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shigehachimanさんのレビュー
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  • 部長、その恋愛はセクハラです!

    部長、その恋愛はセクハラです!

    牟田和恵

    集英社新書

    私も勘違いしてました

    当方男性管理職。 いつもにこやかにハイハイと仕事をこなしてくれる女性に好い人だなぁと食事に誘っていました。 そんなところに、会社でコンプライアンスについての講習があり、自分はセクハラ、パワハラ大丈夫かと思って、購入しました。 私の思っていることは、セクハラでした。やめておこうと思えました。今なら間に合う。 第三章 恋愛がセクハラになるとき 第四章 女性はなぜはっきりとノーと言わないのか、男性はなぜ女性のノーに気付かないのか は必見。セクハラ防止のバイブルです。

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    投稿日: 2019.08.04
  • 食品の裏側2 実態編―やっぱり大好き食品添加物

    食品の裏側2 実態編―やっぱり大好き食品添加物

    安部司

    東洋経済新報社

    結局は嗜好の問題

    添加物=悪、天然素材を活かした手作り=善という視点で書かれた本。この主張は前著からブレていない。私も、基本的にはこの考え方に賛同する。おっしゃるとおり、天然素材から手作りした料理は、ファミリーレストランでの外食やインスタント食品、冷凍食品より美味しく、手料理に慣れるとそれらを食したい気持ちがなくなっていく。自分の経験からもそれは事実だと思う。けれども、あくまで自分の感想だ。そしてまた、猛烈にファストフード店に行きたくなったり、インスタントラーメンを食べたくなるのも事実だ。 著者が言うように、ファミリーレストランでの外食やインスタント食品、冷凍食品あるいは、スーバーなどでの惣菜が全て悪だろうか。これらを食していたから死んだという人はいるのだろうか。添加物の摂取により、アトピーの子が増え、落ち着きのない子も増えているというのは、科学的因果関係が証明されているのだろうか。エコチル(化学物質が子どもの心身に与える影響を調べる調査で2025年に中間発表が行われる予定)の結果が待たれる。 とはいえ、結局は程度の問題と片付けていいことのように思う。要は価値観の問題だ。食事を作ることに時間をかけられる人はかけたらいいし、かけられない人はかけなくてもいい。工場で作る料理を作る手数料を支払ってまで食べることが悪のように書かれているが、サービス料を支払うことで命がつなげている人もいるのだ。 自分の価値観を披露している程度に読んでいけばいい。添加物の恐怖のみを煽っているよくある本だ。「美味しんぼ」という漫画と同じで、天然無添加のみが正義で、それ以外は悪というありがちな本。

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    投稿日: 2019.04.30
  • 長生きしたけりゃパンは食べるな

    長生きしたけりゃパンは食べるな

    フォーブス弥生,稲島司

    SB新書

    好きなものを健康なうちに食べておこう

     添加物だらけの加工食品を食べないようにしようという食品関係の本をよく見かける。そのどれもが、添加物が体の不調を引き起こすことを書き、それらを摂取しないことを説く。私は若くないので、健康関連の本は、最後まで興味を持って読んでしまう。この本も、最後まで一気に読んだ。  この手の本の読後はいつも、自分だけはこのような添加物を摂らないようにして、健康を保とうという感想を持つ。しかし、この本は違った。例示の仕方が私の感性に合わず、気にしすぎやなぁとしか思わなかった。好きなもん食べたらいいねん。としか思わなかった。 なぜか。三点自分の感性と合わなかったからだ。 1. 世界ランキング1位のテニスプレーヤー(ジョコビッチ)がグルテンフリー生活をしていて話題になっている例示。→何の説明もなく、突然取り上げていて、ジョコビッチを知らない私は、それ誰やねん!レベルの話しでしかないこと。 2. 小麦(グルテン)を摂ると、下痢、うつ病、認知症など、とんでもない病気にかかったしまうこと。→パンが主食の欧米人は、みんなうつ病か?みんな下痢気味なのか?また、小麦を止めれば、痩せたり、肌が綺麗になったりと例示が極端。また、私は、パンやパスタ、うどんなどを食べてもそのような症状を感じたことがない。 3. 例示が極端な割に、その根拠となる科学的説明と論拠がほとんど示されない。  まぁ、大抵の添加物ものの本は、科学的根拠の例示がなく、人の恐怖心を煽るのがパターンだ。ただなんとなく人工的な添加物は、体に悪そうな気がするので、主張が正しいように思ってしまう。この本もそんな類いの本の一冊。  好きなものを好きなように食べれば良いし、パンを食べて下痢になる人はパンを止めてみたらいい・・・その程度のお話し。

