.02.10
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    初めて読んだ、わからない単語とかありつつ、読みながらずっと何かに切なさを感じたり表現が素敵やったり 結構好き

    0
    投稿日: 2021.01.26
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    宮沢賢治の儚い世界観が好きなんだけど、宮沢賢治自身は儚いと思われるのが嫌だと言っていたのを最近知って、もう一回宮沢賢治作品を読み直そうとおもう。

    1
    投稿日: 2021.01.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    息子(7歳)が図書館で借りてきた本。タイトルに惹かれたらしいが、中は文字ばかりなので読めずに私が読了(笑) ちなみに私は「銀河鉄道の夜」だけ青空文庫で読了済み。 以下、印象的な作品の感想。ネタバレあり。 「双子の星」 童話らしいかわいいお話。因果応報もあるし読んでいてほのぼのした。 「よだかの星」 双子の星の次にあったので、ほのぼのかわいい話かと思いきや、なんとも悲しいお話。 つらい。かなしい。なんでこんな目に遭うんだろう。 でも、最後よだかが少し笑ってたみたいだから、救いはあるのかな。 「カイロ団長」 カエルの大群がえっちらおっちら動いているのが浮かんで楽しい。なんとも微笑ましいお話。 「黄色いトマト」 童話ならではの残酷さがあるお話。『かあいそうな』二人の子供のお話。 金貨銀貨の代わりに見たこともない珍しい黄色いトマトを大人に差し出したらふざけるなと怒鳴られる……子供に優しくない世界。余裕のない世界。賢治が生きていた世界なんだな、と思う。 「シグナルとシグナレス」 まさかの擬人化恋愛小説(笑)解説読んでから読むと楽しく読めた。信号機に恋をさせるとは……賢治おそるべし。 「オツベルと象」 オツベルがめちゃくちゃ悪い?打算的な奴でびっくりした。 なんかモヤモヤが残る話。 「猫の事務所」 かわいい!!(笑)でも、めちゃくちゃ人間社会の縮図だよな。ラストは違うけど。 仕事取られるの、つらいよなぁ。 「セロ弾きのゴーシュ」 絵本でタイトルをよく見かけるから、ほのぼのしたお話やと思っていたので、終わり方に驚いた。 コレ、絵本でのラスト、ゴーシュはみんなに祝福されて笑顔なんだろうか……違う気がする。 動物がたくさん出てくるから絵本にすると映えそうだけど。 「ビジテリアン大祭」 なかなかシュールな祭り。評価高めだったから楽しみに読んだんだけど、モヤモヤする終わりかただな。 個人的に、肉食主義とか菜食主義とかは個々人で実行すればいいと思っているので、他人に押し付けるのはどうかと。 議論交わすのはアリやけど、ラストバタバタとその場にいた人間が菜食主義に転ぶのを見るのは、日本の同調圧力を見ているようで辛かった。 議論内容は面白かったんだけどね。

    0
    投稿日: 2021.01.20
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    注釈を読まなければわからない単語や、独特な表現をされているところがあり、描写が中々入ってこずでした。

    0
    投稿日: 2021.01.04
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    宮沢賢治(1896年(明治29年)~1933年(昭和8年))は、岩手県(現)花巻市出身の、あまりにも有名な詩人・童話作家であるが、そのほかにも教師、科学者、宗教家、農業指導者などとして多方面で活動を行った。37歳で早世したことから、生前に発表された作品はわずかで、没後、草野心平らの尽力により作品群が広く知られるようになり、国民的作家となったという。 『銀河鉄道の夜』は、本書のほか、角川文庫、岩波文庫、複数の児童向け文庫などから出ているが、本書は、『新修 宮沢賢治全集』(1979~80年)を底本に、1989年に編まれた新潮文庫版宮沢賢治童話集3冊の一冊(他の2冊は『風の又三郎』、『注文の多い料理店』)で、同作品のほか、『よだかの星』、『セロ弾きのゴーシュ』など全14作品が収められている。 『銀河鉄道の夜』は、生前未発表・未定稿の作品のひとつで、数年或いは十余年に亘って、しかも数次に及ぶ推敲・改稿・改作を経ているものであり、賢治が思案に思案を重ねた作品である。(本書に載っているものも「定稿」というわけではない) 本作品は、一言でいえば「貧しく孤独な少年ジョバンニが、死んだ親友カムパネルラと、夢の中で銀河を巡る汽車の旅をする」物語なのだが、その中には謎と魅惑が満ちており、我々読者の心を掴んで離さない。この小篇で賢治は何を書きたかったのだろうか。。。生死観、生きる意味、宇宙・世界観、「ほんとうのさいわい」。。。他の作品も含めて通底するのは、月並みながら、「人は、生まれ育った自分の境遇を受け入れ、それでも正直に、人のことを思って、一生懸命に生きることが大事」ということなのだと思う。 それにしても、本作品ほど数多くの派生作品を生んだ童話・小説は他に例が少なく、これまで数度にわたり映画・アニメーション・演劇などが制作されている。それほど不思議な魅力を持った作品と言うことができるのだろう。

    2
    投稿日: 2020.12.25
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    『新編 風の又三郎』に続き本作を読む。あまりにも有名な表題作だが、読んでみるとジョバンニとカムパネルラとの悲しい別れの物語で、「銀河鉄道999」世代としては何とも遣る瀬ない話だった。彼らが乗るのが軽便鉄道で、客車を牽引するのは「アルコールか電気」機関車らしい、という部分が興味深い。「シグナルとシグナレス」も鉄道に関わる童話で、賢治が鉄道好きであったことを想像させるものだ。巻末に「収録作品について」解説があり、こちらも興味深く読めた。

    0
    投稿日: 2020.11.22
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    「よだかの星」読んでみたくて借りてきた。 他もパラパラと。 宮沢賢治…、いつも飽きてしまって読みきれない…。1編でごちそうさまという感じ。 ファンタジー自体苦手で相性がすこぶる悪い作家の代表なのだけど、たまに「そういえばあの人どうしてるかな〜」なんて感覚で読みたくなるので不思議。(笑)

