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あびぃさんのレビュー
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  • また、桜の国で

    また、桜の国で

    須賀しのぶ

    祥伝社

    時代に翻弄されるポーランド、過酷な状況でも失わない人の絆

    第二次大戦勃発前後のポーランドを舞台に、日本人外務書記生が見る現実とそれに立ち向かう人々、それぞれの選択を描く長編小説です。 初めて知るポーランドの歴史と日本との関係、当時の世界の趨勢、色々な読みどころがある中で最も心惹かれるのは、過酷な状況でも失わない人と人との固い絆です。表面的な違いさえ除けば同じ人間同士なんだ、と確信している人達がそこにはいたのです。 世界が不寛容で分断的な道に進もうとしている今こそ、本書のような人間の根幹を知る機会が必要と感じました。

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    投稿日: 2017.02.28
  • やり抜く力

    やり抜く力

    アンジェラ・ダックワース,神崎朗子

    ダイヤモンド社

    人生に前向きに挑戦する全ての人へ。背中を押す一冊。

     成功する人達の秘訣は才能ではなく「やり抜く力」である。精神論で片付けがちなこのテーマをあらゆる方向から徹底して事例を集め、分析し、体系化した渾身の快作です。  意図的な練習を行い、目的を見いだし、成長思考で諦めずに最後までやり切るのが「やり抜く力」。どうすればそれが身につき、 継続できるかを明快に分かりやすい言葉で示してくれます。  訳も自然で大変読み易く、随所で頷くこと請け合いです。教育者、指導者だけでなく前向きに挑戦しようとする全ての人達にお勧めしたい一冊です。

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    投稿日: 2016.11.17
  • 本物の英語力

    本物の英語力

    鳥飼玖美子

    講談社現代新書

    英語をあきらめたくないあなたに。始めたい時がその時です!

    NHKテレビの英語講座でもお馴染みの著者による「今」の日本人に送る英語学習指南書です。著者が敢えてこのタイミングで本書を上梓した理由は「英語格差」だといいます。グローバル人材育成が急務という一方で全国の高3生の半数が「英語が好きではない」という現状を改善するのにどう英語学習に取り組めばよいのか、を最新の学習環境を考慮してまとめています。方法は色々あれど本物の力にするには、英語と格闘することが肝要と著者は説きます。ラクにカンタンに身に付くことはないということですね。

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    投稿日: 2016.05.09
  • ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?

    ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?

    高野誠鮮

    講談社+α新書

    一歩を踏み出そうと思うなら躊躇するな!勇気を奮い起こさせる一冊

    TVドラマのモデルにもなった、地方の限界集落を様々なアイデアで見事再生させた著者の取り組みを綴った書です。全編を通して感じるのは、とにかく著者の行動力がハンパないこと。思いついたら即行動、結果が出るまで諦めない。言葉にすれば簡単ですが、これをやり切ることはまず難しい。しかし著者は言います。可能性の無視は最大の悪策だと。村おこしは心おこしだと。本書には色々なアイデア、戦術が出てきますが最も惹かれるのは「一念岩をも通す」その心意気です。一歩を踏み出すその背中を押してくれる一冊でした。

    0
    投稿日: 2016.05.09
  • スティーブ・ジョブズ II

    スティーブ・ジョブズ II

    ウォルター・アイザックソン,井口耕二

    講談社

    本物のカリスマとは、、ジョブズのことだ!

    下巻はアップル復帰後に怒涛の勢いで新製品を発表し奮闘するジョブズの後半生です。 全編を通して感じるのは、ジョブズが、自分のイメージの世界に他人を巻き込む力を持った希有な人物であったこと。「ジョブズだからこそ音楽配信が実現した」のは素直に頷けます。彼のイメージが少なくとも世界に衝撃を与え、我々の生活を一変させたのは間違いありません。そしてそのイメージとは、異なる分野のイメージの集合体であったことを、我々は彼の人生から学ぶべきでしょう。 とても他人が真似できない彼のような人をカリスマと呼ぶのだと読後に思いました。

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    投稿日: 2014.09.16
  • スティーブ・ジョブズ I