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    投稿日: 2018.11.25
  • 経営者の会計実学

    経営者の会計実学

    金児昭

    中経出版

    経営者でなくとも読むべき

    「経営財務」という経理の専門紙によく出ていた人(すでにご逝去されています)くらいにしか認識がありませんでした。 信越化学工業という会社が優良企業だとも知りませんでした。 金児さんは、自分の身につけた経理・財務の知識を、あまねく世の中に知ってもらおうとした人だったように思います。 そしてこの本は、経理・財務のあり方と、「経営会計」の重要さを特に強く訴えています。また、連結決算の重要性を早くから気づかれていたように、経営会計(管理会計)の重要性をいち早く説いているところに特徴があります。今、経理課で働いていますが、管理会計ができなければ、経理の職はなくなるといった様相を感じるくらい、「データ分析」「経営に役立つ会計」の記事や本をたくさん見ます。 また、経営者に向けて書いた本という題名ではありますが、内容は、経営者のみならず、経理パーソンへ向けた言葉であるとも思います。そして、「会計学」研究者への警鐘も忘れておらず、非常に先鋭的と感じました。 財務会計(制度会計)ばかり研究している会計学者の本は、経営から分離された議論ばかりになりがちで、事業があって会計が成り立っているという側面を忘れています。そのことに気づかせてくれるのが、「1円の利益」を大切にする精神だと思います。そして、会計が出しゃばらないこと。これに尽きると思います。 まさに、事業なくして会計なしです。経営者のみならず、誰もが読むべき本と思います。また、数字は一切出てきませんので、数字アレルギーの方も、十分読めますし、読み応えのある本です。

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    投稿日: 2018.10.28
  • 老後の資金がありません

    老後の資金がありません

    垣谷美雨

    中公文庫

    ほんわか和みます

     どこにでも転がっていそうな切実なお金の話。 老後のためにと貯めておいた資金が、娘の結婚、(主人公から見た)義父の葬儀費用、義父母への毎月の仕送りに消えていく。愕然としつつも、どうにもしようのない現実がそこにはある。  それらを、本音と建て前を書き分け、暗さを全く感じさせないまでも不安を増長させていく主人公―――。これが前半部で、当方にも似たようなことがあり、どうなっていくんだと物語に一気に引き込まれます。  しかしながら、これだけで物語を進めるには、あまりにメリハリが無く、単調になる。そこで、きちんと後半部を盛り上げるエピソードが用意されています。これがあることで、あっという間に物語は、終章へと進んでいきます。  結局、失った老後資金をどう取り戻すかということまでは、描かれていません。けれども、登場人物たちのそれぞれのこれからの行く末を、ハッピーのようなアンハッピーのような描き方でほんわかと終わらせています。  タイトルのままだと、ギスギスした物語になるのかと思いきや、ほのぼのした気持ちにさせられる不思議な一冊です。

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    投稿日: 2018.08.15
  • スピード経理で会社が儲かる―――たった1年で利益が1億円アップする生産性革命

    スピード経理で会社が儲かる―――たった1年で利益が1億円アップする生産性革命

    前田康二郎

    ダイヤモンド社

    スピード化の実例が欲しい

    経理をスピード化することが、会社の利益をアップさせることが説かれている。 資料作成に汲々としている経理ではダメだから、いらない資料はやめようとか、経費精算を早く出させようとか、そのためのコツとか書かれている。 だけど、私が知りたかったのは、「どうやって」スピード化するのかという方法論であって、「どうして」スピード化するのかという必要論を知りたかったのではないため、★マイナス3。逆に、経理のスピード化のメリットを知りたい人には、有用かもしれません。 この手の本は、著者の仕事の宣伝のためか、具体的方法論を書いているものはないと言ってよい。著者もノウハウ全部書くと仕事なくなるし。 結局、具体的方法は、自分で試行錯誤するしかないのかもしれません。

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    投稿日: 2018.05.03
  • 男尊女卑という病