    2
    投稿日: 2020.11.21
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    銀河を走る列車に乗ったジョバンニの夢物語で、不思議な世界へと誘ってくれる。 車窓から見える不思議な光景を語る文章は、難しい箇所もあるが、想像でしかない世界を十分に見せてくれる。 この世界観を語る文章が、文学と呼ばれる理由になっているのかなぁ〜。

    0
    投稿日: 2020.11.13
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    名作と言われていて、青空文庫で無料で読めるということで読んでみたが、話の内容が全く掴めなかった。ただ所々はっとするような綺麗な表現ごあったり、作者の清廉で博識な人格が伺える部分もあった。

    0
    投稿日: 2020.11.08
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    某乙女ゲーのイベントストに銀河鉄道の夜があったので改めて読んでみた。銀河鉄道の夜だけかと思ったら短編集だった。好きだったのは猫の会社の話。あとセロ弾きのゴーシュも初めて読んだ。どの話も夜の描写がとても綺麗だった。

    0
    投稿日: 2020.11.02
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    最初は、賢治何言っているかわからないし、入り込めないしどうしよう。 でも確かに、皆さんの言う通り表現は綺麗。どうしよう、くじけそうだ。名作なのに私には合わない。。。 そう思いながら生活の合間に読み進めていたけれど、だんだんに世界観に引き込まれて、電車の旅が始まったころにはページをめくる手が進んでいた。 鳥の足怖いけど食べるんだ。しかもお菓子みたいな味だなんてすごいなとかありきたりな感想だけど、表現がえぐいくらいに綺麗だ。こんな表現って多分賢治しか表せないんじゃないかしら。 最後の展開は正直よくわからなくて、知らない間に終わってしまった感があった。 調べてどんな意味だったのか見てみると一つ一つの言葉に納得できる。とても深い話だった。また機会があれば次の賢治の名作を読んでみたい!

    6
    投稿日: 2020.10.29
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    連載で今回はこの本を解題しました。読んでいただけたら嬉しいです(ダイヤモンドへの無料登録ですぐ読めます)→ https://twitter.com/lumciningnbdurw/status/1320100647161610240?s=21

    1
    投稿日: 2020.10.25
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    「銀河鉄道の夜」や「雁の童子」を読むと、ふさぎ込んだ心がリセットされる。ますむらひろしさんのアニメ版も、音楽含めて好き。

    0
    投稿日: 2020.10.01
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    短編集。意外と初めて読んだ。華やかな情景の描写がすごい。「美しい」を「うつくしい」と書いたり、「冷たい」を「つめたい」と書くのがなんとなく好き。 ただ、終始お花畑世界すぎてチカチカしてくるというか、酔ってしまった。個人的に綺麗なだけじゃない話が良いと感じがちなので好みの問題だと思う。 セロ弾きのゴーシュは好き。

    0
    投稿日: 2020.09.14
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    宮沢賢治といえば本作。あまりにも有名である。宮沢賢治は、特に自然系の描写が素晴らしい。様々な作品が収録されているのだが、作品によって好き嫌いが分かれると思う。

    6
    投稿日: 2020.09.09
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    「銀河鉄道の夜」だけでもう、☆5の価値はある。 定期的に再読したくなる。読後はシン…となる。説明も感情も記述されていないのだけど、賢治が語る情景のみで生も死も宇宙もそこに広がる。 「よだかの星」鷹がよだかに「明日から市蔵と名乗れ」っていうの、笑える。おまえは、明日からイチゾーだ。w

    3
    投稿日: 2020.08.26
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    ケンジのあまりにも有名な童話「銀河鉄道の夜」を読んだ。 童話の形をとりながらも子供にはちょっと難しいかな。 銀河鉄道の夜等を読みながら、何故か悲しくなってしまった。死出の旅立ちが宇宙への旅なのか。 長い暗闇・時間を彷徨う物語達。

    24
    投稿日: 2020.08.22
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    題名しか知らなかったけど、銀河鉄道の夜がこんな物語だなんて初めて知ったし、他の短編も私の好みに合ったから、他の作品も読んでみたいと思った。

    0
    投稿日: 2020.08.10
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    宮沢賢治の想像力豊かな作品集を大人になってから思い切って購入。多感な時期に出会いたかったな。 想像力をフル回転して読んだため多少疲れたが、やはり昔から愛されている作品であるだけあるなと感じた。銀河鉄道の夜は深読みしてしまう。

    5
    投稿日: 2020.08.08
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    2020/07/03 「ひのきとひなげし」以降とにかく読み進めるのが難しすぎて断念 読めるようになるまでもう少し待ってみる (途中までだけど)宮沢賢治初めて読んだけどメルヘン 丁寧語なのが柔らかく感じさせる

    0
    投稿日: 2020.07.06
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    銀河鉄道の夜を読みたくて手に取りましたが、これは新潮文庫版宮沢賢治童話集三冊のうちの一冊ということで、注釈や収録作品の解説、それに年譜まで付いていて、私にとっては「難解」といえる宮沢賢治作品の理解に役立ちました。

    0
    投稿日: 2020.06.28
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    表題の「銀河鉄道の夜」を筆頭に、収録されている作品を読んでいると、非常に美しく、幻想的な世界が頭に浮かんでくる。宮沢賢治自身の言葉を借りるとすれば、非常に「すきとおった」世界である。 彼の思想や境遇等を知っていればより作品の理解がしやすくなるとは思うが、それが無くとも十分楽しめると思う。

