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スカイフィッシュさんのレビュー
いいね!された数778
  • タイム・シップ〔新版〕

    タイム・シップ〔新版〕

    スティーヴン バクスター,中原 尚哉

    ハヤカワ文庫SF

    億の時を旅し、人類の果ての姿を見る

    私の陳腐な想像力の殻を2つも3つも突き破って展開する、果てしない未来の人類のカタチの描写。1800年代をオリジナルの時代とし、数十年~億の未来の人類とその進んできた道程をヴィジョナリーに見せてくれるこれぞ!SFという醍醐味あふれる作品。まるで数億年分の人類の変遷を自分が見ているよかのような。オリジナルのタイムマシンを読んだのはもう20年近く前ですが、読み返さなくてもこの作品の見せてくれるビジョン、十分楽しめました。

    8
    投稿日: 2016.04.26
  • FRONT MISSION DOG LIFE & DOG STYLE1巻

    FRONT MISSION DOG LIFE & DOG STYLE1巻

    太田垣康男,C.H.LINE

    ヤングガンガン

    モビルスーツ同士の限界残虐バトルが目前で展開される衝撃!

    太田垣作品らしく、人型戦闘マシンのモビルスーツ(この作品ではヴァンツァーと呼ばれる)のメカニカルな完成度はさすが。それが衝撃的な残虐戦闘を性能の限り繰り広げる、血と煙硝と埃にまみれ切った近未来戦争マンガ。ガンダムサンダーボルトやムーンライトマイルの戦闘描写など、この作品と比べたら格段に大人しい。まさに戦争状態にある世界で、兵器が、人が、兵士が、極限でどんなバトルになるのか、非人道的な行為を行うのかを赤裸々に、開けっぴろげに描写した本当の衝撃作。10巻完結。そのラストも超衝撃。

    5
    投稿日: 2016.04.25
  • 首都消失

    首都消失

    小松左京

    徳間文庫

    突拍子ない、突き抜けた設定のSF大賞作品

    あるひ突然、首都圏が消える。地震とか津波とか、占領とかそんなよくある設定ではありません。直径60キロ(16号線内側全部くらい)、高さ千メートルの正体不明な巨大な“雲”に覆われて、人も電波も空気でさえも行き来できなくなるって、そんな設定アリですか?最初の100ページくらいでグっと魂を掴まれました。ただ、その後はSFというよりこのような緊急災害時の政治パワーゲーム的な要素が強いですね。内閣も、官僚機構も、放送・出版も、大学も企業の本社も首都圏に集中していた日本の中枢機能や人材が一瞬にしてなくなったら、残された日本は誰がどうマネジメントすべきか、的な政治シミュレーションです。リアルではありますが、SFっぽい雲の謎解きを期待して読んだので、少々肩すかしを食った感はあります。

    7
    投稿日: 2016.04.25
  • アンゴルモア 元寇合戦記(5)

    アンゴルモア 元寇合戦記(5)

    たかぎ七彦

    角川コミックス・エース

    この事態を予測して歴史の裏側で数百年間力を磨いてきた軍団がいた!

    史実なんだろうが、こんな風に日本の人々が、日本の島が、かつて蹂躙されたのか。1000年近く前の歴史だが、やはり同胞への思いを刺激される漫画。あまりにも圧倒的で次元の違う軍勢に対して、無力感が漂ってきてもおかしくないのだが、そんな中でも、この日のために数百年の昔より、歴史の裏でひそかに力を磨いてきた一群が登場!新しい勢力が登場したことで、元が去るまでの残り5日間を、どう凌ぐのかますます見もの。

    3
    投稿日: 2016.02.29
  • 空母いぶき(3)

    空母いぶき(3)

    かわぐちかいじ,惠谷治

    ビッグコミック

    あまりの緊張感!ついに最新鋭機同士が空戦?空自vs中国空軍

    これほど緊張感を持ってページをめくるコミックは、他にないのでは?空自の最新鋭機vs中国最新鋭機の空戦がついに始まる!中国軍は本当に自衛隊を攻撃してくるのか?自衛隊の技術や練度は高いとイメージはできるけど、本当に中国軍と互角以上に闘えるのか?そもそも、自衛隊は人を殺すという判断をしてしまうのか?あまりにも、明日にもおこりそうな事態がページ上に展開し、心臓の鼓動が速くなります。

