Reader Store

総合評価

157件)
4.5
91
45
9
5
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    すごい小説だ。 読んでいる間も読み終わった後も、頭がくらくらしている。 一気読みした影響も大いにあるだろうけど、それも含めて話の熱気に充てられたように思う。

    1
    投稿日: 2025.08.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    壮絶だった。のめり込むように読んだ。というか、実際に山を登ったこともないのに、あたかも体験したといってもいいくらいリアルに想像できた。それくらい、筆力がすさまじく、この一冊を書くのにに長い時間をかけたという著者の執念を感じた。 その後、壁のぼりに興味をもったので、いくつか動画をあさって見てみたのだけど、リアルの世界の山登りたちは、本当に命を懸けて、でもだからこそ、楽しそうにしていた。 すごい世界を見せてもらった。

    0
    投稿日: 2025.06.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2016年2月読了、2025年3月小倉昭和館のリバイバル上映で映画を観た。何故登るのか、どう登るのか。マロリーはエベレストに登頂したのか、羽生は南壁を単独登頂できるのか、仲間が滑落した時はどうするべきなのか…。平山秀幸監督と俳優の山中崇さんのトークイベントもあり、現地の様子も語られ、原作と映画で二度美味しかった(笑)

    0
    投稿日: 2025.03.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いよいよ下巻では本格的な登山描写が増えて、とても読み応えがあった。極限の状況下で8,000m級の山に登る精神的、肉体的な辛さがこれでもかというくらい伝わって来た。苦しい中で自分の弱さと向き合う姿には普遍的なものを感じた。 とても面白かったけど、もう一回読みたいかと言われると微妙かも?アニメや映画など他の媒体のものを見てみたい。

    0
    投稿日: 2025.03.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どこまでも写実的に登山という行為にかける人々を描いた物語。山のことはぼくはよく判らないのだけれど、結局のところ男というのは何らかの「山」に登る生き物なのですよ。「そこに山があるから」というのが誰の言葉であるかさえこの物語を読むまで知らなかったけれど、その言葉に妙に納得した気分になってしまうのは、やはりぼくも夢とやらを捨て切れない男のひとりであるということか。夢枕氏がうらやましくなってしまうのはぼくだけだろうか。かなり毀誉褒貶がわかれているようだけれど、ぼくは傑作だと思う。何よりも熱い。忘れていた何かを思い出させてくれるような、そこはかとなく暗い熱さだよな。かつて何かを追い、そして果たせなくて歯噛みして泣いた経験のある男たちならば、この熱さが判るはずだよな。女性たちもまた夢を追うことがやっと可能になった時代だから、自分の中にくすぶる思いとしてこの物語に賛同してくれる女性の方々もいるだろうし、よしんばそうでなくても、自分の傍らにいる男どもの熱さとして感じて下さった女性たちもいらっしゃるだろう。何かを捨てられずにいるということをあほうな男どもは理解してほしいと思っているものなのですよ。これ、そういう意味ではじつに男に都合よく描かれているかもなあ。何にせよ、「書き残したことはありません」という作者の言葉には何の虚勢も計算もないんだろうと思うぞ。写実的にやっているはずなのに、幻想的でさえあるものなあ。ラスト数ページで不覚にも涙があふれてきて俺は困ったぞ。くそう、やるじゃないか。俺もこんなふうに燃えてみたいものだ。ぬるま湯の生活に、しかし見切りをつけられる男たちなど数えるほどしかいないのもまた事実、それだからこそこの物語は男どもにとって大いなる慰めになるのだよ。

    0
    投稿日: 2025.02.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    後半は人間味あふれるところが多く やっと謎も解けて 山登りに集中できた 感動した 実在の登山家達を調べずにいられなかった

    0
    投稿日: 2025.01.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いつか読もうと思っていたが、忘れていた本。最近山熱も上がってきており、手に取る。漫画版はちょろっと読んだけどな。 登山史のミステリーとされる「エベレスト初登頂の謎・マロリー伝説」に迫ろうとするところから始まる、登山写真家の小説。 常人の域を超えた山男の信念、パワー、山の怖さ、ヒマラヤ、ネパールの国事情にまで触れられ、小説としてだけでなく、幅広く知識欲を刺激してくれる。 私もルクラまで行ったことがあるが、その前にこの小説に出会えていれば、持っていければもっと楽しかったのに、私はこの場所の意味を理解していなかったのだなあと思い知らされる。 本著者のイメージは、何か奇抜なものを書く作家(名前も名前だし)と思っていたが、こんなにも熱い本が書けるとは、上下2冊の厚い本を一気読みしてしまった。また別の作品も読んでみたい。

    0
    投稿日: 2024.10.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    友人に勧められて読んだ。 山に興味がないので自発的に手に取ることはない本だがとても興味深かった。 そもそもエベレスト登山と簡単に言っても、実際に開始するまでに準備が大変なことも知らなかった。そしてそもそもの話、なぜ山に登るのか。 理解できるとは言わない、だって、なぜ生きるのかさえ答えがないのだから。 だけど、納得はした。

    0
    投稿日: 2024.09.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    何と言う力強い作品。夢中になって、下巻を1日で読了した。羽生という人間の強烈な個性と、エベレスト登山という過酷な挑戦の魅力に取りつかれてしまった。 ラストシーンもとてもよかった。 すばらしい作品だった。これだから読書はやめられない。

    0
    投稿日: 2024.08.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読了後の達成感が凄い。全く読むのがしんどいという訳ではない。自分も一緒に山に登った気分になる。 没頭して読んだ。最高!!

    1
    投稿日: 2024.07.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    前人未踏の「エヴェレスト南西壁無酸素単独登頂」を目指すのは、登攀中にパートナ-を死なせた罪障感に悩む伝説の男・羽生丈二。酸素濃度が地上の1/3という頂上付近では、手足が硬直し、幻覚や錯乱状態に陥る可能性があるという。 そんな過酷な単独登攀に挑む羽生を追って、雪壁を登り、カメラの焦点を合わせるカメラマン深町。 本作は、圧倒的迫力と克明なディテ-ルで、神に許された者だけが登頂を許される「神の領域」が描かれた、魂を揺さぶる圧巻の山岳大冒険ミステリ-大作。〝 「何故、山に登る?」 「マロリ-は、そこに山があるからだと、そう言ったらしいけどね」...「違うね」「違う?」「ここに、俺がいるからだ。ここに俺がいるから、山に登るんだよ」...「あれは、麻薬だな・・・」「麻薬?」 「そうだ。一度、山で岩の壁に張りついたら、そこで、あれを味わったら、日常なんてぬるま湯みたいなもんだ・・・」〟

    6
    投稿日: 2024.05.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    上下どっちでも主人公がずっと言ってた、 人は問題をクリアにして次に進んでるんじゃなくて、問題を抱えながら、また次の問題にも立ち向かってるっていうことはすごく理解できた