    3
    投稿日: 2020.06.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小学校の教科書や発表会、図書館の紙芝居でなんとなく記憶に残っていたお話。それが結構、宮沢賢治のものだったりする。不思議で奇妙なといった印象がぼんやりあったけれど、改めて向き合うと人間への教訓というメッセージ性を強く感じました。 ・銀河鉄道の夜 星や街、銀河の旅の美しい描写のイメージが  強く、今までこの作品に影響を受けたものに  よってイメージが先行していたような気がする。 カムパネルラの果した、自己犠牲。  ザネリを助け、死へと向かう銀河列車で  おっかさんにとってのいちばんの幸は 分からないけれども、誰だって本当にいいことを すれば一番幸だとジョバンニへ告げる。  他の作品にも多くみられるように、自己犠牲の  上の他者貢献。宮沢賢治の考える幸せであって、  今の時代では少し肯定し辛いなとも思いました。  勿論、誰かのためにというのはとても大切な 行動の出発点、動機でありそんな世界で あればきっと心穏やかな世の中なのでしょうが、 自分の人生なのだから、自分が好きなように 生きて良いのではないかと。そういう意味で、  カムパネルラが自分が犠牲になってでもザネリを  助けたい、自分は良いことをしたと思って  死んでいったのであれば、それはそれで良かった  のかなと思います。何が幸せか分からないけど、  幸せになりたいと私はずっと思い続けてますが、  改めて幸せって何なんだろう?って考える  不思議な機会になりました。 また、ジョバンニの家庭事情や、一人仲間外れに  され、漂う孤独感。  カムパネルラのジョバンニへの  気遣いや躊躇い、友人としての申し訳なさ、  こういった場面は、誰しもコミュニティの中で 経験することのような気がします。そのときに、   二人とも何にも憚らず手を取り合えたら、  気を遣いながらも関係性を築けたらと、  自分も中学や高校で友人関係について  悩んだことがあるので、グループとか気にせず  対一の関係を築きたいと思う方で、  今は社会人になって、あまり新しい出会いがない  ので忘れかけていましたが、周囲を気にせず  一人一人と向き合っていくことって  私の中でとても大切なことだと思っています。 ・カイロ団長、猫の事務所  社会的組織で労使関係、理不尽な差別、 そういったものを風刺していて面白い。  大人になってから読んだ方が納得がいきます。

    4
    投稿日: 2020.06.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    子供の頃に読んだ時は悲しい話だなぁ程度にしか感じなかったが、以前改めて読み返したときにイーハトーヴ(岩手)と銀河の景色が重なるとても美しい情景が描かれていることが分かった。ストーリーの内容のみならず美しい描写が際立つ名作。

    4
    投稿日: 2020.05.29
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    「銀河鉄道」の文字だけで心が躍る。 最後は現実に引き戻される。容赦ない。 なんとなく救われた気分もあった。

    16
    投稿日: 2020.05.15
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    収録短編集から抜粋して感想を記述。 ・よだかの星 鷹の市藏というネーミングセンスに笑ってしまったが、食物連鎖の中で彼が食べてきた虫たちに謝り、最終的に燃え続けるようになるのが、切なさを感じる。 星たちが世知辛い話をしていたのが印象的だった。 ・カイロ団長 現代社会に通じるブラックさを感じた。 酒の飲みすぎもそうだが、人に対して無理難題を突き付けると最終的に自分に帰ってくるということを教えてくれる。 童話を書いた人物らしいお話。 ・北守将軍と三人の医者 ソンバーユーが畑を馬で踏み荒らすところでいちいち笑った。この描写いるのかよと思いつつ笑った。 実写化したら腹がよじれるぐらい笑うと思う。 ・銀河鉄道の夜 貧しいジョバンニ少年が友人カムパネルラと一緒に鉄道に乗って旅をする話、と言えば聞こえはいいが、読んでいくと鉄道の乗客はみんなあの世に行くために乗っているような人ばかり。 特に姉弟の話は読んでる方も辛くなった。 ・ビジテリアン大祭 異教徒たちの議論、たとえ話が盛大なるブラックユーモアで読んでて面白い。 最終的には盛大な茶番で主人公が置いてけぼりにされており、自分も主人公と同じ気分になったがぐっと読みごたえがあった。 全体的に切ないものが多かったが、ユーモアセンスがすさまじい。飢餓陣営なども私が中学生の時も笑った記憶があるし、数日前も声上げて笑ってしまった。

    1
    投稿日: 2020.05.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    宮沢賢治は、童話作家が本業だと思っていました。のちに、教員であったこと、農業に力を入れていたことを知りました。 光村図書の6年生の教科書には、「やまなし」の他に、賢治の半生を綴った「イーハトーブの夢」が掲載されています。そこには、賢治の願いは「農作物の被害を少なくし、人々が安心して過ごせるようにすること」とあります。自然災害に打ち勝つためには、人々が協力することが必要であり、協力するためには、優しい心が通いあうことが大切である。その優しい心を育てるために、童話や詩を書くようになった、と書かれています。 童話を書きながら農業も…ではなく、農業のための童話だったのだと知り、そう思って読むと、なるほど、多くの作品に自然が登場するのも納得でした。 また、どこか寓話めいていたり、物語としてどこか物足りなく感じたりというのも、そういう背景があるのなら…と、これまた納得でした。(そもそも、未発表のものが多いということもありますね) 賢治の物語は、イーハトーブを舞台に描かれていることが多いので、「あ、これはあのときの登場人物かも?」と想像するのが楽しいです。 特に、「やまなし」の解釈で、「かわせみは奪うもの、やまなしは与えるもの」という説がしっくりこない…というか、かわせみは悪者なのだろうか…人間(かに)から見たらそうか…と思っていたのですが、「よだかの星」で、よだかとかわせみの会話に、「どうしてもとらなければならない時のほかはいたずらにお魚を取ったりしないようにして呉れ」というセリフがあり、かわせみの視点が見えてスッキリしました。 表題作の「銀河鉄道の夜」は、以前テレビで紹介されていたため、やや難解な話もすんなり入ってきて、むしろ一つ一つの景色が美しくイメージできました。(ただし、カムパネルラが実は…ということを知らずに読みたかったという気持ちもあります。有名な作品だから、内容を知らずに読むのは難しかったとは思いますが) 「セロ弾きのゴーシュ」は、藤城清治さんの影絵の絵本があり、それがもう、素晴らしくて…!今回、絵本もあわせて読み、絵本の言葉は大きく改定されていないのだな、ということがよくわかりました。 寓話めいたものが多い、とは書きましたが、コメディのような作品もあり、その幅広さが面白かったです。 また、天体をはじめとした知識量にも驚きました。 「ビジテリアン大祭」は、「あー、そういう議論になりそう!」と、半分笑いながら、半分自分の立場は、と考えながら読みました。賢治がビジテリアンだったことも初めて知りました。 未発表作品が多いからか、賢治特有の世界観からか、世の中にはたくさんの解釈があります。そして、作品に魅せられた人により、たくさんの関連作品が生まれています。 今回、多くの宮沢賢治作品を読んだことで、それらに出会ったときに、少し深く…というか、厚みをもって接することができるような気がします。 少しずつ他の作品も読めたらいいな、と思っています。