    男尊女卑という病

    片田珠美

    幻冬舎新書

    気持ちは分かるが・・・・

    「~という病」の本は、家族という病とその続編を読んだ。質の悪い著者の人生の感想文を読まされて、辟易したものだ。本書はその伝統を引き継いでいる。 最初は、男性が女性を蔑むような言動が紹介される。私は男性だが、反省しなければと思う事例もあるし、それはないなぁと憤りを感じもする。この本を読んでもよいと言えるのはここまでだ。 このようなことが何故おきるのかの説明は、フロイトの説を使って説明される。私はフロイトの説が、現代心理学において科学的に証明できないという説を信じているので、意味が全く分からない文章の羅列となる。男根がないことの蔑視とか女性のぺニス羨望とかフロイト自身が精神的におかしいとしか思えない。 幻冬舎新書の「~という病」シリーズは読むだけ時間の無駄と断言できる。 ★マイナス5でもいい。

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    投稿日: 2018.04.05
  • 楽しく学べる「知財」入門

    楽しく学べる「知財」入門

    稲穂健市

    講談社現代新書

    興味を引くように書かれている

    有名人が申請した特許を例に取るなど、なるべく読者が投げ出さないように工夫されている。法律関係の本は、とかく難解な上、法解釈が分かっている前提で書かれているものも多く、途中で投げ出してしまうことが多い。 知財関連も同様で、分かりにくいのはこの本も同じなのだが、分からなくても先に進んで良いかと思えてしまう軽やかな文体で読了できた。まぁ、なんとなくこんな世界がある程度しか理解していないが・・・。 進路を決めなければいけない息子に、こんな世界もあるよと勧めてみるつもりだ。

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    投稿日: 2018.02.12
  • 脳は平気で嘘をつく 「嘘」と「誤解」の心理学入門

    脳は平気で嘘をつく 「嘘」と「誤解」の心理学入門

    植木理恵

    角川oneテーマ21

    科学ということ

    作者の経歴をみて、臨床心理士とあったのと、ホンマでっか!?TVのコメンテイターとあったので、面白おかしく書いているだけの本と思っていました。 心理の本の類いで面白く本を書こうとすると、ユングの夢診断や人の仕草で心理を読むといったことでお茶を濁してしまうものが多いからです。 しかし、筆者はそれらをあっさりと否定します。なぜなら、それらは実験を行っても証明できないからだというのです。この姿勢は、学者として信用できます。私は、日本の文系の学者が書く論文や著作がただの「感想文」でしかないようなものが多いと思っています。だから、医学系でない心理学専攻(昔は、文学部の中に設置されていることが多かった)の人は、なんとなく信頼を置いていません。しかしながら、文学部で心理学を専攻した知人によると、めちゃめちゃ数学を使うので、卒業論文の作成は困難を極めると言っていましたので、昔から「科学」的に研究が行われていたのかもしれません。 科学的姿勢を外さないとはいえ、内容は気楽に読める内容です。脳がどのような思考回路で周囲を判断しているか解説し、対策方法が書かれていたりする定番ものと言えるでしょう。この本で新たな知見を得る人もいれば、どこかで読んだ内容だと感じる人もいると思います。そんなところが、マイナス1の理由です。 でも、会社のお昼休みに少しずつ読むとか暇つぶしに読むとかいう目的にはいいと思います。最終章のリーダーとして伸びる人と伸びない人の解説は、現在お勤めの職場で当てはめて考えると面白いかもしれません。

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    投稿日: 2018.02.11
  • 「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。

    「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。

    河岸宏和

    東洋経済新報社

    添加物暴露本ではない

    作者の外食に対する考え方は、「家でつくれない特別なご馳走、本当においしいもの、あるいは家でマネしてつくりたいもの」を食べに行く場所だということを知っておこう。 添加物やまがい物で作られる料理を、否定しているわけでもない点も確かめておきたい。 では、作者は何を言いたいのだろうか。 それは、嘘をつくのはやめようということだ。 例えば、成型肉を使用しているのに、「霜降り肉のステーキ」や「ロースカツ」を偽って売ったり、肉の方が少なく、植物性タンパク質で増量した手捏ね風ハンバーグとして売るのは止めようということだ。 店舗で加工してしまえば何も表示しなくて良くなることを、否定しているのだ。 どのようなものを食べるのかわかった上で、食べられる状況を作ろうということだ。 家族で出かけて食べるのが、ファミレスや回転寿司だっていいのだ。 ただ、何を食べているかわかった上で選択できるようにしようというのが、作者の主張だと私は感じた。 ただ、作者の望むような「特別なご馳走」である外食は、一人あたり5,000円くらいは出さないと食べられないのではないかなぁ、そうだと外食なんてできないなぁ・・・というところで、星マイナス1(ただし、健全なチェーン店も紹介されており、高級ならいいという主張はされていないことは付記しておきます)。

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    投稿日: 2018.01.08