【感想】GOSICK ──ゴシック──

桜庭一樹 / 角川文庫
(319件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
39
109
119
19
3
  • 仰々しさが心地いい

    本書はもともとライトノベルとして書かれた作品で、現在もイラスト付きのものが角川ビーンズ文庫から出ています。謎や仕掛けが易しめになっているのは、ラノベの読者層を意識してのことでしょう。
    しかし、ミステリとしての「甘さ」を除けば、本シリーズは大人でも十分楽しめる作品だと思います。ライトノベルだけあって、一弥やヴィクトリカをはじめとするキャラは個性的で、テンポよく会話を繰り広げます。そんな彼らが、海外の恐怖小説ばりに気味の悪い事件に巻き込まれ、次々と危険に遭遇し……というのが基本的な流れです。
    幽霊船といったいかにも恐怖をあおるようなモチーフが散りばめられていますが、その仰々しいほどの「ケレン味」がむしろ爽快に感じました。雰囲気的には『金田一少年の事件簿』に近いものがあります。
    ジャンルを問わず、著者の作品には一癖あるものが少なくありません(そこがいいところでもあるのですが)。個人的には、この『GOSICK』シリーズの作風がいちばん万人受けしそうに思えます。
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    投稿日:2014.04.21

  • ラノベ版「そして誰もいなくなった」とでもいうのでしょうか。

    直木賞作家・桜庭さんの本格っぽいラノベミステリー。
    架空の国のヴィクトリカお嬢様が帝国軍人の三男の一弥とツンデレしながら、謎を解いていきます。
    ラノベ版「そして誰もいなくなった」とでもいうのでしょうか
    ちょっとグロイ表現も多かったものの、主人公2人が可愛かったので、とりあえず続きも読みたいと思います。
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    投稿日:2014.07.25

  • ヴィクトリカは魅力的ですね

    他の媒体で6巻まで読んだ上での感想です

    自分は桜庭一樹の作品を、おそらく3つ読んでます。読んだ順で「GOSICKシリーズ」「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」「B-EDGE AGEシリーズ」です。そのなかで最も衝撃的なのは「砂糖菓子の弾丸」で、完全に純文学です。なんでこれがラノベの枠で発売になったのか分からないですね。というか、原稿見た編集者もビックリしたでしょう。後年、著者が直木賞を取った時には納得したものです。B-EDGEはミステリーものなんですが、あまり面白くなかったです。GOSICKもミステリーもので、面白いんですが、砂糖菓子読んじゃうと、この人は文学の方が合ってるんだろうなあと思ってしまいます。でも、GOSICKだってなかなか面白いし、作者には是非完結させて欲しいです

    GOSICKシリーズは出版元が変遷しています、wikiによると、富士見ミステリー文庫:全9巻、角川文庫:全13巻、角川ビーンズ文庫:既刊9巻だそうです。自分は富士見版を計9冊持ってます。ですから、本レビューは富士見版の1巻をのものだと言う事を念頭に置いてください。富士見版は絶版で、現在販売されているのは角川版と角川ビーンズ版ですが、違いは多分挿絵です。自分の持っている富士見版の表紙と角川ビーンズ版の挿絵はまず間違いなく同一で、角川版の表紙は簡素なものとなっています。なぜ角川版と角川ビーンズ版が併売されているかというと、出版元が変わったためと思われます。最初は富士見書房でしたが、富士見は角川に吸収され、GOSICKも掲載誌が途中で変更になったようです。本編6巻、外伝3巻までの計9冊は富士見時代ですので、挿絵がありますが、角川に切り替わったところで挿絵がなくなったようです。だから、ビーンズ版は9巻でとまっているのです。本シリーズの挿絵は文章の雰囲気と合っていると思うので、挿絵が欲しい人はビーンズ版を買い進めて、無いところ(本編7巻以降、外伝4巻以降)を角川版でそろえるといいんじゃないでしょうか

    さて、やっと本編のレビューです。時代は第二次世界大戦の直前。欧州に火薬の臭いが徐々に立ちこめた頃です。「名探偵ホームズ」みたいな作りですが、探偵役がヴィクトリカで、ワトソン役が久城ということになります。ヴィクトリカが魅力的で、チビ、美少女、ツンデレ、引きこもりのしわがれ声という設定です。久城は帝国軍人の次男坊で架空の王国ソヴュールにやってきた留学生です。戦争による嵐の運命を予感させる、なかなか絶妙な設定です。ヴィクトリカが非力な引きこもりなので、久城もお荷物にならず頑張ります

