cozycozyさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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ミステリーの書き方
日本推理作家協会 編著, 赤川次郎, 東直己, 阿刀田高, 我孫子武丸, 綾辻行人, 有栖川有栖, 五十嵐貴久, 伊坂幸太郎, 石田衣良, 岩井志麻子, 逢坂剛, 大沢在昌, 乙一, 折原一, 恩田陸, 垣根涼介, 香納諒一, 神埼京介, 貴志祐介, 北方謙三, 北村薫, 北森鴻, 黒川博行, 小池真理子, 今野敏, 柴田よしき, 朱川湊人, 真保裕一, 柄刀一, 天童荒太, 二階堂黎人, 楡周平, 野沢尚, 法月綸太郎, 馳星周, 花村萬月, 東野圭吾, 福井晴敏, 船戸与一, 宮部みゆき, 森村誠一, 山田正紀, 横山秀夫 / 幻冬舎文庫
作品作りの過程を覗き見
8
家の作品作りの一端を覗いているようで、とても面白かった。ミステリーの書き方とあるけど、ミステリー好きじゃなくても、作家の思考の流れを知ることは面白いはず。作者の意図を知ってから本を読むと、ここに持って…くるためのこの場面構成なんだなとか、ここのシーン進行は苦労してるなとか、違った読み方もできて、たまにはそういう読み方も楽しい。ストーリーの作り上げ方、アイディアの練り方は作家それぞれの特徴があるけども、プロとしての取り組み姿勢ってどこか共通するものがあるんだなと感じた。 続きを読む
投稿日:2016.02.18
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ロボット・イン・ザ・ガーデン
デボラ・インストール, 松原葉子 / 小学館文庫
イギリス版ドラえもん?
5
イギリス版ドラえもん。ではないけども(笑)、奥さんに捨てられたダメ男と、突然庭に現れたボロボロなロボットの、どたばた、はらはら、楽しくて、きゅんとするロードムービー。スマートなアンドロイドが普及してい…る近未来。乗ってる車はシビックだったり、懐かしいゲームでスト2してたりと、そう遠くない未来。幼児のようなロボットのタングと、両親の死から立ち上がれないベンのやりとりがとても微笑ましい。二人の行動にはらはらしたり、成長に涙したり、タングを抱き締めたくなったり。タングが可愛すぎる!ぜひ、映画化してほしい作品。 続きを読む
投稿日:2016.09.08
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村上海賊の娘(一~四)(新潮文庫) 合本版
和田竜 / 新潮文庫
海の男たちがとことんかっこいい!
4
一巻
海賊の話は北方謙三の「波王の秋」、白石一郎の「戦鬼たちの海」、隆慶一郎の「見知らぬ海へ」、司馬遼太郎の「菜の花の沖」、漫画なら川原正敏の「海皇紀」など、海の男たちのかっこよさがとても印象的すぎて…、今回の姫はどうなんだろうかと逆にワクワク。嫁の貰い手がないほど悍婦(気の荒い女。じゃじゃ馬。)で、醜女の海賊の姫。今の美的感覚で見るとめっちゃ美人なんだろうな。戦国時代でも海外と交流が盛んだった泉州の人達は美人と騒いでいたり、文化って不思議。前半は姫の奔放さに若干呆れ気味やったけど、後半はそれが面白くワクワクさせられる。二巻が気になる終わり方。
二巻
泉州の武士達が魅力的でかっこいい!今もまだ使われる泉州弁が、こういう強者たちの言葉なのかと思うと納得。やらねばならないことであれば全力で挑む男達がかっこいい。戦が出来ないのに助言も聞かない本願寺の頼龍。なのに見捨てず自分の仕事を全うする孫市はすごい。ただ己の想いだけで行動するお姫様は、気の強さは尊敬に値するけど、この巻ではやっぱり残念。七五三兵衛と義清は、智略と豪快さで正反対だけども、互いに反発しながらも互いに自分にできないことを認める器量がかっこいいし、それこそが真の洒落者でおもろいやつなんやろな。
三巻
「鬼手」が何なのかが明らかに。純粋で青臭い姫に嫌悪感を抱いてしまうが、それはまっすぐ純粋に自らの想いを貫く気概が今の自分に無くなったからなのだろうか。徐々に緊迫感が増し、後半は怒涛の勢いで一気読みして、4巻へ。感想を書くよりも先に4巻が読みたくなる。
四巻
戦がメインの4巻は、激闘に次ぐ激闘の嵐。スピード感に溢れ、痛快で爽快。死に直面しても、「そりゃないわ」みたいな、泉州の武者達の発言が、重い空気を吹き飛ばしてる。登場人物が多かったけど、それぞれが個性的で魅力的。記録の無い姫以外はみんな歴史上に登場する人物というのがすごい。七五三兵衛なんて、最後はほぼ無敵のボスキャラ。個性はみんな違うけど、それぞれが本当にかっこよかった。覚悟が何よりも必要なんだなと、楽しく読めたけど、学ぶことの多かった本です。映画化されると思うけど、この重厚感を無くさない大長編にしてほしい。 続きを読む投稿日:2017.03.08
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殺人鬼 ――逆襲篇
綾辻行人 / 角川文庫
さらに暴力的な内容に
3
殺人鬼の続編。ホラー映画以上に、本の方が描写がリアルで気持ち悪い。スプラッター感やアクションは増して、さらに暴力的な内容になっているけど、ミステリーの要素も残されています。覚醒篇を読んでいると少し繋が…っているので、さらに面白く読めた。B級ホラー映画やスプラッター映画好きで、読書好きならオススメです。たくさんの人が殺され、気持ち悪さは半端ないので、苦手な方は読まない方がいいです。 続きを読む
投稿日:2015.07.28
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神々の山嶺(上)
夢枕獏 / 集英社文庫
上巻だけで、名作と言われていることに納得できる
2
生と死が隣り合わせのピリピリした緊張感、ヒリヒリと肌にささる冷たい風、澄んでキリッとした空気感、登山家たちの熱い気持ち、登山をしたことのない自分でも感じる臨場感がすごい。そして、死と直面したときの手記…の緊迫感がすごい。生の気力も死の気力もなくなる、凄まじい世界。登山の描写に圧倒されて、それだけで十分だけど、さらに「そこにエベレストがあるから」のジョージ・マロリーのカメラにまつわるミステリーが面白い。登場人物達のそれぞれの想いが交錯しながら、ミステリーの謎も少しずつ明らかになるのか。ワクワクしながら、下巻へ 続きを読む
投稿日:2016.02.18
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ハサミ男
殊能将之 / 講談社文庫
評判通りの面白さ
2
評判通りの面白い作品でした。最後の数十ページの衝撃を受けるためにも、他の人の感想などはネタバレするかも知れないので読まないでください。久しぶりに一気読みしたくらい、面白かったです。ミステリは、読み終わ…った後に再読したくなったり、騙された部分を思い返すのが楽しい。この本なら、その作業をさせてくれるはずです。 続きを読む
投稿日:2015.09.12