【感想】月光ゲーム

有栖川有栖 / 創元推理文庫
(335件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
40
122
123
19
1
  • 「嵐の山荘」的状況に燃える

    本書は著者の長編デビュー作にして、江神&アリスシリーズ(学生アリスシリーズ)の1作目です。副題に「Yの悲劇’88」とありますが、エラリー・クイーンの『Yの悲劇』を読んでいなくても問題ありません。
    火山の噴火により外部と寸断されたキャンプ場(いわゆる「嵐の山荘」ですね)、連続殺人、ダイイング・メッセージ……このいかにも「本格(ミステリ)」という感じが、本シリーズの魅力といえるでしょう。登場人物が多いですが、それぞれのキャラが作り込まれているので、読み進むうちに自然と覚えられると思います。
    結末に向けて論理的に謎が解かれていく様子には、何度読んでも鮮やかさを感じます。また、舞台が山のせいか、月夜をはじめとする情景描写も印象に残りました。
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    投稿日:2014.03.30

  • 【学生アリス1作目】アリスは男です

    有栖川さんの作品の中でも人間関係、というか主人公の心情などがより多く表現されている学生アリスシリーズの第1作。クローズドサークルの状況で殺人事件が起きて、さてこれ如何に、という王道ミステリ。地の文は標準語だが、会話文、心情は概ね関西弁なので、ただそれだけで読みづらいと思ってしまう人もいるかもしれないので注意。
    内容自体はしっかりしていると思います。
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    投稿日:2013.10.02

  • 本家もそこのけの面白さです!

    かなり衝撃的でした。滅茶苦茶面白いじゃないですか!
    元々前評判から期待はしていましたが、平成のクイーンが書いた「Yの悲劇'88」を楽しむのに本家を知らない訳にいかんだろう、と先んじて取り組んだのが悲劇四部作でした。
    で、その本家、シリーズラストに打ち震えたものの、全体的には好みでなかったので、ちょっと期待値を下げての本書だった訳です。
    本書の好みはラスト一発の展開でない点です。とにかく経過が楽しい! パニックに殺人、プロローグの一言も効いて、非常にドキドキしながら読めます。
    読者への挑戦に敗れたのは癪ですが(笑
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    投稿日:2014.02.24

  • 読者への挑戦の章があります

    国名シリーズから読み始めたので落ち着いた年齢のアリスしか知らない私には大学1年のアリス、恋するアリス、火村シリーズではないアリスは別人のように新鮮でした。
    本書は著者のデビュー作品です。舞台となるキャンプ場に偶然集った大学生の若者たちが、山の噴火で下りる道が寸断された異常事態と、その中でおきる連続殺人に襲われます。リーダーシップをとるアリスの先輩の江神が地鳴りや噴火の危険から皆をまとめ、女子大生や怪我人を助けながらなんとか脱出方法を考え、探偵役もこなすカッコ良さにグイグイ惹かれました。
    ラストの謎解きの前に読者への挑戦の章があるのも本格派として面白いと思います。(悔しい事に私は解けませんでした)
    アリスの恋がどうなったか最後までお楽しみ下さい。
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    投稿日:2014.05.30

  • 学生アリス1作目

    主人公たちと他大学のグループの4つのグループが山キャンプで一緒になるが、山の噴火で下山出来ない状況で起こる殺人。クローズドサークル、ダイニングメッセージ、読者への挑戦などミステリー好きにはなかなか楽しめます。登場人物が多く把握しづらい所はあるが、ロジックがしっかりしてて謎に挑戦しがいがあります。続きを読む

    投稿日:2013.12.23

  • 有栖川有栖のデビュー作

    著名な作家さんの長編デビューとして十分楽しめました。
    事件自体はキャンプにやっていた学生達が火山により取り残され・・・
    そして、一人、また一人と殺人が行われていく。関連作品も含めるとかなりのシリーズ小説なので、これから読んでいくのも楽しみです。読者に「犯人は誰だ!」と読者への挑戦があるのも新鮮でした。
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    投稿日:2015.02.15

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ブクログレビュー

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  • annasui990

    annasui990

    登場人物が多いが、話の展開はスムーズで読みやすい。暗号やクローズドサークルの出てくる王道新本格ミステリ。

    投稿日:2024.04.07

  • 春霙

    春霙

    ザ、ミステリー小説という感じで引き込まれました。
    ミステリーの謎解き自体は感心する感じでしたが、主人公とヒロインの最後のやりとりは、意外でした。

    投稿日:2024.04.02

  • ゆーだい

    ゆーだい

    「読者への挑戦」には挑戦しなかったけど、推理すればギリギリ真相に辿り着けそうって思わせる手腕がすごい。多分本当は自分には無理だけど、解けそうな気がしてしまう。全巻読みます。

    投稿日:2024.03.01

  • MO-FU

    MO-FU

    著者の作品はいくつか読了済みですが、学生アリスは初めて読みました。どうやら著者のデビュー作とのこと。
    作家アリスと違ってこっちは大学生の為、若々しさや青春風味(と少々の痛々しさ)を感じることができました。
    所謂クローズド・サークルものなのですが、火山の噴火という、結構強引なもので、それがスリリング感を演出していてハラハラさせられた。
    ミステリ面はとりわけ突出したものは無いですが、読者への挑戦状しかり、ひたすら王道を突き進めた作品だと思いました。
    ラストの切ない余韻も良かった。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.29

