【感想】ジヴェルニーの食卓[電子特別版]

原田マハ / 集英社文芸単行本
(303件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
84
120
59
8
0
  • さながら「美の巨人たち」書籍版

     ひたりました。楽しかったです。
    まるでタイムスリップしたような、不思議な感じ。
    モネの「睡蓮」を初めて見たのは〇〇年前、西洋美術館。釘づけになったのを覚えてます。
    どの話も画家や取り巻く人々がイキイキとしていて、文章が心の中で「美の巨人たち」のナレーションのようにしみてきます。
    その中でも「タンギー爺さん」のセザンヌに寄せる愛情あふれる言葉「いつか必ず、世間が彼に追いつく日が来る」は印象的でした。おいつけない一人だったので猶の事。
     これから美術展に出かけても、鑑賞の仕方が変わりそうです。
    美術館に行きたくなる!…そんな貴重な作品でした。

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    投稿日:2014.12.16

  • 奇跡の時代の群像。

    19世紀の後半から20世紀初頭。それは才能と才能のぶつかり合いによる、まさに化学反応とも言うべき進化の連鎖。パリを中心としたヨーロッパ中で起こった美術史上に燦然と輝く奇跡の時代。

    そんな時代に活躍したマティス、ドガ、セザンヌ、モネをモチーフに彼らに強く影響を受けた人々の視点から書き綴られた計4編からなる短編集となっています。

    先に「化学反応」と書いたとおり、この時代の凄まじさはとにかく横のつながりの広さに尽きます。この時代の有名無名な画家たちの関係を線で結べば全部繋がるのではないかと思えるほど交流が盛んで、芸術家たちが夜毎に芸術論を競って語り合い、影響し合って時代の強烈なうねりを作り出したと考えると、想像するだけで気持ちが高ぶる思いです。

    そういった熱狂の時代の息吹とともに芸術家たちへの憧憬、尊敬、ともすれば崇拝とも捉えられかねない強い想いが筆者の書く文章からは満ち溢れています。

    特にストーリに繋がりがあるわけではありませんが、筆者の別作品「楽園のカンヴァス」と合わせて読んでほしい作品です。
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    投稿日:2014.06.11

  • あの世界にまた触れる事ができる喜び

    お気に入りの作品「楽園のカンバス」
    あの世界にもう一度触れる事ができると思うと手に取らずにはいられませんでした
    ヘタな美術の教科書などよりも
    余程リアルに画家や絵の魅力を伝えてくれていると思います

    投稿日:2013.11.19

  • 芸術家たちの、人間としての奥深い世界へ

    教科書、美術館、どこかのウェブサイト・・・
    ドガ、セザンヌ、モネ、マティスの作品をそれとは知らずとも一度は見たことがあるはず。
    彼らの作品の裏に隠された物語が、この本の中では綴られています。
    美術に造詣が深い人も、今まで触れる機会があまりなかった人もともに楽しめるとおもいます。

    日本国内にも、この本に出てくる芸術家の作品をを収蔵している美術館は多くあります。
    例えば、東京・上野の国立西洋美術館はモネの睡蓮の絵を所蔵しており、
    常設展示されているので開館日にはいつでもみられます。
    それ以外にも、全国各地の美術館で行われている展覧会で見る機会が数多くあるので、
    この小説を読んで気になった方は、足を運んでみたらいかがでしょうか。
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    投稿日:2013.09.24

  • まさに読む美術館

    文字だけで、ここまで表現できるのですね・・・改めて本って素晴らしいと思いました。
    文章を追うだけで、さまざまな色が洪水のように頭の中に流れこんできます。
    目の前に絵が浮かびあがります。
    さすが元学芸員さんですね。
    美術展のチケットを買う気持ちで、手に取られてはいかかですか。
    美術好きな方も、そうでない方も、美術館に行きたくなりますよ。
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    投稿日:2013.09.27

  • 印象派の巨匠たちの物語

    静物画のセザンヌ,踊り子の絵のドガ,いまひとつ私にはピントこないマチス,そして私がもっとも好きなモネの,それぞれ史実に基づいたフィクションです。
    印象派はいまでは日本でも人気のジャンルですが,当時は本当にひどい扱いであったこと,そんな中でも画家達はいきいきと,しかし問題も抱えながら生活していたことが読み取れます。
    この作家はさすがキュレータでもあるだけに,読みながらその絵画が本当に美しく浮き上がってくるように感じられます。これを読んでから美術館に行きたくなること間違いなしです。
    続きを読む

    投稿日:2015.04.30

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ブクログレビュー

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  • rose

    rose

    マティス、ドガ、セザンヌ、モネを題材にした短編小説。
    マハさんの丁寧な描写に惹き込まれました。
    そして、画家先生たちの人生をもっともっと知りたくなりました。

    投稿日:2024.04.05

  • 佐々木

    佐々木

    原田マハさんの作品は初読みですが、文章が1つ1つ丁寧でかつ、繊細な表現で美しいです。より、印象派の画家たちが好きになりました。

    投稿日:2024.03.21

  • まつ

    まつ

    いつものことながら原田マハさんの作品を読むと美術への興味が湧く。今は偉大な芸術家として名を残していても、生きている間は不遇だった作家も多かったんだろうな。この小説で出てきたいくつかの作品を見てみたいと思った。続きを読む

    投稿日:2024.02.24

  • くうすけ

    くうすけ

    表紙がモネの絵でとてもうつくしかった。

    4つの短編集で、それぞれマティス、ドガ、セザンヌ、モネについてを、美術への熱量を持って語られている。

    難しい、堅苦しい世界だと思っていた画家たちが物語の中で会話しているのを読んでとても親近感が沸いたし、作中に登場する絵画を検索ながら読み、美術館で解説を読んでいる気分になった。

    タンギー爺さんも好きだった!

    マグノリアのマリアとマティスのお話と、モネとモネを尊敬する家族のお話がとくに印象深く、ちょうど東京で行われている印象派の美術展に行こうかと思った。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.12

  • やっさん

    やっさん

    休みはのんびりしてますw

    ってな事で原田マハの『ジヴェルニーの食卓』

    □うつくしい墓
    □エトワール
    □タンギー爺さん
    □ジヴェルニーの食卓
    4つの短編集♪

    うつくしい墓は、マティスとピカソ

    エトワールは、エドガー・ドガ

    タンギー爺さんは、ポール・セザンヌ

    ジヴェルニーの食卓は、クロード・モネ

    とそれぞれ史実に基づいたアーティストのフィクションじゃが、ホントの話みたいに想像してしまう♪

    どれも最後は綺麗な〆で余韻が気持ちええです♪

    美術館行きたくなるw

    2016年12冊目
    続きを読む

    投稿日:2024.02.03

  • きりどみ

    きりどみ

    読み終わるときにモネ連作の情景を見に行けたのはとてもラッキーだった。(上野の森美術館自体はイマイチだったけどw)
    もう一度読みたい。

    投稿日:2023.11.14

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