【感想】ルーズヴェルト・ゲーム

池井戸潤 / 講談社文庫
(402件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
123
169
78
8
2
  • 野球好き、カメラ好きが読んで楽しい経済小説

    「半沢直樹」シリーズに代表される多くの池井戸作品は、「カネと企業と銀行」の激しい攻防が魅力で、登場人物は経営陣と経理担当者が主だが、この作品はもっと多様で経済以外の人間ドラマとして十分楽しめる。

    部を迫られる社会人野球チームは、新監督就任で強くなっていくチーム戦略やチームメートの絆も感動するし、会社経営の悪化に焦る株主たちの心理戦駆け引きも熱い。

    そして、会社再建の要となるのは新製品の開発。メインの商品はカメラのイメージセンサーで、エンジニアがどんなことにこだわって開発し、営業がどんな戦略で売り込むのか、カメラ好きには別の立場で興味津々だった。
    「これって、どことどこが仮想モデルだろうー(笑)?」とか。

    経済小説が苦手だけど、青春小説が好き!という人でも、十分熱くなれる作品。

    続きを読む

    投稿日:2014.05.01

  • 社会人野球を見に行きたくなった

    "プロ以下アマチュア以上"の野球好きとそれを支える社員達の熱い思いや、野球の試合の描写のリアリティに感動。業績不振による廃部は現実に多くの企業で行われているので、その中で苦悩する関係者の苦労がよく伝わってきた。企業買収の話はそれなりに楽しめるが、おまけ的存在。私は社会人野球のありかたや課題が主題と思った。野球が好きな人は必見、そうでない人も十二分に楽しめる作品と思う。続きを読む

    投稿日:2014.03.15

  • 野球とビジネスのドキドキ感が味わえます

    今や、売れる作家の一人となった池井戸潤氏作品の文庫化です。舞台は業績の思わしくない中堅製造業の青島製作所。リストラを迫られる経営陣と社会人野球チームの存廃を絡めて、逆境に立ち向かう男達の奮闘を描きます

    得意の組織と個人の葛藤劇に加えて、本作では野球に対する想いを織り交ぜることで、肩の力を抜いて読めます。野球のゲーム描写が少々物足りないかなと思いましたが、諦めずに前を向こうとする男達の姿に相変わらず勇気付けられます。

    読後に、自分もがんばろう!と心地良い前向き感に浸れること請け合いです。
    続きを読む

    投稿日:2014.05.02

  • 必ず共感できるものがあります。

    約500ページもある作品ですが、読み始めたとたん、どんどん、次の展開が気になって
    一気に読み終えてしまいました。
    池井戸さんの作品は他の作品もそうですが、人物描写やその背景がしっかりと描かれていて
    の場面が映像として頭に浮かんできます。
    この作品、不景気な時代における企業スポーツの今ある姿がリアルに描かれていて、
    経営者の視点、企業スポーツのあり方、純粋にスポーツに打ち込む選手、各々の姿が
    読む人、一人一人どこかに必ず共感できるものがあると感じます。
    続きを読む

    投稿日:2014.04.22

  • 池井戸さんが描く野球の話!?

    野球絡みの話とは言えそこは池井戸さんの作品
    コストカット、リストラ、企業買収、銀行との対峙など
    いかにも池井戸さんらしい話が展開されます
    他の作品と比べ悪役の設定が若干穏やかで
    気軽に読むことができると思います続きを読む

    投稿日:2014.03.15

  • ちょっと目頭が熱くなりました。

    池井戸さんの小説を何冊か読まさせていただきましたが、他は銀行をテーマとしたものだけで、今回の一般企業と野球部のような話は初めてでした。
    青島製作所という企業のピンチと同社野球部のピンチが平行して語られていきます。それはタイトルにあるようにルーズヴェルト・ゲームだったりします。
    特定の主人公ではなく、みんながゲームを作っていきます。それは社長だったり、野球部の部長だったり、暗い過去を持つピッチャーだったり
    みんながそれぞれ悩みを持ちながら前進していく姿がカッコ良いです。当然、小説的に盛り上がる場面もあり目頭が熱くなりました。
    とても楽しませていただきました。
    続きを読む

    投稿日:2014.04.26

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ブクログレビュー

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  • Bフォレスト

    Bフォレスト

    青島製作所とその野球部の再生のストーリー。
    ライバル会社の姑息な裏工作に負けるかと思いきや逆転のストーリーが描かれるのは単純であるが最もすっきりする展開である。
    以前、ドラマ化された作品を観ていたので大まかなストーリーは覚えていたが改めて原作を読むと池井戸作品の世界にどっぷりと浸かれる。原作から読んでいたらもう少し感じ方も違っていたのであろうと思う。続きを読む

    投稿日:2024.03.24

  • ビーノ

    ビーノ

    ストーリーがめっちゃ面白い。
    野球部のプライドと会社の存続を賭けた戦い。戦う場所は違うけど、重なる共通点がある。野球は8対7の試合が面白い。お互いが一点を追いかけ合う試合展開も面白いが、一発逆転のどんでん返しはもっと面白い。会社も同じだ。会社の経営不信で存続を賭けた大一番、会社が一つになり、普段見えてこなかった物が見えてくる。めっちゃかっこよかった。
    いざ自分が同じ立場だったら、コツコツやっていきたいが、見てる分にはやっぱ一発だよな。

    また会社内の運動部の存在意義についても書かれていた。野球部は毎年三億円のコストがかかる。しかし三億円の経済効果は見込めない。創立当初は社員の娯楽であったが、経済成長が終わり、バブル崩壊し、娯楽が多様化してきた。その中で経営不信に陥ってしまう。本作は社内野球部の存続を訴えかけてるようにも感じた。

    登場人物が泥水を啜り耐えながら努力し、最後に大逆転劇のストーリーが好きな僕にとっては、最高だった。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.19

  • あもん

    あもん

    大変面白かった。
    企業と企業の関係だけでなくそこにスポーツを取り込んだ池井戸潤作品はどれも面白い。
    主人公が誰と明言することができない物語で、多くの登場人物が出てきたが、一人ひとりに感情移入ができる。読み終わった時に続きがあればと思うような物語だった。

    続きを読む

    投稿日:2024.02.25

  • くにちん

    くにちん

    大きな課題が次々と起き、嫌な相手がいて、最後に解決という、下町ロケット、半沢直樹、陸王とほぼ同じ感じなのに、池井戸さんの作品は途中で飽きる事もなく、のめり込んでしまうのはなんでですかね。また、読み終わったら、喪失感というか、もっと続きが欲しくなるような感覚になりました。陸王はTVで観ただけなので、今度、原作を読みたいです。
    野球バカの自分は、他の作品より好きかも。
    続きを読む

    投稿日:2023.12.25

  • 梅子

    梅子

    池井戸さんのスポ根!?ワクワク!と思ったけど、野球要素2割。まぁそうよね〜〜
    抱えてる問題も人物のそれぞれの思いも、今までの池井戸さんの作品に比べたら弱く感じてしまって、あまりのめり込めなかった。

    投稿日:2023.11.28

  • やす

    やす

    メーカーで働く私にとって、私の志望動機をそのまま体現したような一冊だった。(イメージセンサーに関わっていることもありなお親近感)
    一つの統合、一つの廃業にも人の人生がある。無機質に見える数字にも血が通っていると改めて感じさせてくれる一冊だった。
    「会社が作っているのは製品ではなく夢や人の人生」
    良いフレーズだなぁと思った。
    続きを読む

    投稿日:2023.11.08

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