【感想】月光ゲーム

有栖川有栖 / 創元推理文庫
(358件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
42
125
139
20
1
  • 「嵐の山荘」的状況に燃える

    本書は著者の長編デビュー作にして、江神&アリスシリーズ(学生アリスシリーズ)の1作目です。副題に「Yの悲劇’88」とありますが、エラリー・クイーンの『Yの悲劇』を読んでいなくても問題ありません。
    火山の噴火により外部と寸断されたキャンプ場(いわゆる「嵐の山荘」ですね)、連続殺人、ダイイング・メッセージ……このいかにも「本格(ミステリ)」という感じが、本シリーズの魅力といえるでしょう。登場人物が多いですが、それぞれのキャラが作り込まれているので、読み進むうちに自然と覚えられると思います。
    結末に向けて論理的に謎が解かれていく様子には、何度読んでも鮮やかさを感じます。また、舞台が山のせいか、月夜をはじめとする情景描写も印象に残りました。
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    投稿日:2014.03.30

  • 【学生アリス1作目】アリスは男です

    有栖川さんの作品の中でも人間関係、というか主人公の心情などがより多く表現されている学生アリスシリーズの第1作。クローズドサークルの状況で殺人事件が起きて、さてこれ如何に、という王道ミステリ。地の文は標準語だが、会話文、心情は概ね関西弁なので、ただそれだけで読みづらいと思ってしまう人もいるかもしれないので注意。
    内容自体はしっかりしていると思います。
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    投稿日:2013.10.02

  • 本家もそこのけの面白さです!

    かなり衝撃的でした。滅茶苦茶面白いじゃないですか!
    元々前評判から期待はしていましたが、平成のクイーンが書いた「Yの悲劇'88」を楽しむのに本家を知らない訳にいかんだろう、と先んじて取り組んだのが悲劇四部作でした。
    で、その本家、シリーズラストに打ち震えたものの、全体的には好みでなかったので、ちょっと期待値を下げての本書だった訳です。
    本書の好みはラスト一発の展開でない点です。とにかく経過が楽しい! パニックに殺人、プロローグの一言も効いて、非常にドキドキしながら読めます。
    読者への挑戦に敗れたのは癪ですが(笑
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    投稿日:2014.02.24

  • 読者への挑戦の章があります

    国名シリーズから読み始めたので落ち着いた年齢のアリスしか知らない私には大学1年のアリス、恋するアリス、火村シリーズではないアリスは別人のように新鮮でした。
    本書は著者のデビュー作品です。舞台となるキャンプ場に偶然集った大学生の若者たちが、山の噴火で下りる道が寸断された異常事態と、その中でおきる連続殺人に襲われます。リーダーシップをとるアリスの先輩の江神が地鳴りや噴火の危険から皆をまとめ、女子大生や怪我人を助けながらなんとか脱出方法を考え、探偵役もこなすカッコ良さにグイグイ惹かれました。
    ラストの謎解きの前に読者への挑戦の章があるのも本格派として面白いと思います。(悔しい事に私は解けませんでした)
    アリスの恋がどうなったか最後までお楽しみ下さい。
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    投稿日:2014.05.30

  • 学生アリス1作目

    主人公たちと他大学のグループの4つのグループが山キャンプで一緒になるが、山の噴火で下山出来ない状況で起こる殺人。クローズドサークル、ダイニングメッセージ、読者への挑戦などミステリー好きにはなかなか楽しめます。登場人物が多く把握しづらい所はあるが、ロジックがしっかりしてて謎に挑戦しがいがあります。続きを読む

    投稿日:2013.12.23

  • 有栖川有栖のデビュー作

    著名な作家さんの長編デビューとして十分楽しめました。
    事件自体はキャンプにやっていた学生達が火山により取り残され・・・
    そして、一人、また一人と殺人が行われていく。関連作品も含めるとかなりのシリーズ小説なので、これから読んでいくのも楽しみです。読者に「犯人は誰だ!」と読者への挑戦があるのも新鮮でした。
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    投稿日:2015.02.15

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ブクログレビュー

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  • 884

    884

    クローズドサークル、「この中に犯人がいる」という状況、まさに本格推理小説だった。
    仰天するトリックがあるわけではないが、全ての犯行に納得できたし、最後の青春の甘酸っぱさも個人的に好みで読んでいて楽しかった。
    ただ、登場人物が多すぎて何度も確認しながら読み進めたので時間がかかった。
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    投稿日:2025.06.16