    0
    投稿日: 2020.05.02
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    昔からの友人と、 友人の最後の1日を過ごした。 思い出に残る旅。 星、とうもろこし、鷺、女の子、 印象的なキーワード 情景がふんわり心に思い描くことができた 少年心がある 他の人がこれを読むとどんな景色を思い描くのか、とても気になる これが本の素敵なところなのかも

    0
    投稿日: 2020.04.29
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    (Mixiより, 2010年) 表題作には改めて感動させられます。 
あまりにきらびやかな情景描写なのに、 
それがただの飾りに終わることなく 
読者を引き込む、かけがえのない名作でしょう。 
(南北線の車内でこれを読んでたら、 
なんだか吐き気を催すような違和感を感じました) 

その他も印象的な話ばかりですが、 
リズムの大変良い 
「オツベル~」、また「三人の医者」の話がお気に入りです。 

その他代表作も数多く入っているので、満足間違いなし。

    0
    投稿日: 2020.04.20
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    この本は、家の本棚に積読していましたが、先日、山田正紀さんの『カムパネルラ』という、この本の表題作をモチーフにしたSF作品を読んで、本作も是非よまなければと、いまさらながらですが読みました。 表題作以外の作品も入っていますが、自分の為の記録として表題作のみレビューをします。 この作品は、学校ではいじめに遭い、父は帰って来ず、母が病に臥せっているジョバンニ少年がただ一人の親友であるカムパネルラと共に”銀河鉄道”に乗り、銀河を旅する物語です。 一見、美しい天の川を二人の少年が汽車に乗って旅する、壮大なロマンの物語だと読めますが、最後まで読むと、カムパネルラは、現実世界で、既に川に溺れた級友を助けるために、自らも溺れて死にかけていて、死への旅であったことが最後まで読むとわかりました。 何か別の本で、カムパネルラのモデルが賢治の妹のトシで、ジョバンニが賢治だと読んだことがあります。 以下ジョバンニと、カムパネルラの最後の方のシーンを抜粋。 「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか、百ぺんやいてもかまわない」 「うん。僕だってそうだ」カムパネルラの眼にはきれいな涙がうかんでいました。 「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう」ジョバンニは云いました。 「僕わからない」カムパネルラがぼんやり云いました。 「僕たちしっかりやろうねえ」ジョバンニが胸いっぱい新しい力が湧くようにふうと息をしながら云いました。 天沢退二郎さんの「収録作品について」によると、賢治は第一稿からほぼ十年かけて第四次稿にいたるまで三度の大幅な改稿を試み第三次稿まではジョバンニの入眠はブルカニロ博士による一種の催眠実験であり、博士自ら「黒い大きな帽子をかぶった青白い顔の痩せた大人」の姿で、車内に出現し、ジョバンニにものの見方・考え方や進むべき道を教えさとすことになっていたそうです。

    52
    投稿日: 2020.04.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

      双子の星 ポウセ童子とチュンセ童子が結果的には悪くても、良い行いをし、報われる。   よだかの星 みにくい鳥として生まれたよだかが、しのうと決心した時、自分が食べていた虫がどれだけ辛いかを知り、星となる。   カイロ団長 アマガエルがあることをきっかけにとのさまがえるの手下となり、すごい量の仕事をさせられる。だが、王様が次々に色々な法律を持って放送で流した。その法律により、アマガエルととのさまがえるは、仲良くなった。   黄色のトマト 蜂雀が小さい時に話してくれた物語(ペルペルとネリの物語)   ひのきとひなげし 悪魔がひなげしを食べようとあの手この手と考える。   シグナルとシグナレス シグナルとシグナレスの、恋物語。   猫の事務所 猫の事務所で、かま猫というたぬきのような猫は、いじめられて、黒猫という理事長だけ自分のこと親切にしてくれていました。しかし、かま猫は熱で休んでしまいました。 その時、他の猫が黒猫に嘘をつき、かま猫のことを悪く言いました。すると、翌日から黒猫や事務所のみんなからいじめられました。するとそれをみた獅子は、解散させました。   北守将軍と三人兄弟の医者 ある時、北守将軍が帰ってきた。だが、北守将軍は病気で、馬も病気で、体から全身植物が生えていた。その時、三人兄弟である医者に頼んだのである。そして北守将軍は王に5人の将軍を選べと言われた。将軍は、4人の将軍と3人兄弟の医者を選んだ。   銀河鉄道の夜 ジョバンニがカムパネルラと一緒に本当の幸せとは何かを求め、長い長い旅に出る。   セロ弾きゴーシュ ゴーシュはセロをふくのが上手ではなかった。だが毎晩来る動物に嫌々起こりながら続けてやりセロをふくのが上手になった。   飢餓陣営 砲弾ににやられ、お腹が空いていた軍団の一員は、隊長 の服についている勲章を食べようとする。食べてしまった一員は自殺しようとするが体調がとめ、ある体操を思いつく。   ビジデリアン大祭 ビジデリアンとは、動物質のものを食べない団体で、ビジデリアン大祭で、ビジデリアン信者と異教徒の沢山の議論をする。   

    38
    投稿日: 2020.03.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『銀河鉄道の夜』はジャンプに掲載されてる『アクタージュ』を読んで興味を持った。 アクタージュの中で、「『銀河鉄道のやる』は宮澤賢治の死後に発見された作品で、『本当の幸ってなんだろう』この作品に繰り返し出てくるこの言葉は病床に伏していた検事の最後の人生の疑問」って言葉が印象的で読んでみようと思った。 「本当の幸とは?」と考えさせられる作品だった。 そもそもカムパネルラは、ジョバンニに自分の死を隠し通して幸だったのか、素直に話せた方が幸だったんじゃないか。銀河鉄道の中でカムパネルラの死を知らなかったジョバンニは幸なのか、本当は直接お別れを言って欲しかったんじゃないか。 でも、本当はジョバンニはカムパネルラの死に気づいてたと私も思う。本当はなんとなく気づいているけど、気づいてる自分を見ないようにしてたんじゃないかな、、 この本を読んで、本当の幸福は現状を受け入れることなんじゃないかと思った。この物語でいえば、カムパネルラは自分の死を受け入れていた。ジョバンニも、銀河鉄道から出てから、別れて号泣する場面もあったが、カムパネルラの死を受け止め、そこから前向きにほんとうのほんとうの幸福を探すと決意していた。ジョバンニは銀河鉄道から戻ってからの方が、作品の冒頭よりもいきいきとしでたように感じた。 私的には、ジョバンニが現状を受け入れて、みんなの幸福を探そうとしている姿は、振り返ってみないと気づかないのかもしれないけど、すでに幸福なんじゃないかなと思った。 感想を書きながら、トルストイの「努力は幸せになるための手段ではない。努力そのものが幸せを与えてくれるのだ」を思い出しました。

