
禁猟区
乃南アサ
新潮社
警察監察を描いた短編集
警察内部の不正や悪事を内偵する女性監察官のお話です。乃南作品独特の雰囲気は相変わらずです。 堕ちていく側からも書かれていて、人ってこういうところから堕ちていくんだなぁというのがよくわかります。 せめていくみちゃんはハッピーエンドを期待したんだけど・・・
4投稿日: 2014.12.26震える牛
相場英雄
小学館
現実にはこんなことがないことを祈ります
全然関係なさそうな話がじわりじわりとつながっていく過程がスリリングで楽しめました。 タイトルから想像できるアレが出てくるのですが、 リアルすぎてしばらくスーパーでお肉を買えなくなるかもしれません(笑) 食品偽装、警察と政財界との癒着等々、社会の陰の部分を暴き出していく過程はとててもリアルで楽しめました。 ただ、せめて本の中だけでも正義が勝ってほしかった・・・
5投稿日: 2014.12.15オーデュボンの祈り
伊坂幸太郎
新潮社
独特の世界観
中盤くらいまでは何が何だかまったくわからず、読んでいるのが苦痛なくらいでしたが、中盤以降は独特の世界観に引き込まれます。 伊坂ワールドは独特な世界観なので好みがはっきりわかれそうですが、好きな人には堪らない作品なのではないでしょうか。 これがデビュー作とは・・・恐るべし伊坂幸太郎。
3投稿日: 2014.12.05シャイロックの子供たち
池井戸潤
文春文庫
普通が一番
銀行を舞台とした連作短編集。たたき上げの誇り、社内恋愛、現金紛失事件、出世競争などなど・・・どこの会社でもありそうな出来事(さすがに人が死ぬことはなかなか無いと思いますが・・・)を各登場人物の生い立ちから描いています。その心理描写がお見事で、手に取るようにわかります。サラリーマンなら「わかる、わかる!!」と同情してしまうシーンが多々あると思います。大企業で出世すれば世間からは勝ち組と言われ、羨ましいと思われるような生活もできるでしょうけど、そのエリートがエリートであり続けるのも大変なんだなぁと思います。やっぱり普通が一番と思える作品でした。普通であり続ける努力はもちろん必要ですが・・・
3投稿日: 2014.12.05死ねばいいのに
京極夏彦
講談社文庫
衝撃的なタイトル
かなりインパクトのある衝撃的なタイトルが気になって読んでみました。読んでみて「あぁそういうこと」って思いましたが、この「あぁ」は“がっかり”ではありません。 どちらかというと世間的にはダメと思われる人間が最後には正しいと思われてる(思っている)人間を論破していく展開は爽快です。 論破していくところは爽快なんだけど、読後感が爽快かというとそうでもなくて、イラついたり、沈んだり・・・ 結局のところこの作品に登場する「死ねばいいのに」と言う側と言われる側のどちらの部分も自分のなかにあることで、そこを鋭くつかれてイラついたりしたんだろうなぁ・・・と思います。 いろいろ考えさせることの多い作品でした。
9投稿日: 2014.12.05株式会社ネバーラ北関東支社
瀧羽麻子
幻冬舎文庫
なんだかホッとします
最初から最後までゆったりとした気持ちで読めました。 設定としてはちょっと出来過ぎな感じですが、ユルユルした展開はとても心地よいです。 読書して程よい休息感が得られる不思議な感覚でした。心身ともにのんびりしたい人におすすめです。
2投稿日: 2014.12.05神去なあなあ日常
三浦しをん
読楽
林業の大変さ、大切さがわかります。
あらためて日本という国がどういう地形なのかを認識できました。また林業というこれまで知らなかった世界を知ることができ、最初から最後まで楽しめました。林業の大変さ、大切さがよ~~くわかります。 ありとあらゆるものに神がいて、そんな馬鹿なと思い続けてましたが、これを読むと不思議と『山の神様はいる!?』と思ってしまいます。 主人公である勇気くんの成長っぷりが微笑ましいです。 続編での成長と恋の行方が気になります。
3投稿日: 2014.11.17かわいそうだね?
綿矢りさ
文春文庫
ラストが気持ちいい
蹴りたい背中、勝手にふるえてろを読んでこの人天才だと思いました。 この作品の読み始めは「あれ?普通の作家になっちゃった??」と思ったのですが、読み進めていくうちに やっぱり天才だと再認識しました。 中編2編からなる作品ですが、どちらも綿矢さん独特の表現で、この感情をよく文章にできるなぁと感心します。複雑な心情がよ~くわかります。それだけに感情移入しやすい作風です。 特に女性は共感できる点が多いのではないでしょうか。 とても楽しめる一冊です。
6投稿日: 2014.11.08ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~
三上延
メディアワークス文庫
早く続きが読みたくなる
毎回毎回本が読みたくなります。 今回は江戸川乱歩。もちろん江戸川乱歩にまつわるお話も面白いのですが、栞子さんの周囲も気になります。 早く続きが読みたくなりました。
2投稿日: 2014.10.31恋する日本語
小山薫堂
幻冬舎文庫
日本語って美しい
聞いたことはあるけど意味はよくわからないといった35の言葉のちょっとした物語。 あらためて日本語って美しいと思いました。同時に難しいとも思うのですが・・・ これは電子じゃなくて文庫を側に置いておきたくなる素敵な物語です。
8投稿日: 2014.10.31