paozoさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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顔 FACE
横山秀夫 / 徳間書店
秀逸な短編
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D県警シリーズの平野女性警察官を主人公にした短編です。
全編が「顔」をテーマにしており、似顔絵を得意としている主人公にうまくマッチングしていると思います。
また、警察組織の中で女性が置かれている境遇も…どことなくイメージでき、唸らせます。
読みやすく、とても秀逸な短編集だと思いますので、是非読んでみてください。 続きを読む投稿日:2015.05.02
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のすりの巣(百舌シリーズ)
逢坂剛 / 集英社文庫
期待通りでした
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百舌シリーズに一貫しているとおり、警察組織を取り巻く陰謀に倉木と大杉が果敢に挑むストーリーです。
今回はノスリと呼ばれる実行者とそれを陰で操る者を軸にしており、これまでの作品と同様にグイグイと引き込ま…れていきました。
ただ、これまでの作品と違うのは結末が悲しいものではなかったこと。一瞬「えっ、またか・・・」と思いましたが、作者も倉木をこれまで以上に悲しませるのはやめたようです。
今後も続編に期待です。 続きを読む投稿日:2015.01.11
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びっくり館の殺人
綾辻行人 / 講談社文庫
ちょっと異色な館
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びっくり館はこれまでの館シリーズの中でも異色なものです。それもそのはず、作者も巻末に語っているとおり、少年少女を対象とした作品なのです。
よって前作の暗黒館とは違い、回りくどい表現もなく、それでいて綾…辻作品らしく先が気になり、ページをめくるのもついつい早くなり、あっという間に読み終わります。
常連の登場人物も一瞬しか出てきませんが、語り手の主人公が魅力的で、これはこれでとてもよい作品だと思います。
ぜひ読んでみてください。
続きを読む投稿日:2015.07.05
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暗黒館の殺人(一)
綾辻行人 / 講談社文庫
意外に・・・
1
新書版で読んで以来、久しぶりに読み返してみました。
新書版の時にはひたすら長くて、文章もとにかく読みづらいといったイメージしかなく、正直電子書籍化されたときもなかなか読む気にはなれませんでした。
しか…し今回改めて読んでみると意外にも先が読みたくなってしまいました。確かに出だしはかなり重苦しく「うっ」という印象でしたが、そこを過ぎると、先の展開を気にせずにはいられなくなってきました。
館シリーズでは決して正統派ではないかもしれませんが、著者の幅の広さを知るのにはよい作品だと思います。
ただしかなりの長編なので読み切るのにはそれなりのパワーを必要とするかもしれませんが・・・ 続きを読む投稿日:2015.06.21
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64(ロクヨン)(上)
横山秀夫 / 文春文庫
期待通り
1
横山作品らしく、重厚感あふれる作品です。娘が行方不明になった主人公家族の葛藤を軸に警察と未解決の誘拐事件の被害者、警察広報とマスコミ、刑事部と警務部、これらの対立劇が物語の中で静かにそしてエキサイティ…ングに進行していきます。
特に警察とマスコミとの関係、刑事部と刑務部との関係は警察組織に詳しくない者をもグイグイと引き込みます。
これぞ警察小説の決定版とも言える作品だと思います。期待して読んでみてください。 続きを読む投稿日:2015.06.21
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駆けてきた少女
東直己 / ハヤカワ文庫JA
うーん・・・
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これまでになくグロい描写が多く、それ故逆に「俺」の個性が埋没しているような印象でした。
またラストもいきなりの展開で正直違和感を感じてしまいました。
このシリーズは楽しんで読んでいたので今後に期待しま…す。 続きを読む投稿日:2014.12.06