HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか

ベン・ホロウィッツ, 滑川海彦, 高橋信夫, 小澤隆生 / 日経BP
(142件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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53
26
4
0
  • 苦闘する人たちへ

    やたらと評判の良いこの本だがこれが本当に役に立つ人がどれだけいるのだろうと言う気がしなくもない。

    本当に難しいことは、「社員を解雇すること」「既得権にあぐらをかいた優秀な人々の不当な要求に対処すること」などなど自身の経験をもとに、答えを提供するのではなく苦闘している人に何かのインスピレーションとなるようにと書かれている。

    一般人が触れた最初のブラウザ「モザイク」を開発した22歳のマーク・アンドリーセンが立ち上げたネットスケープ社に押しかけたベン・ホロウィッツはウェブサーバーの開発を任された。ちょうどウインドウズ95にインターネット・エクスプローラーが無料でバンドルされたころだ。ネットスケープをAOLに売却した後マークとベンはトラフィックの増大によるトラブルを解決するサービス「クラウド」のアイデアを元にラウドクラウド社を立ち上げた。会社設立直後にITバブルの崩壊に見舞われ、IPOによる上場を目指すがこの時の運転資金は3週間分しかない。なんとか立ち上がったこの会社も顧客の倒産により資金繰りがつかなくなった。会社を分割し残った会社をなんとか生き残らせる。そうしながらベンが苦闘した出来事と、いくつかのヒントを語っている。

    自分へのメモ「やってないことは何か?」を聞くのは良いアイデアだ。

    「会社倒産の準備をするんだ」しかしベンはやらなかった。CEOは確率を考えてはいけない。会社の運営では、答えがあると信じなきゃいけない。答えが見つかる確率を考えてはいけない。とにかく見つけるしかない。可能性が1に9つであろうと1000にひとつであろうと、する仕事は変わらない。

    幹部を解雇する第1ステップはなぜ、会社に不適切な人物を採用したかを解明することにある。

    教育は、早い話が、マネージャーにできる最も効果的な作業の一つだ。

    所々にこういうヒントが有るので起業する人には役に立つのだろう。

    「大組織においては、どの職階においても社員の能力はその職階の最低の能力の社員の能力に収斂する」ベンが名付けた「ダメ社員」の法則によると、部下は直近の一番ダメな上司と比べ自分でもそれくらいはできると考え、同レベルの社員で占められると無能レベルに達する。だそうだ。

    ツイッター創業物語ほどのドタバタ劇ではなく真面目に書かれた本なのだが役に立つかどうかは少し微妙。この本に共感する人は苦労しているのだろう。
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    投稿日:2015.06.24

  • 経営者は何を気にし、何に悩むのか。

    日本とアメリカの企業のあり方の違いはあると思いますが、経営者が思考する流れは大きく変わらないのではないかと思います。

    書籍自体は、筆者のこれまでの経験を時系列で、ストーリー仕立てで見る部分と、そこから得られた教訓や、気づき、著者の考えがカテゴリーごとにまとまっている部分の二つに分かれます。

    個人的には、気付きわ考えよりも、実際の流れを読むことで、追体験し、悩みを想像するものとして、すごく良い本だと思います。
    ここまで、赤裸々に描かれている本は珍しいのではないかと思います。


    そこから得られた気付きの部分は、ちょっとわからない部分もありましたが、経営者の思考の順番や、大切にしているものを見るにはすごくいい本だと思います。

    特に、ベンチャーの経営層に近い方には、強くオススメします。
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    投稿日:2016.08.25

ブクログレビュー

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  • multilearner

    multilearner

    著者の起業や上場、会社運営から事業転換、売却などを通して経験した様々な「困難」が散りばめられており、それぞれに対応する知恵が記されている。本書を通して一貫して得られる教訓としては、成功するために答えのない課題に取り組む際に困難は付き物であり、困難があること前提で、その時に最善の策を打てるように胆力と意思決定力を培う必要があることだと感じた。また著者が様々な困難を克服する際に、人脈とその信頼関係が鍵となっているケースが多いところも印象的であった。続きを読む