    5
    投稿日: 2016.02.29
  • 武士道エイティーン

    武士道エイティーン

    誉田哲也

    文春文庫

    1~2作目読んだなら、これも手に取らずにいられない

    すっかりこの武士道シリーズにハマってしまったので、1作目から5日目にして3作目まで読了です。主役級の2人はどう強くなっていくのか!総決算の対戦はどうなるのか!もう読まずにはいられませんでした。武士道って何?というテーマに対してもより深く示唆を与えてくれる3作目です。

    6
    投稿日: 2016.02.19
  • 武士道セブンティーン

    武士道セブンティーン

    誉田哲也

    文春文庫

    続編!一作目読んだ人なら買わずにいられない面白さ

    一作目を読んだ人なら、これを買おうか迷う人はいないのでは?私は何の躊躇もなく、むしろ早く続きを読みたい気持ちで2作目を読破!1作目読み始めて2作目読了まで3日間です。1作目の武士道シックスティーンを買おうか迷っている人、剣道そのものにあまり興味なくても、武士道や宮本武蔵にちょっとでも興味があるか、スポーツものが好きか、キャラの立った女子高生モノが好きか、戦士が好きか、どれかに該当するようなら個人的に非常にオススメです。それぞれ2-3時間で軽く読めてしかもしっかりと記憶に残るメッセージをプレゼントしてくれる名作です。

    6
    投稿日: 2016.02.19
  • 武士道シックスティーン

    武士道シックスティーン

    誉田哲也

    文春文庫

    剣の道を極めたい!高一女子と一緒に自分も悩んで考える本

    面白い本です。読みやすくて3-4時間で一気に楽しめます。でも、ちゃんと考えされてくれる本でもあります。主人公の女子のキャラがまるでルパン三世の「五右衛門」のようです。他の作品ではあまりお目にかからない、非常に武士のような女子です。ツンデレだとかわいいのですが、ツンだけでデレの部分はあまりありません。でも、彼女は悩みます。そこが共感できて微妙にカワイイです。「勝って、勝ち続けてその先になにがある?」剣道を究めようとするあまり悩みます。この本によれば、宮本武蔵も諸国の武芸者を倒した後で悩んだようです。スポーツ選手も悩んでいるのかもしれません。五右衛門も同じ悩みを持っているようにも見えます。完全に武芸者の悩みですが、私も自分に置き換えて考えました。「自分が仕事して、競争相手を倒して、その先に何がある?」「何のために毎日戦ってる?」面白いだけでなく、ちょっとした気付きをもたらしてくれるいい本です。

    9
    投稿日: 2016.02.09
  • 空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

    空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

    角幡唯介

    集英社文庫

    奥チベット・人跡未踏の地・世界最大の峡谷。興味を持った人ならオススメ

    著者のプロフィールには疎かったものの、日常からかけ離れた本が読みたくなってタイトルに惹かれて購入。読書効果は、狙い通りでした。ヒマラヤ、しかもチベットの奥地。人跡未踏の世界最大の峡谷。チベットの村での出会い。ガイドと別れた単独の探検。バックパック1つで雪の降る森で2週間。自分で実際にやらないものの、自然の厳しさにの中に身を任せて、それに耐えて旅するという一種Mっぽい充足感がもたらしてくれる歓びを感じさせてくれる本です。ツアンポー峡谷、google MapやErathで検索すると半端ない山奥。その中にツアンポー川が重く激しく流れている様子が見て取れます。著者が文章をあまり飾らずに等身大の自分のまま記述してくれており、この冒険を自分毎のように追体験できるところが貴重な作品ですね。

    8
    投稿日: 2016.02.09
  • 空母いぶき(2)

    空母いぶき(2)

    かわぐちかいじ,惠谷治

    ビッグコミック

    ついに来た!中国海軍が島嶼占領。立ち向かう自衛隊の最新艦隊

    ついに中国海軍がやっちゃってくれました!住民の住む与那国まで占領。自衛隊基地も占拠。現場に急行するのは「空母いぶき」を旗艦とし、これまた最新のイージス艦2隻、さらに潜水艦まで従える海上自衛隊第五護衛艦隊。凄い凄いと日頃から聞いている、日本の最新艦隊軍の装備と隊員の練度を信じたい気持ちで読み進めるが、中国海軍の装備も結構最新じゃないの?さらに緊張しつつドキドキしながら読み進めた第二巻です。

    5
    投稿日: 2016.01.28