    スティーブ・ジョブズ I

    ウォルター・アイザックソン,井口耕二

    講談社

    ジョブズの光も影も詰め込んだ実録

    ジョブズの伝記である本書は子供時代からアップル創設、その後追い出されNeXT、ピクサーを立ち上げるまでの期間の人生を追います。 本書の特徴はとにかくジョブズという人間の光も影も余すことなく描いている点です。類い希な芸術センスとビジネス嗅覚を持つ反面、他人を徹底的に叩きのめす唯我独尊で人間的な共感の欠片もない人物。しかしそのセンスが具現化した時には宇宙に衝撃を与えるような製品になるのだから、やはり常人には理解できない天才なのでしょう。 果たしてジョブズが目指した世界は実現したのか、下巻に注目です。

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    投稿日: 2014.09.13
  • 銀翼のイカロス

    銀翼のイカロス

    池井戸潤

    ダイヤモンド社

    半沢節は健在!そこに静かな重みも加わった快作

    待望の半沢直樹シリーズ最新作です。出向先から東京中央銀行に復帰した半沢の今回のミッションは破綻寸前の航空会社再建。そこは政治家らの利権や銀行内の過去の不良債権が絡む、巨額のカネが渦巻く世界。果たして半沢はミッションを遂行できるか・・。 お馴染みのメンバーや例のキメ台詞は今回も健在です。しかし、本作の本当の読みどころは中野渡頭取の決断です。理想と現実、その狭間で責任ある立場の者が何をすべきか、静かに語る頭取の言葉は重く読者に響きます。 今後半沢が何を語るか、ファンとしては期待して待ちたいと思います。

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    投稿日: 2014.08.30
  • 史記 2 項羽と劉邦 中

    史記 2 項羽と劉邦 中

    久松文雄,久保田千太郎

    ゴマブックス

    名エピソードの連続!どんどん引き込まれる中巻

    「項羽と劉邦」コミック版の中巻です。ストーリーは名エピソードを交えつつ怒涛の展開を見せます。中でもやはり「鴻門の会」の緊張感は見もの。項羽と劉邦が同じ場で合いまみえるだけでもう手に汗握ります。 中巻は項羽が秦都咸陽に入城し天下を手に入れたその手で、驚きの論功行賞をぶち上げるまでを描きます。 とにかくどこを切り取っても人間臭さに満ち溢れた人物たちのオンパレード。だから21世紀の現代でもどんどん引き込まれるのです。 劉邦の巻き返しが見ものの下巻が楽しみです。

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    投稿日: 2014.07.22
  • 史記 1 項羽と劉邦 上

    史記 1 項羽と劉邦 上

    久松文雄,久保田千太郎

    ゴマブックス

    「史記」の名エピソードを手軽に読める

    中国古典の名作「史記」のコミック版、その中でも名エピソード「項羽と劉邦」の上巻です。小説ではなかなかイメージできない情景やビジュアルをもってストーリーを追えるのはコミックのいいところですね。 しかも上巻は無料ですし。 上巻では秦帝国の始皇帝が亡くなり風雲急を告げる時代に現れた二人の男が打倒秦に邁進する姿を描きます。個人的には項羽のビジュアルが自分のイメージと似ていて、その時点で既にハマってしまいました。 中巻以降も名エピソードの連続でそれがどう描かれるのか楽しみです。

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    投稿日: 2014.07.13
  • The Wizard of OZ オズの魔法使い

    The Wizard of OZ オズの魔法使い

    フランク・ボーム

    IBCパブリッシング

    やさしい英語でストーリーを楽しめます

    言わずと知れた名作ファンタジーのラダーシリーズ英文リーダーです。本書はレベル2にあたり、中学校程度の文法と約1300語の単語数に限定して書き改められています。 ストーリーは大体知っていましたが、終盤の展開をすっかり忘れていたのでワクワクしながら読み進められました。ドロシー達が英語を話しているのが自然に感じられ、自分もその仲間にいるような感覚で英語に親しむことができました。 「勉強」ではない「楽しむ」英語を求む方に良いシリーズと思います。

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    投稿日: 2014.05.31