    2
    投稿日: 2020.03.28
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    美しく、悲しい物語。 銀河鉄道の情景描写は繊細で、子どもの豊かな感性を通して言葉になっているように感じる。 子どもたちの単純な会話の中で、「本当の幸せ」を読者に問いかける。 そして、他人の幸せのために自分の体を使うということを体現した親友の描写は主人公にとって、また読者にとっても衝撃的であり、人生の目的や生き方を顧みらずにはいられないと思った。

    8
    投稿日: 2020.03.10
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    文章の合間に水晶の塵のようにひっそりと光る。繊細な情動が潜んでいる。読んでも読んでも美しくて哀しい、深くて遠い青い世界。

    1
    投稿日: 2020.02.28
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    追い詰められて余裕が無くなって、どうしていいかわからなくなったとき、とりあえず周りを傷つけることだけはやめよう、できれば優しく接しようと思えるようになったのは銀河鉄道のおかげ。ぼくわからないけどね。

    0
    投稿日: 2020.02.22
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    「銀河鉄道の夜」 まるで映像を観ているかのように情景が頭に浮かんでくる。子供の純粋な心が生み出す世界がそのまま言語化されているようで凄く素敵な文章。それに加え内容は非常に哲学的で「幸せ」を主に扱う。それでも結局は人に尽くす事こそが幸せだと伝えている気がして、最近読んだアドラー心理学をふと思い出しました。

    0
    投稿日: 2020.02.06
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    内省して自分の価値観を確かめたいときに読み直すようにしてる 友達を助けてそれが本当の幸いだと思えるカムパネルラみたいになりたい。 昨日ディズニーシーに遅れてきた友達に、タワーオブテラーのファストパスを譲り、自分は一人で下で待っていたけれど、寒さしか感じなかった。まだまだカムパネルラにはなれないなと思った。

    4
    投稿日: 2020.01.20
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    初めて読んだ作品だが、宮沢ワールドというか、不思議な感じがした。100ページも無いのですぐ読める。他の作品も見たいと思った。

    0
    投稿日: 2020.01.04
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    宮沢賢治の人生観 作品全体的に、良い人が馬鹿をみる 本人もそうだったんじゃないか 物語の中では常に機械仕掛けの神を登場させ丸く収める それはまるで金持ちの父親の影響もあったのかもしれない

    1
    投稿日: 2019.12.19
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    漫画「アクタージュ」を読み本作にたどり着きました。ほんとうの幸について考えさせられる作品でした。 短編集も面白かったです。

    2
    投稿日: 2019.12.09
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    「ほんとのさいわいは一体なんだろう。」 どこまでも儚く、 どこまでも美しい物語は、 ドヴォルザーク交響曲9番第二楽章に乗せてイーハトーヴォの世界にいざなってくれる。

    2
    投稿日: 2019.08.16
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    小さい時にも読んだと思うけど、大人になって改めて読んでみた。 これはもう、小説ではなくて、絵本だと思った。 文字を読んでいるはずなのに、頭の中では色彩豊かにその情景がまさに上映されている。 今、どんな話だったかなと思い出しても、色んな場面が絵として出てきます。 すごい!不思議な読書体験でした。 そして、こんなストーリーだったんですね。 ただの鉄道旅行の話ではなかったのか。深い!そして悲しい。 今まで古い本はあまり読んでこなかったけど、文体は確かに読みにくいけどそれを補って余りある面白さ! 天才です。これは確かに名作!!

    3
    投稿日: 2019.05.11
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    誰でも聞いたことがある、けど読んでる人は少ないよねってこないだテレビでやってたので買いました。宮沢賢治の作品は学生時代に授業で触れたオツベルと象、永訣の朝、やまなしくらいだったけど、この一冊を通じて宮沢賢治という人がとんでもないロマンチストなのだと思い知らされた。 作者に対する漠然とした印象として、ネガティブで繊細な人なんだろうな、というイメージがあったんだけど、その孤独によって育まれた想像力がこれだけの作品を生み出す力になっているんだろうなと。 双子の星の話や陽気なカエルの話、自分が好きなバンドのamazarashiが歌詞で使ってるシグナルとシグナレスの話などを楽しみながらたどり着いた目的の表題作品「銀河鉄道の夜」は、まさしくタイトルの通り、美しく切なく燦然と輝く星空をそのまま物語に閉じこめたような傑作。かつて自分が幼い頃に持っていたはずの、今はすっかり枯れてしまったような、文章を通じて無限に想像を膨らませることの楽しさを思い出させてくれた気がして泣きそうになってしまった。二段ベッドの下に弟が、上に自分が横になり、マンションの3階の窓から見える夜景を毎晩眺めながら、その夜空を飛び回る妄想をして眠りに就いていたころが懐かしい。 ちょっと上に書いたamazarashiの「スターライト」という曲が、まさに銀河鉄道の夜を意識して作られた曲になっているので、読んでいる間に何度も頭の中で流れてきた。それはある意味純粋な姿勢で作品と向き合えなかったことになるわけだけども、自分にとってはそれが付加価値となることで、いっそう特別な物語として心に刻まれた。幸福とは何か…それを考え続けることが生きることなのだとしたら、自分はこれからも創作を通じて死ぬまで生きていきたい。その道中で流れる涙は通り過ぎる駅だ。

