【感想】親鸞(しんらん) 激動篇(上) 【五木寛之ノベリスク】

五木寛之 / 講談社文庫
(34件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
7
11
10
3
0
  • 感動とスリル

    激動篇のタイトルどおりに、展開が早くてどんどん読むスピードが上がっていきます。
    感動とスリルが味わえるだけでなく、家族とか人生について深く考えさせられる内容です。
    家族をもった30代以降くらいの方におすすめです。続きを読む

    投稿日:2013.09.25

  • 同様な読者を念頭に書かれているのか?何が書きたいのか?

    激動編に入って、ちょっと話が妙になってきました。話はリズム感もあり悪くないですが、もともと自伝的にほとんど何も残していない人物の話とはいえ、フィクションとしても作者の意図がよく伝わってきません。私の勝手な期待とはずれているだけなら良いですが、ここで描かれている「親鸞」という人物に対してまったく感情移入もできず戸惑っています。敢えて言うなら「親鸞」という人物設定を使った、まったく別の人物のお話、というところでしょうか。言いすぎですか?ちなみに下巻まで読んだ後の感想です。続きを読む

    投稿日:2014.06.13

  • 親鸞の魅力…読んでゾクゾクするほどです

    平安時代末期から鎌倉時代にかけて、戦乱が相次ぎ、飢餓や干ばつの広がりから庶民が生きる希望を持てなかった時代の話。そんなとき、仏の力で人々を救おうとした2人の僧侶。
    南無阿弥陀仏を唱えれば極楽浄土へ行けると説いた法然と、その弟子で、阿弥陀仏を信じるだけで救われると説いた親鸞。上巻は幼児期から仏の道へ入る過程がフィクションを交えて面白く描かれ、下巻は親鸞が新潟へ流されるところで終わっています。
    わたしも趣味で小説を書くので、こんな時代の有名人をストーリーとして、どのように組み立てていくかに興味がありました。そして思いました。ピアノで言うと、バイエルを弾くわたしと、リストを弾く五木氏の違い。バイエルを習ったことで、リストを弾く作家の凄さが分かり。よくぞこんな物語を紡げるなあと…ため息。

    続きを読む

    投稿日:2013.09.27

  • 続編として

    「親鸞」の続編です.そちらを読んでからでないと内容把握は極めて難しいので,順番通りに読みましょう.個人的には,前作(どのような環境で育ってあのような思想に至ったのかが描かれたもの)の方が好きですが,ある意味俗世にもまみれた親鸞にあっても家族との関わりに苦悩する様など初めて知りました.話しの展開も用意されているので,退屈になることはないと思いますよ.続きを読む

    投稿日:2013.11.14

  • 脇役が魅力的

    親鸞の越後、関東での活躍を描く。越後では山伏外道院と出会い、彼とともに貧者、病者を救う。関東では最凶最悪の黒面法師が再登場し、彼に悪事の限りを尽す。ともに親鸞に念仏のあり方を考えさせる。脇役が魅力的だとおもしろい。続きを読む

    投稿日:2014.08.18

ブクログレビュー

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  • ヒボ

    ヒボ

    このレビューはネタバレを含みます

    本シリーズの始まりとなる青春篇を読み終えたのが2020.3.22、続編となる本作を手にするまでに約2年と半年。

    先日、著者の別作品を読み終えた時に何かに吸い寄せられるように自然と本書に手が伸びました。

    今が本書を読む時ということなのでしょう。

    と言うことで久々の再会となった親鸞ですが、いやはや面白い。

    無知故にどこまでが史実なのか、全くわかりませんが、仮に全てがフィクションであったとしても純粋に読み物として読み応えがあります。

    京を追放され、妻である恵信の故郷である越後に流された親鸞。

    1年の労役を務め上げながらも法然の教えを守ろうと人々に念仏の心を伝えようとする。

    そんな中で出会った外道院と名乗る謎の僧と彼と行動を共にする多くの世間から見放された人々。

    果たして外道院は敵なのか、それとも味方なのか。

    そんな中で親鸞が命を懸けて始まった雨乞いの祈祷。

    7日間飲まず食わずでただ念仏を唱える親鸞の祈りは、祈祷の終了を知らせる太鼓の音と共に終わることに。

    守護代の戸倉はその場で親鸞をニセ坊主と呼び、部下に捕らえよと命ずる。

    集まった聴衆に親鸞を石でうつように叫ぶも誰も石を手にすることなく立ち去ろうとしたまさにその時、天から鳴り響いた雷鳴と共に2ヶ月ぶりの大雨が降り出した。

    戸倉の怒りをかった親鸞とその仲間達は外道院により助けられ、命をつなぐ。

    同じく戸倉に命を狙われる外道院はなんと戸倉の息子からの密告により、すんでのところで危機を脱する。

    外道院と離れ家に戻った親鸞、下巻ではどのような展開が待ち受けるのか。

    楽しみに読み進めていきます。



    説明
    内容紹介
    京を追放された親鸞は、妻・恵信の故郷である越後に流されていた。一年の労役の後、出会ったのは外道院と称する異相の僧の行列。貧者、病者、弱者が連なる衝撃的な光景を見た親鸞の脳裡に法然の言葉が去来する。「文字を知らぬ田舎の人々に念仏の心を伝えよ」。それを胸に親鸞は彼らとの対面を決意する。