    投稿日:2023.02.18

  • japapizza

    japapizza

    第1章 妻のフェリシア、パートナーのマーク・アンドリーセンと出会う
     実はジョエルと知り合った事情は、これまで誰にも話したことがない。しかしこの事件は私の人生を形づくる上で大きな役割を果たした私は脅されて怖がったが、だからといって正しいことをする根性がなかったわけではない。私がジョエルに話しかける言葉によって、私は英雄にも臆病者にもなった。もし私がロジャーに命じられた通りに「ニガー」と罵っていたら、もちろんジョエルと私は親友になっていなかった。
     この経験は何事であれ、表面で判断してはならないことを私に教えた。人でも物事でも、よく知る努力をしない限り、何も知ることはできない。知ることに近道はない。特に個人的な経験によって得られる知識に近道はない。努力なしの近道や手垢のついた常識に頼るくらいなら、何も知らないほうがよほどましだ。

    第2章 生き残ってやる

    第3章 直感を信じる
     私の経歴の中で早くに学んだ教訓は、大企業でプロジェクト全体が遅れる原因は、必ずひとりの人間に帰着するということだった。エンジニアが決断を待って立ち往生しているかもしれないし、マネジャーが重要な購買の権限が自分にはないと思っているかもしれない。そういう小さな、一見些細なためらいが、致命的な遅れの原因になりかねない。

    第4章 物事がうまくいかなくなるとき
    「成功するCEOの秘訣は何か」とよく聞かれるが、残念ながら秘訣はない。ただし、際立ったスキルがひとつあるとすれば、良い手がないときに集中して最善の手を打つ能力だ。逃げた死んだりしてしまいたいと思う瞬間こそ、CEOとして最大の違いを見せられるときである。本章では、辞めたり吐いたりすることなく、困難を乗り切るための知恵をいくつか授けよう。
     多くの経営書は、物事を正しく処理して失敗しないために何をすべきかに焦点を絞るが、こここでは大失敗したあとに何をすべきかについて考えよう。良いニュースは、私自身もほかのCEOも、大失敗の経験を豊富に持っていることだ。

    悪戦苦闘
    ■つらいときに役に立つかもしれない知識
     苦闘を乗り越えるための答えはないが、私の助けになったことをいくつか紹介しょう。
    ・ひとりで背負い込んではいけない。自分の困難は、仲間をもっと苦しめると思いがちだ。しかし、真実は逆だ。責任のもっともある人が、失うことをもっとも重く受け止めるものだ。重荷をすべて分かち合えないとしても、分けられる重荷はすべて分け合おう。最大数の頭脳を集めよ。オプスウェアで競合に負け続けていたとき、私は全社員を呼び、「オレたちはケツを蹴られていて、出血を止めなければ死んでいく」と話した。誰もまばたきひとつしなかった。チームは持ち直し、勝てる製品をつくって、私のあわれなケツを救ってくれた。
    ・単純なゲームではない。苦闘は戦略が必要なチェスだ。ITビジネスは、とてつもなく複雑になってきた。テクノロジーが動くとライバルが動き、市場が動き、人が動く。その結果、スタートレックの3次元チェスのように常に打つ手はある。売上200万ドル、社員340人の会社を上場して、翌年7500万ドルを売り上げるという方法はどうだろうか。私の打っ手がまさにそうだった。2001年、IT企業が上場するには史上最悪の時期だと誰もが考えていたとき、私はそうした。6週間分の現金しか残っていなかった。打つ手は必ずある。
    ・長く戦っていれば、運をつかめるかもしれない。テクノロジーゲームでは、明日は今日とまったく違う。明日まで生き延びれば、今日はないと思えた答えが見つかるかもしれない。
    ・被害者意識を持つな。困難は、おそらくすべてあなたの責任だろう。人を雇ったのも、決断したのもあなただ。あなたは、リスクがあることを知っていた。誰でも過ちを犯す。どのCEOも、無数の過ちを犯す。自分を評価して、「不可」を付けたところで慰めにもならない。
    ・良い手がないときに最善の手を打つ。偉大になりたいならこれこそが挑戦だ。偉大になりたくないのなら、あなたは会社を立ち上げるべきではなかった。

    CEOはありのままを語るべき人を正しく解雇する方法/
    幹部を解雇する準備/
    親友を降格させるとき/
    敗者が口にするウソ

    鉛の弾丸を大量に使う
     実存する脅威に直面することほど、ビジネスで怖いものはないかもしれない。あまりの恐ろしさに、社員の多くは向かい合うことを避けるためなら何でもやるようになる。あらゆる代替案、あらゆる逃げ道、あらゆる言い訳を探して、一回の戦いに生死を賭けることを拒もうとする。私はこれを、スタートアップとの会話でよく聞く。