  • jazzoyadi

    jazzoyadi

    このレビューはネタバレを含みます

    夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやってきた英都大学推理小説研究会の面々――江神部長や有栖川有栖らの一行を、予想だにしない事態が待ち構えていた。矢吹山が噴火し、偶然一緒になった三グループの学生たちは、一瞬にして陸の孤島と化したキャンプ場に閉じ込められてしまったのだ。その極限状況の中、まるで月の魔力に誘われでもしたように出没する殺人鬼。その魔の手にかかり、ひとり、またひとりとキャンプ仲間が殺されていく……。いったい犯人は誰なのか? そして、現場に遺されたYの意味するものは何? 平成のエラリー・クイーン=有栖川有栖の記念すべきデビュー長編。

    鮎川哲也による「鮎川哲也と十三の謎」シリーズの一つである本作は、東京創元社から出版されています。特にこのシリーズで注目されるのは「学生アリスシリーズ」と呼ばれる一連の作品群で、主に閉ざされた環境での謎解きが特徴です。この本では、火山の噴火によって孤立したキャンプ場が物語の中心となっています。
    エラリー・クイーンからの影響
    シリーズ全体は、推理小説家エラリー・クイーンの作品に大きな影響を受けており、特に「国名シリーズ」に見られる「読者への挑戦」という要素が取り入れられています。このシリーズでは、物語の途中で読者に対して犯人を推理するチャンスが与えられ、本作では具体的に第5章と第6章の間にその挑戦が提示されています。
    作品内の隠された意味
    本作では「Y」というダイイング・メッセージがキーポイントとして残されており、これはエラリー・クイーンの「Yの悲劇」という作品にちなんだものです。さらに、火山の噴火という状況は、山火事の中での推理を描いた「シャム双子の謎」という作品を思い起こさせます。
    背景と評価
    実際に1988年の夏には合宿が行われており、本作に登場する矢吹山キャンプはその年の第二次夏合宿として設定されています。「このミステリーがすごい!」では1989年のランキングで17位に位置づけられています。

    あらすじ
    英都大学推理小説研究会のメンバー(部長の江神二郎、望月周平、織田光次郎、有栖川有栖)は、矢吹山のキャンプ場で夏休みの合宿を楽しんでいた。彼らは雄林大学と神南学院短期大学のグループと共に過ごしていたが、合宿3日目の朝、神南学院の山崎小百合が姿を消し、その後突然の噴火が発生する。噴火後、下山しようとするも山崩れで道が塞がれてしまう。
    翌日、雄林大学の戸田文雄が刺されて死んでいるのが発見され、地面には「Y」という文字が残されていた。救援隊がいつ来るかわからない状況で、さらに翌晩には2度目の噴火があり、一色尚三の姿が消えていた。そしてまた次の晩、北野勉が刺殺され、「y」という文字が残されていた。
    激しい噴火活動が続く中、生存者たちは命を守るために下山を決意する。助け合いながら進むが、またしても噴火が発生し、吊り橋が落下してしまう。救助を待つしかない状況の中、江神は事件の真相を解き明かそうとする。

    【登場人物】
    英都大学推理小説研究会
    江神 二郎(えがみ じろう) - 文学部4回生。
    望月 周平(もちづき しゅうへい) - 経済学部2回生。モチと呼ばれている。
    織田 光次郎(おだ こうじろう) - 経済学部2回生。信長と呼ばれている。
    有栖川 有栖(ありすがわ ありす) - 法学部1回生。アリスと呼ばれている。

    雄林大学
    北野 勉(きたの つとむ) - 経済学部3回生。ベンと呼ばれている。
    司 隆彦(つかさ たかひこ) - 商学部3回生。ピースと呼ばれている。
    戸田 文雄(とだ ふみお) - 法学部2回生。弁護士と呼ばれている。
    竹下 正樹(たけした まさき) - 理学部2回生。博士と呼ばれている。
    晴海 美加(はるみ みか) - 文学部3回生。
    菊池 夕子(きくち ゆうこ) - 文学部2回生。
    嵐 竜子(あらし たつこ) - 文学部1回生。
    一色 尚三(いっしき しょうぞう) - 法学部3回生。
    見坂 夏夫(みさか なつお) - 法学部3回生。神主と呼ばれている。
    年野 武(ねんの たけし) - 法学部3回生。

    神南学院短期大学
    山崎 小百合(やまざき さゆり) - 英文科1回生。サリーと呼ばれている。
    姫原 理代(ひめはら りよ) - 英文科1回生。
    深沢 ルミ(ふかざわ るみ) - 英文科1回生。ルナと呼ばれている。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.02.24

  • sena

    sena

    物語の途中、「真犯人を特定するデータは出揃いました。あなたの推理がまとまりましたらどうぞページをめくって…」⁡
    ⁡と⁡作者から読者への挑戦があります。⁡
    足りない頭で何とか考えたのですが私は外しました…⁡⁡⁡
    ⁡見事当てられた方いらっしゃいますか?
    ⁡王道の推理小説が読みたい方におすすめです。⁡
    ⁡ただ、登場人物が多くて私は何度も読み返しました‪
    続きを読む

    投稿日:2024.02.04

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