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大栗博司 / 幻冬舎新書 (32件のレビュー)
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3
流行に乗ったタイトルですが、素粒子論の網羅的で良質な啓蒙書です
ヒッグス粒子が話題だけど、よく分かんない人向けの本です。高校物理の知識が無いと難しいですね。あとはwikiで分からない単語をチェックしまくりながら読むと、なんとなく分かったような気がしてきます で、実…はこの本でヒッグス粒子の説明が占める割合はごくわずかです。じゃあ何が書いてあるかというと、素粒子論の考え方、アイデアの進歩、個々の素粒子の説明などが丁寧に行われ、それまで分かった事に説明の付かない隙間が残り、組み上げてきた理論から類推して、こういう性質を持った粒子が存在しないとおかしい、ということを丁寧に説明をしています。そしてその粒子に付いた名がヒッグス粒子なわけです 自分が理解しただろう結論を書いておくと、 1 この世にはいろいろな場がある 2 今までは、強い力の場(質量のほとんどはこれ由来)、弱い力の場、電磁場、重力場が知られていた 3 クオークの質量は、質量全体の中ではわずかな割合でしかないことが分かっていたが、それがこれまでの場の理論だけでは説明できない 4 ヒッグス場がクォークの質量の元になっており、電磁場の力を伝えているのが光子であるように、ヒッグス場の力を伝えているのがヒッグス粒子である。ヒッグス場は第5の場である ということです。テレビではよくヒッグス場に引きずられて質量が生じるなんて説明がされてましたが、どうも、むしろ重力や電磁力と同じような場のイメージで良いみたいですね続きを読む
投稿日:2013.10.11
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nannryou
1
粒子
素晴らしい人類の進歩が毎日進んでいるんだなーと感じます。研究者の努力に感服するばかりです。素晴しいことで星も5つ。
投稿日:2021.03.17
fliwgh
強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く
SONYの最近電子書籍リーダーを買ったので、電子書籍を購入して読みました。 第一線の研究者が「誤魔化すことなく」素人にもわかるように丁寧に説明してくれています。 一方、新聞やテレビでは、先端科学の…紹介にしばしば誤った解説が加えられます。例えば、ヒッグス粒子の発見が大きなニュースになった時にヒッグス粒子を水飴にたとえて説明したメディアがあったことをとても残念である、と繰り返し述べています。(これは命名者のHiggs博士も「そう例えられるのはとてもいやだ」と言っているそうです。) また、本書の後半には素粒子研究の様な日常とかけ離れた科学技術が人々にどの様なメリットを与えるのか、を一生懸命説いています。芸術と同様の価値であり、現在はLHCなどを作ることで民間にも役に立つ技術がたくさん生まれており、将来においては得られた知見から実際に人々の役に立つ技術が生まれる可能性がある、と。 この人は現在の日本で最も優れた一般向け科学書を書く人であると思います。 とても真面目で丁寧でかつ決して上から目線ではない、素晴らしい人だと思います。続きを読む
投稿日:2013.09.24
solumputeus
高度な内容をとても分かり易く解説しているお勧めの一冊
重力や電磁気力とは異なり、イメージしにくい強い力と弱い力。 本書は説明が分かり易いだけでなく、物理の発展を追体験するように理解していくことができます。
投稿日:2013.09.25
久しぶりに科学の本を読んだ
一般向けの教養書とは言え、こういう宇宙物理学の本を読むのは本当に久しぶり。とりあえず、自分がまだこういう本を読めたことに驚いた。 そうして、こういう難しい話を、一般人にもイメージできるような例えを持…ち出しながら、分かりやすく解説しきった作者に敬意を。 今、素粒子の世界はこんなことになっているのか。本当に面白かった。続きを読む
投稿日:2014.02.17
ko-papa
楽しく読めた
これを読むと、他の科学解説書は結構ごまかしているなと感じる。それほど、正確に内容を伝えようとした本格的な解説書だと思う。それを難しく書くのではなく、分かりやすく解説しているのは素晴らしい。著者も書いて…いるが、分かりやすく理解するための例え話が的確なのだと思う。さすがである。 他の本では、ヒッグス場が全て質量の根源としているのに、本書ではヒッグスの与える質量は1%程度で、残りは、強い力などエネルギーを基にしたもとしている。こっちの方が確からしい気がします。続きを読む
投稿日:2019.04.09
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hibino
『重力とは何か』に引き続き、大栗先生の本で標準模型について読みました。質量とは何か、というところから始まって、素粒子の標準模型が作られていった過程を一歩一歩学ぶことができました。ヒッグス粒子発見のニュ…ースが出た際に本質が伝わっていないというもどかしさや、多額の公費を使って素粒子の研究をして何の役に立つのか、という批判に対する答えが、先生がこの本を書くモチベーションになったのかなと感じました。続きを読む
投稿日:2019.04.01
lutana2
新書とは思えないほどの内容の充実ぶりとわかりやすさもさることながら、一般読者を決して変な喩でごまかさすまいとする姿勢がとにかく素晴らしい。おすすめの一冊。
投稿日:2018.05.27
とぅーん
『重力とは何か』と同じ大栗さんの2冊目 重力の方が身近なこともあるし 重力とは何かの方が、ちょっとわかりやすいかもしれないが これもわかりやすく、最先端物理の内容を紹介してくれる本
投稿日:2017.04.08
澤田拓也