    正直、ミステリーの部分はフーンという感じで、あまりビックリしません。しかし、歴史と絡めた仕掛けの大きさや、ものがたりとしての面白さがすばらしいです。本巻の謎も第一次世界大戦とソヴュールとの関わりがベースになっています。純粋なミステリーと言うより、ファンタジーとのクロスオーバーとして楽しんだ方がいいかもしれません。

    ドリル頭のグレヴィール、明るい天然の美少女アヴリルなど、脇もなかなか魅力的です
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    投稿日:2013.11.30

  • 文体ラノベ、内容ミステリ

    本作については、直木賞も取った女性作家、という以外の知識を持たずに臨みました。桜庭さんの本自体、初めてになります。
    ですので、一人で勝手に驚いたり感心したりしながら読みました。
    期待値以上でした。面白かった!
    まず、本作がコテコテのラノベだったことに驚きました。そして、ラノベでありながら、案外ハードな設定のミステリだったことに感心しました。
    ただ、シチュエーションが良かっただけに、肝心な仕掛けの部分が簡単で残念でした。この展開なら、過去と現在の両方を濃くして、上下巻にしても良かったのでは、とも思ったり。
    とはいえ、次巻買います!
    続きを読む

    投稿日:2014.01.19

  • まぁサイドストーリー的な

    シリーズの中で,サイドストーリー的な感じでしょうか。
    まぁ,これから読み始めても良いし,他のを読んでからでも
    楽しめます。

    この世界感を受け入れられれば,このシリーズでいっぱい
    楽しめますよ。

    投稿日:2017.01.15

  • 解きたいなぞは?

    桜庭さんの ライトノベルですね ミステリーなんだけれど 解きたい謎は
    犯人とか 事件の謎よりも 美少女ヴィクトリカのこと
    ヴィクトリカのことを 知りたくて どんどん読んじゃうシリーズです
    謎の美少女ヴィクトリカ さぁ~皆さんも 魅せられましょう 

    続きを読む

    投稿日:2015.01.11

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ブクログレビュー

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  • うみ

    うみ

    アニメから入りだいぶ昔に原作も読んだGOSICKを久しぶりに再読。
    他の話がうろ覚えなせいもあるけど野兎走りの話がなんだかんだ1番好きだった記憶。
    またアニメ1話から見返したいなぁ。

    投稿日:2024.03.22

  • はるはる

    はるはる

    軽い気持ちでサクサク読める話。
    キラキラふわふわした物が好きな私には物語に出てくる街並み、ヴィクトリカのフリルも魅力の一つ。

    投稿日:2024.03.13

  • 1958296番目の読書家

    1958296番目の読書家

    一弥とヴイクトリカが巻きこまれた事件と屋敷での事件の関連性が物語が進むに連れてわかっていきすっきりした。

    投稿日:2024.02.19

  • nattak

    nattak

     第一次世界大戦のころのヨーロッパの架空の国が舞台。ファンタジー小説のようであり、ミステリー小説であり、他にはあまりないような雰囲気の本。軽い雰囲気のノリであり、ライトノベルのような感じ。好きかどうかといわれると、あまり私の好みではなかった。続きを読む

    投稿日:2023.10.27

  • ベスパー

    ベスパー

    映像化を意識した登場人物なのは分かるけど、一部の人物はあまりにも鼻につく感じで好きになれなかった。
    主人公の2人の掛け合いについても、もう少しTPOをわきまえてやれば良かったとも思う。正直、ウリのはずな掛け合いがドスベリして、その状況をぶち壊している場面もあった。
    続編があったら読むかというと、ちょっとどうかなという感じ。
    続きを読む

    投稿日:2023.10.26

  • kaname15

    kaname15

    『私の男』の桜庭一樹さんの作品だと思って読んだら、あまりの違いに驚かされた。いや、何でも書けるんですね。相変わらずの文章の上手さ。細かな設定と少し緩い謎解きもこの世界観にピッタリだ。
    表紙のイラストの影響で、ヴィクトリカの容姿がゴスロリに誘導される。ずいぶん前にアニメ化もされてるそうで、「まるで老人のようなしわがれて低い声」と記されているヴィクトリカの声も聞いてみたい気もする。不思議な魅力のある作品。続きを読む

    投稿日:2023.09.08

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