shohjiさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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モンテ・クリスト伯(3)
アレクサンドル・デュマ, 泉田武二 / グーテンベルク21
3巻ではフランスで次々と標的に遭遇。
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偶然が重なりすぎではないかと感じるところもあった。しかしこの時代のフランスの人口と貴族の割合を考えると非常に狭い世界と思われるため芋づる式も有りなのか。
お金持ち同士の濃厚な交際と暇にあかして囁かれ…る噂話、それでいながら互いに真実を知らない関係。いつも思うのは日本の田舎のムラ社会と変わらないということ。
モンテ・クリスト伯は巧妙に人心を掌握し時には危ない裏取引で標的に少しずつ接近していく。新しい登場人物と思っていたらあの時のあの人だったかという場面が多い。名前を覚えるのが大変になってきた。
物語は4巻へ続く。 続きを読む投稿日:2018.08.15
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モンテ・クリスト伯(2)
アレクサンドル・デュマ, 泉田武二 / グーテンベルク21
2巻は「開けゴマ」の呪文がぴったりのシーンから始まる。
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いよいよ復讐の始まりかと思ったがまずは元船主を倒産の危機から救うのだった。ここで物語が終わっても良いのだがダンテスは復讐を誓ったのだからここからが本番なのだ。復讐の種を蒔きモンテ・クリスト伯爵と名乗る…。若き似非セレブ集団が本物貴族と接触する社交界に華やかにデビュー。ダンテスの言葉にドキリとすることも多かった。14年も地下牢に幽閉され苦しみ抜いた迫力である。元々は2年続いた新聞連載小説なので長いがエピソード毎に読みきりの面白さがある。物語は3巻へ続く… 続きを読む
投稿日:2018.08.15
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脳は死ぬまで進化する
田澤俊明 / 主婦の友社
どれくらい長生きするかによって違うのではないか
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著者の説明によると細胞数より神経ネットワークのほうが大事なので年齢に関係なく脳は進化するとのこと。さらに通常は脳の1割しか活用していないので10万個の細胞が減っても開拓すれば良いという理屈である。
…ではどうすれば良いのか、100項目のコツが載っている。
全てを実行するのは無理なので私の勝手な好みで選ぶと音読、計算、旅行、日曜大工、落語、感動した映画をもう一度見る、である。
特に落語は話を聞きながら登場人物を把握し展開を想像しオチを理解して笑う→脳の活性化プラス笑いがストレス解消に繋がるためベストである。素晴らしい。 続きを読む投稿日:2018.08.15
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モンテ・クリスト伯(1)
アレクサンドル・デュマ, 泉田武二 / グーテンベルク21
長年、読むキッカケを掴めずにいたが・・・
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ついに電子書籍のセールで背中を押され5冊セット購入。
無実の罪で投獄されたダンテスが脱獄して復讐を遂げる物語である。有名な小説なのでおおまかなストーリーは理解していたが、予想以上に深いボナパルティズ…ムや王制復古の話に興味を持てず前半は長く感じた。
嫉妬と謀略、投獄、善人だが単純で無学な19歳のダンテスが獄中で神父と出会い目覚めていく。絶望を乗り越え脱獄を計画し始めたあたりから面白くなった。単純な復讐劇なんかじゃないというワクワク感が出てきた。
宝島に上陸したダンテス、2巻へ続く。 続きを読む投稿日:2018.08.01
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失踪当時の服装は
ヒラリー・ウォー, 法村里絵 / 東京創元社
学生寮から姿を消した女子大生を探せ!
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美人でしっかりした娘に何が起きたのか・・・あらゆる可能性を調べ篩にかけ消去法で方向を見出していく。
新作と間違って購入したが1952年に発表された作品の新訳本である(1991年海外ミステリベスト10…0で20位になっている)学生寮での生活は古き良き時代を彷彿とさせる内容だが地道な捜査過程は等身大の警察小説といった感じで面白い。
警察組織の闇を暴くような現代小説にかなり飽きているので新鮮な面白さだった。
抜群の推理力をもった個性的な探偵などまったく出てこないが渋い警察署長が魅力的。 続きを読む投稿日:2018.07.23
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影
カーリン・アルヴテーゲン, 柳沢由実子 / 小学館
これはミステリでありながら純文学である
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「影」というよりは「裏」という感じだった。高名なノーベル文学賞作家だってもしかしたら最低最悪の偽善者かもしれない。物語は野外博物館で3歳くらいの男の子が保護されるシーンから始まる。一人の老女の孤独死、…寝たきりの作家とその家族、作家を志す若者たち、それぞれのシーンが交互に描かれそれぞれに面白いのだがなかなか繋がってこない。書くことの「喜び」と書けない「苦悩」と書くためなら何でもしてしまう「狂気」と「罪悪感」と「嫉妬」が凝縮されている。久々にこの類の作品を読んだ。これはミステリでありながら純文学である。凄い。 続きを読む
投稿日:2018.07.17