
センゴク一統記(1)
宮下英樹
ヤングマガジン
戦国時代を描いた、人物描写が秀逸で、かつ奥の深い作品です。
千石秀久を主人公にした本シリーズ。『センゴク一統記』では、千石秀久が九州征伐で失態を犯し、 挽回するまで掲載される予定のようです。 羽柴秀吉を軸にしつつ、明智光秀、徳川家康などが、織田信長の死去以後に、戦国武将から、為政者へと 変貌していくところを、光と影をうまく使いつつ描写した秀作です。 なぜ明智光秀が本能寺の変を起こしたのか?、そしてその時の羽柴秀吉はどのような決断をし、大山崎の 戦い、賤ヶ岳の戦いを経て、どのように為政者として目覚めたのか? これを宮下英樹が、斬新な表現かつ、史実に則った解釈で、描写しています。 本当に素晴らしい作品と思いました。 まずは本能寺の変、大山崎の戦いが収録されている、7巻まで読んでみてはどうでしょうか? 歴史小説や歴史漫画に興味を持たれている方は是非!おすすめです。
2投稿日: 2015.07.18
ドラえもん(7)
藤子・F・不二雄
月刊コロコロコミック
名作『帰ってきたドラえもん』収録。情緒不安定なドラえもんも必見。
ドラえもんが未来に帰ってしまった後の後日談、『帰ってきたドラえもん』収録です。 『さようなら、ドラえもん』が先発の不動のエースのように流れるような感動を魅せてくれましたが、 『帰ってきたドラえもん』は抑えのエースのように、最後の1コマで感動を魅せてくれる名作です。 最後の1コマに、藤子・F・不二雄の素晴らしさが表現されていると思います。 またドラえもんの情緒不安定さも、初期ドラえもんの魅力のひとつ。 裏の名作『ネズミとばくだん』では、完全に“あれな”ドラえもんを見ることができます。 初期のドラえもんの破壊力ある、パンチのきいたストーリー・設定・表現に改めて感動しました。 ありがとう。藤子・F・不二雄先生。 ちなみに本巻に収録されている『ジャイアンズをぶっとばせ』では、珍しく“しずちゃん”のお友達が出てきます。 その時ののび太のコメントが秀逸です。 是非、お買い求めください!
1投稿日: 2015.07.14
ドラえもん(6)
藤子・F・不二雄
月刊コロコロコミック
感動の名作 『さようなら、ドラえもん』収録
30~50歳のおっさんなら知っている名作『さようなら、ドラえもん』が収録されています。 涙なしでは読めない、このお話。 大人になると、より大きく、そしてより深く心を揺さぶられることでしょう。 特にのび太やドラえもんを自分自身の環境におきかえることで、更に共感を得ることができると思います。 会社での人間関係、家族との関係など・・・ このお話だけでも、買う価値ありの第6巻。 是非、是非読んでください!!! そして・・・本作の後日談を収録している7巻も読むとなおよいですね。 ちなみにおまけの『ドラえもん百科』もお勧めです。 あの偽物感満載の絵に、当時コロコロコミックを読んでいたおっさん、おばさんは感涙ものでしょう。 古き良き、日本のいい加減さがわかる、これまた名作です。
3投稿日: 2015.07.14
ドラえもん(1)
藤子・F・不二雄
月刊コロコロコミック
藤子・F・不二雄の最高傑作
皆さんご存知、ドラえもんです。 初期のドラえもんはSF+ブラックジョーク満載です。 これこそが藤子・F・不二雄の真骨頂なんですよね。 大人になって読み返すと、よくこんな内容が連載されていたな・・・と思うとともに、 良く練り込んだ漫画だったんだな、と感心します。 初期型ドラえもんのコンビニのおばさん店員のような雰囲気が、改めて読むと奥が深いですね・・・ 30歳以上の方、是非読み返してください。子供の頃とまた違う感性で読み返すべき、名作です。 特に6巻、7巻はドラえもん好きなら必見です。
7投稿日: 2015.07.14
ごっちゃんです!! 3
つの丸
週刊少年ジャンプ
漫画家:つの丸の最高傑作!修行編の3巻!
高校相撲を舞台に、大関の息子と勘違いされて入部させられた主人公、ごっちゃんを中心に 高田川高校 相撲部の活躍を描いた作品です。 3巻はインターハイ予選に向けての修行編に突入。ちょっと面白くないかな?と思っていましたが、 主人公だけではなく、槐(さいかち)、北嶋、伊藤らの先輩部員、ライバル校の甲山工業高校の 修行風景もあり、楽しく読むことができました。 あいかわらず、プロレス・格闘技や時事ネタが満載でした。ここも面白かったです。 プロレス好きや『喧嘩稼業』や『グラップラー刃牙』のようにキャラ立ちがうまい格闘漫画が好きな方に お勧めです。是非! 3巻はインターハイ予選に向けた修行と、インターハイ予選開始まで掲載されています。
0投稿日: 2015.07.12
ごっちゃんです!! 2
つの丸
週刊少年ジャンプ
漫画家:つの丸の最高傑作。主人公vsライバルの熱戦!