    0
    投稿日: 2024.05.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最上の読後感! 北極、南極と並ぶ三大極地エベレスト山頂。高度8,000m。ジェット機が飛ぶ高さ。地表という枠を外せば宇宙や深海に並んで人間を寄せ付けない場所。自然vs人。そんな俯瞰の知ったかなどはねのけるように、泥臭いほど人間の一人称視点によって切り取られている。 ──神聖な場所だから人はそこを目指すのか。あるいは人が目指すからその場所が神聖になるのか─ なぜ山を目指す人間を描くのか。 風景がくどいほど説明されているわけではない。主人公を除けば、人物の背景も大して語られない。それなのに凄まじい没入感が襲ってくる。まさに極地にいて、歯をガチガチと鳴らし、足を震わせ、生死の境目がびったりと背中に張り付いているような恐怖すらせり上がってくる。これはすごい。 極限の世界を描きながら、徹底的に自分vs自分を掘り下げていく。ほかの「誰か」ではなく、まるで自分のストーリーのように感じられる。なぜ山を目指すのか。 ── そこに山があるからじゃない。ここに俺がいるからだ。それしかやり方を知らないから登るんだ─ 自分はいま、どんな山を登っているんだっけ?! と思わず振り返りたい衝動に駆られた一文。 このセリフの余韻にしばらく泣きそうになった。今も。 またここでも、軽はずみなTVコメンテーターの批判や世間の反応に苦言が添えられている。「山の危険性を軽視するから事故に遭う」「糞の放置なんてモラルがなってない」「周りに迷惑」 作者はザイルを打ち込む。誰一人として山を軽視している者などいないと。 あとがきで知ったことだけど、夢枕獏さんご自身が登山家でヒマラヤの経験をお持ちらしい!この作品で「出し切った」と5回くらい連呼するほどの思いがぶち込まれている。それを軽めなテンションで語るのは人柄か。おかげで感動と納得感がさらに増した。 最近こういった本ばかり読んで自分にも変化が起きた。ニュースを見ても、すぐ馬鹿にする気にならなくなった。裏では何が起きていたのか、どんな心理だったのかを想像するようになってきた。どこまでいっても自分vs自分。今さら何をと言えばそれまでなんだけど。 本が血肉になるってことのひとつなのかなー。 山岳小説。 これはぜひもっと手を広げてみよう。

    27
    投稿日: 2024.03.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とにかく没頭してしまいました。 羽生という男の素性が明らかになっていく上巻を助走に、一気に物語が動き出す下巻は圧巻でした。 山に生きる男が山に登る、ただそれだけを直球に描いた作品を通して、男にとっての山と読者である自分にとっての人生がリンクして、相当のめり込めました。 登山の知識や経験は全く必要なく、まっすぐに楽しめます。最高でした。

    2
    投稿日: 2024.02.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なぜ命を賭してまで山に登るのか? それはなぜ生きるのかと同じ問いだという。 そこに山があるから登るのではない。 オレがいるから山に登るのだと羽生は言った。 生きることに意味がないのと同じように、山に登ることに意味はない。 生きた時間の長さではなく、生きた時間の濃さなのか? 私にはわからない。 そこまで危険と隣り合わせな濃い時間を過ごしたことがないから。 私はできるだけ安全で安心に生きたいと思う。 けど、そこまで、命を賭けれるものがあって、闘っている熱い男たちに惹かれるし、羨ましいと思う。

    6
    投稿日: 2023.09.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    【神々の山嶺】 夢枕獏の最高傑作!! どうだ!!と叩きつけられるような本でした。 昨年のアニメ映画じゃ全然伝わってなかった…。漫画もあるけど、これは絶対に小説で読むべき。この熱量はそんな簡単にトレースできない。 山岳小説ど真ん中!ストレート一筋。超どセンターを一切躊躇なくこれでも足りないか!というほどに叩き込む。磨きこまれてるが、ゴツいダイヤモンドのような物語。 もうこれ以上熱くて面白くて夢中になれる山岳小説はないんじゃないか。今後出てこないんじゃないか。と、思ってしまうくらい圧倒的な作品。こんな本があったのか…夢枕獏、恐るべし。 あとがきの「書き終わって体内に残っているものは、もう、ない。全部、書いた。全部、吐き出した。力及ばずといったところも、ない。全てに力が及んでいる」という文に嘘偽りない名作である。 史上最大の山に挑む羽生。 それに食らいつく深町。 下巻、エベレスト南西壁トライの描写は、とにかく凄まじかった。言葉から呼吸を、魂の息吹を感じた。頭がおかしくなるんじゃないか、というような表現が何度もあり(実際頭がおかしくなりつつあるシーンなのだが)高所の極限状態が見開きの紙の世界に広がっていた。 山とはなんなのか。 なぜ人は山に登るのか。 マロリーは「そこに山があるから」と答えたが、 羽生は「ここに俺がいるからだ」と答える。 山に登る理由なんてない。 別に頂上に欲しいものがあるわけじゃない。 ’’無理にいうなら、山に登るというのは、自分の内部に眠っている鉱脈を探しに行く行為なのかもしれない。あれは自分の内部への旅なのだ。’’(引用) この言葉は、多くの登山者に響くのではないでしょうか。山やってれば何度も聞かれる「なぜ山に登るのか?」という質問。毎度用意していた理由を答えてしまう、この問い。こんな難しいことを聞くものじゃないよな。と改めて思う。 ''岩壁で死と向き合わせになった瞬間にしか出会えない、自分の内部に存在する感情。世界との一体感。''(引用) あの背中に張り付くような、緊張と集中と魂の鼓動のような押さえようのない感情。それこそがクライミングの醍醐味であり、逃れられない魂が欲するもの。だからやめられない中毒性があるんだ。 そんなことを書いたけど、まだまだ私にはその一部分の楽しい部分しかわかりません。が、深町という主人公の目を通して、その一部を追体験できました。 悪天ビバークの後、風が止んでテントから顔を出した時の、 ''無数の無名峰。 その中で1人だけ生きている 1人だけ、自分だけが呼吸をしている あー、かなわない。 この巨大な空間。 圧倒的な距離感。 人間が、この自分が、この中でどのようにあがいてもかないっこない。深町はそう思った。 絶望感ではない。 もっと根源的な、肉体の深い部分での認識であるような気がした。人の力がこの中で、いかほどのことができようか。 人が何をしようが、何をやろうが、これは何ほどもゆるぎはしないだろう。 深町は小さく身震いした。 冷気とともに自分の内部に宇宙が染み込んでくるようであった。''(引用) このシーンがすごく好きです。 山って広大で、登るたびに自分の小ささを思い知らされるんですが、それって別に絶望じゃないんですよね。 全は一、一は全。自分が世界の一部になったような感覚。元々世界の一部なんだけど、普段はそんなこと考えてないし。 その感動と同時に、それはそれ、として、結局大事なのは自分が何をしたいか、何をするのか、自分が今なにの途上であるのか。ということにも気づける。それが大事だし、それを大切にしたいから、私はこの先も山に登り続けるのかなって思います。 これ、マジですごい本です。 エベレスト、見に行きたい。 ベースキャンプまで行ってみたい。 著者は何度もカトマンズやベースキャンプまで足を運んで、20年以上かけてこの作品を仕上げていて、知れば知るほど抜かりなく、魂を込めて書き上げた作品なのだと知らされます。これが、ただの文字の集合体って思うと、文字という文明はすごい。と、、もうわけわかんないとこから感動してきました。 これが新品で文庫上下巻合わせて2000円以下って、コスパ良すぎじゃないか…しばらく何読んでも見ても損した気分になりそう…。いや、待てよ…そう考えると、本当はコスパ、悪いのか…??

    0
    投稿日: 2023.07.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    孤高の登山家、羽生丈二の生き様がすごい。燻る中年カメラマン深町との対比で際立ってくる。 8000メートル超の極限世界の自然描写とそれに挑む登山者の心理描写が凄まじい。なぜ山に登るのか、素人には全く理解できない世界だけど、ぬくぬくした平地の温暖な部屋で読んでいてもヒリヒリした感覚が伝わってきた。

    0
    投稿日: 2022.09.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ほぼノンフィクションを読んでいるような感覚でした。 こんなにも死が迫る状況を詳細かつ、臨場感を持って書く。 本当は登った? 実際にエベレストを登ろうとは思わないけれど、 山という名の自分だけの目標に登りたくなる。 なんのために登るのか。

    0
    投稿日: 2022.07.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    夢枕獏さんの名は知ってましたが、作品は初読み。むかしむかし新田次郎さんの山岳小説や植村直己さんの冒険記を良く読んでました。そんなワクワク感は後半からでしたが、真相がわからない事実と絡めながらミステリーの雰囲気もあり、楽しめた一冊でした。

    0
    投稿日: 2022.07.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    圧倒的スケールまるで自分が体験してるかのごとく伝わってくる。山のことは何にもわからないのに、寒さや怖さ幻聴や幻覚全てが自分のごとくやってくる。 素晴らしい本だった。

