
向日葵の咲かない夏
道尾秀介
新潮社
好みが分かれる作品
多くの方が書かれているように好き嫌いがはっきり分かれる作品だと思います。 個人的にも表現方法はあまり気持ちの良いものではありませんし、読後感もスッキリしなかったです。 会話形式で話が進むので読みやすいことは読みやすいです。 私の読解力では作者の意図を汲み取ることは難しかったです。 気持ち悪いとか、駄作といった評価も多数見受けますが、オカルト作品ではないので 何か感じ取って欲しい所があるはずで、それが自分なりの解釈でもいいので、見えてくれば 表現方法として好きにはなれませんが、衝撃的な作品だと思います。 でも私にはちょっと難しい・・・
8投稿日: 2015.03.20あのとき始まったことのすべて
中村航
角川文庫
ハッピーエンドが・・・
社会人3年目、営業マンとして働く僕が、中学時代の同級生、石井さんと10年振りに再会することからはじまるストーリー。誰もが経験したであろう中学生の時の思い出が甦ります。自分の覚えていないことを誰かが覚えていて、そんなことがちょっとうれしかったり。今当たり前のように存在している周りの人たち。そんな人たちとの出会いって奇跡なんだよねって思える作品です。爽やかで、楽しくて、ちょっと切なくて・・・ 若かりし頃を思い出しました。 ただ最後はみんながハッピーエンドに終わって欲しかったなぁ。
9投稿日: 2015.03.16はれのち、ブーケ
瀧羽麻子
実業之日本社文庫
40歳になった彼らもみてみたい・・・
大学の同じゼミで学んだ6人。その仲間内の結婚式で久しぶりに再会し、物語りは始まります。大学卒業後の進路は皆バラバラ。結婚式をとおしてそれぞれの立場、仕事、恋愛、結婚などなど・・・6人のそれぞれの目線から綴られた物語です。 30歳をだいぶ過ぎた自分には随分昔の話ですが、あの頃の自分を思い出しながら読んでいくと、物語の彼らに共感したり、ムカッとしてみたり、うるっとしてみたり・・・ そのうち自分、奥さん、友人や同僚を重ね合わせて読んでました。 ”となりの芝生は青い、自分の芝生のほうがもっと青いかもしれない”グッときました。 いいですね、こういう一生懸命で純粋なところが。 進んでいる道は正しいのか、どう生きていくべきか・・・いくら考えたって答えなんかみつからないことでアレコレ悩んだ時期もある/あったでしょうけど、”大丈夫”って背中を押してくれるようなお話です。 彼らがこれから10年経ったときに、過去をどうみてるのか、40歳になった今、どんなふうに考えてるのかまた読んでみたいです。
5投稿日: 2015.03.11背表紙は歌う
大崎梢
創元推理文庫
結果が気になる・・・
知らなかった出版の裏側もわかって、面白いので好きなシリーズですが、 結果が気になってしかたがない・・・ 心を震わすようなストーリーではありませんが、思わずにこっと笑ってしまうような 暖かいおはなしです。 この何とも言えないほんわかした雰囲気がいいです。
5投稿日: 2015.03.06クライマーズ・ハイ
横山秀夫
文春文庫
多くの人に読んで欲しい
読み終えて「多くの人に読んで欲しい」と思いました。 1985年8月、日航機123便が群馬県御巣鷹山に墜落。500人以上の犠牲者を出した史上最大の航空事故である。この事故を中心に様々な人間ドラマが展開されます。上司、部下、同期、家族、世界的なスクープ等をめぐり物語は進みます。 ここで書きたいことはいっぱいあるのですが、私には残念ながらそれを伝える文書力がありません。それで「多くの人に読んで欲しい」となるのですが・・・ とてもわかりやすいシンプルな言葉で心の中にグイグイ入ってくる筆の力。 報道とはどうあるべきか、命とは、家族とは・・・日航機墜落事故の報道をとおして様々なドラマが展開されます。 読了後、何故か涙が出てきました。何に感動して泣いてるのか自分でもよくわからなかったのですが何ともいえない熱い問いがいっぱいあります。お勧めです。
11投稿日: 2015.03.03鴨川ホルモー
万城目学
KADOKAWA
よくわからないけど面白い!
何だかよくわからないけど面白かったです。これが万城目ワールドなのでしょうか。 ホルモーって何?って聞かれてもうまく説明できません。不可思議な設定なのですが、個性的なキャラ設定、情景が容易に想像できる表現力。電車のなかで何度笑ったことか。 だいぶ前に映画化されいるようですが、これは映像で見ても面白いかも!?
6投稿日: 2015.02.18軍師の門 下
火坂雅志
角川文庫
官兵衛の天下も見たかった!
黒田官兵衛のお話。下巻は有岡城から救出されてから晩年まで。 昔も今もキレすぎる部下は冷遇されるものなんですね。 三成vs家康が官兵衛の読み通り長引いていたらホントに官兵衛の天下になっていたかも・・・と思わせる男です。
3投稿日: 2015.01.27軍師の門 上
火坂雅志
角川文庫
両兵衛がいなかったら歴史は?
黒田官兵衛のお話。上巻では竹中半兵衛との出会いから有岡城に幽閉されてしまうまでのお話です。 普段は映像は見ない派なのですが、これは大河ドラマをみて読んでみたくなりました。大河ドラマの原作ではありませんが・・・ ちなみに大河での直江兼続(天地人)はこの方が原作を書かれた方です。 竹中半兵衛、黒田官兵衛この二人がいなかったら歴史は大分変わっていたんだろうなぁと思います。 それくらい二人はキレキレです。その二人を召し抱えていた豊臣秀吉はそれだけ魅力的な人間だったのでしょうか? 歴史小説はこういうことを考えながら読むのも楽しいものです。
9投稿日: 2015.01.27ルーズヴェルト・ゲーム
池井戸潤
講談社文庫
原作のほうが面白い!
先にテレビを見てしまったので、余り期待せずに読み始めましたが、原作のほうが話がシンプルでわかりやすく面白かったです。ただ登場人物がドラマのキャスティング通りにしかイメージできなかったのが残念です。。。 相変わらずのスッキリとした読後感です。次々に起こる難題を押し返し、最後に逆転するというこれ以上ないくらいの爽快感です。大企業では失われつつある義理人情とか、社内の一体感だとか、結局最後は”人”だよねっていうところを懐かしく思いながら読みました。こういう人間臭さが日本企業の最大の強みだったような気がします・・・
5投稿日: 2014.12.27鉄の骨
池井戸潤
講談社文庫
読み応え十分
よくこんな難しいテーマをこれだけ分りやすく書けるものだと関心します。 ゼネコンの談合のお話です。談合という言葉は知っていましたが、その中身についてははっきり知りませんでした。これ以上にないというくらいに分りやすく書かれています。 談合は必要悪か!?最後の着地点はだいたい想像はつくのですが、それでもハラハラドキドキしながら最後まで読めました。いろんな所に伏線が張られていて、それが繋がっていく過程が面白かったです。オチが想像できているのにこれだけ楽しめるのは池井戸さんと横山さんくらいですかね。
6投稿日: 2014.12.27