    やるべきことに集中する
     自分の惨めさを念入りに説明するために使うすべての心的エネルギーは、CEOが今の惨状から抜け出すため、一見不可能な方法を探すために使うほうがはるかに得策だ。やればよかっと思うことには一切時間を使わず、すべての時間をこれからきみがするかもしれないことに集中しろ。結局は、誰も気にしないんだから。CEOはひたすら会社を経営するしかない。


    第5章 人、製品、利益を大切にする―この順番で
     かつてネットスケープのCEOとして私のボスだったジム・バークスデールがよくこう言っていた、「われわれは、人、製品、利益を大切にする。この順番に」。単純だが奥深い言葉だ。「人を大切にする」ことは、3つの中でも頭抜けて難しいが、それができなければあとのふたつは意味を持たない。人を大切にすることは、自分の会社を働きやすい場所にするという意味だ。ほとんどの職場は、良い場所とはかけ離れている。組織が大きくなるにつれ、大切な仕事は見過ごされるようになり、熱心に仕事をする人々は、秀でた政治家たちに追い越されていき、官僚的プロセスは創造性の芽を摘み、あらゆる楽しみを奪う。


    働きやすい場所をつくる/
    なぜ部下を教育すべきなのか/
    友達の会社から採用してもよいか/
    大企業の幹部が小さな会社で活躍できない理由/
    幹部の採用未経験の仕事でも適任者を見つける/
    社員がマネジャーを誤解するとき/
    経営的負債/
    経営の品質管理


    第6章 事業継続に必須な要素
    社内政治を最小限に
    社内政治を抑えるテクニック
     CEO時代に私は、社内政治を抑制するためにいくつか有用なテクニックを身に着けた。

    1 第一は、「正しい野心を持った人材を採用する」ことだ。会社をアメリカ上院みたいな政治の場にしたければ、間違った野心を持つ人間を雇うのがてっとり早い。長年インテルを率いたアンディ・グローブによれば、「正しい野心家」というのは「会社の勝利を第の目標とし、その副産物として自分の成功を目指す」ような人物だという。それに反して「悪い野心家」は、「会社の業績がどうあろうと自分個人の成功が第一」というタイプだ。
    2 社内政治につながりそうな問題について、あらかじめ厳格なルールづくりをする。ある種の分野はどうしても社内政治につながりやすい。たとえば―
    ・実績評価と給与査定
    ・会社組織のデザインと責任分野
    ・昇進

    正しい野心/
    肩書と昇進/
     またザッカーバーグは、肩書は実際の職務と社内への影響力を正確に反映しなければならないと考えている。会社が急成長を続ける場合、組織がどう構成されているのかを常に明確にしておくことが非常に重要だ。ところが、副社長や最高XX責任者が何十人もいたのでは、職責が不明確になるのは避けられず、混乱が生じる。
     さらにザッカーバーグは、ビジネス系社員はエンジニアリング系社員に比べて肩書がインフレ気味になることに気づいた。ザッカーバーグも対外的交渉の際にはインフレの肩書が有効な場合があることを認める。しかし彼は、エンジニアをはじめ製品を実際につくる社員こそ会社のコアと考えており、無用な管理階層はできるだけ少なくとしようと努めている。

    優秀な人材が最悪の社員になる場合/
    経験ある大人/
    個人面談/
    自分自身の企業文化を構築する/
    会社を急速に拡大(スケーリング)させる秘訣/
    ・組織のデザイン
     どんな組織化も必要悪であるから、悪が最小であるような選択肢を探す必要がある。この場合、組織デザインを社内コミュニケーションのアーキテクチャとして考えるとよい。特定の社員間のコミュニケーションをスムーズにしたいと思えば、彼らをひとりのマネジャーの下に所属させるのが、一番間違いない方法だ。逆に組織図で離れた位置にあればあるほど、そこに所属する社員間のコミュニケーションは疎遠になりがちだ。
     また同時に、組織デザインは会社が外部とどのようにコミュニケーションをするかも決める。たとえば、製品ごとのセールス担当者のコミュニケーションを最大限にしようとして製品別組織にすれば確かに狙った効果は上がるかもしれない。しかし同時に、複数の製品を利用している顧客は、それぞれ別のセールス担当者とコミュニケーションをとらねばならなくなる。メリットの裏には必ずデメリットがあることを念頭に置き、組織デザインをしなければならない。