    3
    投稿日: 2018.12.16
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    不思議な感覚を与えてくれた一冊であった。本書は、いじめられっ子の主人公のジョバンニがあの世へと続く鉄道に乗って大切なことに気づくという物語である。一読した感想は、よく分からないであった。有名な文筆家の宮沢賢治の作品ということもあり、期待していたが、自分の想像力と理解力の無さからか内容と伝えたいメッセージがなかなか伝わらなかった。読了後はなんとも言えない印象を持っただけである。しかし、その後本書の漫画版を読み、インターネットでの解説の助けも得ながらなんとか著者が本書で言わんとしていることが少し分かった気がする。私は、本書には他者のために生きることが本当の幸福であるというメッセージが込められていると思った。日々の生活でもこのことを改めて意識して生きていきたい。

    2
    投稿日: 2018.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2018.10.10 ずっと前に古本屋で買って、読もうと思いながら放置してた本。 やーっと読めた。銀河鉄道の夜だけの長編だと思ってたら短編集だった。 とりあえず、銀河鉄道の夜のみ読了。 思ってた内容と違いすぎた・・銀河鉄道999のイメージが強すぎて、少年とメーテルの宇宙鉄道旅話だと思ってた。生と死、友達、家族、幸せ、自己犠牲など、短篇の中でたくさんの問いかけがあったように思う。けれど読んでいるときには重い内容を感じさせない軽やかさがある。名作として語られ続ける理由がわかった。 また、本作が未完作であることが衝撃。途中途中で(ここから白紙)とか(一文字抜け)とか???と思っていたけど、本当にそういうことだったのか。未完であることで、よりテーマに深みが出ているし、議論の対象となるのだと思う。 未完であることで完成された作品であった。

    0
    投稿日: 2018.10.10
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    限定カバーが素敵なので手に取りました。 宮沢賢治の宇宙を通した文学は本当に美しいです。 「銀河鉄道の夜」に於いては、子供の頃に容易に夢想していた世界観を大人になってから文学として創造できる彼は天才だと改めて感じました。 幼い頃夢見ていたような表現を読むうちに、大人になってぽっかり空いた隙間を埋めてくれるような安らかな気持ちになりました。 「セロ弾きのゴーシュ」は是非後生に於いても幼い子供たちに読んでもらいたいものです。

    1
    投稿日: 2018.08.01
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    生や死、命の形や重さ意味、人の心のうつろい、様々な思考や論理、科学や信仰 と多岐に渡る〝ものごと〟を自ら考察し、宇宙や瞬く星々、動植物、自然 の物語にはめ込んでいく。 その表現力と発想力の豊かさに魅せられます。 無力だけど自分に与えられた畑だけはちゃんと耕して、その畑がいつか後世に少しでも役に立てたなら無駄ではないのかもしれない。

    0
    投稿日: 2018.07.31
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    B913.6-ミヤ 300014081 仕事はとても楽しく、学生時代も楽しかった。でも、たまに孤独感や、不安感、むなしさ、悲しみを感じたりします。同時に、きれいなもの、美しいもの、光り輝いているもの、見たことのない景色、そんなものを見たいと感じます。そんなときは、この本をいまでも開きます。そして、空を見上げたくなるのがこの作品です。理系、文系に関係なく、文学のすばらしさを感じることができ、心の奥から癒やされます。

    1
    投稿日: 2018.07.04
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    なんて綺麗な情景が浮かぶ作品だろう、という誰もが感じる感想が第一。そして、改めてきちんと読むとなんて寂しい作品なんだろうと思う。 出会う人々との端的な会話で、銀河の旅の非日常なひと時の出会いと別れが切なく描かれている。 「みんなのほんとうのさいわい」を知り、自己犠牲も辞さずに「石炭袋」の母の元へ行ってしまうのはいいのだろうか。この結末で尚且つ未完だからこその名作なのか。カンパネルラがいなくなってしまった時が本当に悲しい。

    2
    投稿日: 2018.06.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ドラえもんの銀河超特急を見て、そういえば多くの創作作品の元ネタである、宮沢賢治の銀河鉄道の夜も読んだことないなと青空文庫で読んで見た。想像していたのは子供向けの童話だったが、実に趣深く、大人になってから読んでこそ価値ある一冊だったと感じた。少し読んでから時間が経っている為、やや内容を忘れてしまっているが、美しい情景が露わとされるかのような表現と死に対する考え方、宗教観が印象的だった。

    0
    投稿日: 2018.04.11
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    表題の「銀河鉄道の夜」は、少年2人が銀河を旅する物語だが、ジョバンニの家庭環境やカンパネルラに訪れる結末など、児童書のイメージのある作品なのにそんな夢いっぱいの小説ではない。 全篇どこかもの悲しい雰囲気を帯びている。 一つ一つは短編でアッサリと終わる、だがそのどうしようもなさが寂しく切ない。 でもやはり児童書なのかなと思わせるような、子供のような純粋さのある文章で、明治生まれの作者ということもあってか非常に丁寧な日本語で新鮮だった。 後ろの解説を読んでも不明点が多く、またいつか読み返す日が来るだろうと思う。

    2
    投稿日: 2018.01.28
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    『風の又三郎』や『オツベルと象』を最初に知ったのは、幼稚園で習った歌だったと思う。 しばらくして童話全集を買ってもらい、何度も何度も繰り返し読んでいたが、誰から見ても子どもだったあの頃、宮沢賢治の作品に含まれるさびしさを、私は少しも知らなかった。 そのせいなのか、どの話を読んでも、子どもの頃とは全く違った印象を受ける。 そんな中で、一つだけ昔から印象が変わらない作品があって、それが、この本に収められた一篇、『猫の事務所』だ。 大人になって随分ひねくれてしまった今でも、獅子の登場を素直に嬉しいと思うし、爽快さより、不思議と泣いてしまいたくなるような、安堵を覚える。 かま猫のようにいじめられている訳ではないけれど、いつも心のどこかで、この獅子が自分の元にも現れてくれるのを待っているのかもしれない。

    1
    投稿日: 2017.11.29
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    表題の銀河鉄道の夜他、セロひきのゴーシュ、オツベルと象等の作品が収録されている。 (オツベルと象は私の中学時代の教科書に載っていた。まだあるのだろうか。) 今更この名作を読んだが、童話としては難解なのではと感じた。子供のころに読めばまた違うのかもしれないが。 収録作品を通ずる宮沢賢治の考えに触れることができる。ただ童話というジャンルではなく、全くの大人向けと思う。