    0
    投稿日: 2022.07.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山登りも人生も同じなんだなとつくづく思う。 なんのために登ってるのか?ってなんのために生きてるのかって明確な答えは持ち合わせていないけど、山登りなら登頂を目指すし、何かしららの目標とかに向かって突き進んで行くだけで、それを達成してもまた次の目標を追いかけるだけで、それは与えられるものではなく自らが掴みにいくものなんだなと。そしてそれで死んでしまってもそのときに何の途上にいるのかがすごく重要であり、自分の人生を悔いなく生きたと言えるんだなと。

    0
    投稿日: 2022.07.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「夢枕獏」の長篇山岳小説『神々の山嶺』を読みました。 『ナショナル ジオグラフィック 2003年5月号 エベレスト初登頂50周年』を読んで、「ジョージ・マロリー」はエヴェレストの初登頂に成功したのかどうか… ちょっと気になって、本作品を読みたくなったんですよね。 -----story------------- <上巻> カトマンドゥの裏街でカメラマン「深町」は古いコダックを手に入れる。 そのカメラは「ジョージ・マロリー」がエヴェレスト初登頂に成功したかどうか、という登攀史上最大の謎を解く可能性を秘めていた。 カメラの過去を追って、「深町」はその男と邂逅する。 「羽生丈二」。 伝説の孤高の単独登攀者。 「羽生」がカトマンドゥで目指すものは? 「柴田錬三郎」賞に輝いた山岳小説の新たなる古典。 <下巻> その男、「羽生丈二」。 伝説の単独登攀者にして、死なせたパートナーへの罪障感に苦しむ男。 「羽生」が目指しているのは、前人未到のエヴェレスト南西壁冬期無酸素単独登頂だった。 生物の生存を許さぬ8000メートルを越える高所での吐息も凍る登攀が開始される。 人はなぜ、山に攀るのか? 永遠のテーマに、いま答えが提示される。 「柴田錬三郎」賞に輝いた山岳小説の新たなる古典。 ----------------------- 上下巻で1,000ページ強… 久し振りの長篇作品でしたが、面白くて飽きることなく読了できました。 終わって欲しくない… 読了するのが名残惜しい… 愉しめたので、読み終わる前は、そんな気持ちでしたね。 小説を愉しめるかどうかって、物語の中にどれだけのめり込むことができるか… 登場人物にどれだけ感情移入できるかに左右されるのですが、本作品はどっぷり主人公「深町」に感情移入しちゃいましたね。 まるで自分が「羽生丈二」と一緒にエヴェレスト(サガルマータ、チョモランマ)南西壁冬期無酸素単独登頂を追跡しているような気分になれました。 それにしても、登攀中(遭難しかけた際)の「深町」の心理描写や「羽生」が遭難した際の手記等は、ホンモノじゃないかと思えるくらいリアルで鬼気迫る内容だったので、それが感情移入できた要因のひとつなんでしょうね。 「植村直己」や「田部井淳子」、「野口健」等、エヴェレスト登頂に成功した登山家の著書よりも、リアルな感じがするほど、緻密で迫真の描写でした。 8,000メートル級の山に登るってことは、本当に命懸けのことなんですよね… 改めて実感しました。 本作品は山岳小説というジャンルの作品になるんでしょうが、、、 「ジョージ・マロリー」のカメラの発見により、「ジョージ・マロリー」がエヴェレスト初登頂に成功したかどうか… という謎解きを巧く絡め、ミステリー小説の要素や冒険小説の要素も持ち合わせた愉しめる作品に仕上がっています。 私の稚拙な文書では、とても巧く伝えることができないので、詳細については触れませんが、、、 あまりにもストイックに登攀にのめり込むため、登山仲間にも馴染ず、他者を寄せ付けなくなった「羽生丈二」と、「羽生」のことを調べるうちに、「羽生」の魅力にとりつかれ、エヴェレスト南西壁冬期無酸素単独登頂では行動を共にするようになる「深町」との間に、徐々に信頼感が芽生え、絆が生まれるまでの展開が、とても好きです。 人が人に対して心を開くっていうのは、やはり熱意なんでしょうねぇ。 「深町」がチベット側からエヴェレスト山頂を目指すエンディング… 遭難しそうになって、彼が発見したものは、、、 真実がわからずモヤモヤしていた胸のつっかえが取れ、良かったなぁ… と思えるシーンでしたね。 「深町」の運命と「羽生」の執念を改めて感じた場面でした。 あと、終盤、「羽生」と北アルプス屏風岩を登攀中に遭難死した「岸文太郎」の死の真実… ザイルパートナーの「羽生」がナイフでロープを切ったという噂もありましたが、まさかの真実でしたね。 う~ん、言葉が出ませんでした。 それにしても、登山や登攀だけに限らないことですが、何かに我武者羅に打ち込めるっては、イイことだと思いますねぇ。 生きることの意味… 答えのない問ですが、本書を読んで考えさせられました。

    0
    投稿日: 2022.05.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山岳小説の中でも群を抜く作品。上下巻に分かれる作品なのに数日で読んでしまった。山に挑む緊張感が伝わってきて、自分まで登頂した気になります。オススメ!

    3
    投稿日: 2021.10.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    河野啓の「デス・ゾーン」を読んでいる中で、夢枕獏の「神々の山領」を知った。山岳小説でこんなに面白い本があるのかと驚いた。八千メートル級の山を登る困難さを、映像ではなく文章で表す技量が見事。ストーリーも秀逸で最後の展開に舌を巻いた。20年以上も前に書かれた本だが、出合えて良かった。

    0
    投稿日: 2021.07.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    カトマンドゥで別人として生きる羽生丈二が 狙うのは、エヴェレスト南西壁、前人未到の 冬期無酸素単独登攀。深町は彼を追って エヴェレストに入る。羽生の挑戦の行方は? 深町が目撃したものとは?

    0
    投稿日: 2021.06.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    やっとよみました。上下巻の感想です。 漫画の方を読みたいなと思って数年たってしまい、結局読んだのは小説の方。有名なだけあって面白くないわけはない。これだけ長いのに漫画のようにするすると読めてしまった。 ひとつ気になったのは女絡みの話が多いこと。 山の話をわざわざ手に取る以上、山に人生を捧げた狂った人間の話が一途に読みたいところ。 主人公がやたらと別れた女や新しい女に言及していてうんざりしてしまった。女々しい。。。羽生との対比が際立つにしても、もう少し主人公には格好良くあってほしかった。 特に誘拐とか現地妻とかそのあたりの話はいらなかったなぁというのが、恋愛ものが苦手な自分の率直な意見である。

    0
    投稿日: 2021.06.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    エベレスト登頂に至るまでの道のりがどれだけ過酷なものなのか知る。デスゾーンの意味も重みも、小説の形でそこに置かれた人の状況や思考で語られることでようやく少し理解できたように思う。 極限で己を奮い立たせる羽生や深町の姿に、「生きるとは」と考えさせられる。

    0
    投稿日: 2021.05.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    あらゆるものを犠牲にし、とてつもない時間かけて準備して山に挑む羽生の姿がすごい。 極寒の絶壁で羽生の筋肉が熱をもって、迷うことなく登っていくみたいな表現があって、これはもう神の領域だなと思った。それだけ神聖な状態になった人間に圧倒されさた。これは神になろうとした男の物語だった。 途中ちょっとついていけなくなるくらいの自問自答シーンに戸惑ったり、予想通りのラストに苦笑いしたりだったけど… それをひっくるめてもお釣りがくるくらいの熱量の物語だった。

    0
    投稿日: 2021.01.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山のシーンがとにかく圧倒された。こっちまで空気が薄くなってハアハアしてしまう。山に取り憑かれた男達の物語。良かった。

