litsさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。6(イラスト簡略版)
渡航, ぽんかん8 / ガガガ文庫
八幡は自分に優しくなれるのか
3
廉価版はイラストが表紙だけしかありませんが、これで300円近く安いのは嬉しいです。Reader端末で読むと、妙な形のフォントが散見されますが、これは完全版でも一緒なのかな?描写が丁寧なので、挿絵はなく…ても問題ないと思います。少しさみしいですけどね。
学園ものの定番である文化祭を描いたこの6巻。今までの1~5巻も面白かったですが、スピード感やクライマックスの哀しさはそれらを大きく凌駕していると思います。読み終えるのがさびしかったくらいです。それくらい、この6巻の出来はすばらしい。これを読むだけでも5巻まで読む価値がありますよ。
主人公の八幡については、スクールカースト内で思考停止する多数派に対してのアンチヒーローで、それ以上でもそれ以下でもないと思っていましたが、みくびっていたようです。彼の解決法は最低と言われるかもしれません、他に方法があったのかもしれません。でも、誰でも救ってしまう。救われた本人に自覚がなくとも、感謝のかわりに嘲笑をあびせられても。
その姿は、この作品にしか描けないヒーローがそこにいると感じさせるものでした。孤高をうそぶきながら、寂しさも感じていないわけないはずの主人公がどうなっていくのか、ますます楽しみにさせてくれた巻でした。
続きを読む投稿日:2015.02.03
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない
伏見つかさ, かんざきひろ / 電撃文庫
タイトルで敬遠するにはおしい作品
1
アニメ化もされわりと耳にする作品ですが、タイトルのネーミングからずっと敬遠してました。1巻が格安で読めるキャンペーンがあったので、どんなものか読んでみようと思いきや・・面白いじゃないですか!
起承転結…がはっきりしているタイプの話の筋ではいりやすく、文章も安定していて読みやすい。ところどころにちりばめられているユーモアあふれる(?)描写にはおもわず声をあげて笑ってしまうほどのセンスがあります。しょーもなさを笑う系の笑いのとりかたなので、合う合わないはあるかもしれませんけどね。シリアスな場面はとことんシリアスで展開が速く、ページをくる手も自然とはやまり、緩急もいい感じです。
根底に流れる暖かさがあり、最後はほのぼのさせてくれるのが一番気に入りました。殺伐とした物語に疲れた方はぜひ!とおすすめしたいです。 続きを読む投稿日:2015.01.10
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放課後の魔術師(4) ワンサイド・サマーゲーム
土屋つかさ, ふゆの春秋 / 角川スニーカー文庫
短編集かと思いきや
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短編をあわせて、その間を各キャラの視点の小話でつないである、今までとは構成の異なる巻です。この巻は、やっぱり紫(プルピュラ)の魔術師ベルの登場につきるでしょう。天才肌の魔術師で、奔放だけど・・弱気なと…ころもあるけど・・一直線につきすすむ姿が魅力的です。魔術サイドのハルカの友達というポジションとなるばかりでなく、敵勢力と戦う上での重要な戦力ともなるという。味方陣営に魅力的なキャラがそろってくると華があっていいですね。アキの鈍感ぶりがもはや犯罪級であることも書かれています。いつか刺されそう(笑)。 続きを読む
投稿日:2015.01.10
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放課後の魔術師(3) マスカレード・ラヴァーズ
土屋つかさ, ふゆの春秋 / 角川スニーカー文庫
世界の広がりを見せる巻
0
翠(コラル)が本格的に登場し、舞台も学園を飛び出していきます。2巻までとノリはほとんどかわりませんが、物語の展開に緩急があり、いろんな要素がぎゅうぎゅう詰めだった序盤から開放されつつあるのかな?と感じ…ました。ここで、ハルカの潜在能力がついに発動し、シリーズの中でも展開のあった巻。
一番好きなシーンは、カノンとハルカの語り合い。カノンは、いるんだかいないんだか・・という控えめなポジションのキャラですが、カノン自身の言葉がつむがれるところが良かったです。 続きを読む投稿日:2015.01.10
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない(12)
伏見つかさ, かんざきひろ / 電撃文庫
大団円?
0
シリーズ最終巻。
小説の最終巻に求められるのは、物語を締めることと心地よい余韻を残すことだと僕は思います。
その観点からいくと、すこし微妙・・もやもやする・・しかし、物語は締まった。いや、締まってし…まった。
わかりにくいかもしれませんが、そんな感じです。
シリーズの根底に流れる世界観の優しさ暖かさ、うなずける心情描写、人を大事にするところが好きなので、大団円を期待していました。登場人物全てが報われるわけではないけど、笑い合えるような未来を思い描ける大団円。
なのに、京介が誰を選ぶのか?に一番大きな焦点が当てられ、選んだ後は一直線。○○ルートに入った・・というような記述もありますしね。でも、これはゲームの脚本でなく小説。
これはこれで決して悪くはないのですが、大団円にはなっていない・・と思うのです。心地よい余韻を残すことにも成功しているとは言いがたい・・と思うのです。
シリーズ全体をみると、実に楽しい作品群であるだけに、すごく残念!おしすぎる!いつか、特典小説を集めたもの+補完的なエピソードの外伝を読んでみたいです。 続きを読む投稿日:2015.01.07
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放課後の魔術師(2) シャットダウン・クライシス
土屋つかさ, ふゆの春秋 / 角川スニーカー文庫
2巻も安定した面白さ
0
ライトノベルの2巻目って狙いすぎて面白くないものも少なくないのですが、このシリーズについては杞憂だったようです。この巻では、北鳳学園の便利システム(?)ジェシカを中心に物語がまわります。簡単にシステム…クラックされすぎだろうとか、敵を引き込むならもっと策を練らないと逆に危険だとか、ドールの容量少なすぎだろうとか、つっこみどころはあるのですが、お話を楽しませつつ物語の舞台について語っていくスタイルは好感が持て、世界も広がっていく期待感があって良いですね。とってつけたようなエロ要素はいらないと思いますけど・・。 続きを読む
投稿日:2014.09.13