    親鸞の冒険、未知の異界へ!
    波乱を乗り越える勇気とはなにか。

    京を追放された親鸞(しんらん)は、妻・恵信(えしん)の故郷である越後に流されていた。一年の労役の後、出会ったのは外道院(げどういん)と称する異相の僧の行列。貧者、病者、弱者が連なる衝撃的な光景を見た親鸞の脳裡に法然の言葉が去来する。「文字を知らぬ田舎の人びとに念仏の心を伝えよ」。それを胸に親鸞は彼らとの対面を決意する。
    内容(「BOOK」データベースより)
    京を追放された親鸞は、妻・恵信の故郷である越後に流されていた。一年の労役の後、出会ったのは外道院と称する異相の僧の行列。貧者、病者、弱者が連なる衝撃的な光景を見た親鸞の脳裡に法然の言葉が去来する。「文字を知らぬ田舎の人びとに念仏の心を伝えよ」。それを胸に親鸞は彼らとの対面を決意する。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    五木/寛之
    1932年福岡県生まれ。朝鮮半島より引き揚げたのち、早稲田大学露文科に学ぶ。PR誌編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、’66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、’67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、’76年『青春の門』(筑豊篇ほか)で吉川英治文学賞を受賞。’81年より一時休筆して京都の龍谷大学に学んだが、のち文壇に復帰。2002年にはそれまでの執筆活動に対して菊池寛賞を、英語版『TARIKI』が2002年度ブック・オブ・ザ・イヤースピリチュアル部門を、’04年には仏教伝道文化賞を、’09年にはNHK放送文化賞を受賞する。10年に刊行された『親鸞』は第64回毎日出版文化賞を受賞しベストセラーとなった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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    投稿日:2022.09.07

  • chigu88

    chigu88

    このレビューはネタバレを含みます

    (上下巻の感想)親鸞聖人が島流しにされて越後で過ごす日々から、縁あって関東で布教をした頃を描いた作品。

    青春編を読まずに読んでしまいましたが、十分楽しめました。難破船を使ったライバル役のアジト、大捕物のようなハラハラするシーンなど、読んでいてわくわく、ドキドキするような演出も多く、とても読みやすかったです。

    作中では、越後でも関東でも、地縁がほぼないところから布教を始めるなか、一癖も二癖もある土地の人たちと出会い、交わることで、だんどんとその地に根を下ろし、念仏を伝えるということに苦心しながらも努めている親鸞の様子が丁寧に描かれています。

    目指す方向は似ていても、信仰のあり方の違うライバル、地方の様々な有力者、不遜な武士、詐欺師のような男や、かつて人を殺めたことのある男…。親鸞のまわりに現れるキャラクターたちは、誰もが印象的で、人間味にあふれています。
    仲間を増やし、ライバルと張り合い、別れてはまた新たな土地を尋ねる親鸞は、まるで少年漫画の主人公のよう。お坊さんの静かな生涯ではなく、まさに激動の活劇を見ているような気分になりました。

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    投稿日:2021.02.28

  • satoko

    satoko

    この巻もダイナミックな物語の展開でエンターテインメントとして面白い。新潟に移り住んでそこの地で地盤を築いていくが、まだ親鸞としての布教は始められていないし、その素地も中々作れていない。ただ、これまでと同じ様に自分の弱さを自覚しながらどう自分の目指す自分に近づけるのか、苦悩しながら真摯に生きる姿が印象的。また癖のある素晴らしい仲間を得られる事も成功者の所以か。次巻も楽しみ。続きを読む

    投稿日:2020.07.19

  • yusanya

    yusanya

    平安末期。念仏を広めていく親鸞の姿を描く。激動編は女房と、越後(上巻)・常陸(下巻)と移り住む。2部とあって、途中からの読み始めだが、十分面白い。河原に住み込む荒くれ部隊を仲間に取り入れたり、雨ごいの念仏を1週間したり。全国44誌に掲載された小説の単行本化。どうりで物語がスピーデイだ。続きを読む

    投稿日:2020.05.27

  • kuruko281

    kuruko281

    激動篇でようやく親鸞という名前が登場した。
    恵信の故郷である越後での親鸞は悩みながらも、多くの人々と生きていく。サトの存在や今後の展開が楽しみだ。

    投稿日:2019.05.20

  • mmkoma

    mmkoma

    このレビューはネタバレを含みます

    前半は越後編。
    京の都から、恵信の故郷であり、且つ、叔父の統括する越後に流人として送られた親鸞。物語は新潟の浜での外道院との遭遇から始まる。ここから外道院と親鸞との不思議な親交が始まる。親鸞を警戒し、味方にならぬのなら除こうとする外道院、外道院から河川の権利を収奪せんとする役人側という展開。色々な権謀術数の中、不思議なことが多々起こり、物語は進む。その中で徐々に念仏者を増やしていく。その途中から流人としての罪を許される。
    後半は関東編。
    一方で鴨の河原で親しくした河原房浄寛改め香原崎浄寛に招かれ関東へ赴く。関東でも領主の政治的計らいから、布教に勤め、その輪を拡大していく。その間にも自己の存在や念仏のあり方に悩み続ける親鸞。その信念の揺らぎに合わせてそれを試すように現れる黒法師。そしてその危機を助ける礫の弥七。そんな構図が出来上がっていく。
    最後は恵信が越後に一時的に去り、親鸞は風雲急を告げる京都に上る覚悟を決める。

    外道院と浄寛との親交のあり方が面白い。それぞれに親鸞という人物を信じ、影日向に親鸞を助ける姿がとてもいい。
    また、親鸞の進行を試すように現れる黒法師と危機一髪の時に必ず現れる弥七はセットで物語を盛り上げてくれる。
    読んでいくうちに念仏のあり方とは?という点も勉強になる。

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    投稿日:2018.08.06

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