  • 中田

    中田

    このレビューはネタバレを含みます

    推理小説の解説に毎回いる男。
    それが有栖川有栖(肌感覚)
    過不足ない推理小説だと思う。特に異議がある推理じゃないし、ストーリーの進み方もドラマがあって面白い。
    ただ登場人物が多すぎるから私は諦めたよ。分かるわけない。
    最後の山に閉じ込められて最終的に救助されるっていう流れはやっぱり悪夢が終わる感じがしてスッキリする。
    江戸川乱歩賞についてだけど私は過去に東野圭吾さんの「放課後」を読んだんですよ。
    あれ当選して月光ゲーム落選ってマジ?と思いました。どっちも同じぐらい良いのに!って。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2025.06.15

  • Moyu

    Moyu

    10年ぶりくらいに再読。
    また新鮮な面白さがあった。
    クローズドサークルもののハラハラ感がやっぱり良い。

    あんまり深く考えないで読むと登場人物がごっちゃになって誰が誰だか分からなくなってしまうので注意が必要かも。続きを読む

    投稿日:2025.06.09

  • しらたま

    しらたま

    2025年5月読了。

     1990年代から現在にかけてミステリー最前線で活躍する有栖川有栖のデビュー作。有栖川作品はこれが初読み。
     大学のミステリー研究会に入った一回生のアリスはクセのある先輩たちとともに登山旅行に行く。そこには他大学から来た男女がキャンプを楽しんでいて、アリスたちはすぐに意気投合する。彼ら17名は存分にキャンプを楽しみ、いよいよ帰ろうかとしたとき、突如山が噴火する。帰り道が土砂で塞がれ、立ち往生を余儀なくされた一向は救助を待つことにする。そんな中、一向の一人がナイフで刺されて死んでいるのが見つかる。犯人は必ず自分たちの中にいる。一向ははたして無事に山を降りることができるか、そして誰が犯人なのか。人を恐慌に駆り立てるのははたして月の魔性に魅入られたせいなのだろうか…。
     今作は自然災害の恐怖と殺人犯の恐怖とが相俟ってスリルに満ちていた。時折降ってくる火山弾は常に状況を狂わせ、誰の思惑をも寄せ付けない。殺人犯は誰か気になるところだが、それよりもなんとかして山を脱出せねばならない。この二つの危機の塩梅が程よく、常に警戒体制を怠ることができなかった。そしてなにより解決編が見事だ。犯人が残したわずかな手がかりを拾い、綺麗に結びつけている。ただ、惜しいのは登場人物が多いところだ。また、ダイイングメッセージについても、メインの謎であるはずだが印象が薄い。
    続きを読む

    投稿日:2025.05.19

  • ゆうや

    ゆうや

    有栖川さんの作品を読んでみたい + 70周年特装カバーで出版されていたことから購入
    火山の噴火とともに殺人が起きていくというある程度不確定要素がある中でトリックや動機を考えるという形が自分としては少し読みづらかった...
    特に登場人物が非常に多く、本名とニックネームが入り乱れていて混乱する場面が多かった
    続きを読む

    投稿日:2025.05.04

  • pomnobook1112

    pomnobook1112

    ミステリー好きなのに有栖川さんの作品に手をつけたことが無くて…書店で東京創元社70周年限定版表紙が売っていたので記念もこめて買いました。
    閉じ込められるクローズド・サークルと火山噴火の時間制限の掛け合せはここから色んな作家さんが参考にしているんでしょう。さらに、ヒントを出し終わった時点で1度読者に事件を解くような問いかけを作るのもこの作品が元祖なんでしょうか。ただ私には解けなかった!笑
    言葉の言い回しやエラリー・クイーンを好んでいる描写など出版したのが昔なだけあって古典な感じがして好きです。
    ミステリーなのに、最後には青春の甘酸っぱさもふと感じたのは私だけでしょうか?理代とアリスの叶うか叶わないかのひと夏の恋心と殺人事件と、吊り橋効果なドキドキですよね笑
    ダイイングメッセージは最近の作品にはあまり無いですよね。そんなもの大々的に残すか!って定番の中の定番な感じがして現実味はあまりないのでフィクションミステリー(わたし的には名探偵コナンと似たようなものを)感じました。
    まだまだ有栖川さんの作品の魅力は勉強し不足なのでぜひオススメがあれば教えて頂きたいですね!
    続きを読む

    投稿日:2025.04.23

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