    0
    投稿日: 2020.11.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    極地探検家や登山家はどのようなことを考え、なぜ危険な状況へ身を置くのかを知りたいと思って読み始めてみたが、予想していた以上に骨太の人間ドラマだった。 作中様々な「山屋」が登場するのだが、語り部の深町を含む多くが何らかの形で仕事などの現実に縛られているのに対して、どこまでも人間関係に不器用ながら一途に山に生きる羽生が好対照をなしていると思った。また、実際にエヴェレスト登頂を試みたまま帰らなかったジョージ・マロリーのカメラをめぐる謎解き要素もあり、読んでいてだれることがなかった。山に登る人間以外にも、現地で出会う元グルカ兵や老シェルパなどのキャラクターの人生や、外貨獲得の手段に乏しいネパールは観光客を呼ばなければならないが、その自然が観光客を呼ぶほど破壊されていくというネパールの現実が物語により深みを与えていた。 8000メートル級の山の中では、あまりにも空気が薄いのでただ眠るだけで体力を消耗し、おびただしい数の脳細胞が死んでいく。幻覚さえ見え始め、高山病で死んでしまうこともある。羽生の手記や地の文で高山病の症状が現れた影響に触れられている箇所がいくつかあるが、手袋をしているから脈をとれないことに気づけず、脈をとろうとして手袋を外してしまい、外気にさらされたために脈が取れなくなるのに自分の中で意識が堂々巡りしてそれに気づけない描写が特に生々しく恐ろしかった。何故こんなことをしているのか、投げ出してしまえば楽になるじゃないかと自分が語り掛けてくるところは長距離走の最後の方できつすぎてよくわからなくなってくる時間を思い出して本を読んでいるだけなのに苦しくなった。 当初の目当てだった山を登る人間の心情は細かく描写されているし、山を登ることへの理由は、深町が羽生のことを調べ始めてからの内面的変化の過程にその答えが語られている。羽生に影響されて深町がそれを自覚したように、読者も深町を通してそれを感じることができると思う。

    13
    投稿日: 2020.06.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白く読んだし、手に汗握る部分も多かったのだが、頭の片隅に植村直巳や長谷川恒男の体験記がダブってしまう。そうするとちょっとずつ醒めていく感覚がしてしまった。

    0
    投稿日: 2020.02.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山の魅力、山の怖さを 存分に堪能出来る骨太の作品。 羽生が山に挑む姿には狂気さえ感じる。 ネタバレしたくないから、書きたい事が書けない(笑) とってもボリューミーな本だけど 山の事だけでなく、複雑に色んな話を描いているので知らなかった事が沢山!!でした。 とにかく、迫力満点!! 力強く、また悲しいぐらいに山を愛する伝説的クライマーの生涯。 オススメしたいですm(*_ _)m

    5
    投稿日: 2019.06.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山岳小説を読むのはほとんど初めて。 タイトルからしてただ山に登るだけのストーリーかと思っていたが、人間ドラマが濃密に描かれた、人の生きざまを描いた作品。 ネパールのカトマンドゥ、怪しげな古道具屋で主人公があるカメラを手にとったことで物語は動き出す。 そのカメラは、かつてエヴェレスト登頂に挑戦して帰ってこなかったイギリスの登山家、ジョージ・マロニーのカメラと同じ型のものだった。 そのカメラを通して、羽生という山に生きる男と出会い、主人公は羽生に惹かれていく。 本作品の発刊後、ジョージ・マロニーは遺体で発見されたのだが、カメラは実際見つかっていない。 マロニーはエベレストの初登頂を果たしたのかどうか。 そのカメラのフィルムには、真実が写っていると言われている。 上記のような史実をミステリー要素として組み込み、上下巻のボリュームでもさらさらと読めていく。 発刊されたのは20年以上前だが、気になることは特にない。 羽生というキャラクターは実在した日本人の登山家をモデルにしたと言われている。 カトマンドゥの町の熱気、高山病、標高5000mより上の登山環境、ベースキャンプの様子など、緻密に描かれており、特に高山病の描写(幻覚、幻聴など)は読んでいるこちらまで苦しくなる。 「エヴェレスト南西壁冬季無酸素単独登攀」、人類が成し遂げたことのないことへ挑戦する羽生と、それをカメラで追う主人公。 最後に羽生が残した手記が心に刺さる。 「ありったけのこころでおもえ。想え。」

    5
    投稿日: 2019.05.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    柴田錬三郎賞、解説:北上次郎 グルカ◆シェルパの里◆母の首飾り◆山の狼◆氷河へ◆アイスフォール◆灰色のツルム◆真相◆頂へ◆神々の座◆山狼伝◆未踏峰 著者:夢枕獏(1951-、小田原市、小説家)

    0
    投稿日: 2019.04.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    複数感を平行に読破で残していた1冊。たかが半年ぶりだし、内容も濃いので余裕。 伝説の登山家、羽生を追ってネパール入りしたカメラマン深町と元羽生のアンザイレンだった兄を登山で亡くした岸涼子。マロリーのものと思われるカメラは取り戻したが、本当の目的はカメラではなかったはずだ…。 ということで、登ります。しかも単独登攀なので、本の真ん中辺りからはひたすら自問自答が続く。また、極限状態で思考がままならなくなるあたりも、経験がなくともわかるように描かれている。 上巻に比べると、資料をたくさん織り交ぜると言うよりは、とにかく力技でグイグイ押すタイプの話になっているが、内容の濃さと登場人物を絞り込んだことで、長編と感じさせないスピード感があるであろう。 Wikipediaによると、モデルとなった森田勝という人のエピソードとは相当変わっているようではあるが、これがまた別の山の話に移っていたら、こうはならなかったであろう。 作者も「全て書ききった」と書いているが、本作の圧倒的なパワーは一読する価値があるであろう。「作家には15個の椅子があるが、今ひとつ空いている。少し前まで『新田次郎』という作家が座っていた椅子です」には笑った。

    0
    投稿日: 2018.12.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ヒリヒリする… 山の中で独りという体験は何物にも代え難くクセになる。その気持ちは痛いほどわかる。 全てが自分自身にかかってくる…そのなんとも言えない陶酔感。 でもダメなのだ…と思う。 帰ってこなければダメなのだと思う。 とにかくヒリヒリしました。

    0
    投稿日: 2018.09.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かった 山岳小説+ミステリー 二人の漢の熱い物語 いよいよ下巻です。 下巻では羽生が人生をかけて目指していたものが明らかになります。 「エベレスト南西壁冬季無酸素単独登頂」 その羽生に対して、深町が同伴できるところまで上って写真をとろうとします。 そして、いよいよ出発。 二人の運命は? といった展開。 下巻では冬山の厳しさが伝えられてきます。 二人の登山の描写がメインの展開です。 登山を知らないので登山道具の名称や使用技術が理解できませんが、その過酷さがひしひしと臨場感もって伝わってきます。 さらに、その描写に圧倒されます。 彼らの人生そのものが、山に登ること、自問自答していくことにより明らかになっていきます。 そして、クライマックス。 熱いものがこみ上げてきます。 これは、すごい とってもお勧め

    1
    投稿日: 2018.04.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    圧倒された。 独白って読むのしんどいんだけど、この作品はすごく効果的だったし、山で一人で登っている感がすごく伝わってよかった。 こう言う作品って最後が難しいと思うんだけどすごく相応しい最後だった。 2018.1.10

