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future4227さんのレビュー
いいね!された数98
  • 犯罪

    犯罪

    フェルディナント・フォン・シーラッハ,酒寄進一

    東京創元社

    犯人探しや犯行トリック、どんでん返しも一切なしのミステリー

    数々の文学賞を授賞している短編集と聞いて読んでみた。 犯人探しや犯行トリック、どんでん返しも一切なし。 にもかかわらず、面白いと思わせてしまうのはさすが。 ただ、どの作品もオチがよくわからない。 自分の読解力のせい?それともドイツ流ユーモアが独特なの? 文中に「エミール・ノルデの絵を彷彿させるような空」という表現があり、気になってエミール・ノルデの絵を調べたら、なんと言えばいいか…いやぁ、ものすごい色彩の空だった。

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    投稿日: 2016.10.11
  • 信長の血脈

    信長の血脈

    加藤 廣

    文春文庫

    著者の歴史解釈が独特です

    著者の代表作である信長、秀吉、光秀3部作の外伝的短編集。 『平手政秀の証』では有名な信長のエピソードとなっている父の葬儀での焼香投げつけ事件、傅役平手政秀の切腹などへの新解釈が興味深い。 『天草挽歌』では歴史で学ぶ島原の乱(最近は天草・島原一揆という)とかなりイメージが違う内容だった。けっこう面白い話だったので、できれば戦闘場面や一揆の終結まで描いて欲しかった。 加藤さん、ひょっとしてキリスト教のこと嫌いなのかな?と思わせる記述がちらほら。

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    投稿日: 2016.10.11
  • 傭兵代理店  継承者の印

    傭兵代理店 継承者の印

    渡辺裕之

    祥伝社文庫

    傭兵部隊の今度の相手はミャンマー軍事政権

    シリーズ第4弾。冒頭からいきなり緊迫した戦闘シーン。まさかあの無敵の傭兵部隊が…。 前作から引き続いている連続殺人鬼との死闘。同時進行で闇の組織ブラックナイトとの暗闘。 舞台はマレーシア、ミャンマー、タイと東南アジアをまたにかけた戦闘へと広がっていく。 いつもながら国際情勢の勉強になる内容。 出版当時からはミャンマー情勢も激変したが、その当時の軍事政権VS反政府軍の激しい戦いが伝わってくる。 今回は懐かしのハリマオまで登場。ハリマオの埋蔵金探しというミステリーも加わって、面白さ倍増。

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    投稿日: 2016.10.11
  • sex

    sex

    石田衣良

    講談社文庫

    どこでもやっちゃいます

    タイトルそのまんまの内容だった。 いつでもどこでもだれとでも。ありとあらゆるシチュエーションでやりまくる。 歩きながら?図書館で?幽霊と?母親と?何でもアリだなこりゃ。 なぜこんな小説を書くのか、石田さんのポリシーがあとがきを読んで理解できた。

    0
    投稿日: 2016.10.05
  • モンテ・クリスト伯 1

    モンテ・クリスト伯 1

    アレクサンドル・デュマ,山内義雄

    岩波文庫

    『巌窟王』として知られるデュマの名作

    映画で観たことがあるので、事前にストーリーはわかっているけどやっぱり原作は面白い。 フランス文学特有のまどろっこしい会話、言い回しは避けられないが、それを差し引いたとしてもなお余りある面白いストーリ展開。 第1巻はナポレオンのエルバ島脱出と絡みあい、幸福の絶頂から不幸のどん底に突き落とされる主人公のエドモン・ダンテス。 読んでいて辛いものがあるが、最後にちょっとだけ希望の光が見える。 それにしても人を疑うことを知らないダンテス、あまりにもお人好し過ぎる。

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    投稿日: 2016.10.05
  • 炎の武士

