
シャドウ・ストーカー(上)
ジェフリー・ディーヴァー,池田真紀子
文春文庫
恋する人間嘘発見器
キャサリン・ダンスシリーズの第3作。 日本でも今まさに問題になっているストーカー被害。 追われる方の恐怖がじわじわと広がっていく。 小説だからと軽く受け流すことができない犯罪だ。 上巻では正直、彼女の能力がいかんなく発揮されたとは言い難い。 これは下巻に期待するしかないだろう。 恋バナも盛り込んだソフトなサスペンス小説といった感じ。
0投稿日: 2016.12.17
続 戦国自衛隊 1巻
宇治谷順,半村良
Benjanet
褪せることのない魅力のテーマが復活!
半村良の『戦国自衛隊』を読んだのは中学生の時。 それから何十年も経つが、今なお魅力的な設定であることに変わりはない。 漫画は既に読んでいるのだけど、ずっと小説版を読んでみたかったんだー。 続編を執筆してくれた作者に感謝。 原作の内容をそのまま引き継いで、最初の自衛隊がタイムトラベルしてから20数年後の戦国時代に再び自衛隊が放り込まれ、大谷吉継の庇護を受けつつも関ヶ原前哨戦に巻き込まれていく。 昔の戦法と近代戦闘のちぐはぐさが面白い。 そして、そもそも自衛隊って何?という問題提起もされている重厚な小説でもある。
0投稿日: 2016.12.17
君の名は。 Another Side:Earthbound
加納新太,田中将賀,朝日川日和,新海誠
角川スニーカー文庫
三葉のお父さんへの印象が変わります!
あくまでも原作を読んでいる(観ている)ことが前提の補完的ストーリー。 四葉やテッシー、三葉のお父さんなどの人物描写をより丁寧に描き込んでいる。 最初からこの内容を盛り込んでいれば、原作もラノベ感覚からもう少し重厚な文学になっていただろうに。 特に三葉のお父さんのストーリーは良かったなぁ。 原作ではただの頑固親父のイメージしかないが、これを読むと本当は愛情溢れる人だとわかる。 そして、避難訓練と称して住民を避難させた経緯がようやく判明する。 個人的には「責任とれよ、五島勉」の一言がツボだった。 わかる人にしか笑えないけど。
1投稿日: 2016.12.11
真田武陣伝2 最後の賭け
仲路さとる
歴史群像新書
史実で叶わなかった野戦での決着が実現する!
シリーズ2巻目は全てが架空の物語になるので、全く展開が予測不能。 でも当然、幸村が家康をやっつけることを期待しちゃうよなぁ。 ラストの膳所城、伏見城を舞台とする大攻防戦は架空の合戦にも関わらずリアリティーがあり、作戦もよく練られている。 討ち死にしていく武将たちの散り際も美しい。 このあたりは仲路さとるさん、さすがだなぁ。 とりあえず真田ファンの願望を叶えてくれる一冊。
0投稿日: 2016.11.30
真田武陣伝1 大坂異変
仲路さとる
歴史群像新書
真田ファンの夢を実現してくれる小説
大坂の陣から始まる歴史シミュレーション小説。 もし、大坂の陣を前にあの人が生きていたら、豊臣も滅びることはなかったかもしれないのに…、と誰もが期待してしまうあの人物が、そしてこの人物も、実は生きていたという設定。 前半は史実通りに、中盤からタラレバの世界へ。 終始迫力ある合戦シーンなので読み始めたら止まらない。
0投稿日: 2016.11.25
天使は奇跡を希う
七月隆文
文春文庫
『君の名は。』に負けてないです。主人公は新海くんだし。
転校してきた女子高生が天使で、みんなには見えない背中の羽がなぜか見えてしまう男子高校生、という設定が奇抜だったので読んでみた。 最初は天使と人間の学園恋愛小説かなって思ってたけど、中盤になって、マジか!てな感じに大転換。 愛媛県今治市を舞台に、微妙に観光PR的な要素も散りばめながら話は進む。 文章は相変わらず軽い感じだけど、ボケとツッコミの会話のやり取りが楽しく、いつの間にかファンタジックな世界に引き込まれてしまった。 そう言えばむかーし昔に経験したなぁというドキドキ感を思い出させてくれた。 青春だね!
1投稿日: 2016.11.21
リバース
五十嵐貴久
幻冬舎文庫
愛情に飢えた女はこんなにも恐ろしい
恐怖のストーカー殺人鬼『リカ』のシリーズ3作目。 タイトル通りリカの過去が綴られる。 歪んだ愛情、屈折した家庭環境、リカはこうして作られていったのか。 こんな環境だったら誰だって狂っていくだろうな。 それにしても、主人公の家政婦があまりにも鈍すぎ!もっと早く気づけよ。 家政婦なんだからさ『家政婦は見た!』の市原悦子ばりにグイグイ真相に迫っていかないと…。 このシリーズ、まだ続くのか? 次はリボーン?リピート?
1投稿日: 2016.11.14
リターン
五十嵐貴久
幻冬舎文庫
復活!恐怖のストーカー女リカ。
衝撃的な前作『リカ』から10年後という設定の続編。 相変わらずの不気味さ全開のリカ。 前作ほどのインパクトはないが、ラストはぞっとする。 でも、本作はプロットが雑な感じがする。 だって小学校の近所で死体遺棄事件があったのに校長にすら事件内容を教えないなんておかしいでしょ。 あと、リカの逃走手段を考える時に盗難車や自転車という可能性を誰も思いつかない警察ってどうなの? そして『交渉人籠城』の時にも感じたけど、五十嵐さん得意の同じ会話の繰り返しが延々と…。 あれほど執拗に追いかけてたテレビ局の人は結局なんだったの? とまあツッコミ満載ではあるけれど、続編を読む気満々です。
0投稿日: 2016.11.12
リカ
五十嵐貴久
幻冬舎
リカの怖さがハンパない!
出会い系からのストーカー行為。 普通の犯罪小説かと思いきや、どんどんホラーテイストに。 この女、ターミネーターか。 無敵の強さと残虐性をいかんなく発揮。 最後には背筋が凍る。
0投稿日: 2016.11.12
モンテ・クリスト伯 2
アレクサンドル・デュマ,山内義雄
岩波文庫
ついにプリズンブレイク成功!
巨万の財宝もゲットして、まずは恩返しの行脚。 善良な人が救われて良かった! 後半、盗賊が出てきたり、船乗りシンドバットが出てきたり、企みの全貌はまだ見えない。 いよいよ次巻で復讐の始まりか? それにしても、ダンテスが手に入れた財宝は今のお金でいかほどなんだろうか。
0投稿日: 2016.11.08