    2
    投稿日: 2018.01.10
  • 凄い迫力、どんどん吸い込まれます

    凄い小説を読んでしまいました。文章にこんな迫力、鬼気迫る圧を感じさせることが出来るのかと驚きながら一気に読んでしまいました。

    0
    投稿日: 2017.09.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    内容(「BOOK」データベースより) カトマンドゥの裏街でカメラマン・深町は古いコダックを手に入れる。そのカメラはジョージ・マロリーがエヴェレスト初登頂に成功したかどうか、という登攀史上最大の謎を解く可能性を秘めていた。カメラの過去を追って、深町はその男と邂逅する。羽生丈二。伝説の孤高の単独登攀者。羽生がカトマンドゥで目指すものは?柴田錬三郎賞に輝いた山岳小説の新たなる古典。 熱いです。今回3回目の読了になりますが熱量が下がらず読めます。山岳小説の金字塔と言ってもいいのではないでしょうか。映画化の話しを聞いて一抹の寂しさを覚えました。何となく遠くなってしまうような・・・。 マロリーのカメラの行方を軸にはしていますが、メインはあくまで羽生の単独行の激しい歯ぎしりの聞こえるような存在感であります。筆者も巻末で書いていますがこれ以上の加筆や練り込みは不必要だろうと思う位全力投球の本です。山岳小説好きであれば絶対に読んで欲しいです。

    0
    投稿日: 2017.01.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    たいへん熱い本でした。 ただひたすらに男が山に登る話でした。 いろんなものを捨てて山に登っていました。 山に登るために生きているような、違うか、物語の中では、山に登るということは生きることなのだ、と語られていたような それくらいストイックな登山小説でした。 登攀 が とうはん と読むのを初めて知りました。 この羽生や深町は空想上の人物だけど、マロリーは実在の登山家。 物語の序盤でマロリーのことをググったらまさかのこの小説のオチがかいてあるページにたどり着いて早々にネタバレでああああああああってなった経緯もあり、終着点は見えていたけどそれでも壮大で物語の展開が気になってのめりこんだ。 面白かった! 読んだ後しばらくは登山の世界ではーとかヒマラヤではーみたいなことを口走りがちになった笑 深町も羽生も、正直人としてあんまりすきじゃないけど、なんだかんだでかっこいいと思った

    0
    投稿日: 2016.11.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2016.11.19 熱のこもった文章とストーリー。 筆者の人間性まで見えた気がする。 あまり好みではないが大作だ。 これを映画化は無理だろ〜と どの程度別物になってるのか見てみたい気もする。 ♪olafur arnolds late night tales

    0
    投稿日: 2016.11.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大満足。ただの山岳小説ではないのが良い。 もちろんエベレスト登頂を目指す本格山岳小説ではあるのだが、史上初のエベレスト登頂の証拠品のカメラの謎を追うミステリーであると同時に、物語の大半は一人の天才クライマーに魅せられた男の、壮絶なまでの自己の内面との対話だ。 その自己の内面との対話が実にリアル。 物語のクライマックスも、間延びすることなく一気に終息。映画みたいな出来すぎの終わり方ではあったが、そこがまたいい。 2016/11

    0
    投稿日: 2016.11.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    圧倒的な濃さで描かれるエベレスト登攀の物語。 かなりのボリュームの作品ですが、上下巻を一気読みさせられます。 最初はちょっとミステリーチックに始まるので面白そうと思っていたのですが、実態は超現実的な山岳小説でした。 そして、それ故に、登山をしない自分としてはちょっとその辺りの熱量、内容の濃さを冗長に感じてしまう所もありました。 しかし、最後まで読むと、最終章の手記がより一層胸に刺さり、こみ上げるものがあります。そこは流石の一言。

    1
    投稿日: 2016.09.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    登山に興味のない自分が上・下合わせて1000ページを読み切る事が出来るのか不安だったので、まず上だけ購入し読み始めた。一気に上を読み終え下に突入。誘拐事件解決からラストまでは緊張の連続だった。ただし主人公の自問自答がダラダラと多くて挫折しそうになった。

    1
    投稿日: 2016.08.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    下巻では、誘拐事件に片が付き、いよいよ、羽生が未踏のエベレスト南西壁単独無酸素登頂に挑む。そして、カメラで追う深町。臨場感が凄い山岳小説に圧倒された。 羽生の登頂がどうなったかで終わると思いきや、最後はそういう話にもっていくのかと上手さを感じる。

    1
    投稿日: 2016.08.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初めての山岳小説。 登山シーンでは、臨場感あふれる描写が散りばめられ、のめり込むように読んでしまった。 最近登山にはまっていることもあり、すぐにでも登りたい気持ちにさせる本であった。 映画化もされているから、是非観てみたい。

    1
    投稿日: 2016.08.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    良書だと評判であったので、読もうとは思っていたが、読むのが遅くなってしまった。 そのうちに映画化もされてしまった。 メディア化された作品は、図書館に行ってもほぼ貸し出し中であることが多いが、本書は文庫で上下巻揃って置いてあったので、迷わず手に取った。 夢枕獏氏の本は『シナン』しか読んだことはないが、一気に読める言葉選びと、本の題材に対して謙虚な姿勢であり、好印象の作家だ。 本書も一気に読んでしまった。 感情移入をするあまり、主人公と同じ場所で涙ぐんでしまった。 特に、羽生がエベレストに上ったことを売名行為だと後に評価した人間に対し、深町(主人公)がそれは違うと否定する場面である。 一番好きな登場人物は、名前は失念したが元グルカ兵の男だ。もうだめだ!というときに現れ、主人公たちを助けてくれる。言うこともやることもかっこいい。 登山小説の新たな原典(だったような)となった、と解説であったが、今度は新田次郎の登山小説も読んでみたい。

    0
    投稿日: 2016.07.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    後半はご都合主義展開が少し鼻につくが、それもこのグルーブを出すためならば仕方なし!あとがきも格好いい~

    0
    投稿日: 2016.07.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読み始めたら、止まらなくなったわ、、すごい、「人には、役割がある」うんー ネパール、ヒマラヤが、近く感じられてきた

    1
    投稿日: 2016.05.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読み応えのあるお話でした。 山に登りたいと思う気持ちは、やっぱり分かりませんが、いただきにたどり着くことで、地球と一体になれる気持ちよさを求めているのだろうかと思ったりしました。

    0
    投稿日: 2016.05.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    映画化されると聞き、映画を見る前に読もうとしたけど、上巻読んで映画見て、やっと読破できた。 文章は読みやすいけど、山への熱さ、ヒリヒリする感じがものすごく伝わってきて1ページ1ページが重い!良い意味で。 映画見るとすごーくカットされてる。いや、この原作は映画にするのは難しかっただろうな。読み応えがとてもありました。 前半の深町の加代子への想いがふらーふらふらーふらしてるかんじがすごく男の人ってこんなかんじなの?!!!!ってもどかしさがあったけど、羽生の生き様がまっすぐでシンプルで。深町もそんな背中見たら憧れるね!って思います。 最後、深町がエベレスト登頂すると決めたときは、もう羽生の生き方になってたね。涼子が深町を好きになったのも羽生が内にいたからなんじゃないかなぁといろいろ考えながら読んじゃいました。山岳小説読むとは思わなかったよ、岡田くん。山に行かないとわからない。山に登っても人生はわからないこともいっぱいあると思う。でもそんなヒリヒリする体験してみたい。山に登ろう。

    1
    投稿日: 2016.04.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    エベレスト登山の過酷さと人間の限界をギリギリまで追い求める。映画も観たくなった。阿部寛とイメージ合っている。

    1
    投稿日: 2016.04.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    熱き山男たちの心の叫びと神々しき自然に対峙する姿は、一点の曇りなき5☆。カメラマン深町はカトマンズにて、1924年世界初のエベレスト登山登頂を目指し、頂上付近で行方不明となったマロリーのものと思しきカメラを偶然手にする。が何者かにカメラを盗まれてしまう。そして行方を追う中、孤高の登山家羽生丈二と出会う。日本を捨てカトマンズに滞在し続ける彼の狙いは、何と前人未到のエヴェレスト冬季無酸素単独登攀!?挑戦の行方そして深町が最後に見たものは。。特徴は、発見されたカメラを通じ、エベレストにおける現実の羽生と想像上のマロリーの姿を絶妙に交錯させた事。伝奇小説として有名な作家が己の作風を封印して挑んだ山岳小説の金字塔。人界を超えた山時間を感じる筆致にただただ圧倒~。