    炎の武士

    池波正太郎

    角川文庫

    出世欲のない四人の熱い武士の物語

    忠義の人、鳥居強右衛門、測量オタクの間宮林蔵、キャラが濃すぎな新撰組の土方歳三と原田佐之助の四人の生涯を描いた短編集。 池波氏ならではの平易な文章と丁寧な背景説明のおかげで大変読みやすい。 短編にも拘らず、各人の生い立ちやエピソードが盛り込まれ、かつ事実描写よりも会話を多くすることで、登場人物の人柄が伝わりやすくなっている。 これだけの内容を短い枚数にピシッと収めてしまうのはさすがだなぁ。

    1
    投稿日: 2016.09.23
  • 最果てのイレーナ

    最果てのイレーナ

    マリア・V・スナイダー,宮崎真紀

    ハーパーBOOKS

    三部作ついに完結。魔術師「霊魂の探しびと」の能力が開花する

    三部作の完結編。 当初の毒見師というキャラはもうどっかに行っちゃって、すかっり魔術師として大活躍。 ついにボスキャラとの対決が待ち受ける最終巻。 裏切りあり、陰謀あり、恋バナもあり、いろんな要素が絡み合う大冒険ファンタジー。 あっちに旅したりこっちに旅したり、常に移動しているから現在地を把握するのがちょっと大変だった。 魔術師といっても、物ひとつ動かすことができないイレーナは、簡単に言えばお坊さんみたいな存在なんだなぁ。 さらに続編三部作もあるとのこと。 翻訳化を待つとしよう。

    1
    投稿日: 2016.09.21
  • 新装版 世界の処刑と拷問

    新装版 世界の処刑と拷問

    世界の処刑と拷問研究会

    サクラBooks

    死刑制度を考え直すきっかけとなる作品です

    小学生の頃に行った蝋人形館を思い出した。 中世の拷問や処刑の展示品を見て、お化け屋敷以上の衝撃を受けた覚えがある。 よくもまあ次から次へといろんな残虐な刑を思いつくものだと、人間の創造性に感心してしまう。 昔は公開処刑であったことを考えると処刑する方はもちろん、見る方にも潜在的に残虐性は持ち合わせているのだと思う。 最終章で筆者が述べている通り、190もの国々の中で死刑があるのはたった59ヶ国。 被害者遺族の感情もわからぬでもないが、死刑制度は人間の残虐的嗜好が表面化しているようで、個人的には好きになれない。

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    投稿日: 2016.09.11
  • インフェルノ(下)

    インフェルノ(下)

    ダン・ブラウン,越前敏弥

    角川文庫

    最後はイスタンブールだ!

    今度はトルコ、イスタンブールへ。 アヤソフィアという大聖堂の魅力が語られつつも、サスペンスの方も佳境に。 ダンテの神曲に大地の重力が反転するという場面があるらしいが、まさに反転の下巻。 逃げに逃げていたラングドンがいつの間にか追いに追いまくる。 敵が味方に、味方が敵となり。 何を信じていいのか、誰が悪者なのか。 作者のミスリードもあり、大混乱。 もう一度中巻を見直すはめになった。 あと「謝辞」にマルタ・アルヴァレスの名前が書いてあるけど、実在の人なの? 何はともあれ面白さは最高。 映画の公開が楽しみ!

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    投稿日: 2016.09.06
  • インフェルノ(中)

    インフェルノ(中)

    ダン・ブラウン,越前敏弥

    角川文庫

    舞台はヴェネツィアへ

    中巻に入ってもなお絶体絶命の波状攻撃が続く。 ギリギリのところで切り抜けながらも、少しずつ謎を解明していくラングドン。 舞台はヴェネツィアへ移り、ようやく事件の全貌が見えてきたが、真相にはまだ行き着かない。 ボッティチェルリの地獄の見取り図、ダンテのデスマスク、ミケリーノのダンテの神曲、サン・マルコの馬など次々と登場する美術品とそれにまつわるエピソードが面白い。 ラングドンも子どもの頃、映画『リトル・ロマンス』を観てダイアン・レインのファンになったというくだりで思わず「俺も!」と心の中で叫んでしまった。

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    投稿日: 2016.09.06
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