【感想】アクロイド殺し

アガサ・クリスティー, 羽田詩津子 / クリスティー文庫
(440件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
131
165
88
9
1
  • 叙述トリックの傑作

    元々、葉桜の季節に君を想うということ辺りから叙述トリック作品を読み始めてハマったタイプの僕。
    この作品は所謂「有名すぎて犯人・トリックを知ってしまっているが故に楽しめない」と言われているらしいですが
    無知故に何も知らずに楽しめました。

    流石、触れ込みに間違いなく非常にトリックを楽しめる作品です。
    最近の叙述トリック作品は、トリックが複雑怪奇になっており正直読了後にインターネットでネタバレサイトをみて
    解説を読まないと意味が分からない事も結構僕の中であるのですがこの作品のトリックは非常にシンプル、かつ
    分かった瞬間にそういうことか!と唸らされます。

    当時はフェアかアンフェアか。という大論争があったそうですがこれだけ叙述トリック系の作品があふれる昨今、
    間違いなくフェアな作品です。後から読み返すと作中にヒントがぽつり、ぽつりと落ちています。
    続きを読む

    投稿日:2014.01.05

  • 完璧に整えられた意外性

    ****************************************************************************************************************
    (あらすじ)
    イギリスの小さな村に住む富豪、ロジャー・アクロイドの晩餐に招待さていれた友人のシェパード医師。彼が自宅に戻ると、一本の電話が入った。それはつい先程まで訪問していたアクロイド邸の使用人パーカーからで、主人、すなわちロジャー・アクロイドが殺されたと言う報告であった。
    そして翌日、かつて様々な難事件を解決してきた名探偵エルキュール・ポアロは、突然の依頼を受けて、この事件へと首を突っ込む事となる。引退後の暮らしに退屈していた彼は、再び“小さな灰色の脳細胞”を活性化させる。
    ****************************************************************************************************************

    動機、証拠、アリバイ全てが網羅された完璧な推理小説です。しかしながら、一般的な古典推理小説とは一線を画し、現在においても類い稀なる真相には、多くの読者が驚かされる事でしょう。
    更に凄いのは、そのような仕掛けを全く感付かせる事無く、至って普遍的な推理小説と同様なヒントを与えながらも、それら全てが、前途したようにいかなる矛盾や不十分無く、驚きの真相の裏付けとなっている点でした。

    全ての人が何かしらの嘘をついています。ポアロに同伴するシェパード医師になったつもりで読んでみましょう。シェパード自身にも考えつかない様な仮定を考えてみましょう。この本に於いては、とりわけこういった読み方をお勧めします。
    続きを読む

    投稿日:2013.09.24

  • とてつもない名作

    発行から現在までフェアかアンフェアかと議論され続けている名作です。(星5からも分かると思いますが、私はフェアだと思っています。)
    素晴らしいのはやはりトリックを見破るヒントを何度も堂々と出しておきながら、犯人を最後まで見破らせない点にあると思います。
    犯人を知ってしまうと面白さ半減なので、まだ読んでいない人はすぐに読むことをオススメします。
    続きを読む

    投稿日:2013.09.25

  • 嫌ぁな予感をしたい方必読の書

    日曜夕方、独居中年の部屋から「ブラぁボォ!」との叫びと共にまばらな拍手が聞こえたとしても怯えることはありません、お隣さん。
    恐らく彼はアクロイド殺しを読了しただけなのだと思います。
    そんな侘しい話はさて置き、オリエントでは味わえなかった氏の真価を見た気がしました。
    これは面白かった!
    所謂フーダニットの真骨頂。
    登場人物の巧みな使い方で真相を消臭した読ませ方にも唸らせられますが、それを終盤徐々に緩めて読者に嫌な予感を植え付けていく展開では頁を捲る奴隷と化すしか道はありませんでした。
    今日という記念日を覚えておこう。
    続きを読む

    投稿日:2014.08.17

  • ヘイスティングの不在

    この話はシェパード医師の一人称で書かれていますが、私はスタイルズ荘の次に本作を読んだのでなんでヘイスティングいないの!?とそればかり気になってしまいました(笑)
    その後2作目のゴルフ場殺人を読んで、どういうことなのか納得しましたが、ポアロシリーズは意外と順番に読むことが重要かもしれませんね。
    トリックに関しては、やはりとても驚かせられたし、とくに私にとっては面白い展開でした。
    また、ラストが結構衝撃的で、あの時代だからこその結末かな、という気がしました。現代的ではないです。
    全編を通して意外性がありとても面白かったです。
    そしてやはり重要なのはポアロシリーズに興味を持った際、有名なこの話から読まずに、少なくともゴルフ場殺人事件から読むと更に楽しめると思います。
    続きを読む

    投稿日:2016.12.12

ブクログレビュー

"powered by"

  • 菌類

    菌類

    このレビューはネタバレを含みます

    叙述トリックというものを知らない人ならオチに絶対びっくりさせられるのだろうなと。語り手が犯人とは疑いもしないだろうし、当時の人にとっては新鮮だったからこそ今でも古典的名作として語り継がれているのだろうと思う。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.04.09

  • 硝子

    硝子

    このレビューはネタバレを含みます

    名作名作と言われながらも翻訳小説が苦手なので読んでいなかった。なんて面白いんだ、問題作、議論を巻き起こす、と言うのも納得。一人称小説に見せかけた手記。ポアロに見せるものだから不都合なことは書いてない。ちゃんと手記ということも書いてある。アンフェアとフェアの狭間。この結末を江戸川コナン君はどう思うのか。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.04.02

  • 馬場豊

    馬場豊

    読む前に犯人を知っていたからそこまでの衝撃はなかったけど、一般的なスタイルの小説しか読んだことの無い当時の人からしたら凄い衝撃だっただろうなと、、、

    5分間で人殺してトリック設置して靴履き替えてってのは現実的にどうなんだろう?とは思ったけど、なかなか面白かった続きを読む

    投稿日:2024.03.27

  • クウカ

    クウカ

    このレビューはネタバレを含みます

    (2024/03/11 4h)

    最序盤に結末が予想できてしまった…。
    新鮮な驚きを得ることができず残念です。

    初めて読んだアガサ・クリスティー作品。
    このトリックの祖、なのだろう。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.03.11

  • 藪川翡翠

    藪川翡翠

    受験が終わり、ずっと読みたいと思っていたこの本をまず読んだ。アガサ・クリスティの小説では、こちらが犯人をあれこれ考えながら読んでも必ず裏切られる。私も、絶対に犯人にならないであろう人物を犯人と予想したが、その人が犯人である証拠や動機が掴めず、結局その人物を犯人候補から外してしまった。しかし、犯人はその人物だった…。
    このどう足掻こうとアガサ・クリスティの思うつぼにハマる感じがとても懐かしく、最後の種明かしでスッキリしていく過程が面白かった。
    受験期間中に読みたい本がたくさんできたので消化していきたい。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.04

  • ねこまんま

    ねこまんま

    容疑者はもう一人いたなぁって途中で思い、
    犯人が分かってしまった。
    最後までハラハラして面白かった。

    投稿日:2024.03.03

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。