    1
    投稿日: 2016.03.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    下巻に最初の辺りまではドラマがあって割とスラスラ読めたが、山に登り始めたら深町が自問自答するは幻覚を見るはで読むのがしんどかった。上巻と比べて死と隣り合わせの臨場感は確かに伝わったけど…疲れた。 羽生は社会不適合者だけど、己の本能と情熱に忠実に生きている。だれしも羨ましいという気持があるのかもしれない。

    0
    投稿日: 2016.03.20
  • とことんリアルな空気感

    熱い。心が温まるなんて熱さではなく、血が沸騰して自らの熱で燃えてしまいそうになるように熱い。山岳小説も冒険小説も歴史小説も、好きな本は全て同じような熱を持っていることに改めて気がついた。武士も、海の男も、山の男も、死なないため、生きるために死ぬ気で挑む。苦悩や悲しみなど全てひっくるめて、覚悟を決め、生きるために命を削りながら闘っているから熱いのか。上巻では、山岳小説でミステリーと書きましたが、下巻はとにかく山岳小説。いろんな謎なんてどうでもよくなってくるくらい、命懸けの登攀のシーンに圧倒される。名作です。

    1
    投稿日: 2016.02.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    15年くらい前からの愛読書の一つです。 映画化ときいて、久しぶりに再読。 山を行く男たちには及ばないのかもしれないけれど、心がひりひりとします。理屈ではなく、ひりひりとしていたい気持ちが、少しわかる。

    0
    投稿日: 2016.02.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これはしばらく余韻を引きずる事になりそう。 まるで私も一緒にエヴェレストに登っているかの様に息苦しくなってしまいました。 あぁ、この人たちはどうして山へ行ってしまうのだろう。 酸素が薄い中で深町が自分自身へと問い掛けているシーン、とても生々しくて 思わず「もう良いじゃない」と言ってしまいたくなりました。 羽生の手記も同様に凄まじいものを見てしまったとガツンとやられました。 作者があとがきで『書き残したことはありません』 『全部書いた。全部吐き出した』 と書いていますが、 その心ちゃんと受け取りました。と伝えたい。

    5
    投稿日: 2016.02.08
  • 登山素人が読んでも面白い。

    この下巻では物語の大部分が雪山で進む。当然登山用語が多くなるが、全く意味が分からないということは少ない。素人でも十分想像できる範囲内だ。 とはいってもやはり一度でも登山経験がある人が読めばもっと面白い小説なのだろう。山に対する意気込みなどは経験がないものにはにわかに理解できない。 でもいえることは、以前は登山で命を落とすなんて愚の骨頂だと思っていたが、この小説を読んでからはそういうロマンもあるのだなと理解するようになった。 エヴェレストとはいかないまでも、富士山あたりに昇ってみるのも悪くないかもしれない。

    0
    投稿日: 2016.02.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    グッと引き込まれ一気に読破。周りの空気が薄く、息苦しくなるかのような錯覚を感じる。場所は違うが、深海映画「アビス」を観たときも似たような感覚になったことを思い出した。

    1
    投稿日: 2016.01.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    めっちゃ面白い! 分厚いけど読み終わりすっきり(((^-^))) 私はハイキング部だからレベルは全然違うけど山の気持ちはわかった! また読み返したい!!

    1
    投稿日: 2015.12.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    常につきまとう死と向き合う。精神的、肉体的な極限状態の中で葛藤する人間の強さに心が震えた。 エベレスト登頂にドラマティックなエピソードがちりばめられていて、フィクションなのにノンフィクションのようで、面白かった。 【2015.12】

    1
    投稿日: 2015.12.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    えええー…この手の作家は初めて読んだけど、もうホントに受け付けない。ページ稼ぎの無意味な改行が多くて読みづらいし、唐突な引用が多過ぎる。。よくこれでメシが喰えるなあと思う。取材方法は耳学問が中心で、否定はしないけれど、先日読んだ、『生還者』の作者のような文献に丁寧にあたるタイプの作家を(文芸作品でない場合にはとくに)信用し、好感が持てる。

    0
    投稿日: 2015.12.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ネパールでは、二千万人を超えた人口の多くが山岳部に住む農民である。この人間が、朝、昼、晩の食事を準備するだけでも、多くの薪、つまり森林が失われてゆく。年間、およそ、ひとり1トンの木が必要となる 人間は両手に荷物を抱えていたら、もうそれ以上の荷物は持てない。いったん、両手の荷物を捨てなければ、次の荷物は抱えられないからね

    0
    投稿日: 2015.11.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「ヒリヒリする山」、8000メートル級の山稜が持つ意味をこれ以上に的確な表現した言葉があるだろうか。マロリーの「Because it's there.」のように、登攀者に余計な言葉は要らない。最善を尽くしても山嶺を望めない、神に愛されているか否かが支配する世界。 「エヴェレスト南西壁冬季無酸素単独登攀」という人類未踏に挑む羽生と、山に魅せられた者として後を追う深町。一つひとつの文章が躍動的で時に息苦しい。「ヒリヒリした山」が読者に伝染する。画家がキャンパスに命を刻むように、登攀者が山に命を賭けるように、著者は魂を削って本書を描き上げた。 トレッキング程度の登山しか嗜んだことはない私だがが深町の語る「濃い時間」を味わってみたくさせる。

    6
    投稿日: 2015.09.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最後まで深町が好きになれなかったなー。羽生さんの邪魔しただけじゃん。アン・ツェリンとナラダール・ラゼンドラがかっこいい。それにしても、同じシーンばかり繰り返されて飽きたわ。いらないシーンがいっぱいあると思う。

    0
    投稿日: 2015.07.30
  • なぜ山に登るかだって?・・・

     これは本だし、山に登る気もさらさらないのに・・・このシビレる感じはなんなのだろう。上巻で書いたレビューと矛盾しますが、登場人物の誰にも感情移入はできなかったです。それほど強烈な個性、想い、苦しみ、迷いをもった人間が、神の頂に挑みます。なぜ山に登るかだって?それは・・・・。 魂、震えます。  夢枕様があと書きで、「ストレート」に想いをこめたと書いていますが、なるほど、文章よりも、詩的な表現の方が直球・剛球なのだな思い知りました。山での過酷なシチュエーションと相まって、文字でつづる表現の力を実感。

    6
    投稿日: 2015.07.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    幻覚や幻聴、雪崩、吹雪、落石、全ての描写にやられる。読書中ずっと、死がすぐ隣にいる。読み終わって山から生還するかのような安堵。

    3
    投稿日: 2015.07.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    後編。 いよいよ羽生丈二と深町の山への想いが実現する。 登山に全く詳しくないので、装備の名前など難しかったけれど、それでもとても楽しめたし、一度山にいってみたい。そんな気にさせられました。 素晴らしい本です。

    0
    投稿日: 2015.06.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上巻を読み終えてから、半年以上ブランクがあって今やっと下巻を読み終えた。途中から、高山病に侵された深町が色々な事を頭で考え、自問自答して苦しむシーンが続いたが、感情移入してすごく苦しかった。まるで深町の隣に自分もいて、地上の何分の一かの薄い酸素の中で喘いでるみたいに苦しかった。この小説は山岳小説だけれど、それにオーバーラップさせる様に、人は何故生きるのか?あなたは自分の人生をどう生きたいのか?という事を問われている小説だった。そして、筆者の綿密なまでの描写に本当にのめり込む様にして読んだ。辛かったけど、すごく良い作品。個人的には大好きだ。来年は映画も公開されるとの事なので今から、楽しみだ。余談で、この小説読みながら蜂蜜たっぷりな紅茶を何度飲んだか(笑)

    1
    投稿日: 2015.05.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    下巻は主人公と伝説の山屋との登山の様子が続く。 緊張感ある場面ばかりだ。・・・・が。 女子にとってはいまいち共感できないのが本音である。 (なまくら女子だからかも・・・・) 苦しい山登り、息も出来ない、足や手は寒さで・・・・ (う~ん 行きたくない)   すみません。 そんな感想でした。 映画になるそうで、私の脳内登山者は、ちょっとキャストと違いました。

    0
    投稿日: 2015.04.17
  • マロリーは、本当にエヴェレストの頂上を征服していたのか?

