
九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子
九井諒子
HARTA COMIX
七色七変化
購入したものの積んでたのを後悔した一冊。 タイトルに「竜」とありますが、モチーフとして竜が絡んでくる話は2話だけで、あとは日常に非日常テイストを加味した独自展開の短編集です。 まず目を見張ったのが、その画力。上手いだけじゃなくて、描くストーリーによって絵柄を変えてくる器用さも併せ持つとは……。 ギャグもシリアスも描けるストーリーテリングにこの画力なんて、黄金比としか言いようがありません。
8投稿日: 2013.12.31
G組のG(1)
真右衛門
アフタヌーン
個性際立つ4コマ漫画シリーズ
G組の個性的なメンバーが繰り広げる4コマ漫画ですが、全5巻通じてモチベーションに陰りが見えないところがすごい。 ただ、貸した友人が「これ読むと寂しい気持ちになる」と言っていたので、人によって真右衛門氏のシュールな持ち味を受け付けられないのかもしれません。 4コマ目を読み終わったあとに「……」という余韻の5コマ目をもつシリーズです。
3投稿日: 2013.12.30
ふうらい姉妹 第1巻
長崎ライチ
HARTA COMIX
合うか合わないか
ギャグ漫画は、自分のベクトルと合うか合わないかのどっちかですが、これは残念ながら自分のツボにマッチングするネタがなかったです。 (表紙の1コマで一番笑ったという状況。) 美人なのに突き抜けたボケをかます姉と、姉への突っ込み役かと思いきや相手変わるとボケにシフトチェンジする妹という、見方によってはボケしかいないチャレンジな構成です。 重ねボケが好きなひとにはたまらないものがあるのかもしれません……。
1投稿日: 2013.12.30
幽霊詐欺師ミチヲ
黒史郎
角川ホラー文庫
ホラーレーベルだけど、読後感は爽やか
幽霊相手に詐欺を仕掛けるというタイトル通りの展開ながら、これが期待以上に面白かった。故人の資産って凍結されるはずなのに、マミコさんどうやってお金運んで(運ばせて)るの……とか突っ込んじゃいけないところが気になったりもしたが、終わりよければすべて良し。ただ幽霊の描写がことごとくグロテスクだから、グロ苦手な人は注意。個人的に幽霊の佇まいが全部グロテスクである必要はないと思っているので、続刊での幽霊のバリエーションに期待。
0投稿日: 2013.12.30
Landreaall: 1【イラスト特典付】
おがきちか
Comic ZERO-SUM
噛みしめるほどに味の出るタイトル
正直、最初はこの1巻だけでやめようかと思いました。 なんというか、思わせぶりに感じられるネームがずっと続くし、その一方でストーリーは序章の序章だし、巻の三分の一は番外編だし。 でもネットレビューで「とりあえず3巻までは読んで」と書いている人が多かったので、その助言に従った結果、物の見事に評価が逆転しました。 3巻でエピソードに一区切りつくわけですが、そこまで読んで作者が作った物語世界の広さを実感できました。 「ここまで仕込んでいたからの、1巻のあのセリフだったのか!」と、再読で気づく部分も多かったです。 劇的な何かが連続するようなストーリー展開ではないものの、登場人物ひとりひとりに血が通い、彼らが生活している世界がきちんと描かれているタイトルです。 続きを読みたいんですが、途中までしかこちらでリリースされてないのが悲しい……。 続刊のリリース、切に願っています。
2投稿日: 2013.12.30
ホリミヤ 1巻
HERO,萩原ダイスケ
月刊Gファンタジー
ゆるそうでするどい青春もの
外面と内面使い分け系ギャップキャラはそう珍しくないけど、そこからの物語展開がかわいらしいタイトル。多分堀さんのギャップとかは、友人たちにバレたところであっさり許容される内容だろうし、そういう意味では深刻な秘密ではないのも物語の読後感に影響しているかも。
5投稿日: 2013.12.30
