
真田三代 上
火坂雅志
NHK出版
真田家ダイジェストとして
つい先日、火坂さんがお亡くなりになったと聞いて、ふと読んでみようと思いました。 上巻は真田幸隆から真田昌幸の上田城築城まで。 歴史を駆け足でなぞっている感じで、一つ一つの合戦や武将たちの心理描写が粗くなってしまっているのが残念。 まぁ、真田家三代分を一気に描こうというのだから、それもやむを得ないか。 あくまでも真田家ダイジェスト版として読むには最適。
0投稿日: 2016.10.11
コフィン・ダンサー 上
ジェフリー・ディーヴァー,池田真紀子
文春文庫
つかまりそうでつかまらない頭のいい犯人が相手だ
リンカーン・ライムシリーズ第2弾。 今回は犯人が最初からわかっているため、犯人探しの楽しみはないが、かなり頭のいい殺し屋とリンカーンとの知恵比べの勝負が見処。 まだ上巻なのにクライマックスを思わせる緊迫感。 もう終わりそうな気配なんですけど、下巻はここからどう発展するのでしょうか?
0投稿日: 2016.10.11
コフィン・ダンサー 下
ジェフリー・ディーヴァー,池田真紀子
文春文庫
最後の1ページまで目が離せない
単に、頭のいい殺し屋と科学捜査官との知恵比べの話と思いきや、いやいやそんな浅いもんじゃなかった。 もちろんそれだけでも充分読み応えがあるのだが、次々に新展開が訪れ、その都度、は?とか、え?とか驚かされる。 そして、アメリア・サックスも前作よりかなりパワーアップしている。 今回は彼女の射撃の腕が見もの。 ついでにリンカーンとの恋の行方も気になるところ。
0投稿日: 2016.10.11
火螢の城
秋月達郎
PHP文芸文庫
関ヶ原の裏でこんな戦いがあった
こういう小説を待っていたんです❗ 関ヶ原決戦の裏で繰り広げられていた大津城攻防戦。 東軍勝利の鍵を握った名勝負であることは間違いないのに、残念なことになかなかクローズアップされない。 手に汗握る攻防、ちょっと頼りない京極高次と家臣たちとの固い絆、正妻である初との夫婦愛などが実に生き生きと描かれています。 『海の翼』『マルタの碑』と、いつもながら秋月氏の歴史の目の付け所は実に素晴らしい。
1投稿日: 2016.10.11
武田三代
新田次郎
文春文庫
作者の新解釈がユニークな作品
武田信虎、信玄、勝頼の三人にまつわる番外編的なエピソード短編集。 信虎の死の真相、武田埋蔵金の行方、山本勘助の人物像など、作者の想像を織り交ぜて独特の解釈を披露している。 これを読んだら長編の『武田信玄』を読まずにはいられない。
0投稿日: 2016.10.11
長宗我部 最後の戦い(下)
近衛龍春
講談社文庫
盛親に同情
なんとも不運な大名家ですなぁ。 とりわけ盛親は不憫でなりません。 慰霊もやっと今年になって土佐に戻ってきたとか…。 帰郷まで400年もかかったんですね。 関ヶ原合戦も大坂の陣も、あまり描かれることのない戦場が舞台となっているため、歴史オタクが読んでも、とても新鮮です。 近衛龍春さん、さすがです。
0投稿日: 2016.10.11
長宗我部 最後の戦い(上)
近衛龍春
講談社文庫
長宗我部盛親の生涯を描く作品
同氏の『長宗我部元親』の続編的な内容。 あまり注目されない長宗我部盛親を描いている点で興味深い作品。 上巻では小田原征伐の際の海からの攻城戦や朝鮮出兵での海戦、地上戦が細かく描かれていて、よく知っている合戦にもかかわらず新鮮な興奮を味わえる。 いつもちょっとマイナーな武将や合戦を描く近衛さんのおかげで、戦国時代の世界が更に広がる感じがする。
0投稿日: 2016.10.11
ジキル博士とハイド氏
ロバート・ルイス・スティーヴンスン,夏来健次
東京創元社
中編小説とは思えない読み応え
名前はよく知っているのに中身は知らないという本を最近になって読み始めています。 これも二重人格の代名詞ともなっているぐらい有名なのに、実は初読みです。 わずか150ページ足らずの中編小説にも関わらず、サスペンスタッチの大変読みごたえのある奥深い作品でした。 やはり名作と言われるものは、それなりの理由がありますね。 あまり知られていませんが、作者のスチーブンソンは吉田松陰の伝記を世界で初めて書いた人だそうです。
0投稿日: 2016.10.11
冤罪初心者 民間科学捜査員・桐野真衣
秦建日子
文春文庫
連続猟奇殺人事件なのに笑える小説
いやーおもしろーい。1作目が面白かったんで、今回も速攻読みました。 主人公のキャラがいいんでしょうね。凄腕女刑事、雪平夏見シリーズも書いている作者ですが、同じ作家とは思えない真逆のキャラとコメディ展開。 内容は連続猟奇殺人事件なのに、至る所で笑いが込み上げます。 外国映画によくある絶体絶命のピンチでジョークを飛ばす感じがいいですね。 主人公の桐野真衣、それを狙ってるわけじゃなく、天然で言っちゃうところがなお面白い。 だって、銃撃戦の中「ジョイナー」とか叫んで走るか、ふつう。
0投稿日: 2016.10.11
死のドレスを花婿に
ピエール・ルメートル,吉田恒雄
文春文庫
女性はコワい
『その女アレックス』の作者ピエール・ルメートルの第2弾刊行作品。と言っても、本来執筆されたのはこちらの方が先。 こちらの主人公もアレックス同様、かなりタフな女性であり、かつ可哀想な境遇を背負っている。 小説の構成もよく似ていて、章ごとに一人称が変わり、それに応じて主人公への印象も変化していくという手法も健在。 とにかく先の展開が予測不能のサスペンス。
0投稿日: 2016.10.11