      山岳小説をまともに読んだのはこれが初めて。映画化されると知って、あわてて読んだ次第。主人公のカメラ(フィルム)に対する執念もさることながら、「マロリーは登頂したのか」という謎が興味をそそる。  後半は、『冬季無酸素単独登頂』の飽くなき戦いが繰り広がれるが、その描写にはびっくり。高山病、酸欠状態のなか、文字はすべてひらがな、句読点も欠落する。本当に息が詰まる描写となる。

    0
    投稿日: 2015.04.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    下巻はひたすら山に登ってるシーンが多い。静寂の中に聳え立つエヴェレストの存在感に圧倒されます!まさに神々という名がぴったりです! 「何故山に登るのか?」明確な答えは出なかったが、なんとなく分かった気がする! 最後はとても感動しました。 撮影が心配だが、映画楽しみにしてます!!

    1
    投稿日: 2015.04.06
  • 神々しい輝きを放つ山岳小説の最高峰

    「死んだらゴミだ」 深町はエベレスト登山から失脚し、長いこと消息を絶っていた天才クライマー、羽生丈二に出会い、その人生に惹かれていきます。 彼は未だ諦めきれずに、人類未踏の夢を追いかけているのでした。 人は何故山に登るのか? 「そこに山があるから」というマロリーの言葉に対をなす、羽生が見つけ出した答えとは? エベレストの謎からさらに大きな謎に挑む、深町と羽生の挑戦が加熱する下巻。 ただひたすら男臭いけど、読後は清々しい気分に包まれます。

    10
    投稿日: 2015.03.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ひたすらエベレスト登頂のシーンが続いて、それがすっごくリアルだった。 極限の状態で自分と向き合う主人公たちから「自分も頑張らなくては!」というパワーをいただけたような気がします。 ぬくぬくと生きているのがはずかしい…ってね(笑) とにかく1つのことを追い求めて行く羽生丈二の姿勢は、困った性格でもあるんだけれど、考えさせられるものがありました。 また、気分がダレたときには、この小説を読んで自分に喝を入れたいと思います。

    1
    投稿日: 2015.03.10
  • ただただエベレストに圧倒されます

    上巻はミステリーの要素が強かったですが、下巻はいよいよ最高峰のエベレストへの挑戦。 無謀な挑戦をカメラマンとして追っていくも、難攻不落のルートに対する自力の不足、死と隣り合った時の限界ギリギリの描写が、山に対する人間の小ささを感じさせられます。 上下巻一気に読破し、エベレストのスケールに圧倒され、せめてネパールでエベレストを拝みたいと思いました。

    3
    投稿日: 2015.03.07
  • 山岳小説の最高峰です。

    山岳小説の最高峰といっていいと思います。 もう完全に自分が主人公となり、山麓の町での準備から 超リアルで緻密なアルピニスト体験がまっています。 そして凍りつく酸欠のエベレスト登山の真っただ中に 入っていけます! 読み終わったときは、自分が世界一流の登山家になったような感覚に なっていました。圧倒的な迫力とリアル雪山の世界に浸ってください。

    2
    投稿日: 2015.02.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    おもしろかったけど、ちょっと話が長すぎると感じた。上巻はマロリーのカメラと主人公の過去を中心としたストーリーが展開されて面白く読み進めることが出来たが、エベレストへの挑戦が中心となる下巻はちょっと長すぎた。エベレストの過酷な状況が緊張感を持って記述されるのだが私には作品に没入し続けるのは難しかった。

    0
    投稿日: 2015.02.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    テレビドラマの台本を読んでいるような,なんともできすぎているストーリーに興ざめする作品であった.登場人物:深町,羽生ほか

    0
    投稿日: 2015.02.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    誰しもが憧れるのは羽生のような生き方だが、悩み葛藤しながらもあがき続ける深町に同年代の男として共感できた。自分も何かに対して「現役」でありたいと強く思った。

    1
    投稿日: 2014.11.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    感動…山の本の中では圧倒的な最高峰と思っていたんだけど、こんな物語だった?羽生の手記は良いとして、深町の女々しい独り言ばかりって感じで、いつまでも読み終わらずにとても長く感じた。以前、たぶん10年以上も前だろうけど、その時に読んだ印象をそのまま残しておいた方が良かった。

    0
    投稿日: 2014.11.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんというか・・・物凄く引き込まれる。 街の温度や匂いまで伝わってきそうな感じ。そして極限状態での男達の心理・・・鬼気迫るものが。行ったことのない場所、体験したことのない状況にも関わらず。 一台のカメラから始まり、偶然それを手にした主人公。 彼の目を通して描かれる孤高のクライマーの生涯・・・。 映画化されるらしいが・・・要注目ですね。

    1
    投稿日: 2014.10.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    南西壁冬期無酸素単独登頂が、いかなることか山に登らないわたしたちにも上巻を読んでわかるようになっているので、衝撃的すぎる羽生さんの挑戦。マロリーのカメラに導かれた上巻と違い、下巻はアンツェリンの奥さんのトルコ石が輝きを放ち行動力を与えてくれる。読むのに体力のいる大作やけど、開くといっきに読み進めてしまうようなそんな作品でした。凄い描写力でその場にいるような臨場感が楽しめます。

    0
    投稿日: 2014.08.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    人はなぜ山に登るのか。山の事故がある度に、ニュースやワイドショーで「山を甘く見てる」とか「無謀」とかコメンテーターがまことしやかに語るし、私もうっすらそんな風に思っていたけど、そんな風に軽く語ること自体が山の厳しさをわかってないと思い知らされた。そこまでの準備が必要なのかと思うほど準備しても、いつ死んでもおかしくない、そんな山にたった一人で挑み続ける羽生。そして羽生にどうしようもなく吸い寄せられていく人々の物語でした。これ本当に映画化されるの?!

    0
    投稿日: 2014.08.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初めて山登りを題材にした小説を読んだ。割と一気読み。荒々しい男の世界で、女性の私には理解できない心情も多かった。羽生さんがあんまし好きじゃない。エベレストの写真集とか見てみたくなった。

    0
    投稿日: 2014.07.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    下巻も面白かった! クライミングシーンの緊張感に飲み込まれ、更に、幻聴幻覚のリアル感がすごすぎて、手に汗握るどころかこちらまで息が出来ない感じ。 8000mを超える山に登るということがどういうことか、身を以てしりました。(身を以てないけど) こんなリアル体験ができる小説はそうそうないね。圧倒的な迫力に、もう、へとへとです。 それと、1999年に実際にマロリーの遺体が発見された(!)ので、ストーリーを事実にあわせて変更したとのことで、単行本と文庫本にはラストシーンに違いがあるということがあとがきに書かれていました。 で、ネットでその違いを調べようとしたらなんと、つい一か月前の日付で「2016年に神々の山嶺、映画化決定!」という記事を発見! びっくりしました~、運命感じちゃった。 実際にエベレストにも行くんだよね?!羽生の役が務まる肉体派俳優ってダレだろう?? 他のキャストも含め、いろいろ楽しみです。 (何故山に登る?との問いに) 「そこに山があるからじゃない、ここに、おれがいるからだ」 ・・・羽生丈二、かっこよすぎる。