    1
    投稿日: 2017.11.19
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    久しぶりに読んだ。懐かしい。 「銀河鉄道の夜」はもちろん「双子の星」「よだかの星」など広がる情景がとても美しい。 カエルやシグナル、植物などあらゆるモノが擬人化されて、とても微笑ましく親近感が沸いてくる。 「双子の星」と「シグナルとシグナレス」がお気に入りです。

    0
    投稿日: 2017.11.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    幼い頃に読んだが、残ったのは綺麗な星空の旅のイメージだった。確かにこの世界の表現は、芸術的で儚く、そして透明感のあるたいへん美しいものだった。しかしこんなにも哀しく、自己犠牲と愛に溢れているとは、当時の私には理解できていなかった。 カムパネルラや青年達のように、「人のために死ぬ」ことがない世界がいい。すべての人が幸せになることが本当の幸せだが、実現するのは難しい。ならば「人のために生きる」ことが本当の幸せだと思いたい。

    0
    投稿日: 2017.08.25
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    私自身、名著と呼ばれる本書を幾度となく手に取り、その度に読了は挫折を繰り返してました。世界観が独特で自分のイメージしづらい部分が数多く出てくるからだと思います。今回、ある友人に勧められ、アニメ版をみてから、原著にあたったところ、読了し、また自分に響くフレーズも発見することができました。ネタバレになるかもしれないので、フレーズ自体はレビューにのこしませんが、一度アニメを見て、原著にあたるのも良いのかなと思い、感想とします。

    0
    投稿日: 2017.07.24
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    ときに哀しい、ときにユーモラスな童話集。印象に残ったのは、銀河鉄道の夜の以下の一節。「なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどうんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠の上り下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。」

    1
    投稿日: 2017.03.23
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    「銀河鉄道の夜」は子供の頃に母が買ってくれて読んだが、どんな話だったかはすっかり忘れていた。大人になって改めて読んでみたら、何とも悲しくて切ないお話でした。

    0
    投稿日: 2017.01.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

     「双子の星」「よだかの星」「カイロ団長」「黄いろのトマト」「ひのきとひなげし」「シグナルとシグナレス」「マリヴロンと少女」「オツペルと象」「猫の事務所」「北守将軍と三人兄弟の医者」「銀河鉄道の夜」「セロ弾きのゴーシュ」「飢餓陣営」「ビジテリアン大祭」収録。  未完ないし欠落されているのものも多い。上手く言いにくいが、文章(特に「地の文」)が絵画的というか、視覚的な印象を感じる。その意味でイマジネーションを掻き立てる作品や音読したくなる作品が多い。もっとも頭も使うが…。  一方、男女の会話の稚拙さについては…。

    0
    投稿日: 2017.01.07
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    今まで宮沢賢治は道徳的な話ばっかりで、いい子向け、っていう感じがしていたのですが、これを読んで全然違うんだと気付かされました。 結構シュール。 何言ってるの?みたいなのもちらほらでした。 あと、未完(紛失?)がすごい多い! 銀河鉄道の夜は小学生の時、中学生の時、ときて3回目でした(多分)。 全然読後感が違う!

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    投稿日: 2016.12.27
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    カイロ団長、セロ弾きのゴーシュが面白かった。どう解釈したらいいのか悩む作品も。 双子の星 よだかの星 カイロ団長 黄いろのトマト ひのきとひなげし シグナルとシグナレス マリヴロンと少女 オツベルと象 猫の事務所 北守将軍と三人兄弟の医者 銀河鉄道の夜 セロ弾きのゴーシュ 飢餓陣営 ビジテリアン大祭

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    投稿日: 2016.11.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    短編集。童話集。銀河鉄道、セロ弾きのゴージュ等が入っている。 角川と慎重岩波などの内容が重なっている部分が多い。

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    投稿日: 2016.10.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    宇宙への知識と想像力が、宮沢賢治的表現方法の一つの柱なんだなぁと思いながら読んだ。 もう一つは「死」の描写。沢山の命を自分一人のものにしてもいいものか、それならば私も誰かのために死にたい。 そして、童話。 道徳的なストーリーなのに、「オツベルと象」の最後の気味悪さ…「猫の事務所」の最後の一言… それにしても「銀河鉄道の夜」は素晴らしかった。儚くて淋しくて哀しくて…そんなジョバンニの話だったのにカンパネルラが座っていたはずの席から姿を消す。ジョバンニは走った。息が切れても走る。その先に… 宇宙と夢と現実が一つになる。

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    投稿日: 2016.09.29
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    宮沢賢治の書く物語は、ある種のアートに近いなと思っている。 なんて言ったらいいんだろう。文章の描写によって立ち現れてくる視覚的イメージが、デザインとして優れているというか。 銀河と鉄道の親和性とか。白鳥の停車場とか字面だけで良いよなぁ。 文学青年よりもデザイナー系クリエイター系の心をくすぐるタイプの文章だと思う。

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    投稿日: 2016.08.26
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    『よだかの星』も好きだけど『銀河鉄道の夜』が一番好き。子供の頃、絵本で読んだのが最初だったと記憶していますが、その頃は綺麗な挿絵に惹かれていたのだと思う。大人になってから読むと、銀河の表現がなんて美しいんだろうと思う。そして、この短い作品の中に宮沢賢治の宗教観、理想、葛藤が込められているのを感じる。『カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ』から始まる二人の会話は結末を知っているだけに、何度読んでもぐっとくる。ほんとうのさいわいは一体何だろう?きっとその人によって違うんだろうなあ。

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    投稿日: 2016.07.05
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    よだかの星がいつでも読めるように購入。 しかし他の作品も素晴らしく何度も読み返している。いろんな風景を想像するのが楽しい!

