
奈落のエレベーター
木下半太
幻冬舎文庫
悪夢のエレベーター続編
悪夢のエレベーターの続編です。 次から次に人が死んでいくという相変わらずのノンストップストーリーです。 新たな登場人物も出てきて次から次へと展開がめまぐるしく変わっていきます。 ちょっとした時間でも読める軽妙な語りグチも健在で木下半太ファンにはもってこいですし、入門者にもおすすめです。 ただし、必ず悪夢のエレベーターを先に読んでください。ストーリーについて行けなくなります。
0投稿日: 2015.11.15悪夢のエレベーター
木下半太
幻冬舎文庫
ノンストップの展開
読みやすい文章、めまぐるしく変化する展開。次の展開を予想しながらあっという間に読み終わりました。 結構グロテスクな内容ですが、全く気持ち悪さも感じず、爽やかな読み心地でした。 また意外な大どんでん返しも堪能でき、次作も読みたい気持ちになること間違いなしです。
2投稿日: 2015.11.14御手洗潔の挨拶
島田荘司
講談社文庫
気軽に読める短編集
時として読むのにかなりのエネルギーを使う島田作品において本作は気軽に読める短編集です。 しかしそれでいて島田作品の醍醐味である想像を超えるトリックは健在で、今回のトリックはそうきたかと思わずにはいられません。 御手洗シリーズが初めての方にもおすすめできる作品です。
3投稿日: 2015.11.01孤島パズル
有栖川有栖
創元推理文庫
安心できる面白さ
学生アリスとマリア江神による本格推理もの。 しかしながら登場人物の若さが全面的に出ているせいかさらっと読めます。それでいてドキドキしながら推理を楽しめる点は特筆すべきだと思います。 有栖川作品への最初のアプローチへももってこいですし、連作ものなので次の作品も楽しめること間違いありません。 本格ものや有栖川作品に挑戦してみたい方はイチオシです。
0投稿日: 2015.11.01インシテミル
米澤穂信
文春文庫
内容と表現のギャップがたまらく最高です!
本格的な推理小説であり、内容もクローズドサークルでの連続殺人を扱いながら、軽いタッチで表現され、そのギャップがたまらなく楽しめました。 ドキドキハラハラしながら一気に読めるところに作者の力量がわかる気がします。 本格推理の重厚感が苦手な人にも是非おすすめできる作品です。
0投稿日: 2015.10.18見えざる貌 - 刑事の挑戦・一之瀬拓真
堂場瞬一
中公文庫
若者の成長物語
まだまだ刑事としては半人前の一之瀬拓真のが成長していくシリーズです。 本作では少しずつ刑事としての自覚が出てくる中で、真実とその真実を証明することの限界の狭間で葛藤する姿が浮き彫りになります。 これは刑事という職業だけではなくあらゆる仕事の中で誰もが体験することだと思います。 実際に自分の若い頃を思わず思い出してしまいました。推理ものとしてよりも人間の成長物語として大いに楽しめます。是非読んでみて欲しいです。
0投稿日: 2015.09.11サバイバル(1) 日本壊滅
さいとう・たかを
リイドブンコ
今も色あせない名作
子供の頃に少年の運命が気になりドキドキしながら読んだ作品が、電子化されるとは夢のようでした。 半世紀近くも前の作品とはとても思えない作品だと思います。 生きることの大切さとそのために犠牲となるもの、そして信じられないほどの困難を乗り越える勇気。 是非多くの人に読んで欲しい名作です。
1投稿日: 2015.08.29最終退行
池井戸潤
小学館
主人公が活き活きと描かれています
出だしはえっと言う感じでしたが、読み進んでいくうちにいつもの池井戸ワールドにどっぷりでした。 特に主人公がいかにも人間くさく、仕事、家庭、恋人等との狭間で葛藤する様子がしっかりと描かれています。また、脇を固める登場人物もいいのか悪いのかもファジーでそれもよりリアルさが出ていると思います。 また、典型的な悪役である頭取の破滅が男のロマンから始まるという点や、妻に対するちょっとした報復も、そうきたかという感じでなかなか練られたストーリーだと思います。 とにかくおすすめの一冊。読んでみてください!
2投稿日: 2015.08.15Another (上)
綾辻行人
角川文庫
絶妙なストーリー
本格推理の綾辻作品とは全く違う味わいの物語。それでいてなぜか綾辻作品独特の雰囲気が漂いまくりです。 いないはずの人物に関する謎解きと併せてファンタジー的な要素もあり、かなり楽しめました。 いろいろと考えるよりもまずは今までとは違う綾辻ワールドを是非堪能してください。 後悔しないと思いますよ。
0投稿日: 2015.07.31びっくり館の殺人
綾辻行人
講談社文庫
ちょっと異色な館
びっくり館はこれまでの館シリーズの中でも異色なものです。それもそのはず、作者も巻末に語っているとおり、少年少女を対象とした作品なのです。 よって前作の暗黒館とは違い、回りくどい表現もなく、それでいて綾辻作品らしく先が気になり、ページをめくるのもついつい早くなり、あっという間に読み終わります。 常連の登場人物も一瞬しか出てきませんが、語り手の主人公が魅力的で、これはこれでとてもよい作品だと思います。 ぜひ読んでみてください。
1投稿日: 2015.07.05