【感想】青空の卵 ひきこもり探偵シリーズ1

坂木司 / 創元推理文庫
(493件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
119
185
121
23
11
  • ほんわか鋭く

    ほんわかとした語りとはウラハラで、「セクハラ・ストーカー」「社会的モラル」「視覚障害」「性同一障害」「夫婦・親子の家庭問題」そして「ひきこもり」と社会派の事件を解決していきます。事件そのものは(意外にも?)悪質なものもあります??。 語り部役のやわらかな性格によって勘違いしそうですが、厳しくスルドイ意見が多く含みます。
    <以下やや否定的>
    ただし「本当にそうかな?」というものも多く、少々作者様の主観が強すぎるように私は感じます。
     語り部役がすぐに胸がいっぱいになり、読者より先に泣いてしまうのは「泣かすためのメロドラマ」っぽいです。素材を厳選した甘すぎる高級ケーキみたい・・・。
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    投稿日:2015.01.26

  • じんわりと暖かい「人が死なないミステリー」

    最近「万能鑑定士Q」、「ビブリア古書堂」「氷菓シリーズ」など人が死なないミステリーが増えてきているが、その中の一つ。上記の中では一番地味だが一番上手いと思う。
    本作が代表作だが、短編集の「短劇」を除いてどれを読んでも面白い。続きを読む

    投稿日:2013.09.26

  • こんな人たちと出会いたい

    探偵役の鳥井は「ひきこもり」(ただし職持ち)で、初めは語り手の坂木以外には心を許しません。そのため、坂木以外の登場人物は鳥井の振る舞いに戸惑うことも多いようです。それでも鳥井は、坂木が持ってくる「事件」を推理することによって、坂木以外の人間ともかかわっていきます。
    定期的に鳥井宅を訪ねる坂木をはじめとして、本作の登場人物はあたたかい心の持ち主ばかりです。多少の欠点さえその人の持ち味に思えてしまいます。料理上手の鳥井が作る料理はどれもとっても美味しそうなのですが、本作もコタツで囲む鍋のように心あたたまる物語です。
    続きを読む

    投稿日:2013.10.13

  • 人と人との繋がりを感じる物語

    《ひきこもり探偵》シリーズ第一弾。
    ひきこもりの親友・鳥井真一を外に連れ出すため、坂木司は身の回りで起こった不思議な出来事の解決を鳥井に頼み、それを見事に解決していくというストーリーです。
    ミステリーとして読むとあまり面白くないかもしれません。
    人と人とのつながりに重きをおいた物語として読むと楽しめと思います。
    坂木と探偵・鳥井との依存具合を読み手がどう感じるかで、この小説の賛否がきまるように思います。柔らかくて温かく感じる人もいれば、奇妙に感じる方もいるかと思います。
    ちょっと??と感じるところも正直ありましたが、何か解決するたびに少しずつ二人の世界が広がっていくところは好感が持てますし、登場人物がとても人間味あふれる人たちなのがいいですね。
    3部作とのことなので、坂木と探偵・鳥井がこれからどう成長していくのか楽しみです。
    続きを読む

    投稿日:2014.06.11

  • 徐々に広がる人間関係

    ひきこもり探偵とあったので、出不精の探偵が殺人事件等を
    事務所にいながら解決する。と勝手にあらずじを見る前は思い込んでいました。
    ところが、探偵役の鳥井はほんとのひきこもり。
    過去の出来事がきっかけで友人の坂木といっしょ、しかもごく限られた距離しか
    外出できない。
    事件は坂木がもちこんでくる出来事なので、殺人等ではなく、日常のささいな
    不思議な出来事やこまったこと。
    事件を通じて知り合った人との交流など、ほっこり。
    こんな中にはいれたらいいなって思えます。
    続きを読む

    投稿日:2014.02.02

  • 優しさ溢れるミステリー

    著者と同じ名前の登場人物が出てくるのですね。辻村深月さんの『冷たい校舎の時は止まる』を思い出しました。(これ、絶品です!)

    で、ひきこもり探偵って面白い設定ですね。安楽椅子探偵モノも読んだことありますが、こちらは四肢麻痺でやむなくひきこもり。←(『ボーンコレクター』です。)対してこちらのひきこもり鳥井くんは、限られた範囲を親友の坂井くんと一緒なら外出可能です。

    とある夏から翌年の初夏までの5篇に分かれており、それぞれ話としては完結しているのですが、前編で知り合った人物が次編にも登場したりするので、少しずつ繋がっています。

    おせっかいにも程がある坂井くんが、鳥井くんのところに珍事件を持ち込んで、ズバズバ鳥井くんが解決していくのですが、鳥井くんの坂井くん以外の人に対する傍若無人な物言いも作品を面白くするスパイスのように感じました。

    何だか優しさとか思いやりが溢れていて、ジーン…としてしまうことしばしば。
    なんだか殺人事件が起こらないミステリーものって、平和~。一応シリーズ全買いしたので、次作またレビューします。
    続きを読む

    投稿日:2016.09.12

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ブクログレビュー

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  • 雪

    人は誰しも誰かから必要とされたい。自身の思いに気づかされた。
    取り扱っているテーマは決して軽いものではないのにすっと読めて優しい気持ちにしてくれる。悪人がいない優しい世界。

    投稿日:2024.03.31

  • ゆう

    ゆう

    このレビューはネタバレを含みます

    困っている人をほっとけない坂木司が自称引きこもりの友人鳥井真一に相談しながら謎を解いて行く。女だからという理不尽で傷ついた巣田さんが今回は加害者だった夏。バイク事故で目が不自由になった塚田くんをつけていた犯人を解決した秋。冬の贈り物を栄三郎が簪に作り変えた。春の子供で親子関係を見つめ直した。和菓子のアンを読んだ時、女性だと思っていた著者。デビュー作を読んでみた。「人に話すほどのことでもない小さな不幸を溜めすぎ落ち込んでいる自分を恥じ泥沼にはまりこんでしまう」なんて繊細なんだろう。続きを読むか迷ってしまう。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.02.16

  • おかえり

    おかえり

    ひきこもりの鳥井が人との出会いによって少しずつかわっていく姿に嬉しくもあり、坂木の気持ちを思うと切なくもあり。

    そんな鳥井と坂木の友情が美しくもあり、依存している2人の今後が心配でもあり…。続編も気になります。

    日常ミステリーが好きな方におすすめです。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.08

  • ムツイラク

    ムツイラク

    ずっと本棚にあって、ようやく読めた。一日の最後に一編ずつ読んだ。日中に、『今日はどんな話だろう』と考えるくらいに、ひきこもり探偵シリーズの虜になった。

    投稿日:2024.02.01

  • Mitsuki

    Mitsuki

    坂木さんのデビュー作
    この本の出会いは中学生の時。
    クラスに置いてあって手に取って読んでみたら
    すぐに惹き込まれてシリーズを一気読みしました。
    それからずっと好きな作品です。

    投稿日:2023.12.11

  • かおる

    かおる

    このレビューはネタバレを含みます

    何度も読むくらいには好き。
    この日常の延長線上にあるようなゆるさのミステリーが好き。

    好きな短編は秋の足音。
    個人的に主人公たちの関係性はブロマンスだと思うがBLだと思う方もいる。それぞれ。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.10.28

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