
傷だらけのカミーユ
ピエール・ルメートル,橘明美
文春文庫
三部作の完結編。切ない余韻を残す傑作ミステリー
カミーユ警部シリーズ三部作完結編。 イレーヌの事件をかなり引きずってる内容なので一作目を読んでいない人にはちょっと分かりづらいかも。 カミーユの恋人が強盗事件に巻き込まれ、またしてもイレーヌの事件の再来かと嫌な予感が頭をよぎる。 まったくの孤立無援の状態で孤軍奮闘するカミーユ。 後半、単なる強盗事件は全く違った顔を見せ始める。 とにかくカミーユが可哀想、切ない。 読み終わってみれば、タイトル通りの傷だらけのカミーユであった。
2投稿日: 2016.10.28
ちはやふる(33)
末次由紀
BE・LOVE
新VS詩暢の決戦の行方は?
高校生大会の決勝戦。 手に汗握る緊迫した戦い。 みんなよく頑張った!勝っても負けても清々しさが残る。 そして恋のロマンスも新展開。 そんな中で相変わらずの鈍感ぶりと、ちょっとズレてる千早。 新はそれでいいのか?
1投稿日: 2016.10.27
海の翼
秋月達郎
PHP文芸文庫
100年前の恩返しを忘れないトルコ人に感動!
久しぶりに涙の止まらない本を読んだ。 100年も前のエルトゥールル号遭難事件の恩義をトルコ中の親、教師が、子どもたちに語り継いできたことに驚きである。 たとえ百年先、二百年先であっても日本人が困っていたら、トルコ人は真っ先に助けなければいけないという思想がトルコ国民全体に浸透している。 なんと素晴らしい民族なのか!日本人もトルコ人も自国に誇りを感じられる話であった。 イラン・イラク戦争、トルコ大地震と恩返しの連鎖は続いている。 日本もこういう歴史をもっと知るべきだと思った。 トルコ大好き!イスタンブールに行きたい!
0投稿日: 2016.10.26
海の翼
秋月達郎
新人物文庫
100年前の恩返しを忘れないトルコ人に感動!
久しぶりに涙の止まらない本を読んだ。 100年も前のエルトゥールル号遭難事件の恩義をトルコ中の親、教師が、子どもたちに語り継いできたことに驚きである。 たとえ百年先、二百年先であっても日本人が困っていたら、トルコ人は真っ先に助けなければいけないという思想がトルコ国民全体に浸透している。 なんと素晴らしい民族なのか!日本人もトルコ人も自国に誇りを感じられる話であった。 イラン・イラク戦争、トルコ大地震と恩返しの連鎖は続いている。 日本もこういう歴史をもっと知るべきだと思った。 トルコ大好き!イスタンブールに行きたい!
1投稿日: 2016.10.26
傭兵代理店 謀略の海域
渡辺裕之
祥伝社文庫
今度の相手はソマリアの海賊だ!
シリーズ第5弾。 今度はソマリア沖の海賊退治に藤堂率いる傭兵部隊が駆り出される。 なぜ海賊が出没するのか? なぜ撲滅できないのか? そんな疑問に答えてくれる一冊。 なるほどー、こりゃあ自衛隊の派遣もやむ無しだなぁ。 そして、武器使用の法的制限もどうなのかなぁと改めて考えさせられた。 映画『ブラックホークダウン』の話もチラッと出てきたが、もう少しソマリアのお国事情を詳細に描いてほしかった。 ちとロシアを悪者扱いし過ぎかな。
0投稿日: 2016.10.21
明智小五郎事件簿2 「一寸法師」「何者」
江戸川乱歩,平山雄一
集英社文庫
江戸川乱歩のどんでん返しがスゴすぎる
明智小五郎の時系列小説集第2弾。 『一寸法師』ではいわゆる小人症の男が登場するのだが、化け物扱いしている点が不快感を誘う。まあ、大正時代という時代背景からするとやむを得ない偏見なのだろうが。 対して『何者』は秀逸な作品。本格的なトリックと推理のみならず、どんでん返しを幾重にも散りばめて、これぞ推理小説という逸品。発表当時、全く評価されなかったというのが不思議なぐらい。
0投稿日: 2016.10.14
イニシエーション・ラブ
乾くるみ
文春文庫
オジサン世代にとっては懐かしい時代背景が楽しめます
えっ?なに?どういうこと?最後まで読んでも、暫く理解不能。 もう一度読み返して、そうだったかー!ほのぼのした恋愛小説が一気にドロドロ小説に。 80年代後半の時代設定だから自分もちょうどこの頃は大学生。 懐かしいドラマや歌謡曲、流行語などが次から次へと出てきて、昔を思い出しながら読めて楽しかった。 今の若者が読んでも面白いのだろうか? 男女七人夏物語の飲むとゴボッとなるブーツ型ビールジョッキ、めっちゃ懐かしー。
1投稿日: 2016.10.11
セカンド・ラブ
乾くるみ
文春文庫
中森明菜ファンが楽しめる小説
またしても騙された! 『イニシエーションラブ』でまんまと騙されたので、リベンジとばかりに、かなり慎重に読み進めたつもりだったが、見事返り討ち。 読解力ないなー。 巻末の解説を読んで、章のタイトルや登場人物の名前が中森明菜に因んだものであることがわかり、昔々の明菜ファンにとっては、おまけの面白さが加わった。
0投稿日: 2016.10.11
実伝 真田幸村
火坂雅志
角川文庫
幸村ファンのためのオタクな内容です
これ1冊読めば、真田幸村オタクになれそう。 ただ、小説ではないので、若干くどい内容になっているのは否めない。 同じエピソードでも作家によって微妙に解釈が異なるのが興味深い。 結局は謎の多い武将で、真相がよくわからないのがまた魅力なんだろうと思う。 最後の『名将言行録』を古文で読むのはちょっと苦しかったが、新鮮でもあった。
0投稿日: 2016.10.11
真田三代 下
火坂雅志
NHK出版
真田をざっくり知るにはいいかと
真田家の本を読み漁っている者にとっては少し物足りないか。 真田家にまつわるエピソードは余すところなく語られているという点では贅沢な作品だが、人物描写が薄いため、感情移入が今一つ。 また、著者のオリジナリティーがあまり感じられないのも残念。 小野のお通の出生の秘密ぐらいが作者独自の解釈だろうか。 やはり、三代分の内容は欲張りすぎか…。 ちゃんと書くなら『真田太平記』ぐらいの長編でないと描ききれないのだろう。
0投稿日: 2016.10.11
