ecotさんのレビュー
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ガソリン生活
伊坂幸太郎 / 朝日新聞出版
ガソリン生活?
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何じゃそりゃと思い、手に取った。なんだか分からないが、読み進めていくと、どうも主人公は自動車のようだ。
その自動車とオーナー家族が繰り広げる物語。
自動車同士がしゃべることが出来るという設定が、人…間社会でも同じようなことが起こっているようで、物語に深みを持たせてくれる。
人間の社会と、自動車同士の社会と、1つの物語で、2つの物語を読めるような楽身が味わえた。
自動車の名前を知っていると、なおさら面白みが増すが、知らなくてもそれぞれ自動車の顔があることは知っての通りなので、想像しながらも楽しむことが出来るだろう。 続きを読む投稿日:2016.09.19
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グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命
エマニュエル・トッド / 朝日新書
明日の世界が見えてくる
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エマニュエルと聞いて、映画を思い出すのは、我々の年代以上でしょう、、、さておき。
以前から気になっていた、エマニュエル・トッドの著書でも、簡単そうな部類で、新しいものを読んでみた。
もう残すところ…1ヶ月を切った2016年も、世界は波瀾万丈であった。イギリスのブレグジットEUからの脱退の国民投票の決定、アメリカの次期大統領にドナルド・トランプの決定。
いずれも世界に大きな波紋を投げかけた。
日本に住み、一般的な情報を入手しているだけだと、えっ、何故?となるだろうが、もしかしたら、それらは予見されていたことかもしれない。
それは、エコノミストが出版する「2050年の世界」を読んでから益々そう思うようになった。そんな中、経済学の視点では無く、社会学の視点から世界を捉え、鋭い分析をしているエマニュエル・ドットの著作は面白そうだと以前から気になっていた。
しかし、中々たどり着けずにいたが、ついに1冊読むことが出来た。
結論を書くと、読むだけの価値はあった。
特に、最初の方に新しい情報が入っており、後ろに行くに従って、過去の取材記事となっていく。最初の数十ページでもこの価格を払う価値が十分にある書籍である。
続きを読む投稿日:2016.12.04
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すばらしい新世界
オルダス・ハクスリー, 黒原敏行 / 光文社古典新訳文庫
80年前に書かれたSF作品とは思えない。
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書籍は新しければ良い訳ではないことを、改めて感じさせられた一冊だ。
今から80年前に書かれた作品であることから、現在を詳細にイメージできていたかというと決してそうではない。
詳細にイメージされてい…るのは、人間の行動そのものだ。
このイメージを読んでいくと、80年という時代が経過したにもかかわらず、人間の進歩はないのではないかと思ってしまう。そのことから考えると、もしかして進歩が必要だと思っている我々が可笑しいのかもしれない。
日本では想像できない、気づいていない階層社会を、明確に記し、それにらについてどの階層が幸せで、不幸せであるかと言うことはないと記されている。
非常におもしろい、変かがないと言うことは、多くの人にとって幸せなことであり、それを上記のように記しているのだろうかと思えた。
何にせよ、この80年間を、そしてこれからの歴史を考える上でも読んでみると為になるSF作品だ。 続きを読む投稿日:2016.09.19
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Qrosの女
誉田哲也 / 講談社文庫
芸能界って面白い!
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いやいや、この本が面白かった!
全く興味を持たない芸能界。CMがどのように作られて、芸能雑誌がどのように作られているかなんて待ってく知らないし、まずもって興味がわかない。
読み進めていくと、いつも…のごとく話が頭の中で繋がっていかない。
登場人物は少ないが、なぜ?となっている中、半分を過ぎた頃から、「もしや」とい思いが
そして、ふむふむと言う思いに。
しかし、最後にどんでん返しが。
いやー、楽しませて頂きました。
さわやかな文章で、人間の内面を描く、この作風にも共感を持てました。ありがとうございました。 続きを読む投稿日:2016.11.03
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七つの会議
池井戸潤 / 日本経済新聞出版
企業内偽装
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最近手にするのは、企業での偽装本が多い。それは、そのような本が増えているのか、今の仕事柄なのか、どうなのか統計を取っていないから分からないが、よく手にする。
企業ぐるみでの偽装というのは、後を絶たな…い。
これは、メーカーだけの話では無く、金融、サービス業も同じである。
この小説の中では、タイトル通り7つの会議がそれぞれの役割を持ちながら開催され、決断がなされていく。
その中では、様々な思惑が入り乱れ、繰り広げられていく。当然実社会でも同じであろう。だからこそ、小説とは思えない。
もしかすると、今そこにある危機、いや現実かもしれない。 続きを読む投稿日:2016.09.19
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教場
長岡弘樹 / 小学館
途中で吐きそうになった。
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わずか数カ月の間に、ここまで様々な人間関係による事件が、警察学校という限られた空間の中で発生するというのか。
その事件を事前に見極めていく、謎の教官。
話はこの1冊では終わりそうではない。投稿日:2016.09.19