    1 どの部分にもっとも強いコミュニケーションが必要か。まず一番重要な知識をリストアップし、その知識を誰が共有しなければならないかを検討する。たとえば、ある製品のアーキテクチャはエンジニアリング、品質管理、製品マネジメント、マーケティング、セールスの各部門に理解されていなければならない。
    2 どんな意思決定が必要なのかを検討する。機能、アーキテクチャ、サポート方法の選定のように、繰り返し頻繁に行われる意思決定を洗い出す。関連ある問題についてはひとりの管理職がなるべく多くの意思決定を行えるように組織をデザインする。
    3 最も重要度の高い意思決定とコミュニケーションの経路を優先する。製品マネジャーに重要なのは、製品アーキテクチャの理解が、マーケットの理解か。エンジニアに重要なのは、顧客の理解が、アーキテクチャの理解か。ただしこうした優先順位は、状況によってたやすく変わることを念頭に置かねばならない。状況が変われば再組織化が必要となる。
    4 それぞれの部門を誰が管理するかを決める。これは4番目のステップであり、最初のステップではないことに注意する必要がある。組織づくりは実際に業務をこなす社員がもっとも効率よく働けるようにすることが目的であって、管理職が働きやすくすることが目的ではない。組織づくりで一番大きな誤りはこの点で生じやすい。組織の上のほうにいる人間の個人的な野心や都合を、組織の下にいる人間の作業実態やコミュニケーションの経路より優先させてしまうというミスだ。誰を組織の長にするかを優先順位の後のほうにすることで、マネジャー層から不満が出るかもしれないが、やがて彼らはそれに慣れる。
    5 優先しなかったコミュニケーション経路を認識する。優先しなかったコミュニケーション経路がどれかを認識するのは、あるコミュニケーション経路を優先するべく選択するのと同じくらい重要だ。あるコミュニケーション経路の優先順位を下げたとしても、その経路が不要になったわけではない。もしその経路を完全に無視してしまうと、やがて必ずトラブルとなって跳ね返ってくる。
    6 あるコミュニケーション経路を優先しなかったことから生じる問題を最小限とするよう手を打つ。こうした問題は部門間コミュニケーションの問題として浮上することが多い。そうした問題を処理するプロセスを事前に設定しておく。

    成長期待の誤り


    第7章 やるべきことに全力で集中する
    CEOとしてもっとも困難なスキル/
    恐怖と勇気は紙一重/
    「ワン」型CEOと「ツー」型CEO
     ジム・コリンズはベストセラーとなった「ビジョナリー・カンパニー2」(日経BP社)の中で、膨大なリサーチと総合的な分析の結果、CEOの後任の選択に関して、社外からの採用よりも社内からの昇進のほうが圧倒的に好成績であると結論づけている。その主たる原因は知識だ。その企業に独特のテクノロジー、それ以前の決断、企業文化、人事その他に関する知識を得るのは、CEOとして大企業を経営するスキルを学ぶよりはるかに難しい。しかしコリンズはなぜ、社外からの採用が失敗しがちなのか、本当に詳しくは説明していない。
     そこで、私がこの場を借りて説明してみよう。組織を運営するには2種類の本質的に重要なスキルが必要だ。ひとつは、何をすべきかを知ることであり、もうひとつは、そのなすべきことを実際に会社に実行させることだ。偉大なCEOとなるには、このスキルが両方とも必要だ。しかしたいていのCEOは、どちらか一方を得意とする傾向がある。私は会社の向かうべき方針を決めるのを得意とするCEOを「ワン」と呼び、決められた方針に沿って会社のパフォーマンスを最高にするのを得意とするCEOを「ツー」と呼んでいる。

    リーダーに続け/
     理想的なCEOのタイプというものは存在しない。スティーブ・ジョブズ、ビル・キャンベル、アンディ・グローブはいずれも偉大なCEOだが、彼らのスタイルにはほとんど共通点がない。偉大なCEOに共通して必要とされる唯一の資質は、おそらくリーダーシップだろう。それではCEOという職務においてリーダーシップとは何だろう?偉大なリーダーは生まれながらのものだろうか?それとも努力によって後天的になるものだろうか?かつて米国最高裁のポッター・スチュワート判事はポルノグラフィについて「見ればわかる」と定義した。多くの人々にとって、リーダーシップの定義もこれに近いだろう。ここではリーダーに従おうとする人々の数、質、多様性という側面から一般化してみる。人々がリーダーに従いたくなる要因にはどんなものがあるだろうか。私は次の3つの資質が重要だと考える。
    ・ビジョンをいきいきと描写できる能力→スティーブ・ジョブス属性
    ・正しい野心→ビル・キャンベル属性
    ・ビジョンを現実化する能力→アンディ・グローブ属性