『重力とは何か』で相対性理論や超弦理論などの最新重力理論の解説をした大栗先生が、今度は「強い力」や「弱い力」などのミクロの世界の物理学について説明をした本。出版されたのがヒッグス粒子発見からそう間が空…いていない時期でもあり、その記述からもその昂ぶりが伺える。ヒッグス粒子の発見は、ニュースを聞く素人からは何だかよくわからないがまた新しいことが分かったんだなという程度だけれど、理論物理学者からすると「自然界は本当に標準模型を採用していたのだ」と驚きと感動を覚えるものだという。 そうしたニュースの中で、ヒッグス粒子は「万物の質量の起源」と紹介されたが、本書ではそれは違うと指摘する。ヒッグス場(著者はヒッグス粒子とヒッグス場の違いにもこだわる)は素粒子の質量の起源かもしれないが、陽子や中性子などの物質の質量の大部分はクォークではなく強い力のエネルギーに由来するからだと。こういった一般的な誤解を解きながら進めていく姿勢は本書を通して一貫しており、内容の信頼度を上げている。例えば、弱い力も「力」という言葉から得られるイメージとは異なるが、粒子の種類を変える働きも含めて「力」なのだと本書のように丁寧に説明されると納得しやすい。ヒッグス粒子は「質量を与える」ことで粒子の状態を変える「力」で、いわば第五の力だと説明されるとそうなんだと思う。ボゾンとフェルミオンの説明や素粒子の色荷なども、本で読むのはもう何度目かなのだが、よくわかっていなかったことがよくわかった。 また本書では、南部陽一郎の仕事に比較的多くのページを割いて説明しているが、彼の自発的対称性の破れの理論がいかに重要であるのかがこの本で初めてわかったような気がする。偉大な理論物理学者には、賢者、曲芸師、魔法使いの三種類があるとして、南部を「魔法使い」と評しているのは興味深い(リチャード・ファインマンは曲芸師らしい)。自発的対称性の破れ自体に関しては『真空のからくり』の説明の方が詳しいし、『宇宙が始まる前には何があったのか?』や『すごい宇宙講義』などでも扱われていたが、相転移の概念を通しての著者の説明は、他のものと比べても理解しやすかった。宇宙が始まった後の相転移によって、それまでは対称性により交換可能であった力が、宇宙の相転移によりその対称性を失うことで、「弱い力」「強い力」「電磁気力」に分かれたというイメージだという。 最後に著者は、素粒子の標準模型は、南部陽一郎、ワインバーグ、ヤン、ミルズなど数多くの物理学者(40人を超えるノーベル賞受賞者を生んだ)が「何か辻褄の合わないことが見つかるたびに別の理論を継ぎ接ぎして、苦労して織り上げたパッチワーク」のようだと評する。だからこそ標準「理論」とは言われず、標準「模型」と呼ばれているらしい。また、その理論にはまだ重力が含まれていないという決定的な欠点がある。さらに悪いことに、標準模型が「なぜ」に答えていない。力はなぜ四つあるのか、クォークの種類はなぜこの数なのか、この理論に含まれる十八個ものパラメータはこの世界においてなぜこの値を取るのか。また、もともとニュートリノが質量を持たない前提で構築された模型の変更やより高いエネルギー状態での破綻などが問題として提示される。宇宙の全質量を説明するためのダークマターについても何も説明できない。「なぜこの世界は無ではなく、そこに何かが存在しているのか (ライプニッツ)」を説明するための理論にはまだまだ遠いのである。ただ、遠いということは、おそらくはこの分野においても今後多くの進展があることだ。それは悪くないことのような気がする。 これまで色々と量子力学に関する本を読んできたけれども、これまでで一番よく理解できたように思う。それは、自分自身に少しだけ多く知識が付いたからなのかもしれないが、やはりそもそも日本語で日本人に対して書かれたものであることも大きいのだろう。もちろん著者の力量と姿勢の影響もある。著者は、やさしくても本格的な説明とするため、「現場の研究者が実際に使っているたとえやイメージしか使わない」と宣言し、その分「より深くより豊かな知的経験を味わえるはず」だと自ら太鼓判を押す。「強い力と弱い力」に興味がある、という人は少ないのかもしれないが、興味がある人にはかなりおすすめ。自分の中の評価では、『重力とは何か』よりもおすすめかな。 ---- 2016年7月、中国語にも翻訳されて出版されたとのこと。素晴らしい。 https://twitter.com/PlanckScale/status/754498445604519936 同じく同年7月にアスペン物理学研究所の所長にも就任。こちらも素晴らしい。 http://www.ipmu.jp/ja/20160713-Aspen-Ooguri ---- 『重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る』のレビュー http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4344982614 『真空のからくり』のレビューhttp://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4062578360 『宇宙が始まる前には何があったのか?』のレビュー http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/416376870X 『すごい宇宙講義』のレビュー http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4781609910続きを読む
投稿日:2015.12.07
andalusia0705
強い力が質量を生み出す一要因とは知らなかった。力を伝える粒子のことをボゾン、物質の構成要素となる粒子をフェルミオン。
投稿日:2015.12.05
ひじり
量子力学というのは私の想像力を遥かに超え、 なかなか理解が及ばない。 ということで何とか理解するべく購入した本。 この著者と仕事をしたことがある友人は まずは『重力とは何か』から、 とアドバイスをくれ…たが、 4つの力の方がはるかに謎だったのでこちらを購入。 一言で言うと、わかりやすいです。 大して賢いとは言えない私でも、 それなりについていけた、 気分には少なくともなれました。 ただ、人に説明するには、 あと30回くらい読まないとだめかもしれない。 宇宙や物理や量子力学に馴染みのない人にも分かり易く説明しよう、 という真摯な姿勢が感じられました。 若干わかりづらい例えもありましたが、 まあ良いです。 私のように、 興味はあるけど専門的すぎると自然と理解を拒んでしまう人 におすすめです。続きを読む
投稿日:2015.11.23
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