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森見登美彦 / 角川文庫 (136件のレビュー)
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総合評価:
nak
12
森見登美彦の新釈。
・山月記(中島敦) ・藪の中(芥川龍之介) ・走れメロス(太宰治) ・桜の森の満開の下(坂口安吾) ・百物語(森鴎外) 以上、五編を下書きに、森見登美彦お得意の現代京都の大学生を登場人物に置き換えて…物語を再構築しています。 完全に悪ふざけでノリノリの「走れメロス」を含め、元になった作品との対比を楽しめました。個人的には「桜の森の満開の下」は「新釈」として美しく仕上がっていて、お気に入りです。 ...それにしても「走れメロス」は酷かったw 森鴎外の「百物語」は読んだことなかったので、青空文庫で読んでみました。「百物語」と言えば怖い話が終わったら蝋燭を一本ずつ消していき、最後の一本を消したら・・・。という物語だと思っていましたが、全然違うんですね。それにしてもこんなグダグダとしたつまらない話(失礼)でよく書いたなあと感心してしまいました。 元になった作品を読んだことがない人でも単独で十分楽しめますし、本作を読んだ後からでも、元になった作品を読む良いきっかけになるのではないでしょうか?だいぶハードルは下がると思います。続きを読む
投稿日:2015.08.27
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つたもみじ
5
新釈
明治から昭和にかけての、文豪たちによる名作短篇『山月記』『藪の中』『走れメロス』『桜の森の満開の下』『百物語』五篇を、現代の京都の腐れ大学生たちを主人公にして再篇した連作短篇集。あらすじのメロスが、無…二の親友との約束を守「らない」為に全力で京都を疾走する…とあったので、全てが登美彦節にハチャメチャに改変されているのかと思いきや、それぞれ原典の雰囲気や良さ、文体等しっかり残っていて、とても良かったです。個人的には『山月記』と『百物語』が好きかな。続きを読む
投稿日:2017.04.03
理科好き
2
まぁいつもの感じで
この作家の作品に免疫がないと面食らうかも・・・。 とりあえず他の作品を読んでからにしましょう。 慣れている方にとってはいつもの感じです。
投稿日:2015.11.08
み完成人
大学生だった頃の自分にもどって読みました
過去の名作が、 現代の京都を舞台とした連作短篇集風に アレンジされていて、 楽しく読書の時間を過ごせました。 小説ほどではありませんが、 自分が大学生の時って 一風変わった奴が何人もいて、… 今思い起こせば、 小説並みに面白い時代だったなあ って、ちょっとノスタルジックに なりました。続きを読む
投稿日:2019.08.17
"powered by"
茉志
古典作品のリメイク?リブート?オマージュ? 学生落語みたいだなと思った。物語を作り替える上でひとつの題材や焦点を見つけ出して、そこに徹底的にこだわって書く。 原作を読んだことがあると、その取捨選択具…合が手に取るようにわかる 「おまえもやってみろ」と言われれば、多分、百人百通りの走れメロスが出来上がる それでも森見登美彦の走れメロスが読みたい!と思うのは、この作品が単なる古典の改作やパクリではない理由なのではないか続きを読む
投稿日:2024.04.06
Storia
#読書記録 #新釈走れメロス他四編 #森見登美彦 近代文学稀代の傑作が、斎藤秀太郎を特異点として、四畳半の世界で多元宇宙的に重なり合う。 多元宇宙的展開は森見氏の得意とするところで、「#シャーロ…ック・ホームズの凱旋」にも共通しているね。 5編の物語をここまで森見ワールドに変換してしまう罰当たりな手腕に脱帽するよ。 #読書好きな人と繋がりたい #読了続きを読む
投稿日:2024.03.06
菌類
このレビューはネタバレを含みます
山月記 かた焼き煎餅のような中島敦の文体が、森見登美彦作品と非常に親和性が高いなと感じる。「その行方については、なんの手がかりもなかった。誰一人、彼を探そうとしなかったからである。」という山月記ではありえない阿呆らしくも悲しい一文に笑ってしまったり、「下宿を灰燼に帰せしめる」という森見登美彦作品でしか見られないザ京大生ワールドをしみじみ味わったりしていたが、 「今の俺は、万人を軽蔑する中身のない傲慢が、ただ人の形を成しているだけのものだ。だからこそ天狗なのだ」 という一文に、ただの天狗じゃなく「天狗になる」という意味もかけられているのか、と気づいてなるほどなと思わせられた。元ネタの山月記も「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」の末にその象徴として「虎」となるけれどそのモチーフがしっかり踏襲されているのは流石だなと思わせられる。 藪の中 原作と同様、一つの事象をさまざまな人間の視点から見ていく語り口となっている。原作と違い辻褄が合わない点こそないものの、最後には、なるほどな、と思わせるクスリと笑える展開があった。要するに、変態趣味の男に色んな人が付き合わされた話。 走れメロス 原作とは違い、「友を信じない」ことで友情を証明するというひねくれているけど、突き抜けていっそ感心すらさせられるザ森見登美彦ワールド的存在。桃色ブリーフはもちろん、人々に賞賛などもちろんされもせずやけっぱちの「美しく青きドナウ」で踊る姿がいかにもでとても好き。 桜の森の満開の下 原作の女は男を破滅に導くが、今作に登場する「女」は逆で、男を成功へと導く。その差はあれど、どこかそれに満足せず自ら女の元を離れていくというのが合い通じるところであり、そうリライトしたのかと思わされた。ひたすら物書きに邁進するというのが、原作とは違う点であるが、破滅的な原作とは違ってどこか救われる点がある最後に感じた。 百物語 唯一原作を読んでいないので、比較ができないものの、ぞくっとするような怖さを兼ね備えながらもどこかおかしみがあり、森見登美彦ワールド満載の短編であった。
投稿日:2024.03.04
金森
面白かった。 メロス、山月記は話覚えてたけど他は原作うろ覚え。 元になった作品も読みたくなった。文章も軽快で気持ちいい。
投稿日:2024.01.28
a|3行読書感想文
教科書で読んだ「走れメロス」がこんなことになるなんて(笑)同じく腐れ大学生として無為に過ごしていたあの頃の自分までもが愛おしい。
投稿日:2024.01.22
1554475番目の読書家
「山月記」「走れメロス」など、有名な文学をオマージュした短編集。 走れメロス以外は知らないor覚えてない作品だったので、実際の話を調べて比較しながら読んだ。 しっかり森見登美彦節が効いているが、普段…通りのくだらない内容の中に切なさが感じられてよかった。 最終話でみんな出てくるので、登場人物を覚えておかないとごっちゃになる。続きを読む
投稿日:2024.01.21
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