1巻に続き、レビューさせていただきます。 地区大会1回戦が始まります。 主人公:ごっちゃんの化けの皮が少しずつ剥がれてきます・・・ が、最後にライバル川島との1戦は、すばらしくうまく描写されており、主人公に好感が持てなかった 私も鳥肌が立ってしまいました。 さらに相撲部の先輩、槐(さいかち)や北嶋の2名の描き方が対照的で秀逸でした。 本巻も素晴らしかったです。 絵にくせがあること、ギャグ漫画であることが読む側を少し選んでしまっているところが残念ですが、 『喧嘩稼業』、『グラップラー刃牙』のようにキャラの立たせ方がうまい格闘漫画が好きな方にはお勧めです。 是非、つの丸という漫画家の最高傑作を読んでみてください。 2巻は主人公が入部して、地区大会 団体戦が終わるところまで掲載されています。
0投稿日: 2015.07.12
ごっちゃんです!! 1
つの丸
週刊少年ジャンプ
漫画家:つの丸の最高傑作 1巻
つの丸といえば、『みどりのマキバオー』、『モンモンモン』が代表作と言われていますが、 私は、本作が漫画家:つの丸の最高傑作ではないか?と思っています。 つの丸の漫画の特徴は、作品の世界観が深いこと、そしてキャラの立たせ方がうまい、ということです。 『みどりのマキバオー』にもその才能がいかんなく発揮されていますね。 私はこの作者の魅力だと思い、いつも好きな漫画家の一人に挙げさせていただいています。 本作は高校相撲が舞台になります。ギャグ漫画ということもありますが、作者が相撲に対して真摯に取り組んで いるところに好感が持てました。 特に出てくるキャラクターが一人一人立っており、脇を固めるキャラが秀逸です。主人公の入る高田川高校 相撲部の部員だけではなく、OBの蘭堂やライバル校である甲山工業高校の面々も非常にうまくキャラ付けして あり、作者の力がいかんなく発揮されています。 また細かなところにも小ネタがふんだんに盛り込まれており、特にプロレスが好きな人は思わずニヤッとすると おもいます。 絵にくせがあること、ギャグ漫画であることが読む側を少し選んでしまっているところが残念ですが、 『喧嘩稼業』、『グラップラー刃牙』のようにキャラの立たせ方がうまい格闘漫画が好きな方にはお勧めです。 是非、つの丸という漫画家の最高傑作を読んでみてください。 1巻は主人公が入部して、地区大会が始まるまで掲載されています。
1投稿日: 2015.07.12
ザ・ファブル(2)
南勝久
ヤングマガジン
これぞ真骨頂。
“寓話(ファブル)”と呼ばれる天才殺し屋が主人公です。 作者の前作『なにわ友あれ』のようなテンポで物語が進んでいきます。 わたしはこのテンポが大好きです。 少しずつ、主人公:佐藤とその妹がその力を見せ始めてきます。 そして少しずつ巻き込まれる周囲の人たち。 小ネタも挟みつつ、大きな展開に向けたところで3巻へ続きます。 作中のセリフに、銃を向けた相手に主人公が言ったセリフが最高でした。 『弾もつまっていないのに、何を撃つんや? 夢と希望か?』 このなんでもないセリフこそ、作者の真骨頂と思います。 今後、面白そうな展開になりそうなので、是非1巻から読んでみてください。お勧めします。
2投稿日: 2015.07.10
味いちもんめ 独立編(1)
倉田よしみ,あべ善太,福田幸江
ビッグスペリオール
やさしい漫画です。
本作の魅力は優しいということに尽きます。主人公:伊橋を軸に、登場人物のほとんどが善人です。 たまにトラブルメーカーはでてきますが、美味しんぼのような不条理なこともなく、 ただただ物語が進んでいきます。 主人公:伊橋が中間管理職のようなポジションなので、同じ境遇の方は自分自身に置き換えて 読めると思います。 かくいう私も、その口なのでですが、伊橋みたいに聖人のような対応ができないので、 読みながら、反省の日々です。 『クッキングパパ』、『総務部総務課山口六平太』のような優しい雰囲気の漫画が好きな方にお勧めです。 できれば、新味いちもんめから読むと、より深く物語に入れると思います。
0投稿日: 2015.07.09
センゴク一統記(13)
宮下英樹
ヤングマガジン
賤ヶ岳の戦いと、戦後処理。羽柴秀吉の陰陽の描写に舌を巻く。
本巻で、賤ヶ岳の戦いが終わり、その戦後処理と、小牧・長久手の戦いに向けた動きまで掲載されています。 秀吉の陰陽をうまく表現しており、相変わらず作者の描写力には舌を巻きます。 またダラダラと書くのではなく、簡潔にかつ分かりやすく物語が進んでいくのも、本作の魅力です。 主人公の千石久秀が空気になっていますが、歴史漫画としては良作です。 ご興味の出た方は、一度読んでみてはどうでしょうか?
1投稿日: 2015.06.24