    7
    投稿日: 2014.07.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2014.07.19読了。 今年23冊目。 ひさしぶりの夢枕獏作品。 面白かった! カトマンドゥで偶然エベレストで遭難したマロリーのカメラを見つけたところから物語が動きはじめる。 カメラとそのフィルムを持っているであろう、羽生という男との出会い。そしてそこから彼の山屋としての人生を調べ始める深町。 そして深町を通して私は山に生きた羽生の人生を見ることになる。 前半はマロリーのカメラをめぐる話。 これはこれで面白かった。 そしてネパールという国を見てみたいと思った。 でもやはり面白いのは後半! 羽生のエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂への挑戦。 エベレストの恐ろしさ、厳しさ、雄大さ、そして美しさがこというほどに伝わってきた。 夢枕獏氏は本当にそういう描写がうまい。 自分がそこにいるような感覚になれてしまう。 不器用な羽生の生き方、羽生の山に対する想いに胸が熱くなった。 深町を助けたシーン、そして深町がカメラ越しに最後に捉えた羽生。 登頂して無事戻ってきますように!と深町と一緒に祈りながら読んだ。 そしてラストでまた感動。 最後まで羽生という男に魅了されっぱなし。 読み終わった後の切なさと喪失感。 しばらくは余韻に浸ってしまいそう。

    1
    投稿日: 2014.07.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    下巻はネパールで出会った羽生丈二が何のためにそこにとどまるのかが明らかになる。そして、深町もその運命に引っ張られ自身の欲望に気づいていく。 これはすごい。 疑似体験なはずはないけど、読んでいるだけで、指先が凍るような感覚になるほど引き込まれる。 著者は、エヴェレスとに登ったことがあるのか?と思えるほどだったけど、やっぱり登って高山病にかかり死にそうな思いをしたようだ。 確かに、そういう男の生き方には憧れる。 山には登らないだろうけど。富士山でも。 でも、そういうものを見つけられた人生の方が圧倒的に幸福なのだということはよくわかる。

    0
    投稿日: 2014.05.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    普通に生活していると、すぐそばにある死は感じない。しかし、ヒマラヤはちょっとのミスと運で命が奪われてしまう場所だ。 この小説を読んでいるとそんな疑似体験ができる気がする。ただ、怖いことばかりではなくヒマラヤの荘厳な姿も目に見えてくるようだ。 昔、登ったことのある北アルプスのことを思い出した。 強いけれどさわやかな風か吹いている。 羽生は言葉通り山になってしまった。 多分、最後には自分を許せたのだと思いたい。

    1
    投稿日: 2014.05.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    己の生死を掛けて前人未到の登はんに挑む羽生を追いかけて行くカメラマンの深町。やがては己が単独で世界最高峰に挑む。生死を掛けたギリギリのところで己の限界に挑む、ただそれだけのために生涯を掛けてしか前に進めない。山に魅了されるとはそんなことなんだろう。山での生死の境目はもしかすると麻薬みたいなものなのだろうか?

    0
    投稿日: 2014.05.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    下巻を読み始めて上巻を読み終えたときに大きな読み違いをしていたことに気付く。 僕は上巻を読み終えて本作品を 「本書はこのカメラをめぐる物語である」 と評した。 下巻を読み始めて早々に気付くが マロリーを巡るエピソードはこの作品の核をより際立たせるためのスパイスに過ぎない。 本作品は羽生丈二という孤高の天才クライマーが 前人未到のエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂に挑むを描いた物語である。 読者である我々は主人公である深町誠というフィルタを通じて、 羽生丈二という男の生い立ちを知った上でその挑戦に同伴することになる。 そこで目の当たりにする生涯を山に費やした羽生という男の姿は 山をのぼる意味を通じて生きている意味についての問いかけてくる。 あとがきにある通りの「ど真ん中」な物語は果てしなく崇高で、泥臭く、そしてカッコいい。

    1
    投稿日: 2013.12.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    世界級の山に登るのはほんとに並大抵のことではないのだな。ということはヒシヒシと伝わってきた。でも、小説としておもしろくはなかったな。 みなさんのレビューでの評価が余りに高く、この作品を読んで感動しない自分ってどうよ?とも思うが。。。(笑) 上巻で深町がマロリーのカメラに出会ったあたりで、これは面白くなるかも??と思って読み進めたが、下巻に入ると、話の中心がどんどん山とは?生きるとは?とくどい自己問答になってきて辟易した。 あとがきが熱すぎて、余計に冷めた

    0
    投稿日: 2013.12.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    息をするのも忘れるほどの緊迫感がある。 ただ羨ましいそう感じる 自分の心も燃えるような感覚が好ましい

    0
    投稿日: 2013.12.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    世界の最高峰に挑み続けた羽生丈二。ここにおれがいるから、山に登る。羽生に引き込まれたカメラマン深町、シェルパのアン・ツェリン。すべての登場人物が羽生の世界を描き出していった。世界の頂を真正面から目指した山岳小説に本当に心を揺さぶられた。あとがきに書き残したことはなにもないといいきるだけの会心作。最高の山岳小説というだけでなく、人間を描いた最高の小説だ。

    0
    投稿日: 2013.10.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    重厚な山岳小説。そこにマロリーのカメラという山岳史上最大の謎というミステリーのスパイスが加わる。 8000m級の頂を目指す者が陥る極限状況がヒシヒシと痛みを伴って伝わってくる。文章にそんな威力がある。さすが著者渾身の一作。 自分はここまで己を追い込んだこともなければ登山家ですらないのでこのテーマに言及するのすら烏滸がましい気持ちになるが、山屋が山に登るのは自分という存在を肯定するためなのかもしれないと思った。しかしこんな領域に足を踏み入れるとは、偉大な登山家が哲学的な言葉を遺すのも頷ける。

    0
    投稿日: 2013.10.01
  • 痺れる 圧倒される のたうつ 放心状態

    上下巻、一気に引き込まれます。羽生の生き様に魅せられ、まさしく息つく暇なく手に汗握り、肩に力が入る小説です。 読んで絶対後悔しないそれでいて大きな影響を受ける作品です。 上巻の前半は冗長さを感じます、その後一気にリアルな山岳の世界に引き込まれます。 読後、まいったと放心状態になること間違いないです。

    3
    投稿日: 2013.09.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    エベレストのヴァリエーションルート初登頂に挑む男の物語。伏線としてマロリーのカメラの話があったり、友人の妹とのラブロマンスがあったり、エンターティメントして楽しめる一冊。 久しぶりにワクワクしながら、ページをめくるのがたのしかった。厚い文庫2冊だが、あっという間に読んでしまった。 読みながら、以前テレビで見たアフリカの放浪ライオンのイメージが湧き出てきた。ライオンの群れは、男の子が生まれるとコミュニティから放出するという。そして、放浪ライオンとなり、戦いに勝ったものだけが次の世代を残すオスライオンとして生き残れるという。一番でなければ価値がない。簡単なルートを登るなんて、意味がない。という価値観は、なんだか放浪ライオンのしっぽをつけた人間のように感じた。ただ、動物の雌としては、こうした強さを追求する雄は極めて魅力的である。遺伝子を運ぶ乗り物としての魅力に満ちていることなのだろう。羽生という主人公は実際のモデルがいる。

    0
    投稿日: 2013.08.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山の事がわからなくても、とても分かりやすく、そして、やろうとしていることがどんなに大変か書いてあり、読みやすかったです。 なんのために?そんな苦しいことを?その答えが出てました。 それは山だけでなく、他の事にも言えるのではと思いました

    0
    投稿日: 2013.06.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ふるえるぞハート、燃えつきるほどヒート、 刻むる血液のビート(ややパクリ) 熱い。漢なら確実にシビれる。 羽生、深町両者の生き様が、圧倒的な迫力で迫ってくる。 もーね、安穏な生活してる自分に喝を入れたくなる。 ほんでもって、読んだ後、力尽きた感じになります。 感激して漫画も読んでみたら、原作とほとんど同じで これも読みごたえがあった。ラストは漫画のほうが好き。

    1
    投稿日: 2013.05.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    再読。 やはりすごい。ど真ん中のストレートの剛速球。 読み終えた後にひどく体力を奪われたような心地いい脱力感がある。 自分の生き方を問われているような気にもなった。 お前はそれでいいのか?と。 男なら一度は読むべき、もはや不朽の名作。

    0
    投稿日: 2013.05.26