    平時のCEOと戦時のCEO/
    自身をCEOとして鍛える/
    CEOを評価する


    第8章 起業家のための第法則―困難な問題を解決する法則はない
    責任追及と創造性のパラドックス/
     テクノロジー・ビジネスでは、事前に予想ができることは非常に少ない。凡庸な製品と魔術的に素晴らしい製品との差は、往々にして、社員にあまりに厳しく責任を求める会社運営と、社員が創造性を発揮するためなら必要なリスクを取ることを許す経営との差にある。社員の約束に責任を持たせることは重要だが、重要なことはほかにもたくさんある。

    対立部門の責任者を入れ替える/
    最高を維持する/
     会社への忠誠心も能力も高いエグゼクティブを解雇しなければならないという状況が発生する。そのときにどう伝えたらよいのか。その幹部社員はこれまで大変な努力をしてきた。すばらしい実績も上げている。しかし市場環境は激変中で、その幹部が変化について行けないようなら、来年は解雇しなければならないかもしれない。
     私は部下の幹部社員に職務評価を伝えるとき、よくこう表現した。「きみは現在いい仕事をしている。しかし計画では社員数は来年2倍になり、きみの職は今とはまったく違ったものになる。そこで今後はきみの職務評価は、新たな基準で実施される。念のために言っておくが、これはきみ個人の問題ではなく、私を含めて社員全員に新たな基準が適用される」
     社員が2倍になれば、全幹部の職務内容が変わるという点を明確にすることが重要だ。全員が新たな職に就くことになるのだ。今までうまく行っていたやり方が新しい職でもうまくいくという保証はまったくない。それどころか、状況の変化に対応できず、漫然と旧来のやり方を続けることが、エグゼクティブが失敗するもっともありふれた原因だ。

    会社を売却すべきか


    第9章 わが人生の始まりの終わり
     苦闘を愛せ
     今、私は日々起業家と接しているが、一番伝えたいのはこの教えだ。自分の独特の性格を愛せ。 生い立ちを愛せ。直感を愛せ。成功の鍵はそこにしかない。私は彼らに前途に待ち受ける困難さを伝えることはできるが、困難に直面したときに何をすべきかは、彼が自ら判断する以外ない。私にできるのは、それを見出すための手助けだけだ。私はCEOでいる間、一度も心の平和を得られなかったが、運が良ければ時にはそれも得られるだろう。
     しかし、世界中の助言と後知恵を集めても困難な物事は困難なままだ。最後に私は、困難に立ち向かうすべての人々に「幸多かれ、夢の実現あれ」という言葉を贈りたい。
    続きを読む

    投稿日:2023.01.04

  • isaohasegawa

    isaohasegawa

    またステップアップしたときに巡り合うかもしれない本。
    一度挫折したが、また別の本で出てきて再読して今回は読み切れた。また役職が上がると参考になるところも増えるかな。

    フィードバックの項が早速参考になった。続きを読む

    投稿日:2022.08.07

  • 星野 邦夫

    星野 邦夫

    CEOとしての困難や苦悩、苦闘を語った本ではあるが、小さな組織のリーダーとしても深い学びを得られる。時に残酷でありながらも組織を前に進めるための考え、行動、振る舞いが凝縮されている。読んでよかった。
    以下、印象的なフレーズ。
    ・戦士が常に死を意識し、毎日が最後の日であるかのように生きていれば、自分のあらゆる行動を正しく実行できる。
    ・何を避けるべきかに意識を向けず、これから何をなすかに意識を集中すべきなのだ。
    ・苦闘を愛せ。
    続きを読む

    投稿日:2022.07.24

  • まる宅

    まる宅

    自分にはなかなかしんどい一冊でした。
    翻訳がイマイチな部分あり、理解に苦しむと読み返しに疲れる、の繰り返しでした。
    CEOは会社の全てを背負っているが一人では無いということも理解する必要がある。
    そんな位置にはいないけど折れずに頑張っていきたい。続きを読む

    投稿日:2022.03.21

  • りょぺ

    りょぺ

    このレビューはネタバレを含みます

    難しい本。社会で働いたことない僕にとっては今、どういう状況で何が問題なのかをイメージしながら読むのにはとても苦労した。ただ、経営を経験する前には読んでおくべき一冊だなと感じた。
    後々企業で働くようになったら再読したい一冊。何が難しいかというと、IPOの話や株価。買収や事業の売却。マイクロソフトの話が出てきたりと、まさにIT系のビジネスが盛り上がっていく潮流の話だった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.01.02

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