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    投稿日: 2016.05.17
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    世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない。 僕はきっとできると思う。なぜなら僕らがそれを今考えているのだから。 私はあなたであり、あなたは私である。 すべてのものはつながっている。 人間も動物も、虫も山も、川も岩も、すべてのものが並列関係にある。 人間は自然の分子の一つであり、全ての分子は時間軸を超えて、永遠に互いにつながっている。 ただ口先で相手の幸せを祈るのではなく、自分の体を使って、相手の為になにかする。そうしないと相手は幸福にならないし、相手が幸福にならないと自分も幸福にはならない。 正しく強く生きるとは、銀河系を自らの中に意識して、これに応じて行く事である。

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    投稿日: 2016.05.14
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    2015年12月の課題本でした。 (リバイバル読書会) 開催レポート http://www.nekomachi-club.com/report/29168 ********************** 貧しく孤独な少年ジョバンニが、親友カムパネルラと銀河鉄道に乗って美しく悲しい夜空の旅をする、永遠の未完成の傑作である表題作や、「よだかの星」「オツベルと象」「セロ弾きのゴーシュ」など、イーハトーヴォの切なく多彩な世界に、「北守将軍と三人兄弟の医者」「饑餓陣営」「ビジテリアン大祭」を加えた14編を収録。賢治童話の豊饒な味わいをあますところなく披露する。 (「BOOK」データベースより)

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    投稿日: 2016.01.19
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    童話ってなんだ。子供の読むもの?これは子供にはとてもむつかしかろう。だとすると子供が主人公の読み物?子供のような純真な大人の読む本?

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    投稿日: 2016.01.13
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    死について描かれたお話。 宮沢賢治らしい優しい文体で、詩のように綴られている。読み終わった後の喪失感が切ないが、じんわり沁み渡るように情景が浮かんでくる。

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    投稿日: 2015.12.02
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    ジョバンニとカンパネルラ。2人の少年の物語。ほんとうのさいわいを探すジョバンニ、彼とならどこへでもいけると言った直後の別れは本当に辛かった。 自己犠牲のために死んでいった者たちを乗せた銀河鉄道になぜジョバンニは乗れたのか。母への愛かそれともカンパネルラへの…。

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    投稿日: 2015.11.11
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    一か月前に絵本で読んだけど、ちょっと違う話のような気がした。 こちらは、ページが抜けていたり、いくつも文字が抜けていたり、原作そのものなので、話も固い。 ただ、どちらも、暗い中に小さな灯りがともったような感じで、いい話でした。

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    投稿日: 2015.10.28
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    双子の星 よだかの星  よだかは、実にみにくい鳥です。 カイロ団長 黄いろのトマト ひのきとひなげし シグナルとシグナレス マリヴロンと少女 オツベルと象 猫の事務所 北守将軍と三人兄弟の医者 銀河鉄道の夜 カムパネルラ ジョバンニ (解説)最も美しいといえる箇所 銀河の水の描写  その天の川の水を、見きわめようとしましたが、はじめはどうしてもそれが、はっきりしませんでした。けれどもだんだん気をつけて見ると、そのきれいな水は、ガラスよりも水素よりもすきとおって、ときどき眼の加減か、ちらちら紫いろのこまかな波をたてたり、虹のようにぎらっと光ったりしながら、声もなくどんどん流れて行き、野原にはあっちにもこっちにも、燐光の三角標が、うつくしく立っていたのです。 セロ弾きのゴーシュ 飢餓陣営 ビジテリアン大祭

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    投稿日: 2015.10.09
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    山下先生の推薦で読みました。何が本当の幸せかとかあまり深く考えないからなあ…。心を打たれようにも、おとぎ話が過ぎるというか、いまいち入り込めない。他の人のレビュー読んで自分がいかにピュアな心を失ったか気づいた。

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    投稿日: 2015.10.06
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    個人的な思い出を付して恐縮ですが、 上野の東京国立博物館にて、「銀河鉄道の夜」アニメーションを放映するというイベントがあり、再読しました。 幻想的なのに子供心に「こわい」と感じたのは、『死』や『孤独』を突きつけられ、 また「難しい」と感じたのは「善いこと」とはなんだろう、(その答えはでないもの)だからだろうと感じた。

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    投稿日: 2015.10.04
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    この短編集のどの話も好きだけど、やっぱり『銀河鉄道の夜』が深く胸に突き刺さる。そして、自分なりの解釈も、毎回発展していく気がする。初めて読んだとき、ジョバンニが銀河鉄道に乗れたのは、カムパネルラが慕っていた相手だから、と考えた。でも今回は、ジョバンニは希望もなくなってきており、自分が消えてしまっても良いと思っていて、その不安定な心情から乗ったのだと考えた。そうなってくると、ジョバンニは銀河鉄道に乗り、カムパネルラやおおくのひとと話をする中で、蠍の火のように、カムパネルラのように、死ぬ時は誰かの幸せのために死にたい、そして生きたいと強く想うことができる少年に成長できたのだと思った。この物語を読み終わると、必ず私の周りで銀河鉄道に乗って行ってしまった人たちのことを想う。カムパネルラも、そんな人たちのうちの1人のように感じます。昔から読んでいるからか、思入れもあり、何回読んでも読み終わると涙が流れてしまいます。

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    投稿日: 2015.09.28
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    宮沢賢治の話は大抵誰かが亡くなる。 裕福な家庭に生まれながら金をきらい、 農業指導に従事し、農民と苦しみを分かちあった 宗教に執心し、死者に祈りを捧げた どうせ死ぬならと詩や童話を作り続けた そんな賢治の人生を知らなくとも たとえ話の主題がつかめなくとも 賢治が純粋に生と死を見つめていたこと 孤独の心の持ち主だということはよくわかる だから、私は宮沢賢治を嫌いにはなれない 「銀河鉄道の夜」を読むとせつなくなる

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    投稿日: 2015.09.25
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    ◆ロマンチックで悲しい乗り物「銀河鉄道」◆ 亡くなった人の心を乗せて天国へ向かう「銀河鉄道」。なぜか乗ってしまうジョバンニ。 そこには、友達、カムパネルラも乗っている。窓の外に見える美しくて懐かしい風景。乗っては降りてゆく人たち。そして最後の駅に近づいて・・・。 今、病棟で出会う最期の時を生きる患者さんたちにも、この物語のような穏やかな時を願いたいと思います。読む時でいろいろに考えさせられます。

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    投稿日: 2015.07.14