
すべての雲は銀の…(下)
村山由佳
講談社文庫
キャラ設定がgood
上下巻あわせてのレビューです。 村山作品をいくつか読んだことのある方は、『どっかで読んだな、これ・・・』と思うかもしれません。あれとあれとあれを足して、割ったらこんな感じなるかも。 だからといってつまらないことはないです。 相変わらずキャラ設定がお見事です。瞳子がいいですね。園主もいいです。 主人公の祐介はきっと懐のひろい格好いい大人になるんだろうな・・・ 10年後の祐介くんを見てみたい。
6投稿日: 2015.07.21半落ち
横山秀夫
講談社文庫
横山さんの真骨頂
ザ・横山作品と言える作品です。 映画化もされ(観てませんが)ベストセラーにもなった作品を今頃読みました。 最後は見事にやられました。 ただ、問いかけられる命題が大きすぎて・・・感動もするし、いろいろ考えさせらるけど、ちょっと重いかなぁ。軽い気持ちでさらっと読んで、あぁ~面白かった!とはならない作品ではあります。でも間違いなく面白いです。
9投稿日: 2015.07.19月魚
三浦しをん
角川文庫
面白い連作短編集
三浦しおんさんって日本語が綺麗ですよね。 この作品もそのあたりは十分堪能できます。 読む人によって感じ方が大きく異なる作品だと思います。読み手にゆだねてる部分が多いので頭の回転がいま一つの私にはちょっと難しい作品でした。 読み終えてから「月魚」っていうタイトルが素晴らしいと感じます。 繊細で美しい物語でした。
6投稿日: 2015.07.19ハウス
谷村志穂
集英社文庫
面白い連作短編集
発想がとても面白い12作の連作短編集です。1話目の登場人物の一人が二話目の主人公に、そも脇役が三話目の主人公にと順々に出てきて、最後の12話目ではその主人公と1話目の主人公が遂にすれ違うというものです。 作者さんがあとがきで 『人は孤独だがどこかで誰かとつながってもいる、だからこの小説はひとつひとつ独立しているのと同時に、それらすべてで一遍の長篇小説小説のようなものである』 このように書かれています。この企みは見事成功したのではないでしょうか。 誰かとつながってるって自然なことだけど、やっぱりいいよねって思える作品でした。
5投稿日: 2015.07.19永遠。
村山由佳
講談社文庫
映画「卒業」のサイドストーリー
映画「卒業」のサイドストーリーとして書かれた小説。 映画は観ていないのでわかりませんが、映画とセットで読んだほうが楽しめるでしょうか!? 100ページちょっとの短いおはなしですが、中身の濃い作品です。 情景描写が素敵です。 なんかやさしい気持ちになれる、そんな1冊です。
7投稿日: 2015.06.2464(ロクヨン)(下)
横山秀夫
文春文庫
壮絶な14年
上下巻まとめてのレビューです NHKにてドラマ化された作品。 警察ものを書かせたらこの人の他にいないでしょう。 どの作品も面白いですがその中でもこの「64」は秀逸だと思います。 あれこれ書く必要もないでしょう。 読んで損は無い1冊です。
9投稿日: 2015.06.24薄闇シルエット
角田光代
角川文庫
誰もが一度は通る道
読んでて『わかる、わかる』と何度もうなづいてしまいました。 誰もが経験したことのある葛藤をそれぞれの立場からうまく表現されていると思います。 一緒に歩いていたはずの友人、恋人・・・。その歩みはみんな一緒じゃないからある時ゆがみが生じます。みんな前を向いて一生懸命やってるんだけど、成長速度や物の見方が若干違うだけなんですけどね。何でわかってくれないんだろう?っていう気持ち、そういう経験を何度もしてきた今だからよくわかります。 うまく立ち回れない主人公のはなちゃんにイラッとすることも多々ありますが、何とも憎めないキャラなので応援したくなります。
6投稿日: 2015.06.22陽気なギャングの日常と襲撃
伊坂幸太郎
祥伝社文庫
面白い!
『陽気なギャングが地球を回す』の続編です。 最強の天才強盗4人組の掛け合いがとにかく面白い。 ちょっとずつ張られた伏線が最後に見事にすべてつながるのも伊坂作品だなぁと妙に納得してしまいます。 重い作品を読んだ後にはこういう作品ですっきりリフレッシュしてみてはいかがでしょう!?
11投稿日: 2015.06.01藁の楯
木内一裕
講談社文庫
落としどころが・・・
いろいろ考えさせらた作品です。 発想はものすごく面白く、人間がこうなるのもなんとなくわかるけど、 最終的に落としどころはどうすんだろう??って読んでる最中からずっと感じていました。 あまり書くとネタバレになってしまうので、うまく伝えられませんが、殺されて復讐していったい誰が救われるのかがまったく理解できなくて・・・まぁまぁそこは物語ですからっていうならもっと大胆なラストにすればいいのにとどうしても思ってしまいます。 あまり面白くなかったかのような文体ですが、そんなことはなくて、テンポはいいし、人間の強さ、弱さ両面みてとれますしドキドキの展開はとても面白かったです。 映画化された作品ですが、読んでいて確かに映像化しやすそうだなぁと感じました。 まったく知りませんでしたが作者さんは「BE-BOP HIGHSCHOOL」の作者さんということでびっくりしました。 他の作品も読んでみたくなりました。
7投稿日: 2015.06.01光待つ場所へ
辻村深月
講談社文庫
スピンオフ作品
短編集です。 他の作品とリンクしてますので、そっちを読んでからのほうがより楽しめると思います。 とはいっても1作だけではないので、結構ハードル高いかもしれませんが。。。 個人的には「しあわせのこみち」「チハラトーコの物語」が好きです。 若い頃に誰もが感じていたであろう感覚をうまく表現してくれています。当時はなんかモヤモヤして 何だかわからずに一人でもがいてたあの感情ってこういう感じ!!って思い出し、ちょっとうれしいような恥ずかしいような・・・そんな気持ちにさせてくれます。 青春!って感じがGoodです。
7投稿日: 2015.05.21